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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

332名も無きAAのようです:2014/07/15(火) 22:45:07 ID:UfHVjZBo0

「私が言えるのはここまでだ。これ以上は、娘に怒られてしまうからね」

 棺桶死がクールから立ち上がる。
 解放された我が上司は海老のように体を弾けさせ棺桶死から距離を取った。
 俺の目が追いついた時には既に銃を構えている。
 しかし、長時間腕を取られていたためだろう。腕が震え銃口がぶれている。これでは弾が当たらない。

「兎角、娘の目的は君たち人間にとって害となるものでは無い。むしろ益になると考えて貰って構わんだろう。
 であるからして、二人には少しの間娘を見逃してやってほしいのだ。今日はそれを頼みに来た        」

「そんな要求を、私たちが聞くと思うか」

「聞かんだろうね。むしろ私がこう言うことでむしろムキになって娘を探すだろう」

 余裕のある笑み。
 気のいい老人の皮に騙されてはいけない。
 この男は俺たちの思考の外で何かを画策している。

「ま、用は済んだ、そろそろお暇させてもらおう、か」

 棺桶死の指が鳴る。
 白樺の細枝のような、骨ばったしかし美しい指だ。
 そこから発せられた音を聞くと同時に、縫い合わされたかのように動かなかった口が自由になる。

「ではな、クール嬢。別れの挨拶くらい、銃を仕舞っておくれ」

 扉の前に立ち困ったように笑う棺桶死。
 俺はその瞬間に、気付きの声を漏らしそうになった。
 閉めていたはずの扉が開いている。丁度、人一人がなんとか通れる程度に。


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