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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

325名も無きAAのようです:2014/07/15(火) 22:30:11 ID:UfHVjZBo0

「いやはや、どうもクール嬢には嫌われてしまっているね」

 かっかっかっと、木を打ち合わせたような笑い声。
 老齢であり、穏やか。日当たりのよい趣のある喫茶店の店主などが似合いそうだ。
 しかし、銃口を目で覘きながらの態度では無い。
 クールがいつになく取り乱すわけだ。

 棺桶死オサム。現存する中では最古とされる吸血鬼。
 その能力、脅威度はその他の比にならず、俺たちの資料の中でもただ一人特別な扱いをされている。

「もう一度聞く。何をしに来た、棺桶死」

「なに、クール嬢も草咲にいるというから、茶でも一杯やろうかとね」

 棺桶死オサムは、署の資料室に篭っていた俺とクールの前に霧を纏って颯爽と現れた。
 少なからず動揺し、驚いた俺をしり目に、クールは機敏に反応。
 銃を抜き棺桶死に躍りかかると、全体重をかけて押し倒し、今に至る。
 俺が暗示によって金縛りを喰らったのは、恐らく倒れる最中だ。
 一瞬目が合い、その瞬間に体が動かなくなった。

 どうやらクールは無事のようだが、どうにもこちらが有利には見えない。
 引金を引けば、確実に弾は棺桶死の頭蓋を貫く。
 両の腕はクールの膝に抑えられているため、いくら吸血鬼でも俊敏に動かせはしないだろう。
 それでもなお、この場の優位は棺桶死にある。

「そろそろどいてくれんかね。ここからの眺めも悪くは無いが、床が硬くてね。年寄りには辛い」

「貴様を目の前にして、銃口を逸らすと思うか」

「なら、なぜ今すぐにでも撃たないのかね」


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