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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

286名も無きAAのようです:2014/04/29(火) 18:26:38 ID:bz.gAPiE0

 男が、僕を軽々と振り、民家のブロック塀に叩き付けた。
 衝撃。体を伝って聞こえた何かの砕ける音は、壁か僕の骨か。
 痛みで意識が濁る。堪えることすらできず、はね返るまま地面に倒れた。

( `ー´) つか、お前と一緒に居たってことはこの娘も杭持ちか?随分起伏のねえ旨そうな体してるんだが。

 ツンの体に起伏が無いのは狙ったものだ。
 過度に筋肉や脂肪をつけた人間を吸血鬼は嫌う。
 餌としての使命を全うするため、ツンは少女然とした細くも太くも無い体型を維持している。
 
 なので当然戦闘力は下がる。
 故に多少筋肉質でも違和感のない男の僕が、護衛兼戦闘役として付き添っていたというのに。

( `ー´) ま、いいや。とりあえずお前は死ね。

 男の爪が伸びる。
 コイツ、膂力の高さと良い、血刑よりも身体改造に秀でたタイプ。
 格闘戦を挑んだのは失敗だった。未熟な僕が単体で挑んで何とかなる相手じゃない。

( `ー´) 安心しな。お前の相棒は、俺が吸い殺して、ちゃんと吸血鬼に作り替えてやるからよ。

 男が腕を振り上げた。
 日が沈みきり、点灯した街灯が、その鋭い人外の腕を黒い影に代える。
 体に力が入らない。
 悔しさに歯を食いしばることすら、できない。


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