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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

251名も無きAAのようです:2014/03/29(土) 23:37:41 ID:gpa8a09A0

 洋館の入口にも、やはり鍵がかかっていた。
 南京錠では無く、扉に備え付けの鍵だ。
 受け継がれる上で改修を行わなかったのか、趣を重視して変えなかったのか。
 洋館同様、鍵もかなりの年代もののようだ。

「流石くん」

「大丈夫です」

 俺は専用の工具を、鍵穴に差し込む。
 最新の錠は難しいがこれだけ古いものなら俺でも外すことが出来る。
 鍵の職人がよほど凝ったことをしていなければ、10分もかからない。

 予想通り、数分で閂が重い音を立てた。
 ドアノブを慎重に捻ってみる。開いた。
 各部の取りつけは、見た目の割にはしっかりしているようだ。

「流石流石くんなだけある。空き巣もお手の物だな」

「身に着けろといったのは素直さんでしょう。付け焼刃ですよ」

「いやいや。真剣に鍵穴を覗き込む姿は、熟練の盗人のそれだったよ」

 無機質な、一定のトーンで冗談を言う。
 ラジオの未選局ノイズの方がもう少し起伏と面白味に富んでいる。
 俺は反論を辞め、工具の代りに取りだした懐中電灯で屋内を照らした。


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