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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

21名も無きAAのようです:2014/02/16(日) 14:09:20 ID:FUwnuIG.0

 死というものに実体が、人としての姿があるのならば、きっと冷たいほどに美しい女なのだろう。
 誰もが抗えず、恐れながらも、どこかで惹かれ、目が合っただけで息を止めてしまう。
 そうでなければ、人はもっと容易く生を永遠にする方法を見つけているはずだ。

「そろそろ観念したらどうだ」

「ま、待ってくれ、頼む。二度としねえから」

 男は叫ぶように、醜い命乞いして見せた。
 両手と額を地面にこすりつけ、必死に慈悲を待つ。
 残念ながら、その後頭部に浴びせられるのが聖なる鉛の銃弾であることを俺は知っている。

「つ、つーかよ、俺はあの女から血を買っただけだろ。殺したわけでも、無理やり奪ったわけでもねえ
 それが何で、あんたらに狙われなきゃならねえんだ。あの女だって、了承の上だ。公正な取引じゃねえか」

「流石君、なぜだと思う?私は上手く言葉に出来ないのだが」

 銃口と視線を男の頭から離さず、彼女は俺に話を振った。
 常に気を付けていなければ、いつ話しかけられたかのかわからない。
 最重要の事柄以外について話すとき、彼女の言葉は無為な雑音に似たやる気の無さを持っている。

「そうですね。金に困っている家出娘に財布をちらつかせてホテルに誘う中年の下種親父に近い嫌悪感を覚えたから、でしょうか」

「成程。概ね同意できる意見だ」


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