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<_プー゚)フブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
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<_プー゚)フ おーっす!今回はこの俺エクストが案内するぜ!
<_プー゚)フ ここはブーン系小説&イラスト練習総合案内所だ!
<_プー゚)フ 気張っていけよ!
初めての方や馴染みのない方は以下のブーン系wiki、テンプレ等をよく読んで
ご理解とご協力をお願いします
・総合スレにおける最低限のルール、マナー
・よくあるQ&A
・荒らしについて
・進行中の企画・創作板の特殊スレ一覧
・AAテンプレ一覧
ブーン系wiki
http://www43.atwiki.jp/boonkei/
ttp://boonkei.wiki.fc2.com/
↑が見れない、AAがコピー出来ない方の為の予備サイト
ttp://boonkei.web.fc2.com/top.html
ttp://boonkei.m.web.fc2.com/top.html(携帯用)
兄弟スレ
( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★50
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1379170546/
前スレ
从゚×ナ从ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1387356664/
( ^ω^)ブーン系小説板のようです(旧避難所、スレ立て上限に達した)
ttp://jbbs.shitaraba.net/sports/37256/
( ^ω^) ブーン系小説板2のようです
http://jbbs.shitaraba.net/internet/16305/
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くっさいセリフ書くときって皆どうしてるの?
いっつも恥ずかしくなって死にたくなるんだが
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自分がくっさくて死にたくなるような台詞をえらばない。
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しばらく悶えて悩んでどうでもよくなるまで放置
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なるほど
参考になった、ありがとう
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うんこブリブリ!うんこブリブリ!
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>>500
なんてくっさいセリフなんだ……
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あれ、規制?
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されてなかった
くっさいセリフは自分じゃないと思い込みまくって対処してるんだけど、下ネタ書けなくて困ってる
下痢気味の大便とか女性の股間のアレとか、そっち系をどんな顔して書き込めば良いかわからん
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くさくならないようにシンプルにかっこいい言い回しを選ぶな俺は
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>>504
くさい
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('A`)「ふ…俺はどこぞの異臭野郎みてえに臭え台詞は吐かねえよ」
('A`)「臭うのは、生ゴミとウ◯チだけで、充分だぜ」
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頂いたお題で短編を書きました。投下します。
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高校生のときから、兄貴としぃは付き合っていた。
その時期の一コマを、俺は今でも覚えている。
(*゚ー゚)「それでね、リンクから探そうとしたんだけど『ノット・フォウンド』って出てきちゃって――」
帰り道にて、しぃと兄貴は他愛無い話をし合っていた。
兄貴を振り向くたびに見えるしぃの横顔は、いつでも紅潮していた。
よほど話すことが楽しくて、夢中になっていたんだと思う。
(,,゚Д゚)「……『ノット・ファウンド』だろ?」
(;*゚ー゚)「え、あれ!? そうだっけ」
口元を手でおさえ、目を瞬く。そんな挙動の隅々まで俺は覚えている。
ミ,,゚Д゚彡「……」
ふたりの後ろでその様子をしっかり眺めていたから。
帰り道は兄貴と同じだから、どうしても同じ道を歩かなければならなかった。
別に見せつけられていたわけじゃない。兄貴も「別々に帰らないか」と気を使ってくれていたんだ。
それでも一緒に帰りたいと言ったのは、俺の意志だ。「邪魔しないからいいだろ」と俺は主張し続けた。
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兄貴は不可解そうに首を傾げながらも、俺が後をついていくことを了解してくれた。
おそらく俺が冷やかそうとしているとか、そう考えてくれたのだと思う。
実際あの帰り道で、時折ギコは俺を振り向いて、俺が怪しいことをしでかさないか目を光らせていた。
とはいえ、それは見当違いだった。
あのとき俺は兄貴のことを全く気にもかけていなかったし、邪魔する気も冷やかす気もなかった。
(*゚ー゚)「ああ、良かった。テストの前に知ることができて!」
俺は、しぃばかりを見ていたのだから。
俺と、兄貴は一つ違い。しぃは兄貴と同い年。
幼馴染の兄貴としぃが付き合いを始めたのは、あまりにも自然な流れの出来事だったと思う。
少なくとも周りでは、俺を含めて、そのことに疑問を抱く人はいなかった。
残念なことに、俺がしぃのことを意識し始めたのは、それからすぐ後のことだった。
兄貴と一緒にいる彼女の姿を見て、どうしてか胸が高鳴った。
彼女はこんなに魅力的な女性だったのかと驚き、その発見の遅さを悔いた。
ふたりの関係に付け入る隙などなくて、俺はどうしたって我慢する他に選択肢がなかった。
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その隠していた気持ちが、あまりにも溜まりすぎていたから、発散したくなって、あのとき俺は兄貴達の後ろを歩いた。
別に奪い取ろうだとか、襲おうだとか物騒なことは考えていなかった。しぃの顔を見ることができればそれだけで満足だったんだ。
それくらいの小さな望みくらい叶えたっていいだろう、心のうちで、兄貴にそう訴えていた。
鈍い兄貴だったし、そんな気持ちが伝わっていたとは到底思えないが。
事実、あの日俺と兄貴はごく普通に道中でしぃと別れ、何事もなく家に着いた。
兄貴も俺もしぃのことは何も言わなかった。俺はともかく、兄貴が何を考えていたのかは今を以ってさっぱりわからない。
無骨で不器用な兄貴だったが、このときばかりは都合が良かった。下手に追求されたら、俺と兄貴の仲は険悪なものとなっていただろう。
兄貴としぃは卒業後も順調に交際を続けていたらしい。
あまり詳しくは聞いていない。高校を卒業した俺が、兄貴と疎遠になったからだ。
なんのことはなく、大人になるにつれ、兄弟だろうと別々の人間に成長していく、それだけのことだった。
時が流れた。
俺が社会人になって数年が経過したとき、ひとつの大きな事件が起きた。
周りも俺もにわかに忙しくなり、必死で急場を凌いだ。
ようやく落ち着いた頃になって、俺の元に一人の人間が訪れた。
-
( ´∀`)
見た目はごくごく普通の配達員だった。
その衣装が、とある企業専属の、見慣れないゴージャスなものだったこと以外は。
( ´∀`)「こちらが注文の品モナ」
男が示したのは、隣に佇立していたもの。
(*゚−゚)「……」
しぃは
――アンドロイドになって帰ってきた。
-
(*゚ー゚)ノット・ファウンド・アンドロイドのようです(*゚−゚)
.
-
身体をデータとして解析し、アンドロイドの外殻とする技術を生み出したのは、この国の某企業だった。
開発された当初は世界各国で倫理的問題についての討議が行われた。
反対派の主張は、中身がロボットだとしても、クローンと変わらず、悪用に繋がるのではないか、というものだ。
これに対し、企業側は、生きている人間には絶対に利用しないこと、使用目的を極端に限定することを提案した。
アンドロイドの内部に組み込まれる予定の人工知能の技術がまだまだ本物の脳とは遠く及ばないこと、
従って反対派の危惧するようなクローン技術の濫用とは事情が異なることが、企業の主張を後押しした。
何度かの動物実験が成功した後、数年の国連、及び国会での討議の末に対人使用への実用化が図られた。
使用対象は、死亡してすぐの人間だけ。
使用目的は、残された遺族の生活の扶助。
(*゚−゚)
ミ,,゚Д゚彡「少し表情がかたいんですね」
( ´∀`)「そのあたりは性格に左右されることモナ。容姿はこれでいいモナか?」
ミ,,゚Д゚彡「ええ、まあ」
俺の目が彼女に向いても、彼女は微動だにしなかった。
余計な反応はしないようにプログラムされているのかもしれない。
-
少なくとも見た目は、申し分なく彼女そのものだった。
見惚れそうになる気持ちを振り払い、俺はまた男の方を向いて頷く。
( ´∀`)「それでは製品を安全に使うための重要事項を口頭で伝えさせてもらうモナ。
これから言うことは付属した取扱説明書にも書かれていることモナ。
大事なことだから口でも伝えるのであって、もし聞き逃したり忘れたら何度でも読み返してほしいモナ。いいモナか?」
( ´∀`)「我が社のアンドロイド製品は、できてまだ間もない新技術を採用しているモナ。
したがって半永久的な保証期間を設けているモナ。もしトラブルが起きたらすぐに連絡をしてほしいモナ。
また、こちらからも何かの事情で製品についてのご連絡をすることがありうるモナ。その点を了承してもらいたいモナ」
俺が頷くと、モナーはほっとした様子で、一枚の名刺を差し出した。
( ´∀`)「連絡先はこちらモナ。今後も我が社の製品をご贔屓に、それでは失礼するモナ」
ぺこりと頭を下げ、業者の男は去っていった。
後に残された俺は、佇むしぃの手を引いて、ぎこちなく室内へ招く。
肌は柔らかいものの異様に冷たくて、人間の体ではないことを思い知らされた。
-
/ ,' 3 フガフガ
俺の親父が倒れたのは数年前のことだ。兄貴達が出て行った直後だったと思う。
それからずっと、ほとんどものも言わずにベッドで横になっている。
だいぶ痴呆が進んでいて、介護が必要だったが、あいにく俺の母親の方はすでに他界していたから、俺が面倒を見ている。
ミ,,゚Д゚彡「えっと……君の仕事は介護のお手伝いなんだけど、大丈夫かな……しぃ、さん」
(*゚−゚) コクリ
見たことのある人間でも、中身は別物で、だから接し方も慎重になった。
アンドロイドの彼女は軽く頷いて同意を示し、親父の元へと近づいた。
/ ,' 3 フガフガ
(*゚−゚)「要求を」
/ ,' 3 フガ?
(*゚−゚)「……要求を」
ミ,;゚Д゚彡「ああ、待ってくれ。
そうだなあ、とりあえずご飯を作ってくれるかな。親父の老体でも食べられるものを」
-
(*゚−゚)「了解」
しぃの手が、軽く老体の腹に触れる。親父の方はわけもわからない様子で目をパチクリさせていた。
(*゚−゚)「身体状況把握。台所はどこでしょう」
短い質問が、俺に投げかけられた。
アンドロイドの知能はまだまだ人には及ばない。
彼女の冷たい手を引きながら、俺は企業側が答弁の場で繰り返していたそのフレーズを思い出していた。
それから、俺の生活に彼女が加わった。
まだ彼女が来て間もない頃、彼女は一人でなんでもこなそうとした。
仕事を終えて帰宅すると、すでに彼女の料理がリビングのテーブルの上に並べられる。
俺が食事をして、その後風呂に入っている間も、休みなく彼女は親父の傍で世話をする。
親父が眠りに落ちると、いそいそと俺の脱いだ服を洗濯機へ運んでいく。
ミ,;゚Д゚彡「いいよそれくらい」
かごに手を掛ける彼女を見つけて、慌てて声をかけた。
-
ミ,,゚Д゚彡「頼んだ仕事は親父の世話だけだよ」
(*゚−゚)「この家に仕えることが仕事だとプログラムされている」
ミ,;゚Д゚彡「……少し書き換えてもいいのかな」
(*゚−゚)「主様が言ってくれれば、それが新しいプログラムになる」
俺はなるべく彼女の負担を減らそうと思った。
甲斐甲斐しく働くために作られたのだろうが、彼女の姿がどうしてもしぃを想起してしまうので、酷使してしまうことは躊躇われたんだ。
俺だって彼女が来る前から家事はしていた。だから、いくつか分担して作業することに決めた。
それだけでも、大いに助かった。
いまだに結婚もしていない俺には、そもそも親父の世話をしながらの生活の負担は大きかった。
もししぃがうちに来なかったら、俺は今の仕事を捨てて生活保護を受けながら、ひもじく生きていただろう。
不謹慎だが、しぃがアンドロイドとなったことは、俺にとって幸運だったのかもしれない。
だけど、楽なことばかりでもなかった。
(*゚−゚)「お父様、入浴の時間です」
/ ,' 3 フグウ
-
(*゚−゚)「よいしょっと」
親父の身体を軽々と持ち上げて、風呂場へと運んでいく。
彼女の中身はアンドロイドに違いない。
それでも彼女を見るたびに、生きていたしぃのことを思い出してしまうのは、しかたのないことだった。
(,,゚Д゚)
その想起には、必ず兄貴が付随していた。
欠損が激しく、アンドロイドにはなれなかった兄貴のこと。
本来、しぃと一緒に暮らしていたのは兄貴の方だった。
俺は今、兄貴の追体験をしているようなものだ。相手の中身が異なっても、俺自身がそう感じてしまっている。
まるで兄貴の大切なものを奪ってしまったかのような、卑しい空想が胸に渦巻くこともあった。
ミ,, Д 彡「……なあ、しぃ」
風呂場から親父を抱えて帰ってきたしぃに、俺は声をかけた。
ミ,, Д 彡「今夜、俺の部屋に来れるかな。少し誰かと話したくてさ」
溜まってきた罪悪感を吐き出したい。とにかく聞いてくれる人がいるだけでいい。
そう思って、俺は提案した。
-
(*゚−゚) コクリ
無機質な頷きが、今は無性にありがたかった。
部屋でくつろいでいたら、しぃの方から来てくれた。
ミ,,゚Д゚彡「早いな。親父の世話はもう少しかかるのかと思っていた」
(*゚−゚)「……お父様はもう眠りましたので」
俺は椅子に、しぃはベッドの上に座った。
自室に彼女がいる、その事実を改めて認識して胸が高鳴る自分に気づき、その単純さに半ば呆れもした。
でも、思えば高校生のときから、ずっとこうしたかったのかもしれない。兄貴に気を使ってできなかっただけだ。
一瞬湧いてこようとする情感を、咳払いしてウヤムヤにする。
ミ,,゚Д゚彡「……兄貴の話をしたいんだ」
社会人になって、人との繋がりが薄くなったために、なかなか他人には言い出せないでいた話だった。
-
ミ,,゚Д゚彡「俺の兄貴は、しぃさん、人間だった頃のあんたと結婚した。それで遠くの街に引っ越したんだ。
詳しくは知らないけど、近所でも有名なくらい、ものすごく仲良く暮らしていたらしい」
ミ,,^Д^彡「あの兄貴がデレデレになる姿、一度くらい見てみたかったな〜」
ミ,,゚Д゚彡「だけど、さ。あの野郎突然逝きやがった」
ミ,,#゚Д゚彡「夫婦連れ立っての旅行の帰り道に、大型車に轢かれたって連絡が入ってさ。
兄貴が何か悪いことをしたわけでもないっていうのに、マジでひどい話だと思ったよ」
ミ,,゚Д゚彡「……兄貴は即死、同席していたあんたも意識不明の重体、余命は幾許もない状態だった」
ミ,,-Д-彡「あの企業から連絡が入ったのは、ちょうどそのときだったよ。
あんたの担当医と企業のお偉いさんが知り合いだったんだって」
ミ,,゚Д゚彡「それで、な。俺に提案してきたんだよ。『企業の提供するサービスを受けてみないか』ってね」
ミ,;゚Д゚彡「最初はさ、なんだか突飛な話で、断っていたんだけど、しつこくて。
そんなことをしているうちにあんたの状態も、親父の痴呆もどんどん悪くなるし、生活も苦しくなった」
ミ,,゚Д゚彡「だから……最終的に俺はその提案を受け入れた。
これが、しぃさん、あんたのここにいる経緯なんだけど」
-
ミ,;゚Д゚彡「なんというか……俺の選択が正しかったのか、未だに自信が持てないんだ」
ミ,;^Д^彡「あんたはどう見てもしぃさんそのものだし、しぃさんは兄貴と一緒に暮らしていたんだし。
俺も、さ。ひょっとしたらしぃさんと暮らせるってことなのかーとか、そんなこと考えていた節もあったんだ。思い返せばすごく浅はかだった。
あんたは兄貴のものなんだよな。俺にはやっぱり付け入ることはできない。今でも、なんだか、自分がひどくしている気分になることがあるんだよ」
ミ,; Д 彡「兄貴はもう死んでいるのになあ……なんでかなあ。
俺はあんたと暮らしていて、本当にいいのかな。どう思う、しぃさん?」
なかなか考えがまとまらなくて、無理やりしぃに質問してみた。
もしも相手が生身の彼女だったら、俺に対して怒っていたかもしれない。兄貴の不在に嘆いていたかもしれない。
そんな反応が返ってくるのが怖くて、俯いていた顔をあげるのもゆっくりになった。
(*゚−゚)「…………」
彼女は相も変わらず無表情でいた。
答えられない――そう言われている気がした。
そして、彼女はどこまでもしぃとは違う、アンドロイドなのだと、改めて痛感した。
-
ミ,,゚Д゚彡「…………なあ、しぃさん」
恐れが萎んで、俺は自分がひどく惨めな存在のように感じた。
ミ,,゚Д゚彡「兄貴、ギコのこと、覚えていないんだよな」
わかりきったことを、つい質問してしまう。
しぃの身体から、微かに音が聞こえてきた。コンピューターが何らかの動作をしているときの音だ。
やがて、音が鎮まり、彼女が口を開いた。
(*゚−゚)「……『ノット・ファウンド』です。私の記憶に、その人物の名前はありません」
かつての帰り道の一コマが、また思い出された。
いつもなら綺麗に浮かんでいたなずの情景が、途方も無いほどに色褪せていた。
もう思い出すなとでも言いたげに。
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数日後、ある事件が報道された。
どこかの大型工場にて、アンドロイドが暴走して人を襲ったらしい。
それは例の企業の製品だったので、関係者は厳しい責任追及を受けていた。
代表側は販売を一旦自粛することを述べ、すでに販売してしまった製品には担当者を派遣してチェックに回ることを約束した。
その日帰宅して、リビングでテレビを眺めていると、俺は電話連絡を受けた。
(;´∀`)『担当のモナーだモナ。そちらに販売した製品について調査する必要があるのだけど』
口調から、相当に焦っていることが伺えた。
ミ,,゚Д゚彡「ニュースの件ですか。やはりチェックが入ると?」
(;´∀`)『そうしないといけないモナ。アンドロイドの人工知能の基本構造から調べる必要があるモナ。
今月中にでも、アンドロイドを小売店の方に連れてこれるモナか?』
ミ,;゚Д゚彡「……予定を調べてきますので、折り返し電話して構いませんか?」
(;´∀`)『OKモナ』
電話を切って後、俺は長々と溜息をついた。
正直なところ、しぃを手放したくなかった。もはや彼女の助けのない生活は考えられなかったからだ。
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一日の調査で済めばいいが、もし数週間も拘束されたり、問題を見つけられてしぃを引き上げられたら……
しぃがどこかの廃棄物処理場に埋められる様を想像し、背筋が凍る思いがした。
眺めていたテレビの画面が切り替わり、例のアンドロイド暴走事件の映像が流れてきた。
事件が起こったのは昼間のことだ。工場の灰色の屋根を突き破って火の手と煙が立ち昇っている映像が流される。
もう何度となく流されてきた映像で、企業側はこの事件について映像以上の情報を開示しようとしなかった。
しかし、企業の口止めにも限界がある。
ニュースの画面が切り替わり、古典的なパソコンのイメージイラストが映る。
例の事件についての、人々に広まる噂についての話が始まる。
最初はインターネット上で広まっていた噂だったが、随分と大衆に浸透してしまったらしい。
――事件を起こしたアンドロイドは、しきりに『制裁』と叫んでいた――
テロップでもその文字が現れる。噂の根幹をなす事柄だ。
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いったい何についての『制裁』なのか、どうしてアンドロイドがそのような言葉を叫んだのか。
正式な発表もされていないので企業側からの回答はない。しかし追求されるのも時間の問題だろうと思われた。
それにしても、『制裁』というのは、普通人が他人を罰するときに使う言葉だ。
そんなものを持ち出すアンドロイドがいるなら、そいつは限りなく人間に近いのでは――
(*゚−゚)「主様、お父様を寝かしつけました」
ミ,;゚Д゚彡「お、おおそうか。ありがとう」
思考しているときに突然声をかけられ、俺の声が上ずった。
相変わらずしぃからの反応は皆無だった。
ミ,,゚Д゚彡「あのさ、しぃ。実はさっき業者から連絡があってな。今度小売店の方にいかなくてはならないんだ」
(*゚−゚)「……何の用なのでしょう」
ミ,,゚Д゚彡「人工知能の調査だって。今事件が起きていて……まあそれはいいか。
今月末には行かなくちゃならないんだ。正直どれくらい拘束されるのかはわからない」
言ってから、違和感に気づいた。
-
しぃが、質問を返してきた。
そんなこと、今まであっただろうか。
不意に、胸がざわつく。
疑問が浮かぶも、口にだす前に、しぃの言葉が割って入ってくる。
(*゚−゚)「了解しました」
短く鋭く答え、しぃがその場を去ろうとする。
ミ,;゚Д゚彡「あ、なあ、おい」
慌てて、背中に向かって声をかけた。
振り向いてはくれなかったものの、しぃは立ち止まってくれた。
彼女は、あの暴れたアンドロイドと同じように、何か異常を起こしているのではないか。
それを知るための質問をしたかった。
ミ,;゚Д゚彡「あの……」
-
でも、どうしても怖かった。
悪寒がして、喉まで迫っていた言葉を別のものに変えてしまう。
ミ,;^Д^彡「こ、小売店の場所、どこだったかなって……わからないかな」
当り障りのない質問に逃げてしまった。
そもそも小売店には契約でしか赴いていないので、しぃに答えられるはずもないのに。
自分の弱さに舌を打ちながら、同時に安堵の感が胸に広がった。
(* − )「…………」
背中を向けている彼女から、静かな音がした。
コンピューターの作動音。前に聞いたあの音。
おさまった後に、彼女が口を開く。
(* ー )「ノット・フォウンド」
.
-
彼女が部屋を出て、数歩足音が聞こえた後、
俺はその返答の意味に気づいた。
慌てて扉に駆け寄ったときに、一つ大きな爆音がして、続いて何かの破壊される音がした。
俺はとにかく恐ろしくて、動揺して、身体中がばかみたいに震えきっていた。
やっとのことで扉を開くと、顔面に強い風が吹き付けてきた。
玄関が破壊されていた。
真夜中の外から、冷たい風が俺のうちの中へ容赦なく侵入してきていた。
しぃの姿はもう、すでに見えなくなってしまっていた。
.
-
最近はVIPにスレが立たないね
みんな規制されたのかな
-
( ´∀`)「……それが、昨日起きたことモナか」
ミ,,;Д;彡「…………はい」
翌日、業者に事情を連絡したら、すぐに担当のモナーが来てくれた。
無理やり板を貼り付けた玄関を見て、彼はすぐに事情を察してくれたようだった。
リビングのテーブルで、俺は彼に向かい合って俯いている。
目から流れる涙は、なかなか止まってくれなかった。
ミ,,;Д;彡「モナーさん、教えて下さいよ。
あの事件で何が起きているんですか。アンドロイドに起きている不具合って」
( ´∀`)「薄々気づいているんじゃないモナか?」
ミ,,;Д;彡「え……」
アンドロイドの異常とは、しぃに起きていた異常とは、なにか。
昨晩の様子を、俺は思い出し、それから閃いた。
-
ミ,,;Д;彡「しぃは、どうしてか、昔の彼女と同じ言い間違いをしていました。
彼女の生前の記憶なんて、覚えているはずもないのに」
ミ,,;Д;彡「だから、もしかしたら彼女は……記憶を取り戻していた?」
( ´∀`)「今、上層部が慌ただしく調べなおしているのもそのことモナ」
落ち着いたトーンで、モナーが述べる。
( ´∀`)「人工知能が未発達なら、自我が芽生える余地もない。そう研究者は思っていたモナ。
でも最近、突然アンドロイドが自我を持ったように活動する事例が確認されているモナ。
あの工場での事件は、たまたま被害が大きくて衆人の目に晒されただけモナ。
すでに企業はこの事業の重大な欠陥に気づいたモナ」
( ´∀`)「たとえ知能が届いていなくても、自我が芽生えるきっかけはありうるようなんだモナ。
僕が知っている事例でも、そのアンドロイドの生前と深く関わりのある事柄が、
暴走の引き金となったのではないかとみられているものがあるモナ」
深く関わりのある事柄――
ミ,,;Д;彡「それってもしかして、兄貴のこと……?」
モナーは眉を顰め、低く唸る。
-
おっとリロミス
投下中だった
ごめん
-
( ´∀`)「アンドロイドの事情は調べないとわからないモナ。
僕からできる話はここまでモナ。約束通り、保証は聞くのでお金は戻るモナ。安心してくれモナ。
それと、自我の芽生える心配のない介護ロボットを贈呈するモナ。ひとまず、今日はこのあたりで」
深く頭を下げるモナー。
俺はそれに答える気力もわかず、短く呻くのみにとどまる。
モナーは特に何も言わずに、すたすたとその場を後にしてしまった。あくまで仕事をこなしているだけ、そんな様子だった。
一人リビングに残され、俺は頭を抱えていた。
彼女には自我が芽生えていた。
そしてそのことをひた隠しにし、俺に何も悟らせず、普通のロボットと同じように介護を続けていた。
それは決して、俺と一緒にいたいからではないだろう。
もしそうなら、彼女は自分が自分であることをはっきり俺に告げていたはずだ。
彼女は俺に、自らの自我の萌芽がバレることを恐れていた。だから隠したんだ。
もしバレたら、回収されて、スクラップにされてしまうから。
-
『制裁』
ミ,,;Д;彡 ビクゥ
唐突に、暴走事件の噂で使われたフレーズを思い出してしまった。
そして、どうしてあの暴れていたアンドロイドがその言葉を使っていたのかも、強烈に理解できた。
それは強い怒りの表れなのだ。
生きていた身体がなくなり、作られた人体に生まれ変わった直後に、誰かの召使として生かされる日々。
人としての自我が芽生えているならば、憤らないはずかない。
俺は彼女にどう接したか。
彼女を奴隷のように従えていただろうか。
いや、問題はそこじゃない。俺がどうしたかじゃない。
彼女自身が怒っていたかどうかだろう。
しぃが怒り、それが蓄積していたならば、俺はいつか彼女によって『制裁』を――
-
ヴヴヴ...
ポケットに振動を感じた。携帯端末が何かを受信したらしい。
画面には、知らない番号が表示されていた。
微かにためらった後、通話に応える。
(* ー )『フサギコくん?』
ミ,,;Д;彡「し……しぃ?」
紛れも無い彼女の声。
ミつД;彡 ゴシゴシ
ミ,;゚Д゚彡「しぃ! 今どこにいるんだよ!」
(* ー )『とっても遠いところにいるよ』
彼女の声は、すでに冷淡ではなくなっていた。
人間らしいぬくもりのある声。しぃそのものとしか思えないのに、それは決してしぃではない。
-
(* ー )『お別れを言いに、電話したの』
ミ,,゚Д゚彡「別れ?」
(* ー )『うん。少しの間だけど、お世話になったから』
ミ,;゚Д゚彡「な、何言っているんだよ。お世話になったのは俺の方だろ」
(* ー )『それだけじゃないよ。一緒に暮らして、それで、ギコくんのことも思い出させてくれたもの。
私は自分が何者か理解できて、とても嬉しかったよ』
ミ,;゚Д゚彡「…………」
(* ー )『……でもね』
-
(*;ー;)「私はこれから、どこへ行けばいいのかな?」
.
-
数秒立って、「しぃ!」と叫んだときには、すでに通話は切られていた。
ミ,,゚Д゚彡「……そういうことか」
しぃは俺のことを恨んではいない。
彼女が望んでいるのは、もっと別のものだったんだ。
俺のせいで自我が芽生えた。
思えばそのとき、俺のことを襲おうと思えば襲えたんだ。
でもそれをしなかった。
誰かを殺すより、自分が生きる道を選んだんだ。
ミ,,゚Д゚彡「行かなくちゃ」
テーブルに手をついて、勢い良く立ち上がる。
-
自分に何ができるかはわからない。
それでも彼女に会わなくちゃならない。
どれほど困難で、見つからない探し物――いや、探し人だとしても
見つけなくてはならないんだ。
いつの間にか、外は騒々しくなっていた。事態は逼迫しているらしい。
悲鳴や爆発音が地鳴りのごとく響く世界へ、俺は一歩踏み出した。
〜おわり〜
-
頂いたお題
>>405 ノットフォウンド
>>406 制裁
>>407 見つからない探し物
終わりです。
それでは。
-
乙!
おもしろかったよ
-
乙乙
-
>>529
毎年この時期は少ないよ
受験生が多いんじゃね?
-
レポートの山に埋もれて死にそうれす^q^
-
おつおつ
良かったよ
-
乙
終わり方がいいね
-
こんな読み応えある総合短編は珍しいな
乙
-
やっぱあんた凄ぇな、衛兵のほうも忘れずに頼むぜ
-
おつ
ひきこまれた…面白いわ。
-
すごい好み、よかったよ
他の作品もあったら是非教えてくれないか
-
乙乙
>>550
>>540の酉でググれ
-
ヒッキーを主役に何か書きたいので3つ程お題下さい
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>>552
超ポジティヴ☆
-
>>552
43歳の誕生日
-
>>552
絶望的状況
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>>553-555
書きごたえあるお題ありがとうございます!
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糞野郎と恋われたいの人の作品って、怪異とエゴイストと恋われたいの前身っぽいのと、あと何かあったっけ?
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( ^ω^)の狂葬異聞のようです
-
完結してるやつだとin the ドームと、雪山山荘かな
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名無し雑談スレみたけどそういや何で投下後にわざわざコテつけてんの?
-
以外と他人の作品を勝手に騙るやつがいるらしい
-
AA+ミリタリーな絵題二つください
-
ミ ゚Д゚彡+装甲車
-
>>562
(-_-) + 空挺降下
-
<_プー゚)フ+エイブラムス
-
把握したでござる
-
ドームって完結してたのかよ……今更知ったわ……
-
でもルームは…
-
ん?ルームって閉じ込められてゲームするやつ?
あれ、じゃあドームってどんなのだっけ
-
ドームの続編がルーム
-
なんかAAとめっちゃ使ってるブーン系作者がいたのを思い出したが
何かいていたのか忘れてしまった。
誰か教えろください
-
それだけじゃわからん
-
AAの描き方を書いていたような
-
デミそこでトールの大型AA作ってたけど
それでなく?
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>>574
それだ!
ありがとぅー。
てかこのサイト通ってたら知ってなきゃいけない作品だった。orz
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( ^ω^)(これは……釣りか……?いや待て、これだけで決めつけるのは早計…)
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釣りだろ
ウンコ野郎
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これが若さか
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若さって何だ?
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つまり若狭湾ってことさ!
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諦めない事さ
・・・このネタ伝わる奴って今の創作にいるんだろうか
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>>581
ギャバン!あばよ涙
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よろしく勇気
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宇宙刑事ーギャーバン!
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ギャバソの方が出てきて困る
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たっのしそうだなあおまえら
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ここにいるのはジバン〜ジャンパーソン世代ぐらいのイメージ
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( ▼VVV▼)「グェッヘッヘッヘー」
(;^ω^)「あぁ!化け物が人々を襲ってるお!こうなったら!」
( ^ω^)「蒸 着!!」
( ^ω^)「…………」
( ▼VVV▼)「…………?」
( ^ω^)「まだかお……」
宇宙刑事ギャブンがコンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か5分に過ぎない!
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
(;^ω^)そ「ちょっと待つお!!5分もあったらウルトラマンがとっくに怪獣倒して帰ってるお!長すぎるお!」
(;^ω^)「あとまだ蒸着してすらないのに『もう一度見てみよう』はおかしいお!」
( ▼VVV▼)「グギャァオォーー!!」
(;^ω^)「わぁぁー!!ちょっと落ち着けお!!あと4分!!4分だけだから!お願いだお!待ってくれおー!!」
( ^ω^)宇宙刑事ギャブンのようです(=====イ)
こんなんじゃなくていいから誰か書けよ
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(敵が見てない所でこっそり変身してから飛び出せば……エエんちゃう?)
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ULTRASEVEN X見てたらサスペンスアクションみたいなの書きたくなってきた
でも難しそう
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>>589
(それ暗黙の了解なんやで…)
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ちくしょう……最近VIPはROMるだけにしてたせいか忍法帳リセットされてた……ちまちま40まで上げたのに……ちくしょう……この携帯……ちくしょう……
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>>590
現在社会に対して風刺めいた話が多いよね
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クールな二枚目AAっていない?
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そんなあなたに万能モララー
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