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('A`)百物語のようです2013( )
505
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 11/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:02:07 ID:Yk3KobIk0
相手が野性と言うならば、あるがままに受け入れよう。
それが相対する我が身のするべきことだと悟った。
そうして新しい境地を垣間見ることができるならば。
これを教えてくれた友人に感謝しなければなるまい。
暇で暇でしょうがなかった大学生の夏休み。
毎日が堕落であり、むさい部屋で男と怪談に興じるなど、滑稽である。
そのむさい部屋を提供してくれたのも友人だったが、この際気にしない。
そうだ、余計なことは考えるな。
今は目一杯、このときを楽しむのだ、私はそう自分に言い聞かせた。
彼女の舌は下腹部へと迫っている。
もうじきに私の昂りは頂へと達するだろう。
もはや力も入らない。体が痺れる。熱さもある。
このまま、このまま
幸せな感覚を……
「くしゅん」
● ○ ●
506
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 12/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:03:06 ID:Yk3KobIk0
( ・∀・)「クーさん」
彼は徳島にある病院まで来ていた。
川 ゚ -゚)「モララーさん!」
クーは立ち上がる。
川 ゚ -゚)「早かったですね」
( ・∀・)「元々心配だったからな。
すぐに後を追ってこっちまで来ていたんだ」
( ・∀・)「で、ジョルジュ、重症なんだって?」
川 ゚ -゚)「ええ、なんでも身体中に発疹が起きて
ずっと痙攣して、体中からいろんな体液が出て
ショック症状を起こしているみたいなんです。命の危険もあるとか」
507
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 13/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:04:07 ID:Yk3KobIk0
( ・∀・)「アナフィラキシー・ショックみたいだな」
川 ゚ -゚)「アナフィラキシー、それって、アレルギーとかそういうのじゃ」
( ・∀・)「ああ、実はあいつ猫アレルギーでさ」
川 ゚ -゚)「猫……猫なんていたんですか?
あの、あの私一緒にいたのに、何にも覚えていなくて」
( ・∀・)「覚えていない?」
川 ゚ -゚)「ええ」
( ・∀・)「……祠には行ったのか?」
川 ゚ -゚)「祠? 嘗女のですか? ええ、いきましたけど」
( ・∀・)「あー、で、何も覚えていないと、あー」
508
:
( ゚∀゚)o彡゜徳島旅行のようです 14/14
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:05:11 ID:Yk3KobIk0
川 ゚ -゚)「あの……私モララーさんに何かしたんでしょうか?
もしそうだったら、なんてお詫びしたらいいか」
( ・∀・)「いや、君のせいじゃない。
取憑かれていたとしても、やましいこと考えて怒りを買ったこいつが悪い」
川 ゚ -゚)「怒りって」
( ・∀・)「嘗女の」
( ・∀・)「猫娘とも言うらしいけど」
〜おわり〜
509
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/19(月) 02:06:44 ID:Yk3KobIk0
(
)
i フッ
|_|
実は沖縄旅行の話のプロトタイプだったりする。
ちなみにこの猫娘は鬼太郎のそばのあれとは関係ないです。
これで今年の書きためた分は終わり。
510
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:07:40 ID:IW9VAKCY0
乙
最後の謎を明かすところがいいなぁ
大量投下ほんとうに乙!
511
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:16:07 ID:IW9VAKCY0
蝋燭いただきます
512
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:16:47 ID:IW9VAKCY0
75本目
.,、
(i,)
|_|
川д川彼女は動かないようです
.
513
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:17:41 ID:IW9VAKCY0
( ・∀・)「そこのキレイな黒髪のお姉さん。
ちょっと、そこで一杯お茶でもどう?」
川д川
( n・∀・)n「お姉さん、お姉さんってば――!!」
川д川
(#・∀・)「ちぇっ、無視かよ」
大通りから外れた、小さな公園。そのベンチに女が一人。
.
514
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:18:36 ID:IW9VAKCY0
£°ゞ°)「そこのお嬢さん、振り返って私にその顔を見せてくれませんか?」
川д川
£- ゞ-)つ「この哀れな子羊は、貴女のその美しい後ろ姿にひと目で恋に落ちてしまったのです」
川д川
£°ゞ°)「ああ、この私に視線さえもくださらないのですか。わかってはいましたが、つらいものです。
この寂しいハートのエンジェル。ロミスに微笑みかけてくれる女性はいないものか……」
白いワンピースに、長い黒髪。女の髪は絹のように美しい。
.
515
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:19:17 ID:IW9VAKCY0
( ^Д^)「ねぇねぇちょっと、そこのねぇちゃん」
川д川
( ^Д^)「ちょっとー、無視ってのはひどいんじゃない?」
川д川
(#^Д^)「聞いてんのかよ、おい!!」
(#^Д^)つ川д川 ガッ
男は女の肩を掴むと、ぐいと引いた。
.
516
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:20:30 ID:IW9VAKCY0
女の体がぐらぁりと、揺れる。
そして、
そのまま、倒れた。
.
517
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:21:25 ID:IW9VAKCY0
(;^Д^)「おい、ちょっ、大丈夫かよねぇちゃん」
女は動かない。
(;^Д^)「頭から行ったぞ、マジで大丈夫かよ!?」
女は動かない。
(; Д )「おい、起きろってば……」
男は女の肩を掴むと、その体を仰向けにした。
.
518
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:22:45 ID:IW9VAKCY0
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1116.jpg
.
519
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:24:00 ID:IW9VAKCY0
体の半身に火傷の跡がある女だった。
女の目は、まばたきをしない。
白い色をなくしたその肌は、赤黒い色と、青と緑に変色している。
その首には赤黒い、紐の跡。
女の口や鼻は、息をしている形跡がなかった。
女を掴んだ、男の手が冷たい。
.
520
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:25:41 ID:IW9VAKCY0
女の眼球に虫が止まり、じりじりと動いた。
それでも、女は動かない。
動くことが出来ない――。
(; Д )「ひぃっ!」
男は全てを悟り、
悲鳴を上げると、何度も転びながら大通りへと逃げていった――。
.
521
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:26:25 ID:IW9VAKCY0
(
)
i フッ
|_|
75本目 了
.
522
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:35:06 ID:ueiyMW2g0
おつおつ!
し、死んでたのね……
あと多分、75本目でなく76本目や
523
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:38:45 ID:jN0YT7XQ0
77本目。
.,、 .,、 .,、 .,、 .,、
(i,) (i,) (i,) (i,) (i,)
|_| |_| |_| |_| |_|
524
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:39:34 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「あー、あー……、マイクテス、マイクテス……」
⊃¶
( ^ω^)「よしよし、マイクおkですおー、問題ありませんおー」
( ^ω^)「……え? ん、なに、聞こえてるって? ……今、会場に?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^ )「どうも失礼いたしました! 皆さん! 司会のブーンですお!」
( ^ω^)「さて皆さん、『百物語のようです2013』いかがですかお?」
( ^ω^)「楽しんでますかお? 怖くて怖くて震え上がっていますかお!?」
( ^ω^)「しかしっ! 残念ながら! とうとう本日を持って祭り最終日となりますお!」
525
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:40:21 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「とっておきの話を出し惜しみしてる人も……」
( ^ω^)「まだまだ諦めずに足掻いてる人も……」
( ^ω^)「泣いても笑ってもこれが最後ですお!」
( -ω-)「……ま、ちょっと遅刻するくらいなら、許してあげないこともない……ですけお」
( ^ω^)「規定上! タイムリミットは本日早朝7時!」
( ^ω^)「本日、8月19日の早朝7時までですお! お間違えの無いよう!」
( ^ω^)「この機会を逃したら、次は来年か……はたまた再来年か分かりませんが」
( ^ω^)「今年の百物語はもはや残すところわずか! 投下するもしないも、存分に楽しみましょうお!」
526
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:41:11 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「さてさて!」
( ^ω^)「ここまで皆さんに消していただいたロウソクは76本!」
( ^ω^)「残るところ24本、果たしてどこまで伸びるでしょうか?」
( ^ω^)「奇跡のロウソク100本消しはなるのでしょうか!?」
( ^ω^)「全てのロウソクが吹き消えた時! そこには何が待っているのでしょうか!?」
( ^ω^)「それは全て参加者の皆さんにかかっていますお!」
( ^ω^)「さあ、いよいよラストスパート!」
( ^ω^)ノシ「皆さん、最後の頑張りに期待していますおー!」
527
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:42:11 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)ノ「……えっ?」
( ^ω^)「なに? なんだって?」
( ^ω^)「100本消すのはもう無理? このペースじゃあ間に合わない、って……?」
( ^ω^ )「……ふふふ、本当にそう思っていますかお……?」
( ^ω- )b 「チッチッチッ……」
( ^ω^)「……実は、ここでウレシイお知らせがありますお」
( ^ω^)「参加者の皆さん……大変重要なお知らせですので、よ〜くお聞きくださいお!」
528
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:43:13 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「なんと……たった今、深夜2時43分から……祭り終了まで!」
( ^ω^)「たった今! 深夜2時43分から! 祭り終了までの3時間17分ですお!」
( ^ω^)「なんと……!」
(^ω^ )「なんと……!?」
( ^ω^ )「な、な、なんと〜〜ッ!」
( ^ω^ )9m「 一 度 に 消 せ る ロ ウ ソ ク の 数 が 5倍!!! 」
⊃¶
.
529
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:43:59 ID:rOAjZfD60
ちょwwwww
530
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:44:06 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^ )「……の! ボーナスタイムとなりますお!!」
( ^ω^)「たったの1話でロウソク5本!! この大チャンス、絶対逃せませんお!」
( ^ω^)「ロウソク100本、全て消すことだって夢では無いですお!」
( ^ω^)「さあさあこれにて……百物語は達成されるのか! そして、その先にあるものとは!?」
( ^ω^)「果たして――――!?」
( ^ω^)「……おおっと! どうやらお時間のようですお!」
( ^ω^)「それでは、次は朝日が昇るころにお会いしましょう!」
( ^ω^ )「司会のブーンでしたお!」
( ^ω^ )ノシ「アデュー!」
531
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:06 ID:jN0YT7XQ0
( ( ( ( (
) ) ) ) )
i i i i i フッ フッ フッ フッ フッ
|_| |_| |_| |_| |_|
投下は以上です、ご覧いただきありがとうございました
って何をやっとんじゃあああぁぁぁ!!
_ξ#゚⊿゚)ξ
/ ) ドゴォォォ _ /
/ ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _ ギャアアアアアア!!!
/ / | ( 〈 ∵. ・(^ω^〈__ > ゛ 、_―
| ! ヽ ー=- ̄ ̄=_、 ¶(/ , ´ノ
| | `iー__=―_ ;, / / /
!、リ -=_二__ ̄_=;, / / ,'
/ / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
532
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:27 ID:mtmv.fjI0
なにそれせこい
533
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:45:26 ID:O6WuuAK60
力技すぎんだろwwwwwww
534
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:46:07 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ゲッホ! ゲッホォ! ゲホォオッェエ!!」
( ^ω^)「……な、いきなり何ばしよっと!? 怪我したらどうするんだお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「どうもこうも無いわ!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「何、ボーナスタイムって!? 何を勝手に作ってんの!?」
( ^ω^)「別にいいじゃん……100話まで行ったら嬉しいじゃん……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それ100話になってない!! それじゃ百の物語にならないから!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「最後の最後にもなって5倍って!! そんなん今時バラエティ番組でもやらないわ!!」
( ^ω^)「ふっふっふ……そこまで言われてしまっては仕方ないおね……」
( ^ω^)「そう、実は僕は……本物のブーンでは無いんだお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ、なんか勝手に正体明かし始めた……」
535
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:46:16 ID:rOAjZfD60
え、えっとじゃあ次の投下からは78から83本目ということでよろしいのかな…?
536
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:47:09 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ふふふ……僕は百物語に誘われて出てきた幽霊なんだお」
( ^ω^)「全てのロウソクを消すよう仕向けるため、ブーンとかいうへちゃむくれに化けていたんだお……」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……丁寧にありがとう、まったく気付かなかったわ……」
ξ゚⊿゚)ξ「本物のブーンはどこにやったの?」
( ^ω^)「後ろ手に縛ってトイレのロッカーに放り込んでおいたお」
ξ゚⊿゚)ξ「な、なんて幽霊らしからぬ乱暴さ……!」
( ^ω^)「百物語で全てのロウソクを消した時、本物の“怪異”が現れる……って話は知ってるおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、まぜこぜブーンのページにも書いてあったわね」
( ^ω^)「ただの与太話だと思ってるかもしれないけど、ありゃ本当なんだお」
537
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:48:20 ID:O6WuuAK60
話の内容的に100本目を戴きたい…
やるしか…無いのか…
いまから100本埋めるための没ネタ作品を書くしか…
538
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:48:25 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ほら……あそこを見てくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「? えーと……ど、どこ?」
( ^ω^)「あの、ほら……部屋の隅の……あ、いや、そっちじゃなくて……そこの……」
ζ( :::ζ
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ、なんかモヤモヤしてる……!」
( ^ω^)「そう、あの女性の妖怪……あれこそが“怪異”だお」
( ^ω^)「今、ロウソクの数に合わせて、7割ほど姿が見えてきたところだお」
ξ゚⊿゚)ξ「え、そういうシステムになってるんだ……」
539
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:49:22 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「ふふふ……どうだお、美しい人だと思わないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「顔見えないから分からないけど……」
( ^ω^)「手も綺麗だし、足も長いし……胸も、でかいお?」
ξ#゚⊿゚)ξ ムカッ
Σ(;^ω^) ビクッ
ξ゚⊿゚)ξ「……何? それでアンタは、何が言いたいの?」
(;^ω^)「ふふふ……何故、僕が人に化けて、あんなくだらない企画まで考えて……」
ξ゚⊿゚)ξ「自分でくだらないって言っちゃうんだ……」
(;^ω^)「そこまでしてまで、どうしてあの妖怪を呼ぼうとしてるのか分かるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「勿体ぶってないで早く言いなさいよ」
( ^ω^)「聞いて驚くなお……? 実は……」
( ^ω^)「あの娘……僕の彼女なんだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「……新手のノロケかっっ!!!」
540
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:51:18 ID:jN0YT7XQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「何かと思えば、そんなことかいっ!!」
(;^ω^)「ふふふ……あの娘、デレちゃんって言うんだお……彼女から告白してきたんだお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「知らんわ! 聞いてないわ!!」
(;^ω^)「優しくて良い娘なんだお〜、ちょっと食いしん坊なのがまた可愛いんだお〜」
ξ#゚⊿゚)ξ「だあぁぁ、うっさい! もういいわ! とっとと出ていかんかー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ≡つ≡つ シュシュシュ!!
Σ(;^ω^) ヒィィ
(;^ω^)「ふ、ふふふふふ! まあいいお……ここは一旦出てってやることにするお……!」
(;^ω^)「だけど……! いよいよ百物語の灯火が尽きた時、僕の目的は達成されるんだお!」
ξ#゚⊿゚)ξ「目的って、あの女と遊びたいだけでしょうが!!」
(;^ω^)「ち、違うお!? いや、それもあるけど……それだけじゃないお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あるのかよ、それも!!」
541
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:53:02 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「デレちゃんは妖怪だお? それもただの妖怪じゃないお? おっそろしい人食いの大妖怪なんだお〜?」
(;^ω^)「デレちゃんが現世に呼び出されたら、ただ事じゃあ済まないお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「デレちゃんデレちゃんうっさい! 黙らっしゃい!!」
(;^ω^)「怖いだろ〜? 怖くて怖くて震え上がっちゃうだろお〜!?」
(;^ω^)「いっぱしの悪霊からの忠告だお〜!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「 そ の 顔 で 喋 る な っ !!! 」
ξ#゚⊿゚)ξ≡つ#);^ω^)「ギャアアアアアア幽霊なのに殴られたあああぁぁぁ!!!」
ドゴォォ
(;#)^ω^)「えぇ……なんかものっそいキレられ出したお……知人の顔を殴るのに一切容赦が無いお……!」
ξ#゚⊿゚)ξ「二度と出てくるなっ!!」
(;#)^ω^)「分かった! 分かったお! もう出ていきますお!!」
(;#)^ω^)「ひいぃぃ……恐ろしいお……! コイツのほうがよっぽど妖怪だお……!」
542
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:53:39 ID:IW9VAKCY0
ふいたwww
543
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:54:41 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「でも……喋ったことは全部本当だお!!」
(;^ω^:::「ふふふ……今年はどうなることやら分からないけど……」
(;^ω:::...「来年、再来年と百物語を続けるようなら……いつかはデレちゃんが、妖怪が現れるお……!!」
(;^:::... 「ふふふ、それでも……果たして、仲良しこよしで続けられるかな……!? ふふふふふふ!!」
(;:::.... 「ふふふふふふ!! ふっふっふっふ!!」
(:::... 「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふふふふふはははははははは……」
ξ#゚⊿゚)ξ「うっっさいってのっ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「……」
ξ#-⊿-)ξ「……ふんっ」
544
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:56:09 ID:jN0YT7XQ0
ξ゚⊿゚)ξ「……ったく、何よあれ、ムッカつく……」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンの顔して出てくるから……痛い目見るのよ!」
ξ-⊿-)ξ ー3 ハァ
ξ゚⊿゚)ξ「……さーてと」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンを探さなきゃ、ね……」
ξ゚⊿゚)ξ「……胸、か…………」
……
…………
………………
545
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:58:09 ID:jN0YT7XQ0
………………
…………
……
:[ロッカー]: < ドン! ドンドンドンドン!!
[ロッカー] < ダレカー! タスケテオー! クライオー!
ξ゚⊿゚)ξ「あ……ここだわ、分かりやすい……」
[ロッカー] < ツ、ツンカオ!? アケテクレオー!
ξ-⊿-)ξ「はいはい……今開けますよっと」 ガチャガチャ…
(;;゚ω゚)「ぶあああぉぉぉぉ!! 暑かったおおおぉぉぉぉ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ、すっごい汗!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょっと、引くわ……」
(;;゚ω゚)「ひ、ひどいお……」
546
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 02:59:15 ID:jN0YT7XQ0
( ;ω;)「はぁ〜〜〜〜……でも、助かったお……」
( ;ω;)「暗かったお……狭かったお……怖かったお……」
( ;ω;)「なにより暑かったお……蒸し豚にされるかと思ったお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「自分で豚って言っちゃうんだ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……それよりブーン! 時間大丈夫!?」
( ;ω;)「おっ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「おっ? じゃないわよ! 百物語、今日で最終日なのよ!」
( ;ω;)「……」
( ゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおお!!! 今日で最終日!?」
547
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:02:11 ID:jN0YT7XQ0
( ゚ω゚)「まずいお! まだ書き溜め途中なんだお!!」
( ゚ω゚)「どうやって主人公が惨殺されるか浮かばないんだお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、アンタ、司会者もやらなきゃなんないのよ?」
( ゚ω゚)「おおおおおおおお司会者!? そうだお! 僕、司会者もしてるんだったお!!」
( ;ω;)「時間が無いおー! どうしてこうなったおー!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「泣いてる場合か!」
( ゚ω゚)「とりあえず作品投下開始前の挨拶やってくるお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、今更……?」
( ゚ω゚)「やるお!? せっかく台本も用意したんだお! あっ、台本……台本はどこやったかお……!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ああもう……やるなら急いで! 投下、もうとっくのとっっくに始まってるから!!」
( ゚ω゚)「ウソん!? そうなの!?」
548
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:03:50 ID:jN0YT7XQ0
( ゚ω゚)「おおおお! もうヤバいお!! ダッシュで走るお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あッ……」
⊂二二( ゚ω゚)二⊃「ブゥゥ――――――――‐」
ξ;゚⊿゚)ξ「……待ってっ!!」
( ゚ω゚)「――――‐お!?」
( ゚ω゚)「…………」
ξ;゚⊿゚)ξ「…………」
( ^ω^)「……どうかしたお?」
549
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:05:35 ID:jN0YT7XQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「……その」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「今日、この百物語で……」
ξ;゚⊿゚)ξ「もし、もしも……百話まで行ったら……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ど、うする?」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「……“怪異”の、ことかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
550
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:07:21 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「そりゃ大丈夫だお、あんなの怖がらせの与太話……」
ξ;゚⊿゚)ξ「もしも!」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……もしも、本当だったら」
ξ;゚⊿゚)ξ「本当に、“怪異”が現れたら」
ξ; ⊿ )ξ「ブーンは、どうするの……?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「…………」
551
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:09:05 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「……僕は、僕だお」
( ^ω^)「僕は、ツンと一緒にいるお!」
ξ; ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「もし、怪異ってのがツンに危害を加えるなら、僕はツンを守るお!」
ξ ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「絶対守るお!」
( `ω´)≡つ≡つ「守るんだお! ボコボコにしてやんお!」 シュシュシュ!!
ξ ー )ξ「…………」
ξ* ⊿ )ξ「……そう、だよね」
552
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:10:22 ID:jN0YT7XQ0
ξ゚⊿゚)ξ「……ごめんね、勝手に呼び止めちゃって」
( ^ω^)「おっ……なんか知らんけど、納得してくれたならそれでいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……よね、やっぱり、女は胸とか……足とか……だけじゃないわよね……」
( ^ω^)「えっ?」
ξ ⊿ )ξ「……ありがとう、ちょっと……不安になって……」
( ^ω^)「え、なんだお……なんだおこの雰囲気……ツンの頭の中でどういう思考回路が組み立てられていたんだお……」
ξ* ⊿ )ξ「……ッ」
ξ*゚⊿゚)ξ「いいからっ! 早く行きなさいよ! 司会者するんでしょ!?」
(;^ω^)「おおっ!! そうだお!! もうこんな……もうこんな時間だお!?」
553
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:11:56 ID:jN0YT7XQ0
(;^ω^)「ヤベェおヤベェお〜! そう、まず台本を探さなくちゃならないんだお!!」
(;^ω^)「ツン! 台本見付けたら教えてお!! メールくれお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「おう!」
(;^ω^)「そんじゃ! 僕は行くお!!」
⊂二二(;^ω^)二⊃「ブ――――‐ン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
554
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:12:44 ID:IW9VAKCY0
かわいいなぁ
555
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:13:30 ID:jN0YT7XQ0
ξ*゚⊿゚)ξ「……あーあ、なーんか……」
ξ*゚⊿゚)ξ「ハッズいことしたなー……」
ξ*゚⊿゚)ξ「……あの幽霊め」
ξ*゚⊿゚)ξ「なにがデレちゃんよ、馬鹿馬鹿しい」
ξ*-⊿-)ξ ー3 ハァ
ξ-⊿-)ξ「ちょっと、不安になっちゃった私も私だけどねー……」
ξ゚⊿゚)ξ「さっ、台本とやらを探してあげるかな……」
……
…………
………………
556
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:16:39 ID:jN0YT7XQ0
………………
…………
……
( ^ω^)「あー、あー……、マイクテス、マイクテス……」
⊃¶
( ^ω^)「よしよし、マイクおkですおー、問題ありませんおー」
( ^ω^)「……え? ん、なに、聞こえてるって? ……今、会場に?」
( ^ω^)「……」
( ^ω^ )「どうも失礼いたしました! 皆さん! 司会のブーンですお!」
( ^ω^)「さて皆さん、『百物語のようです2013』いかがですかお?」
( ^ω^)「楽しんでますかお? 怖くて怖くて震え上がっていますかお!?」
( ^ω^)「しかしっ! 残念ながら! とうとう本日を持って祭り最終日となりますお!」
557
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:18:48 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)「とっておきの話を出し惜しみしてる人も……」
( ^ω^)「まだまだ諦めずに足掻いてる人も……」
( ^ω^)「泣いても笑ってもこれが最後ですお!」
(;-ω-)「……こういうのを僕が言うのも、なんですけど」
( -ω-)「……ちょっと遅刻するくらいなら、許してあげないこともない……ですお」
( ^ω^)「規定上! タイムリミットは本日早朝7時!」
( ^ω^)「本日、8月19日の早朝7時までですお! お間違えの無いよう!」
( ^ω^)「この機会を逃したら、次は来年か……はたまた再来年か分かりませんが」
( ^ω^)「今年の百物語は残すところわずか! 投下するもしないも、存分に楽しみましょうお!」
558
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:21:34 ID:jN0YT7XQ0
('A`) 「はぁ〜、ったく……心配させやがって……」
('A`) 「……つーか、大遅刻しといて今更やるかよ、挨拶」
(´・ω・`)「こっちはとっくに勝手に始めてるのにねぇ」
川 ゚ -゚)「まあ、これでやっとまともに進行できるじゃないか、まともに」
('A`) 「ああ、なんか……正気を疑う謎企画のせいでな……みんな躊躇してるからな……」
(´・ω・`)「そういや……さっきそこでブーンとツンが何やら騒いでたんだけど」
川 ゚ -゚)「あぁー……」
(´・ω・`)「あれが遅刻の原因かな? あれが……」
('A`) 「えぇーマジかよ、祭り最終日に痴話喧嘩っすか……仲の良いこって……」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、なんか嫌味な言葉が聞こえてくるんだけど」
('A`) 「ヘヘッ、今のは聞かなかったことに……」
559
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:22:51 ID:jN0YT7XQ0
('A`) 「……ってもさ、実際、そうだろ? 痴話喧嘩だろ?」
川 ゚ -゚)「痴話喧嘩に明け暮れてこれだけの大遅刻とは、情けないどころでは済まないな」
ξ゚⊿゚)ξ「いや別に、痴話とかそんな関係じゃないから」
(´・ω・`)「またまたぁ、本日も愛がゆえの鉄拳が炸裂してたじゃないですかぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「っていうか、そもそもさっきのアイツは……」
ξ-⊿-)ξ「……いや、まあいいわ」
ξ-⊿-)ξ「いいわよ、痴話喧嘩で、実際そんなもんだから」
川 ゚ -゚)「ほう……?」
('A`) 「馬鹿な……いつものツンなら真っ向から否定しにかかってくるのに……」
(´・ω・`)「コイツ本当にツンか? 偽物じゃね?」
560
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:23:41 ID:jN0YT7XQ0
ξ-⊿-)ξ「別にー?」
( ^ω^)「……おおっと! どうやらお時間のようですお!」
( ^ω^)「それでは、次は朝日が昇るころにお会いしましょう!」
( ^ω^)「皆さん、最後の頑張りに期待していますおー!」
( ^ω^ )ノシ「司会のブーンでしたお!」
ξ*-⊿-)ξ「……ちょっと、気分が良いだけよ」
.
561
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:25:09 ID:jN0YT7XQ0
( ^ω^)百物語のボーナスタイム、のようです
(
)
i フッ
|_|
脱線が過ぎましたテヘペロ
いやほんと投下速度遅いわ突貫工事がミエミエだわで色々すんませんっした
562
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:25:58 ID:kvTNQZZI0
( トェェイ)←普通にトェェイと読んでしまったw
563
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:26:18 ID:IW9VAKCY0
乙!
チャンスタイムにふいたわ
564
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:26:32 ID:tGIwI98sO
投下が終わったばかりですが、イラストで蝋燭もらいます
.,、
(i,)
|_|
⌒*リ´・-・リ龍神様の嫁探しのようです(ФωФ )
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1117.jpg
(
)
i フッ
|_|
78本目 終わりました
565
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:12 ID:rOAjZfD60
ワロタ
本当にやるのかと思ってびびっちゃったよ
えっと78本目いただきます
.,、
(i,)
|_|
566
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:17 ID:O6WuuAK60
じゃあ79本目戴こう
お前ら、待たせたな
567
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:28:59 ID:O6WuuAK60
おっと、お先にどうぞ
568
:
もうしわけない先にいただきます、訂正で79本目です
:2013/08/19(月) 03:30:49 ID:rOAjZfD60
運命の女性のようです
( ・∀・)「…………」
いつもと同じように目覚めた僕の目に入ったのは、真っ赤な糸。
ベッド、床、居間。
どこまでもどこまでも続いていくそれに見覚えはなかった。
( ・∀・)(なんだこれ?)
手近にあった糸を手繰ろうと左手を伸ばして、
( ・∀・)「あ」
見つけた。
左手の薬指に、赤い糸が結ばれていた。
いや、絡み付いていたというほうが正しかった。
継ぎ目も結び目もないそれは、明らかに異常だった。
(;・∀・)(なんだこれ)
鋏を取り出し、それを切ろうとした。
……手が震える。
息が乱れ、鼓動が早くなる。
怖い。
これを切ってはいけない。
これは自分の体の一部、動脈か心臓のように大事な大事な臓器なのだ。
(; ∀ )(なに馬鹿なことを考えているんだ)
無意識に浮かんだ考えを一蹴しようとする。
だけど拭うことはできなかった。
569
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:31:51 ID:rOAjZfD60
(; ∀ )「……無理だ」
やむなくハサミを引き出しに戻し、恐る恐るもう一度触れてみた。
なんの変鉄もない糸だ。
綿でできているような、しかしいくら触っても毛羽立つことはなかった。
糸を引っ張ってみる。
……かすかに手応え、ピンと糸が張る。
どこかに繋がっていることはたしかだ。
( ・∀・)「…………」
僕は考える。
大学は今夏休みだし、バイトもない。
友人のほとんどは帰省してしまって遊ぶことはできない。
恋人はいた、でも。
( ・∀・)(やめたやめた)
あいつのことを考えるのは。
頭をがしがしとかきむしる。
じっとりとかいた汗が指に絡み付く。
そうだ、暇なのだ。
どうせ、暇なのだから、この糸の行方を探ろう。
( ・∀・)(この先にいるのはかわいい女の子かもしれないし)
今までバカらしいと思っていたけど、まったく信じていなかった訳ではない。
運命の赤い糸。
( ・∀・)「どこに導いてくれるのかな」
一人呟きながら、僕は家の鍵を手に取った。
570
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:33:02 ID:rOAjZfD60
外は晴天、地面と人を焼き付くす灼熱の太陽が燦々と輝いていた。
(;・∀・)「あっついなぁ」
ぼやきながら自転車を走らせる。
いつもならアスファルトに焼き疲れて無心でペダルを漕ぐのに、今日は軽快に進むことが出来た。
赤い糸の先に浮かれているからか、それとも夏休みだからか。
( ・∀・)「…………」
「モララーくん!」
後ろに乗せる人がいないから、かもしれない。
( ・∀・)「…………」
十字路を左折する。
川を越えて、自転車を降りた。
この先にある坂は、とてもじゃないけど自転車なんかでは登れないからだ。
そういえば中学のときに、二人乗りしてこの坂を登ろうとしたっけ。
立ち漕ぎして、踏ん張って、あの子からの気遣いをぶっきらぼうにはねのけて。
だけど、疲れてしまって、自転車は全く進まなくなってしまって。
「もう!無理しすぎなんだから」
荷台が急に軽くなった、と同時に後ろから支えられた。
それがなんだか悔しくて、僕は顔を真っ赤にしながら彼女のことを罵った。
なんで降りてしまったんだと、責めてしまった。
君を乗せて坂の上まで登りたかったのに、って。
571
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:33:33 ID:bSjWwjx20
wktk
572
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:34:26 ID:rOAjZfD60
そうしたら、
「隣で歩きながら坂を登るより、へろへろになりながら立ち漕ぎしてるほうがかっこわるいもん」って。
ごもっともだった。
なんで二人乗りで坂を登ることがかっこいいのだと思っていたのだろう。
( ・∀・)「…………」
坂を登りきる。
糸は坂の下へ、それより先にも続いている。
自転車に跨がり、一気に坂を降りた。
心地よい車輪の音、風のおかげで幾分か暑さが和らいだ。
糸が弛むことはなかった。
かといって、車輪に絡み付くこともなかった。
いつでもほどよく長さが調節されているような、不思議な感覚。
( ・∀・)(やっぱり、この糸は普通じゃない)
ガコンという衝撃とともに平地にたどり着く。
少し尻が痛い。
それでも構わずペダルを漕いだ。
住宅街を抜けて国道に出る。
帰省ラッシュで混んでいる道路を見ながら、田舎にいる親戚に顔を出さなきゃなぁ、なんて思った。
だけどあんまり会いたくなかった。
僕くらいの年でも、結婚だのなんだのとうるさいからだ。
( ・∀・)「…………」
横断歩道を渡り、それから五分ほどしてから中学校に着いた。
糸は校舎をぐるりと囲むようにして張られているようだった。
573
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:35:18 ID:rOAjZfD60
校門の周辺は賑やかであったが、裏門のあたりには人も車もいなかったので、僕は少しよそ見をして体育館を見た。
改修工事をしているらしく、工事用の目張りがしてあり、屋根しか見えなかった。
そういえば、三年生になる前のバレンタインで彼女から体育館裏に呼び出された覚えがある。
生チョコをもらった。
義理とも本命とも言われず、ドキドキしながらそれを食べて、あまりの嬉しさに身悶えした覚えがあった。
彼女は、とても綺麗で、僕と違って機転が利く子だったから、憧れていたんだ。
( ・∀・)「…………」
結局そのもらったチョコが、本命だと知ったのは一年後であった。
その時もチョコを、ガトーショコラをもらい、僕はお返しにクッキーをあげた。
すると彼女はボロボロと泣き出して。
「わたしじゃ、だめですか?」
と。
どうして泣くのか聞いたら、クッキーは友達でいようという意味なのだと答えた。
全然そんな気はなかったのに、僕はもうずっとずっと前から、中学の入学式のときから好きだったというのに。
トロ臭くていつも失敗ばかりしていた僕を助けてくれた彼女が、大好きだったというのに。
574
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:36:25 ID:rOAjZfD60
( ・∀・)「…………」
裏門を通りすぎて次の角を曲がったら、反対の車線を跨がって逆方向に糸が延びていた。
左右を確認してから車道を渡り、糸を辿る。
こちらのほうは、また住宅街が多くなるはずだな、と僕は思い出す。
彼女の家はこの近くであった。
( ・∀・)(あれ、)
見覚えのある道ばかりを通る。
よく彼女の家に遊びに行くときと同じ道だった。
( ・∀・)「…………」
案の定、そうだったらしい。
しかし彼女の家はとっくになくなっていた。
彼女がいなくなってから、両親は引っ越してしまったからだ。
土地を売り払い、家を潰し、更地となっていた。
( ・∀・)(今は売りに出されているんだ)
暑い風にはためく、やたらと派手な不動産屋ののぼりを見て僕は理解した。
575
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:37:29 ID:rOAjZfD60
……二階建ての、立派な家だった。
僕の実家は団地で自分の部屋がなかったけど、彼女は自分の部屋を持っていた。
初めて部屋に招かれた時のことを思い出す。
彼女の部屋はこざっぱりとしていて、明るくて、清楚な女の子のにおいがした。
そのにおいも、彼女が成長していくうちに薄れていってどんどん華美なものへと変化していってしまったけど。
それでも僕は、好きだった。
どんなに変わってしまっても彼女は彼女であったから。
( ・∀・)「…………」
自転車を漕ぐ。
住宅街を走り抜け、工場地帯へと入る。
ここらへんは昔は栄えていたけれど、今となっては閉鎖している工場も多くそのまま放置されているものが多い。
( ・∀・)(……近付いてきている)
彼女の死に場所に。
もう少し先を行けば廃工場があって、やたらと高く建てられた事務所のビルがある。
( ・∀・)(やっぱりそうだ)
黄色いテープが張られて出入りを禁じられている門の近くに自転車を止める。
テープを掻い潜り、糸を追う。
576
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:39:05 ID:rOAjZfD60
( ・∀・)(ああ、)
糸は、例の事務所のビルに続いていた。
鍵の壊れた扉を開ける前に、ちらりと横を見る。
雨に流されたチョークの線が、うっすらと残っていた。
扉を開け、物が散乱しているそのなかを転けないよう気を付けて歩く。
( ・∀・)(…………)
「あのね、モララーくん。わたし、先輩に襲われちゃったの」
え?
「お酒飲みすぎちゃって、新歓コンパで……。本当にごめんなさい、ごめんなさい。なんでもするから許して、もうお酒も飲まないから」
……大丈夫だよ、嫌いにならない。
きみは悪くない。
「悪いよ、だってわたし、恋人がいるのに、こんな」
怒ってないから、大丈夫だって。
「……なんで怒ってくれないの?怒ってくれたら、わたし、許されたって……ちがう、勝手すぎる、モララー、ねえ」
落ち着いて、落ち着いてよ。
僕は、本当に怒ってないし、許しているから。
「ごめんなさい、モララー、ごめんなさい」
( ・∀・)「…………」
僕の感覚は、いつでも彼女とずれていた。
彼女が望むものを差し出せたことがあっただろうか?
僕は、彼女のためになにができたんだろうか。
( ・∀・)(屋上に来てしまった)
糸は、まだまだ続いている。
屋上の扉から柵まで一直線に。
577
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:40:08 ID:rOAjZfD60
そして、柵を通り越して垂れ下がっている。
ああ、いる。
この先に、あの娘がいる。
ゆっくりと、歩く。
焦れったい。だけど、こんな自分が、彼女に会っていいものかと思うと、歩みが遅くなる。
( ∀ )(僕のせいだ)
彼女が死んだのは、僕のせいだ。
ただ優しく接していればいいってものではなかった。
彼女が望むなら、それを責めるべきだったのだ。
僕は、僕は。
( ∀ )「…………」
すぅ、と息を吸う。
柵に手をかけ、体を乗り上げて、下を覗いた。
ミセ,"、。)リ
( ∀ )「あ……」
仰向けの体。
投げ出された四肢の、左手に、赤い糸。
潰れた顔が、片目が、僕の両の目とかち合う。
578
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:40:11 ID:bSjWwjx20
うわぁ…
579
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:41:48 ID:rOAjZfD60
(; ∀ )「ミセリ、」
僕の、大好きな女の子。
たくさん傷つけてしまった恋人。
あんなに綺麗だったのに、こんなに顔を歪ませて。
ごめん。ごめんなさい。
殺してごめんなさい。
きみのしたことは、他人からしたら顔をしかめられるようなことかもしれないけど、でも僕にとってはそれより、きみが素直に謝ってくれたことが嬉しくて。
裏切らずに僕のもとに帰ってきたことが嬉しくて、それだけで許してしまえたから。
( ∀ )「ミセリ、」
きみを責めたくなかった。責めるくらいならそんな事実を忘れるくらい幸せに、満ち足りた幸せを共有できたら、って。
だけど、それできみがいなくなったら、意味がないじゃないか。
( ∀ )「ミセリ、」
大好きだ。
今でもずっときみを好いていた。
会いたいと願っていた。
君は不本意かもしれないけど、でも。
君に会えて嬉しい。
ああ、ミセリ。
580
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:43:45 ID:rOAjZfD60
( ∀ )「愛してるんだ」
糸が、揺れる。
どうして、なんて考えない。
僕はミセリに会えたことが嬉しかったから、この目にすべてを焼き付けようとしていた。
( ∀ )「ミセリ」
呼んだ刹那。
ミセ,"、。)リ「 」
ミセ,"ー。)リ「 」
ミセ,"о。)リ「 」
微かに、しかしはっきりと聞こえた。
( ・∀・)「ミセリ……!」
次の瞬間、僕の体は宙に投げ出されていた。
いつ柵を越えたのか、そんなのはどうでもいいや。
ミセリ、ミセリ。
ずっとそばにいよう。
ずっと、ずっと、…………。
581
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:44:51 ID:rOAjZfD60
ミセ*゚ー゚)リ「ねえねえ、モララーくん」
( ・∀・)「うん?」
ミセ*゚ー゚)リ「昔はね、心臓と左の薬指は太い血管があると思われてたんだって」
( ・∀・)「へえー?」
ミセ*゚ー゚)リ「それで愛は心臓に宿るから、その愛を指輪で繋ぎ止めようって意味なんだってさ」
( ・∀・)「じゃあ、糸だと絡めとられちゃいそうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「ねー」
ぐしゃり
582
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:45:51 ID:rOAjZfD60
ファム・ファタールのようです
(
)
i フッ
|_|
583
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:47:21 ID:rOAjZfD60
お粗末さまでした
>>566
待たせてごめんなさい、ありがとうございました
584
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:47:22 ID:bSjWwjx20
なんという鬱ルート……最期は幸せだったのか
乙
585
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:51:34 ID:O6WuuAK60
難しいなぁ男女関係って
じゃあ、80本目行っちゃうね
ほのぼのギャグだから身構えないでいいよしなくていいよ
586
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:52:18 ID:O6WuuAK60
.,、
(i,)
|_|
587
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:53:08 ID:O6WuuAK60
『私はヨーゼフ・ハイター博士だ』
原作:The Human Centipede
『互いの内臓を接合することで』
邦題:ムカデ人間
『三体をひとつの結合体にする』
百物語参加作品
.
588
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:53:50 ID:O6WuuAK60
『Aが摂取した食物は、Bの内臓を通過して』
A B C
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
l` ー---‐' `ヽ l゚ ー---‐' `ヽ l^ ー---‐' `ヽ
→ ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽ →
` ー- 、 | ` ー- 、 | ` ー- 、 |
l / イ | l / イ | l / イ |
│ 厂 ̄´ │ ,′ │ 厂 ̄´ │ ,′ │ 厂 ̄´ | ,′
/ ,' | l / ,' | l / ,' | l
/ / l ー──/ /、 l ー──/ /、 l ー─── 、
/ / └───/ / │ └───/ / │ └────┐│
し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
『最後にCへと至る』
589
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:55:05 ID:O6WuuAK60
『ムカデ人間を創るのだ』
.
590
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:56:32 ID:O6WuuAK60
ゼミで小耳に挟んだカルト映画を、軽い気持ちで借りて観た
最悪の発想で人間を弄くるマッドサイエンティストのホラー映画
もし自分が、彼女達と同じ目に遭えば…そう思うと、とても恐ろしい気持ちになった
だけど同時に、僕の心は何故か高揚していた
『ムカデ人間を創り、飼う』
尊厳のある人間を辱め、恐怖に貶める行為に、ヒエラルキーの最上位のみが味わえる支配欲のようなものを感じ取ったからなのかもしれない
『つなげてみたい』
僕は家の倉庫からバールを引っ張り出し、バックの中に忍ばせた
591
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:57:25 ID:O6WuuAK60
『つ・な・げ・て・み・た・い』
.
592
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:58:11 ID:O6WuuAK60
素材は出来る限り、人を下に見るクズがいい
( ゚∀゚)「ギャハハハハwwww」
ξ゚⊿゚)ξ「ウケるーwwwww」
ああ、ちょうどああいうDQNカップルとかね
さて、問題はどう拉致するかだ
運が悪い事に日本は銃社会じゃない。そうだとしても麻酔銃や拳銃なんか、学生が用意できるはずも無いしね
じゃあどうするか?人間は頭を使う生物だ
ξ;=;)ξ「ンンンンンンン!!!!」
まずは女を拉致する
ひ弱な僕でも女子の一人くらいならどうとでも出来る
次に、彼女の携帯からDQN宛に写メを添付した脅迫メールを送信する
すると
(#゚∀゚)「出て来いオラァ!!デレになんかしやがったらぶっ殺す!!」
クソカス程度の正義心と、カッスカスな蛮勇を持ち合わせてるバカが『狩場』へとやってくる
真正面から喧嘩をする必要は全く無い
後ろから、ガツンと一発
(; ∀ )「ガッ…」
それでおしまい
593
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 03:59:24 ID:O6WuuAK60
(;゚ー゚)「こんな深夜に何の用なのよ…」
これも、背後からガツンと一発
(; ー )「ア…」
これで数は揃った
レンタルしたガレージに三人を運び込み、手足をギチギチに拘束する
(#゚=゚)「んんー!!」
途中で男が起きたので、頭にもう一撃ぶち込む
( = )「…」
男はタフだから嫌になる
594
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:01:03 ID:O6WuuAK60
次に、手術に必要な道具を揃えよう
残念ながら僕は医者や病院のコネを持っていない
したがって、専門的な道具など用意できない
多少の激痛は伴うけど、工具でなんとかするとしよう
メスの代わりに包丁を使って、膝のお皿はペンチで引っこ抜こう
歯もペンチで無理やり引っこ抜いて…ああ、ハンマーで叩き折ってもいいかな
さすがにお尻や口を無理やり切り裂いたら、痛みと出血でショック死するかもしれない
ここは…うん、見た目は悪くなるけど、工業用ホッチキスでなんとかしよう
せめて痛みを和らげれるように、酒も用意した
注射器か何かがあれば、手っ取り早く酔わせることが出来るんだけど…まぁ、無理やり飲ませるだけでも大丈夫だろう
後は…ムカデ人間一番の醍醐味、食事だ
手っ取り早く漏斗を喉につっこんで、下剤を混ぜた流動食を流し込もう
一番前の人には苦しい思いをさせるけど、口の中に他人の糞が流し込まれることに比べれば楽なもんだろう
595
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:01:43 ID:O6WuuAK60
全ての道具を揃えて、ガレージへと戻ると
ξ;=;)ξ「ンンンンンンンン!!!!」
(#゚=゚)「ンーン!!!!」
(*;=;)「ウウウウウウウウウ!!」
ちょうど全員が目を覚ましていた
これは好都合だ。あのシーンの再現が出来る
格好だけでも彼に近づこうと思って購入した白衣を着て、三脚で立たせたビデオカメラを起動する
ノートPCを取り出し、パワーポイントを開いた
A B C
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ l・ ー---‐' `ヽ
→ ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽニ二ニ====ニ二ニ==ヽ →
` ー- 、 | ` ー- 、 | ` ー- 、 |
l / イ | l / イ | l / イ |
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し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
最もわかりやすいムカデ人間の図が画面に映し出される
彼らに見え易い位置にそれを置いて、胸ポケットからボールペンを取り出し、説明を始めた
596
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:03:25 ID:O6WuuAK60
「これより、ムカデ人間の施術を執り行う」
(#゚=゚)「ンーーーーー!!!」
男がうるさい
ため息を吐いたあと、立てかけていたバールを手に持った
(;゚=゚)「…」
途端に口を噤む
最近観たアニメで、「躾に一番効くのは痛みだ」という台詞があったが、なるほど、的を得ている
「よろしい」
再び説明に戻る
「ムカデ人間とは、口を肛門を接合し、先頭の人間が摂取した食べ物を共有する新しい生物だ」
あくまでゆっくりと、彼らの反応を楽しみながら話す
「Aが摂取した食事はBへと移り…」
「そしてCへと至り排出される」
ξ;=;)ξ「ンンン!!ンゴッ!!ンゴッ!!」
吐き気を催しているのだろうか
その表情がたまらなく僕の嗜虐心を刺激する
「そして、脚のお皿を切除する事によって、より『ムカデ』に近い容姿と行動が可能になる」
「私には医術の知識が無いため、多少荒っぽい手術になってしまうと思うが…そこは堪忍して欲しい」
(*;=;)「ううううううううううううううううう!!!!」
(;゚=゚)「んんッ!!んんんッ!!!!」
597
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:04:06 ID:O6WuuAK60
泣き喚く彼らを尻目に、ビデオカメラに向かってメッセージを残すことにする
「このビデオを見ている諸君は、どのカテゴリに属する人間だろうか?」
「人を見下すことに面白みを感じる人間か?それとも、人とすこし違っているだけでバカにされる人間か?」
「私は後者だ。群れることでしか粋がれないクソどもに笑いものにされるだけの、日陰者だ」
「そんな人たちを代表して、私は今ここにささやかな復讐をする」
「見ろ!!こいつらを!!」
床に転がる三人を指差す
「酒とタバコとセックスしか頭にないクソ共だ!!我々よりよっぽど無価値のゴミだ!!」
つい感情的になって、男の頭を蹴飛ばしてしまった
(メ ∀ )「ウウウ…」
「もしあちら側のカテゴリに属する人間がこれを見ているのなら…覚えておけ」
「貴様らのツケは、いずれこういう形で帰ってくるとな」
「それでは、手術を開始する」
598
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:05:04 ID:O6WuuAK60
男の猿轡を剥がす
(#゚∀゚)「てめえイカレてんのかこのキチガイ野郎!!」
途端に噛み付いてきた
ああ、まだコイツは自分の立場というものをわかってないのか
前歯に酒瓶の底を叩きつける
(; ∀ )「アガアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「黙れよ…」
全く、イライラさせるクソだ
「今しがた、押し付けられた劣等感を思い返して不機嫌なんだ…出来るだけ丁寧に手術して欲しいなら、大人しくしろ」
酒瓶の蓋を開け、注ぎ口をむりやり突っ込む
(;゚∀゚)「やめっ…おごごごごごごおおおおおお」
「残らず飲めよ…酒で溺れ死にたくないのならな…」
(;゚∀゚)「んぐっんぐっんぐっ…」
40度近い酒を一気に流し込む
たちまち、男の顔は高揚し、目はぐるぐると回りだす
アルコール中毒で死ぬ可能性もあったが、その時はその時だ
(; ∀ )「てめ…殺す…」
まだ噛み付く元気があるのか
だけど、抵抗はしないな
599
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:06:31 ID:O6WuuAK60
再び猿轡をして、次は女だ
(*;―;)「ねぇ!!助けてよ!!私は関係ないでしょ!?」
こいつは何を勘違いしているのか
この行動をDQNカップルへの私怨だと思っているらしい
「ああ、関係ないよ」
(*;―;)「なら!!」
「でも、お前らみたいな奴なら誰でも良かったから」
(*;―;)「え…」
これ以上の問答は無意味だ
二本目の酒を流し込む
(*;―;)「ンゴゴゴゴッ!!ゴフッ!!」
おっと危ない、殺してしまう
(*;―;)「ゲホッ!!ゲホッ!!」
しばらく咳き込ませた後、残りを注ぎ込む
こっちはもう騒ぐ元気も無いみたいだ
600
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:08:06 ID:mtmv.fjI0
きが くるっとる
601
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:09:08 ID:O6WuuAK60
さて、残りの女もさっさと潰してしまおう
立ち上がった瞬間
('A`)「よぉ」
「!?」
誰だ、こいつ
('A`)「そらよっと」
頭に鳴り響く衝撃音が
その日、最後の記憶―――
602
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:10:01 ID:O6WuuAK60
「ギッ!!」
脚の痛みで目を覚ます
皮膚が、肉がぶちぶちと引きちぎれる音に
膝の骨と皿の間に鉄の塊が無理やり差し込まれ、そして『挟み込まれる』
('A`)「せーのっ」
やめ――――
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
(;'A`)「っふう…意外と力使うんだな」
「あああああああ…」
激痛で、再び意識を失った
603
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:11:34 ID:O6WuuAK60
('A`)「おい、起きろ」
「う…」
ペシペシと顔を叩かれ目を覚ます
膝が痛い、そして尻も
('A`)「立ってみろ…いや、立ち上がることはもう金輪際出来ないだろうけどな」
男の顔が横に見えることから、自分が寝転んでいるんだとわかった
床が冷たい。服が脱がされている
立ち上がろうと力をいれても
『立てない』
上半身を起すことが出来ても、下半身がついていかない
『重り』が付いているかのように
\ううー/
尻に、音の振動を感じた
顔だけを、ゆっくりと後ろに向けてみる
604
:
名も無きAAのようです
:2013/08/19(月) 04:12:35 ID:O6WuuAK60
'⌒ヽ __ '⌒ヽ __ '⌒ヽ __
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し'´ し'´ Lノ し'´ L.ノ L.ノ
私を先頭に、十数名の人間が『繋がっていた』
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