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('A`)百物語、のようです

181名も無きAAのようです:2014/08/16(土) 21:35:53 ID:p/orKOsg0

途中でなくなるのではと恐れたが、道はちゃんと奥の小さな広場まで続いていた。
思いの外整えられたそこにあったのは、小さな祠だった。

社殿とは違って、祠は意外なほどしっかりしていた。
屋根もちゃんと付いているし、古びて入るけれどもどこも壊れていない。
そして、その前にはいつのものかわからない酒瓶と、造花らしい花が飾られていた。


(´・ω・`)「ほこら、かな。花……か。いつ供えたんだろう」

(-@∀@)「生花ならともかく造花じゃ、わからんでござるな
      それほど汚れてないから古くはないと思うのでありますが……」


パシャリと、朝日がカメラのシャッターを切る。
朝日が黙りこんでしまえばもう、辺りは蝉の声とカメラの立てる音しかしない。


(-@∀@)「でもまあ、ここには今でもちゃんと人の手が入っているようですな。
       他の建物と違って寺社仏閣と墓場は、人がいなくなっても手入れすることが多い所でござるから」


朝日の言葉を聞きながら、僕は少し驚いた。
この誰にもいないような村でも、神社の手入れをするような人がいる。
……その人は、何を思って誰もいない寂しい村でゴミを拾い、花を供えたのだろう。


(´・ω・`)「わからない、か」


カナカナとセミは鳴く。
僕は祈るわけでなく――ただ、ぼんやりとそこに立っていた。

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