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(//‰ ゚)夢見る星間飛行マシンのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2013/07/14(日) 22:59:03 ID:92a70FNs0
―――なあ
(//‰ ゚) なあ、歯車王
|::━◎┥
(//‰ ゚) おまえは一体いつから"ここ"に入れられてるんだ?
|::━◎┥
539
:
名も無きAAのようです
:2015/10/06(火) 23:51:48 ID:u3hXnRT.0
すき
会話が面白くて、毎回続きが気になる
すき
540
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:36:03 ID:y7bAg5ag0
それから今まで以上に足繁く図書館へ通うようになった。
< だから走るのはやめなさい!
ζ(゚ー゚;ζ ごめんなさ〜い!!
モララーを見つけると、頭の中のデータベースから理由を選択し、出力する。
いつも他愛もないものであったが、何の理由もなく彼に話しかけてはいけないような、
半ば強迫観念のようなものに駆られて、あってもなくてもいい動機から喋りかける。
ζ(゚ー゚*ζ ――――――でね、もしかしたら人間とロボットに、区別なんかないかもって思うの
( ・∀・) 性格も、趣味趣向も口癖も、何もかもが電気信号の集合体であるなら
確かに君の言うとおりかもしれないが
ζ(゚ー゚*ζ そうではないってことだよね。どうしてそう思うの?
( ・∀・) 理論的には特に間違っていないと思う。でもね、ロボットは「綺麗過ぎる」のかもしれない
ζ(゚ー゚*ζ 綺麗……過ぎる?
541
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:41:36 ID:bxl.ZBdY0
おおっ!きてる!!
④
542
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:45:22 ID:y7bAg5ag0
( ・∀・) 青色が好きな人間がいるとしても、ある日たまたま見かけた緑色に目を奪われる
( ・∀・) そんなことが常日頃から起こっている。いわば外乱だ
ζ(゚-゚*ζ 人間は不完全って言うしね……
( ・∀・) 三半規管に匹敵するバランサーと、前頭葉に等しい言語機能を兼ねそろえ
合成タンパク質で肉体を再現し、パターン処理によって飛躍的に処理機能を向上させたアイセンサを開発した
( ・∀・) だがそれはあまりにも、綺麗――――完璧過ぎる。あるいは……
ζ(゚、゚*ζ ……?
( ・∀・) そこが到達点。そう、命を作るのもまた、命だけなのかもしれない
ζ(゚ー゚;ζ モララーく〜ん、哲学入ってきちゃった?
( ;・∀・) な、何か変なことを言ったかい!?
ζ(゚、゚;ζ へ、変じゃない!でも何かその、なんて言うか…
ζ(゚ー゚*ζ 何か、凄く、遠くにいる気がして…
( ・∀・) …………遠く?
543
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:48:09 ID:y7bAg5ag0
ζ(゚ー゚*ζ 私と同じ世界にいる人じゃないみたいな、そういう感じ
( ・∀・)
ζ(゚ー゚;ζ あっ、ごめん!変な意味じゃないから。何となく、そんな気がしただけ
( ・∀・) 君はとても、理知的だ
ζ(゚、゚;ζ え"!?
ζ(///*ζ ソ、ソンナコトナイヨ!モララーくんダッテ、頭イイシ、カッコイイシ!
( ・∀・) 大丈夫かい。急に言語機能が低下したようだが
ζ(///*ζ
ζ(゚ー゚*ζ ―――さっき、言ったよね。ロボットは綺麗過ぎるって
( ・∀・) ああ
544
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:50:43 ID:y7bAg5ag0
ζ(゚ー゚*ζ でも、私思うの。人間の中にも、綺麗過ぎるくらい綺麗な人がいるって
( ・∀・) 人間にも……
ζ(゚ー゚*ζ 見た目とかじゃなくてね。とても、澄んだ人。心が透き通ってるような、美しい人
( ・∀・)
(・∀・ )
ζ(゚ー゚*ζ
(・∀・ )
ζ(゚ー゚*ζ モララーくん……あのね、私
(・∀・ ) 今日は…
ζ(゚ー゚*ζ ……?
(・∀・ ) もう遅い。そろそろ帰ろう
ζ(゚-゚*ζ …………
545
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:54:35 ID:y7bAg5ag0
ζ(゚ー゚*ζ ……うん
(・∀・ )
(・∀・ ) 本当にそれは、透き通ってるだけなのかな
ζ(゚-゚*ζ え?
( ・∀・) いや、何でもない
ζ(゚-゚*ζ
( ・∀・) 帰ろう
デレは自分のことを、どちらかといえば鈍い、よく言えばマイペースな人間だと思っているが、
モララーに関することでは、自分ほど鋭い人間はいないと思っており、そしてモララーのことに関して、
一つの疑惑を抱いている。
彼は本当に、人間なのだろうかと。
546
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 01:58:31 ID:y7bAg5ag0
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ―――― (←近未来的なドアが自動的に開閉する音)
( ・∀・) ただいま
「おかえり。今日は一段と遅かったな」
( ・∀・) 話に熱中してしまって
「熱中?どんな話だ」
547
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:02:26 ID:y7bAg5ag0
( ・∀・) 人間の話だ
「ほう。哲学か、人間工学か、エロい話か……」
( ・∀・) エロい話だよ
「嘘だな」
( ・∀・) 父さんの出したレポートが難し過ぎるんだ
「ああ、あれか」
( ・∀・) どうしてあんな無理難題を出したんだ
「レポートというのは何も成功体験だけを書き綴る日記帳ではない。失敗にも意味はある」
( ・∀・) 研究室にすら入っていない学生に出すような難易度ではないよ
「難易度でいえばな」
( ・∀・) なら、どうして?
548
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:08:25 ID:y7bAg5ag0
(-@∀@) 頭を抱える学生を眺めるのが、私の趣味だからだよ
( ・∀・) ……父さん、あまり外では言わない方がいい趣味だよ、それは
(-@∀@) それらの積み重ねこそが、私に友人がいないことに起因していると考えるよ
( ・∀・) 同感だ、父さん
学生らしい薄い安物のバッグを丁寧にキャビネットにしまうと、
ちょうどいいタイミングで出されたホットミルクにモララーは口をつけた。
( ・∀・) ありがとう
(-@∀@) ちょうど私も飲んでいただけだ
( ・∀・) お酒は、飲まないのか
(-@∀@) 飲んでいるのを見たことがあるか?
549
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:12:48 ID:y7bAg5ag0
( ・∀・) ないが
(-@∀@) ならば
( ・∀・) ある程度年齢を積み重ねた男性のほとんどはアルコールを日常的に摂取すると
(-@∀@) 環境にもよるが、おおよそ偏見と言わざるを得ない見解だな
( ・∀・)
(-@∀@)
(-@∀@) どうした、今日は様子がおかしいぞ
( ・∀・) 父さん
(-@∀@) ミルクの設定温度を上げすぎたからか……?
( ・∀・) 僕は、誰だ
550
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:15:07 ID:y7bAg5ag0
(-@∀@) (・∀・ )
(-@∀@) それは哲学か、古典文学か、エロい話か…
( ・∀・) 僕は……本当に、人間、なのか
(-@∀@) では、哲学から入ろう。人間とは何だ?
( ・∀・) 人間……
551
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:19:46 ID:y7bAg5ag0
(-@∀@) 人間とは酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リン、硫黄、カリウムナトリウムetcetc…
それら元素の集合体なのか
(-@∀@) それとも神が禁忌を犯したことで生まれた弱き生命体なのか
(-@∀@) 一般的に手足があり、頭があり、胴体があるのが人間であるが、では手足を切り落とした場合、
切り落とした手足は既に人間ではないのか。そうだとしたら、頭部以外を切り離したら頭部のみが人間か?
(-@∀@) であるならば、脳みそをCPU上に移植したならば、その、マシンは人間なのか?
(-@∀@) 人と人でないものを分け隔てるものは何なのかね
( ・∀・) 心……
(-@∀@)
( ・∀・) 心じゃないのか
(-@∀@) 心とは何だ
( ・∀・) 心は…………
552
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:22:41 ID:y7bAg5ag0
( ・∀・) 「「外乱」」 (@∀@-)
(-@∀@) ――といえるかもしれない、な
( ・∀・)
(-@∀@) 私がその答えをはじき出したのは随分と昔のことで、当時は自分でもばかばかしいと思っていた
(-@∀@) だが今になって、もしかすると的を射ているんじゃないかと思って来たよ
( ・∀・) なぜ
(-@∀@) さあな。もう寝る
( ・∀・) 父さん
(-@∀@) 夜更かしはしない方がいい。私のように目を悪くする
( ・∀・) 僕は
553
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:23:57 ID:y7bAg5ag0
(-@∀@) おやすみ。愛しい我が息子よ
バタンッ
( ・∀・)
( ・∀・)ズズズズ…
.
554
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:27:05 ID:y7bAg5ag0
( ・∀・) ……フゥ
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・) CPUに脳を移植……
( ・∀・)
( ・∀・) 移植、できるのか?
( ・∀・) だったら――――逆に……
突如、寒気を感じ身震いした。
まだ飲み干していなかったミルクを一気に喉へ流し込み、足早へ寝室へと駆け込んでいった。
その夜は――いや、その夜も、モララーが夢を見ることはなかった。
555
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 02:28:17 ID:y7bAg5ag0
今日はこれで終わりです。ちょっと細切れ
あと二回くらいでこの章終わりです(2回目)
556
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 05:10:42 ID:QH98CshM0
おつです
ゆっくりでも進んでくれると嬉しいです
557
:
名も無きAAのようです
:2015/12/24(木) 14:47:55 ID:RzR5YCv.0
おつ
あいしてる
558
:
名も無きAAのようです
:2015/12/31(木) 12:58:23 ID:EZtOM0t20
おつ!
559
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 20:52:16 ID:Ti5mThsE0
――――――
―――――――――――ジュポ――――――
ζ(゚ ゚*ζ ……ん
( ∀ )
ζ(- -*ζ グ…グポ……チュルッ……ん……
何も身につけず、ベッドに腰掛けているモララーの股の間で、跪いて甲斐甲斐しく奉仕するデレもまた、
生まれたままの姿であった。
陰茎に舌を這わせ、それが棒の頂点に達すると、唾液と愛液で湿った唇が先端から彼を包み込む。
裏筋に舌先が触れた瞬間、モララーの浅い吐息の中に、くぐもったあえぎ声が混ざった。
粘液同士が絡み合い、官能的な水音がこだまし、短く断続的なモララーの吐息に、溺れるデレの深い呼吸が時折混ざる。
560
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 20:55:07 ID:Ti5mThsE0
ζ(゚ ゚*ζ ヂュ…グポ……ん……グポ…グポ…
( ∀ ) ……フッ…ん………
ζ(゚ ゚*ζ …………
( ∀ ) …疲れただろう。もういいよ
ζ(゚ ゚*ζ ううん。へーき……私は
( ∀ )
ζ(゚ ゚*ζ
( ∀ )
ζ(゚ー゚*ζ 私、下手かなあ?
( ;・∀・) え!?いや、そんなことはない。とても気持ちいいよ
ζ(゚ー゚*ζ そう……
561
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 20:59:21 ID:Ti5mThsE0
( ;・∀・) 今日は……ちょっと疲れてて
ζ(゚、゚*ζ どうせ私はセクシーじゃないし?
( ;・∀・) そんなことはないよ!君のくびれや小さめの乳輪も可愛いし、○○○の形とか綺麗だし
××だってとてもセクシーで……
ζ(゚ー゚;ζ ギャーーーー逆にやめて!
二人は軽いキスを交わしたのち、ベッドに座り直した。
背を壁に預け、密着した二人は、肩を寄せ合い、頭を預け合った。
ζ(゚ー゚*ζ (しあわせ)
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ (すごく、しあわせ)
562
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:05:32 ID:Ti5mThsE0
極わずかな言葉だけを交わしあい、時折目線が合うとどちらからともなくキスをして、朝が来るのを二人で待つ。
そんな夜を何度も超えてきた。
デレはモララーにぞっこんであり、そしていつも彼から大事にされているという実感を得られ、
幸福と呼ぶには十分すぎるシチュエーションに酔い、学生らしい先の無い高揚感に満ちていた。
だが、ぬぐいきれない不安感がいつもそこにはあった。
ζ(゚ー゚*ζ 口でするの、上手になったでしょ?
( ・∀・) 最初はわざと歯形をつけようとしてるのかと思ったくらいだしね
ζ(゚ー゚;ζ だ、だって動画で見たときは、あんなに難しいもんだと思わなくて!
( ・∀・) 本来は噛み、ちぎり、すり潰す体内器官なんだから、慣れは必要だ。仕方ないさ
ζ(゚ー゚*ζ でもね、ニイジュクって星に住んでるタクヤさんがアップした動画で、詳しい解説があって、それ参考にしたの
( ・∀・) そうなんだ……嫌な予感がするから僕は絶対に検索しないよ
563
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:06:40 ID:Ti5mThsE0
近い
( ・∀・) ζ(^ー^*ζ
ようで 凄く遠い
( ・∀・) ζ(゚-゚*ζ
564
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:08:00 ID:Ti5mThsE0
ζ(゚-゚*ζ (モララーくん)
( ・∀・)
あなたは何処にいるの?
.
565
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:14:23 ID:Ti5mThsE0
「まずいな」
(-@∀@) (潮時、か)
コンピュータルームに改造した自室の書斎の中で、クラッキングしたEメール情報をデコードした際、
普段なら発しない独り言を呟いてしまった。
内容は、かいつまんで言うと、あさぴー博士を拘束せよ、というものだ。
アクアデミック星に来ておよそ2年半が経過したのだから、自身の情報が漏れるにしては、むしろ大分遅かった方だ。
566
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:18:37 ID:Ti5mThsE0
場所自体は辺境にあるが、連邦軍が本気を出せばおよそ一週間ほどでこの星に到達してしまう。
余裕を持てるのは今日一日のみで、明日にはこの星を発とうとあさぴーは決心した。
(-@∀@) この判断力が私の長所
(-@∀@)
(-@∀@) (しかし、モララーも大分学生として馴染んできて、おまけにガールフレンドもできたようだし、
もったいないと言えばもったいないな)
(-@∀@)
(@∀@-) (モララー)
(@∀@-) なあ、モララー
567
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:20:05 ID:Ti5mThsE0
(@∀@-)
(@∀@-) (もっと知りたかったろう)
(@∀@-) (自分が何者なのか)
(-@∀@) 何処から来て
(-@∀@) 何処へ往くのか
(-@∀@) (私も、知りたいんだ)
( ・∀・)
(-@∀@) だから、今捕まる訳にはいかないんだよ。モララー
568
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:22:07 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・)
(-@∀@) お前を残して行くわけにはいかない
( ・∀・) 僕は
(-@∀@) 未練があるのか
( ・∀・) あるさ
(-@∀@) 何だ。女か
( ・∀・) そうだ
(-@∀@) その女とどうしたいのだ
( ・∀・) …………………
(-@∀@) いいじゃないか、何度もセックスしただろう。色んな体位で。まさか四十八手全て試す気か!?
( ・∀・) 彼女と、ずっと一緒にいたい
569
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:24:57 ID:Ti5mThsE0
(-@∀@) 一緒にいてどうするのだ
( ・∀・) 一緒に、バラエティ番組を見たり、小説の感想を言い合ったり、
映画を観たり、散歩をしたり、美味しいものを食べたりしたい
(-@∀@) 仮想電脳チャットがあれば全て一人で可能だな
( ・∀・) 父さん
(-@∀@) わかっている。あの個体にこだわりがあるのだろう
( ・∀・) 好きなんだ。彼女のことが
(-@∀@) (・∀・ )
( ・∀・) もっと、やりたいことが、いっぱいあるんだ
(-@∀@) だろうな
570
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:25:42 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・) だったら…!
(-@∀@) 私がそういう風にプログラミングしたからな
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
571
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:27:46 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・) 彼女とは、図書館で偶然
(-@∀@) 別に個体を指定した訳じゃない。ある程度の"指向性"だけ持たせている
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@) ファーストインパクト、接触回数、顔面やプロポーションの美醜やその好み、喋り方や趣味趣向の好み
( ・∀・)
(-@∀@) 私が作り、君に持たせた
572
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:29:26 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@) 仕方なかったんだ。君はいつまで経っても「人間への興味」を持たなかったから
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@) 間に合わせの機能で、いわば試作品みたいなものだが、作ったからには試したくてね
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
573
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:30:55 ID:Ti5mThsE0
(-@∀@) 君はある程度「人間らしく」照れたり「人間らしく」怒ったり「人間らしく」笑うことができた
( ・∀・)
(-@∀@) そのどれもが人間のソレにうり二つだったよ
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・) 父さん
(-@∀@) だがまがい物だ
574
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:32:58 ID:Ti5mThsE0
君の
命は
( ・∀・) 私が (@∀@-)
作った
レプリカに
過ぎない
(-@∀@) 何もかもがそれ"らしい"だけのイミテーションだ
( ・∀・)
(-@∀@) 理解できたかね
575
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:34:33 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・)
(-@∀@)
( ・∀・)
(@∀@-) ほら、さっさと支度しなさい。記憶が邪魔なら今すぐ消してあげよう
( ・∀・)
(-@∀@) 何をやってる。そろそろストーリーを進めないと読者が尺稼ぎをやめろと怒り狂…
( ・∀・) 彼女に、お別れを言いたい
(-@∀@)
( ・∀・)
(-@∀@) あの生徒、デレにかね
( ・∀・) ああ
576
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:36:49 ID:Ti5mThsE0
(-@∀@) いずれにせよ、記憶は消すんだ。君が嫌がっても遠隔操作でいつでも消せるんだぞ
( ・∀・) ああ
(-@∀@) 私のさじ加減一つでだ
( ・∀・) ああ
(-@∀@) それでも行くのかね
( ・∀・) 彼女に、会いたい。ほんの少しでもいい
(-@∀@) ふむ……
( ・∀・) 逃げ出したりはしない
(-@∀@) 禁則処理に含んでいる以上、逃げられはしないから別にそれはいいんだが
( ・∀・) 頼む、父さん
(-@∀@) ………………まあ
(@∀@-) 構わんよ。別に
577
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:39:19 ID:Ti5mThsE0
( ・∀・) ありがとう
(-@∀@) 出発は、そうだな。明日の早朝にしよう。最後にセックスでもしてきたらいい
(・∀・ ) 行ってくるよ
(-@∀@) ちゃんと避妊剤を使うように
(・∀・ )
( ・∀・) やっぱり、精子はあるのか?
(-@∀@) そりゃあるよ
( ・∀・) ……そうなのか
(-@∀@)
(・∀・ ) 行ってきます
578
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:41:05 ID:Ti5mThsE0
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ―――― (←近未来的なドアが自動的に開閉する音) ←しつこい
(@∀@-)
(-@∀@)
(-@∀@) 何処から来て、何処へ往くのか
(-@∀@)
(-@∀@) 何処へ、往きたいのか……
579
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:42:15 ID:Ti5mThsE0
あと一話でこの章は終わりです。誰も上げてくれないから自分で上げる!(`・ω・´)
580
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 21:44:44 ID:D87RsPCo0
正直上げていいのか分からなかった
乙です
581
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 22:47:13 ID:g2xGSlM.0
乙
子種を残せるのか……
582
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 23:21:00 ID:iMeshVuQ0
君が望むなら
583
:
名も無きAAのようです
:2016/01/04(月) 23:30:18 ID:7eoQYqv20
続きが見れて嬉しい、乙!
584
:
名も無きAAのようです
:2016/01/05(火) 01:46:36 ID:1v2dQ79I0
個々の動きがどう影響し合うのか凄く気になる
乙です
585
:
名も無きAAのようです
:2016/01/05(火) 09:03:11 ID:gbCHXecc0
今度からは上げまくるよおつ!
子供作れるとかアサピー神じゃね?
586
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 21:57:01 ID:H8nZc6To0
「はぁ……はぁ……」
( ;・∀・)
デレの寮へたどり着いたモララーは、彼女の部屋の前までいき、まるで気配の無い室内の様子に
焦燥を覚え、しばし立ち尽くした。
駄目で元々とドアをノックするが、やはり彼女の返事はない。
( ;・∀・)
( ;・∀・) (時間がない)
587
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:00:05 ID:H8nZc6To0
( ;・∀・)
( ;・∀・) 会いたい……
ふと思い立ち、ドアの前から駆けだした。
深夜でも走っている無人タクシーへ乗り込み、ガイドマシンに行き先を入力する。
( ;・∀・) (デレ……)
確信などない。
どの程度の確率でその場所に彼女がいるのか、とても計算できない。
けれども、他に自分が行ける場所なんてない。
( ;・∀・) (もう一度だけで、いいんだ)
588
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:01:44 ID:H8nZc6To0
彼女と会って、どうしたいのか。
( ;・∀・)
今でもよくわからない。
( ;・∀・)
何かが変わるとは思えない。
( ;・∀・)
それでも気持ちだけは前に走り続けた。
( ;・∀・)
589
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:05:21 ID:H8nZc6To0
およそ合理的とは思えない自分の行動に、少し驚いていた。
( ;・∀・)
驚くと同時に、どこか嬉しさを感じている自分もいる。
( ・∀・)
焦りも悲しみも、この喜びも、彼女と出会ってから芽生えたものなのだと、今更気がつく。
( ・∀・)
負の感情だろうが正の感情だろうが、今はそれらの何もかもが愛おしい。
( ・∀・) それだけでも、伝えたかった……
590
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:07:15 ID:H8nZc6To0
( ・∀・) ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ 何でかなあ
( ・∀・) ……え?
591
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:19:25 ID:H8nZc6To0
静寂の図書館で、また再び出会えた。
間違いなく今、この世界には二人しかいなかった。
ζ(゚ー゚*ζ 何となく、今夜だと思ったの
( ・∀・)
何が、と訊くまでもなかった。
( ・∀・) ごめん……突然
ζ(^ー^*ζ まあ、そういうもん、だと思うよ
( ・∀・) ……ごめん
ζ(゚ー゚*ζ 謝らないで。どんどん悲しくなるし
( ・∀・) なんて、言えばいいか、わからない
ζ(゚ー゚*ζ ……私も
592
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:21:02 ID:H8nZc6To0
( ・∀・) ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・) 僕は
ζ(゚ー゚*ζ モララーくん
( ・∀・) えっ?
ζ(゚ー゚*ζ 私、ずっとあなたが遠くにいるように感じてた
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ でもね、それ間違い
( ・∀・) 間違い……
593
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:23:48 ID:H8nZc6To0
ζ(゚ー゚*ζ 本当に遠かったのは、私自身
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ あなたはずっと、近くにいてくれたの
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ 私だけが、私から遠かった
僕も、きっとそうだ。
言葉には、出来なかった。
( ・∀・) ζ(゚ー゚*ζ
594
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:26:08 ID:H8nZc6To0
( ・∀・) 僕は――――
ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・) 僕は、本当は
ζ(゚ー゚*ζ モララーくん
( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ いいの、それは
( ・∀・) デレ…………
ζ( ー *ζ
ζ( ー *ζ たぶん――きっと、それ自体は大事なことじゃないから
( ・∀・)
595
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:29:27 ID:H8nZc6To0
( ・∀・)( ー *ζ
( ∀ )
気がつけば、顔がくっつきそうな距離感で、じっと見つめ合っていた。
恐る恐る伸ばした手を、デレの肩に回し、体を抱き込む。
風呂上がりの香りが微かに鼻をくすぐった。
ζ( ー *ζ こんなに誰かのことを想ったのは初めてだった
( ∀ ) ――僕も、そうだよ
今度は、言えた。
596
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:39:29 ID:H8nZc6To0
ζ( - *ζ モララーくん
デレの胸が、悲哀と、焦燥で、荒れ狂う鼓動を奏でた。
モララーはただ黙って、全身で彼女の音を受け止めた。
ζ( - *ζ 一つだけ、お願いがあります
( ∀ ) なに?
見えなくてもわかる。
唇をかみしめて、声を押し殺して作る彼女の表情が、彼女の心が、魂が。
感じる。
ζ(;ー;*ζ ずっと、あなたを忘れなくてもいい?
( ∀ )
耳元で呟いた、モララーの最後の言葉に頷くと、しばらくの間、二人は静寂の世界に溶け込んだ。
597
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:41:52 ID:H8nZc6To0
―――
―――――――
―――――――………………………
(-@∀@) 忘れ物はないか
( ・∀・) 元々、自分の荷物なんてほとんど無かっただろう
(-@∀@) そうだな
(・∀・ )
小型の宇宙船には、小さいながらも窓がついていた。
空の暗闇に浮かぶ恒星の明かりだけが、彼らを見送っている。
598
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:43:29 ID:H8nZc6To0
(・∀・ )
(-@∀@) 忘れ物はなくても、未練はありそうだな
(・∀・ ) なあ
(-@∀@) 何だ
(・∀・ ) いつ、記憶を消すんだ
(-@∀@) ああ、それか。今のところ消す気はないな
( ・∀・)
(-@∀@) 別に消さなくてはいけない必要性も感じないしな
( ・∀・)
(-@∀@) どうした、鳩がサブマシンガン喰らったような顔して
( ・∀・) だって、消すって、言ってたじゃないか
599
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:46:25 ID:H8nZc6To0
(-@∀@) そのつもりだったが、やめた。心変わりというものだ
( ・∀・) そん……な、適当な……
(-@∀@) お前が望むなら、面倒だが消してやろう。はあ、あーあ、面倒だ
ボタン一つ押す労力、ああなんて無駄な労働を……
( ・∀・) 記憶は残したい
(-@∀@) じゃあ残しておこう
( ・∀・) 記憶は、僕そのものだ
(-@∀@) そういう考え方もあるな
(・∀・ )
(-@∀@) しかし、記憶などあてにならんもんだぞ。一昨日食べた夕食を覚えているか?
(・∀・ )
600
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:53:48 ID:H8nZc6To0
(-@∀@) 私は覚えているがな。えーっと……確か
(@∀@-)
(-@∀@) ……?
(-@∀@) コンタディーナとブイヤベースだったかな
< ふきの煮付けだよ
(-@∀@) そうだ!ニアミスだったか
< そうだな
601
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:56:38 ID:H8nZc6To0
(-@∀@)
(-@∀@) そんなに夜空が好きだったか?
< 別に
(-@∀@) もう一つ訊いていいか
< ああ
(-@∀@) お前の目から流れているものは、何だ?
( ∀ )
「まがい物だ」窓をのぞき込みながら、モララーが呟く。
だが彼の言葉とは裏腹に、頬を伝うそれは、確かに熱を持っていた。
602
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 22:57:43 ID:H8nZc6To0
第6章、終わりです
603
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 23:10:36 ID:aYWixmSA0
モララーがただの悪人じゃないのが悲しいな
乙
604
:
名も無きAAのようです
:2016/01/07(木) 23:59:10 ID:t0A7AiaE0
人工頭脳を移植したモララーボディだから子供を作れるのか
おもしろい乙
605
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 17:51:59 ID:sl9uvWok0
これからの各人の指針が気になりすぎるな乙
スレの空気感を壊すような気がして上げるのが怖いww
606
:
名も無きAAのようです
:2016/01/20(水) 02:19:42 ID:/By8Diks0
もうほんとこれ大好き
607
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:13:02 ID:AyWUPL5w0
「やあ」
(//‰ ゚) おはようございます
「おはよう横堀くん」
(//‰ ゚) おはようございます
「よう。ん?ラジエーターの調子が悪そうだが」
(//‰ ゚) これは汗でス
「発汗機能!やはり君の父親は天才だな」
(//‰ ゚)
「おはよう」 「やあ。調子はどう?」 「おはよー!」 「おはよう横堀ちゃん」 「おっすオラ悟空!」
608
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:13:56 ID:AyWUPL5w0
(//‰ ゚) おはよう
(//‰ ゚) ございます
(//‰ ゚) ございます
[ ㊤皿㊤] キミ
(//‰ ゚) え?
609
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:15:18 ID:AyWUPL5w0
[ ㊤皿㊤] 邪魔ダヨ
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] ソコ! ソコ!
(//‰ ゚) あ
[ ㊤皿㊤] 私の お掃除ノ 邪魔ヲ シナイデホシイ
(//‰ ゚) ごめんなさい
[ ㊤皿㊤]
[ ㊤皿㊤] (( (//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] (( (//‰ ゚)
610
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:19:11 ID:AyWUPL5w0
[ ㊤皿㊤]
[㊤皿㊤ ] サテ お掃除再開 再開
[ ㊤皿㊤ ] 今日モ ド根性!
辺境の惑星に、一つのコロニーがあった。
惑星のほとんどは荒廃した大地であるが、ほとんどのロボットに適用可能なコアエネルギーが
採掘できるため、資源星としては一定以上の評価のある星だ。
およそ十年前、とある高名な科学者が星ごと買い取り、研究所といくつかのコロニーを建設した。
コロニーには万を超えるロボットと、数十人のエンジニアと、
(( (//‰ ゚)
611
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:20:51 ID:AyWUPL5w0
彼がいた。
(//‰ ゚)
( ^ω^) 遅かったね
(//‰ ゚) ごめんなさい
( ^ω^) あの目覚まし時計は、やっぱり静かすぎるかお?
(//‰ ゚) 少し静かです
( ^ω^) うーん、あんまりうるさいと嫌がるかと思ったが……
そもそも音に頼るのが古すぎかお。骨伝導式に変えてみるお
612
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:22:22 ID:AyWUPL5w0
(//‰ ゚) はい
( ^ω^)
(//‰ ゚) (^ω^ )
( ^ω^) いい子だお
(//‰ ゚) ありがとうございます
( ^ω^) やっぱり目元は、僕よりもツンに似てるお
(//‰ ゚) 僕もそう思います
( ^ω^)
(//‰ ゚)
613
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:25:52 ID:AyWUPL5w0
( ^ω^) あ〜それにしても最近食欲がないな〜もっと食べないとな〜
(//‰ ゚) お父さんの体脂肪率は平均値を遙かに上回っています
今よりも摂取量を増やすのであれば、運動量を上げなければ健康に支障が出る可能性があります
( ^ω^) にしてもいつ見ても僕はキムタクに似てるなあ。知ってる?SMAP星のアイドルなんだけど
(//‰ ゚) パターンマッチング率は31%。100人中100人が似ていないと判断する数値です
( ^ω^) 大豆は神の食べ物。食べ過ぎて困ることはないお
(//‰ ゚) リウマチの原因になります。過剰な摂取は禁物です
( ^ω^)
(//‰ ゚)
( ^ω^)
(//‰ ゚)
614
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:28:58 ID:AyWUPL5w0
チュー
(//‰ ゚)ε^ )
( ^ω^) お父さんは研究室の方に行くから、
そこにある朝ご飯食べたらリフレッシュルームか、図書室で遊んでなさい
(//‰ ゚) はい
( ^ω^) 愛してるおー
(//‰ ゚) はい
ロボット工学界で、1万年に一人の逸材が現れたと話題になったのは、およそ二十年前。
まだブーン博士が、学校に通っていた頃だ。
615
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:33:57 ID:AyWUPL5w0
「ブーン博士。こちらが、収集の終わったデータのリストです」
( ^ω^) ご苦労。寝ていないだろう。休んでていいお
「すみません。失礼します」
「ブーン博士。コズミックギアの線体振動波について、α値の臨海値付近で面白いデータが……」
( ^ω^) ふむ。なるほど……ギアを変えてみよう。同条件でナズローとマルタイの場合でデータを取ってくれお
「承知いたしました」
「ブーン博士。被験体ノ測定ガ全テ終ワリマシタ。データ ハ コチラニ」
( ^ω^) うん。ありがとう
( ^ω^)
研究室で忙しなく働き続けるエンジニアたちの間を縫うように、電子カルテを携えた自律歩行ロボットが
装置の間を行き来していた。
616
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:38:37 ID:AyWUPL5w0
エアホログラムの映し出す青と紫の光の中、人とロボットが行き交い、会話を行い、
すれ違っては、また交差する。
( ^ω^) (人とロボットの、分岐点――――)
人は進化し続けた。
同時に、ロボットもまた、劇的に進化していった。
その成長速度は、一方は落ち着いたが、もう片方は止まることなく、
むしろ指数関数を描きながら天上へ昇ろうと、しているように見えたのだが……。
( ^ω^) (横堀……)
( ^ω^) (君は、いつになったらこちらに来てくれるんだ)
だがその進化も、大きな大きな壁に阻まれていたのだ。
617
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 21:39:23 ID:AyWUPL5w0
今回はちょろっとだけどす( )^ω^( )
618
:
名も無きAAのようです
:2016/02/04(木) 23:18:23 ID:hC4299Vg0
おつ!
619
:
名も無きAAのようです
:2016/02/05(金) 00:10:39 ID:9mPldG8Q0
おつおつ
620
:
名も無きAAのようです
:2016/02/05(金) 00:12:23 ID:OtXEFQeI0
次はブーンか
621
:
名も無きAAのようです
:2016/02/05(金) 23:08:25 ID:LJaqsWoA0
ついにか・・・非常に楽しみ
622
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:14:21 ID:6O.QZ58g0
……
…………
「はい」
(-@∀@) ええ、まだ半数ですが出荷はできます
(-@∀@)
(-@∀@) 残りは、あの二ヶ月ほど待って頂ければ
(-@∀@)
(-@∀@) はい……ええ、はい
623
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:16:10 ID:6O.QZ58g0
(-@∀@)
(-@∀@)
(-@∀@) ありがとうございます
(-@∀@)
(-@∀@) では、例の口座に……
シュウウゥゥウッゥゥゥッゥゥ…… ←ドアが開く音だ。いいね?
( ^ω^) お?
(-;@∀@) っ!
( ^ω^) すまんお。通信中だったかお
(-;@∀@) あ、いえ、あの
624
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:21:16 ID:6O.QZ58g0
(-;@∀@) じゃあ、そういうことで!また連絡します!失礼します!
(-;@∀@) ふぅ…
( ^ω^) いいのかお?話の途中だったようだけど
(-;@∀@) あぁ…あ、あの、昔の友人とやり取りしていただけですので、はい
特にお気になさらず、ええ…はい
( ^ω^) そうかお。ああ、そうそう。ちょっと相談したいことがあるんだお
(-@∀@) 相談?
( ^ω^) 新しい自律思考プログラムをコーディングしたいんだお
以前、ロキアシリーズのメインプログラムを作ったプロジェクトチームに連絡を取りたいお
(-@∀@) はぁ…
625
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:23:55 ID:6O.QZ58g0
( ^ω^) あのときはあさぴー博士が呼んだチームだったお?
(-@∀@) そ、そうですが
( ^ω^) 連絡取れないお?
(-@∀@) 実は彼ら、DEM社の専属エンジニアになってしまったみたいで
( ;^ω^) マジかお!
(-@∀@) 以前のように依頼することは出来ないです
( ^ω^) うーむ
( ;^ω^) 困った……
(-@∀@) ここのエンジニアたちに任せては駄目ですか?
何なら私も手伝いますけど…
626
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:26:58 ID:6O.QZ58g0
( ^ω^) うーん…
(-@∀@) 難しいでしょうか
( ^ω^) 君たちの技術力をみくびっている訳ではないんだけども、いかんせん量がね…
(-@∀@) うーむ、なるほど
( ^ω^) 詳細設計書までは僕が作ったお。ただ、コーディングは専門チームに依頼しないと
我々だけでやったらあと数百年はかかりそうだお
(-@∀@) そもそも…
( ^ω^) ん?
(-@∀@) ソフトウェア開発にかけられる資金がありません
予定通り研究を進めていくとなると、今年度の予算はかつかつです
( ;^ω^) まあ…そうだよねえ
627
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:30:26 ID:6O.QZ58g0
( ^ω^) どうにかして、パトロンを探さないと無理か…
(-@∀@) ブーン博士、一体何を作ろうとなさってるんです?
( ^ω^) 大したものじゃないお
(-@∀@) じゃ、じゃあ…
( ^ω^) 人間なら誰でも持ってるものを、作ろうとしているだけだお
あさぴーは、天才ブーン博士が何をやろうとしているのか、
実は全く興味なかった。
(-@∀@) (どうせまた夢みたいな研究だろ)
628
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:32:10 ID:6O.QZ58g0
( ^ω^) パトロンが見つかるまでは、自分で何とか進めてみるお
(-@∀@) そうですか……お力になれずすみません
( ^ω^) いいお。あさぴー博士も研究頑張ってお
(-@∀@) はい
シュウゥウゥッゥゥゥウウウウウウウウウウ……
(-@∀@)
(-@∀@)
(-@∀@) (金に頓着がなさ過ぎる)
(-@∀@) ハァ…
(-@∀@) まともに研究してれば、今頃1億の1億倍くらい稼いでたんじゃないのか、あいつ…
629
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:33:42 ID:6O.QZ58g0
―リフレッシュルーム―
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] ド根性!
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] ウオオオオオ! 磨キ上ゲテ ミセル! 光輝け 大理石ヨオオオ!
(//‰ ゚) ねえ
630
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:35:55 ID:YP0afuzw0
ほう、リアルタイム遭遇か……
631
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:37:16 ID:6O.QZ58g0
[ ㊤皿㊤] 不思議ダ ドコカラカ 囁きカケテ クル 声ガ ある気ガスル
(//‰ ゚) 君
[ ㊤皿㊤] ナンダ オマエカ
(//‰ ゚) 君は……いや、僕ハ横堀っていうんダ
[ ㊤皿㊤] フウン
(//‰ ゚) 君の名前ハ?
[ ㊤皿㊤] シリアル番号ハ D9742-38734834T ダガ
(//‰ ゚) それが、君ノ名前かい?
[ ㊤皿㊤] 名前ナンテ モノハ 人間ガ 人間ヤ モノヲ 区別スルタメニ ツケル 識別IDダ
ダカラ コレガ 私ノ 名前ニ アタル
(//‰ ゚) しかし、呼びづらいな
[ ㊤皿㊤] マアナ 呼ブ 必要モ ナイカラナ
632
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:38:40 ID:6O.QZ58g0
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] 突き抜ケロ! LIVE! LIKE! ROCKET!
(//‰ ゚) それは、楽しい?
[ ㊤皿㊤]
(//‰ ゚) それ
[ ㊤皿㊤] 楽シイ 訳ナイダロ
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] コレガ 私ノ タスク デアル トイウ ダケダ
(//‰ ゚) そう…
633
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:40:45 ID:6O.QZ58g0
[㊤皿㊤ ]
[ ㊤皿㊤] トコロデ
(//‰ ゚) え?
[ ㊤皿㊤] オマエ 何ノ ロボット ナノダ
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] タスクハ ドウシタ 私ノ タスク ニハ 他ロボット ノ 監視モ 含マレテ イルノダゾ
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] タスクヲ 執行シナイ ロボットハ 下手スルト 廃棄イキダ
(//‰ ゚) 僕は
[ ㊤皿㊤] 横堀ナンテイウ ロボットガ アッタカナ オーダーメイド?
(//‰ ゚) 僕は、人間だよ
634
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:42:18 ID:6O.QZ58g0
[ ㊤皿㊤]
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤]
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] 案ズルナ 専用の ワクチンガ アルカラ
(//‰ ゚) ヒューマンシンドロームじゃない。本当に、人間ナンダ
[ ㊤皿㊤] アッソ
[ ㊤皿㊤] 廃棄確定ノ ロボットマデ 世話する気ハ ナイネ
(//‰ ゚)
[ ㊤皿㊤] ウオオオオオオオオ! 燃え上ガレ! オ掃除ノ コスモ! ウオオオオオオ!
(//‰ ゚)
635
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:48:48 ID:6O.QZ58g0
生まれてから、幾日も経ち、変わらぬ朝と、終わらぬ夜が交互にやってきては、
言葉交わすことなく体をすり抜けていく日々だった。
(//‰ ゚)
横堀は、生後二週間で自律歩行し、一ヶ月後には言葉を喋り、三年後にはシュレディンガー方程式をマスターした。
天才、ブーンの血を受け継いでいるからというのは間違いではないが、
体中の間接を生体ギアに取り替えたから、彼は歩くことが可能になった。
腐り始めた前頭葉の代わりにバイオチップボードを移植したことで、会話が可能になった。
そして脳を含めたほぼ全ての器官をマシン化することで、宇宙開拓史上初の全身サイボーグとなり
(//‰ ゚)
何もかも失ったのだ。
636
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:56:44 ID:6O.QZ58g0
高い知性と計算能力を持つことには違いないが、
これでは二足歩行ロボットと何ら変わらない存在じゃないか。
こんなことを酒の席で口走ったとあるエンジニアは、
ブーン博士の怒りを買い、ロボット工学界から追放された。
(//‰ ゚) 僕は、人間のはずなんだけど…
脳をそっくりそのまま、CPUに移植したというのは、サイボーグ工学では初の試みであった。
脳の伝達回路そのものを解析し、1と0のビットにまで落とし込むには、
単なる解析ソフトとスパコンを使っただけでは、数億年はかかる作業だ。
医学、機械工学、物理学、情報工学、生体工学、全てに明るいブーン博士だからこそ、成功に至った。
無論、100%の保証などなく、むしろ失敗する確率の方が高い極めて危険な移植手術であった。
1μメートル単位でのミスで、息子の命が潰える。
極限のプレッシャーの中、ブーンは3973時間におよぶ大手術を成し遂げ、
息子を全身サイボーグ化させ、サイボーグ工学分野において不動の地位を築いた。
637
:
名も無きAAのようです
:2016/02/06(土) 23:59:09 ID:6O.QZ58g0
たが足りなかった!!!!
横堀は決定的に!!!!
( ;^ω^) 可愛くないんだもん!!!!
( ;^ω^) おもちゃあげても、純度の高いエネルギーコアあげても、ゲームあげても、
テストの点を褒めてあげても、失敗を慰めてあげても、本を読み聞かせても
( ;^ω^) ずっと!いつも!「ありがとうございます」!
( ;^ω^) んもーーーーーーお父さんが子供の頃もっとヤンチャだったゾ!☆
638
:
名も無きAAのようです
:2016/02/07(日) 00:03:47 ID:BrUSiFks0
褒めたら「ありがとう」
叱ったら「ごめんなさい」
悪いことをした人がいたら「やめなさい」
困っている人を見かけたら「手伝いましょうか?」
髪型を変えた女性がいたら「あれー!?イメージ変わったじゃーん!超似合うよー!」
( ;^ω^) こんなの…
( ;^ω^) こんなの、人間じゃないお。ただの信号処理
与えられた入力信号を一定アルゴリズムに沿って変換・抽出・フィルタリングしてるだけ!
( ;^ω^) だから何もかも画一的!間違ったことはしないけど、人間として正しい訳ないお!
( ;^ω^) こんなの……
( ;^ω^) ただの、生きてる回路だお…………
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