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( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )

537名も無きAAのようです:2013/08/12(月) 00:15:17 ID:AdtwW4/A0

lw´‐ _‐ノv「ねぇ、ここは綺麗なままだね」

彼女は振り返って言う。
向日葵が風に揺れて、黄色い花びらが舞った。
帽子のつばを抑えたまま、彼女は笑う。

lw´‐ _‐ノv「ここが好きだったんだ、ずっと来てみたかった」

( ФωФ)「綺麗だろう、吾輩が埋めたのだ」

lw´‐ _‐ノv「彼女と、でしょう。妙に見栄っ張りだね君は」

( ФωФ)「実質吾輩は手伝っただけなのだがな」

lw´‐ _‐ノv「だろうね。でも、綺麗だよここは」

彼女の人生の大半を過ごした部屋が見えた。
たった数メートル、彼女が移動しただけでとても珍しく見えるのはなぜなのだろう。
今そこでは姉が泣いているのだろう。白いシーツを握りしめて、肩を震わせているのだろう。

lw´‐ _‐ノv「向日葵が好きなんだ、彼女が初めてくれた花だから」

( ФωФ)「吾輩も渡したはずだが?」

lw´‐ _‐ノv「彼女の方がはやかった。初めて咲いたんだって、笑顔で持ってきてくれた。
       私の髪に挿して似合うと言ってくれたよ」

( ФωФ)「結局二人で髪に飾ったまま寝たのだったか」

lw´‐ _‐ノv「そうそう、起きたら花びらが落ちちゃってて泣いたんだ」

彼女の手は向日葵を通り過ぎた。触れることが叶わなくなった身体に、溜息を吐いた。
これが見れるから夏は好きだったんだけどな。呟いた言葉は地に落ちた。
自分の方を向いて、彼女は笑う。


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