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( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )

413名も無きAAのようです:2013/08/11(日) 02:41:37 ID:NE1qcFrg0

人差し指を少年の口元に当てる。猿轡を挟んだ少年の呼気は震えていた。
見開かれたから雫が落ちる。恐怖、不安、諦観、僅かな希望、怒り。
複雑な感情が見て取れるその眼に内藤は目を細める。抑えきれない笑みが浮かぶ。

なんて愛らしいのだろう。食べてしまいたいほど、愛おしい。
この子を兄は探しているのだ。そして今自分の家にいる。探している対象がいるなんて思いもしないままに!
そして自分は知らないふりをして少年を返すのだ。見つからなかったね、残念だねと言って返すのだ。
そして今目の前にいる少年に兄は君を見つけてくれなかったね、残念だったねと言って笑うのだ。

それから文字通り少年は僕になる。髪の一本から足先の爪まですべて残さず僕の血肉に変わってもらう。
少年は僕を作り出し、もしかしたら兄だった少年に会う時がくるかもしれない。
少年は気づかないまま、弟を探し続けるのだ。目の前に弟の変わり果てた姿があるというのに!

なんて悲しい運命なのだろう。辛いだろう、哀れだと思う気持ちがないわけではない。
それを自分が創り出したと考えるだけで、内藤は酷く興奮した。全身に鳥肌がたつほどの背徳感が身を焦がす。
少年を連れてきたのは正解だった。出会ったのは偶然だったが今では神の導きとしか考えられない。


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