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( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
361
:
名も無きAAのようです
:2013/08/10(土) 23:32:21 ID:BUDFfaqo0
川゚ -゚)「……」
始まりは、とても昔だった。もう朧げにしか覚えてはいない
この村も、昔はもっと活気があって、子供の頃の私も、たくさんの子供たちと遊んでいた。
当時は鳩の鳴き真似をするのが流行っていて、ぽぽぽ、ぽぽぽと皆で言い合い笑い合っていたものだ。
川゚ -゚)「ぽぽぽ…」
しかしいつの頃からだろうか、子供たちは皆遊んでくれなくなり、私は遊び場であった空き地に一人、いつまでも待ち続けるようになった。
誰も遊んでくれない、誰も振り向いてくれない。
必死で続けた鳩の鳴き真似も、いつしか廃り、村も徐々に人が減っていった。
川゚ -゚)「ぽ…」
いつまでも待ち続けているうちに、空き地は農地になって、私はそのあぜ道にポツンと佇み続けた。
いつまでも待ち続けているうちに、農地は立派な家になって、私はその生垣の脇にポツンと佇み続けた。
いつまでも待ち続けているうちに、立派な家には車のついた不思議な鉄の塊がやってきて、私はそれを来る日も来る日も見送った。
いつまでも待ち続けているうちに、その不思議な鉄の塊――人々が口にする言葉から、それの名前は「じどうしゃ」だと分かった――に乗る人の中に、昔の、一緒に鳩の鳴き真似をしていた子供達に似た子がやってきた。
川゚ -゚)「ぽぽ」
遊ぼう。そう思って子供に近づいても、その子は気味悪がって逃げてしまった。
川゚ -゚)「……ぽぽ」
自分の姿を見た。ぼろぼろのもんぺ姿だった。
これでは怖がってしまうことも頷けた。私はそう思って、見よう見まねで綺麗な女の人の服装を着繕ってみた。
白い帽子と、白いワンピース。しかし似合わない。
それもそうだ、これを着ているのは大人の女性だ。背の小さかった私には、到底似合わなかった。
川゚ -゚)「ぽ…」
となりの立派な家から、声が聞こえる。
『モテる女性の秘訣は、背を高く、スレンダーに見せること』
後から知ったことだが、その声の主は「てれび」というものだったらしい。
川゚ -゚)「ぽー…」
背が高くて…「すれんだー」の意味はわからなかった。
取り敢えず、背が高くなりたくて、私は背伸びを続けた。毎日、毎日。
そうしたらいつの間にか、見上げるほどだった生垣が、向こうを見渡せるようになった。
立派な家の庭も見わたせた。
背が高くなって、見えるものが変わった。私は嬉しくなって、村を歩き始めた。
いつの間にか、地面は黒々とした一枚の石でどこまでも伸びており、「じどうしゃ」が時折そこを往来していた。
村の多くは農地となって、田園地帯が広がっていた。
川゚ -゚)「ぽ」
これはこれでいいものだ。私は慣れ親しんだ鳩の物真似を「ぽぽぽ」と口づさみ、村を練り歩いた。毎日、毎日。
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