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('A`)人生は選択だ!のようです

131名も無きAAのようです:2013/06/19(水) 06:29:18 ID:r8Y1x1J60

待ってた!

132名も無きAAのようです:2013/06/19(水) 20:10:37 ID:.uTR7BS.0
来てたのか乙
上手く話の方向性変えてきたな

133 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:32:05 ID:GGQOarKw0
【0】

無事に人間界にたどり着き、ドッキリみたいに現れ、自己紹介を決め込んだ。

このアホ面がこれから人生を共にするのかと考えるといささか不満ではあったが仕方がない。

私のオモチャになる人間と考えただけで、笑いが止まらない。


川  - )「くくく……」


彼はもう『普通』の人生を歩めない。


川 ∀ )「ハハハ……」


所詮神の前では、人間は屈するしかできないんだ。


川 ゚∀゚)「ハーッハッハッハ!ハーッハッh」グギュルル…


('A`)


川 ゚ -゚)


.

134 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:32:45 ID:GGQOarKw0
「その、お腹が空かないか……?」


∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第5話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

135 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:33:27 ID:GGQOarKw0
【1】

_,
('A`)

川*゚ -゚)「うまひ!美味すぎる!」ズルズル!ズル!


突然現れて笑い出したかと思えば、俺のカップラーメンを貪り食う女
なんだ?天界の人間は無作法な奴らしかいないのか、つーか食い方汚ねぇな
仕方ないがもう一個カップラーメンを作るためにキッチンに行き、お湯を張る


川*゚ -゚)「ふー、食った食った、礼を言うぞドクオ君」

('A`)「あぁ、はい……」


テーブルに戻るとしっかりスープまで飲み干し、ご満悦な神様、クール
俺は自分の前にカップラーメンを置いて座り、浮かんだ疑問をぶつける

136 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:34:17 ID:GGQOarKw0

('A`)「で?改めて聞くが、はた迷惑なカードを作った神様が
    俺に何の用だ?パートナーとはどういう意味だ、何で俺なんだ?」

川 ゚ -゚)「いっぺんに言われても返答に困るだけだぞドクオ君」

川 ゚ -゚)つ「だがそうだな、一つ言うなら君の顔を見に来た、ということだ」スッ

川 ゚ -゚)「私が操る人間の、顔をな」


ちゃっかりクールが自分の前にカップラーメンを寄せているのに気付き、元の位置に戻す
こいつが俺の人生を狂わせた元凶か、そう考えると美人でも腹が立ってくる、美人でも


('A`)「……なんで俺だったんだ」

川 ゚ -゚)「誰でもよかったんだよ、元を辿れば拾った君が悪い、そうだろ?」

('A`)「そりゃ、そうですけど……」

川 ゚ -゚)つ「それを私が悪いみたいな言い方をされても困るんだよな」スッ

('A`)「……まぁ」

137 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:35:21 ID:GGQOarKw0

畜生このクールって神様美人過ぎて言い返しづらい、反則だろこれ
まるでプロのモデルのような身体つきだし、黒髪ロングだし、白い肌、白のワンピースだし


('A`)「おっぱいデケェし……」ボソ…

川*゚ -゚)「ん?なんか言ったか?」ズルズル!ズゾ!

(;'A`)「おまっ……!」


めんどくさいと思わないことを誓った俺でも流石にこれは駄目だった、なんで俺のメシ食ってんだ
もういいや面倒だ、俺はもう一度布団に入ってこの状況をやり過ごそうと考え、布団に入る


川 ゚ -゚)「なんだ、もう寝るのか?まだ昼だぞ?」

('A`)「……」


後ろから声をかけるクールを無視して、俺は布団の中に籠る
これ以上起きていると、また何か選択を迫られるような気がしてたまらなかった


川 ゚ -゚)「……そうか、そうやって逃げるのか、君は」

('A`)「……」

138 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:36:16 ID:GGQOarKw0

川 ゚ -゚)「……確かに、君の行動には一理ある」

川 ゚ -゚)「このカードは実際に起こっている出来事を見なければ効果を発揮しない、
     そうやって布団に籠っていればいくらでもやり過ごせるのが、弱点だ」

('A`)「……」

川 ゚ -゚)「だが、そのままでいいのか?
     やり過ごせばやり過ごすほど、このカードは死ぬ可能性のある出来事に会うようになるぞ」


なんでそんな重要なことを教えなかったんだあの天使
そうは思いつつも、死ぬ可能性が上がることについてはどうでも良かった


('A`)「良いよ、別にそれでも」


所詮俺は人間だ、いつかは死ぬだろう
その死ぬ期間がちょっぴり短くなるだけだと思えば良かった


川 ゚ -゚)「……そうか、なら一生そのままでいると良い」

川 ゚ -゚)「じきに『選択』から逃れられなくなる」

139 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:36:59 ID:GGQOarKw0

立ち上がるような音が聞こえる
ようやく彼女は帰ってくれるのだろう、俺はとりあえずほっとする


川 ゚ -゚)「そうそう、一つ良いことを教えてやろう」

川 ゚ -゚)「君がいつか言っていた、『私の選択を捻じ曲げる行為』」




川 ゚ -゚)「もし出来たのなら、そのカードから『解放』される」




(;'A`)「……え!?」


思わず布団から飛び起きてクールの姿を確認する
が、あたりを見回しても彼女の姿はなく、声だけが部屋に響く

140 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:38:00 ID:GGQOarKw0





「解放されたいなら、お前が運命を変えて見せろ」





「運命を変えたいのなら、運命に立ち向かえ」





「立ち向かいたいなら、心から動く力を持て」





.

141 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:39:13 ID:GGQOarKw0

('A`)


暫くその場から動けずにいた

テーブルを見ると、空になったカップラーメン2つの横に、5枚のカードが置いてあった

俺はそのカードをそっと集めて、手で扇状に広げる


('A`)「……上等だ」


やってやるよ、カードの神様


('A`)「俺はお前の選択を捻じ曲げ爪#'ー`)y‐「動くなあああああああ!!!!」バタァン!!

('A`)「ちょwwwwwwwwwwwww」


俺が決意を固めたと同時に、銃を持った男が入ってきました、まる

142 ◆tDN4QF.obM:2013/06/20(木) 13:42:19 ID:GGQOarKw0
まだ書いてる途中ですがなんかすごいキリが良かったので投下
【2】移行は明日投下します

143名も無きAAのようです:2013/06/20(木) 13:54:14 ID:0XRLHlVk0
おまwwwキリが良すぎるだろwww

144名も無きAAのようです:2013/06/20(木) 14:59:03 ID:Y7aDnv/A0
乙!

145名も無きAAのようです:2013/06/20(木) 17:29:01 ID:j.IBFWPw0
良いところで止めやがって乙

146名も無きAAのようです:2013/06/20(木) 19:35:58 ID:Ec.15cKU0
おつ
良い感じになってるなww

147 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 02:37:13 ID:qq1k0SDM0
【2】

    |                  \
    |  爪#'ー`)y‐(;'A`)   ピーポー
   / ̄ ̄□  ) ̄ノ( ヘヘ _   ピーポー/


爪#'ー`)y‐「良いか!?少しでも動いたらブッ殺すぞオッサン!」

(;'A`)「……ハイ」


なんか、なんか大変なことになった
強盗だ、しかも相当危ないタイプの奴
ドラマでは銀行なんかを襲撃するものだと思ってたが、民家も襲撃するもんなんだな


「フォックスー!このアパートは包囲した、もう逃げられんぞぉ!!」

爪#'ー`)y‐「うるせぇ!!こっちは人質取ってんだ、殺されたくなかったら俺の指示に従え!」


訂正、こいつ銀行を襲った後だった
よく見ると犯人のそばには大きなアタッシュケースが置いてある
それに窓の外には警察、パトカー、サイレンの音、赤色灯がごった返している

これが1か月選択を無視し続けてきた報復だとするならば、おつりが出そうなくらい大変な状況だ
犯人は手足を縛ってはいないものの、俺の後頭部にしっっっかり銃口を突き付けている
この銃の種類は分からないが、ちょっとでも下手な動きをすれば頭に弾丸がぶち込まれるのは確実だ

148 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 02:38:07 ID:qq1k0SDM0

が、そんな最中でも安心安全のシンキングタイムがやってくる。

世界が白黒になり、気が立ってる犯人ですらもこの世界には入ってこれない。


('A`)「さて、どんな選択があるのやら……」

('A`)「……ん?待てよ?」


実に簡単な答えだが……
この世界が発動しているうちに、逃げればいいんじゃないか?

とりあえずもう一度犯人を見る。
犯人も白黒になっているところを見ると、こちらの状況には気づいていないようだ。

今が絶好のチャンスだ。
俺はそっと足を動かし……。


('A`)「……」グッ…


動かし……。


(#'A`)「ーー動かしっ……!」グググ…


(#'A゚)「動かせねぇっ……!」グググーッ

149 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 02:38:59 ID:qq1k0SDM0

なるほど思い道理にはいかないわけで、体は何か石像のように固まり、動けない。
辛うじて動かせるのは、頭と、カードの近くにある左腕と左手だけだ。


「おまwwwwwwwwwww誰でもそんなん思いつくだろwwwwブファwwwwwww」

(;'A`)「!?」


突然部屋に爆笑する声が響く。

間違いない、あのクールとかいうクソ女だ。
暫く笑い転がる音と声が響き渡ったかと思えば、ヒーヒー言ってる声を整えて言う。


「世の中そんなに甘くないぞ、ドクオ君」

(#'A`)「……お前今度会ったとき絶対ぶっ飛ばすからな」

「おぉ怖い怖い、そんなことよりその状況を打破する素敵な5択が選ばれたようだぞ?」





 【説得】 【救援願い】 【協力】 【抵抗】 【静観】


(;'A`)「……あぁ、素敵すぎて涙が出てくる選択だな……」

150 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 02:40:00 ID:qq1k0SDM0

「さて、ここで『選択』だ」

「下手をしたら命を落としかねないこの状況、どう切り抜けていこうか?」

(;'A`)「どう切り抜けるって……結局アンタが選ぶんだろーに」

「まぁすぐに死なれても困るし、多少は協力してやらんこともないがな」

(;'A`)「……畜生、やってやるよ」


この5択、選んでやるさ。

to be >>153

151名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 02:59:53 ID:Cqa0FQ0Y0
【協力】

152名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 03:09:57 ID:uhLYbwmEO
【抵抗】

153名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 03:10:39 ID:uhLYbwmEO
【抵抗】

154名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 06:39:40 ID:0VI8797k0
頑張れドクオ頑張れ>>1

155 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:23:53 ID:qq1k0SDM0
【3】>>抵抗

ここで下手に手を出したら殺されかねない。
かといって説得も意味はなさそうだし、協力なんてもってのほかだ。


('A`)「とすると、残された選択肢は『救援願い』か『静観』になるわけだが……」

「そうだな、ここは無難に『抵抗』し('A`)「ちょっと待て」


あの女、こんな綱渡りみたいなときに一番めんどくさい選択を選んできやがった。
前までは何も言ってこなかったので悲観的にもなったが、物言うなら話は別だ。


(#'A`)「あのなぁ、すぐに死なれても困るっつってたのアンタだよな?」

「……」

('A`)「そこで黙るなよ……」

「いいじゃないか、仕方ないから出血大サービスだ」

「カードを選んだあとの解除時間をすこーしだけ伸ばしてやる。
 あとをどうするかは選んだあとの君次第だぜ☆」

(;'A`)つ「ちょ、待て、まだ準備が出来てない、止めろ!」ググ…

156 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:24:35 ID:qq1k0SDM0

『抵抗』まで手が伸びる前にこちらが必死に抵抗するが、
俺の手はゆっくりとカードに向かって伸びていく。

カードの選択については少しだけ別の可能性も考えられるようになったようだが、
いざ行動に移そうとすると彼女の選択した物から逃れられない。

俺はまだ、これでも本心から思っていないのか。


(;'A`)つ「……畜生!」


『抵抗』のカードに手が届き、それを手に取る。


( A )「ちくしょう……」


身体の自由が確保されて、少し遅れて世界に色が戻ってくる。
俺は反射的に後ろを振り向き、相手の銃を取り上げてから、犯人に振り向いた。

157 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:25:16 ID:qq1k0SDM0

('A`)「動くな」

爪#'ー`)「あぁ!?俺に命令してんじゃ……」

爪;'ー`)「な、何ィィーー!?」


さっきまで怒り心頭だった犯人が一気に顔を青ざめていく
そりゃそうだ、拘束してたと思った人間が目の前で銃を突き付けてるんだから
一種のポルナレフ状態だ


('A`)「手を上げて、壁に手を付けろ」

爪;'ー`)「お前どうやって……」

(#゚A゚)「早く!!!!!!!」

爪;'ー`)「は、はいいいいいいいいい!!!」


犯人が壁に手を付けるのを確認して、銃を相手に向けつつ窓をそっと開ける
外にいる警官に、俺は無事であること、犯人の銃を取り上げていることを伝える


「分かった、今行くからそのまま構えてて下さい!くれぐれも発砲しないように!」

('A`)「分かりましたー!」

158 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:26:12 ID:qq1k0SDM0

数秒後、玄関の前で待ち構えていたと思われる警官が突撃して、犯人を確保する


爪#'ー`)「テメェーッ!!ムショ出たら絶ッ対ぶっ殺してやるからな!覚悟しろ!!!」

('A`)「……」


犯人の銃を警官に渡し、連行される犯人を横目に軽く事情聴取を受ける
どうやって銃を取り上げたのか聞かれたが、犯人がよそ見をしたということで適当にごまかした


「しかし君、災難だったね」


事情聴取をしてきた警官の一人が俺に話しかけてきた
さっきのフォックスとかいう犯人はやはり銀行強盗をした後だったようで、
グル―プの人間が捕まっていく最中、彼だけが何人かを銃撃して逃げおおせたという

『災難』、か


('A`)「……まぁ、災難なら、慣れましたよ」


窓の外を眺める
手前には首を傾げる警察官と、景色には遠ざかっていく赤色灯と少しだけ傾き始めた夕日が見えた

159 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:27:08 ID:qq1k0SDM0
【4】

川*゚ -゚)「いやいや、『災難』だったなドクオ君!」ズゾ!ズゾゾゾー!!

('A`)「誰のせいだと思ってるんだ、あと食い方汚い」ズルズル


日が暮れて、さっきまで騒がしかった部屋の中も静かになった頃
クールが再び姿を見せて俺と一緒に夕飯のカップラーメンを食い始める
今日一日で初めて口にする食事のためか特別美味しく感じた


('A`)「……」


箸を止め、これまで選択した後のことを思い出す

カードを選んだ後の、とんでもない思考と行動力
その時は気づかないが、後で思い出すとまるで別人のような感じがする

俺はいつになったらこの生活から抜け出せるのだろう
捻じ曲げてやるとは言ったが、一生彼女の操り人形にもなりかねないのだ


川*゚ -゚)つ「お、もう食わんのか?仕方がないなぁ私が食べよう!」スッ

(;'A`)「あっ、またお前……!」


思いにふけっているとクールは俺のカップラーメンを取り上げる
おいおい、これって間接キスじゃねぇか

160 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:28:04 ID:qq1k0SDM0

川*゚ -゚) ズゾゾー!

(;'A`)「……ハァ」


食い方は汚いが、なんか幸せそうに食べてる美人を見て、怒る気になれなくなった
俺はため息を一つつき、布団に入るために立ち上がる


川 ゚ -゚)「ん、なんだまた逃げるのか?」

(;'A`)「逃げないよ……普通に疲れただけだから」

('A`)「……そうだ、クール」

川 ゚ -゚)「なんだ?」


あの時邪魔が入ったので言えなかったが、本人がいるし直々に言ってやる


('A`)「俺はアンタの選択をいつか捻じ曲げてやる!覚悟しておけ!」

川 ゚ -゚)「……口だけなら何とも言えるがな……」

川 ゚ー゚)「ふっ、人間風情が出来るものならやってみろ」


そうして俺の、神様への戦いの火蓋が切って落とされた

161 ◆tDN4QF.obM:2013/06/21(金) 13:28:46 ID:qq1k0SDM0


川 ゚ -゚)「だが、まぁそのなんだ」


('A`)「ん?」


川 ゚ -゚)「そういうのは股間のテントを張らんように言うべきだったな」



('A`)



:(うA∩): ドウテイデスミマセン…



切って……落とされたのか?






第5話 「クールとかいう神様」 続く

162名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 14:20:01 ID:OJJE1LiE0


163名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 15:12:49 ID:.MGOjGCU0
クズでも美人ならいいのか畜生

164名も無きAAのようです:2013/06/21(金) 16:13:20 ID:519ahN9o0
いやこれ普通にドクオ羨ましい

165名も無きAAのようです:2013/06/22(土) 22:44:01 ID:Dd6H/oUM0


166名も無きAAのようです:2013/06/28(金) 00:52:13 ID:R1PmEhvY0
おいついた おもしろい
リアルタイム遭遇したいもんだ

167 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 03:56:21 ID:fCrn84UI0
や、やったッ!書けたぞッ!
つーことで投下は10時くらいにいたします

168 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:01:06 ID:fCrn84UI0
【0】

カードが、盗まれた。

その情報が天界中に広がったのは、クール様が姿をくらましてから2日経ったある日のことだ。

ザワ
  ザワ

「カードを盗むなんてアホなことやったもんだな」

「人間界に堕天するか地獄行きかー?」

「ロマネスク様はどうした?あの方ならすぐに見つけられるんだろ?」

「なんだって『とぅえんてぃーふぉー』とかっていう人間界のドラマを制覇するまでは働きたくないってよ」

「あの人探偵モノの作品になると暫く動かなくなるからな……」

(;^ω^)「もー、こっちはクール様を探してる最中だってのに……」


面倒事は、いつだって重なって起きるものだ。
民衆の声に耳を傾けながら、僕は人間界に通じるゲートに向かっていた。

彼女の性格からするともう天界に戻ってきているものだと思い様々な場所に向かったが、成果はゼロ。
残された選択肢は、人間界へ向かうことだった。

手続きとかめちゃくちゃ大変なのに、まったく手間をかけさせてくれるよ。
人間界に着いたら、盗まれた件も報告しなければいけないが、行動はもう少し自重してもらうようクール様に頼むしかない。


(;^ω^)「頼むから、すれ違いにならないでくれお……」


半ば祈るようなことを呟きつつ、僕はゲートへと飛び込んだ。

169 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:01:48 ID:fCrn84UI0
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第6話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

170 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:02:41 ID:fCrn84UI0
【1】

俺が本格的に神様に宣戦布告をしてから1週間が経った


('A`)「……やべぇ」


食料がない

勢いで会社を辞め、しばらく籠りきりの生活をする予定だったが、
思ったより早い段階でカップラーメンのストックが切れそうだった


川 ゚ -゚)「そうだねたいへんだね」ズゾゾー

('A`)「お前のせいだよドチクショウ」


元凶はその宣戦布告をした神様が居候していることだった
三食かかさずしっかり食べ、たまに2食分も平らげてしまわれては無くなるのも当然だ

つーか帰れ、今すぐ天界に帰れ


川 ゚ -゚)「何を言うか、私はお前が外に出るキッカケを作ってやってるんだぞ?」ズゾッ!

('A`)「それ絶対ウソだよな、カップラーメンお気に入りになったんだよな」

川*゚ -゚)「まーな、ご馳走さん」

('A`)(こいつ……)


すんなり認めやがって実に腹立たしい神様だ
というか、こんなのが神様やってるとか天界も終わってると思う

171 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:03:22 ID:fCrn84UI0

しかしこれは俺にとっては死活問題だった
食うものが無くなってしまえば餓死してしまうし、かといって外に出れば一週間分の『ツケ』が来る
正直どれくらいの規模で『ツケ』が来るのか全く想像がつかないが、このあいだの件よりは軽いだろう


('A`)「銀行にでも行ってくるかー」ポリポリ


近くのコンビニで金を下ろしてもいいが、働いてない今は手数料でも金が減るのを抑えておきたい
たしか前に働いていた工場のそばに銀行があったはずなので、とりあえずそこに行こうと思う


('A`)「クール、俺と一緒に銀行までついて来てくれ」


俺はカップラーメンまみれのごみ袋をまとめつつ彼女に話しかける
キッチンから戻ろうとしていたクールは肩を震わせ、こちらに振り向かず嫌そうに話す


川 ゚ -゚)「……私は、行かないから」

('A`)「断る」

川#゚ -゚)「ほう……泥棒に入られても良いというのだな?」

(;'A`)「もうすでにカップラーメンを泥棒しているアンタに言われたくないんだけど」


「すぐ行く」と言ってしぶしぶ片づけるクール
舌打ちが何度か聞こえた気がするが、無視をして玄関で彼女を待つ

172 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:04:13 ID:fCrn84UI0

川 ゚ -゚)ノシ「おまたせー」

('A`)「ん、やけに遅かったj……」


(;'A`)「……ん?」


数分後、カップラーメンを戻しに行っただけだったはずの彼女が服装を変えてきた
いつも見ていた白いワンピースではなく、随分と女の子らしいラフな格好だった


川 ゚ -゚)「ん?どうした?」

(;'A`)「いや、その格好……」

川 ゚ -゚)「あぁ、これか?君が心配せずともこの服は
     天界にある私のクローゼットから取り出したものだからな」


そういうことじゃない、どう取り出してきたかも気にはなるが
俺は改めてクールが女性だったこと、美人って何着ても可愛いんだなと思い知らされる


川*゚ -゚)「さあ、今日も素敵な選択日和だな!君の悔しがる姿が楽しみだ!」

('A`)「お前ふざけんなよ」


が、口を開くとそんな思いも吹っ飛んでいく、黙っていれば間違いなく可愛いのに
ごみ袋を固く結びなおし、ため息をはいてから俺たちは家を出た

173 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:04:56 ID:fCrn84UI0
【2】

ゴミ収集所にゴミを捨て、俺たちは銀行へと向かう
カップラーメンばかりのゴミを見て、ここの担当を任されてる職員はどう思うんだろうな、
なんてどうでも良いことを考える


川*゚ -゚)「カップラーメンばかりのゴミを見て、ゴミ収集車の職員はどう思うんだろうなwwwwブフォwwwww」

('A`)「俺が思ってたことを口にするなよ……」ハァ


ふと周りに目をやると、俺が働いていた工場が見える
建物のほうから機械の動く音が聞こえているので、皆働いていることがなんとなく分かる
あの時は喧嘩別れで辞めてしまったが、このカードで迷惑は掛けられなかった
嫌な会社ではあったが、今となってはどこか寂しくも感じられる


('A`)「工場のみんな、元気にやってるのかなー」

川 ゚ -゚)「そこの窓からでも覗いてみたらどうだ?」

('A`)「やだよ……それでもしマンドクセェ選択出たらどうするんだよ……」


なんて、俺が言ってる途中にそれは起こった

174 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:05:36 ID:fCrn84UI0


            ノ ノ     ノ  ノ::::ノ モクモク…
            ノノ     ( ノ(::::ソノ
           ┌┐     ┌┐(::ノ::ノ    モクモク…
        ┌─┴┴───┴┴┐ノ:ノ
      ┌┤ □ □ □ □ □ □│そ
   ┌─┴┘────────└─┐
   │□ □ □ □   ┌┐ □ ┌┐ │
 ┌┬┬┬┬┬┬┬┐││┬┬││┬┬┬┐
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 



見慣れない所からの、煙
しかも出てる色が割と黒い



('A`)「……つまりこれって」



川 ゚ -゚)「火事だな」



('A`)



(うA∩)



.

175 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:07:23 ID:fCrn84UI0


やっちまった、起こってしまった。

後悔してももう遅い。
今この時点で一週間分の『ツケ』が回ってきたようである。

今現在も作業が行われているところを見ると、誰もいない所での出火だと思われる。
あの工場には警報機があるから、放っておいても問題はないとは思うが。




 【通報】 【報告】 【無視】 【消化】 【傍観】




('A`)「時が止まってちゃあ仕方ないですよねー」

「ですよねー」


俺の目の前には、ふわふわと浮かぶ5枚のカード。
若干危なげな選択が浮かんでいるのはツケのせいだろうか、それともクールのせいだろうか。


('A`)「……ていうかさ、なんでこの選択の時にいつもクールは消えるんだ?」

「君があたかも自分で選んでるように魅せるのは、私のポリシーだからな」

(;'A`)「さいですか……」

176 ◆tDN4QF.obM:2013/06/30(日) 10:08:52 ID:fCrn84UI0

「それよりも、君はどれを選ぶんだ?」

('A`)「……俺は、もう決まってるんだけど」

「よろしい、では私はこれを選ぼう」


さて、俺は、俺の意思で『選択』出来るのか。


('A`)「やってやるよ……」


to be >>179

177名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 10:30:00 ID:QhGqRRUc0
ksk

178名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 10:35:36 ID:8fDzVn2A0
kskst

179名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 10:47:52 ID:feXglEso0
通報

180名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 11:53:40 ID:brt9o8TA0
さてストレートにいくのかな(wktk

181名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 11:53:51 ID:rcq09yFk0
がー
間に合ったが間に合わなかった

182名も無きAAのようです:2013/06/30(日) 12:00:12 ID:6nKU9zVo0
さあどうなる

183 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:34:57 ID:09qtv5jY0
【3】>>通報

   「『通報』だろう」
('A`)「『通報』だな」

('A`)「えっ」


『通報』のカードにすんなりと手が届き、世界が元に戻っていく
目が点になっている俺をよそに、俺の携帯電話を手に持ってクールが現れる
彼女も俺の顔を見て、きょとんとした表情を見せる


川 ゚ -゚)「えっ、この状況で『通報』しないで、いつするの?」

(;'A`)「え、いや今するしかないんだけど……」

川 ゚ -゚)「そこは『今でしょ!』だろうに」

川*゚ -゚)「それとも何wwwwwwwwwまさか『消化』しに突っ込んでいくとでもwwwwwwwwwwブハッwwwwwwwwwww」


腹を抱えて笑うクールから携帯をひったくるように奪い取り、そのまま119番に電話する
たしかに、無茶な選択をされるよりは無難だし、何より俺の思い通りに『選択』することができた

だが、このモヤモヤはなんだろう
俺はスッキリしないまま電話越しの消防隊員と連絡を取り、消防車が来るまでその場に止まることにした


川*゚ -゚)「ヒーwwwwwwwwwwwオカシイwwwwwwwwwwww」

(;'A`)「笑いすぎだろ!」

184 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:35:37 ID:09qtv5jY0
【4】

「助かった助かった、ありがとなドクオ」

('A`)「はぁ、俺はたまたま通りかかっただけなんで……」


数分後、消防車が到着して火の消化が始まる
俺の見立て通り誰もいない所での出火だったようで、なんでも漏電によるものらしい
被害は大きくないとのことらしく、すぐに鎮火するようだ

そして工場の人たちはみんな消防隊員が入ってきてからようやく気付いたようで、今は全員外にいる
怪我をした人はいないようで少し安心したが警報機がついてないのか不安になった


「いやー、次からあそこにも警報機をつけなきゃならんな!」ガハハ

('A`)「付けてないのかよ……工場長、アンタ捕まりますよ」

「大丈夫だって!」


その自信はいったい何処から来るものなんだ、最低でも何か月かの生産停止は免れないはずだぞ
……といってもどうせこの工場のことだし、バレない様に稼働させるはずなので余計なことは考えないことにした

185名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 02:36:42 ID:WfW67cXc0
おー寝ようとしてたらキタ
支援

186 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:36:59 ID:09qtv5jY0

一方、俺が工場長と話している傍らで男どもの歓声が沸き起こる

ザワ
  ザワ

「へー、クールさん、素敵な名前ですね!」

「私服が可愛すぎてやべええええ!!結婚して!!」

「もももしよ良かったらぼぼ僕とおぉお食事でも行きませんかあああああ!?」

(*゚∀゚)「おっぱい揉ませてくれ!!」

川*^ -^)「うふふ」ニコヤカー


みな一同に質問したりプロポーズしたりとごった返している
つーかジョルジュなにさらりとドン引くこと言ってるんだよ

クールもクールでまんざらでもない様子で適当に受け答えをしている
いつもは「ブフォwwwww」とか笑ってるくせに、あんだけ爽やかな笑顔見たことないぞ


「お前、会社を辞めたのはコレが理由かぁ〜?」

(;'A`)「そんなんじゃないですよ……」


右手の小指だけを突き立てて工場長が肘で俺を小突く
俺だってクールが中身も素晴らしい彼女だったらどれだけ良かっただろうかと思う

187 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:37:42 ID:09qtv5jY0

('A`)「クール、そろそろ銀行に行くぞ」

川 ゚ -゚)「む、もう行くのか?私はも少しちやほやされたいんだが……」

「そうだそうだ、もう少しクールさんとお話しさせろー!!」

「「そうだそうだ!!」」

(#゚∀゚)「おっぱい揉ませろ!」

「「そうだそうだ!!」」


俺のせいとはいえもともとは銀行に行くはずだったため、
男どもをかき分けつつクールを呼び戻す
それにしてもジョルジュはどんだけ揉みたいんだよ、しつこすぎだろ


川 ^ -^)「それでは皆様、名残惜しいですがまたいつかお会いしましょうね」ニコッ

「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」


クールが笑顔を見せると、一斉に雄たけびを上げる男たち
中には泣き崩れる人間や卒倒する人もちらほら
スタイルの良い神様は、一般人には眩しすぎるんだなぁと俺は学ぶ

銀行へと向かうために俺たちは工場を背にする
その振り向いた先には、ビロードがいた

188 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:38:37 ID:09qtv5jY0

(;><)「……」


一度だけこちらをちらりと見たが、それきり俯いたままたたずむビロード
恐らく俺に対する不満みたいなものがあるのだろう、とりあえず何の用なのか聞いてみる


('A`)「……何?」

(;><)「あ、あの……その……」


(;><)「ありがとうございます!」


しかし、帰ってきた言葉は不満でもなんでもない、感謝の言葉だった
意外な言葉だったため俺が呆気に取られているのを感じたのか、ビロードは慌てて言葉を付け足す


(;><)「えと、あの時、一緒に謝った時に、お礼、言うのを忘れてて……」

( ><)「あれから、一か月でドクオさんのやってた工程で、担当を任されるようになったんです」

(;><)「い、未だにミスは多いですが……」

('A`)「……」

( ><)「それでも、僕はドクオさんの分までちゃんと出来るまで頑張るって、決めたんです」

( ><)「だから、ありがとうございます!そして、ごめんなさい、なんです」

189 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:39:39 ID:09qtv5jY0

深々と頭を下げるビロード
そこには俺の知っている何処か子どものような彼の姿はなかった


('A`)「……謝るなよ、全部俺が勝手にやったことなんだ」

('A`)「……仕事、頑張れよ」


('A`)「行くぞ」

川 ゚ -゚)「はいはい」


俺は頭を下げているビロードの脇を通り抜け、工場を後にする
この一か月でビロードは俺に無いものを得たような感じがして、後ろは振り向けなかった


('A`)「……ビロード、変わったな」

川 ゚ -゚)「そうか?彼は何も変わっていないはずだぞ?」


ぽつりと呟いた言葉に切り返してくるクールに、俺は立ち止まる


('A`)「どうして分かるんだよ」

川 ゚ -゚)「見た感じと、話し方で察しは付くさ」

川 ゚ -゚)「ただ、そうだな……人にはっきりと自分の気持ち・言葉を伝えられるようになったから、じゃないか?」

川 ゚ -゚)「心からの『感謝』が伝われば、自ずと人の気持ちは動く。
     君はその心を受け止めたから、彼が変わったように見えたんだよ」

川 ゚ -゚)「むしろその心を感じることができるようになった、君が変わったと私は思うがね」

190 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:40:37 ID:09qtv5jY0

俺が、変わった?
このカードを手にしてから本心ではないかもしれない心の動きは何回かあったが、
他人の心まで感じることが出来るようになった覚えはないはず
いまいち実感の湧かない俺をよそに、クールは俺の手を引いてくる


川*゚ -゚)「ほら、金を下ろしてスーパーでカップラーメン買わないと!」

(;'A`)「って、まだウチに居候するつもりなのかよ!?なら金払えよカネ!!」

川 ゚ -゚)「え〜神様お金持ってない〜」

(;'A`)「じゃあ働け!今すぐ!」

川#゚ -゚)「年齢不明、職歴空白、所在不明の人間に働き口はない!働きたくない!」

(#'A`)「やる気出せよ!最後に言ったのが本音なんだろ!?」


勝手に居候することになった神様、クール
彼女を追いだすのと、カードから解放されるのはまだまだ先の話になりそうだ







第6話 「天界と現世の一週間」 続く

191 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 02:41:17 ID:09qtv5jY0

〜〜ドクオ宅〜〜




( ^ω^)「……」ズゾゾー


( ^ω^)=3 ゲップ


(#^ω^)「まったく、いつになったら帰ってくるんだお!!」






第6話 「天界と現世の一週間」 続く

192名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 02:50:56 ID:WfW67cXc0


193名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 02:51:19 ID:csmmIY3E0
乙!
カップ麺食いたくなってきた

194名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 06:57:54 ID:ESvIpw360
乙乙

195名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 09:37:03 ID:CN1J7uD20
こいつら貧乏神かよ……

196名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 11:48:18 ID:/DDNLSYg0
天界の食事事情はどうなってるんだよ…

197名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 11:50:06 ID:NBAhBeRw0
よかった銀行強盗はいなかった

198名も無きAAのようです:2013/07/01(月) 20:09:26 ID:I45Jj1v.0
クソ、ブーン殴りてえww

199 ◆tDN4QF.obM:2013/07/01(月) 21:22:14 ID:09qtv5jY0
【?】

〜〜スーパーの帰り〜〜


川#゚ -゚)「どうしてパスタが多いんだ!!!カップラーメンのストック少なすぎるだろ!!!」

(;'A`)「何処かの誰かさんが俺の食事を貪り食うからだろ……ひと手間加えりゃ諦めつくかなって」


川#゚ -゚)「>>193が『カップ麺食いたくなってきた』と言ってるだろ!!
     この作品はカップラーメンを食べる描写を大事にするのがコンセプトなんだ!そうだろ!?」

(;'A`)「誰だよ『193さん』って、天界の奴の名前?そもそもカップラーメンばっか食ってりゃ栄養偏るって」



('A`)「つーか、>>196『天界の食事事情はどうなってるんだよ……』」


('A`)


(;'A`)そ「あれ!?『>>196』ってどう言うんだ!?どう言ったんだ俺!?」


川 ゚ -゚)「む、天界の人間は天界でも現世でも基本的に食わんでも生きていけるが
     味覚はしっかりしてるぞ、天界ならいくらでもどんな種類でも食えるし、何より太らん」

('A`)「ならなおさら食う必要無いだろ……」

川*゚ -゚)「それとこれとは話が別だしな!さ、早く君の家に帰るぞ!」

('A`)「もうやだこの神様」

200名も無きAAのようです:2013/08/01(木) 22:33:38 ID:xFOB/ZMY0
まってーるよー

201 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:17:26 ID:l65l8oyQ0
お久しぶりです、
しばらく夏バテと文章表現に悩んでましたが、
あまり悩まず気楽に行こうと思います!

投下します!

202 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:18:07 ID:l65l8oyQ0
【0】

(;^ω^)「クール様……」


ドクオの家に帰って来て早々、ブーンが切迫とした表情で居間に居座っている。
私は彼にただならぬものを感じ、すぐに彼のもとへと歩み寄る。


川;゚ -゚)「……どうした?」

(;^ω^)「……お話が、ございます……それも、大事なお話です」


暫しの、沈黙。
心なしか空気は熱気を帯び、彼の口から発せられる言葉を急いているような、
そんな気配が辺りに漂う。


川; - )「まず、待て……」


しかし、何事にも心の準備というものが必要だ。
私はブーンが急ぎ言わんとしているのを抑える様に手で遮り、大きく深呼吸をする。

そして、一言。


川 ゚ -゚)「そういうのは、パスタを食べてからにしようぜ!」

( ^ω^)「はいですお!クール様!」

('A`)「……」

203 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:18:56 ID:l65l8oyQ0

「たらこパスタ……お待ちどうさま……」


∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第7話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

204 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:19:43 ID:l65l8oyQ0
【1】

川*゚ -゚)「うむ!茹ですぎだが不味くはないな!!」ズゾゾー!

(*^ω^)「流石市販品のパスタソースは格が違うお!!」ハムッ!ハフッ!

('A`)「お前ら……少しは自重ってものをだな……」


金を下ろした帰りにスーパーに寄り、これ以上食費を削ら(れ)ないようにと
自炊のための食材を買ってきたのだが、まさかのそれが裏目に出た
よりにもよってブーンが不法侵入していた挙句、ウチのメシをかっ食らうハメになるとは

汚い食い方をする二人に呆れて食欲が急激に落ちていく俺
つーかクール、パスタはすする食べ物じゃないってお前の親から教わらなかったのか?


(;'A`)「……こいつら、マンドクセ」ハァ


俺は自分の分のパスタをラップで包み、冷蔵庫の中へと放り込むように入れる
自炊が久々とはいえ、引からびたレモンしかなかった庫内が食材で潤ってるのは懐かしむものがある
そういえばこの都会に来た当初は、いろいろ頑張って自炊とかしてたっけな


('A`)「あの頃の俺、どこ行ったんだろうなー……」


あれから3年以上が経過して、生活に慣れてくると何もかもが面倒になって、今の自堕落的な俺がいる
一人暮らしに憧れていたあの頃の気持ちに戻れるなら戻りたいところだ、と思いつつ冷蔵庫を閉める

205 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:20:24 ID:l65l8oyQ0

川 ゚ -゚)「ご馳走様〜」

(;^ω^)「ご、ご馳走様でしたお、ドクオ」


居間に戻ると、せっせとテーブルを片づけるブーンの姿と横になるクールの姿があった
普通客人がくつろぐ方だよな?と首を傾げつつ、ブーンがまとめた食器を俺に渡してきたので受け取る


(;^ω^)「すまんお、なんかノリで無礼を働いて」

('A`)「まぁ、うんノリでも謝るなら許すよ……食器もありがとう」

(*^ω^)「おっお!あ、ついでにそこにあったカップラーメン食べてごめんお」

('A`)「訂正、やっぱ許さねぇわ」


食器はとりあえずシンクの上に置き、ブーンがさっき言っていた『大事なお話』とやらを聞きに戻る
居間ではやけにしょんぼりとしたブーンの背中が見えたが、自業自得なので無視して座る

206 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:21:14 ID:l65l8oyQ0

川 ゚ -゚)「それで?さっき言っていた『大事なお話』とはなんだ?ブーンよ」


クールもそれが気になっていたのか、起き上がって俺よりも先にブーンに聞く
今までしょんぼりしてたブーンも思い直したように顔色を変え、どこか落ち着かない様子で話し始める


(;^ω^)「そ、それが……最近、ソーサク血戦に使われるカードが、クール様の部屋から盗まれたんですお」
  _,
川 ゚ -゚)「……何?」


途端に、クールが眉をひそめて真剣な表情になる
クールはそのままブーンに「続けろ」とだけ返す、こんな顔をする彼女は初めてだ


(;^ω^)「盗まれたカードの数は現在調査中ですけど、恐らく相当数盗まれたはずですお」

川 ゚ -゚)「ロマネスクはどうした?」

(;^ω^)「なんでも『とぅえんてぃーふぉー』とかいうドラマを見ているそうで……」
  _,
川 ゚ -゚)「チッ、あの猫ジジイ……こういう時ばかり使えない奴だ」

川 ゚ -゚)「仕方ない、私は一度天界に帰るぞ」

(;^ω^)「あ、待って下さいお!」

207 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:21:55 ID:l65l8oyQ0

クールは立ち上がり、何の準備もせずに俺の部屋を出ていく
ブーンも慌ててそれについて行こうとしていたが、俺はそれをなんとか手で引き留めた


('A`)「ちょっと待てよブーン、一体全体どうなってるんだよ?」

(;^ω^)「クール様!……行っちゃったお……もう」

('A`)「すまないな、でもこっちも説明してもらわないと訳が分からないんだ」

( ^ω^)「……それもそうだおね、どうせクール様はすぐここに戻ってくるだろうし、説明するお」


俺は手を離し、ブーンは座りなおすと、今天界で起こっていることを順番に説明を始めた

どうやら、天界で盗みが起こったらしい
どんなに些細でも悪い行為は天界の奴らの中では御法度らしく、見つかると『人間』になるか、地獄に堕ちるようだ

で、そういうのを見つける役目を担っているのが探索の神様である『ロマネスク』という神様だが、
人間界の刑事や探偵モノのドラマが大好きらしく、一度見始めると早々には動こうとしないし部屋にも通さないらしい


('A`)「つーか、なんで探索の神様がそんなドラマ好きなんだよ、犯人すぐ分かるだろーに」

( ^ω^)「何でもテレビの中じゃ理不尽な理屈が通ってることが多くて、犯人が早々に分からないそうだお」

('A`)「……『24』は何時から見てるんだ?」

( ^ω^)「お?最近シーズン1見終わったらしいお?」

(;'A`)「全シリーズ見終わるまで最低1週間以上必要じゃねぇか、そりゃ動かねぇわ……」ハァ

208 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:22:45 ID:l65l8oyQ0

('A`)「で、どうしてクールが天界に帰ったんだ?」

( ^ω^)「クール様はロマネスク様を動かせる唯一の神様だからじゃないかお?」

('A`)「……どうやって動かすんだよ」

(*^ω^)「……おっぱい見せるんだお」ボソ

(;'A`)「エロジジイじゃねぇか!!」


なんという自由奔放な天界事情、つーかそれこそ罰せられるべきだろ
どうやらエロはどの世界でも偉大で寛大というわけだ
俺はため息を一つしてから、服を着替えなおす


('A`)「……たく、天界ってのは良いんだか悪いんだかわかったもんじゃないな」ハァ

( ^ω^)「お?どこか出かけるのかお?」

('A`)「ん、ちょっと散歩にな……」

209 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:23:39 ID:l65l8oyQ0

俺はカードの影響が極力大きいものにならない様に外に出かけることにした
それに今クールは乳房を見せることに忙しいだろうし、
もしかしたら自分で選択できるんじゃないかという思いがあったからだ

外は日が沈み始めて暗くなってきているし、
何かしらイベントが起こった後に帰って来て寝るのもアリだろう

服を着替え、小さな財布をポッケに突っ込んで準備完了だ


('A`)「ブーン、あんたは来るか?」

( ^ω^)「お、頼まれた以上僕もついて行くお!」

('A`)「頼まれたって、誰にだよ」

( ^ω^)「こっちの話だお」


変なことを呟くブーンに首を傾げながら、俺たちは家を後にした

210 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:24:20 ID:l65l8oyQ0
【2】


('A`)「さてと、どこに行くかな〜」

手をブラブラさせながらどこに行こうか考える
今までの感じだと人とのトラブルが多いから、
人がそこそこいる場所に行けばさっさとフラグ回収できるだろう


('A`)「今の時間ならゲーセンかな……」


ゲーセンなら暇も潰せてトラブル待ててまさに一石二鳥だ、
『トラブルを待つ』のが果たして良いことなのかは分からないが、とにかくゲーセンに向かおう


( ^ω^)「おっお、ゲーセンに着いたらブーンとスポⅣするお」

('A`)「お、言ったな?俺はこの地域の中じゃ上位に食い込む実力だぜ?」

( ^ω^)「ふっふっふ、『天界の貴公子』と言われたブーンを舐めんじゃねぇお」

('A`)「ん?……天界にもスポⅣってあるのか?」

( ^ω^)「あるお?ネットワークも繋がってるお」

(;'A`)「マンドクセ、もうツッコまねぇぞ……」


『天界の貴公子』?はて、どこかで聞いたことがあるような
ちょっとしたシコリのような疑問はゲーセンに着くまで消えなかったが、このあと強烈に思い出すことになる

211 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:25:05 ID:l65l8oyQ0

(*^ω^)「さぁ、着いたおドクオ!スポⅣするお!」

(;'A`)「お、おい良い年したオッサンが走るなって」


ゲーセンに着くなりスポⅣのある場所まで一直線に駆けるブーン
道中ぶつかりそうになったカップルや高校生に軽く謝りつつ、俺もスポⅣに座る


('A`)「さて、行くぞブーン……ん?」

(;゚A゚)「……ンん!?」


コインの投入口に100円を入れようとした矢先、デモ画面に釘づけになる俺
いつもは流してみるだけだったランキングボードの中に、その名前が刻まれていた


『天界の貴公子』

…………世界ランキング、第3位の、称号が


「……?ドクオー、早くキャラを決めるおー!」

(゚A゚)「ア、アア、イマキメルヨー」

212 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:26:40 ID:l65l8oyQ0
・・・・・・


……完敗だ

ブーンがノリに乗って10回ほど対戦をしているが、完全試合がその内6割を占めていた
対戦キャラと相性が良いと言われている俺のマイキャラは、常に画面端に追い込まれていた


(*^ω^)「いやぁwwwまた勝っちゃったおwwwww」


   ワー! ワー!
                            「すげぇぇぇまたパーフェクトだああぁぁ!!」

「流石『天界の貴公子』!格が違うぜ!」               キャー! キャー!

             「おい頑張れ『這い寄る漆黒』wwwwww」

『おーっとここで『天界の貴公子』、またまたパーフェクトだー!』

(゚A゚)「モウカンベンチテ……」 \ゲームオーバー/


そして今もなお継続して戦い、栄えある11連敗目を獲得した
外はもうすっかり暗くなっているというのに、スポⅣの周りだけが真昼のように賑やかだ
いつの間にか店員が実況を交えており、トークが上手いこともあってかなり白熱していた

213 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:27:33 ID:l65l8oyQ0

(*^ω^)「おっお、まさかドクオが全国ランク58位の『這い寄る漆黒』だとは思わなかったお!」

(;'A`)「皮肉か?皮肉と捉えて良いんだな?」


強すぎる、強すぎて手も足も出ない
いつもならこういう相手に当たった時、もう諦めていただろう


「おい、もうお前下りて他のプレイヤーに代われよwww」

( A ) ピクッ


誰かは分からないが、交代の合図を俺に指図してくる


「そうだ、俺に代わってくれよ!俺も『天界の貴公子』と戦いたいんだってwwww」

「俺も俺もwwww全国どころか県外レベルだけどwwww」


状況が状況だからかもしれない
だけど俺は、多分久々に、カードの選択もなく、


( A )「……るよ……」

「あ?」

214 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:28:13 ID:l65l8oyQ0

その時の俺は。





(#゚A゚)「『天界の貴公子』!!てめぇぶっ飛ばしてやるよ!!」





心の底から、【怒り】と【悔しさ】が湧き上がってきたんだ。



第7話 「格ゲーラプソディー 前編」 続く

215名も無きAAのようです:2013/08/25(日) 04:30:51 ID:6nw9r0lM0
乙、天界にもゲームあるんだな

216 ◆tDN4QF.obM:2013/08/25(日) 04:31:18 ID:l65l8oyQ0
短いですがここまでです
後編は近いうちに安価形式で上げられたらいいかなぁと。

ちなみにタイトルは毎回なんとなく最後に決めてるので、
内容と合わないことがよくあります

217名も無きAAのようです:2013/08/25(日) 04:37:29 ID:oyDu7Jrw0
ドクオが怒った!ゲームで負けた程度で怒った!


218名も無きAAのようです:2013/08/25(日) 10:14:10 ID:tXrO38Rw0
おっつ!続き来て嬉しいよー
後編も待ってる!

219名も無きAAのようです:2013/09/10(火) 03:41:46 ID:wJUiQCzE0
オイ停止ってどういうことよ

220名も無きAAのようです:2013/09/10(火) 18:40:45 ID:xUcAIp96O
おーい、考え直すんだ!

221名も無きAAのようです:2013/09/10(火) 20:17:21 ID:PcPEpavQ0
きいてないよー

222名も無きAAのようです:2013/09/11(水) 09:09:35 ID:ytZdk9160
えええー面白かったのにもったいない

223名も無きAAのようです:2013/09/13(金) 02:05:05 ID:Yug4ZdbMO
今まとめ読みしてきたばかりなのに停止だなんて…
不定期でもいいから続けてくれないでしょうか…

224 ◆tDN4QF.obM:2013/09/14(土) 02:00:11 ID:s5rq4zVE0
お久しぶりです
>>201で『あまり悩まず気楽に行こう』とか言ってたらこれですよ

なんていうか、話の着地点とでも言うのか、
終わりをどうするかが全く見えていないんです

そして幼稚な発想・表現しか浮かばないので、
くっだらない所でドクオが心から態度を表してみたりとか・・・

そう考えると、読み直しても書き直しても面白くない作品に感じて、
「この作品は駄目だなぁ、失敗したなぁ」と思い、
叩かれるのを覚悟で削除依頼スレッドに書き込んだわけです


でも、削除依頼出した後に書き込まれたレスを見て、悩みました

こんな幼稚な表現でも読んで「面白い」と言ってくれる人がいるんだなぁと

でも削除依頼した以上、もう書き込まず黙って消えるまで待った方がいいのかなと

そして、再開しても続けることが出来るのかな、と

そんな風に悩んでいると、神様って意地悪ですね
この後の話がパッと思い浮かんだんです、相変わらず終わりは見えなかったですけど

なので、もう少し頑張ってみます
弱音を吐きます、挫けます、いくらでも幼稚な表現に悩んで更新止めると思います
そこは認めます、でももう削除依頼には出すような逃げることはしません


本当に皆様すいませんでした、そしてありがとうございます
('A`)がどういう風になっていくのか自分も分かりませんが、精一杯努力して良いEDに
出来る様に努めていきたいと思います

225名も無きAAのようです:2013/09/14(土) 02:18:52 ID:QlwRJkGg0
頑張れよ
一年や二年程度なら全裸で待機してるから

226名も無きAAのようです:2013/09/14(土) 02:36:15 ID:kA/w3lhE0
皆どこで情報得てるんだと思ってたら削除依頼スレだったのか
応援してるから気が向いたときでも書いてくれ
本当に無理な時は打ち切りエンドでいいからちゃんと知らせてくれた方がうれしくはある
今のこの掲示板に叩くようなのそういないよ

227名も無きAAのようです:2013/09/14(土) 15:34:44 ID:CreqbNW6O
思い直してくれて嬉しい!
応援してるよ

228名も無きAAのようです:2013/09/14(土) 16:31:29 ID:wNGjLwTM0
待ってるから!どんな終わりになってもいいから、楽しみにしてるぞー!

229名も無きAAのようです:2013/09/14(土) 17:05:47 ID:dmvEoyoY0
まさに、人生は選択だな

230 ◆tDN4QF.obM:2013/09/19(木) 01:17:11 ID:ckT0BWKg0
すいません、9月末に転勤があるため投下はもう少し掛かります

231名も無きAAのようです:2013/09/20(金) 21:05:14 ID:ZW0oQUvk0
いくらでも待ってる!
新生活で大変だろうから無理しないでなー

232 ◆tDN4QF.obM:2013/10/10(木) 19:49:47 ID:8962RCJQ0
やだ、ブンツンドーさんにまとめられてる…!
そして支援イラストもあったとは…!
http://buntsundo.web.fc2.com/long/jinsei_sentaku/top.html

やる気が俄然上がったのにネット開通が今月19日というね

仕方がないので番外編含めて書き溜めと、余裕があればイラスト書いて、自炊スキル上げつつ待ちます

233名も無きAAのようです:2013/10/12(土) 15:54:54 ID:Bg1H3QaM0
まとめついたのか!おめでとう
投下を心待ちにしてるよ

234名も無きAAのようです:2013/10/12(土) 20:24:58 ID:pQ.UUNIU0
待ってるのよ

235 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:54:45 ID:RCt79jec0
随分さがったなぁ・・・

お待たせしました、再開いたします

236 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:55:46 ID:RCt79jec0
【1】


( ^ω^)「……」カチャカチャ


彼――ドクオとスポⅣを始めてから、どれくらい時間が経ったのだろう。

幾度となくドクオを負かしているだけの試合展開にも関わらず、観客の熱気は冷め止まない。


「「……」」

(;'A`)「……っ」カチャカチャ


ただ、さっきと違うのは。
先ほどまでの火のついたような盛り上がりではなく、静かな、ジリジリと焦がすような熱気ということ。


( ^ω^)(……観客が、ドクオに味方している、って感じの空気だお)カチャカチャ


.

237 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:56:29 ID:RCt79jec0

ドクオの動きは、僕を倒す宣言をしてから随分変わった。

最初こそキャラ替えを頻繁に行い、何度か試すような動きをしていたが、
現在は再び自分の使いやすいキャラへと変えていた。

対して僕は、それに有利なキャラを選び戦うようにしたため、特に苦労はしなかった。

はずなのだが。


( ^ω^)(うーん、良い動きしてるお)カチャカチャ


僕は少しずつ押され始めていた。
まだラウンドを取られてはいないが、こちらの動きを読み、攻撃を仕掛ける様になってきた。
最初と比べると、随分HPを削られるようになり、今もラウンドを取られそうになっていた。


( ^ω^)(しかし、こちらも負けちゃおれんお)カチャカチャ


これからのドクオの成長に、期待が持てるな。
僕はにやけながら、彼に渾身のコンボを叩き込んでいき、最終ラウンドを締めくくった。

238 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:57:10 ID:RCt79jec0


(;'A`)「……疲れた、ちょっと休憩するわ……」


どうやら集中力が切れたようだ。
ドクオは立ち上がると、すぐ近くにある休憩所に向かうと言ってその場を去った。
しばらく辺りは騒然としていたが、スポⅣプレイヤーと思わしき人たちがポツリポツリと僕に話しかけてくる。


「なぁなぁ『天界の貴公子』さん!俺と一回対戦してくれよ!」

                「俺も戦ってみたいんだが、疲れてるなら遠慮したほうが……」

( ^ω^)「問題ないお、ドンドンかかってくると良いお」


「マジか!!」  ワイワイ
             「「「やったぜええええええええええええええええええ!」」」  ガヤガヤ


僕の一言で再び場の空気は湧き上がり、われ先にと筐体に座ろうとする観衆たち。
とりあえずドクオが戻ってくるまでは、ここの人間の腕試しをするのも良いだろう。
僕は座り直し、挑戦者を待つことにした。

239 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:57:52 ID:RCt79jec0


(   )「それじゃ、僕が一番乗りでやろうかな……」

                     「頑張れよーアンタ!アイツ強いからな!」


挑戦者が向かい側の席に座る。

僕はクール様がまだ戻らないように祈りつつ、100円をクレジットに投入した。


∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第8話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

240 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:58:37 ID:RCt79jec0
【2】

(;'A`)「疲れた……」ハァ


近くの休憩所で缶ジュースを買い、俺は椅子へ深く座り込む

結局、勝つことが出来なかった
「ぶっ飛ばす」なんて偉そうなことを言った割にはこのザマなのでお笑い草だ

でも、癖は見抜けてきた
この休憩が終わったら今度こそブーンをぶっ飛ばしてやろうと意気込み、ジュースを一気飲みした


('A`)「……」


スポⅣの置いてある場所へと目を移す
ブーンと戦いたかった奴らがわんさかと集まっていて、ここからは試合の状況が人の間を縫って見えるだけだったが、
戦っている人間もどうやらブーンにボコボコにされているようだった

241 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 00:59:20 ID:RCt79jec0

すぐに2ラウンド取られてしまったのか、座っていた人が筐体から離れてこちらへと歩いてくる


(;・∀・)「いやー、強かったわ、彼……ん?」

( ・∀・)ノシ「おー!久しぶりじゃないかドクオ君!」


('A`)「え?」


急に呼びかけられたので少し動揺する、がその顔をまじまじと見ると見覚えがあった


('A`)「……」


('A`)「あ、モララーさん」


よくこのゲームセンターで会う青年のモララーさんだ
30代半ばと聞いているが、ハンサムな顔立ちとしゃんとした身なりのおかげで全然そうは見えない
今日はゲームセンターに似つかわしくないリクルートスーツで来ている


(;・∀・)「あ、ってなんだよ?2、3か月会ってないからってそれは無いと思うぞドクオ君」

(;'A`)「あー、すいません……なんかジュース奢りますよ」

( ・∀・)「うむ、それではコーラを買うが良いぞ」

(;'A`)「何キャラなんですか……」

242 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:00:44 ID:RCt79jec0

('A`)「はいどうぞ」

( ・∀・)「ありがとー!」ゴクゴクッ!!


(;・∀・).:゚・:「ブエッホ!!ゲホッ!!」


コーラを一気飲みしたらむせるんじゃないかと思っていたら、案の定むせて噴き出すモララーさん
とりあえずむせてかがんでいる背中をさすっておく
だんだん落ち着いてきたのか、モララーさんは息を落ち着かせつつポケットティッシュを取り出し床を拭き始めた


(;・∀・)「スー、しかし彼、ハー、強かったね」

(;・∀・)「いやー、ずっと君の後ろで見てたから行けるかなって思ったけど、甘かったな!」


ひと通り拭き終わり、ゴミをすぐそばにあるゴミ箱に捨てながらモララーさんは言う
あいつは強いですから、と俺は苦笑いをして、あまり見ない格好について尋ねてみた


( ・∀・)「あー、この格好?これね……うん、つい先日会社辞めて来てさ、就職活動してるからなんだよね」

('A`)「え?なんで辞めちゃったんですか?」

( ・∀・)「それはその、あれだ、人間関係ってやつ?同期といざこざがあってさ……」

( ・∀・)「いつかそいつを見返す会社に就こうと思って辞めたんだ!」

('A`)「……ふーん」

243 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:01:25 ID:RCt79jec0

人間辞める理由なんて様々ではあるが、
俺のような『変な力で他人を巻き込む可能性があるから辞める』なんてのは、この現代どこを回っても俺しかいないだろう
現につい最近もあの工場に迷惑をかけてしまったのだ、そのことを思い出してしまってため息が出た


('A`)「……モララーさんはもし、他人を巻き込むことになりそうなことがあったら、どうしますか?」

('A`)「しかも、それが何度も何度も続いて、もしかしたら方法が選べない状況だったら……」

( ・∀・)「……それは、会社での出来事でかい?」

('A`)「はい、ていうか、それで会社に何かありそうな場合、ですけど」

( ・∀・)「ふむ」


モララーさんは顎を軽くさすって、少し考えるそぶりを見せる


( ・∀・)「ま、それってさ、仕事してりゃ必ずあることじゃん?」

( ・∀・)「僕みたいにいざこざが起きるのも然り、例えば、会社の方針が変わるような状況然り」

( ・∀・)「逃げるのも良いけど、逃げられないなら、何とかして切り抜けないとね」

('A`)「切り抜けるって、選べないのに?」

( ・∀・)「選べない状況を作り変えれば良いんだよ、自分で」


爽やかな笑みを見せるモララーさん
しかし、何故か俺はその笑みに、寒気を感じてしまう

244 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:02:06 ID:RCt79jec0







( ・∀・)「そして僕は、それが出来る」






.

245 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:03:21 ID:RCt79jec0

('A`)「……え、今……」

「モララー!」


モララーさんがそう言った途端、数人のスーツ姿の男たちが群衆を割ってこちらに近寄ってくる

スポⅣ周りにいた人々は何事かとこちらを見て、
ブーンすらも何か悪いものを見たような、そんな表情を浮かべてこちらを見ている


(;'A`)「……モララーさん、彼らがさっき言ってた『同期』って人ですか?」

( ・∀・)「うん、結構早い段階で見つかっちゃったね」


何を悪いことをしたんですか、モララーさん
俺は目の前のガタイの良い男たちに恐縮しつつ、余裕綽々とした表情のモララーさんを見る


「モララー、君は重大な罪を犯した、よって現行犯逮捕し処罰を受けてもらう」

( ・∀・)「やだね、ていうか捕まえるならドクオをこき使ってるクールを捕まえなよ」


('A`)「……え?」


クール、という人物がモララーさんの口から出てきたとき、俺は何故、と思った


('A`)「モララーさん」


なぜ、クールを知っているんだ?


.

246 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:04:35 ID:RCt79jec0


ふと気づくと、世界はいつもの白黒ではなく、どことなくセピア色になっていた。


(;'A`)「なんだ、これ」


いつもと違う景色。
辺りを見回すと、皆の動きが止まっている。天界の人間であるブーンも同様に。


('A`)「この色は天界の人間も止まるように出来てるのかな……」


そんなことを呟きながらも、いつの間にか浮かんでいるカードに目をやる。






 【逃走】 【協力】 【謝罪】 【反抗】 【反論】





(;'A`)「……クール、この選択でどうしろっていうんだよ」ハァ


俺は何もない天井に、クールに語り掛ける様に声をかける。
が、いくら待っても答えが無く、そこには沈黙が広がっていた。

247 ◆tDN4QF.obM:2013/12/13(金) 01:05:50 ID:RCt79jec0

物騒なカードを手に持ちつつ、俺はゲームセンターに来る前のことを思い出す。

カードが盗まれたこと。

そして犯人は、未だ見つかっていないこと。


('A`)「モララーさん、貴方は……」


これを、選ぶのか。

俺が?


('A`)「なんなんだよ、一体……」


>>249

248名も無きAAのようです:2013/12/13(金) 01:39:32 ID:4ScQ/3rE0
反論

249名も無きAAのようです:2013/12/13(金) 03:08:27 ID:6mEqTVBI0
反抗

250名も無きAAのようです:2013/12/14(土) 22:34:04 ID:MXsXkd.M0
来てたのに気付かず乗り遅れたぜ…
待ってたからすごく嬉しいよ、支援支援

251名も無きAAのようです:2013/12/16(月) 08:16:16 ID:GNj2upyU0
きてたのか、嬉しい

252名も無きAAのようです:2013/12/16(月) 20:50:12 ID:JistXH0U0
待ってた!乙!

253 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:18:21 ID:4nQjC.Dg0
やっと出来たので投下します

254 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:19:03 ID:4nQjC.Dg0
【3】>>反抗

(;'A`)「と、とにかくモララーさんを助けないとな……」


【逃走】を選んでも目の前に黒服がいるから逃げられない。
【協力】……は恐らくモララーさんと協力するとは思うが、
前にこいつを選んだら大変なことになったから選びたくはない。

【謝罪】や【反論】といった口で何とかするものもあるが、俺が何か言ったところで
彼らは引いてくれるのだろうか。


(;'A`)「……えーい、ままよ!」


そうなると、些か物騒にはなるが【反抗】するしかないのではないか。
という結論に至り、【反抗】のカードを思いっきり引き抜く。
クールもこれに反応しないようで、やけに簡単にカードを引き抜けたことに驚いた。

が、何かおかしい。
あんなに選択が迫っていると生き生きとしていたクールが、
これほどまでに何も手出しをしなかったことがあっただろうか。

俺はこの世界の色といい、クールのことといい、
変な違和感を覚えながら色が戻る様を見ていた。

255 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:19:44 ID:4nQjC.Dg0


(#'A`)「うおおおおおおおおおおおおおお!!」


世界に色が戻ると同時に、俺は目の前にいる黒服にタックルをお見舞いする

黒服もまさか隣にいるノーマークの奴に何かされるとは思っていなかったのだろう、
取り囲んでいるうちの一人を突き飛ばすことに成功した


「なっ……!ドクオ君、何を……うわぁ!」


何故か黒服の一人が俺の名を呼んだ気もするが気にしない、
俺は彼らの立つ場所でとにかく暴れまくり、叫んだ


(#'A`)「モララーさぁぁん!今のうちに逃げるんだぁぁぁぁ!!」

( ・∀・)「あぁ!ありがとうドクオ君!」


暴れまくる俺と慌てる黒服を縫うようにモララーさんは走り抜ける
丁度俺の横に立った際に、モララーさんは俺にだけ聞こえるように、言った

256 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:20:24 ID:4nQjC.Dg0





(  ∀ )「ありがとう、可愛そうなクールの僕、ドクオ君」




.

257 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:21:47 ID:4nQjC.Dg0


(;'A゚)「っ!?モララーさ……」


その言葉にうろたえた俺を好機とばかりに拘束する黒服たち
うち何名かが逃げたモララーさんの後を追っていくのが見えたので、
俺は何とかしてこいつらの拘束を解こうともがいてみる


(#'A`)「くそっ、離せよ!モララーさんが……モララーさんが危ないんだよ!」

「その『モララーさん』とやらは、お前にとってそれほど大事な人間なのか?」


凛とした聞きなれた声に気付き顔を上げると、
そこには冷たい目で俺を見るクールの姿があった


川 ゚ -゚)「思い出せ、ドクオ」

川 ゚ -゚)「お前はそこまでモララーと親しみがあったのか?」

(#'A`)「当たり前だろ!モララーさんとはよくスポⅣで対戦していたんだから!」

( ^ω^)「なら、『よく対戦していた』ドクオなら、当然分かるはずだおね?」


気付けばブーンもクールの隣に立ち、俺に質問をしてくる
なんなんだよお前ら、俺は一刻も早くモララーさんの助けに行きたいのに


(#'A`)「……何が分かるってんだよ」

( ^ω^)「そりゃあ勿論」

258 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:22:41 ID:4nQjC.Dg0




( ^ω^)「『モララーさん』がよく使っていた、得意なキャラに決まってるじゃないかお?」




(#'A`)「当たり前だろ!モララーさんの得意なキャラは……」


('A`)「キャラは……」


あれ、なんだっけ


(;'A`)「……なんだろう、なんだっけ」


何故か俺の頭の中には、『モララーさんとよく対戦していた』という記憶があったが、
『モララーさんが何の、どのキャラを使っていた』という記憶が全くなかった

259 ◆tDN4QF.obM:2014/01/02(木) 04:23:40 ID:4nQjC.Dg0

川 ゚ -゚)「それが奴の神様としての能力だよ、ドクオ」


クールは黒服に指示を出したようで、俺の拘束は間もなく解かれた
が、俺は自分の記憶があいまいで、しかし体験はあるような状態に翻弄されていた


(;'A`)「クール、これは何なんだ?モララーさんはこのゲーセンに来ていたんだよな?」

川 ゚ -゚)「いや、奴は『一度たりともこのゲーセンには来ていない』」

(;'A`)「じゃあ、この記憶は何なんだ?」

川 ゚ -゚)「あのなぁドクオ、お前は……いや、今この場にいる奴らも含めてか」





川 ゚ -゚)「記憶を改ざんされたんだよ、『運命を変える神様』、天界の犯罪者、モララーにな」





第8話 「格ゲーラプソディー 後編」 続く

260名も無きAAのようです:2014/01/02(木) 07:53:23 ID:1gKfYyNM0
ほう、どうなるんだ

261名も無きAAのようです:2014/01/03(金) 09:37:39 ID:fKTUTtlQ0
おつ!

262名も無きAAのようです:2014/01/08(水) 12:22:18 ID:aFxkOLzk0
おつおつ!どんどん面白くなるな
ところで要望なんだけど、安価のある会は予告スレとかで事前に知らせて欲しいなー、とか

263名も無きAAのようです:2014/01/08(水) 13:09:51 ID:8AfoxavM0
別にいらなくね?

264名も無きAAのようです:2014/01/16(木) 23:07:43 ID:RpJWi9Po0
まってるよう

265名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 02:19:51 ID:1mBaX84w0
おもしろいな
一気に読んだんだけど今カップ麺が食べたくて仕方ない、どうしてくれる

266名も無きAAのようです:2014/02/19(水) 21:07:15 ID:trrALw2I0
続きがきになりますね

267名も無きAAのようです:2014/03/04(火) 21:45:20 ID:I3DqTWYc0
これは忘れてるかな

268 ◆tDN4QF.obM:2014/03/05(水) 19:25:42 ID:LaI0rH920
完全に忘れてるな作者

269名も無きAAのようです:2014/03/05(水) 21:57:56 ID:wxbUsuwIC
>>268 
おまえ誰だよ、今は作者の生存証明レスしかいらないんだよ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
早く、続き書けよ

270 ◆tDN4QF.obM:2014/03/05(水) 22:09:25 ID:bPpYtBTU0
>>269
どうもすいません、スマホから冗談半分で書き込みました……

で、一応生きております
頑張って近日投下できるよう善処いたします

271名も無きAAのようです:2014/03/05(水) 22:13:19 ID:FoD8N1gg0
まってるぞー

272名も無きAAのようです:2014/03/16(日) 11:46:31 ID:McnywhKs0
まってる

273名も無きAAのようです:2014/03/16(日) 22:03:44 ID:Z9lWkh6MO
てるてる

274名も無きAAのようです:2014/04/20(日) 02:34:16 ID:g5s..BYI0
おもすれー

275 ◆tDN4QF.obM:2014/05/22(木) 09:38:11 ID:qi63aUWc0
【?】
とある日のこと


('A`)カタカタ

川 ゚ -゚)「パソコンなんか弄ってどうしたんだ?ドクオ」ズゾゾー!!

('A`)「あぁクールか……」

(;'A`)「……て、お前また人のカップラーメンを!」

川*゚ -゚)「食われたくなければ名前を書く事だな」ズゾゾー!

(;'A`)「そりゃそうなんだが……はぁ……マンドクセ」

276 ◆tDN4QF.obM:2014/05/22(木) 09:51:18 ID:EL7DXdU20

川 ゚ -゚)「で?お前は何をしてるんだ?」

('A`)「ん?マンドクセくて止めてた書き物を再開しようと思って書き溜めしてたんだ」カタカタ

川 ゚ -゚)「ふーん、止めたのに書き溜めてるのか?また意味の分からん事をしてるな」

(;'A`)「あー、うん意味無いかも知れないがな……」カタカタ

(;'A`)「キャラ設定も書き方もすっかり忘れて四苦八苦してるし……もうこれで四度も書き直ししてる……」カタカタ

川 ゚ -゚)「しかしなぜまた書き方なんかしてるんだ」

(;'A`)「久々創作小説のサイト見たら再燃し始めてな……近々投下するって話をつい書き込んじまった」カタカタ

('A`)「ふう、今日はここまでで止めよう」カタ…

('∀`)「明日またやれば良いな!」

川 ゚ -゚)「それ何てニート発言?」




【絶賛亀速書き溜めちう】

277名も無きAAのようです:2014/05/22(木) 10:34:19 ID:DPm/0IfQ0
お!待ってるぞ

278名も無きAAのようです:2014/05/22(木) 18:25:32 ID:/mDiX6uk0
生存報告来てたか
待ってるで

279名も無きAAのようです:2014/05/23(金) 01:52:24 ID:Vi.tuMLk0
生存報告さんくす
マイペースで待ってる

280名も無きAAのようです:2014/07/15(火) 23:44:28 ID:pF.bPgIc0
まだかなまだかなーと書くとプレッシャーになってしまうのではないかと思い書かないとそれはそれでダメなのではないかと思い結局書くことにします

まだかなまだかなー

281名も無きAAのようです:2014/07/16(水) 00:10:25 ID:YhSlKEpY0
カップラーメンのおじさんまだかなー

282 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 18:58:19 ID:.FJLoOHo0
投下します
予告の通り安価は無いです

283 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 18:59:24 ID:.FJLoOHo0
【0】

「捕まえたぞ!早くカードを返すんだ!



僕を追っていた何人かの黒服が、そのたくましい腕で拘束をする。
しかし僕ではなく、同じく追っていたはずのもう一人の黒服にだ。


「待て、俺じゃない!そこにいるモララーだ!」

「モララー様がそんなことをするわけが無いだろう!早くクール様のところに突きだしてくれる!」

「違う!俺は無実だ!」


彼は必死に仲間へ無実を訴えるが、まるで相手にされていない。
引きずられるように連れ去られ、あとには僕と、僕を追っていた黒服の一人が残る。


「モララー様はこの後、いかがいたしますか?」

( ・∀・)「うーん、ひとまず適当なビジネスホテルに泊まるから、君もクールの所に戻っていいよ」

「畏まりました」


連行された無実の仲間の後を追う黒服の後ろ姿を見て、僕は声を殺して笑う。


( ・∀・)「彼は本当に無実なのに、馬鹿な奴らだ」


.

284 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:00:14 ID:.FJLoOHo0

踵を返し、これから泊まるホテルに足を運ぶ。
クールのことだ、僕が動くまでは何もしないだろう。

それに、手元には無地のカードがまだ十数枚とある。
いざとなれば、僕の力で強化したカードを彼女にぶつけてやればいい。


でも、このカードはそんなことに使う為じゃない。


スーツの胸ポケットから、写真を取り出す。
この世界で唯一僕の力が通じなかった、そして、とても綺麗で優しかった、僕の女。


ζ(゚ー゚*ζ


デレ。
僕の愛しい人。
そんな君を、結婚なんかで他の男に取られたくは無いから。


( ・∀・)「このカードで、きっと君を幸せにしてあげるよ」


.

285 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:00:56 ID:.FJLoOHo0
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵



        ('A`)人生は選択だ!のようです 第9話



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

286 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:01:41 ID:.FJLoOHo0
【1】


('A`)「……は?」


何いってんだこいつ

俺は呆気に取られる
どういう事だと口を開こうとしたとき、ブーンがクールの元に歩み寄り頭を何度も下げ始める


(;^ω^)「申し訳ありませんクール様、近くにモララー様がいたのに気付かず……」

川 ゚ -゚)「犯罪者に『様』を付けるな……仕方ないさ、奴はそれだけあの能力で身を隠すのに長けているんだ」


「クール様!カードを盗んだ奴を捕まえました!」


続いて、ゲーセンの入口から黒服の一人が他の黒服たちに拘束されたまま入ってくる

何やってんだこいつら

同じく思っているのか皆呆気に取られる
ゲーセンにいた奴等の何人かは気味悪いといった顔をして店から逃げていく


「こいつ、カードをモララー様に投げ渡して罪を擦り付けようと!」

川 ゚ -゚)「……はぁ、阿呆共が、彼はモララーに良いようにされただけだよ、無実だ」

「し、しかし……」

川 ゚ -゚)「しかしもカカシも無いだろう、お前らは当のモララーを捕まえに来たんだろうが、一度帰って上に聞いてこい」


クールは目も当てられない、といった仕草をしたあと黒服たちを手で払い、帰れと告げる

黒服たちは困り顔のまますごすごとゲーセンを後にする
ていうか拘束を解いてやれよ、彼が一番困り顔してるだろ


川 ゚ -゚)「……今ので分かっただろう、これがモララーの厄介なところだ」

.

287 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:02:25 ID:.FJLoOHo0

場所を移そう、とクールは告げ、店を出る
ブーンも何かに気付き、苦笑をしつつ慌てて店を出る

ふと横を見るとゲーセンの店員がしかめ面でこちらを見つつ、
受話器を取って何処かへ電話するぞ?とアクションを取ってる
掛けるとすれば、警察にでも掛けるのだろう


(;'A`)「……オサワガセシマシタ」ハァ


何で俺が謝らないといけないんだ面倒くさい

しかし他に謝る奴らはいないので、何度か深々と礼をして逃げるように店を出た
ブーンめ、これに気付いて逃げやがったな


川 ゚ -゚)σ「あそこにカフェがあるじゃないか、そこでモララーの話をしようか」

(#'A`)「おぅ!!」ドスッ!!

( ゚ω゚)「了解しましtばぶぁ!!!!」


クールに返事を送るついでにブーンには横っ腹に拳を送り付け、ゲーセンの近くに見えたカフェに向かう
ブーンは腹を抑えて呻いている、ざまぁみろ

288 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:03:08 ID:.FJLoOHo0

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

川 ゚ -゚)「三名で」

「かしこまりました、こちらのお席へどうぞ」


店員に連れられ、窓際のテーブル席へと案内される
辺りを見ると学生やカップルがちらほらと見える
ゲーセンの近くにこんな小洒落た店があったのか、一人じゃ絶対来ないから新鮮な気分だ


川 ゚ -゚)「コーヒーを2つとダージリンを1つ、あとハムベーグルとショートケーキ」

( ^ω^)「ハムカツタマゴサンド」

('A`)


「あ、えっと、かしこまりました」


席に座るなりぼーっと眺めていた俺を気にもせず、
すぐに店員にメニューを伝える天界人たち
その手にはメニュー表すら無い

お前らいつの間にこの店の常連客になったんだよ


川 ゚ -゚)「あっ、ドクオはコーヒーで良かったか?」

('A`)「確認がおせーよ、良いよマンドクセ」ハァ

289 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:03:51 ID:.FJLoOHo0

川*゚ -゚)「さて、本題に移ると、しようか」パクッ


頼んだメニューが手元に来た後、さっそくハムベーグルを頬張るクール
蒸してあるのかモチモチしてそうな生地と、
レタス、ハム、トマトとありきたりな具材が幸せそうな表示を浮かべる彼女の口の中へと消えていくのが憎らしく、

隣からはコーヒーの香りに乗って焼いたパンの芳ばしい香りが漂ってきて、
時折パリパリと音が聞こえるのが憎らしい

ちまちまと苦味の強いコーヒーを飲む俺の前に、見知らぬ女性の写真が差し出される


『 ζ(゚ー゚*ζ 』


('A`)「……この子は?」

川*゚ -゚)「デレという子だ、年齢は20、華の超一流大学院生だ、あー美味しい!」ハムッ

川*゚ -゚)「そして今回の騒動の、発端とでも言うのかな!うまっ」パクッ

川*゚ -゚)「モララーの能力が、人間界で唯一効かない人間ズゾゾー!」

('A`)「紅茶の啜りかた汚すぎだろ」


.

290 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:04:38 ID:.FJLoOHo0

肩をすくめつつ、写真を手に取る
20歳というには実に子どもらしく可愛いげがある
肩までしか写ってないが服のセンスも良さそうでなんだかモテそうな面持ちだ


川 ゚ -゚)「その子が明後日に結婚することになってな」

('A`)「良かったじゃないか、で、どうしてそれがモララーと繋がるんだよ」

川 ゚ -゚)「奴は、その結婚式の日にデレちゃんをカードで自分のモノにするらしいんだ」


('A`)


('A`)「え?なんで?」

川;゚ -゚)「意外に鈍いな君は……モララーはデレちゃんの事が好きだからだろ」

291 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:05:22 ID:.FJLoOHo0

話を聞くと、モララーはその大学院に度々生徒としてなりすまし、
そのイケメンな顔立ちと能力で女の子をクイモノにして歩いていたそうで、
そんな中で唯一、自身の能力が効かない大学院一可愛いとされるデレに急速に引かれたようだ

能力が効かなくてもそれなりに仲良くなり、初のデートに誘った頃、
デレの口から最悪な形で結婚相手がいると告げられたそうだ


川 ゚ -゚)「それまでも能力でデレちゃんに着く虫を払っていたモララーは、たまたま結婚相手がデート中に居合わせて、馴れ馴れしいからいつものように追っ払った」

川 ゚ -゚)「その時にデレちゃんから熱いビンタをくらって」


(;ー;*川『もう!あれは私の結婚相手だったの!最っ低!モララー君とはもう話をしない!』


川 ゚ -゚)「と別れたきりになったそうだ」


似てた?と同意を求めてくるが、
本人を見たことが無いので苦笑いを浮かべる他無い
ブーンは似てます!と誉めちぎりつつ、またハムカツタマゴサンドを頼んでいる


.

292 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:06:03 ID:.FJLoOHo0

好きな人を諦められない気持ちは分かるが、どうしてそれがカードを盗ることに繋がるのか

俺はいつの間にかズボンのポケットに入っていた5枚のカードを取り出す
そういえば、さっき【選択】をした際に感じた違和感を口にする


('A`)「……さっきの選択で【反抗】を選んだときにやけに簡単に抜けたんだよな、それに世界はなんだかセピア色だったし」

('A`)「自分の意思で抜いた、と思うけど、クールはこの選択で何でなにも言わなかったんだ」


途端にクールは立ち上がり、引ったくるようにして俺が手にしたカードを手に取る
その顔には焦りが張りついてる、ように見えた
俺やブーン、周りのやつらが一斉にクールに注目する


川;゚ -゚)「……異常は」

('A`)「は?」

川;゚ -゚)「どこか身体に、異常はないか」

(;'A`)「何だよ、何も無いよ」

川;゚ -゚)「……そうか」


クールはゆっくりと座り込み、俺の手元にカードを戻す
視線を送っていたやつらも元の会話へと戻っていく

293 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:06:49 ID:.FJLoOHo0

川 ゚ -゚)「……そのセピア色の世界だが」


クールが口を開いたのは、ブーンが頼んだメニューが届いてからだった
初めて暗く、悩んだ顔を見た気がする

俺は残ったコーヒーを飲みほす
すっかりぬるくなり、少しだけ酸味があった


川 ゚ -゚)「それは、奴がドクオにカードを使ったことで発生した世界だろう」

('A`)「『カードを使った』?だって俺は」

川 ゚ -゚)「私に運命を握られているから使えないんだよ、本来は」

川 ゚ -゚)「だが、カードに自身の力を潜らせて強制的に【選択】を出すことで、それを可能にしたんだ」



『運命を握られている』という言葉に、息が詰まる
モララーが去り際に放った一言が胸に突き刺さる


(  ∀ )『ありがとう、可愛そうなクールの僕、ドクオ君』

('A`)「……っ」


頭を振り、その言葉を思い付かなかったように次の疑問を口にする


('A`)「でも、俺は『モララーさん』という人が居たと思える程に記憶、というか、運命を書き換えられたんだよな?
なら、わざわざ選ばせなくても『俺のために暴れろ!』とでも変えれば良いんじゃないか」

294 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:07:32 ID:.FJLoOHo0

川 ゚ -゚)「奴の能力は時間が掛かるんだ」


ショートケーキが運ばれてくる
クールはどうやら食後に頼んでいたらしい、紅茶のおかわりを頼んだので俺も慌ててコーヒーのおかわりを頼む


川 ゚ -゚)「過去の運命を変えるなんざ神様でも尋常じゃない力が必要なんだ、それでも短時間で何人もの過去を書き換えるなんて奴しか出来ないんだがな」

川 ゚ -゚)「そして、モララーは未来の運命を変える事をしない」

川 ゚ -゚)「出来ないこともないはずだが、無限と存在する些細なものを繋ぎあわせて一つの運命にするんだから、過去を書き換えるよりも面倒なんだ」


例えば、とクールはショートケーキの側にあるフォークを手にすると、
そのまま蝋燭の火のように逆さになった苺にその先端を差し込む
フォークは苺の締まった果肉に支えられ、刺さったままの姿勢になっている


川 ゚ -゚)σ「この動作を私がするという運命を創るなら、二年前にはここに居ないと駄目だな」

(;'A`)「……え、たったこれだけの動作で二年?」

川 ゚ -゚)「まぁこれは私の場合だがな……モララーでも半月は掛かるな」

(;'A`)「しかもやったことあるのかよ」

川 ゚ -゚)「まだモララーが堕天する前に一度教えてもらったが、一人の人間を石につまづかせるまでに十年は掛かった……それだけ膨大な情報を紡ぐのが面倒なんだ」

295 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:08:13 ID:.FJLoOHo0

クールはフォークに刺さったままの苺を頬張り、そして、と続ける


川 ゚ -゚)「そんな情報を極限にまで制限して、数択に留めることが可能な私のカードに、モララーは目をつけた」

川 ゚ -゚)「あれなら余計な労力は必要ない、【暴れろ】という感じの言葉さえ寄せ集めて表示させれば事は済む」

川 ゚ -゚)「ま、込めた力が弱かったのかドクオの場合は只の一択しか出なかったがな」


(;^ω^)∩「あの、ちょっと良いですかお?」


クールとの話に夢中になって、ブーンがいたことを忘れていた
隣で申し訳なさそうに手を挙げているのを見て、さらにその手の脇にある皿の枚数を見てぎょっとした
どんだけ黙々と食べてたんだよ

コーヒーと紅茶のおかわりを持ってきたカフェの店員もドン引きを隠すように眉を吊り上げながら微笑んでいる


(;^ω^)「クール様は先ほどデレという人間には運命を変えられない、能力が効かないと言ったじゃないですか!」

(;^ω^)「なのに、何故モララーはカードが有効だと踏んだのですか!」


ブーンの質問に、俺も不思議に思う
いくら選択に制限が掛かった所で、効かないのでは意味がない
クールは先ほどよりは明るく、しかし言っていいものか、という悩んだような顔を見せる

296 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:08:54 ID:.FJLoOHo0

川 ゚ -゚)「……ま、この際だ、教えてやっても良いか」


クールは一度、紅茶を飲む
俺もそれに合わせるように、コーヒーを一口、口に含む
このカードの秘密をついに明かす気がして、緊張が走った
温かく、苦味とともにコーヒーが身体を駆け回る


川 ゚ -゚)「このカード、荒事が引き寄せられる効果があるのは知ってるな?」

川 ゚ -゚)「その効果はおそらくデレちゃんには効かない、あれも一種の運命が変わる効果だからな」

川 ゚ -゚)「モララーが狙いをつけたのは、カードを引いた後……」






川 ゚ -゚)「あのカードは、ソーサク血戦のカードは、『超強力な催眠術』に掛かるカードなんだ」








.

297 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:09:37 ID:.FJLoOHo0
【2】


('A`)「……催眠術」

( ^ω^)「催眠術」


俺とブーンは、口々に何度も呟く。

催眠術。

ふと、昔に催眠術の特番をやっていたのを思い出す。

テレビで胡散臭そうなおっさんが、ひ弱そうなアイドルをパイプ椅子を並べた場所に横たわらせ、

「貴女は板、丈夫で決して折れない板です……」

と何度も何度も耳元で語りかけ、
何個か並んでいるうちの真ん中の椅子を引き抜くと、
落ちる事なくまさに板の様に、ひ弱そうなアイドルだった彼女が微動だにしないという、芸当だ。

その催眠術の強化版が、このカードに備わっている、という。


( ^ω^)「ドクオ、ドクオ」


ブーンに呼ばれ、気がつくと、世界は白黒に反転していた。
が、カードには何も表示されていない。


川 ゚ -゚)「ああ、今回は説明のために作っている……カードも、モララーにやられて疲れたと言ってるしな」


カードと意志疎通が出来るのか、と茶化そうとしたが、止めた。
カードの神様だし、出来て当たり前か。

298 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:10:19 ID:.FJLoOHo0

だが、俺はなんとなく分かっていた。


('A`)「この世界は」


一度思ったことが口に出たが、考えをまとめ、再び声に出す。


('A`)「この世界は、導入とかいう『過程』をすっ飛ばした、いわゆる『深層心理』の状態って奴だな」


あなたは深い、深い、心地の良い空間にいます。
私の声だけが響き、それ以外は何も聞こえない。

ただ、心地が良い。

テレビで暗示を掛ける際に、催眠術師が何度も呟く言葉だ。


('A`)「その深い場所で術師の代わりである天界人と相談して、目覚めた時に『どういう暗示を掛けるか』を【選択】する、このカードはそんな効果があるんだな?」

川 ゚ -゚)「なんだ、知っていたのか?」

('A`)「言われてからピンと来たよ」


何だか照れくさくなり、頭を掻く。
下手な説明ではあったが、途中で面倒にならずに言えたのが、少しだけ誇らしい。

299 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:11:02 ID:.FJLoOHo0

('A`)「ただ、具体性のない【選択】を迫られるのは何でだ?」

川 ゚ -゚)「それはもちろん」

川 ゚ー゚)「その方が二転三転して面白いじゃないか」

('A`)「最もだ」

川*゚ -゚)「ま、誰でも力さえ加えてやればもっと細かな【選択】に変えられるがな!今まで何故誰もやらないのか不思議でたまらない!」

(;'A`)「それは教えないからだろ……」


世界の色が戻っていく
と、急に胸の辺りが苦しくなり、息が出来なくなる


(; A )「っ……何だ……!?」


胸が、何かに握り潰されそうになる
転げまわりたい程の激痛が走るが、必死に声を殺し、呻く
汗が吹き出し、顔が苦痛に歪む


(;^ω^)「ドクオ……?しっかりするお、ドクオ!」


ブーンに背中を支えられ、痛みと格闘していたが、程なく痛みは収まってくる

やっと息を整える事が出来たと思い、顔をあげるとクールの顔が近くにあった
心配と焦燥が顔に浮かび、その瞳は今にも泣きそうで俺は驚く


(; A )「……こ、これは、何だ?何が起こった?」

300名も無きAAのようです:2014/07/26(土) 19:11:30 ID:Upnqu06o0
今予告みた支援

301 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:11:49 ID:.FJLoOHo0

川;゚ -゚)「それは」

川;゚ -゚)「……それは、モララーの創った世界が、関係している」


おそらく、セピア色の世界のことを言っているのだろう
まだ胸の奥が痛むが、ゆっくりと呼吸をして落ち着かせつつ、クールの話を聞く


川;゚ -゚)「君は私のカードについて説明した時に、過程を飛ばして深層心理に行くと言ったが、
厳密にいうとそうじゃない……トラブルが起きている最中に、無意識に過程は辿っているんだ」

川;゚ -゚)「だが、奴のやり方では駄目なんだ……文字通り、『過程をすっ飛ばす』から」

川;゚ -゚)「身体が追い付かずに支障をきたす、とは思っていたが……ドクオが何ともなくて、私の杞憂かと安心していた……」


すまない、と姿勢を正し、クールは頭を下げる
ブーンはそんな彼女を見て狼狽える
俺も今日はクールが初めて見せる顔や姿勢ばかりで調子がどんどん狂っていく


だが、体験した今だから、俺は言える

胸の痛みがいくらか楽になり、息を整え、静かに闘志を燃やして、告げる


( A )「…………対決だ」


(;^ω^)「……対決?」


.

302 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:12:32 ID:.FJLoOHo0






(#'A`)「奴と……モララーと、対決だ」





.

303 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:13:32 ID:.FJLoOHo0
【3】


「ロマネスク様と、連絡が取れました」


黒服の一人が、私に携帯電話を手渡す。
白い小さなガラケーに、同じく白い猫のストラップが2つほどぶら下がっているの。


川 ゚ -゚)「これは、お前の携帯か?」

「はっ、私の物です……古くさいですよね」

川 ゚ー゚)「……いや、良い趣味をしている」


私はそれだけを言うと、携帯を耳に当てる。
暫くがさがさと物を漁る音が聞こえたかと思うと、しゃがれた声が耳に届く。


『あ、クールであるか?我輩寝て良い?』

川 ゚ -゚)「駄目に決まってんだろ猫ジジイぶっ殺すぞ」

『んあぁあん!だって我輩たった今、たった今シーズン2を見終わったばかりであるよ!?
しかも人間界で!ネカフェで!クールがお勧めした最高の場所が肩、腰、膝全部に響く最悪の見ごこち場所よ!?あ、食べ物は美味しかったである』


電話越しにギャーギャー文句を垂れる猫ジジイ。
まだネカフェにいたのか、すいませんと謝る声が聞こえると途端に声を小さくして話し始める。

304 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:14:17 ID:.FJLoOHo0

『第一、いま何時であると思っているか?0時であるよ?夜中の0時!
そんな子洒落たカフェの前でつっ立って、一体何してるであるか!』

川 ゚ -゚)「電話越しでも私の場所が分かるのか、流石は『探索の神様』だ」

『〈流石〉は〈流石家神様家族〉であろうに……で?クールは何を待っているであるか?』



川 ゚ -゚)「ああ、緊急バイト二人を待ってる」


.

305 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:15:13 ID:.FJLoOHo0

(#'A`)『奴と……モララーと、対決だ』


ドクオはまだ痛むのか胸を抑えつつ立ち上がり、店員に精算を頼んだ。

あてはあるのかと聞くと、ある、と断言されて、ブーンから聞いたようで、ロマネスクのことを言っていた。


('A`)『俺が知る限りで24シリーズの他に海外ドラマ全巻揃ったネカフェがある、そこを教えていつでも連絡取れるようにしてくれ』

('A`)『奴は明後日の結婚式にぶつかるだろうと、自身の能力のお陰で満身している、そこを叩く』


と自信満々に答えて、作戦の概要簡単に伝える。
ひとしきり説明が終わったあと、会計の紙を取り、こう言った。


('A`)『……』


('A`)『二人とも、お金ある?』



川 ゚ -゚)「……とな」

『……え?食い逃げしたのであるか?』

川 ゚ -゚)「まさか、私はちょっと財布を取りに行きますねと去っただけだ」

『食い逃げじゃねぇか』

川 ゚ -゚)「知略を尽くしたものだけが生き残る世の中だからな」

『食い逃げじゃねぇか』

306 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:15:56 ID:.FJLoOHo0

『それで、彼らを待ってるのであるな……かわいそうに』

川 ゚ -゚)「女を夜中に待たせるのは最低だとは思うがな」

『食い逃げをあたかもしなかったように語るお主も最低ではあるがな』


共に小さく笑う。
間もなく彼らは戻って来るはずだ。
その前にまず確かめる事がある。


川 ゚ -゚)「モララーの事なんだが」

『うむ、人間界という近い場所にいるからかモララーの場所がハッキリした、シタラバホテルの503号室である』

『ただ……ホテルマンに何か細工を仕掛けておるな、
皆一様に血眼になっているから迂闊に近づけそうもないぞ』

川 ゚ -゚)「そうか、どうすればいい?」

『ホテルのカウンター裏に社員用通路がある、そこをうろつくホテルマン三人をどうにか交わせば、
503号室の通路まで誰も居ないな』

『503号室前は5分置きにホテルマンが辺りを徘徊している、
間を見て抜ければ何とかなりそうであるな』


よくもまぁドラマを見ながらそこまで詳細を語れるものだ、と毎度の事ながら感心する。
まるで一度ホテルを訪れて来たかのようだ。

また必要になったら連絡する。
そう言って携帯を切ろうとすると、呼び止める声が聞こえたので再び耳に当てる。

307 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:16:53 ID:.FJLoOHo0

『本当にモララーの部屋にはお主らだけで行くのか?』


「モララーの部屋には俺たちだけで行く」
ドクオが緊急バイトに勤しむ前、作戦の中にあった言葉だ。

黒服に協力してもらうのは道中まで。
三人で部屋に入ったら、すぐにモララーを拘束する、と。


川 ゚ -゚)「……本来なら私と黒服で事足りるんだがな、それじゃどうにも腹の虫が収まらないらしい」

川 ゚ -゚)「『こんな事に巻き込まれた俺だから、奴には直接言ってやらなきゃいけない事がある』」

川 ゚ -゚)「ドクオはそう言って、ブーンと共に厨房の中へ消えていったよ」


『最後のフレーズさえ無ければカッコいいんであるがなぁ』

308 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:18:08 ID:.FJLoOHo0

その後は何気無い話をいくつか話し、それじゃあまた、と電話を切る。
近くにいた携帯を貸してくれた黒服にお礼を言ったあと、また借りる旨を伝える。


川 ゚ー゚)「あのストラップだが、私も好きで集めてたんだ、良い趣味をしているな」


黒服は呆気に取られていたが、表情を緩めると、今度ストラップを見せて下さい、と言って闇に消えた。

間もなくカフェの入り口から、やつれた顔の二人が顔を出す。

ドクオと、ブーンだ。
ようやく支払い分のバイトが終わったのだろう。


川 ゚ -゚)「遅いぞお前ら、何してたんだ」

(ヽ'A`)ヽ^ω^)「「食い逃げをした奴が何いってんだ」」


と、ドクオが短く一息をつく。
私はまた具合が悪くなったかと思い心配したが、彼の顔は笑っているように見えた。


('∀`)「何だようやく調子が戻って来たじゃないか、安心したよ」

川 ゚ -゚)

川 ゚ー゚)「ふ、それはお互い様と言うものだ、休む暇は無いぞお前ら、行くんだろ?」

309 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:18:48 ID:.FJLoOHo0


('A`)「あぁ、行こう」


('A`)「やってやろうぜ」





対決だ。





第9話 「秘密」 続く

310名も無きAAのようです:2014/07/26(土) 19:19:15 ID:zRTRhuIc0
おう 待ってたぜ

311 ◆tDN4QF.obM:2014/07/26(土) 19:20:52 ID:.FJLoOHo0
はい、お久し振りでした
残り1話か2話ほどで終了の予定なので宜しくお願いします

ではまた

312名も無きAAのようです:2014/07/28(月) 01:48:36 ID:.A0NdIsA0
おつ!

313名も無きAAのようです:2014/07/29(火) 07:53:17 ID:djy0PZoQ0
乙! 見せ場なのにクーのお陰でコメディにww

314名も無きAAのようです:2014/07/30(水) 14:11:10 ID:NYGm8x.c0
乙!


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