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('A`)は撃鉄のようです

900名も無きAAのようです:2014/09/06(土) 15:35:51 ID:4w91Gjj60

≪7≫


 銃声が響いた。


 それは余りにも唐突で、寝転んで油断しきっていた状態では気付くのに時間がかかってしまった。
 ミルナは跳ねるように飛び起き、壁際に身を寄せて漆黒の中を見回した。
 肩に熱を感じる。咄嗟の回避だったが、銃撃は右肩を掠る程度で済んでいた。

( ゚д゚ )(……)

 敵の気配がまるで分からなかった。
 長年戦いから遠ざかっていたのが原因か、あるいは敵がそういう能力なのか。
 ミルナは無意識に後者を肯定した。

 分からないのは敵が自分を殺しに来た理由だった。
 自分の存在をピンポイントで知っている人間は極僅かだ。
 この時点で敵は荒巻以外の誰かだと想定できた。荒巻が相手なら、ミルナは既に深手を負っている。

( ゚д゚ )「……なら荒巻の手下か。俺を殺したいならアイツを直接よこすんだな」

 暗闇のなか、まったくの無音でミルナの超能力が発動した。
 彼の右腕に鈍色の装甲が具現化する。しかし、その能力からは往年の迫力が完全に消え失せていた。

( ゚д゚ )(……錆付いてるか)

 ぎし、という軋む音が具現化した装甲から聞こえてくる。
 本当に錆があるんじゃないかと思うほど、彼はマグナムブロウという能力に対して違和感を覚えていた。

 認めたくないがこれが現実。無意味な停滞は人間を確実に弱くする。
 ミルナ自身が知る限り、今の自分は過去最弱の状態に極まっていた。

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