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从 ゚∀从魔法使いとハゲのようです
297
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 08:10:43 ID:38FyxmEs0
お題「イエローテンバランス」
298
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 09:01:24 ID:Hxc8iMK6O
お題「クレイジーダイヤモンド」
299
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 09:21:33 ID:AfUlhqVY0
お題消化しかしてないけどさ
そろそろ本編も進めてくれんかね
更新するたびに本編じゃなくてガッカリしてる
300
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 10:41:51 ID:uKMPeJQs0
セックス・ピストルズ
301
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 11:26:16 ID:BW2LXywY0
>>299
すみません……
一応お題消化も本編でして。
全く関係ないのも勿論ありますが……
あとこの話は別に魔王を倒すだとか、そんな壮大なストーリーがある訳ではありません。
なので話が大きく動いてる、本編が進んでいる、と感じないのかもしれません。
小さな街の小さな出来事です。そんなんです。すみません。
なるべく本編してんなぁ! と感じてもらえるよう、頑張ってみます。よろしくお願いします。
302
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 11:45:24 ID:HHl7twX.0
いや大丈夫十分にわかるよ。
303
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 12:01:55 ID:9k7VAI9AO
お題 温泉
304
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 12:13:35 ID:csRRQEzs0
面白いからいいよ
お題:黄色い花
305
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 12:39:20 ID:oTFj.R6.0
お題:吸精子鬼
306
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 13:35:59 ID:Ywf292Cs0
ジョジョネタも程々にしてやれよww
お題:ジョルジュ長岡
307
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 17:33:25 ID:RwrGXSIU0
がんばれー
お題 毛根究極進化
308
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 17:50:09 ID:e8i7FDmQ0
今回も面白かったwww
作者のやりたいようにやってくれたらいいさ!
309
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 19:08:13 ID:9bNVG68MO
お題 ラブ・デラックス
310
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 19:09:58 ID:oMNMWpZI0
どうでもいいけど、もうちょっとまとめて投下して欲しい
小出しで1日に何度も出されるのはちょっと・・・
311
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 19:28:09 ID:R8mNZVE20
>>310
作者の自由だろ
そんなに嫌ならまとめて読んだらいいじゃん
312
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 20:28:35 ID:scjvxvec0
お題「天使にラブソングを」
313
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 21:10:53 ID:V70MRnAc0
なんか変なのが沸いとるで工藤!
314
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 21:11:45 ID:V70MRnAc0
誤爆した…気にしないで下さいm(__)m
315
:
名も無きAAのようです
:2013/02/25(月) 23:33:38 ID:nk88IF1s0
お題:デレたん
316
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 09:33:01 ID:vEqha/uM0
お題募集終了。
みなさんありがとうございました!
317
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 17:53:00 ID:vStK5jbY0
期待支援
がんばってください
318
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:41:45 ID:vEqha/uM0
初めに謝っておきます。
頂いたお題あまり消化できなかった・・・すみません。
319
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:42:42 ID:vEqha/uM0
【 ……我は………出すのだ…… 】
(´-_ゝ-`)Zzz...
【 …の…者………汝は…… 】
(´-_ゝ-`)Zzz....
【 ……我なり…… 】
(´-_ゝ-`)
(´-_ゝ-`)
(´・_ゝ-`)「ん……」
320
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:43:36 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「またあの夢か……」
(´・_ゝ・`)「……顔洗って畑仕事するかな」
ハインに召還されて、大分月日が経過した。
半ばやる気の無かった畑仕事だが、盛岡は最近気づいたことがあった。
畑仕事が楽しい、と。意外にも、楽しいのだと。
土の感触。耕す為に体を動かす。肥料を撒く。野菜の様子を見る。
時折、通りかかる人に声をかける。
その全てが、どことなく、何となく、楽しかった。
(´・_ゝ・`)「ふぅ、終わった終わった」
从 ゚∀从「お、サンキューな。お疲れ」
321
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:49:55 ID:vEqha/uM0
从 ゚∀从「ほれ、飯作っておいたぞ」
(´・_ゝ・`)「相変わらず美味しそうなご飯だな……」
(´・_ゝ・`)「ハインって生活力あるだけに、料理上手だよね」
从 ゚∀从「そうかぁ?」
(´・_ゝ・`)「デレちゃんに教えてあげればいいのに」
从 ゚∀从「……一度教えたことあったけど」
从 ゚∀从「…………何度やっても……その……」
(´・_ゝ・`)「ご苦労様です……」
322
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:51:14 ID:vEqha/uM0
从 ゚∀从「それで今日はオレ、デレと遊びに行くから」
(´・_ゝ・`)「依頼とかは無いの?」
从 ゚∀从「あったらやるけど、まぁオレ一人で十分だろ」
从 -∀从=3「なんたって、吸血鬼だけでなくオーガまで倒したんだからな! 」
(´・_ゝ・`)「あぁ、あの大きい……」
そう、ハインはシベリャまでの、迂回していく道にある洞窟に住むオーガを倒していたのだ。
力関係的には、ドクドクロよりもオーガの方が強い。そんなオーガを、ハインは倒していた。
( ;´∀`)『モナァァァァァ!! この一鬼当千筋肉ダルマと呼ばれたこのモナーがこんな小娘とハゲにいぃぃぃぃいいい!!!! 』
思い返してみると、結構な怪力をもっていた。素早さもあった。知性もあった。
ハインだけならば、確実に苦戦はしていただろう。ハインだけならば。
当然、オーガを倒せたのは盛岡の協力があったからこそなのだが……
(´・_ゝ・`)(最近調子に乗ってるから、痛い目に遭えば反省するかなと思ったけど)
(;´-_ゝ-)(つい見えないようにサポートしちゃったからなぁ)
从 ゚∀从「もうオレ、この辺りで最強じゃね?」
(;´-_ゝ-)(余計に調子乗っちゃったなぁ)
323
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:52:12 ID:vEqha/uM0
从 ゚∀从「それじゃ、ちょっとデレのとこ行ってくるわー」
(;´・_ゝ・)「あ、おい……」
(;´・_ゝ・)
(´・_ゝ・`)「まぁ、良いか。いつか痛い目を見て反省するだろ」
(´・_ゝ・`)「それよりも今日は何をして過ごすかが問題だな……」
(´・_ゝ・`)「暇すぎて困る……」
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「とりあえず出るか」
そうして、盛岡はハインの家を出て街を散策しだした。
324
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:53:01 ID:vEqha/uM0
渋沢さんと軽く会話をし、あらやださんとヒートの聞きたくなくても聞こえる会話を耳にし。
適当に、ただブラブラと街を歩く。そして、辿り着いたのが
(´・_ゝ・`)「また来てしまった」
シタラバニア図書館であった。
(´・_ゝ・`)「えーっと、確か前にデレちゃんが案内してくれたのが」
【喫煙者物語】
【夢を見た世界】
【泡になった】
【シタラバニア英雄譚】
【ティナーサックスによる幻覚】
【勉強をしない人たちの部屋】
【友人とクソ野郎】
(´・_ゝ・`)「あったあった」
325
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:53:42 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「……おや?」
(´・_ゝ・`)「性欲豚が……無い……だと? 」
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「仕方無い」
(´・_ゝ・`)「これでも読むかな」
(´・_ゝ・`)「シタラバニア英雄譚……」
(´・_ゝ・`)「どんな英雄がいるのかねぇ」
(´・_ゝ・`)「僕は英雄には程遠いしな」
(´・_ゝ・`)「ちょっと、気にはなるね」
326
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:56:10 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)「どれどれ……」
昔々、一つの村がありました。
とても小さく、地図にも載ってないような村でした。
ある日、その村に一人の赤ちゃんが生まれました。
しかし、どこかの街の、どこかの偉い占い師が、その子供を英雄だと予言しました。
子供は、英雄になりました。なってしまいました。
しかし運が良かったのか、その子供には才能がありました。不思議な力がありました。
もしもその力がなければ、偽者の英雄として殺されていました。
村もまた、そんな子を産ませたという理由で焼き払われていたかもしれませんでした。
子供は成長し、立派な男になりました。力もますます強くなりました。彼は、英雄であり続けました。
しかし、彼には自分の、小さな村を守りたいという思いしかありませんでした。
村の手伝いもし、彼は村の人たちに好かれていました。
327
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:57:07 ID:vEqha/uM0
そんな彼に王様がある日、命令をしました。
「魔物を全て滅ぼせ」、と。
彼は言われるがままに魔物を滅ぼす為、旅立ちました。
村の人たちは、彼を笑顔で送り出しました。彼もまた、笑顔で村を出ました。
魔物を滅ぼせば、村を守れる。その思いは魔物と戦っていくにつれ、
いつしか世界を救うという思いに変わっていました。
そんな彼は、ある日旅の疲れを癒そうと村に帰ることにしました。
魔物との戦いは、それほどまでに熾烈だったのです。
しかし、そこに村はありませんでした。
何も無い、荒野になっていました。
村は滅んでいたのです。
魔物が、彼を産み出した村という事で襲い掛かったのです。
村には守る者がいませんでした。だから滅んでしまったのです。
彼は、一番守りたかったものを守れなかったのです。
彼は、そのままどこかへ消え、一人、寂しく死んでしまいました。
そんな彼を、神様は可哀想に思い天国へ連れ帰りました。
そして彼は、地上を見守り、時には救いの手を差し伸ばしてくれる存在になったのです。
今も彼は、きっとみんなを見守り続けている事でしょう。
その英雄の名前は、( ФωФ)「おや、盛岡さん。こんな所で偶然である」
328
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:57:54 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)「あ、町長さん」
( ФωФ)「ふむ、英雄譚を読んでいるであるか」
(´・_ゝ・`)「デレちゃんが以前、オススメしてくれまして」
( ФωФ)「あぁ、デレは本が大好きであるからなぁ」
( ФωФ)「ふふ。懐かしいのである。よくその本をデレとハインに読んでいたであるよ」
(´・_ゝ・`)「へぇ、あのハインが……」
( ФωФ)「この英雄が天国に行くときに、彼の不思議な力が地上に撒かれて」
( ФωФ)「魔力として受け継がれているとも言われているのであるよ」
( ФωФ)「だからハインも身近に感じてよく聞いていたのである」
(´・_ゝ・`)「ほぉ……」
(´・_ゝ・`)「そういえば町長さんは図書館へ何をしに……?」
( ФωФ)「うむ、少し借りていた本をな」
( 司書) テクテクテクテク
(´・_ゝ・`)「あ、司書さん」
329
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 18:59:43 ID:vEqha/uM0
( 司書) スッ
【喫煙者物語】
【夢を見た世界】
【泡になった】
【性欲豚は入り浸る】 ← in
【シタラバニア英雄譚】
【ティナーサックスによる幻覚】
【勉強をしない人たちの部屋】
【友人とクソ野郎】
( ФωФ)
(´・_ゝ・`)
( ФωФ)
(´・_ゝ・`)「町長……」
330
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:03:30 ID:vEqha/uM0
────────
────
─
_
( ゚∀゚)「ふむ、ここか」
ジョルジュ長岡。
大きな槍と最新の装備を身に纏う彼は、騎士隊の隊長であった。
廃城を目の前にし、精鋭の部下を引き連れた彼にはある任務があった。
(-_-)「えぇ。情報によるとここで間違いは無いかと」
_
( ゚∀゚)「つまり、魔物のボスがいる可能性が高いのか」
そう、前回のウェアウルフ狩り。それで判明したのは、この付近にとても強い魔物が居るという事。
前回の狩りで、この付近だけ異様に被害が大きかったのが分かったのだ。
それでもう一度騎士隊が派遣され、調査がされたのである。
そして詳しく調べてみた結果、どうやらこの廃城に魔物が居るというのが分かったのである。
件の魔物の討伐。それが、彼に与えられた任務であった。
331
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:04:13 ID:vEqha/uM0
廃城のドアをゆっくりと開け、中に入っていく。
部下の数も入れると、全部で20人。しかも精鋭中の精鋭だ。
よほどの事があっても対処できる力があった。
_
( ゚∀゚)「……」
一歩一歩、慎重に進むジョルジュ。
だがしかし、魔物の気配は一つも感じられない。
隊員の中には段々と緊張を解いていく者もいる。
だが、ジョルジュだけは決して緊張を解くことはしなかった。
気配が、無さ過ぎるのだ。
ネズミも、虫も、本当に僅かな気配一つない。
_
( ゚∀゚)(どういう事だ……?)
332
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:05:58 ID:vEqha/uM0
疑問に思うジョルジュ。
廃城の中でも一番広い部屋に入り、同じように気配の無さに薄気味悪さも覚え始める。
その時である。部屋の真ん中に女性が居ることに気づいたのは。
_
( ゚∀゚)「誰だ」
(*゚ー゚)「ふふ。気配を消しすぎたのは失敗だったかしら」
美しい女性だった。
思わず、見蕩れてしまうくらいに。
何でもいう事を聞いてしまいそうになるくらいに。
まるで、催眠にでもかけられたかのように。
_
( ゚∀゚)(……あ?催眠……?)
333
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:07:17 ID:vEqha/uM0
_
( ;゚∀゚)「……っ!! 危ねぇ!!! 危うく催眠にかかるところだった!! 」
_
( ;゚∀゚)「てめぇ、吸血鬼だな!? 」
(*゚ー゚)「あら。私をただの吸血鬼と一緒にしないでくれる?」
(*゚ー゚)「でも私の催眠にかからないなんて。魔法使いでもないのに凄いわね」
_
( ゚∀゚)「鍛えてるからな! 」
(*^ー^)「でも、貴方の部下はダメだったみたいね」
_
( ;゚∀゚)「!!! 」
振り返ると、部下達が剣を抜き、槍を構え、互いに殺し合いを始めていた。
しかし、この惨状を止める方法をジョルジュは持ち合わせていなかった。
出来る事は、虫唾が走るような笑顔を貼り付けている吸血鬼を倒すことだけである。
_
( #゚∀゚)「殺す!! 」
槍を構え、駆ける。
吸血鬼の首元へ、鋭い一撃をお見舞いする為に。
部下の敵を、討つために。
(*゚ー゚)
334
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:07:59 ID:vEqha/uM0
ごろり。
ジョルジュの生首が、転がっていた。
(*゚ー゚)「あーあ」
ジョルジュの生首を蹴り上げる。
彼の部下はもう既に、全員息絶えていた。
(*゚ー゚)「こーろしちゃった」
(*゚ー゚)「あっけなーい。つまんなーい」
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「……はぁ」
(*゚ー゚)「最近、人間共が調子に乗ってる気がするのよねぇ」
335
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 19:09:26 ID:vEqha/uM0
(*゚ー゚)「私の眷属のモララーも、モナーちゃんも倒されちゃったし」
(*゚ー゚)「そういえば、モララーもモナーちゃんもあの辺りにいたのよね」
(*゚ー゚)「えーっと、確か」
(*゚ー゚)「……し、しば?」
(*゚ー゚)「あ、シタラバニア」
(*゚ー゚)「そうそう。シタラバニア、シタラバニア。あの辺は魔物が大分追い払われちゃってるのよね」
(*゚ー゚)「殺されてはいないけど、その所為で魔物がみんなあの場所はダメだって思っちゃってるし」
(*゚ー゚)「せっかく魔物を活発にさせて、人間をどんどん殺させて楽しみたかったのに」
(*゚ー゚)「きっと凄腕の戦士か、魔法使いでもいるのでしょうね」
(*゚ー゚)「うふふふふふ。シタラバニアかぁ」
( ー )「うふふふふふふふふふふふふふふ」
廃城に、笑い声が響き渡った。
第二十話『ジョルジュ長岡』 完
336
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:03:55 ID:HeQuWgxE0
おつ
337
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:23:27 ID:m.nlKjNQ0
モナーとジョルジュの扱い…
338
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:36:16 ID:vEqha/uM0
从;-∀从「んん……」
森の中。
そこではハインと盛岡が向かい合っていた。
ハインは何やら集中し、目を閉じている。
盛岡はときおり、「そうじゃない、こうだ」と相変わらず下手糞な説明をしている。
恒例の、特訓の最中であった。
今日は盛岡が召還された泉の近くで行われているようだ。
最近のハインの活躍により、この辺りにはもう魔物が現れることは滅多に無くなったからである。
(´・_ゝ・`)「魔力をね、こう外に向けるイメージでね」
339
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:37:27 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)「上手に動かすことが出来れば、後は応用で……」
从;-∀从「……」
(´・_ゝ・`)「そうすれば気配察知も出来るし」
(´・_ゝ・`)「例えば幽霊に取り憑かれた人を相手にする時、幽霊だけに魔力を当てて倒すことも出来るよ」
(´・_ゝ・`)「怪我したときの回復にも使えるし」
从#゚∀从「あーもう! 教えてくれるのは良いけど集中出来ねーよ!!! 」
(´・_ゝ・`)「……ふぅ」
(´・_ゝ・`)「じゃあちょっと休憩しようか」
从;゚∀从「あー、やっと休憩か……疲れた……」
(´・_ゝ・`)(集中出来ないとは言いつつ、結構良い感じなんだよなぁ)
从 ゚∀从「……あー、そういえばさ」
(´・_ゝ・`)「?」
340
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:38:09 ID:vEqha/uM0
从 ゚∀从「盛岡、魔法が使えないから魔法については何とも言えないって言ってたじゃん?」
从;゚∀从「でも普通に教えてる気がするんだけど」
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)「……あー」
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(´・_ゝ・`)
(;´・_ゝ・)「確かに。何でだろ」
从;゚∀从「は!? 」
(;´・_ゝ・)「いや、何となく分かる……?いや違うな。いや、でも、分かる……のか?」
(;´・_ゝ・)「何かこうかなぁ?って。ほら、僕の変な力も魔力みたいに動かせるし、似た感じだし」
(;´・_ゝ・)「僕も良くわかんないけど、何かアドバイス出来ちゃった感じだね」
从;゚∀从「何だよそれ……」
从;-∀从「でも実際盛岡の言うとおりにしてたら、強くなってるしなぁ」
从;-∀从
从 ゚∀从「……ん?」
341
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:39:24 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`)「どうかした?」
从 ゚∀从「いや、何か……臭い?」
(´・_ゝ・`)「そんなに僕が嫌いか」
从;゚∀从「ちげぇよ!! 何でそんな自虐的なの!? 」
从 ゚∀从「よく嗅いでみろよ、何か臭うから」
(´・_ゝ・`)「んん?」
(´・_ゝ・`) スンスン
(´・_ゝ・`)「あ、確かに……」
从 ゚∀从「ちょっと見てみるか……」
何か危険な物があるかもしれない。
そう思いつつ、2人は臭いのする方へ歩いていく。
一歩一歩、慎重に進んでいくと、少し木々が開けた場所に出た。
すると仄かに漂う白い煙。
2人が臭いの正体に気づいたのは、すぐだった。
342
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:40:08 ID:vEqha/uM0
────────
────
─
( ФωФ)「そういう訳で温泉が湧いたので銭湯を建てました」
_、_
( ,_ノ` )「さすが町長!! 仕事が速い!!! 」
( ФωФ)「まぁ、大雑把に囲いをつけただけの物であるが」
(´・_ゝ・`)「温泉は僕が発見したんですけどね」
( ФωФ)「では早速入るのである!! 」
343
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:43:26 ID:vEqha/uM0
(´・ω・`)「結構しっかりした作りなんですね」
(‘_L’)「脱衣所も完備されてるとは」
( ФωФ)「勿論各種牛乳も揃えたである」
(´・ω・`)「なんとも贅沢な……」
( ФωФ)「いやぁ、この辺に魔物が出ないようになったから出来た事であるよ」
(´・_ゝ・`)「それはハインに言って上げてくださいね」
( ФωФ)「うむ。わかっておるよ」
( ФωФ)「それでは湯に入る前に脱ぐとするであるか」
( ФωФ) ヌギヌギ
(‘_L’) ヌギヌギ
(´・ω・`) ヌギヌギ
_、_
( ,_ノ` ) ヌギヌギ
(´・_ゝ・`) ボロン
344
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:44:15 ID:vEqha/uM0
( ;ФωФ)「!? 」
(;‘_L’)「!? 」
_、_
(;,_ノ` )「!? 」
(;´・ω・)「!? 」
(´・_ゝ・`)「ん?どうしました?」
( ;ФωФ)「い、いや何でも無いである」 サッ
(;‘_L’) サッ
_、_
(;,_ノ` ) サッ
(;´・ω・) サッ
(´・_ゝ・`)(タオルで前を隠すのがここの常識なのかな……) サッ
345
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:45:05 ID:vEqha/uM0
( *ФωФ)「いやぁ、良いお湯加減である! 」 サプン
_、_
(*,_ノ` )「いやぁ、生き返る生き返る」 ザプン
(´・_ゝ・`) バシャバシャバシャ
( ФωФ)「ところで盛岡さんは何故、先ほどからお湯を頭にかけ続けているのであるか?」
(´・_ゝ・`)「いえ、ちょっと……」
(´・ω・`)「良い湯だなぁ」
(‘_L’)「これも神の思し召しですね」
(´・ω・`)「……それより、この壁の向こうって」
( ФωФ)
_、_
( ,_ノ` )
(´・ω・`)
(‘_L’)
(´・_ゝ・`) バシャバシャバシャバシャ
(´・_ゝ・`)(毛根に作用しますように毛根に作用しますように毛根に作用しますように毛根よ進化せよ)
346
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:46:10 ID:vEqha/uM0
_、_
( ,_ノ` ) ))) ススス
( ;ФωФ)「ちょっと、渋沢さん何をしているであるか」
_、_
( ,_ノ` )「え?いや、ちょっと疲れたから壁にもたれ掛かろうと……」
< わーヒートさん大きいですね
< そうでもないぞおおおおお!!!
< デレも大きい気が……
_、_
(;,_ノ` )「ひ、ヒートちゃんが入っているだと!? 」
347
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:47:02 ID:vEqha/uM0
( ФωФ)
(´・ω・`)
(‘_L’)
( ФωФ) ))) ススス
(´・ω・`) ))) ススス
(‘_L’) ))) ススス
_、_
(;,_ノ` )「おい来るなお前ら」
( ФωФ)「いや、ちょっと私も疲れたので……」
(´・ω・`)「僕も……」
(‘_L’)「私も……」
_、_
(;,_ノ` )「来るなって!! 」
(‘_L’)「これも神の思し召し」
_、_
(;,_ノ` )「エロ神父だこいつ!!! 」
(´・_ゝ・`) バシャバシャバシャ
348
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:47:47 ID:vEqha/uM0
(´・_ゝ・`) バシャバシャバシャ
(´・_ゝ・`)「あ、そういえば町長」
( ;ФωФ)「え?何であるか?」
(´・ω・`)「ほら町長、盛岡さんが呼んでいるんだから向こう行ってくださいよ」
_、_
( ,_ノ` )「そうだな、町長として親身に聞く必要があるしな。向こう行け」
(‘_L’)「これも神の思し召し」
( ;ФωФ)「お主ら……」
349
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:48:28 ID:vEqha/uM0
( ФωФ)「それで、何であるかな?盛岡さん」
(´・_ゝ・`)「いえ、この近くに湖あるじゃないですか」
( ФωФ)「うむ、あの湖か」
( ФωФ)「知っているであるか?あの湖、英雄譚にも出てきていると言われているのであるよ」
(´・_ゝ・`)「へぇ、そうなんですか」
(´・_ゝ・`)「だから言い伝えもあるのか……」
( ФωФ)「言い伝え?あぁ、確か条件を満たすと……────────
350
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:49:09 ID:vEqha/uM0
────────
────
─
ζ(゚ー゚*ζ「ふぅ、気持ち良いね」
从 ゚∀从「あぁ、この辺にはもう魔物も出ないからな。安心して入れる」
ノパ⊿゚)「ぬくぬくだぁあああああああああああああああああ!!!! 」
从 ゚∀从
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたのハインちゃん?」
从 ゚∀从「いや、デレって下の毛hζ(゚ー゚;ζ「えい! 」 バシャッ
从;x∀从「わぶっ! 」
ζ(゚ー゚;ζ「そういうのは黙ってようね、ハインちゃん」
从 x∀从「すみません……」
351
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:49:54 ID:vEqha/uM0
ノパ⊿゚)「お!!!! 何か綺麗な花があったぞ!!!!!! 」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、その黄色い花はシスラナっていうんですよ」
从 ゚∀从「あぁ、あの吸血鬼が苦手っていう」
ζ(゚ー゚*ζ「吸血鬼だけじゃなくて、殆どの魔物が嫌うんだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「解毒にも使われるし、神聖な植物として知られてるよ」
ζ(゚ー゚*ζ「だたし、魔物が殆ど居ない場所じゃないと生えないんだけどね」
ノパ⊿゚)「なるほどなああああああああああああああああああ!!!! 」
ノパ⊿゚)「だからここにも生えてるのかあああああああああああああああああ!!! 」
从 ゚∀从「生えてるのかぁ」
ζ(^ー^*ζ「なんでこっちを見るのハインちゃん」
从;゚∀从「べ、別に」
< おい!やべーぞ!!
< 盛岡さんが!!
< ショボンさん何とかしてくれ!
ζ(゚ー゚*ζ「?何か向こうが騒がしいね」
从 ゚∀从「お、おぉ。何か盛岡がどうとか」
ノパ⊿゚)「ちょっと見て来るぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 」
ζ(゚ー゚;ζ「ちょ、ヒートさんダメですよ!!! 」
352
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:51:46 ID:vEqha/uM0
────────
────
─
从;゚∀从「なんだ、のぼせただけかよ」
(;´・_ゝ-)「うぅ……」
ζ(゚ー゚*ζ「顔真っ赤だねぇ」
从 ゚∀从「茹でダコwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(;´・_ゝ-)「言い返す気力もない……」
(´・ω・`)「しばらく横になってれば回復するよ」
从 ゚∀从「ったく、だらしねーなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、私濡らしたタオル持ってくるよ」
从 ゚∀从「おう、分かった」
(´・ω・`)「じゃあ僕はもう少し湯に入ってこようかな」
从 ゚∀从「ありがとう、ショボンさん」
(;´-_ゝ-)「……ぅ」
从 ゚∀从「……大丈夫かぁ?」
353
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:52:34 ID:vEqha/uM0
(;´-_ゝ-)「……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「……誰もいないよな?」
从 ゚∀从「ちょ、ちょっとだけな」
从 ゚∀从「堅いところで寝てたら頭余計痛くなるかもだし」
从 ゚∀从「ちょっとな。ちょっとだけな。膝枕してやるか」
(;´-_ゝ-)「……」
从 ゚∀从「よいしょ……」
354
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:53:16 ID:vEqha/uM0
(;´-_ゝ-)「うぅ……」
从;゚∀从「お、起きたか!? 」
( ´-_ゝ-)
从 ゚∀从「……大丈夫みたいだな」
( ´-_ゝ-)
从 ゚∀从
从 ゚∀从 キョロキョロ
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「……いつもありがとな」
( ´-_ゝ-)
355
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:54:05 ID:vEqha/uM0
( ´-_ゝ-)
【 ……ダ……思い……セ…… 】
( ´-_ゝ-)
【 我は……汝……汝は…… 】
(;´-_ゝ-)
【 ……思い出せ……我よ…… 】
(;´-_ゝ-)「うぅ……」
356
:
名も無きAAのようです
:2013/02/26(火) 20:55:15 ID:vEqha/uM0
(;´・_ゝ・)「わぁ!!! 」
从;゚∀从「うぉ!? 」
(;´・_ゝ・)「…………ふぅ…」
从;゚∀从「だ、大丈夫か?」
从 ゚∀从「お前、のぼせちゃってさ」
(;´・_ゝ・)「あ、あぁ。そういえば、そうだったね」
(;´・_ゝ・)「でも……っ、なんだろう」
从 ゚∀从「?」
(´・_ゝ・`)「いや、岩の上にでも寝てたのか?凄く首が痛いんだけど……」
从 ゚∀从
从 ゚∀从 ギィンッ
(;´゚_ゝ゚)「あああああああああああ!!! 何だ急に!!!!!! 何もしてないだろ僕!!! 」
从;゚∀从「う、うるせー!!! 」
第二十一話『デレの下の毛ってハゲてんの?』『温泉』『毛根究極進化』『黄色い花』
357
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 06:14:56 ID:7dhEL.QQ0
乙
358
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 10:28:57 ID:Whbvq2ec0
そういえば巨根だったな・・・
359
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 10:40:14 ID:WR1X5lX60
>>120
からの
>>126
でフイタww
亀だけど
360
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 17:49:51 ID:Sp8TySSs0
一言で言えば、ハインは調子に乗っていた。
吸血鬼を倒したこと。オーガを倒したこと。
他にも様々な魔物を倒し、確実に強くなっていったハイン。
从 ゚∀从「もうさ、魔物とかチョロいよ。ホント」
完全に天狗であった。
その結果、段々街の人に対しての態度も悪くなっていったのである。
(´・ω・`)「ハインちゃん、怪我しないようにね」
从 ゚∀从「オレが怪我するわけないじゃん! ショボンさんも、オレが怪我しないと収入減っちゃうのかなぁ」
(´・ω・`)「……」
361
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 17:51:07 ID:Sp8TySSs0
_、_
( ,_ノ` )「ハインちゃん、コロッケ買っていくかい?」
从 ゚∀从「そういえばオレって街を守ってるんだから、タダになったりしないの?」
_、_
(;,_ノ` )「た、タダには出来ないよ。ごめんね」
从 ゚∀从「そっかー。じゃあいらないや」
(‘_L’)「今日も神のご加護を」
从 ゚∀从「いやー、オレの加護の方が良くない?」
从 ゚∀从「ま、フィレンクトさんの事もちゃーんとオレが守るからさ! 」
(‘_L’)「……そうですか」
まるで自分が上の存在であるかのように振舞っていたのである。
その態度は最早、街を『守りたい』から『守ってやるか』に変わっていた。
特に、デレに対してはぞんざいな扱いをするようになっていた。
362
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 17:55:12 ID:Ebbq57JQO
デレにだと・・・それは許せない!
363
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 17:59:45 ID:Sp8TySSs0
从 ゚∀从「デレはオレがいないとダメだなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「そんな事ないよ……」
从 ゚∀从「一緒に森に来るのも良いけど、足手まといだけにはなるなよー?」
从 ゚∀从「まぁ、それでもオレには何の問題も無いんだけどな! むしろ良いハンデみたいな?」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
自分が面倒をみてやっているんだ。こいつは、オレがいないと何にも出来ないんだ。
まるで子分でも従えたかのように、見下しているような態度が明け透けになっていたのだ。
一方、デレはそんなハインに苛立ちを覚えながらも、しかし羨ましさを抱いていた。
ζ(゚ー゚*ζ(ハインちゃんは凄い。私なんかより、ドンドン先に進んでいる。)
ζ(゚ー゚*ζ(一人で何でも出来て、強くて、格好良くて)
ζ(゚ー゚*ζ(……ホント、凄いね)
ζ(゚ー゚*ζ(私だって……)
そしてそれは、同時に嫉妬でもあった。
364
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:00:35 ID:Sp8TySSs0
それからしばらくして、ついにハインとデレが喧嘩をした。
ハインの無神経な一言。
デレの中の積もりに積もった鬱憤が、爆発した。
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん、最近おかしいよ」
从 ゚∀从「あ?」
ζ(゚ー゚*ζ「私に対しても、街の人に対しても、態度悪過ぎない?」
从 ゚∀从「はは。いや、そうか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
从 ゚∀从「つーか、何?デレ、オレに説教する気なの?弱いくせに」
ζ(゚- ゚*ζ「っ!! 」
365
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:02:36 ID:Sp8TySSs0
ζ(゚- ゚*ζ「もう、ハインちゃんと一緒にいたくない」
从 ゚∀从「あーあー、そうだな。オレもお前みたいな役立たず、一緒にいたくない」
ζ(゚- ゚*ζ「!!! 」
ζ(゚- ゚*ζ「ハインちゃんのバカ!!! 」 タッタッタッタ
从 ゚∀从「……なんだよ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「ッチ」
从 ゚∀从「帰る、か……」
全面的にハインが悪かった。
だがデレがハインに嫉妬していたからこそ、そして鬱憤が溜まっていた事もあった。
だが、それでもやはりハインが悪かった。
ハインが家に帰ると、盛岡が居間に来るように呼びかけた。
从 ゚∀从「何?もしかして飯でも作ってくれてた?」
(´・_ゝ・`)「ハイン」
从 ゚∀从「何だよ。悪いけど今は気分が……
(´・_ゝ・`)「最近の態度は少し目に余るぞ」
366
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:03:16 ID:Sp8TySSs0
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「ちょっと強くなったくらいで調子に乗ってると、痛い目を見るぞ?」
(´・_ゝ・`)「その時、ハインの周りに誰も居ないという事になっても良いのか?」
从#゚∀从「うるせー! お前も説教かよ!! オレだって頑張ってんだよ! ちょっとくらい良いだろ! 」
机を叩くと、ハインは家を飛び出す。
(;´・_ゝ・)「あ、おい」
(;´・_ゝ・)「……」
(;´・_ゝ・)「参ったな、居候だから今まで何も言えなかったのがまずかったか……」
(;´・_ゝ・)「もうちょっと早くから、言っておけば良かったかな……」
367
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:04:04 ID:Sp8TySSs0
───────
───
─
从 ゚∀从「何だよどいつもこいつも」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「……町長のとこ行って、依頼無いか聞いてみるか」
依頼があれば、とりあえずの時間は稼げるだろう。
この場から逃げ出したいという、今の気持ちから逃げ出したいという思い。
今は、それしかハインの頭には無かった。
368
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:04:45 ID:Sp8TySSs0
( ;ФωФ)「おぉ、ハインか……」
从 ゚∀从「何か依頼無い?」
( ФωФ)「う、うむ。実はだな」
町長の家に行くと、運が良いことに一つの依頼があった。
どうやらウェアウルフが大量に集結しており、何とかして欲しいというものであった。
( ФωФ)「うぅむ、しかしこの依頼……」
从 ゚∀从「じゃ、行ってくるぜ町長! 」
何か言いたげな町長の言葉を遮り、ハインは家を飛び出した。
( ;ФωФ)「あ、ハイン……」
( ;ФωФ)「……ウェアウルフは、この前の騎士隊で大分退治されてたと思うのであるがなぁ」
( ;ФωФ)「……」
369
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:06:06 ID:Sp8TySSs0
ハインはウェアウルフが集まっていると言われている森へと走っていた。
森に辿り着くのに、時間はそうかからなかった。
从 ゚∀从「……この森か」
从 ゚∀从「さて、ウェアウルフくらいちゃっちゃと退治しちまうか」
ハインはウェアウルフを探すべく、森の中を走り回った。
しばらくすると、ウェアウルフと思わしき足跡を発見する。
それを辿ってみると、なるほど確かにウェアウルフが群れを成していた。
しかも、今まで見たことも無いような数であった。
从 ゚∀从「結構いるなぁ」
370
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:07:02 ID:Sp8TySSs0
从 ゚∀从「まぁ、でも」
从 ゚∀从「いけるな」
だがしかし、ハインは怯むことは無かった。
今更ウェアウルフが何匹集まろうと、もはや敵ではないと踏んだのだ。
飛び出すハイン。
ミ,,゚又゚彡「!! 」
しかし、ハインの存在を知っていたかのようにウェアウルフはハインの飛び出しに合わせて散開する。
円形となったウェアウルフの群れの中に、ハインは取り残される形となった。
从;゚∀从「は……?」
今までに無い、動き。
まるで、ハインをおびき寄せる為の罠を張っていたかのような動き。
371
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:07:44 ID:Sp8TySSs0
ミ,,゚又゚彡「アオオオオオォォォン!!! 」
一匹が大きく吼えると、ウェアウルフはハインに跳び掛かる。
しかし、今までのような単純な跳び掛かりでは無かった。
ハインの動きを封じるように、連携の取れた動きでハインを追い詰めていく。
从;゚∀从「なっ……このっ!! 」
从;゚∀从「ふっざけん……な!! 」
それでも何とかウェアウルフを倒していくハイン。
一匹、また一匹と着実に倒していく。
372
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:09:54 ID:Sp8TySSs0
ミ,,゚又゚彡「ガウ!! 」
背後から襲い掛かってきたウェアウルフを、回し蹴りで弾き飛ばす。
ミ,,゚又゚彡「……」
从 ゚∀从「?」
すると、ウェアウルフの猛攻は治まりをみせた。
恐れをなしたのか?相変わらず嘗めた思考のハイン。
そこへ、ウェアウルフの向こう側から一つの声がかかった。
(,,゚Д゚) 「なるほど、確かにやるようだ」
373
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:11:43 ID:Sp8TySSs0
同時に、声の主はウェアウルフを押し退けて姿を現す。
(,,゚Д゚)
ウェアウルフよりも大きく、知性もあり、全てにおいて勝っている魔物。
ガルムという魔物であった。
ガルムはウェアウルフのボスとでも言える存在であり、
その力は吸血鬼をも凌ぐというのを、ハインはデレから教わったのを思い出す。
从;゚∀从(……デレ)
(,,゚Д゚) 「俺はギコ。ここらのウェアウルフのボスをしている」
ハインより二回り以上も大きい巨体が、ハインを睨み付けた。
(,,゚Д゚) 「よくもまぁ、人間の分際でオレの子分たちをたくさん殺してくれたな」
(,,゚Д゚) 「お前も同じように殺すからな」
ギコと名乗るガルムは、騎士隊によって大勢のウェアウルフ達を殺されたことに対し、怒りを感じていた。
ハインと騎士隊は関係は無かったが、そんな事ギコにはどうでも良い事だった。
人間が憎い。ただその一心であった。
374
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:13:15 ID:Sp8TySSs0
だから今回、人間を誘き寄せる為にウェアウルフを集めたのだ。
こうして集めれば、きっと人間は討伐しに来るだろう。
そこを待ち構えて、逆に殺す。
それが、ギコの狙いだった。
足跡もわざと目立つようにし、いつ来ても大丈夫なように構えていたのである。
しかし、ハインが予想以上に持ちこたえた。
だからこうして、ギコ自らも姿を現したのである。
(#゚Д゚) 「ゴルァ!!! 」
从;゚∀从「!! 」
ハインを殺す為に。
憎き人間を殺す為に。
375
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:14:24 ID:Sp8TySSs0
(#゚Д゚) 「どうしたどうした!? 弱いなぁおい! 」
从;゚∀从「こ、こいつっ! 」
ギコの動きは吸血鬼の比ではなかった。
ハインが突進を躱しても、ギコはその脚力や腕力で地面を掴み、軌道を変えて襲ってくる。
蹴りを避けても、尻尾が影から追い討ちをかけてくる。
距離を取ろうにも、ウェアウルフが邪魔をする。
从;゚∀从(やばい、やばいやばいやばいやばい)
(#゚Д゚) 「ガアアアァァァ!!! 」
ギコの爪が、ハインの腹を横一線に走る。
魔力で纏っているはずのハインの体に、血が滲んだ。
376
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:15:20 ID:Sp8TySSs0
从;゚∀从「つぅ!! 」
ミ,,゚又゚彡「ガウ! 」
从;゚∀从「!? 」
しかし休む暇も無い。
跳び掛かるウェアウルフを躱し、ギコを視界から外さないように気をつける。
一度視界から外れようものなら、
(#゚Д゚) 「ゴルァ!!! 」
背後か真横か。
少なくともハインの死角からの攻撃が襲ってくる。
377
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:16:45 ID:Sp8TySSs0
从; ∀从「ぐぁっ……」
ギコの蹴りが、わき腹を抉った。
ばきり、と骨の折れる音が聞こえた。
(#゚Д゚) 「オオオオオオオオオオオ!!!! 」
しかしギコは止まらない。
殺す気なのだから当然である。
爪を伸ばし、跳ぶ。
从; ∀从「ッチ」
それをハインは跳んで躱す。
狙ってたかのように、ウェアウルフがハインの背後を襲う。
しゃがみ、躱し、隙となったウェアウルフの腹目掛けて拳を叩きつける。
378
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:17:34 ID:Sp8TySSs0
从; ∀从「ハァッ……ハァッ……」
(#゚Д゚) 「死ね」
息も絶え絶えなハイン。
背後に回り込むギコ。
从; ∀从「クソがああああああああああああああああ!!!! 」
ギコの爪が、ハインの首を切断しようと肉薄する。
その瞬間、ハインは纏っていた魔力を外へと向けて、放った。
(;゚Д゚) 「ッチ」
379
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:18:21 ID:Sp8TySSs0
その衝撃に吹き飛ばされるギコ。
もう一度魔力を身に纏ったハインは、ギコを睨み付ける。
しかし
ミ,,゚又゚彡「アオオオオオオオオオォォォォン!!! 」
一匹のウェアウルフが、ハインを押し倒した。
从; ∀从(しまっ─────)
痛みや疲れからか、集中力が切れてしまった。
ハインは、迫るウェアウルフの気配に気づけなかったのだ。
何とかその一匹を弾き飛ばすと、ハインは急いで起き上がる。
だが、ギコの姿が見えない。
(#゚Д゚) 「手間取らせやがって」
背後から、ギコの声がした。
380
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:19:35 ID:Sp8TySSs0
瞬間、もう一度魔力を外に向けて放つ。
しかし、ギコはそれを跳んで回避する。
(,,゚Д゚) 「同じ手は食うかよ」
ハインの背後から、前へ。
もう一度魔力を纏うとするハインだが、ギコの方が早かった。
魔力を纏っていないハイン。
ギコの爪が、命を刈り取る爪が、迫る。
思わず、ハインは目を瞑ってしまった。
何度も魔物と戦い、強くなったハイン。
しかし、まだ少女であるハインは、今まさに襲い掛かる恐怖に、目を瞑ってしまったのだ。
思い浮かぶのは、街のみんな。デレ。
湧き上がったのは、後悔。
しかし、無慈悲にもギコの爪が
从; ∀从「……あれ?」
襲ってこなかった。
「はぁ……」
381
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:20:23 ID:Sp8TySSs0
「そういえば、初めて会ったときもこんな感じだったっけ?」
从;゚∀从「……ぁ」
目を開ければ、見慣れた黒マント。
(´・_ゝ・`)「全く。調子に乗るから痛い目を見るんだ」
(´・_ゝ・`)「反省しろ、反省」
盛岡デミタスが、そこにいた。
382
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:22:13 ID:Sp8TySSs0
───────
───
─
ハインと喧嘩したデレは、湖に居た。
盛岡が召還された湖である。
湖の前に座って、小石を手のひらの中で遊ばせる。
ζ(゚- ゚*ζ「喧嘩しちゃった……」
ζ(゚- ゚*ζ「でも、ハインちゃんが悪いんだもん……」
ζ(゚- ゚*ζ「……」
ζ(゚- ゚*ζ「もう少し別の言い方があったかな……」
ぽちゃん、と小石を放り投げる。
ζ(゚- ゚*ζ「でも、私だって……」
383
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:23:00 ID:Sp8TySSs0
ζ(゚- ゚*ζ「……」
ζ( - *ζ「弱いって……足手まといって……」
ζ( - *ζ「そりゃ、ハインちゃんは魔法使いで強いけどさ……」
ζ(゚- ゚*ζ「私だって、ハインちゃんみたいに魔法が使えれば……」
ζ(゚- ゚*ζ「少しでも力になれるかなって勉強も一杯したのに……」
ζ(゚- ゚*ζ「……」
ζ(゚- ゚*ζ「……」
ζ(゚- ゚*ζ「魔法使い、か……」
(*゚ー゚)「あら、魔法使いになりたいの?」
ζ(゚- ゚;ζ「!?」
突然背後からかかった声に、デレが驚く。
振り返ると、綺麗な女性がそこにいた。
(*゚ー゚)「ごめんなさいね、急に」
384
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:23:49 ID:Sp8TySSs0
(*゚ー゚)「私はね、この湖の精霊なの」
ζ(゚- ゚*ζ「精霊……?」
(*^ー^)「えぇ。精霊よ」
(*゚ー゚)「何だか強い思いを感じたから出てみたのだけれど……」
(*゚ー゚)「あなた、魔法使いになりたいの?」
ζ(゚- ゚*ζ(盛岡さんを召還した、この湖……その精霊……)
ζ(゚- ゚*ζ(……)
ζ(゚- ゚*ζ(願い事を、叶えてくれるの……?)
(*゚ー゚)「どうかしら、私があなたを魔法使いにしてあげるけど」
女性が手を差しのばす。
ζ(゚ー゚*ζ「……」
そして、デレはその女の手を取ったのであった。
(* ー )「うふふふふふふふふ」
湖の近くに生えていた黄色いシスラナの花は、枯れていた。
385
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:24:34 ID:Sp8TySSs0
───────
───
─
(´・_ゝ・`)「ちょっと考えれば、このまえ騎士隊が倒したウェアウルフがたくさん集まるなんておかしいと思うだろ」
(´・_ゝ・`)「少しは反省したか?」
(´・_ゝ・`)「町長に聞いて良かったよ」
从;゚∀从「盛、岡……」
(#゚Д゚) 「随分と余裕だな」
ハインに止めを刺せなかったギコが、怒りを露にする。
盛岡はギコへ顔を向けると、手をかざした。
(´・_ゝ・`)
(;゚Д゚) 「! 」
そして、手を真横に振りぬく。
見えない何かが、盛岡の手の動きに合わせて周囲をなぎ払った。
386
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:25:52 ID:Sp8TySSs0
だが、ギコはそれよりも先に後ろに大きく跳びあがって躱す。
しかし周囲に居たウェアウルフ達は、躱す事が出来ずに再起不能となった。
(#゚Д゚) 「今度はこっちから行くぞゴルァ! 」
着地と同時に、駆けるギコ。
それに対し、盛岡は見えない何かで押しつぶすような一撃を放つ。
(#゚Д゚) 「……!! 」
(;´・_ゝ・)「くそっ」
しかしギコはそれを全て躱し、近づいてくる。
盛岡はハインを抱えると、ギコと距離を取るために跳んだ。
着地を邪魔をするウェアウルフを、素早く片付ける。
(#゚Д゚) 「ゴルァ!! 」
その間に盛岡に追いついたギコが、爪での一撃を狙って襲い掛かる。
それを、盛岡はまた見えない何かでギコの腕を押さえて応戦した。
387
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:26:52 ID:Sp8TySSs0
(#゚Д゚) 「ガアアアアアアアアァァァァァ!!!! 」
反対の腕で盛岡を引き裂こうと、ギコが腕を振りぬく。
それを、盛岡は跳んで避ける。
从;゚∀从「も、盛岡……」
(´・_ゝ・`)「大丈夫。僕のほうが強い」
そのまま着地する盛岡。
前からはギコが駆けてきている。
ぐ、と足に力を入れると
从;゚∀从「はぁ!? 」
前方へ、大きくハインを放り投げた。
388
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:27:52 ID:Sp8TySSs0
(#゚Д゚) 「余所見すると思ってんのかゴルァ!!! 」
(´・_ゝ・`)「そしたら儲けものだと思った」
駆ける盛岡。
そして、ギコの爪と、盛岡が交差した。
(,,゚Д゚)
(´・_ゝ・`)
(,,゚Д゚)
(´・_ゝ・`)
(,,゚Д゚)
(;´・_ゝ・)
(,,゚Д゚)
(;´・_ゝ・)
(,, Д )
土ぼこりを上げ、倒れたのはギコであった。
389
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:30:59 ID:Sp8TySSs0
从;゚∀从「ウオおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁああああああアアアア!? 」
(;´・_ゝ・)「よっと」
そして落ちて来るハインを、盛岡はチャッチする。
(;´・_ゝ・)「うわぁ、それにしても危なかった」
从;゚∀从「え?」
冷や汗を流す盛岡。
見てみると、黒マントの一部がギコの爪によって裂けられていた。
(;´・_ゝ・)「思ってたより、速かった……」
盛岡がギコの方へ目をやると、ウェアウルフ達がギコに寄り添っていた。
恐らく、まだギコには息があるだろう。
だが、それも時間の問題であった。
(´・_ゝ・`)「……」
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「帰ろうか」
从 ゚∀从「……ん」
立ち去る2人を、ウェアウルフ達はずっと見つめていた。
390
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:34:29 ID:Sp8TySSs0
───────
───
─
(´・_ゝ・`)「はぁ……疲れた」
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「……」
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「……」
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「……」
从 ゚∀从「……」
(´・_ゝ・`)「帰ったら、まずは謝ろうか」
从 ゚∀从「……ん」
(´・_ゝ・`) ナデナデ
从 ゚∀从「触るな変態が移る」
(;´・_ゝ・)「ここはデレる場面じゃ……!? 」
391
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:35:26 ID:Sp8TySSs0
そのまま2人は歩き続ける。
森の出口が見えてくると、ふとそこで何か違和感を感じた。
从 ゚∀从「あれ?」
出口だというのに、何故か暗い。
というか、霧深い。
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「……黒い、霧か?」
从;゚∀从「……」
嫌な予感が、した。
帰る足がだんだんと速くなる。
霧が晴れることは無い。
街に近づくにつれ、嫌な予感が強まる。
392
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:36:30 ID:Sp8TySSs0
从;゚∀从「なっ」
街が見えてきた頃になると、嫌な予感は確信に変わった。
街が、霧に包まれていた。
黒く、気味の悪い霧に。
(´・_ゝ・`)「急ごう」
从;゚∀从「お、おう」
2人は街に向かって走り出した。
本来なら聞こえてるはずの喧騒が、聞こえない。
羊の鳴き声も、鳥の鳴き声も、何もかも聞こえない。
まるで、街が死んでいるかのようだった。
从;゚∀从「どういう事なんだよ! 」
(;´・_ゝ・)「ぐっ……」
街に辿り着いた2人が目にしたのは、倒れている街の人達であった。
393
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:37:38 ID:Sp8TySSs0
(;´・_ゝ・)「……っ」
(;´・_ゝ・)(なんだ、声が……)
(;´・_ゝ・)(頭の中に……)
【 …思い出せ……汝は………… 】
【 …汝は……我……我は……… 】
(;´・_ゝ-)「ぐぅっ……」
(;´・_ゝ-)「この、声……は、夢の……」
、_
(;,_ノ )「……ぅ」
从;゚∀从「渋沢さん! 大丈夫か!? 」
、_
(;,_ノ )「ハイ……ちゃ……」
从;゚∀从「あぁ! オレだ! ハインだ! 何があったんだよ! 」
394
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:38:20 ID:Sp8TySSs0
、_
(;,_ノ )「お……が……」
从;゚∀从「渋沢さん! 」
、_
(;,_ノ )「おん……なが……」
、_
(;,_ノ )「きゅ……血、鬼……」
从;゚∀从「きゅ、吸血鬼が来たのか!? 」
、_
(;,_ノ )「で、デレちゃんが……」
从;゚∀从「デレ!? デレがどうしたんだよ! 渋沢さん! 渋沢さん!! 」
、_
(;,_ノ )「ぅう……」
(;´・_ゝ-)「やめろハイン。今はそっとしておくんだ」
从;゚∀从「で、でも! 」
(;´・_ゝ-)「渋沢さん達がこうなっているのは、この霧の仕業だ」
从;゚∀从「!? 」
395
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:39:43 ID:Sp8TySSs0
(;´・_ゝ-)「僕は、この霧を知っている」
(;´・_ゝ-)「瘴気だ」
(;´・_ゝ-)「そしてこの霧を、瘴気を出せる魔物と、僕は……昔……戦ったことが……」
从;゚∀从「も、盛岡?」
「あらぁ、この瘴気を浴びても平気な人間がいるのね」
从;゚∀从「だ、誰だ! 」
(*゚ー゚)「もしかして、あなた魔法使い?」
396
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:40:34 ID:Sp8TySSs0
从;゚∀从「だったら、なんだよ……! 」
(*゚ー゚)「うふふふふふ。じゃあもしかして、モララーもモナーちゃんも貴方が倒したの? 」
从;゚∀从「モララー?モナー?」
(*゚ー゚)「うふふふ。まぁ良いわ。私の瘴気でも平気なんですもの。きっと、あなたが倒したに違いないわぁ」
(*゚ー゚)「うふふふふふふふふふふふふふふ」
从;゚∀从「!! お、お前が吸血鬼だな!? 街を、みんなをこんな風にしたのは!! 」
(;´・_ゝ-)「……」
(*゚ー゚)「やぁねぇ。ただの吸血鬼じゃないわよ」
(*゚ー゚)「吸血鬼を統べる王」
(*゚ー゚)「ヴァンパイアロードのしぃよ」
397
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:43:08 ID:Sp8TySSs0
从#゚∀从「んな事はどうだって良いんだよ!! お前をぶっ飛ばせばこの霧は晴れるんだな!? 」
(*゚ー゚)「せっかちねぇ。まぁそうだけど……」
从#゚∀从「今すぐぶっとばしてやる!! 」
(;´・_ゝ・)「まて、落ち着けハイン!! 」
魔力を纏い、しぃに向って走り出すハイン。
するとその間に、一つの影が割って入った。
ζ( ー *ζ
从;゚∀从「で、デレ!? 」
(*゚ー゚)「あら、もしかして知り合いだった?」
从;゚∀从「お、お前デレに何したんだよ! 」
(;´・_ゝ・)「……」
(*゚ー゚)「別に?」
(*゚ー゚)「ただ、魔法使いにしてあげただけよ?」
ζ( ー *ζ「……」
(*゚ー゚)「まぁ、魔物になっちゃったけどね」
从;゚∀从「……え?」
呆けるハインに、デレの魔法が襲い掛かったのはすぐだった。
第二十二話 『完』
398
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 18:54:51 ID:VCW.ySf.0
乙
399
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 19:22:56 ID:4KSq.v4w0
乙
400
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 19:48:31 ID:tvT9C4Ys0
乙
401
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 21:13:16 ID:pFFh.4K20
チャッチ乙
402
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 21:53:58 ID:3kRRDkDo0
乙
たぎる展開ら
403
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 23:41:36 ID:qlH3jFU.O
チャッチ?
404
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 23:54:23 ID:Sp8TySSs0
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ \
>>401
/ ─ ─ \
>>403
/ (●) (●) \
| (__人__) | チャッチ……?
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
405
:
名も無きAAのようです
:2013/02/27(水) 23:57:16 ID:Sp8TySSs0
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ \
/ ─ ─ \ 読者諸君は覚えていないだろうが、実はお題に『誤字』というのがあってね。
/ (●) (●) \ 今回はそれを消化したまでなのだよ。最後に第二十二話『誤字』 完
| (__人__) | ってするハズだったんだけど、忘れちゃってね。
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ ふふふ、気づいた君は凄い。素晴らしい。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | 恥ずかしいのでもうそれ以上突っ込まないでねお願いします
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
第二十二話『誤字』 完
406
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 00:00:46 ID:hUX6byTY0
チャッチ乙ww
407
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 03:31:39 ID:91RbxgM20
チャッチ乙
408
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:34:19 ID:J0WLdglA0
若干ながら
409
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:35:50 ID:J0WLdglA0
黒く、禍々しい魔力の弾丸。
人の頭よりもやや大きいそれが、ハインに向けて放たれた。
从;゚∀从「!? 」
だがしかし、ハインがダメージを負う事は無かった。
(´・_ゝ・`)「間に合ったか」
盛岡が、間に入ってハインを庇ったからである。
410
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:36:50 ID:J0WLdglA0
从;゚∀从「も、盛岡……」
(´・_ゝ・`)「大丈夫」
実際、庇ったといっても盛岡にもダメージは入っていなかった。
間に入る瞬間、盛岡の力で魔力の弾丸を叩き潰したからだ。
(*゚ー゚)「あら、凄いのね貴方」
(´・_ゝ・`)「そうでも無いさ」
(*゚ー゚)「あら、頭も凄いのね貴方」
(´・_ゝ・`)「絶対に許さないからな」
手を振りかざし、力を入れる盛岡。
見えない何かが、衝撃波のようにしてしぃに襲い掛かる。
411
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:38:30 ID:J0WLdglA0
(*゚ー゚)「あらら」
しかし、しぃは微動だにしなかった。
ζ( ー *ζ
間に立つデレが、ついと手をかざした。
すると手のひらを中心に魔力が展開し、半ドーム状となって2人を盛岡の衝撃波から守ったのである。
(;´・_ゝ・)「……」
从;゚∀从「何でだよ、デレ……」
412
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:41:00 ID:J0WLdglA0
(*゚ー゚)「この子、デレちゃんって言うんだぁ?」
ζ( ー *ζ
(*゚ー゚)「この子ね、魔法使いになりたかったんですってぇ」
从;゚∀从「まほう、使い……?」
(*゚ー゚)「憧れてたのかしらねぇ?」
(*゚ー゚)「すっごい強い気持ちだったわよ」
(*゚ー゚)「そんな強い気持ちに惹かれて、ついつい私が力を分け与えちゃったのよ」
从; ∀从「お前が、お前がデレを……」
(*゚ー゚)「下手したら死んじゃってたけど、結果オーライよね」
(*゚ー゚)「だってこうして、魔法を使えるようになったんですもの」
从#゚∀从「デレを、元に戻せええええええぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!! 」
魔力を纏い、しぃに跳び掛かるハイン。
盛岡の静止の声がかかるが、止まるはずが無かった。
413
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:44:00 ID:J0WLdglA0
(*゚ー゚)「え〜?」
(*^ー^)「イヤよ。せっかくデレちゃんの夢が叶ったんですもの」
虫唾が走る笑みを浮かべるしぃ。
その顔面目掛け、ハインは蹴りをかます。
ζ( ー *ζ
从;゚∀从「……デレ!! 」
が、その蹴りはデレに止められてしまう。
足を掴まれたハインは、そのままデレに投げ飛ばされる。
住宅の壁に叩きつけられるハイン。
折れていた骨が、悲鳴を上げた。
从; ∀从「あ゙ぁ゙っ……!!!! 」
414
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:47:00 ID:J0WLdglA0
(;´・_ゝ・)「ハイン! 」
(*゚ー゚)「貴方は私の相手をしてね」
ハインの元へ向おうとする盛岡だったが、いつの間にかしぃが盛岡の背後に回りこんでいた。
いつ後ろに?考える間もなく、盛岡はしぃが放った魔力の弾丸を背中に受けて吹き飛ぶ。
(;´゚_ゝ゚)「げっファっ!!」
(;´・_ゝ・)「ぐっ……そうだ。こいつらも魔力で攻撃することが出来るんだった」
(*゚ー゚)「あら、知ってるの?」
(;´・_ゝ・)「覚えてないけど、昔そんな事があった気がしてね」
(*゚ー゚)「なにそれ」
(;´・_ゝ・)「!? 」
またしても盛岡の背後を取るしぃ。
今度は気配を察知した瞬間、盛岡が大きく跳んだ。
415
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:52:40 ID:J0WLdglA0
ちょっとごm
416
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 21:55:48 ID:cHWAKcM.0
ハゲを侮っていたつもりは毛頭ありませんが
このハゲはすごいなあ
417
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:03:40 ID:J0WLdglA0
(´・_ゝ・`)「同じ手は」
(*゚ー゚)「くらうわよ」
(;´・_ゝ・)「!? 」
跳んでいるハズの盛岡の背後。
そこにいたのは、しぃだった。
爪を伸ばしたしぃが、盛岡の体を貫こうと迫り来る。
(;´・_ゝ・)「っと」
それを、盛岡は空中で体を捻ることで回避する。黒マントが少しだけ破けた。
そして振り向きざまに、しぃに目掛けて力を全力で放った。
その反動を活かして、盛岡は何とかしぃと距離を取る。
(;´・_ゝ・)「くそ、どういうマジックなんだ」
418
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:07:00 ID:J0WLdglA0
(*゚ー゚)「中々やるわね……」
(*゚ー゚)「こういうのは、どうかしら?」
盛岡の力に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられたしぃ。
しかし、大したダメージは見受けられなかった。
土煙が上がる中、しぃは魔力の弾丸を大量に作り上げる。
(´・_ゝ・`)「……」
しぃがいるであろう、土煙が舞う場所を見つめる盛岡。
この距離からなら、恐らくいつでも対応は出来る。
気をつけるのは背後だけ。気配がしたら、同じように対処すれば良いだろう。
そんな風に考えていた。
しかし
(;´・_ゝ・)「は!? 」
盛岡の周囲を、突然魔力の弾丸が囲んでいたのだ。
いつ?いつ現れた?どこから撃った?
頭の中が『?』で一杯になる盛岡に、弾丸の嵐が襲った。
(*゚ー゚)「終わりかしらね?」
419
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:11:10 ID:J0WLdglA0
────────
────
─
盛岡がしぃに苦戦していた頃、ハインとデレは互いに向き合い、一歩も動かない状況でいた。
从;゚∀从「なぁ、デレ……」
从;゚∀从「目ぇ、覚ましてくれよ」
ζ( ー *ζ
从;゚∀从「デレ……」
ζ( ー゚*ζ「ハイ、ン……ちゃん……?」
从;゚∀从「デレ!? 」
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん、だ……」
从 ゚∀从「あぁ! オレだ! オレだよデレ! 」
420
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:12:10 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん……」
从 ゚∀从「あぁ、分かるか?オレd
ζ(゚ー゚*ζ「どうして、ハインちゃんが私の前にいるの?」
从 ゚∀从「え?」
ハインに向けて、デレの魔法が襲い掛かった。
魔力の弾丸、魔力の炎、氷、雷。
そのどれもが昔、デレがこんな魔法もあるんだよと教えてくれたものだった。
从;゚∀从「やめろよ、デレ! 」
軋む体を、何とか動かして避けるハイン。
デレの方も命中率が悪かったのか、ハインは致命傷になるほどの直撃を受けることは無かった。
ζ(゚ー゚*ζ「……」
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんの夢って、なんだった?」
从 ゚∀从「夢……?」
421
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:14:30 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「お医者さん?花屋さん?郵便屋さん?」
ζ(^ー^*ζ「それとも、お嫁さんとか?」
笑顔を浮かべ、魔法を放つ。
刃のような形をした魔力が、ハインの頬を掠めた。
ζ(゚ー゚*ζ「私ね、魔法使いになりたかったの」
ζ(゚ー゚*ζ「お話に出てくるような、強くて心優しい魔法使いに」
从 ゚∀从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「ほら、町長さんが昔、本を読んでくれたじゃない?」
422
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:16:30 ID:J0WLdglA0
ζ(^ー^*ζ「空を飛んで、魔法で格好良く解決して」
ζ(゚ー゚*ζ「憧れたなぁ、すごく」
ζ(゚ー゚*ζ「でもね、なれなかった」
ζ(^ー^*ζ「私は、なれなかった」
もう一度、デレの魔法がハインに襲い掛かる。
ハインは避けない。避けれなかった。
足元の地面を、魔力の弾丸が抉った。
从 ゚∀从「魔法使い……」
423
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:17:20 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんにとっては当たり前なんだよね、魔法使いは」
ζ(゚ー゚*ζ「だから理解できないよね、私みたいな普通の人の気持ちなんて」
从 ゚∀从「……」
ζ(゚- ゚*ζ「ショックだったなぁ、絶対に魔法使いになれないって分かったときは」
ζ( - ゚*ζ「体が弱くても、一生懸命勉強もして、頑張って、頑張って頑張って頑張った」
炎の魔法が、ハインの背後で爆発を起こした。
从;゚∀从「ぐ……」
ζ( - ゚*ζ「魔法について詳しくなって、いつでも相手が出来るように魔物についても調べて」
ζ( ー *ζ「でも、その全てが無意味になったんだよ?どんなに努力をしても、魔法使いにはなれないんだもん」
424
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:18:10 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「私の努力、全部全部、ハインちゃんの為のものになっちゃった」
从;゚∀从「そ、んな……」
ハインの肩を、氷の刃が貫く。
从; ∀从「っつぅ……」
ζ(゚ー゚*ζ「バカバカしかったなぁ。悔しかったなぁ。悲しかったなぁ。辛かったなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「しかも、ハインちゃんは召還も出来るくらいに才能もあったみたいだしね」
ちらり、と盛岡達が居るほうへ視線をやる。
しぃの攻撃を、盛岡は何とかして防いでいた。
(;´・_ゝ・)「こ……っの!! 」
(*゚ー゚)「はずれ〜」
425
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:22:23 ID:J0WLdglA0
ごめんなさいちょっと投下一旦中止します
426
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:58:12 ID:J0WLdglA0
だめだ色々ともうアレだけど投下再開
427
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 22:59:00 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「でもね、私はそれでも頑張ったんだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「諦め切れなかった。今はダメでも、努力はきっと、いつか報われるんだって」
ζ(゚ー゚*ζ「そう信じてた」
从;゚∀从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「盛岡さんだって、案外誰にでも出来るものじゃないのかって言ってたよね」
ζ(゚ー゚*ζ「不思議な力を使う盛岡さんの言葉だからこそ、私は信じたよ」
ζ(゚ー゚*ζ「私も、いつか」
ζ(゚ー゚*ζ「きっと、私だけにしか出来ない特別な事。そんな事が、力が見つかるかもって」
ζ(^ー^*ζ「私、ハインちゃんの為になっても努力は続けたもん」
ζ(゚ー゚*ζ「報われるんだって、そう信じて」
从;゚∀从「デレ……」
ζ(゚ー゚*ζ「その声で私の名前を呼ばないで」
雷が、ハインの前の前に落とされる。
ζ(゚ー゚*ζ「でも、やっぱり」
ζ(゚ー゚*ζ「私は結局、普通の人間だった」
428
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:02:30 ID:J0WLdglA0
ζ(゚ー゚*ζ「ただの、少し他の事について詳しいだけの人間」
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃんの言うとおり、役立たずで足手まといで、そんな人間なの」
从;゚∀从「あ、あれは……! 」
ζ(゚ー゚*ζ「もしも魔法が使えてたら、こんな人間じゃなかったんだろうなぁ……」
ζ(゚ー゚*ζ「そんな時にね、しぃさんが私に手を差し伸ばしてくれたの」
ζ(゚ー゚*ζ「魔法使いにしてくれるって」
ζ(゚ー゚*ζ「嬉しかった。すっごく嬉かった。私も、魔法使いになれるんだって」
ζ(゚ー゚*ζ「ずっと追いかけてたハインちゃんの隣に立てるんだって」
ζ(゚ー゚*ζ「憧れてた、魔法使いになれるんだって」
ζ(゚ー゚*ζ「努力は、報われたんだって」
429
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:05:40 ID:J0WLdglA0
────────
────
─
(*゚ー゚)「あの子、いつまで時間をかけてるつもりなの……?」
(´・_ゝ・`)「余所見かい?」
(*゚ー゚)「いいえ、別に?」
(*゚ー゚) キィィィン
(´・_ゝ・`)「……」
(´・_ゝ・`)「今、何をした」
(*゚ー゚)「ちょっとね」
(*゚ー゚)「可愛い可愛い自分の子に、足りなかったのを補ってあげただけよ」
(´・_ゝ・`)(デレちゃんに魔力を送り込んだのか……?)
(;´・_ゝ・)「くそ、早く何とかしないと」
(*゚ー゚)「焦っちゃイヤよ?」
(;´・_ゝ・)「くっ……!!! 」
430
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:05:53 ID:FYElL/Jk0
支援
デレ……
431
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:08:00 ID:J0WLdglA0
────────
────
─
ζ(゚ー゚*ζ「ハインちゃん……」
从;゚∀从「……」
ζ( - ゚*ζ「ぐっ……」
从;゚∀从「!? 」
ζ( ー *ζ「アハ、あハはッ」
从;゚∀从「デレ……?」
ζ( ー *ζ「魔法が使えるってだけの、ハインちゃん」
432
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:12:10 ID:J0WLdglA0
ζ( ー *ζ「みんなから好かれる、ハインちゃん」
ζ( ー *ζ「私よりも、健康で元気なハインちゃん」
ζ( ー *ζ「アは、アハははハハハはははははハハはハはハハ!!! 」
ζ( ー *ζ「ただ運がよくて、才能を持って生まれただけなのに」
ζ( ー *ζ「私が欲しかったものを、ハインちゃんは全部全部持っている」
ζ( ー *ζ「強いて言えば、親がいないくらい」
ζ( ー *ζ「そこだけ。そこだけ私がハインちゃんに無い物を持っていた」
ζ( ー *ζ「だから今まで一緒にいられたの」
ζ( ー *ζ「でもね、やっぱり運が良いだけのハインちゃんはずるいよ」
ζ( ー *ζ「幸せそうな顔を見るたび、イラついたよ」
ζ( ー *ζ「ねぇ、ハインちゃん」
ζ(゚ー゚*ζ「もう、私の前にいないで」
ζ(゚ー゚*ζ「私は、貴方を超えるの」
433
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:15:00 ID:J0WLdglA0
デレが爪を伸ばし、一歩一歩近づいてくる。
ハインは動かない。動けない。
从;゚∀从「う、嘘だよな、デレ」
一歩一歩、ゆっくりと近づくデレ。
(;´・_ゝ・)「ハイン!! 」
(*゚ー゚)「逃げちゃダメよ」
盛岡が動こうとしないハインを助けるために、走る。
それを、しぃが邪魔するように追いかけた。
从;゚∀从「なぁ、目を覚ましてくれよ」
从; ∀从「……友達じゃ、ないのかよ」
ζ(゚ー゚*ζ「もう、違うよ」
从; ∀从「友達だろ!!! 」
434
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:18:00 ID:J0WLdglA0
从; ∀从「だって、オレに魔法を当てなかったのは、ワザとだろ?」
从;゚∀从「お前はまだ、デレのままだよ」
ζ( ー゚*ζ「……ちが、う」
ζ(゚ー゚*ζ「だから……ここで」
ζ(゚ー゚*ζ「私はハインちゃんを殺して、今までの私を捨てるの!! 」
デレの爪が、ハインを貫こうと迫った。
从; ∀从「……っ!! 」
(;´・_ゝ・)「ハイン!! 」
ドン。
盛岡が、ハインを突き飛ばした。
435
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:18:59 ID:NMxWwVwE0
あかん、話しも、気になるが、作者に何があったのかも気になる。
436
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:20:40 ID:J0WLdglA0
从 ゚∀从「ぁ……」
(´・_ゝ・`)「……」
盛岡の体を、
(*゚ー゚)「うふふ」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
しぃとデレの爪が、貫いていた。
黒マントから、血が流れ落ちる。
437
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:23:40 ID:J0WLdglA0
(;´ _ゝ )「カハッ……」
从;゚∀从「盛岡!? 」
(;´ _ゝ )「ぐぅ……!! 」
(*゚ー゚)「あら、まだ立てるの?」
(;´ _ゝ )「僕には、やるべきことがあるんでね」
(;´ _ゝ )「ハインの、願いを叶えるまでは……」
(;´ _ゝ )「ガフッ……」
盛岡が血を吐く。
それでも決して倒れはしなかった。
(;´ _ゝ )「それが、召還物だろ。ハインの願いに、応えるんだろ……」
从;゚∀从「盛岡……」
(;´ _ゝ )「それに、盛岡デミタスという……僕が」
(;´・_ゝ・)「僕が、そうしたいんだ」
盛岡が手をかざす。
見えない何かが、しぃとデレを襲う。
2人はそれを、距離をとって躱した。
(*゚ー゚)「へぇ、まだ戦う気なの?」
(;´・_ゝ・)「はは、当たり前だろ」
438
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:25:00 ID:J0WLdglA0
(;´・_ゝ・)「ハインが守りたいと願ったこの街」
(;´・_ゝ・)「ハインの力が足りない分は、僕が頑張らないと」
(*゚ー゚)「どうしてそこまで頑張れるのか、わからないわねぇ」
(;´・_ゝ・)「お前みたいなのに、分かるわけないさ」
ゆっくりと、傷口を押さえながらも立ち上がる盛岡。
息も絶え絶えに、もう一度手を振りかざした。
(*^ー^)「ホント、しぶといわね」
そんな盛岡に対し、しぃは笑顔を浮かべて答える。
直後、盛岡の影から飛び出す大量の黒い棘。
影の針とでも言うべきそれが、
(;´ _ゝ )「っ!!! 」
盛岡の体を串刺しにした。
439
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:28:10 ID:J0WLdglA0
从;゚∀从「あ……」
ハインは、動けなかった。
目の前の光景を、信じられなかった。
あの盛岡が。今までずっと、支え続けてくれた盛岡が。頼りにしてきた盛岡が。
血だらけになっている様を、信じられなかった。
(*゚ー゚)「これで終わりね」
(;´ _ゝ )「ま、だ……!!!! 」
(;゚ー゚)「!? 」
盛岡が渾身の力をもってして、力を行使する。
押しつぶされそうな力に、しぃは顔を歪めた。
(;゚ー゚)「ふ、ふふふ」
(;´ _ゝ )「どうした、笑顔を崩して」
440
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:30:10 ID:J0WLdglA0
(;゚ー゚)「うふふふ」
(;゚ー゚)「心臓を貫かれて、しかも体はズタズタなのに随分と元気じゃない」
(;゚ー゚)「その不思議な力で、堪えてるのかしら?」
(;´ _ゝ )「フゥッ……フウッ……」
(*゚ー゚)「でもね、もうおしまい」
しぃの魔力が、展開されていく。
今までよりも禍々しく、巨大なそれ。
真っ直ぐに放たれると、もう力が無いのか。
盛岡に、直撃した。
(;´ _ゝ )
盛岡が、糸が切れたかのようにして倒れた。
441
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:37:10 ID:J0WLdglA0
从;゚∀从「盛岡!!!! 」
ζ(゚ー゚*ζ「!」
ハっとし、ようやく体を動かせるようになったハインが、盛岡に駆け寄る。
しかし、デレが魔力でハインを吹き飛ばす。
从;゚∀从「ぐっ……!! 」
442
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:40:00 ID:J0WLdglA0
(*゚ー゚)「さぁて、あとはあの子を殺すだけね」
(´ _ゝ `)
(*゚ー゚)「うふふふふ」
(*゚ー゚)「貴方、中々良かったわよ」
(´ _ゝ `)
【 立て……立つのだ…… 】
443
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:41:54 ID:P0O9s.2I0
立て……ハゲ……!
444
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:43:47 ID:d6ZPyX7Q0
たて・・・立て・・・!・・・立つんだハゲ!
445
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:45:00 ID:J0WLdglA0
(´ _ゝ `)
【 ……思い出せ……思い出すのだ……我よ 】
(´ _ゝ `)
【 本当の我を……本当の力を……本当の姿を…… 】
【 …守りたいものを、守るのだ。我よ… 】
(´ _ゝ `)(この……声、は……)
446
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:46:14 ID:P0O9s.2I0
思い出せ……守れ……ハゲ……!
447
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:47:22 ID:1Om/NImEO
ハゲ……!!!
448
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:50:40 ID:J0WLdglA0
【 我は汝。汝は我 】
【 少女の思いに応える為に、我は力を貸そうとしたのだろう 】
(´・_ゝ `)「そうだ……僕は……」
【 そのような姿となってしまったが、本当の自分を今こそ取り戻すのだ 】
(´・_ゝ `)「……ちが、う」
(´・_ゝ・`)「まる、で……今の僕を、偽者みたいに言う……な」
【 ………… 】
(´・_ゝ・`)「盛岡デミタスも、本物の自分の一つなんだ」
449
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:50:45 ID:OPeRJqygO
ハゲ……ハゲ……!
450
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:53:10 ID:J0WLdglA0
(´・_ゝ・`)「あの子との日々は、本物だったんだ」
(´・_ゝ・`)「ハインの願いに、僕は応える」
(´・_ゝ・`)「僕は、守りたいんだ」
【 ……あぁ、そうだな。そうだ。守るのだろう 】
【 あの子の願いも、あの子の事も 】
【 ……思い出したか?我よ 】
(´・_ゝ・`)「あぁ、思い出した。お前は、僕だ」
(´・_ゝ・`)「召還に失敗して、それで出たのが僕」
【 そう、もう一人の我だ 】
451
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:57:00 ID:J0WLdglA0
【 では行こう。盛岡デミタス。もう一つの、本物の我よ 】
【 小さき者の、祈りを。願いを、叶えに 】
【 汝と我はそれに応えるべく、現れたのだろう? 】
(´・_ゝ・`)「……」
【 我が力を与えよう。我は力の求道者。もう一つの、我なり 】
(´・_ゝ・`)「あぁ。僕は、盛岡デミタス。そして────
( ФωФ)『湖の条件はいくつかあって、色々なものが伝えられてるのであるよ。例えば思いの強さや力なんかである』
( ФωФ)『その中でも私が一番変わってるな、と思った条件があるのであるよ』
( ФωФ)『それはな』
( ФωФ)『三月であること、だそうである』
(´・_ゝ・`)「ハインの願いに応える者だ」
452
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:58:30 ID:J0WLdglA0
.
453
:
名も無きAAのようです
:2013/02/28(木) 23:59:01 ID:P0O9s.2I0
これは王道だが燃える展開
454
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:00:00 ID:HFI077vA0
世 界 に 3 月 が や っ て く る
.
455
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:01:14 ID:HFI077vA0
.
456
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:02:00 ID:HFI077vA0
(´・_ゝ・`)
(メ._⊿)
457
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:04:10 ID:HFI077vA0
────────
────
─
デレに吹き飛ばされたハインは、しぃとデレの2人を相手に戦っていた。
从;゚∀从「くそっ、くそっ!! 」
倒れた盛岡。
襲ってくるデレ。
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
だが、それでも『守るんだ』という思いは揺らがなかった。
从;゚∀从「みんなを、みんなを……! 」
(*゚ー゚)「何をぶつぶつ言ってるの?」
从;゚∀从「っ……!! 」
骨が折れていても、奮闘するハイン。
しかし、それでも力及ばず倒れてしまう。
458
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:05:42 ID:HFI077vA0
(*゚ー゚)「うふふ、子供のクセに頑張ったほうよ、貴方」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
(*^ー^)「じゃあね」
しぃの魔力が、ハインに向けて放たれた。
ハインはもう、それを防ぐ力も無かった。
从; ∀从「……っ」
从; ∀从「守り、たかったなぁ……」
『ならば、我が力を貸そう』
从;゚∀从「え?」
顔を上げると、見慣れた黒マント。
だが着ている者は、見慣れない。
長い耳に白い毛、首に銀色の首輪をした、ウサギだった。
しかし、ハインにはそれが誰なのかが分かった。
(メ._⊿)「……毎回庇ってる気がするな」
从;゚∀从「も、盛……岡?」
(メ._⊿)「ハイン」
从;゚∀从「え?」
459
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:06:20 ID:PyUOpsAk0
ウサギキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
460
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:06:22 ID:HFI077vA0
我 の 拳 は 神 の 息 吹 !!
" 堕 ち た る 種 子 " を 開 花 さ せ、
秘 め た る 力 つ む ぎ 出 す !!
__
λ  ̄\_`"〜、、
从ノi )__ `"〜、、
(,,,,,,,ノ )__ `"〜、、
__ (\ ⌒`)_ `"〜、 从
ヽ__\ \\ __ ) ) (ノ
__\\_| |\ // )
从 \ ̄ > ´ ヽ|/) イ 从
)\ノ ヾ _\(_⊿ (⌒_/) / / 人,,从
、---------------(iiゝ二> `⌒ / ^) / ノ ノ )ν
`"〜、、 _/ < ^) / / (、
( `) ( y(、 L/ フ / ( ( ヽ \
) ⌒)//⌒) __> /.ヽ-、\_ フ/ ) ヽ(
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄/(ノ ノ⌒  ̄ . ̄`ヽ(___/ (___)  ̄  ̄  ̄ ̄ /(ノ ) ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/(ノ ノ⌒ 三三三三三三三三三三三三 /(ノ ノ⌒
ν⌒ 三三三三三三三三三三三三三三 /(ノ ノ⌒
三三三三三三三三三三三三三三三 ノ ノ⌒
三三三三三三三三三三三三三三三 ν⌒
三三三三三三三三三三三三三三三
美 し き 「滅びの母」 の 力 を !!!!!
461
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:06:37 ID:abUWK9Qc0
ギアスネタwww
462
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:07:10 ID:16TEUil.0
3月ウサギの安定感やべぇわwww
463
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:07:23 ID:HFI077vA0
从 ∀从「……!! 」
(メ._⊿)「守ってみせろ、ハイン」
(メ._⊿)「お前の小さな願い、我が応えよう」
从 ゚∀从「……」
不思議と、力が湧き上がるのが分かったハイン。
今なら、何でも出来る気がした。
いや、何でも出来た。
守りたいものを守れるだけの力が、今、ハインにはあった。
(メ._⊿)「あとはそれを、どう使うかはお前が決めろ」
(*゚ー゚)「な、何よ、何なのよこれは! 」
(メ._⊿)「邪魔だな、お前は」
(;゚ー゚)「きゃあああああああああ!!! 」
しぃだけを吹き飛ばすウサギ。
見えない何かに飛ばされるしぃを、ウサギは追い討ちをかけるようにして駆け出した。
从 ゚∀从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
残ったのは、ハインとデレであった。
464
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:08:30 ID:HFI077vA0
────────
────
─
(*゚ー゚)「何するのよ、貴方」
(メ._⊿)「思い出したよ、お前たちヴァンパイアロードの力」
(メ._⊿)「影の支配」
(メ._⊿)「それは影から影への移動を可能にし、影を操る能力」
(メ._⊿)「それが、お前が背後を取れていた種だ」
(*゚ー゚)「……それが分かったからって!! 」
しぃの魔力の弾丸が、何発も放たれる。
距離、速度、大きさ。
加えて、ウサギの影から針が串刺しにしようと伸びる。
回避は、不可能だった。
(*゚ー゚)「うふふ、あっけないわね」
465
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:09:33 ID:qXzU8FSIO
支援
466
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:10:43 ID:HFI077vA0
しかし
(*゚ー゚)「え?」
(メ._⊿)「ふん」
その弾丸全て、届く前に消え失せたのだ。
針もまた、見えない何かによって阻まれへし折れる。
(メ._⊿)「さぁ、後悔するが良い」
ゆっくりと、しぃに向けて手をかざした。
(メ._⊿)「ハイン、頑張れよ」
467
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:11:47 ID:HFI077vA0
────────
────
─
ハインとデレは、戦っていた。
デレは魔法を放ち、ハインがそれを拳でかき消す。
ζ(゚ー゚*ζ「こ、のぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!! 」
从 ゚∀从「ふっ!!! 」
デレが放つ巨大な魔力の弾丸を、ハインは真っ二つに叩き割る。
そのまま、割った先にいるデレに向って飛び込んだ。
ζ(゚ー゚;ζ「くっ!! 」
从 ゚∀从「もうやめろ、デレ」
手を伸ばせば届く距離。
これならどんな攻撃でも、ハインは躱せないだろう。
468
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:13:10 ID:HFI077vA0
しかし、デレは動けなかった。
ハインの目を見ることしか出来なかった。
从 ゚∀从「オレは、街を守りたいんだ」
从 ゚∀从「みんなが、大好きなんだ」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「ごめんな、デレ」
从 ゚∀从「オレ、守るからさ。みんなを」
从 ゚∀从「……守りたいんだ」
从 ∀从「……デレ」
ζ(゚ー゚;ζ「……!!! 」
何とか体を動かし、魔法を放とうとするデレ。
しかし、ハインの動きのほうが速かった。
从 ∀从
ハインの拳から、魔力の塊が放たれる。
ζ(゚ー゚*ζ「……あ」
それは、デレを包み込むようにして、飲み込んだ───────
469
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:14:45 ID:HFI077vA0
────────
────
─
ζ(゚- ゚*ζ「……あれ?」
だが、デレは無傷だった。
ζ(゚ー゚*ζ「わ、私……」
从 ゚∀从「言っただろ。守りたいものを、守るんだって」
从 ゚∀从「オレが守りたい街の中には、お前がいないとダメなんだよ」
ハインの魔力が、デレの中にあるしぃの魔力だけを吹き飛ばしていたのだ。
盛岡が以前、幽霊を〜と教えていたことの応用であった。
勿論、ウサギの力があったからこそ出来た芸当でもある。
ハインは、デレを元に戻して見せたのであった。
ζ(;д;*ζ「は、ハインちゃん……わたし、わたし……」
从 ゚∀从「良いんだよ、もう終わったんだ」
从 ゚∀从「デレは、何にも悪くねぇよ」
ζ(;д;*ζ「ハインちゃあああああぁぁぁぁぁあぁぁん!!! 」
ハインの胸に飛び込むデレを、ハインは受け止めた。
泣きじゃくるデレの頭を撫でながら、ハインはある事に気づく。
470
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:15:00 ID:qXzU8FSIO
おい
↓
13/03/01(金) 00:00:00 ID:HFI077vA0
このために時間調整しただろう
471
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:16:10 ID:16TEUil.0
>>470
今気付いたwwwwwwwクソワロタwwwwwwwwwwwwww
472
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:16:13 ID:HFI077vA0
从 ゚∀从「あ……」
霧が晴れていたのだ。
もうすっかり辺りは暗く、夜になっていた。
だから黒く、暗い霧が晴れていたことに気づくのが遅れたのだろう。
雲に隠れていた月が、顔を出した。
从 ゚∀从「……」
丸くて、大きくて、綺麗な月だった。
暖かい風が、ハインの頭を撫でるようにして通り過ぎる。
盛岡の撫で方に、似ていた。
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「……あー」
从 ゚∀从「そ、っか」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「盛岡、もう……」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「願い事、叶ったよ」
从 ゚∀从「守れたよ、オレ」
街には、黄色いシスラナの花が咲いていた。
その隣には、銀色の首輪が一つ、落ちていた。
从 ∀从「ありがとな」
ぽつりと呟いた声は、風に乗ってどこかへと、飛んでいった──────。
473
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:17:28 ID:HFI077vA0
────────
────
─
いつかの時代のどこかの国。
しかし、蒸し暑い夜の事だった。
(;∀ ;)「くそ!! くそ!!!! 魔物め!! お母さんをよくも!!! 」
薄暗い路地裏で、少年が一人泣いていた。
そこに忍び寄る、一つの影。
(;∀ ;)「!!! 」
少年が顔を上げると、手が差し伸べられた。
逆光で顔は見えなかったが、とても優しい声だった。
474
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:18:18 ID:HFI077vA0
「大丈夫かい?」
声からして、それは男だった。
(;∀ ;)「……」
少年は手を取った。
男の頭が、光を反射して輝いた。
それを見て、少年は思わず笑った。
从 ゚∀从魔法使いとハゲのようです 完
475
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:20:58 ID:HFI077vA0
おわりゃ。
凄い突貫作業だったけど、やりたいことはやれたので満足。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。お疲れ様でした。
>>470
当たり前じゃないですかー。
若干先走って投下しちゃったので調整するのも大変だったし、
他にも色々あって3月ピッタリに出来ないと思いました。良かった。
476
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:23:29 ID:PyUOpsAk0
乙!
ウサギは読めんかったな
477
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:23:51 ID:L5D4OIAAO
乙乙
面白かった!
478
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:28:52 ID:abUWK9Qc0
おつ
面白かったよー
479
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:29:57 ID:HFI077vA0
あと最後に、誰のでもおkという事だったので
『この盛岡デミタスには夢がある』を消化させていただきました。
ついでに宣伝。
『( ^ω^)は主人公系男子のようです』
『バレンタインだからってどいつもこいつも浮かれてんじゃねーぞ』
『( ^ω^)とこたつのある部屋』
も良かったら見てやってください。俺が喜ぶ。
栄々高校?うん、書くよ。書く。書きます。
480
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:31:52 ID:hF4s5ZKQ0
よかった、面白かったよ
481
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:36:33 ID:TNmS4kZk0
乙おつ
おまえかwwww
482
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:41:13 ID:qXzU8FSIO
>>479
三作とも過去ログ送り依頼してるじゃねえかよ
今はまだ残ってるけど、俺は既読だからいいけど
もしもしから過去ログ読むのはめんどいんだぞ
483
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 00:43:22 ID:OYlaud2s0
乙
484
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 01:09:08 ID:3.LC7KYU0
最近のヒット作だよ。楽しかった
485
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 02:13:15 ID:hX7gBdQM0
バレンタインのかwwww
とても面白かった、乙
486
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 05:07:08 ID:W.xe9sOA0
乙でした!!!
487
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 06:12:40 ID:un.z3fWc0
AA高校の人か、大好きだわ!
にしても召還の下りといいお題の誤字といい、書き込みが大型AAでことごとく消化されて役得だったわww
最高に乙!
488
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 08:36:34 ID:1WUTanm2O
おつ!おもろかったよ
しかし、デミそこの人かと思ってたぜ。
489
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 11:53:20 ID:CwSUMiqY0
乙!!
投下の勢いもギャグネタの勢いも良くて面白かった!
あんたの他の作品も好きだ。
490
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 15:07:04 ID:7BAxPMrQ0
こたっつの人か、いつぞやはデブマミ貼って楽しかったぞ
491
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 16:16:44 ID:yXF82ElAO
そうか、実は俺も3月ウサギだったのか…
492
:
<^ω^;削除>
:<^ω^;削除>
<^ω^;削除>
493
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 21:47:26 ID:P3irqt060
このための時間稼ぎか
楽しかった!!
494
:
名も無きAAのようです
:2013/03/01(金) 22:41:27 ID:16TEUil.0
>>491
ハゲ乙……(´;ω;`)ウッ
495
:
名も無きAAのようです
:2013/03/02(土) 09:39:49 ID:wFOmPsDg0
乙!
毎日楽しみにしてたから、寂しくなるなー…
496
:
名も無きAAのようです
:2013/03/03(日) 00:06:49 ID:4rdEXjyE0
>>482
ご、ごめん。完結して1週間は経ったし、過去ログ申請しないとダメだと思って。
携帯の人ごめんね。面倒だなんて知らなかったんだ・・・
あと投下中、心配してくれた人ありがとう。
一応、時間調整以外にも本当にリアルでちょっと色々あって投下中止しちゃってたんだよ。
半分ながらってのもあったし。心配してくれてた人、本当にありがとう。そしてごめんね。
497
:
名も無きAAのようです
:2013/03/07(木) 16:30:04 ID:kc.fg9fkO
他人への配慮が悪いとは言わないけど最終的には作者の裁量次第でいいでしょ
fileseekを使えば見られないこともないから特に害はない
強いて言うならそのスレに乙が書けなくなるってことぐらいか
ともかく乙
498
:
名も無きAAのようです
:2013/03/08(金) 15:49:10 ID:G1SXnCHM0
何気に召還を貫いてるのなwww
地味に意味としてもあってるのかな。こっちの世界の英雄がハゲ?っぽいし
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