[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
( ´_ゝ`)どうあがいても絶望のようです(´<_` )
461
:
◆SSG/N3UK92
:2013/04/26(金) 23:56:04 ID:yP5i2NcQ0
あにじゃー? 冷めちゃうのじゃー!>
∧_∧
( ´_>`) ああ、今行くよ妹者ー。
/ ⌒i
∧_∧ / | |
(ill / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
462
:
◆SSG/N3UK92
:2013/04/26(金) 23:56:54 ID:yP5i2NcQ0
∧_∧
(´<_` ) ……ま、許してくれとは言わないさ……。
/ ⌒i
∧_∧ / | |
(ill / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
463
:
◆SSG/N3UK92
:2013/04/26(金) 23:58:50 ID:yP5i2NcQ0
お、美味しいよ妹j……ゴブッ!!!>
ち、ちっちゃい兄者? ちっちゃい兄者ぁー!!!!>
∧_∧
(ill / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /
\/____/
464
:
◆SSG/N3UK92
:2013/04/26(金) 23:59:59 ID:yP5i2NcQ0
ピーポーピーポーピーポー...>
∧_∧
(ill / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /
\/____/
〜終〜
465
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:02:13 ID:zdcSlY7w0
弟者、良い奴だったよ…
466
:
◆SSG/N3UK92
:2013/04/27(土) 00:04:43 ID:ML6DUVUY0
| |
| .ゞ;ゞヾ;ゞ
| l , .ゞヾゞ;ゞ, .ゞヾゞ;ゞ
lj .ゞ;ゞヾ;ゞゞ.ゞ;ゞヾ;ゞゞ;
; ; ; ; ヾゞ ;ゞヽ,.ヾゞ ;ゞヽ,.ゞ
_,..-'''"~""''' ‐- ...,,___,,..-‐''~""''' ‐-~""''' ‐- ...,,__'''""~ , .ゞヾゞ;ゞ, .ゞヾゞ;ゞ.ゞ;ゞヾ;ゞゞ
: : : : : : : : ;: : : : : : : : : : ;: : : : : : : : : : : ; .ゞ;ゞヾ;ゞゞ;.ゞ;ゞヾ;ゞゞヾゞ , .ゞ
l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾゞ ;ゞヽ,.ヾゞ ;ゞヽ,, .ゞヾ.ゞ;ゞ
: : : : : : : : l : : : : : : : |.ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ .ゞ;ゞヾヾゞ
l : : : : | | , .ゞヾゞ;ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,;゙ヾゞ ;ゞヽ,.
| | ゞ ゞゞ;ゞ , .ゞヾゞ;ゞ ゞ
ゞ;ゞ ;ゞヽ,.ゞ:,.ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ゞゞ;ゞ
| l ,.ゞ:,,ヾ.ゞヾゞ;ゞヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾヽ,.ゞ:
| | ゙i.ゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ ,,r'゙i_(: :::;;;iii ゙, .ゞ
| | ヾゞ ;ゞヽ,.ゞ:,,ヾ ゙i:;|: ::;;;;iiii .ゞ;
r‐, l ゙ィッ ゙i:| : :::;;;;iiii| ヾゞ
┌┘└┐ |:: :::::;;;;iii|
 ̄| | ̄ |: :::;;;;;;iiii|
| | , -,‐='= 、 |: :::;;;;;iii;i|,
,,;'"゛~゛';, /_/ / | \ |:: :::;;;;iii,ii|
,.;: ;: " ゛:; :;、 7⌒)`‐-、〉 |: :_ _;;ii;iii|,
(' ) |::.::(,,,);;iiii|
|_i、__,> `|:~~~;;;;ii;ii|
しし |:: :: ::;;i;ii;ii|
|::: :::;;::;iii;;ii|
..,.,,,..,.,,,〜...、.....、..,、ヘヘ;:;;i:i;:;;i:ii;;iiMi
――――彼の墓標、その碑文にはこう刻まれている。
『今回の投下は以上だ。縁があったらまた会おう』、と。
467
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:06:23 ID:zFCyR9Lk0
乙!
惜しい人をなくしてしまった…
468
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:09:03 ID:2l5U/XhI0
乙
おもしろかった
469
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:09:42 ID:S.CMgYhI0
/ / /
/ . /
. ./ .
/ / これは弟者の墓だよ
_____
゙" "''" "゙" ゙"/::ヽ_____ヾ" 流石家の優秀な次男だったよ
゙" ゙" " ゙"'' ゙" |ヽ/:: ヾ''"
゙" ゙'" "゙" ゙" .|: |:::. Sasuga | ゙ "
゙" ゙ ゙" ゙"'' |: l: Otoja |
゙" ゙ ゙" ゙"'' |:: l:.. |
゙" ゙" "゙" ゙"|: :|:. Death by | ''゙"
゙" ゙" ゙""'"Wv,_|:: l: over work |、w"゙"
゙" ゙"''" ".wWWlヽ::'ヽ|::::::_::_______:.|::\W/ ゙"゙''"
"'' ゙"''"゙" V/Wヽ`―――――――――lV/W "'
゙""' ゙"''" "゙"w''―――――――w' ゙"゙''"
470
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:15:27 ID:hjE4w0EU0
弟者が死んだwwww
おつおつ!
471
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:15:54 ID:P4tf9wzg0
感動した
乙
472
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 00:40:27 ID:Wf2oIJzE0
これで完結なんじゃねって思って一瞬焦ってた
乙。安定して面白い
473
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 11:52:53 ID:PPP5kS8M0
過労死なのかよww
474
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 11:56:45 ID:BS45WCTc0
素直に食中毒とか書いたら妹者が罪の意識に苛まれるからな
過労死扱いなのは流石兄弟の優しさなんだよ…
475
:
名も無きAAのようです
:2013/04/27(土) 18:54:56 ID:LELvw7SU0
\ OK。 ! ″ \, ヽ、
.゙| ついにきたか |/ ヽ
| /゙` '
.| / 撿- l
.| | ./ | |
:| :| .,,ノ │
| ._ │ \ ,l゙
| /`ヽ, |. ___ ,i°
ヽ ,i´ 丶 ヽ_ _,,,-r'''''゙ ̄ ̄ ̄'丶
丶 ./~'ヽ: 、 | \,,, _,,r‐'"` `ヽ、
'、 ,←┘ ヽ I │ ゙''--、,,,,,,.,-・'″ 丶
丶.._,r ヽ │| |_ _,,,撿'''″ ヽ
.\ 丶 ゙l | " ̄ │ ._,,,撿'''゙^ |
\ 'ヽ | `ー-_-,┴″ |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
\_,, 撿 ''  ̄ │
`゙''-、
ヽ 流石だよな俺ら。
ヽ
.,. .\ |
/ \ |
ヽ |
/ ,,_上,,,_
.,r″ `゚''¬撿撿撿撿---------- __
---‐ ,,,/ .,,,,-・'"` : `゚¬--、
-,,,,_、 .,,,,,,--''″ .,,,r‐'"` ゙゚'ヽ、
` ̄"'''¬撿一'''''',ニア゛ _,,-‐″ ヽ
/ .,rヘr,,_ ._, --'''" |
476
:
名も無きAAのようです
:2013/04/28(日) 23:15:17 ID:X4QQPB0o0
弟者よ。安らかに眠ってくれ。
過ちは繰り返しませぬから。
477
:
名も無きAAのようです
:2013/05/15(水) 14:43:57 ID:q121uF0o0
まだかなまだかな
478
:
名も無きAAのようです
:2013/05/26(日) 14:20:25 ID:cjTzlEKU0
コウシンマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
479
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/06(木) 03:08:59 ID:vuPfLdYk0
数日中に最終話投下します
480
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 04:08:37 ID:Z3kXC6As0
キター
481
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 08:44:50 ID:NbJqyET.0
最終話!?
482
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 09:37:40 ID:xis980Ds0
弟者の死後の物語か
483
:
名も無きAAのようです
:2013/06/06(木) 11:38:59 ID:TupVyQ.s0
期待
484
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 15:50:04 ID:D2ceNYCQ0
最終回期待
485
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:07:58 ID:CynjgAA60
『しかし、君、誤解してはいけない。
僕は決して、絶望の末の虚無みたいなものになっているわけではない。
船の出帆は、それはどんな性質な出帆であっても、必ず何かしらの幽かな期待を感じさせるものだ。
それは大昔から変りのない人間性の一つだ。
君はギリシャ神話のパンドラの匣という物語をご存じだろう。
あけてはならぬ匣をあけたばかりに、病苦、悲哀、嫉妬、貪慾、猜疑、陰険、飢餓、憎悪など、
あらゆる不吉の虫が這い出し、空を覆ってぶんぶん飛び廻り、それ以来、人間は永遠に不幸に悶えなければならなくなったが、
しかし、その匣の隅に、けし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに「希望」という字が書かれていたという話。』
《太宰治 『パンドラの匣』》
486
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:09:29 ID:C9pouzPU0
来たか
487
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:09:57 ID:CynjgAA60
――――なるほどな。
つまりハイゼンベルクの『不確定性原理』によって
『ラプラスの魔』の存在は完全に否定されてしまった訳だな?
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) そういうことだな。
( ´_ゝ) / ⌒i この世界の支配者が力学的ベクトルに規定される決定論から
/ \ | | 『確率』、すなわち『可能性』に変わった瞬間、と言ってもいい。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
488
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:11:37 ID:CynjgAA60
ふむ。
要するに20世紀初頭の種々の科学的発見はミクロとマクロ双方から起こった
17世紀科学革命以来のパラダイム・シフトであったと。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) ああ、つまりアインシュタインの相対性理論と
( ´_ゝ`) / ⌒i 量子論から成る新しい物理学がだな……っ。
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
489
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:12:51 ID:CynjgAA60
……? どうした弟者?
∧_∧
∧_∧ ( <_ ) ……………。
( ´_ゝ) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
490
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:12:54 ID:PaxSoDcM0
支援
491
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:14:11 ID:CynjgAA60
お、おい? 弟者! 弟者!!
∧
∧_∧ (:::::::::::・*:.。. .。.:*・゚゚・*:
( ; ´_ゝ) /:::::::::::::::i
/ \ :::::::::::::|::::|
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/::::|
__(__ニつ/ FMV /:::|:::|____
\/ / (u ⊃
492
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:16:00 ID:CynjgAA60
――――弟者……ッ!!
ll∧_∧ll ガバッ
ll( ; ゚_ゝ゚)そ
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
493
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:16:55 ID:CynjgAA60
おと……。
∧_∧ ゼェ、ゼェ...
(; ´_ゝ`)o。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
494
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:18:23 ID:CynjgAA60
…………夢、か……。
∧_∧
(; ´_ゝ`)o。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
495
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:20:01 ID:CynjgAA60
…………そうか。そうだよな。
は、はは……馬鹿みたいだよな、俺。
弟者がいるわけないじゃないか。
∧_∧
( _ゝ )
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
496
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:21:50 ID:CynjgAA60
だって、弟者は…………。
∧_∧
( _ゝ )
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
497
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:23:12 ID:CynjgAA60
…………もう、死んだんだから。
.
498
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:23:52 ID:PaxSoDcM0
おい まじかよ
499
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:24:03 ID:.M8cnpYQ0
お、おい
500
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:25:44 ID:CynjgAA60
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
弟者が死んでから、もう一ヶ月ほどが経つ。
だけど俺は、そのショックからまったく抜け出せずにいた。
501
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:26:27 ID:bk7HkDog0
>>482
502
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:27:46 ID:CynjgAA60
弟者が死んだのは、妹者の手料理を食べたあの夜だった。
別に、妹者の手料理で死んだわけじゃない。
あの夜、料理を食べて泡吹きながらひっくり返った弟者は、妹者があわてて呼んだ救急車で病院に搬送されていった。
顔色はガミラス星人顔負けの尋常でない色になってはいるものの特に後遺症の心配などがあるわけでもなかったらしい。
数日安静にしていれば全快すると車内の救急隊員の人から十数分後に連絡があったそうだ。
ひとまず胸をなでおろした妹者は、弟者曰く『自室で疲れて眠りこけて』いたらしい俺を起こしにいった。
弟者の乗った救急車が搬送先の病院まであと数百メートルというところの交差点で
大型トラックに追突されたのは、その少し後のことだった。
『流石弟者さんの乗った救急車が、交通事故に巻き込まれました。
ご家族様はすぐにVIP大学付属病院救急医療センターまで来てください』
( ´_ゝ`)】「…………えっ?」
妹者に叩き起こされた俺がその事故の一報を受けたのは、
妹者から弟者が病院に搬送された旨を聞いて病院までの交通手段を調べているときだった。
503
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:29:24 ID:CynjgAA60
頭がまっ白になった。
月並みな表現だが、本当にそうとしか言えない。
膝が笑い、手先が震え、まともな論理的思考能力が丸ごと吹き飛んだ。
それでも、体だけは迅速に行動した。
それは思考というよりも、ほとんど本能といったほうが近いかもしれない。
財布と携帯をポケットにねじ込むと、妹者の手をつかんで家を飛び出した。
大通りを走るタクシーを捕まえて、目的地だけを告げるとすぐさま車内から家族に携帯で連絡を入れた。
病院までは車で30分ほど。
永遠のように長かった気もするが、一瞬にも満たないほどの時間だった気もする。
妹者は今なにが起きているのかもよく理解できていなかっただろう。
ただ、いま進んでいる事態が好ましい出来事とは限りなく遠いのであろうことは肌で感じていたようだった。
l从・−・;ノ!リ人「…………」
隣に座るまだ幼い俺達の妹は、ぎゅっと口を一文字に結び、今にもこぼれそうな涙を必死でこらえていた。
病院の正面玄関前の車回しに到着する。
タクシーの運転手に押しつけるように数枚の紙幣を渡し、釣り銭は要らない旨を告げ、正面玄関から受付窓口横のロビーに飛び込んだ。
504
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:30:32 ID:CP5Et9hk0
嘘だと言ってよバーニィ…
505
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:31:15 ID:CynjgAA60
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)
∬´_ゝ`)
ほとんど人のいない薄暗いロビーの隅。
避難誘導灯の光だけがやたらと眩しい、窓と観葉植物に挟まれた一角に父者と姉者はいた。
( ・∀・)
二人は白衣を着た医師らしき人物と話をしていた。
どうやら母者はまだ着いていないらしい。
医師の表情は暗かった。
そのことが、喉に詰まるような不安感をさらに駆り立てる。
(;´_ゝ`)「おと……ッ!! ……弟者は!!?」
荒い呼吸とまとまらない思考をなんとか落ち着かせようと努力しながら、必死で言葉を出力した。
506
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:33:03 ID:CynjgAA60
俺の言葉に中年二歩手前くらいのまだ若い医師はこちらに首を向けると、
悪事のばれた子供のような、ばつの悪そうな表情を作った。
( ・∀・)「……まだ、お母様は到着していないようですが。――先に、お会いになりますか?」
意味がわからなかった。
『先に』? 『お会いに』?
何故母者がいないとまずいのか?
いや、そもそも。なんで照明の消えたロビーの端っこの一角なんかで彼らは話している?
ドラマなんかでの知識しかないが、こういうのは治療が行われている治療室かなにかの前で話をするものじゃないのか?
それとも事故に巻き込まれたと言ってもほんのかすり傷程度の軽いケガで、ほとんど治療の必要がないとか?
だが、それならまず本人の病室とかに行くはずでは?
入院生活で退屈を持て余している中でのサプライズお見舞いじゃあるまいに、わざわざ母者の到着を待つ理由は?
( _ゝ )「……どこだ」
気が付けば俺は、その医師の襟元を掴んでいた。
(#´_ゝ`)「弟者はどこだっ!!」
507
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:34:19 ID:0nRJwSRU0
支援
508
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:35:16 ID:CynjgAA60
案内されたのは、ロビーからしばらく廊下を歩いた先の、どん詰まりになっている最奥の部屋だった。
重苦しい金属製のドアに『処置室』とだけ書かれた簡素なプラスチックのプレートが付けられていた。
ドアを開けて蛍光灯の白っぽい光で照らされた部屋に入ると、まず薄緑色をしたカーテンの仕切りがあった。
カーテンの右手にはスチール製の小さな机。その上には弟者が使っていたお気に入りの鞄が置かれていた。
鞄の隅には、わずかに赤黒い何かが付着していた。
(;´_ゝ`)「…………」
震える脚で、ゆっくりと仕切りの奥へと進む。
そこにあったのは病室に普通にあるようなパイプのベッドではなかった。オフィステーブルにも似た、単なるキャスター付きの台だった。
そして、その台の上には。
厚手のビニールか合成ゴムで出来た、黒い『袋』。
(; _ゝ )「……嘘……だよな?」
その『袋』を目にした瞬間。
呼吸が、時間が、世界の全てが止まった気がした。
.
509
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:37:20 ID:CynjgAA60
後ろから父者たちが入ってくる音がした。
『袋』を目にし、ひっ、と怯えるように息を呑んだのは姉者だろうか。
やや遅れて、一緒にさっきの医者もやってきたらしい。
( ・∀・)「……流石、弟者さんです」
沈痛そうな口ぶりで、この『袋』の『中身』を告げた。
俺も、父者も、誰も返答の言葉を発することが出来なかった。
姉者と妹者はただしゃくり上げるような嗚咽だけを漏らしていた。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……弟者の顔は、見られないのですか?」
しばらくの沈黙の後、そう尋ねたのは父者だった。
普段家族からさんざん「威厳がない」だの「頼りない」だの言われている人物だとは思えない、冷静な口調だった。
510
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:39:03 ID:CynjgAA60
( ・∀・)「……正直に申し上げて、ご遺体の損傷度合からお勧めは出来かねます」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「絶対に不可能なのですか」
( ・∀・)「それをご承知の上で、ご遺族が希望なされば」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……そうですか。……姉者。妹者を連れて外に出てなさい。兄者、お前はどうする」
( _ゝ )「俺は……」
( ´_ゝ`)「……ここにいるよ」
∬´_ゝ`)「……わかったわ。じゃあ妹者、行きましょ。こっちよ」
l从 ∀ ノ!リ人「あにじゃ……」
そんな呟きだけを残し、妹者は姉者に手を引かれて部屋を出ていった。
511
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:41:20 ID:CynjgAA60
ドアがしっかり閉められたのを確認すると、白衣を着た医師はこちらに向き直った。
( ・∀・)「もう一度確認しますが、ご遺体の損傷はかなり激しいです。それでも、ご覧になるのですね」
丁寧な口調ながらも、やや語気を強めて尋ねる。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「はい」
( ´_ゝ`)「……あぁ」
( ・∀・)「……わかりました」
俺たちの言葉に浅く頷くと、医師は『袋』の上部についていたファスナーをゆっくり数十センチ引き下げた。
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「…………ッ!!」
父者の顔が引きつる。
袋の口が開いたその瞬間、むわっと、むせ返るほどの血のにおいがした。
512
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:43:08 ID:CynjgAA60
( <_ )
弟者の頭から胴体にかけてくらいが露わになる。
それは、俺の知ってる弟の姿をしてはいなかった。
そいつには、左肩から先の腕がまるごと無かった。消えた部分には鎖骨らしきぬらぬらした白い棒が飛び出していた。
そいつの右まぶたはへこんでいた。まるで、その内側に収まってべき球体がどこかへ飛び出していってしまったように。
そいつは、かじられたリンゴかなにかのように、頭の一部が欠けていた。
この灰色のブヨブヨしたなにかは、かつてそいつの思考や記憶を司っていた部位ではないだろうか。
513
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:45:40 ID:CynjgAA60
(; _ゝ )「あ、あ、ああぁあぁっぁぁああぁ、」
いま自分がどんな表情をしているのかわからない。
(; _ゝ )「あああ、ぁああぁぁああああああああ」
いま自分の躰がどんな状態になっているのかわからない。
わからない。わからない。わからない。わから
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
そこで、俺の意識は途切れた。
514
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 22:46:27 ID:C9pouzPU0
支援
ここに来てまさかのタイトル通りの現状
515
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:47:04 ID:CynjgAA60
そこからの記憶は曖昧にしか残っていない。
目を覚ましたときには俺はロビーの長椅子に寝かされてて、そばには姉者と妹者がいた。
父者もさっきまでいたのだが、先程ようやく母者が着いたので一緒に弟者の所に行っているとのことだった。
少ししてロビーに戻ってきた母者は、いつもとあまり変わらない表情に見えた。
ただ一点。目の端から頬にかけてなにかの跡が伝い、非常口の鈍い光を淡く照り返していた以外は。
516
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:49:04 ID:CynjgAA60
弟者の通夜と葬式はそれから数日経って行われた。
俺や弟者の友人たちなどたくさんの人が訪れ、各々が弟者の冥福を祈ってくれた。
从 ゚∀从「あ……兄者。この度は……その……俺も、残念だよ」
_
( ゚∀゚)「……おう、兄者。気にするな、って言っても無理だろうが……まぁ、なにかあったら俺たちにもいつでも言ってくれ。出来る限りのことはするからよ」
その中には泣きすらせずただ下を向いて俯くだけの俺に声をかけてくれた人もいた。
そんな彼ら彼女らに俺がなんと言って返したのか、ほとんど覚えていないが、
从 -从、
彼らと別れるときの表情を見た限り、あまり気の利いた言葉を返すことは出来なかったらしい。
517
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:51:06 ID:CynjgAA60
葬式までが終わり、火葬場へと移動することになった。
家族や親戚の立ち会いのもと、単調な機械音とともに台車に乗せられた木製の棺が炉の中に収められていく。
姉者や妹者の泣く声だけが機械音に混じって部屋に響いていた。
焼却が終わるまでの間は待合室で待つように言われた。
しばらくは待合室の長椅子に座っていたが、どうも落ち着かなかった。
今この瞬間、自分の双子の弟が炎に包まれている。そう考えると心臓がしぼられるように痛んだ。
518
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:53:00 ID:CynjgAA60
気分転換に建物の外へ出た。
雲ひとつ無い、晴れやかな青空が頭上いっぱいに広がっていた。
その青い空に突き出た薄汚れた火葬場の煙突から、わずかに揺らめく白い煙が一筋昇っていた。
( ´_ゝ`)「あぁ、あれが……弟者なのか」
煙突の先から出た煙は、ゆっくり空へと昇りながら大気と混じり、陽炎のように消えていく。
それは、弟者がかたちを無くして空と大地に還っていくようにも見えた。
( _ゝ )「なぁ、弟者。なんで……」
( ;_ゝ;)「なんで、俺を置いていっちまったんだ?」
そのとき。
あの夜以降、俺ははじめて涙を流した。
.
519
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:55:02 ID:CynjgAA60
何もする気が起きなくなった。
この一ヶ月あまり、外に出たのは片手で数えられるほどしかない。
自室にこもり、電源の入ってないPCの画面だけを見つめる毎日。
父者と姉者は仕事に復帰していた。
「なにかしていたほうが気が紛れるから」――――姉者はそう言っていた。
母者はいつも通りに見えた。
時折、ひとりになるとぼうっと弟者の写真を見ていることはあったが、家族の前では努めて普段通りに振舞っているようだった。
妹者はしばらくの間部屋にこもっていたが、最近は再び学校へも通い始めた。
本当にたまにだが、笑顔も見せるようになった。そしてそれはこの先少しずつ増えていくのだろう。
俺が、俺だけが、ただずるずると自分の心の泥の中でうずくまったままだった。
.
520
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:56:38 ID:CynjgAA60
――なぁ、弟者。俺そろそろ
政界に進出しようと思うんだ。
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
521
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 22:58:00 ID:CynjgAA60
……おい、なんとか言えよ。
いつもみたいに馬鹿みたいなツッコミしてくれよ。
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
522
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:00:00 ID:CynjgAA60
「ハハハ。で、そりゃなんて漫画の影響だ?」とか!
「どうした、ついに脳ミソが豆腐に変わったか」とか!
なんでもいいから! 答えてくれよ!!
∧_∧
( ;_ゝ;)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
523
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:01:33 ID:CynjgAA60
くそっ……、なんで……
なんで、こんな……。
::∧_∧::
::( ∩ゝ∩)::
// / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ / FMV /______
\/____/
524
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:03:01 ID:CynjgAA60
う、うぅぅっ……あぁ……。
::∧_∧::
::( ∩ゝ∩)::
// / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ / FMV /______
\/____/
525
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:05:00 ID:CynjgAA60
――――ねぇ。流石弟者に逢いたいかい?
.
526
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:06:55 ID:CynjgAA60
……っ!? だ、誰だ!?
∧_∧
(; ;_ゝ;)そ
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
527
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:08:07 ID:CynjgAA60
・ ・
ひどいなぁ。また、忘れちゃったの?
.
528
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:09:35 ID:b8Q/RveI0
支援
529
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:09:40 ID:CynjgAA60
おい、どこだ!
お前は誰だ!?
∧_∧ キョロキョロ
⊂( ; ´_ゝ)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
530
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:11:26 ID:CynjgAA60
まぁ、それに関してはとりあえずいいや。
どこに居るか、だって?
面白いことを訊くね、『流石兄者』。
僕は君のすぐそばにいるのに。
.
531
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:12:37 ID:CynjgAA60
……すぐ、そば?
∧_∧
( ; ´_ゝ)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
__(__ニつ/ FMV /______
\/____/
532
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:13:15 ID:bk7HkDog0
FMVが喋った!!
533
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:14:15 ID:CynjgAA60
そう、すぐそばだよ。
例えば――――。
.
534
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:14:42 ID:C9pouzPU0
あいつ万能だな
535
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:15:52 ID:xLHcgvg60
す…あいつだろうなぁ
536
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:16:25 ID:CynjgAA60
――――君の真後ろ、とか。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`)そ …………!?
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
537
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:17:19 ID:CAOWl/bs0
最終話で末者再登場キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
538
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:18:44 ID:CynjgAA60
ああ、そのまま前を向いてて。
今日は別に『思い出して』もらうのが目的じゃない。
僕の話を聞いてほしくて、ここまで出てきたんだ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……話だって?
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
539
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:20:30 ID:CynjgAA60
そう。さっきも言った通りのことだよ。
流石弟者にもう一度逢いたいか、って話さ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`)そ !!
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
540
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:22:11 ID:CynjgAA60
君のこの一ヶ月あまりの様子、僕は陰ながらだけどずっと見てきた。
点いてもないPCの画面を朝から晩までじっと眺めて終える日々。
『他人事』とはいえ、とても見れたものじゃなかったよ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) …………。
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
541
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:24:04 ID:CynjgAA60
言うまでもなく、君がそうなった原因は流石弟者の死だ。
そして僕はそれを『解決出来る方法』を知っている。
だからこうして君の前に現れたんだ。……おっと、君の『後ろ』かな。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……解決出来る方法?
/ \ それは、つまり……。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
542
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:26:11 ID:CynjgAA60
そうだね。端的に言えば、
『流石弟者を生き返らせる方法』だ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) !!
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
543
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:27:48 ID:CynjgAA60
もっとも、より正確に言えば
『死ななかったことにする方法』かな。
まぁ別にどちらでも大差はないだろう?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し( ; _ゝ ) ……あり得ない。
/ \ 弟者は死んだんだ。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
544
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:29:54 ID:CynjgAA60
確かに、およそ常識の埒外にあるハナシなことは否定しないよ。
でもひとまず僕の話を全て聞いてくれないかな、流石兄者。
信じる信じないを決めるのはそれからでも遅くはないだろ?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) …………。
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
545
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:31:16 ID:CynjgAA60
さて、まずはどこから話せばいいかな。
そうだな……、『二重スリット実験』って知っているかい?
量子力学をかじった人なら誰でも知っている有名な実験だ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧ スリット
し(; ´_ゝ`) ……2つの格子と電子を使った実験だな。
/ \ コペンハーゲン解釈とかエヴェレット解釈なんかの。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
546
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:33:14 ID:CynjgAA60
うん、エヴェレット解釈を知っているなら話は早い。この解釈は簡単に要約すれば
『この世界の現実はいくつもの可能性の中のほんのひとつにすぎない』、とでも言えるかな。
厳密にはちょっと違うのだけど。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……その量子力学の実験が弟者とどう関係するんだ?
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
547
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:34:37 ID:CynjgAA60
つまりさ、この世界が『流石弟者の死んだ世界』なら、
その可能性の海の中には『流石弟者の死ななかった世界』もある、
ってことにならないかい?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) そりゃ、理論上はそうなるだろうけど……。
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
548
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:34:38 ID:22l7FCmg0
支援ぬ
549
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:36:24 ID:CynjgAA60
じゃあ、その『理論上』のことを『現実』にする力が存在するとしたら?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……不可能だ。
/ \ あり得ない。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
550
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:36:50 ID:C9pouzPU0
兄者ってこんなに賢かったのか…
551
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:38:07 ID:CynjgAA60
可能だろうさ。
チカラ
僕の『能力』を使えばね。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……なぁ、そろそろ教えてくれないか。
/ \ お前は……何者なんだ?
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
552
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:40:10 ID:CynjgAA60
僕かい?
そうだね……僕は『超能力者』、かな?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) 超……能力者……。
/ \ そりゃ、大きく出たもんだ。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
553
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:42:02 ID:CynjgAA60
もっとも、この僕は掌から炎も出せなければカードを透視することも出来ないけどね。
目に見えることではせいぜい自分や物体を浮かせる程度が関の山だ。
あ、あとはちょっと直接脳内に声を送ったりか。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……そのテレキネシスでどう弟者を生き返らせるんだ?
/ \ 謎の超能力者さんよ。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
554
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:43:59 ID:CynjgAA60
そ れ
違う違う。浮游能力はオマケみたいなものだよ。
僕のチカラはもっと別の、本源的な能力だ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ほー、そいつは凄い。
/ \ そのオマケだけでも万国びっくりショー
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ グランプリ獲得だってのに。
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
555
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:46:09 ID:CynjgAA60
ともかく、僕の本来の能力。
それが流石弟者を生き返らせる鍵になる。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) それならもったいぶらずに早くそいつを教えてくれないか?
/ \ 超能力者さんよ。
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
556
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:48:06 ID:CynjgAA60
――――僕の能力は、『この世界の可能性に干渉すること』。
言うなれば僕は確率の世界を飛び回る不安定なチェシャ猫なんだよ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……可能性への、干渉?
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
557
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:50:00 ID:CynjgAA60
少し解りにくいかな? じゃあ別の言い方をしようか。
『時間』というものを3つに区分するとき、
『過去』『現在』『未来』に分けられることは言うまでもないね?
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) ……まあな。
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
558
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:52:00 ID:CynjgAA60
当然ながらこの3つは連続したひとつの流れだ。
にも関わらずその間には明確な断絶が存在する。
それは関わる法則性の違いだ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`)
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
559
:
◆SSG/N3UK92
:2013/06/07(金) 23:54:00 ID:CynjgAA60
つまりだ。過去は『必然性』に、現在は『随意性』に。
そして未来は『不確実性』に深く関わっているということだ。
∧_∧
( ´_>`)
/r i i |
〜( U∧_∧
し(; ´_ゝ`) …………。
/ \
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/
____(_ニつ / FMV /______
\/____/
560
:
名も無きAAのようです
:2013/06/07(金) 23:54:42 ID:Ll0qZ7.g0
今回の話難し杉ワロタ
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板