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('A`)お化け・物の怪・都市伝説向け就職案内所のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:41:42 ID:/FL0Fr..0
怪奇!!!驚き!!!山椒の木!!!!
現代に潜む有象無象のお化け!!!物の怪!!!!都市伝説!!!!
もっぱら人に迷惑をかけることそれ自体が存在意義である彼らだが、近代化する社会の中でその角は丸みを帯びてゆく!!!!
社会!!!適応!!!!
そう!!!彼らに必要なのは!!!!職!!!!!
その傾向を読み取る!!!日本の裏の顔!!!『地下政府』!!!!
そして発足!!!【閻魔省】!!そしてその下!!!!彼らの為の『特殊職業案内所』!!!!!
しかし相手が相手!!!危険!!!!故に!!それに就業するために必要なのは超難関!!!!国家資格!!!!!
無理難題に等しいその試験を乗り越えた、若きエースが今!!!立ち上がる!!!!
('A`)お化け・物の怪・都市伝説向け就職案内所のようです
・第1話〜口裂け女〜
―――――――――――――――――――――――――――――――――
2
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:42:49 ID:/FL0Fr..0
黄昏時!!!!
―VIP公園―
( ><)ワイワイ
( <●><●>)キャッキャ
o川*゚□゚)o「ふふふ……!」
o川*゚□゚)o「ねぇねぇ君たち」
(*><)「わあ!!すごいかわいこちゃんなんです!!!」
( <●><●>)「そのマスク……風邪をひいているんですか?秋風は身に沁みますからね。お体を大事に……ところでこれからお茶、ご一緒しませんか?」
o川;゚□゚)o(ひぃぃ出鼻をくじかれた!!ていうか最近のちびっこはやたらおマセさんだなぁ……)
3
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:44:45 ID:/FL0Fr..0
o川;゚□゚)o「えっとね、えっとね、お姉さん美人かな?」
( <●><●>)「バリバリにタイプです。それよりどうですか?私の家に冷たいミルクが冷やしてありますが……」
(*><)「おっぱいに顔をうずめたいんです」
( <●><●>)「ミルメークもありますよ…フフ…ぜひスウィートな一時を…」
(*><)「ちょっと胸を触らせてもらえませんか?本当に、ちょっとだけ…ネ?」
4
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:45:34 ID:/FL0Fr..0
o川;゚□゚)o
o川;゚□゚)o「こっ」
( ><)「?」( <●><●>)
o川;゚∀゚)oミ□「これでもぉ!!!?」バッ
( ;><)「……きっ……」( <●><●>;)
「きゃああああああああああああああああああ!!!!!」
「よっしゃ!」
――――――――…………
5
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:46:23 ID:/FL0Fr..0
昼下がり!!!!
―南VIP通り―
ミセ*゚ー゚)リ「フンフフ〜」テクテク
(.:;:;:;::)ヒタ…ヒタ…
ミセ*゚ー゚)リ「やっぱりこの辺は人が多いなぁ……あっちに家借りて失敗だったかな」
(.:;:;:;::)ヒタ…ヒタ…
ミセ*゚ー゚)リ「こっちだったら空き巣とか変質者の心配もあんまりな……」
(;'A`)「んっすっすすすすすすいみませええええぇぇlん!そこのおっおおおおじょおssさあぁん!!」バッ
ミセ;゚ー゚)リ「きゃあ!!」
(((;゜A゜)))「すっすすすこっっししししsおおおお話をううううかうかうかうかかかがいたいんんですgggggっが!!!!」ガクガクガクガク
ミセ;゚ー゚)リ「誰か!!誰か助けて!!!」
6
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:47:18 ID:/FL0Fr..0
ザワザワ……
::(;'A`)::「わっわわわわたたたしはったたっただだdっだはなはなしをっをおおおおおお」
ミセ;゚ー゚)リ「変質者!!変質者です!!!」
オイオイ アレヤバインジャ コワーイ
キモイ
::(;'A`)::「あああああ怪しいものではごごごごござらぬ!!!」
ミセ;゚ー゚)リ「警察だ!!おーい!!助けてください!!!」
::(;'A`)::「ちちちち違いmmmmmますううう私は仕事ででででででd」
7
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:47:59 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「何だ何だ?」
ミセ;゚ー゚)リ「こっちですこっち!!!」
(;'A`)「だだだだから私は……ってあっ」
(,,゚Д゚)「あっ」
(;'∀`)「何だギコか……助かった……」
(,,;゚Д゚)「ドクオさん……また、っすか……」
ミセ;゚ー゚)リ「え?え?」
ザワザワ
(,,;゚Д゚)「あー……この人はちょっとアレだけど、『一応』犯罪者とかではないんですよ……」
(;'A`)「し、失礼な!!どこからどう見ても職務中の公務員じゃん!!」
ミセ;゚ー゚)リ「嘘だぁ……」
8
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:48:46 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「聞き込みとか必要な職業で、たまに、っていうかかなりの頻度でこういう勘違いされちゃうんですけど……」
ミセ;゚ー゚)リ「えー……」
(,,;゚Д゚)「とまぁそういうわけなんで、すいませんね」
ミセ;゚ー゚)リ「はぁ、わかりました」
(,,;゚Д゚)「はいはい、野次馬もどっかいったどっかいった!!」
チェー ナンダー
――――――――…………
9
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:49:54 ID:/FL0Fr..0
(;'A`)「すまんなギコ、毎度毎度……」
(,,;゚Д゚)「いえいえ……しかしドクオさんの女性苦手も相変わらずっすね」
('A`)「嫌いではないんだけどどうしてもこう……心の奥底で怯えてるというか……」
(,,゚Д゚)「……『俺ら』みたいなの相手は平気なのに、何でなんですかね」
('A`)「あー、そりゃあ、あれだよあれ。別に俺はお前らのこと怖がってないしな」
(,,*゚Д゚)「ははは、『狼男』より一般女性を怖がる奴なんてそうそういませんよ」
('A`)「いやぁ最近の女の子は怖いぞ?すれ違うだけで笑われるからな」
(,,;゚Д゚)(それは多分ドクオさんの挙動が……)
10
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:50:34 ID:/FL0Fr..0
('A`)「しかし話聞こうとするだけであそこまで避けられるとはな……死にたくなる……」
(,,゚Д゚)「―――『口裂け女』、でしょ」ヒソヒソ
('A`)「なんだ、やっぱりこの辺なのか」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「ええ、もっぱら小学生の間で噂ですよ。まだ実害はないですが」ヒソヒソ
('A`)「……出きれば詳しく話を聞きたい。場所を変えよう」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「えー……俺一応パトロール中なんですけど」
('A`)「アンパンマンだってもうちょい融通きくぞ。それにお前の上司には俺から話しておくから」
(,,゚Д゚)「まぁ構いませんけどね……」
('A`)「じゃあせっかくだしそこの喫茶店行くか」
(,,*゚Д゚)「おっ、いいっすね」
('A`)「なんだ、お前も行ったことあるのか?」
(,,*゚Д゚)「実は最近通い詰めてるんですよ!」
11
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:51:45 ID:/FL0Fr..0
―喫茶店―
(*゚ー゚)「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
(,,*゚Д゚)「ふ、ふたりで」
(*゚ー゚)「かしこまりました!お煙草は吸われますか?」
(,,*゚Д゚)「あ、禁煙席で」
(,,*゚Д゚)(今日もかわいいなあ)
('A`)「よっ」
(*゚ー゚)「あっ!ドクオさん!」
(,,;゚Д゚)「!?」
(*゚ー゚)「お久しぶりですっ!」
('A`)「おう。ちゃんと働けてるようでよかったよ」
(*゚ー゚)「えへへ、毎日忙しいけど充実してます!」
(,,゚Д゚)「どっどどどうして」
(*゚ー゚)「あ、お連れの方にも悪いですし、席案内しますね」
('A`)「ほいほい」
(,,゚Д゚)「あばば」
12
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:52:28 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「何でですか!!!」ダン
(;'A`)「うおぉ、どうした」
(,,;゚Д゚)「ドクオさんは女性恐怖症じゃなかったんですか!?何でですか!!!」
('A`)「あー……しぃのことか?」
(,,;゚Д゚)「名前まで知ってるってどういうことですか!!何でですか!!!おい!!!」
(;'A`)「おおおお落ち着け落ち着け……ちょっと待ってて」
13
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:52:52 ID:4n8p5Q2A0
支援
14
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:53:24 ID:/FL0Fr..0
( 'A`) 「えーっと…」
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/___/ カタカタ
(,,゚Д゚)「?何でパソコン?」
('A`)「あ、大丈夫だ」
(,,;゚Д゚)「な、何を」
('A`)「ここだけの話だぞ!!」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「ま、まさか恋仲……!?」ヒソヒソ
(;'A`)「ちげぇよ……まぁお前はしぃに惚れちゃってるみたいだし、『口裂け女』の情報料として、特別だぞ」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「ほほほほほ惚れ!!!!?」
(;'A`)「静かにしろ!……しぃはな、いわゆる『猫娘』ってやつなんだよ」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「ま、まさか俺と同類の……?」ヒソヒソ
('A`)「そうそう、物の怪の類だ」ヒソヒソ
15
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:54:10 ID:/FL0Fr..0
(,,*゚Д゚)「そ、そうだったんですか……ってことは、ここで働いてるのはドクオさんの紹介で?」ヒソヒソ
('A`)「そうだな。でも、しぃの場合俺たちは最低限のケアだけして、後はあいつが自力で仕事探したわけだけど」ヒソヒソ
(,,*゚Д゚)「そうだったのか……しぃちゃん……ふへへ」
('A`)「言っとくけどこの情報、本当なら数百、数千万する超高度機密なんだからな。他言無用だぞ」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「えええぇぇぇ」
(;'A`)「声がでかい!!……えっとな、お前らみたいな奴の情報は、こっちで、機密度別にE〜Sまでランク付けされてあるんだよ」ヒソヒソ
('A`)「Bランク以下の情報なら、俺たち『案内所』の人間が必要に応じて交渉なんかに使ってもいいレベルだ。ちなみにお前はD、しぃはBだな」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「俺低いっすね……で、Aランク以上の情報は?」ヒソヒソ
('A`)「それは言えない……まぁ今俺が言った情報だけでも相当なもんだぞ。バレたら俺やばいから本当に秘密だぞ!!本当!!!」ヒソヒソ
16
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:55:28 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「でもなんで俺なんかにそんな重要な情報を……?」ヒソヒソ
('A`)「……俺はお前の義理堅さを買ってるし、仮にお前に裏切られても悔いはない。信用してるからだよ」
(,,゚Д゚)「……」
('∀`)「それに俺が知ってるギコは、口を滑らせて好きな女を危険にさらすような奴じゃないしな」
(,,゚Д゚)「ドクオさん……」
('、`*川「ご注文はお決まりになりましたか?」
((((;゜A゜)))))「こっ、こおおぅおおひっ、ひゃろっぷ!!!ひゃろっぷっぷppっぷ!!!!」ガタガタ
('、`;川「ひ、ひぃぃぃ!!」
(,,゚Д゚)(ドクオさん……)
17
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:55:49 ID:u4vU3koA0
面白そう
支援
18
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:56:09 ID:/FL0Fr..0
('A`)「コーヒーを頼んだつもりがシロップが出てきた……」
(,,゚Д゚)(あれはまぁ……仕方がないだろ……)
('A`)「しぃがオーダーとってくれればよかったのになー……」ズズズ
('A`)「甘っ」ブハッ
(,,;゚Д゚)「……そういやまだ聞いてませんでしたけど」
('A`)「ん?」
(,,゚Д゚)「ドクオさんとしぃちゃんの関係は分かったんですけど、そもそもドクオさんはしいちゃん大丈夫なんですか?」
(,,゚Д゚)「普通の女性でもあんなになっちゃうのに、天使のようなしぃちゃん相手によく仕事できたというかなんというか」
('A`)「お前も大分重症だな……まぁ俺は『一般女性』以外の女性だったら大丈夫だからな」
19
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:57:56 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「女優とかならOKってことすか?高望みが過ぎますよ……」
(;'A`)「そういうことじゃないわ!!『お前ら』みたいなのなら大丈夫なの!!」
(,,゚Д゚)「?でも見た目的にはあんまり変わりが無いというか……」
('A`)「そうだな……でも何でか、苦手意識無くなるんだよなあ」
(,,゚Д゚)「じゃあ町行く女性を皆化け物と思えば」
('A`)「お前そんなこと言ってたら全国の女性にぶん殴られるぞ……それも多分駄目だと思う」
(,,゚Д゚)「どうしてっすか?」
('A`)「確証がないからな。多分心の中でびびっちゃう。しぃ…ってか女性相手に仕事するときは、ちゃんと相手が『一般女性』じゃないことを確認してからにするし」
(,,゚Д゚)「……今回の口裂け女もですか?」ヒソヒソ
('A`)「そうそう。だからそれも加味して情報集めてる」ヒソヒソ
20
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 22:58:55 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「結構ガチだと思いますよ」ヒソヒソ
('A`)「というと?」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「ボルト顔負けの速さで走る姿が多数目撃されてるみたいです」ヒソヒソ
('A`)「口裂け女は100m6秒台で走るらしいしな……そりゃ確かにただの人間じゃない、ヤツの可能性も高いな」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「それに例のテンプレ問答の被害者の子供も結構いるみたいですし」ヒソヒソ
('A`)「あぁ、自分の容姿について尋ねて、最後にマスク外して裂けた口を見せつける、ってやつ?」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「そうそう。おまけに目撃情報の時間帯、場所、容姿、服装特徴もほぼ一致。ただちょっと気になる点がですね」ヒソヒソ
('A`)「何だ?」ヒソヒソ
21
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:00:18 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「なんかやたら逃げ腰らしいんですよ……実際、さっきも言ったようにまだ傷害事件には一切発展していないですし」ヒソヒソ
('A`)「?でも走る姿を目撃されてるってことは、追いかけられた子供とかいるんじゃないの?」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「えっと……それは口裂け女が逃げる時の目撃談でして」ヒソヒソ
(;'A`)「あー、新人さんか」ヒソヒソ
('、`*川(何かあの人たちめっちゃヒソヒソしてる…)
(,,゚Д゚)「マスクとって子供たちビビらせた後、追いかけずに、満足げにその場から逃走するらしいんですよ」ヒソヒソ
(;'A`)「自分が都市伝説だっていう自覚がまだあんまりないんだろうな……オリジナリティを求めちゃう新人多いんだよ」ヒソヒソ
22
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:01:34 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「後、夜中にベンチに座って弁当片手に『あたしもうだめかも』とか呟いてたりする姿も目撃されてます」ヒソヒソ
('A`)「都市伝説に向いてないのかもな……早めの転職が望ましいな」ヒソヒソ
(,,;゚Д゚)「転職、って……都市伝説って仕事なんですか?俺は物の怪の類だからわかんないですけど」ヒソヒソ
('A`)「いやまあ、業界用語みたいなもんだよ。普通の職持たせるってこと」ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「あぁ、なるほど」ヒソヒソ
('A`)「よし、というわけで今日はお前には俺の仕事に付き合ってもらうぞ」
(,,;゚Д゚)「げぇ!まさか手伝えと」
('A`)「お前の上司には今日1日お前を好きに使っていいと許可もらったからな!」
(,,;‐Д゚)「まぁ書類いじりよりはましか……」
('A`)「じゃ、細かいとこ聞いていこうか」
(,,゚Д゚)「あ、はいはい」
23
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:02:27 ID:/FL0Fr..0
('A`)「出没する場所、時間帯は?」
(,,゚Д゚)「場所は一番多いのがVIP公園、次点で北VIP通りの路地裏、時間帯は午後5時半〜6時ですね」
('A`)「ふむふむ……どっちも人目に付きにくいな。公園って北通りよりもっと北だよな」
□Ф)メモメモ
(,,゚Д゚)「そうっすね。で、背丈は大体1hydeくらい、全身白い服で統一してるみたいです」
('A`)「ほうほう……赤じゃなくて白のタイプか。どんな服?」
□Ф)メモメモ
(,,゚Д゚)「ワンピースにつばの広い帽子ですね」
(;'A`)「ベレー帽じゃないのか……八尺様と被ってんじゃん……それともわざと意識してんのかなぁ」
□Ф)メモメモ
24
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:03:48 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「それにテンプレ通り大きなマスクつけてますね……あと昨日被害にあった子供によると(*><)「はちきれんばかりの果実が胸に実ってるんです!」らしいです」
(;'A`)「最近の子供の視点はそんな風になってんのか……」
□Ф)メモメモ
(,,;゚Д゚)「マセてますよね……」
('A`)「ベンチに座ってる姿が目撃されたのは?」
(,,゚Д゚)「VIP公園で、午後9時くらいですかね」
('A`)「なるほど……どこの弁当だったかは分かる?」
□Ф)メモメモ
(,,゚Д゚)「ええ……『内藤弁当』の容器だったらしいです」
('A`)「あの変な容器ね……この辺の内藤弁当っていうと北通りの辺りか」
□Ф)メモメモ
(,,゚Д゚)「そうっすね……情報は大体こんなかんじですかね」
25
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:04:42 ID:/FL0Fr..0
('A`)「そんだけ情報あるのに、昨日も被害者出てるところ見るとろくに対策してないみたいだな」
(,,゚Д゚)「あくまで表向けには『不審者』ってことで処理してますからね……一部上層部以外は都市伝説の存在すら架空のものと思ってますし」
('A`)「VIP公園で遊ぶ子供たちを早めに帰す、とかは?」
(,,゚Д゚)「一応そういう動きもあったんですけど、まぁ子供たちはマセてますし、『お化けこわくないぜ!』みたいな態度で、言うことあんまり聞かないですね」
('A`)「そりゃめんどくさいな」
(,,゚Д゚)「実際俺も自分が『こう』じゃなかったら口裂け女なんて信じられませんよ……それで、パトロールもあんまり厳重じゃなくなって」
('A`)「で?『上』の奴らは?」
(,,*゚Д゚)「『プロ』を派遣するから大丈夫だ、って言ってましたよ、ドクオさん?」ニヤッ
(;'A`)「はぁ……はいはい頑張りますよ」
(,,゚Д゚)「頼みますよ……っと、もう4時になりますよ」
26
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:05:24 ID:/FL0Fr..0
('A`)「じゃあそろそろ動くか」
(,,゚Д゚)「どうするんですか?どうせまともに話は聞いてくれませんよ……あの俊足で逃げられちゃいます」
('A`)「あの時間帯は帰宅ラッシュで車やバイクで追うのも難しいしな……けど、あんまり関係ないさ」
(,,゚Д゚)「?それはどういう」
('A`)「詳しいことは後で話す。取りあえず方針を決めよう」
(,,゚Д゚)「やっぱり張り込みですかねえ」
('A`)「そうだな……ターゲットが子供である以上俺らに話しかけてくるってことはまずないだろうし」
(,,゚Д゚)「どうします?VIP公園と北VIP通りで分かれますか?」
27
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:06:11 ID:/FL0Fr..0
('A`)「一緒にいるメリットあんまりないし、そうするか。じゃあ俺が件数多いVIP公園で」
(,,゚Д゚)「俺は北通り、ってことで」
('A`)「見かけたら手を出さず、すぐに俺に連絡してくれ」
(,,゚Д゚)「了解です」
('A`)「よし……あ、会計は頼んだ」
(,,;゚Д゚)「さ、誘っておいて……」
28
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:06:54 ID:/FL0Fr..0
(;'A`)「金は出すよ……ただ今レジに居るのさっきの子→('、`*川だから行きづらいんだよ……」
(,,;゚Д゚)「あぁ、なるほど……」
(,,;゚Д゚)(やっぱドクオさん一人にするのはまずいんじゃ……)
('A`)「あとギコは先に出て目的地に行っといてくれ」
(,,゚Д゚)「ドクオさんはどうするんですか?」
('A`)「ちょっと電話と調べものがあってな」
(,,゚Д゚)「分かりました。そっちも手早にお願いしますよ」
('A`)b「おっけ」
―――――――――――――――――――――――――――――………………………
29
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:07:45 ID:/FL0Fr..0
黄昏時!!!
―北VIP通り―
(,,゚Д゚)(この辺は近くに大手ショッピングモールができたせいで南ほど賑やかじゃないな……むしろ寂れてる)
(,,゚Д゚)(だからこそ、か……子供も今のところ……ん?)
o川*゚□゚)o「フンフフーンフフ」テクテク
(,,;゚Д゚)(あれは……服こそ茶色だが白い帽子にでかいマスクをしている……怪しいな)
o川*゚□゚)o「そろそろかなぁ」ヌギッ
(,,;゚Д゚)(茶コートの下に白いワンピース……!!こりゃアタリか……!?)
o川*゚□゚)o「よっし!!今日も頑張るぞ!!!」
(,,;゚Д゚)(頑張られても困るんだがなぁ……っと、ドクオさんに連絡連絡)トゥルルルルル
30
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:08:55 ID:/FL0Fr..0
『もひゅもひゅ』
(,,;゚Д゚)「あ、ドクオさん!?てか何食べてるんですか!!」
『ゴクン……いや、ほら、張り込みと言えばあんパンと牛乳が相場だって前に漫画で……』
(,,;゚Д゚)「呑気に咀嚼してる場合じゃないですよ!!いました!!口裂け女です!!」
『そっちだったか……まぁいい、とりあえず、口裂け女が行動起こしたら話しかけてみてくれ』
(,,;゚Д゚)「でも逃げられるんじゃ」
『どうせ都市伝説相手に尾行は無理だ。いっそ追っかけろ』
(,,;゚Д゚)「はぁ?」
31
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:09:38 ID:/FL0Fr..0
『お前なら大丈夫さ』
(,,;゚Д゚)「月も出ていないのに、100m6秒に追いつけるかどうか……」
『追いつけなくてもいい。ただ、全力で頼む』
(,,;゚Д゚)「まぁやってみますけど……」
『じゃな、頼んだぞ』プツッ
(,,゚Д゚)「え?ドクオさん!?」
ツーツーツー
(,,;-Д-)「はぁ……」
32
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:11:28 ID:/FL0Fr..0
o川*゚□゚)o「……子供こないなぁ」
o川*゚□゚)o「今日はもう帰ろう」テクテク
(,,;゚Д゚)(やべ、いつの間にあんな遠くに……もう帰ろうとしてるみたいだし、話しかけないと)
(,,゚Д゚)ノシ「すみませーん!!そこの白い服のお嬢さーん!!」タッタッタ
o川*゚□゚)o「え?」クルッ
三o川;゚□゚)o「ひゃあ!!!警察だー!!!」ダダダダダ
(,,;゚Д゚)「は、速い!!!」ダダダダダ
33
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:12:14 ID:/FL0Fr..0
三(,,;゚Д゚)「待ってください!!!お話を聞くだけですから!!!!」ダダダダダ
三三o川;゚□゚)o「ひえええええ」ダダダダダ
三(,,;゚Д゚)(くっ……やっぱ月が出てないと狼の力もロクに使えない!!見失わないようにするのが精いっぱいだ!!)ダダダダ
三三o川;゚□゚)o(あの人ヤバいって!!あの足の速さ人間じゃないでしょ!!!)ダダダダダ
三三三(,,;゚Д゚)「っ……おおおお!!!!」ダダダダ
三三三三三o川;゚□゚)o(捕まったら絶対殺されちゃう!!それ即ち死!!!ひゃああああ!!!)ダダダダダ
三三(,,;゚Д゚)(だめだこりゃ!!!どんどん離されてく!!!)ダダダダ
三三三三三o川;゚□゚)oピュー
(,,;-Д゚)「ゲホッ、ゲホ……糞、逃げられた……」ゼェゼェ
(,,;'Д`)「あの速さであの持久力は反則だろ……てか100m6秒どころじゃないぞあれ」ゼェゼェ
34
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:14:20 ID:uwXdTycE0
イイヨイイヨー
35
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:15:46 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「はぁ、ドクオさんに連絡しないと……」トゥルルルルルル
『ギコか。どうだった?』
(,,゚Д゚)「逃げられちゃいました。速いのなんのって」
『そっか……わかった。今日のところはもう帰っていいぞ』
(,,゚Д゚)「今日のところ、は……?」
『明日も付き合ってもらうからな』
(,,;゚Д゚)「げぇぇ、また鬼ごっこっすか」
36
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:16:32 ID:/FL0Fr..0
『いや、もう走らなくてもいいよ』
(,,゚Д゚)「?自転車とか車でも使うんですか?」
『いや、そうじゃないさ』
(,,;゚Д゚)「でもそうでもしないと追いつけませんよ……正直100m6秒ならなんとかなると思ってたけど、それどころじゃない速さでした」
『……逃げれない場所で会えばいいさ』
(,,゚Д゚)「?どこっすか?」
『口裂け女の家』
――――――――――…………
37
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:17:12 ID:/FL0Fr..0
翌日!!!
(,,゚Д゚)「こんな昼間に会えますかね?口裂け女」テクテク
('A`)「多分な」テクテク
(,,;゚Д゚)「多分て……」テクテク
('A`)「まぁ今日駄目だったらまた張り込みすればいいさ」テクテク
(,,;-Д-)「はぁ……」テクテク
<('A`)/「ポジティブポジティブ!!!」テクテク
(,,゚Д゚)「そういや何で口裂け女の家分かったんですか?目撃情報もろくにないし、本名分からないから役所でも調べよう無いのに……」テクテク
('A`)「……多分口裂け女は、一人暮らしだ」テクテク
(,;,゚Д゚)「は?」
38
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:17:58 ID:/FL0Fr..0
('A`)「昨日お前が喫茶店出た後、北通りの内藤弁当の店長に電話で聞いたんだよ。白い帽子かぶってたり、いつもマスク付けてる客来たことあるか、って」テクテク
('A`)「そしたら週に3、4回はあそこで『1人分』の弁当買っていくんだとよ」テクテク
('A`)「同棲者がいたらそれじゃ足りないだろ。そんなに頻度が高いのも、自分以外にご飯作ってくれる人がいないってことだ」テクテク
(,,゚Д゚)「でもルームシェアとかで、ご飯は別にしてたら?」テクテク
(;'A`)「あのな、口裂け女は『都市伝説』なんだぞ。見ず知らずの人間と暮らせるわけないだろ」テクテク
('A`)「だから一緒に暮らしてるとしたら、家族なんかの親しい人間に限られてくる」テクテク
('A`)「でも、料理を作れる人間がいるなら弁当をそんなに高頻度に買う必要はないし、料理作れる人がいないなら弁当は一人前じゃ足りない」テクテク
('A`)「食事を完全に別にとるくらいの家族内の不仲の可能性も考えたが、それも無いだろうしな」テクテク
39
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:19:17 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「何でですか?」テクテク
('A`)「調べてみてこの辺じゃ片親に若い女って家族構成の世帯がなかったからだよ」
(,,;゚Д゚)「片親だから不仲になるって、それは偏見じゃ……」
(;'A`)「俺の経験上、都市伝説系の子供が親と暮らしておいて、家族仲が悪くなるケースは片親場合が多いってだけの話なの!」
(,,゚Д゚)「でも俺なんかは両親早くに事故で死んで、おばあちゃん1人に結構かわいがられて育てられましたけど」
('A`)「だから親しいのは除外だって……まぁ片親ってか若い女と大人老人が同棲してるパターンだな。さっきも言ったけどよほど近しい人じゃないと同棲なんてしないし」
('A`)「親が入院なんかしてたらと思ってそういうのも調べてみたけど大丈夫そうだったし…まぁ8割くらいは心配ない」
(,,゚Д゚)「まぁそこまでいうなら」
40
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:19:59 ID:/FL0Fr..0
('A`)「ところで……口裂け女の目撃例はほとんど公園か北通りだったんだろ?」テクテク
(,,゚Д゚)「え?あ、はい、そうっすね」テクテク
('A`)「口裂け女の話が出回ってるのに、でかいマスクした怪しい人間の目撃情報がそれだけっておかしくないか?」テクテク
(,,゚Д゚)「というと」テクテク
('A`)「口裂け女は移動中にあんまし目撃されないよう、家の近くで行動してたんだよ」テクテク
(,,゚Д゚)「というと」テクテク
(;'A`)「お前さっきから生返事ばっかだな」テクテク
(,,;゚Д゚)「聞き下手なんですよ……ほっといてください……」テクテク
(;'A`)「めんごめんご……最初は車での移動も考えたんだが、何分あの辺……公園周りも北通り周辺も駐車場が少ない」テクテク
41
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:21:06 ID:/FL0Fr..0
('A`)「で、いつも同じような時間帯、特に夕方前なんかに止めてる車のナンバー、こっちも内藤弁当みたいに各駐車場の管理人に電話して教えてもらったんだよ」テクテク
('A`)「車で移動してるんだったら夕方の渋滞も考えて早めに出るだろうし、どのくらい移動時間かかるか覚えたら、止めるのは毎回似たような時間になると思ってな」テクテク
(,,゚Д゚)(多分ゴリ押しだったんだろうな……)テクテク
('A`)「ナンバー照会してみても全滅だった。家族構成まで見たけど目ぼしいもんはなかった」テクテク
('A`)「で、公園の近くに住んでるとふんだ」テクテク
(,,゚Д゚)「通りの方じゃなくて?」テクテク
('A`)「夜に弁当持った姿は公園で目撃されてるんだろ?」テクテク
(,,゚Д゚)「はい、まぁ」テクテク
('A`)「そっちに住んでんなら、都市伝説としての活動の時間帯終わってるのに、北通りで弁当買った後わざわざ公園に行く理由がないからな」テクテク
42
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:22:11 ID:/FL0Fr..0
('A`)「公園は帰り道に寄ったんだと思う。言ってた言葉からして色々疲れてたみたいだしな」
('A`)「だから奴の家は北通りより公園の近く、尚且つ公園から離れすぎてない場所にあると思ってさ」テクテク
(,,゚Д゚)「でも人目につかないようにしたいなら、わざわざ北通りまで行かなくても」テクテク
('A`)「目撃場所はある程度ばらけさせておきたかったんだろ。まぁこの辺じゃ、口裂け女の活動場所として、2つの場所は中々いい線いってるよ」テクテク
⊂('A`)⊃「で、以上を踏まえて奴の家の候補はこの辺の住宅地に絞られたわけだ」ザッ
(,,;゚Д゚)「しらみつぶしっすか……」
('A`)「いや、そうでもないさ。ある程度絞ってある」
('A`)「まず若い女性がいない家は論外。女性が両親と暮らしてるようなのも除外」
43
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:22:54 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「どうしてですか?」
('A`)「さっきの話に戻すと、両親と暮らしてりゃ自分だけ高頻度で弁当買う必要は無いと考えられる」
('A`)「で、この辺家があんまりないおかげで家は17件に絞れた。さらに、同棲者が兄弟姉妹以外の家も除いて14件」
(,,゚Д゚)「で、そっからは?」
('A`)「昨日観察してたんだよ。お前が追いかけっこしてる間、飯時に電気がついてるか、中に人はいるか」
(,,;‐Д゚)「俺は体のいい時間稼ぎですか」
('A`)「兄弟姉妹で暮らしてる家は2つあったんだけど、両方人数揃ってるみたいだった」
(,,;゚Д゚)(観察する姿は完全に不審者だったんだろうなぁ
44
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:23:39 ID:/FL0Fr..0
('A`)「で、人気もなく、電気もついていなかった、3つの家に絞れた」
(,,;゚Д゚)「で、聞き込みの為に俺が必要、と……」
('A`)「だって若い女とか無理だもん……口裂け女だったら大丈夫だけど確率1/3だし……」
(,,;゚Д゚)「ですよねー……じゃ、早速いきましょうか」
('A`)「俺近くで待機してるから口裂け女だったら呼んでね」
(,,;‐Д‐)「わかりました……」
―――――――――――――――――――――…………………………
45
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:25:46 ID:/FL0Fr..0
1軒目
(,,゚Д゚)「このアパートっすか」
電│A`))..;:;「そう。目の前の部屋」
柱│⊂)):;ガタガタガタガタ
┣⊂(,,;゚Д゚)「そこまで怯えなくても……」ピンポーン
「はーい」トタトタトタ
ミセ*゚ー゚)リ「どなたで……」ガチャ
(,,゚Д゚)「あっ」
ミセ*゚ー゚)リ「あっ」
46
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:26:44 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)(あー……)
ミセ;゚ー゚)リ「昨日の警察さん……?」
(゚Д゚;,,)(や、やばい、ドクオさんは……)チラッ
電│A゜)
柱│⊂)
(,,;゚Д゚)(おそらくショックで呼吸をしていない……適当なこと言って早くこの場から離れないと)
(,,;゚Д゚)「あー、最近この辺で不審人物が出るみたいですからね、気を付けてください」
ミセ;゚ー゚)リ「え?それってもしかして昨日の……」
47
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:28:59 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「というわけで失礼します!」
ミセ;゚ー゚)リ「え?ちょ、ちょっと」
三(,,;゚Д゚)ピュー
ミセ;゚ー゚)リ「え?え?」
ホライキマスヨ!
コシガヌケタ……
ナニヤッテルンデスカ モウヒッパッテキマスヨ ズルズルズルズル……
イタイイタイヒザガムケル
ミセ*゚ー゚)リ「何が何だか」
――――――――――――――――――――――――――――――…………………
48
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:34:03 ID:/FL0Fr..0
2軒目
(,,゚Д゚)「この一軒家ですか」
(うA∩)「うん……」
┠⊂(,,;゚Д゚)「泣かないでくださいよ……たまたまですって、たまたま」ピンポーン
『はい』
電│A`)彡
柱│⊂)彡 サッ
(,,;゚Д゚)(インターホンの声にそんなにビビらなくても……)
(,,;゚Д゚)「あ、えっと、警察の者ですが、少しお伺いしたいことがあって」
『警察……?』
(,,;゚Д゚)「あ、いえ、この辺に最近不審者が出ていてですね、参考にと」
『ちょっとまってて下さい』
49
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:35:15 ID:/FL0Fr..0
ガチャ
ドア┃、゚トソン「参考に、とは?」
(,,゚Д゚)(口を出してる……シロか。しかしチェーンロックかけたままとは、最近の若い子にしちゃ警戒心が強くて感心感心)
(゚Д゚;,,)(ドクオさんは……)チラッ
電│A`)));:;
柱│⊂))).:ガタガタガタガタ
(゚Д゚;,,)(よし、あそこからだと声だけで姿は見えないし何とか大丈夫そうだ)
ドア┃、゚トソン「あの……?」
(,,;゚Д゚)「え?ああすいません。最近この辺で大きなマスクをした女性を見かけませんでしたか?」
ドア┃、゚トソン「……私はそういった類は信じておりませんので」
ドア┃彡バタン!
(,,゚Д゚)「あらら」
50
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:37:05 ID:/FL0Fr..0
電│A`)「……終わった?」
柱│⊂)
(,,゚Д゚)「ええ。シロでしたよ」
電│三(*'A`)「そっか」スッ
(,,゚Д゚)「しかしあの対応……一応口裂け女の話は結構広まってるみたいですね」
('A`)「……そりゃ都市伝説だしな」
(,,゚Д゚)「……次で三軒目…ラスト一軒ですけど…大丈夫ですかね」
('A`)「何が?」
(,,゚Д゚)「これで外れだったらまた一からやり直しじゃないですか」
('A`)「たぶん大丈夫さ」
(,,゚Д゚)「どうしてっすか?」
('A`)「――――『三』のつく場所が大好きなんだ。口裂け女は」
――――――――――――――――――――――――――――………………
51
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:38:04 ID:/FL0Fr..0
3軒目
(,,゚Д゚)「ここっすね」
電│A`)「そうだ」
柱│⊂)
(,,゚Д゚)「ベランダに昨日着てたコートが干してある……間違いないみたいです」
三('A`)「よっしゃ」ヒョコッ
(,,゚Д゚)「一応ドクオさんは俺の後ろにいてくださいね」
(;'A`)「お、お前……俺を何だと……」
(,,;゚Д゚)「万が一間違えてた場合も考えてですね」
52
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:38:49 ID:/FL0Fr..0
('A`)「あ、うん、そうだね……」
('-`)、シュン
(,,゚Д゚)(扱いづれえええ)
(,,゚Д゚)「じゃあチャイム鳴らしますよ」
(,,゚Д゚)A`)「わかった」
53
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:40:06 ID:/FL0Fr..0
o川*゚□゚)o「はぁ……もうこの生活にも疲れたよ……」
o川*゚□゚)o「お父さんもお母さんもお姉ちゃん達も元気にしてるかな……」
o川;-□-)o「意地張って一人暮らしなんて始めなけりゃよかったな」
o川*゚□゚)o「……どうせあたしには未来なんてないんだし」
ピンポーン
o川*゚□゚)o「?誰だろ」
「すみませーん!」
o川;゚□゚)o「こ、この声は確か……」
「開けてくださーい」
o川;゚□゚)o「昨日の警察だ……!何でここが……」
o川;゚□゚)o「居留守だ居留守、そうしよう」
54
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:41:20 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「出てきませんねぇ」
('A`)「仕方ないドアぶっ壊すぞ」
(,,;゚Д゚)「いやいや何言いだすんですか……無理でしょ……」
('A`)「お前の腕力ならいけるって」
(,,;゚Д゚)「物理的な問題というよりは社会的というか法的というか」
('A`)「そっちなら大丈夫だ。俺が何とかする」
(,,;゚Д゚)「まぁ、ドクオさんなら何とかできるかもしれないですけど……」
('A`)「じゃあ問題ないな!ようしいけ!ギコ!」
(,,゚Д゚)「来るんじゃなかった……」
55
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:44:16 ID:FTDxxydk0
面白い。支援
56
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:44:23 ID:/FL0Fr..0
o川*゚□゚)o「……そろそろ帰ったかな?」
ドスン!ドスン!
o川*゚□゚)o「?何の音だろ」
イケッギコ!ソコダ!
ウオオオ ドス!ドゴン!!
o川;゚□゚)o「玄関から?」トテトテ
ソイヤ!ソイヤ!ソレ!ソレ!
ウオオオオオツメガイタイ
ガンバレ!マケルナ!
o川;゚□゚)o「……まさか」
57
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:45:20 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「どおおおりゃああああ!!!!」バキャム!!!!
o川;゚□゚)o「ひえええええええええええ!!?」
(,,;゚Д゚)「あ、どうも……」
o川;゚□゚)o「え?あ、どうも……」
三('A`)「はいこんにちは!」バッ
o川;゚□゚)o「あ、はい、こんにちは」
(,,;゚Д゚)(ドクオさん元気だな……いけるか?)
(;'A`)「えっと、その、僕はですね」
(,,;゚Д゚)(いや、だめだ!あまり歯切れがよくない……)
58
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:46:20 ID:/FL0Fr..0
(;'A`)「あの、就職案内所なんですけども」
o川;゚□゚)o「は、はあ」
(,,;゚Д゚)(マスク付けたままだと見た目は一般女性だからな……)
(;'A`)「えぇっと、取りあえずそのマスクを外しt」
o川;゚□゚)o「嫌」
(;'A`)「……」
o川;゚□゚)o「案内所だか何だか知らないけど、あたしの正体知ってるんでしょ?」
(;'A`)「まぁそうですね」
o川*゚□゚)o「……だったら知ってるんだよね。この下がどうなってるか」
('A`)「……そうですね」
o川*゚□゚)o「どうせ笑うんだ。馬鹿にするんだ。悪口言うんだ」
(;'A`)「そ、そんなことは」
59
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:47:02 ID:/FL0Fr..0
o川#゚∀゚)oミ□「いいよ!見せればいいんでしょ!!?」バッ
('A`)「……」
('∀`)(よかった……)
(,,;゚Д゚)(あ、バカ!安心して口元が緩んでる!!!)
o川*゚∀゚)o□「……やっぱり、あたしを笑いに来たんだね」
(;'A`)「いやいや違います!……安心しちゃって」
o川*゚□゚)ミ「意味わかんない……もういいでしょ」バッ
('A`)「……あなたが口裂け女で間違いないですね?」
o川*゚□゚)o「そうだよ……で、どうするの?警察もいるってことは、あたしを捕まえに来たの?」
60
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:48:18 ID:/FL0Fr..0
('A`)「いいや、君を助けにやってきたんだ」
o川*゚□゚)o「ナンパか何か?だったらお断りなんだけど……」
(;'A`)「ししし失敬な!!ちゃんと仕事で来てるの!」
o川*゚□゚)o「……就職案内所?って言ってたっけ」
('A`)「そうそう」
o川*゚□゚)o「無理だよ。あたしに就職なんて」
('A`)「……そうかな」
o川*゚□゚)o「そうだよ。この口のせいで人と対面する仕事はダメ」
o川*゚□゚)o「食品加工工場で働いてた時期もあったけど、なんかおばちゃん達のいじめにあっちゃってさ」
o川*゚□゚)o「小学生のころからずっと人との接触避けてきたから上手くコミュニケーションもとれないし」
61
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:49:59 ID:/FL0Fr..0
o川*゚□゚)o「両親にも負担かけたくないのに、変な意地張っちゃって、内職とかで何とか食繋いでるんだ」
o川*゚□゚)o「あたしはこの口が大嫌い。なのにあたしは口裂け女としての生活を続けてる」
o川*゚□゚)o「おかしいでしょ?でもどうにもならないんだ」
o川*;□゚)o「…あたしはさ、きっと生まれた時から口裂け女なんだね」
('A`)「そうだな」
(,,;゚Д゚)「ちょ」
('A`)「だけど俺なら……あー、俺たちなら、君を救うことができる。その口だって治せる」
o川*;□;)o「無理だよ……病院だって何回も行ったよ?」
o川*;□;)o「でもいつも失敗失敗……そんなに難しい手術じゃないはずなのにね」
o川*;□;)o「きっと『そう』なってるんだ。そういう仕組み、口裂け女としての運命なんだよね」
62
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:50:46 ID:/FL0Fr..0
('A`)「大丈夫だ」
o川*;□;)o「無理だよ」
('A`)「おいギコ」ボソッ
(,,;゚Д゚)「え!?……あ、えっと、大丈夫ですって!成功しますよ!」
(;'A`)「そうじゃなくて」ボソボソ
(,,;゚Д゚)「あぁ、そういう……えっと、ほら、俺を見てくださいよ!」ヌギッ
o川*;□;)o「!?…!!?!」
(;'A`)「いや脱がなくてもいいだろ!ただのセクハラじゃねぇか!」
(,,;゚Д゚)「いやほら胸毛とか……」
(;'A`)「今昼だぞ!?お前のその胸毛はただの濃い胸毛だよ!!」
63
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:53:09 ID:/FL0Fr..0
(,,;゚Д゚)「でも普通より硬いし……」
(;'A`)「だからそれはただの濃くて硬い胸毛なんだよ!!狼男だってことを示す材料にはならないの!!」
o川*;□;)o「お、狼男!?」
(;'A`)「あー説明の順番狂っちゃったな」
('A`)「こいつ、ギコはな、狼男だ。2割くらいな」
o川*う□;)o「に、2割?」
(,,゚Д゚)「…もともとは俺は、完全に狼男だった。満月の日には変身するし、狂暴にもなる」
(,,゚Д゚)「俺は割と小さいころから狼男だって自覚があったから、両親のもとを離れてずっと田舎のばあちゃん家に預けられてたんだ」
(,,゚Д゚)「満月の時に限らず月がちょっと出るだけでも症状が出る時があったから、毎晩ちょっと離れた山まで行かなくちゃならなかった」
(,,゚Д゚)「ほんとに辛かったよ。俺だけならまだしも、ばあちゃんまで村の人になんやかんや噂を立てられる」
o川*゚□゚)o「……」
64
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:53:57 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「そこに、この人が現れたんだ」
σ('∀`)「おれ!おれおれ!」
(,,゚Д゚)「……あの日、月が出るのがいつもより早くてさ、十分遠くまで行けなかった」
(,,゚Д゚)「このままじゃ村まで出ちゃう、ってところでこの人が来たんだ」
(,,゚Д゚)「……驚いたよ。気付いたら俺は元に戻ってた。月はまだ出てるのに」
o川*゚□゚)o「……それって」
(,,゚Д゚)「あぁ、この人は『薬』だ。俺たちにとってのな」
('∀`)
65
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:55:21 ID:FMbbHZ6g0
面白いなぁ
66
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:55:37 ID:/FL0Fr..0
('∀`)
(,,゚Д゚)「したり顔しなくてもいいですよ。なんかあんまりいい気分しません」
(;'A`)「……なんかギコ君昨日あたりからやけに俺に冷たくない?」
o川*゚□゚)o「……でも、そんなの、簡単には信じられないよ」
o川*゚□゚)o「二人であたしを騙したりしてるかもしれないじゃん」
('A`)ノ゚「……しょうがないな」スッ
o川;゚□゚)o「ひゃあ!べべべべべべべべっこう飴!!!!!」
('A`)「欲しい?」
o川*゚□゚*)o「うん!!!!!!!!!!!!」
('A`)「じゃあ……」
o川*゚□゚)o\('A`)ポン
('A`)「これでもぉ!?」
o川*゚□゚)o「あ、あれ……?」
67
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:56:40 ID:/FL0Fr..0
('A`)「欲しい?べっこう飴」
o川*゚□゚)o「別にそこまでは……」
('A`)「つまり?」
o川;゚□゚)o「……あたしの口裂け女としての『きまりごと』がなくなった…?」
('A`)「まぁそういうこったな」
(,,゚Д゚)「あんたが手術失敗してんのも、おそらく口裂け女としての『呪縛』だ…だから、この人ならなんとかできる」
('A`)「まぁ正確には、傷については俺一人じゃ完全には中和し切れないんだけどね」
68
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:58:35 ID:/FL0Fr..0
(,,゚Д゚)「とにかく、あんたは大丈夫だ。あんたが思ってる以上にな」
o川;゚□゚)o「で、でもそれだといつもこの人が近くにいないとだめなんじゃ」
('A`)「そこで、『あいつ』の出番なんだよ」
(,,゚Д゚)「『あのひと』ですね」
o川*゚□゚)o「……誰?」
(,,゚Д゚)「「フランケンシュタイン」」('A` )
――――――――――――――――――……………
69
:
名も無きAAのようです
:2013/01/09(水) 23:58:44 ID:rk0PzxLY0
弱気なキューちゃんはキュート
70
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:00:33 ID:BVVJldfA0
\ | /
_┌┬┬┬┐_
――┴┴┴┴┴―、
// \
__[//_(゚Д゚,,)('A`)o(゚□゚*川o \__
lロ|=☆= |ロロ゚|■■|■■∪警視庁■■|| =3 プップー
| ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l___|| =3
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
o川;゚□゚)o「なんでパトカーなの!?これ目立っちゃうじゃん!!!」
('A`)「だって君が」
o川*'A`)o『外歩いてたら人目に付く!こわいんだよぉ!』
('A`)「っていうからギコが車をわざわざ用意してくれたのに…」
o川;゚□゚)o「し、仕方ないじゃん!最近口裂け女の噂やたら流れてるみたいだし……」
(,,゚Д゚)「流石にまだ自分の車買うほど金持ってないですしね……ドクオさんは金あるはずなのに買わないし」
('A`)「確かに、な」
(,,゚Д゚)「ドクオさんにはケチな自覚あったんですか」
(;'A`)「そそそそっちじゃないわ!……いや、なんでもない」
71
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:01:41 ID:BVVJldfA0
(,,゚Д゚)「いやドクオさんはケチですよ。自覚してください」
(;'A`)「ほんと君そんな辛辣だったっけ……」
o川*゚□゚)o(何か勢いでついてきちゃったけど失敗したかなこれ……)
o川*゚□゚)o「……そういやフランケンシュタインさんってどんな人なの?」
('A`)
(,,゚Д゚)
o川*゚□゚)o「……?」
('A`)「……」
o川*゚□゚)o「ん?どうしたん?」
72
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:02:42 ID:BVVJldfA0
('A`)「いや、大丈夫だ。うん、なんとかなる。多分」
(,,゚Д゚)「そっすね。大丈夫。多分」
('A`)「いや、まぁまぁ、大丈夫かな?」
(,,゚Д゚)「うーん、大丈夫か?」
('A`)「大丈夫じゃないかもしれんね」
(,,゚Д゚)「そっすね。多分大丈夫じゃないっすね」
('A`)「なんとかならないかもしれんね」
(,,゚Д゚)「多分なんとかなりませんね」
o川*゚□゚)o「ねぇ、ちょっと帰りたいんだけど」
('A`)「いやぁもう着いちゃったよ」バタン
o川*゚□゚)o「終わった……もう絶望しかない……」
73
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:04:08 ID:BVVJldfA0
('A`)「ほら早く降りて」
o川*゚□゚)o「ここが地獄か……」バタン
(,,゚Д゚)「じゃあ俺はもう帰るんで、あとはまぁ頑張ってください」
('A`)「おう、またなんかあったらよろしくな」
o川*゚□゚)o「お父さん……お母さん……いままでありがとう……」
(,,゚Д゚)「できれば俺にあんまし話もってこないでくださいね……上のプレッシャーとかありますし」
('A`)「え?あ、うん……」
o川*゚□゚)o「お姉ちゃん達、いつもヨーグルト全部食べちゃってごめんね……」
(,,゚Д゚)「では」バタン
('A`)「あ、バイバイ……」
プップー
74
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:04:49 ID:BVVJldfA0
('A`)「……なんだい!ギコの奴!!自分はマッチョだからって偉そうに!」
o川*゚□゚)o「おじいちゃん……おばあちゃん……お年玉を貯金せずに全部べっこうアメにつぎ込んでごめんね……」
('A`)「くそっ!これが世の中だよ!ほっそいナナフシは生きることを許されないのか!!!!」
o川*゚□゚)o「ふふ……今日で終わっちゃうのか……」
('A`)「所詮強いDNAしか選ばれないってことか……」
o川*゚□゚)o「みんな……いままでありがとう……」
('A`)「くそおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
o川*;□;)o「うあああぁぁ……」
75
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:05:49 ID:BVVJldfA0
(´・ω・`)「さっきから君たちは入り口で何やってんだよ。部屋まで声聞こえてるぞ」
o川;゚□゚)o「っぎゃぁ!人だぁ!」
(;'A`)「うおお!?いきなり大きな声出すなよ!」
ザワ… ナニアレ…
ワカイオンナノコニオトコフタリ…… ヤバーイ
ハンザイノカホリ
(´・ω・`)「いや君も十分でっかい声出してたでしょ」
(;'A`)「ええーい!うるさい!ちゃっちゃと中入るぞ!」
,,,,,,,,,,(;'A`)ノノo川*゚□゚)o( ´・ω・`)グイグイ
76
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:12:37 ID:D1iQAsFcO
面白いではないか
77
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:13:26 ID:BVVJldfA0
大体一話はこれで三分の二くらいです!!!
思ったより投下に時間がかかっちゃったので明日か明後日に続きやります!!!
では!!!
78
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:15:44 ID:k1uhtpSQ0
乙!
こう言うの可愛くて好き
79
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:23:26 ID:sL0N8.cA0
こいつぁ面白そうだ!超期待
!!!が多いのだけ気になった いや別にいいんだけど
80
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 00:23:43 ID:yvxXC0KQ0
おつ
これは期待
81
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:25:00 ID:E0FHXwpk0
―事務所―
o川*゚□゚)o「なんか建物はAPOPTOXIN4869を飲まされた高校生探偵の居候する事務所っぽいのに部屋はわりかし綺麗なんだね」
('A`)「え?あ、うん……」
(´・ω・`)「ったく、ただでさえウチはご近所さんからの評判悪いんだから、無駄に注目を集めるようなことはやめてくれよ」
o川;゚□゚)o「ご、ごめんなさい……」
( 'A`)? o川;゚□゚))o,,,,,,ササッ (・ω・` )
サササッo川;゚□(;'A`) (・ω・` )
(´・ω・`)「……流石にちょっと傷つくよ……」
o川;゚□゚)o「……ごめんなさい……」
82
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:26:44 ID:E0FHXwpk0
(;'A`)「人見知りが激しいのはまぁ仕方ないけど、そんなんだと今から何もできないぞ」
o川;゚□゚)o「こ、この人は誰なの?」
('A`)「さっきも言ったろ。フランケンシュタインだよ」
o川*゚□゚)o「……え?」
(´・ω・`)「ん?何だ仕事?」
o川*゚□゚)o「この人?」
('A`)「うん」
(´・ω・`)
o川*゚□゚)o「いやいやいやいやいや?」
83
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:27:42 ID:E0FHXwpk0
o川*゚□゚)o「え?だってフランケンシュタインって」
,,,,,,,,,,,,
| .+++.|
| ・∀・|
(⊃y ⊃
ノ ゝ
フランケーン
o川*゚□゚)o「こんなんじゃなかったっけ」
(´・ω・`)「それは僕が作った大輔だね」
o川;゚□゚)o「だ、大輔!?」
('A`)「フランケンシュタインってのは怪物じゃなくて人造人間作った科学者の名前なんだよ」
(´・ω・`)「大輔作ったはいいけどさぁ、あいつ言うこと聞かないわ恋人欲しいわうるさいから仮死状態にしてやったわ」
o川;゚□゚)o「じゃあ人間ってこと?でもそれだと、とっくに寿命迎えてるんじゃ……」
84
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:28:35 ID:E0FHXwpk0
('A`)「死体から生命を作り出すフランケンシュタインだぞ?狂ってやがんだよ、こいつ」
('A`)「自分の身体改造して寿命伸ばしやがったんだ」
o川;゚□゚)o「そ、それって不老不死……」
(´・ω・`)「いいや、ちがうね。僕が生きていられるのは『フランケンシュタイン』がこの世界中でポピュラーなおかげさ」
(´・ω・`)「天才マッドサイエンティスト、死体から人造人間を生み出すことに成功した人間、その概念を体現するという存在としてね。自身の改造はあくまできっかけだ」
('A`)「普通、都市伝説やお化けの類はその噂や元ネタに忠実になるもんなんだが、こいつはちょいと例外だ」
('A`)「強すぎる知名度が些細な差異をもみ消してんだよ。『フランケンシュタイン』って概念は、こいつが今生きてようが死んでようが大した問題にしないんだ」
(´・ω・`)「現に君みたいに小説『フランケンシュタイン』をあまり知らないのに、大輔の容姿イメージがすぐわいてくる人がいるみたいにね」
85
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:29:57 ID:E0FHXwpk0
o川;゚□゚)o「ふ、ふ〜ん……」
('A`)「よくわかってないみたいだな……まぁ簡潔に言えば有名すぎるからちょっとくらい違ってても気にならないってことだよ」
(´・ω・`)「だから人々から忘れられたら僕も死ぬ。だから不老不死じゃない……ってかドクオ。僕のことそんなにペラペラ喋るってことは」
('A`)「ああ。今回の客だ。口裂け女」
(´゜ω゜`)「うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
o川;゚□゚)o「ひっ」ビクッ
(´゜ω゜`)「ひああああああああああああああ!!!!!おぺだあああああああああああああああああああはははははひひひひひひひひひひ!!!!!!」
(´゜ω゜`)「ひひひひひひひひひひひひひひひひ口裂け女!!!!!!!!!!!!!!!!!!ひひひひひひひひひひひひひひひ!!!!!!!!!!」
o川*;□;)o「ぁ……ぅぁ……」
86
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:30:59 ID:E0FHXwpk0
(;'A`)「おいおい落ち着けフランケンシュtt!いてっ!噛んだ!!」
(´゜ω゜`)「じっくりたっぷりきっちりゆっくりねっとりしっかりやらなくちゃあああああああひひひひひひひひひふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!!!!!!!」
o川*;□;)o「もうやだよぅ……おかぁさぁん……」
(;'A`)「落ち着けって!オペできなくなるぞ!!」
(´・ω・`)「それは困る」
(;'A`)「そういう風に切り替えできるんなら最初からやれよ!なんで恐怖を煽るようなことしちゃうの!あほか!」
(´・ω・`)「あー天才科学者の僕にアホとか言うとかまじありえないんですけどーあーあ」
('A`)「閻魔省に突き出すぞ」
(´・ω・`)「あっ、それはマジ無理、勘弁してホント」
87
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:33:54 ID:E0FHXwpk0
o川*;□;)o「うぅう……」
(;'A`)「あー、確かにこいつ頭おかしいけど、手術だけは失敗しないから。うん」
o川*;□;)o「もうそういう問題じゃないよ……」
(´・ω・`)「いいやからやらせてよ」
(;'A`)「その言い方やめろよ……」
(´゜ω゜`)「ああああああっ!!!つべこべ言わずいいからやらせろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
o川*;□;)o「うえええええええん!!!!」
(;'A`)「だああああ、もう収集つかないじゃん!!黙れクソ眉毛!」
88
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:35:16 ID:E0FHXwpk0
o川*;□;)o「ひっく……ひっく……」
(;'A`)「し、しじゅ……しゅじゅちゅちゅうはあいつはこうならないから大丈夫だよ……」
o川*;□;)o「もうどんな言葉も心の慰めになりゃしないよ……あの人がメスもってる姿見るだけで気絶する自信あるよ……」
(;'A`)「あぁ、しゅず、し、手術って言っても医学的なもんじゃないから大丈夫だ。ぶっちゃけ触るだけ」
o川*;□;)o「お、お触り!?こ、こわい……」
(;'A`)「もう何言ってもマイナスイメージだな……」
(´・ω・`)「ただのお触り呼ばわりとは、心外だね。触ることにより現象の解析を行い対象の生命力の流れを用いた再構成と時空間の操作を行……」
o川*;□;)o「わけわかんないよぉ……」
(´゜ω゜`)「あああああああああああああああっ!!!!!!じれったいんだよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!やらせろ!!!!」
o川*;□;)o「ひいぃ!」
(;'A`)「あぁあ!!もう!!!!」
89
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:36:01 ID:E0FHXwpk0
o川*;□;)o⊂('A`;)ギュッ
o川*;□;)o「……!」
(;'A`)「俺もいるから!お願いだから安心して!話が終わらない!」
(´・ω・`)「うっわー、相手が普通の女の子じゃないからって、ここぞとばかりに日ごろのムラムラを晴らすようにいやらしく手を握るなんて……」
(;'A`)「ちちちち違うわ!そもそも誰のせいだと!!!!」
o川*う□;)o「……何か落ち着く」
(;'A`)「へ?」
o川*゚□゚)o「……ありがと、もう大丈夫」
(;'A`)「え?あ、は、はい……」
90
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:38:20 ID:E0FHXwpk0
(´・ω・`)「うっわー、絶対勘違いしちゃってるよこいつ。きんもー」
(;'A`)「うるせぇ!……で、どうする?しゅ……す……手術するか?」
o川*゚□゚)o「……うん」
(´゜ω゜`)「んんんんんんんんんんんんんんグレイトフルゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!」
(;'A`)「だから静かにしとっけって!!……で、本当にいいのか?」
o川*゚□゚)o「……あたし変わりたい。ずっとそう思ってきた。もう口裂け女はいやだって。ここで逃げてちゃ一生このままなんだし、やらなきゃね」
(´゜ω゜`)「ああああああああああああぁああナイス!!!!ナイス判断んんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!!」
(;'A`)「……本当に大丈夫か?」
o川;゚□゚)o「ま、まぁ怖いっちゃ怖いけど……信じていいんだよね?」
91
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:41:28 ID:E0FHXwpk0
(´゜ω゜`)「トゥラストッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!トゥラストォミイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!」
(;'A`)「う、うん……と、トラスト、ミー……」
o川;゚□゚)o「わ、わかった……で、どうすればいいの?しゅず……しず……手術室とかいくの?」
('A`)「いや、そこのソファーにでも座っててくれ」
o川*゚□゚)o「おっけ」ポスッ
(´・ω・`)「じゃあはじめようか」ポスッ
o川;゚□゚)o「ひぃ!」
(´・ω・`)「まだ正面に座っただけじゃないか……」
o川;゚□゚)o「だ、大丈夫だよ!もう覚悟は決めたから!」
92
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:44:25 ID:E0FHXwpk0
(´゜ω゜`)「キヒッ!!!!!キヒヒヒヒヒヒヒヒヒィ!!!!!!!!!!はじまるよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
o川;゚□゚)o「……手」
(;'A`)「え?」
o川*゚□゚)o「ちゃんと、握っててね」
(;'A`)「え?あ、うん」
o川*゚□゚)o⊂('A`;)ギュッ
o川*‐□‐)o「ふぅ……」
(´・ω・`)(……ドクオの中和、ちゃんと効いてるようだね)
o川*゚□゚)o「えっと、それじゃぁ……お願いします」
('A`)「あぁ、マスクは付けたままでもいいよ。触るだけだから」
o川*゚□゚)o「う、うん」
93
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:48:00 ID:E0FHXwpk0
(´・ω・`)つ「じゃぁ、始めるよ」スッ
o川*‐□‐)o「はい……」ギュ
(;'A`)「ぎゃあ!!痛い!!!!痛い!!!力弱めて!!!!」
o川;゚□゚)o「あっ、ごめん」
(´・ω・`)「ただ単に脚力だけじゃなく全体的に身体能力も高いんだなぁ。面白いなあ」
(;'A`)「面白くないわ!むっちゃ痛い……」
o川;゚□゚)o「力加減難しいんだよね……そういうのもなくなるの?」
(;'A`)「あれ、なんか腫れてる……まさか折れてないよね、これ……」
(´・ω・`)「うーん、口裂け女の象徴である傷がなくなったらそういうのも弱まるかもしれないね」
o川*゚□゚)o「……そっか」
(´・ω・`)「まぁやってみないことにはわかんないなぁ。もう触っていいかい?」
o川;゚□゚)o「うん」
94
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:48:24 ID:5ZtdJEpQO
しゅじゅちゅしちゅっ支援
95
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:48:43 ID:E0FHXwpk0
(´・ω・`)つ「ではでは」ピトッ
o川;゚□゚)o「ひゃあ!冷たい!!」
('A`)「こいつ冷え症だしなぁ」
(´‐ω‐`)つ「別にいいだろ……ふむ……なるほどね」
o川;゚□゚)o「ど、どうですか」
(´‐ω‐`)つ,,「なかなか強い呪縛だな……ドクオの中和と僕の能力でもギリギリってとこか……」サワサワ
(;'A`)「えー、まじかよ……大丈夫だって大見得切ったのが恥ずかしくなってきた……」
96
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:51:31 ID:E0FHXwpk0
o川;゚□゚)o「……」
(´‐ω‐`)つ,,「まぁ幸いだったのは、傷が口裂け女としてはそこまで深くはなかったことかな」ペタペタ
o川*゚□゚)o「あ、あたし以外にも口裂け女の治療したことあるの?」
(´‐ω‐`)つ,,「いや……傷から分析したんだ……ある意味ここは口裂け女の象徴みたいなもんだから、色んな情報が詰まってる」ウリウリ
o川*゚□゚)o「あ、あたしのプライバシーが露わに……」
(´‐ω‐`)つ,,「そういうのはあんまりわかんないから大丈夫だよ……」チョイチョイ
o川*゚□゚)o「よかった……」
(´・ω・`)「よし、大体解析終わったからそろそろ始めるよ」
o川;゚□゚)o「りょ、了解」ギュゥググ
(゜A゜)「んぎゃぁ!」メキャァ
o川;゚□゚)o「あっ、ごめん……」
97
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:52:29 ID:E0FHXwpk0
(゜A゜)「なんやこれ……指がおかしな方向にまがっちょる……」
(´・ω・`)「後で治してやるからドクオも静かにしといてよ……集中できないじゃん」
(;'A`)「えぇぇ、指折れた俺にそんなに冷たい言葉を投げかけるの……」
(´・ω・`)「悪いけど今こっちはそんなに余裕ないんでね……じゃ、口裂け女さん、口の力抜いて」
o川;゚□゚)o「は、はい」
o川*´□`)oフニャア
(´・ω・`)「何も顔全体の力抜かなくても……まぁいい、取りかかりますかね」
( ´・ω・`)つ,,「それそれ」クニクニ
o川*゚□゚)o「冷たっ」
(´・ω・`)「しゃべっちゃだめだよ」
o川;゚□゚)o「す、すいません」
98
:
名も無きAAのようです
:2013/01/10(木) 23:53:24 ID:E0FHXwpk0
(´‐ω‐`)つ,,「まぁ別にそんなには気にならないけど、傷が動くとやりづらいから静かにしといてね」サワサワ
o川*゚□゚)o「はーい……」
(´‐ω‐`)つ,,サワサワ
o川*゚□゚)o「……」
(´‐ω‐`)つ,,サワサワ
::o川*゚□゚)o::「……くっ……ふ……」
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