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ミ,,゚Д゚彡吼えないケモノのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2013/01/03(木) 21:53:09 ID:YY0yPaFw0
;;,:;;;:;ヾ ゞゞ'ヾ ゞ:;ヾ ゞゞ';':,;j:;, ;,i;:,i!:;,'ミ:.ミ,",:'';゙`;;:y;';;;:ゞミ;''ソ:;ゞ;';:;;:゙、`、;';:;";;;:;ヾ ゞゞ' ヾ ゞゞ'ヾ ゞ:;ヾ:;ゞ;;';:":;ヾ ゞ;
"'`',:'':;;:,'ミヾ:,;:ゞ'ゞ.;;:';;ゞ;:!; l .;,;::. :l.:;r"ソ;;:';;ゞミ:;.;;ゞ;:;ゞ,:;i''`ヾ;ミ:;;:,ゞ:;ゞミ,:;:'':;:;:;ゞ;ゞゞ;ゞ;:'':;;:,'ミヾ:,;:ゞ'ゞ';;ゞ;;'ゞ;;:'ゞ';;:.:;
.,.;;'ン:;.;ヾ ゞ:.;;ミ;:;ゞ':;ヾ;:;|;; | :;;;.;::.| ;|;;`;,'ミ:;ミ,"ゞ;", |; i :|!:.::.:.:.`;;:ソ:;:ミゝ,:;:'':;:;;.::;,'ミ:.ミ,"'゙ソ:;,:;.;ヾ ゞ:.;;ミ;:;ゞ':;ヾ:;':;;ヾ;:"
,;";:ヾゞ ゞ';:;:;ヾ:'':;:;,'ヾゞ|;;:.;;;:.,;;l:;;l.:;|;:;ゞ;;,':;.ミ,,:;:;'' :;|: l: ;|:. :. :. l .:i|;`::;,'ミ;r''ソ:;;゙、\ヘ;;:ミ:';'i:l;j;:l;,i:;;'ゞ;:ヾ;;:':;ゞ;ゞ';:ゞ;ヽ
.:;;;:;ヾ ゞゞ';::;;ヾ;;ヾ;ゞ:;;ゞ;|:';:.;;,;:.:;| ;;,:;|;:;ゞ;ゞゞ;ゞ,:;;ミ:;|;;:|:. .::;|:. :. :.;| .;:|;;:;ヾ:;ミ;:゙:, ,;.,. ,.:;ヽ:;ゞ!:;j:il:;j:,j,:r;ソ;:ゝミ;ゞ;ゞ:;;ヾ:'゙、
;";;;:;ヾ ゞゞ'::、:;;:ゞミ;'';;.,;ミ|;;:j ;;,;,: :;;.,;;:|゙、`:;,:;:'':;:;ゞ';:;"|:;.;. .:!: .: l ;l.;:i:|,:;:'';;:;";;:ヾ:.ゞゞ';;:`;ゞl;i;:l;j:j:;,j;|;;:;:ヾ:;ゞゞ':;ヾ;゙、`、;
ヾ;ゞ:;,;;ヾノソ;;ヾ;:;ヾ;:,ミゞ;|,;,:|.:;;;.::;;;:l:;;:|;;:'':;:;ゞ;ゞ';:;:ゞ;;|;: l .;|: ;| ;| ;|゙;;`、,.;::;,'ミ:.ミ,"::'';,::ミ,`l;;j:;i:;j:,j,l;;:;ヾ ゞ'::、:;;:ゞミ;';:,;.
`';:;ヾ;ゞゞゞ;':j.ij;j,!;,:, |;;::|:;,;,::.,;;:|:;;;|;:;ゞ;,:;:'':;:;'";ヾ;;|; . ;rj: i :, :| ,|;:;":;ヾ;;ヾ;ゞ:;;'':;ミ,",;.:;|:,j:i:;j:;,l:,l;ヾ;ゞ:;,;ヾノソ;:;ヾ;:ゞ
. ,.;;:゙:、,;"'`!;j;l;j,j|;:;ゞ,|;: ;;:.,;:.::;;;.|:;;゙|`;ヾ:;;ゞ;:ヾゞ:;ミ| i; {リ l :| :| :|::;;ヾ;;゙;:;";;:;ヾ ゞゞ' :,:;|;:;j;;l;,:ij;:|`':;;:ゞ;ゞ';;:ゞゞi;:.'i:;
.;,;ノ,;:;ヾ ゞゞ'|j.i:,j:,j|ミヾj:l:;;:|.,;;;:..:,;;企画:( ^ω^)ブーン系突発イベント場のようです.;;i;;;| ;i;';i;r`、;:;;,l:';i:|:. :|::';l:,
ソゝゞ,:;゙;''`|,:j;;l;,:i|"゙`| l:; | ::;;;, ::. :;;| |i;li|;':;ヾゞ;ヾ;|;: :l: .:| :r :|;;:ミ:;ミ;| '; i; ト、;:ヾ:;゙';;:'|;l:j:;|;,:ij;:| 〈;:;..|;';:;| |;;':;.
;ヾ゙;:ゞ;;:ミヾ:;|.:ij;:l;,i|. |;. .;;':;;, ::;;:|.:;;;| |lij;|,;';,:'ゞ;, :ミ|;.|: :;|:. .: .:;|; ;|.,.;;'ゞ'|:|; |:.;|"'`' ;:; .;, |;j:,i,l:;ij;j;| ゞ;.|;';i:| |:i;:l;
ノj;i:;i:l;i⌒ゞ|:l:j;,l;:i;|. |;; ,;| ;; ::;;;:| :; | |li|l|"゙'^!;li゙'`|;:|: :,| ;i. :| .:l; .;|:'゙ ';:|,l :i|:.|!,:;:':゙;;ミ ゞ|;j;,i,.;j;j:;:|. .|;゙;l;| |:';:;i
.:|:;i:;,l;|:. |;j;.i,;j.l;|:. |;,: ,;i ;; :;;;,:l ;;',|; .|li;l|;:;;、;|vl. |;.|:. :;|: :| .;i :| :| . |;| .:| リ;;゙;:;";;ゞ;;.|;.j:|;;j,;j,:;|:, |;';i;:| |;'l;:;
:|;i;l;:l;|;. |,.j;l:j,;j,|;, |;, y' : ,-、:; ;; ;|ヾ|l;il|:;:;ミ;!;li} |;:|:. ;;|:. .:}:..;|: .;|:.;| ;;;:| |: i :;|:;;゙ヾ:.ゞゞ|;:j;i:j:,;ij,;|;: |;';i;:| |:;'i;;
|;lj:;i;i|:. |;.j;i:j,;j,|ヾ;;|, ;' ;;;: !r:}.;;;:.; | |lil;i|;r゙"| ;i} |:;,: .;;N:. : ,j;. .; l :.| `:;;|.; :;| ;i|'`':;;li;!;:゙`|j.;,j:i::j:,i;|: .|;'l;;i| |;:'l;:
;i;l.;;l;|;. |.j:;j,;j.j;|;;ゞ| ;;!:;;, ';`イ:;;;: :;| lli;l!| | il}. |:|: ;. .;| .:i,: :|;: .;|.:.;| ゙|:i :;l |:| |li |:i,;j:;j;,lj;:i| ノ:|;'i;l:| |;i:;;.
;:l:;j;;|゙ |:lj.;j:,j.i;| | ;:|:,;;:,..:;;i.:;;;.:;;:| |i州 | li}.|;|: ,;};. .: :;|;,. .:|; :| : | .|:| : | l| |l| |i;,j:;;j:;,j;i;| i;,::|;';l;i:|、. .:|;':i;:
;i;:ij;tーz_,|,i;,j:j:;k,|弋|;; ;l ;;j; j゙ ;;' ,;k;| ,jl从| | k} |:j. ;;j:: .: :;|;;:. :;!: .;t .:;|. |,|:i:;|;.i|. |i| |,i;,j;j:;i,:;lj;i、,k;:|;';j;l:|:;;, . ::j:;'l;.
156
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 01:03:18 ID:J75qNcX60
おつ
157
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 16:55:53 ID:eZwdnZ9gO
さて明日な訳だが
158
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 19:15:53 ID:4PDe3Vmk0
8時半に投下する
159
:
途中で飯休憩入れます
:2013/04/05(金) 20:34:48 ID:4PDe3Vmk0
j } l__, -' ,,,
| i ,r'-−'´ ,,, -';;;;;j
├ト、 ̄ ̄ト、 ̄ ̄` 、 ,,, -'''ーミ-‐''"::::/;;;;/
i |l ||____ r'.:.:.:,_,:.:.::::::::::::::;;ノ;;;;;;;i
レ-‐;;: 、-''´゙`゙゙ミ州_.:.:(::::..j .::::::::::;;;;;;;;;:;:ミ
,r' ミ;;;::;;;::::;i゙ ,,, ,ヽ' .;;;;;::::::;;;;;;;;;;ミ
ゝ ミ-ァ-''´}/j .:.:.:::::::.:;;;;;:ミ 後編
ミト ,r ;: | i`゙ ヽ-、 ;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;ミ
彡ノ,r ;: ノ ,,゙ヽ l::::.:j .:.:.::::::::;;;;:ヾ::ミ
| i`j、,,,r ミ ̄ ̄´ フ ミ `''´.:.:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙''、,,
| |` ー-゙゙、_,,__,,.-'"´`''-‐''"ミ.;;;;;;;;:::.:ミ;;;;ミ;;;;;;:;ヾ
| / {  ̄l ̄ ̄`丶:::.. ゙´`ミ彡ヾ,,,,,,,..-‐''"´
i_,ィ' ,r' ,r' ノ::::::: ミ゙ ゙゙゙
/´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´::::::::::: ヾ゙
160
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:36:19 ID:4PDe3Vmk0
奇形の子供を拾った夜が明け、とうに昼。
フサとツーは、草むらの上に寝転がり折り重なるように眠っていた。
ミ,,゛Д゛彡ボケーッ
(*゛∀゛)ンニャー
从 ゚∀从「今日は二人とも、やけに静かだねえ」
(,,゚Д゚)「春だからな。これだけ天気もいいと、日向ぼっこもしたくなるだろう」
夫妻は事情など知らぬげに、フサたちを遠目から見守る。
夜更けにあれだけ歩き回って、帰ってくる頃には空は白んでいたのだから、
眠気に襲われるのはまあ当然のことであり。
(*゛∀゛)”コクッコクッ
(*-∀-)スピュー
ツーはこっくりこっくりと前後に頭を揺らすと、ぼてんっと眠り込んでしまった。
.
161
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:38:29 ID:4PDe3Vmk0
春爛漫の暖かさは、フサも眠りの世界へ誘おうとする。
(*-∀-)ムニャ……
ミ,,゛Д゛彡シパシパ
从 ゚∀从「ちょいと、ちょいとフサや」
ミ,,゛Д゛彡ボケー
从 ゚∀从ノ「フサ……」
船を漕ぐフサに、ハインは何度も呼びかける。
しかし上の空のままなので、ハインは何気なしにその肩に手をかけようとした。
―――――――――――Φ
バシィッ。
从;゚ -从「!」
ミ,, Д 彡「…ッ!」
.
162
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:39:50 ID:4PDe3Vmk0
ミ;,,゚Д゚彡「! ……」
反射的だった。ハインの顔すら見ずに、フサはその手を弾き飛ばした。
一瞬の静けさだけが訪れ、徐々にフサの眠気が奥へと引っ込んでいく。
从 ゚ -从
間。
从 ゚∀从「……悪いんだけど、また魔術師様のところにお使いに行ってくれないかい?」
ハインは一瞬呆然とした表情を見せたが、すぐに言葉を切り出した。
何事もなかったかのように、バスケットを差し出した。
从 ゚∀从「これ。中に魔術師様へのお返しが入ってるから」
ミ;,,゚Д゚彡゛コクリ
気まずい空気をぶち壊すように、フサはバスケットを受け取る。
そして振り返ることなく、魔術師の住まいへと向かった。
163
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:45:21 ID:4PDe3Vmk0
(( ミ,,゚Д゚彡
二度目ともなると、ツーのお供なしでも迷うことはない。
森の匂いは覚えたし、森の異形たちも道の邪魔をするつもりはないようだ。
ミ,,゚Д゚彡
つ[#####]
バスケットの中からはとても良い匂いがした。
サンドイッチか何かだろうか。香ばしい肉の匂いが鼻をくすぐる。
そういえば以前、ツーがピクニックに行きたいと言っていたのを思い出す。
( ∵)チラッ
ミ,,゚Д゚彡゛
( ∵)ぅチョイチョイ
゛ミ,,゚Д゚彡゛
( ∵)ケチ
164
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:51:39 ID:4PDe3Vmk0
森の異形たちを軽くあしらいながら、魔術師の家までたどり着く。
魔術師の根城は一見すれば森と同化していて分かりづらい。
魔法で幻術をかけ、家が見つからないように工夫しているのだろう
・・・・・・・・・・・・・・・
:やあ、待ってたよ:
・・・・・・・・・・・・・・・
玄関まで近づくと、あの姿なき声がフサを招き入れた。
春うららかな午後など忘れてしまったかのような、ひんやりとした空気がフサの頬をなでた。
ミ,,゚Д゚彡!
( ・∀ ∀・)ニャ!
部屋に入ると、意外なことに、あの奇形の赤子が床を這いずり回っていた。
そしてフサを見るや、黒いきらきらとした目でフサを見上げてくる。
ミ゚Д゚,三,゚Д゚彡
.
(*・∀ ∀・)ニア!
ミ;,,゚Д゚彡
どういうことだろう。何故女神の元にいるはずの赤子が、ここに。
.
165
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:58:32 ID:4PDe3Vmk0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:押し付けられちゃったのさ。やれやれ、ヒドい話だと思わないかい?:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フサの心を読んだかのように、魔術師の声が部屋中に弱々しく木霊する。
すると、フワリと赤子が浮き――否、抱き上げられたのだろう。
仰向けに抱っこする形のまま、ふよふよと浮いている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:夜中に人の家を水浸しにして、この子預かってくれないかって。全く…:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
成程、部屋から感じた冷気はそういうことだったらしい。
フサは赤子が浮いている部分に向かって、バスケットを差し出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:ああ、ハインからかい?悪いけど、そこの机に置いておくれよ。今手が離せなくてね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言われるがまま、フサは散らかりっぱなしの長机の上にバスケットを置く。
そのとき、ごちゃごちゃの机の上の、雑多に置かれた本の下から、あるものを見つけた。
. __
{<●>}+
.  ̄ ̄
指輪だ。しかも、昨日フサが見つけた、女神の指輪。
きらりと輝く宝石は確か、ウルタール石といったか。
166
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:59:57 ID:4PDe3Vmk0
一旦飯
戻ったら再開
167
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 21:28:16 ID:4PDe3Vmk0
ちょっと調子悪いので休憩
168
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 21:38:10 ID:s9wvkHdU0
無理しないでね
169
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 00:19:03 ID:CyRsaVYwO
休憩長いな、続きは今日の夜かな
170
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 08:39:07 ID:bZJN9fNk0
伸びないとすぐ休憩
171
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 10:48:40 ID:4n34yDbs0
PCのツン期が終わらない
投下する
172
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 10:53:45 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:その指輪がどうかしたかい?:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い室内でなお、宝石は輝きを放つ。
食い入るように指輪を見つめるフサに、魔術師は訝る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:ああ、そういえばその指輪は君が拾って彼女に返したんだっけね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡゛
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:それは彼女からの代価さ。この奇形児の世話を見る分の、ね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気だるげな声はフサの疑問に答えると、
「そこで待っていてくれ」と残し、その気配を部屋の奥へと消した。
奇形児はにゃあにゃあと明るい声で笑っている。
フサは手持ち無沙汰となり、何気なく指輪を手にとった。
.
173
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:00:30 ID:4n34yDbs0
一見すると、何の変哲もない普通の宝石だ。
ウルタール、猫に愛された街の名前を持つ石。
確かに言われてみれば、猫の目のようにも見える、黄色い輝きを放っている。
__
. < / \ > .
. :个 ‐- / , '′ i` : .
/ i l:::\ /ヘ, l __ \
. イ-―¬‐=ニ.._j::ニ=-‐‐-=ニz--‐‐1 i:〉,
. / | !:::> ´ ` <,」 j::: ヘ
′|___ j ' 丶'/77 ‐=:.
,'> ´\,'// ∨/ ,.
. ;ヘ、 , ′ '/ヽ /::;
. i//\ / i i///,>、::::::i
|/// 丶 | |,/ \::|
. k' ∧ ,'∧ !
. v> , _/::::::、 , //ム -‐=7
. V,/// ̄ ̄ト、 /,| i:::::,′
. ∨/ j:::::> .._ _..<'//| | /
'、=-‐1゙ ̄ ̄∨/フ7へ'7フ// ̄ ̄ ,―--, '
'<,'/∧ ∨' ´'v/ / ::::>'゙
`'マハニ=-‐ \ / ‐-=ニ/> ゙
`゙''<::::__::ヽ./::__:::>''゙´
 ̄ ̄
.
174
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:02:28 ID:4n34yDbs0
ミ,,>Д゚彡ノ゚ ジーッ
フサは指輪をつまんで、その宝石をまじまじとのぞき見た。
薄暗がりで光などないはずなのに、まるで星のごとく煌めいている。
まるで石の内側から、光を放出しているようだ。
石の中で複雑に光が反射し合って、幻想的で、吸い込まれてしまいそう――。
│
∧
/ ∧
/ ⌒ \
/ \
/../ ̄ ̄ ̄\. \
/ / ヘヘ |! ハ.∧\∨
∨∧\ ,,-‐一',. /∧∨
マ∧,\ 八:.: : !: : :.八/゙∧マ
マ∧.>==-: : :.||.: : :|ー==<ヘマ
マAハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハヘマ ギラッ
{:|::|.____,.|:.:.:.||: : :.|.、__.|:|:}
}:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:{
{:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:}
}:|::| ̄ ̄`|:.:.:.||: : :.| ´ ̄ ̄|:|:{
ムVハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハ/ム
ム∨ >==-: : :.||.: : :|ー==</ム
ム∨,/ 八:.: : i: : :.八\ ゙/∧
ム∨/ `ー一'` \/∧
ヘ.\ // |i ハ.∨/ /
\.\___/ /
\ /
\、. /
∨/
∨
│
175
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:07:41 ID:4n34yDbs0
ミ;,,゚Д゚彡「――――――ッ!?」
ガシャンッ!!
気がつけば、フサは指輪を取り落としていた。
指輪を持っていた手が震え、嫌な汗が溢れ出す。
ミ;,,゚Д゚彡「……」
震える右手を左手で抑え込む。
どうにか落ち着こうと深呼吸し、指輪を見下ろす。
見間違いか?否。確かにフサは見た。
宝石の反射の奥で、ギロリとこちらを睨む瞳を。
あれは間違っても、自分の目を反射したのではなかった。
憎悪にまみれ、殺意を剥き出しにした、敵意の目だ。
底知れぬ深淵をたたえた目だ。
先程まで美しいと思えた宝石は、邪悪で触れてはいけないものだと、フサは直感で感じ取った。
.
176
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:15:38 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:万物によっては、容易に触れていいものと、迂闊に手を触れてはいけないものが:・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・:あるのさ、フッサール・スミス :
. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,゚Д゚彡
声が、フサの真後ろからたしなめるようにそう言った。
その言葉の調子はどこか、無知な子供を小馬鹿にするかのような、
見下した雰囲気が受け取れる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:特に石は不思議な力を持つものだ。持ち主によっては幸福を運び、或いは滅亡を与える:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これの前の持ち主たちのようにね。
フサが空間を凝視する前で、するりと、白い手のみが浮き上がる。
陶器のような白い手は、指輪をつまみあげ、丁寧な動作で
机の上に戻した。
落としたはずなのに、宝石には傷ひとつ付いていない。
それが一層、宝石に不気味な気配を与えるのだった。
.
177
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:23:38 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 石とは不思議なものだ。磨けば輝き、時に不可思議な世界を見せる…… :
: 君は何を見た?この小さな世界に、どんな事象を見出した? .:
: 覚えておくといい……石は人の未来を示唆する。それが君の役に立つことを願うよ.:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔術師の声は早口気味に言葉を連ねると、す、と小瓶を差し出した。
中には何も入っていない。すっぽりとフサの手に収まる大きさだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:その中に君の精を出来るだけ詰め込むんだ:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,゚Д゚彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:何でって……、そりゃあ儀式に必要だからさ。 :
:あの奇形児をこの森で住まわせるための、大事な儀式の材料さ:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,-Д-彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:フフ、新月の夜が楽しみだね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
,
178
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:29:09 ID:4n34yDbs0
(((*゚∀゚)))ソワソワ
ソワソワ(((゚∀゚*)))
从 ゚∀从「何だか近頃、ツーの様子がおかしいねえ」
(,,゚Д゚)「ああ、……ほら、そろそろあの季節じゃないか」
从 ゚∀从「? ああ。そうと決まれば、ガレットを焼かなきゃねえ」
从 ゚∀从「中身はどうしよう?去年は硬貨だったけど……」
(,,゚Д゚)「そうだな、俺が街で人形を買ってこようか」
ニマニマ(((*^∀^)))ソワソワ
ミ;,,-Д-彡 ウーム
∞
.
179
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:33:07 ID:4n34yDbs0
ミ;,,-Д-彡ウーン
∞
新月まであと少し。
フサの脳味噌は悩み事ではちきれんばかりだ。
奇形児のこと。やはりギコとハインに相談すべきだったか。
奇形児の親のこと。もしかして自分たちの存在を嗅ぎつかれてやしないか。
あの宝石に映った瞳のこと。魔術師の言葉を信じるならば、あの瞳の意味は――?
(,,゚Д゚)「フサ、おうい、フサや」
ミ;,,゚Д゚彡そ ドッキーーーンッ!
(,,゚Д゚)「? 今から俺は村で買い物をしてくるから、家のことは頼んだぞ?」
ミ;,,゚Д゚彡ドキドキドキ
ミ,,゚Д゚彡゛ コクコク
.
180
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:36:59 ID:4n34yDbs0
【村】
///i! l::::ll::.l l::゛゙l' ,, . `ヽ! ,,ヘ \!!', ./i
///i! l::::ll::.l l:::::l::.'l ゝ, |::| ..|! .', / i!
///i! l::::ll::.l l:::::l:::.l |::::' , !::| .ril ', / i!
///i! l::::ll::.l l:::::l::::l |::::|::::i .'ヽ |.|! ', / / .i!
`''-.!! `''-..l l:::::l::::l ..|::..l::::! .^|! ',, / / i!
.` 、 ..l |::::|::::! ト、 |! ',____._. ./ / i!
゙゙' |::::l::::l .!::::'! |l i!\! i / ', / / ,i! γ⌒'.,
`'=-i !::::l |l r・, r・, !::::::ヽ ../ /./ γヽ i! γ .l '.,
.!::::l |l.| l l .l l::::::::| \ ./ .// l i i! i .l l
゛゛''l i!=====┓ ' |l |__l l__l l::::::::| n ..\ / ./!γ, l___i i! i .l l γ ⌒`ヽ
:::::::l l..∨ .l |i l::::::::|.i,! !,i.l .,'', l‐‐‐‐/ i i l .i! i-┼―-.l ,' ヽ
:::::::l l..∧ .|`', i!'= ,, |l .l::::::::| l/^\' ', l ロ /!i l i__l i! i .l l ,' ',
:::::::l \_/::::::', i!:::::::i! .l'= ,|i r.i .r.i l::::::::| n n l. ロ ロ ロ\',.l !.i l /l', i! i .l l | |
:::::::l i:::::::::::ll i!:::::::i! l:::::l|i l_l l_l l::::::::| i,!i,! l /.'.l ロ l.i .l ./ | .', i! i .l l | |
:::::::l i:::::::::::ll i!:::::::i! i:::::l|i ,'゙゙', .l:::::::| l ロ l゙゙l .├‐.┤゛l l .| l i! ゙゙゙'',',',',',/ .| |
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:::::::l i:::::::::::ll._ '''"゛ -‐''"゛ i `ヽ .l . .l i! | ┗! ..|
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ー'''"゛ \ `゙'ー .._ |
`''ー| .._
(,,゚Д゚)(さて、人形屋はどこだったかな……)
181
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:41:47 ID:4n34yDbs0
(*´∀`)(・∀・*)キャッキャッ
(((,,゚Д゚)テクテク
(,,゚Д゚)(魔女狩りがなければ……ここも平和なのだがな……)
夕暮れの街並みは、まばらに人が集まり始め、夕時市が開かれる。
大人が買い物をする横で、子供らが脇をすり抜ける。
ギコは辺りを見回しながら、人形屋を探す。
ガレット・デ・ロワに入れる人形を買うために。
(,,゚Д゚)「ううむ……見つからん。この辺りに来ることはあまりないからなあ」
ひとりごちながら、先を進む。
しかしそれらしい店は中々見つからない。
(,,゚Д゚)「仕方ない、人に聞くか……ん?」
.
182
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:49:06 ID:4n34yDbs0
キョロ(´<_`;三;´_>`)キョロ
(,,゚Д゚)(騎士?見慣れん顔だが……)
ギコの視線の先には、一人の騎士がいた。
道の真ん中で大往生し、しきりに辺りを見回している。
鎧の姿も相まって、かなり目立っている。村の人間たちも不審な目で男を見ていた。
(´<_` )!
不意に騎士の男がギコを見る。
バッチリ視線が合ってしまった、と思いきや、つかつかと歩み寄ってくる。
(´<_`;)「もし、そこのお方」
(,,゚Д゚)「あ、はい?」
がっしりと肩を掴まれ、ギコの顔がこわばる。
自分の正体が知られてしまったのでは、などとありもしない恐怖に一瞬陥った。
だが――
(´<_`;)「よろしければ……教会までの道を教えてくださるか!?」
(;,,゚Д゚)
――杞憂だったようだ。
.
183
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:55:55 ID:4n34yDbs0
(´<_` )「いや、申し訳ない。関係のない貴方にこんなことを頼んでしまって」
(,,゚Д゚)「良いってことよ。困ったときはお互い様というやつさ」
道中、迷子の騎士はオトヤと名乗った。
オトヤは律儀な性格らしく、何度もギコに感謝の言葉を繰り返した。
ギコとしては、怪しまれぬためにも頼みを断るにはいかなかっただけなのだが。
(´<_` )「何せソサク村に来るのは初めてのことでして。スリに地図は奪われてしまうし……」
(,,^Д^)「ギコハハハ!そりゃあ災難だったな!」
この村とて治安がいいとはとても言えない。
盗みだってする奴もいるし、時には人殺しもあって大騒ぎになることだってある。
何より――魔女狩りがある。皆、心休まるときがない。
(,,゚Д゚)「お、もうすぐ教会だ。ほら、あそこに見えるだろう?」
(´<_`*)「有難うございます。この恩はいずれ」
.
184
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:04:51 ID:4n34yDbs0
オトヤは深々と何度も何度も頭を下げた。
ギコはギコで、良いってことよと手を振るだけ。
(,,゚Д゚)「こういっちゃあなんだが、俺も人形を買いにきて迷子みたいなもんだったからな」
(´<_` )「おや、もしやガレット・デ・ロワのためのですか?」
(,,゚Д゚)「よく分かったな。今日女房が作ってくれるんでな、早めに買っておきたくて」
(´<_` )「それはそれは。どうりで香ばしいアーモンドの匂いがすると思いました」
(,,゚Д゚)
ニッコリと。オトヤは屈託ない笑顔でそう言った。
少しだけ目を見開いたギコに、オトヤは笑顔を浮かべたまま、
自身の鼻を軽くつついた。
(´<_` )「これでも、鼻には自信があるんですよ。それでは、また」
くるり、と踵を返すと、オトヤは教会の中へと足を踏み入れる。
重々しく、鉄製のドアが締まる瞬間――オトヤの横顔の表情を知ることは叶わなかった。
(,,゚Д゚)「………………………………」
もうすぐ、日が沈む。ギコは人形屋へ行くことを――諦めた。
.
185
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:10:48 ID:l6i56gqM0
不穏だ…
186
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:10:56 ID:4n34yDbs0
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187
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:23:33 ID:4n34yDbs0
(´<_` )))カツン、カツン
ほぼ無人、そうともとれるほどに静かな教会内。
オトヤから先ほどまでに浮かべていた笑顔は消失し、
顔の筋肉全てが緊張しているかのようだ。
(´<_` )「聖ジョージ教会から参上しました、オトヤ・エル・ダンドリューです。予定より到着が遅れてしまい、申し訳ありません」
立ち止まると、その場で膝を付き、頭を垂れる。
「顔を上げて欲しいですお、ダンドリュー」
果たして――オトヤが今一度顔を上げると、そこには人間が佇んでいた。
この村を守る聖騎士団の小隊長、ブーン・N・ホライゾン、その男が。
柔和な笑みを浮かべ、手を差し出す。
( ^ω^)「歓迎しますお、オトヤ騎士。かの聖ジョージ教会の精鋭どののお力添えとは、頼もしい限りです」
(´<_` )「こちらこそ。騎士団長昇格おめでとうございます、『ブーン・N・ホライゾン男爵』」
互いに、固い握手を交わす。
.
188
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:33:14 ID:4n34yDbs0
.
( ^ω^)「して、」
先に手を離したのは、ブーンの方であった。
( ^ω^)「『神父』殿は?ダンドリュー殿と一緒にいらっしゃる筈では……」
ブーンの問いかけを聞くと、オトヤは渋い顔をしてみせた。
ああ、やっぱり聞かれるか、と、そんな表情を浮かべてみせる。
どう答えるべきかしばし悩んだ後、唇を動かした。
(´<_` )「神父殿は……ロマネルセン殿はまだいらっしゃいません」
( ^ω^)「というと?」
i::ヾ:::::::::::::::::::/7|ヽ:ヽ::::ヽミ、::::::::i .|: : : : : : : : : : : : : : : :./ / .i
|:!: : :::ヽ、::::::/,.j::::',::::ヽ:::::ヽ',::::::' .|: : : : : : : : : : : : : : :./ ___, イ-、, --、__
/::, :::::::ノ::/,'/:::::::::::::::ヘ::::::ハヽ:!', ',: : : : : : : : : : : : : :/ , -':.:.:.:.、 i' ---、 7::---、
7::::::::,、::::::/ //::,':::::::::::::::::三',:::::j::::ヽ ',: : : : : : ,--、____;/_7 ¨`ヽ:::i /:::::〃
 ̄ .i_,,-、y':::::::::::::::::::::ミ彡/::::::::::', ',: : : : :.i ', i 7 i::::/ .i::::::/ /
ヽ、;::::::::::::::ミミ/::::::::::::::::::', ',: : : :.:| .i | 7 7:/ i:::/ .7
',::::ミ斗彡'"::::::::::::::::::::___' .i: : : :.| .| .j 7 7::/ ,'::' j::
ヤ彡彳彡'" ̄ ̄,.i::::::::::', ',: : : ヘノ__ノ--7 i;;i 〃 /::::
i: : : : : : : : : : :||::::::::::::::', ',: : : : : : : :.i i ,、 , ' , .:./::::::
, -'":/::i: i: : : : : : : : : ||::::::::::::::::', ',: : : : : : : \',, 7:::',.:: /: ..::::. .::::::::::::..
i: : :i'::/: :i': :',: : : : : : : ',',::::::::::::::::',二二二二二\::::::::::ヽ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(´<_` )「寄るべき村で『仕事』を終わらせた後……」
.
189
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:37:16 ID:4n34yDbs0
_
_,. - ' ´  ̄ ̄ 三ァ
____ . ,./ ,. -―- 、 /
_, ニ=- '''' ´ ___`ヽ.\ | , / / / ...::{!::.._ ヽ ./
` 、 /´.,::{i::... ヽ\\ ヽ ! / ,/ ./ { ...:::||-::.. } /
ヽ { -: ||:::._ } \\ 、 ', ! / _,/ / 、 .:::{!::. / /
、 、 ..:{!::、 / `ヽ 、 ` 、 {!, / ‐ - 、_ ` ー‐ ' ´ /
\ ` ー‐ ' __,.-`ヽ_ ヽ` ` ` - .. _ .. - '´
、 __,... - '´ ー-- 、_ / ̄
(´<_` )「遅くても、新月の晩には、到着するでしょう」
ヽ、__
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::! |
. |:::::::::::::::::!::::::::::::::!::::::::::::::::::::::! ,ィ .!
|::::::::::::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::::::::l ∠/ .!
. |::::::::::::::::!::::::::::::::!::::::::::::::::::::::|_ |
|::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::!_,-、 ,!
|::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::! ` __ <´
. |::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::! ,'
,'::::::::::::::::|::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::|‐-、__ |_
. ,'::::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::! `¨`ー'、\
. ,'::::::::!::::::::::!::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::| `ヽヽ、
「連れの修道女も連れて、必ずここに参上するでしょう」
( ^ω^)
( ^ω^)「それはそれは、仕事熱心で頼もしい限りですお」
,
190
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:39:46 ID:4n34yDbs0
}
/ ``
/
i′
ヽ ¨`
`ヽ
{ __, --y- '´ 楽しみですおね。新月の晩が
ヽ - '´
ハ
∧
} ,. <
八 _,. ≦-‐─ヘ ,.
>‐< ハ /
ノ
/
i´
ハ
ミ,,゚Д゚彡(^∀^*)
.
191
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:46:42 ID:4n34yDbs0
.
192
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:48:42 ID:4n34yDbs0
∧_∧
ωΦ )
(::::::::::::::::)
/:::::::::::::::ゝ
(__)_)
193
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:51:23 ID:4n34yDbs0
! ヽ、 _____,,__ノ ヽ
! `´ ` 1
│ 1
│ ゙:
! 釗
| !
ヤ │
│ |
│ | ________________
│ l /
| l | ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヽ ! ∠_________________
l /
1 !
゙l │
ヽ __..-‐'"´ __⊥..
゙ー-......--‐'l'´ ,....-‐''"´ \
ノ..-‐''´ ゝ
...-‐"^ ー-..,,
│ `ー 、
ノ `ヽ_
,,-'''’ ゙ 、
..-'" \
194
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:58:27 ID:4n34yDbs0
| ゙\ | \
| ヽ,,..........{_ ヽ
|! ゝ
{ ヽ
│ '、
丿 ゙l
釗 丿 1
− | │
! 1
1 |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ! │
./ ロマネルセン神父様ー | │ 丿
ノ'_,,____________/ ヽ 丿 /
_∠‐''´ `ヽ /
゙、 .....-‐ __......--‐一―‐‐‐、
└‐‐''"゙l_,,..-‐''"´ 釗
,..-'" 1
礀 __,,..........----......‐ 、
_.....-一'''''"´ ''‐、
...-‐'"´ ^\
_..-'" ゙'
....-'"
195
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:03:10 ID:4n34yDbs0
燃え盛る炎。燻る黒い煙。
最早、原型をとどめぬ民家の中を、男がひとり、ぬぼーっと歩く。
その後ろから、間延びした声が、ひとりの男の名を呼んだ。
( ФωФ)「どうだったかね?づー」
づーと呼ばれた修道女が、たかたかと男、ロマネルセンへと駆け寄る。
息一つ乱さず、づーは早口で言った。
瓜゚∀゚)「あちらに生存者はいませんでした。全滅のようです」
( ФωФ)「そうか、ご苦労。引き続き頼むぞ」
瓜゚∀゚)「はぁい」
づーはくるりと背を向け、駆けてきた方向とはまた違う方へ走り去った。
ロマネルセンは首をごきりと鳴らし、石つぶてが散乱する道を歩く。
彼の通った道には、死体が転がっている。
どれも頭や腕、背中、足、容赦なく殴打され、燃やされた跡がある。
196
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:09:32 ID:4n34yDbs0
<カラン
(ФωФ )
(´ρ;゙#)゛ ヨロ…ヨロ…
ガレキの崩れる音がした。
ロマネルセンは振り返る。そして見る。
無惨な姿に成り果てて、それでも生きながらえようとする人間の姿を。
手には血まみれの人形をつかみ、必死に足を引きずっている。
((( ФωФ)ツカツカツカ
(´ρ;゙#)「オ゛、ウェア゛ッ…ギッ……」
( ФωФ)ピタリ
( ФωФ)
( ФωФ)「貴様がせめて天へ召されるよう、祈っている」
ロマネルセンは、腕を振り上げた。
手に握った、血まみれのメイスを上段に構え、左手でロザリオを握った。
197
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:14:19 ID:4n34yDbs0
「天のいと 高きところに、神に栄光、地には善意の人に平和あれ」
. │
. ∧
. / ∧
. / ⌒ \
. / \
. /../ ̄ ̄ ̄\. \
. / / ヘヘ |! ハ.∧\∨
. ∨∧\ ,,-‐一',. /∧∨
. マ∧,\ 八:.: : !: : :.八/゙∧マ
. マ∧.>==-: : :.||.: : :|ー==<ヘマ
. マAハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハヘマ
. {:|::|.____,.|:.:.:.||: : :.|.、__.|:|:}
. }:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:{
. {:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:}
. }:|::| ̄ ̄`|:.:.:.||: : :.| ´ ̄ ̄|:|:{
. ムVハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハ/ム
. ム∨ >==-: : :.||.: : :|ー==</ム
. ム∨,/ 八:.: : i: : :.八\ ゙/∧
. ム∨/ `ー一'` \/∧
. ヘ.\ // |i ハ.∨/ /
. \.\___/ /
. \ /
. \、. /
. ∨/
. ∨
. │
.
「グローリア」
グシャリ
198
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:17:10 ID:4n34yDbs0
猫の瞳とガレット・デ・ロワ
終わり。
まぜこぜブーンさんに纏めてもらってました!感謝の極み!
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-date-200004.html
4月中にもう1話くらい書けるといいなー
お題ありがとうございました!まだまだ募集中ですー
199
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:37:06 ID:CyRsaVYwO
続きは夜じゃなく、昼だった
200
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 14:35:42 ID:l6i56gqM0
おつおつ
201
:
名も無きAAのようです
:2013/04/07(日) 00:43:34 ID:SeLMMkMs0
うおお、動き出してんな
フサとつーのほのぼの感と不穏な空気のギャップがたまらん
乙
202
:
名も無きAAのようです
:2013/04/26(金) 16:47:19 ID:7KoLfKj60
待ってるよ
203
:
名も無きAAのようです
:2013/04/29(月) 23:44:51 ID:xfgUxqtk0
まってる
焦らしプレイと考えると楽しくなってきた
204
:
名も無きAAのようです
:2013/05/12(日) 12:41:03 ID:pzgM/oOU0
待ってるよ
お題っていうか、木霊とかの暮らしが見たい
205
:
名も無きAAのようです
:2013/11/28(木) 19:51:28 ID:w.ZkIBcY0
チラッ
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