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ミ,,゚Д゚彡吼えないケモノのようです
105
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:19:21 ID:ERyDqipQ0
ミ,,゚Д゚彡……
道すがら、フサは考える。
魔術師様。どのような人柄なのだろう。
男か、女か。魔術師というからには、人間であることは確かだ。
――人間。ニンゲン。
(*゚∀゚)「どしたのフサ?お腹痛いの?」
ツーが振り返る。フサの足がいつの間にか、止まっていた。
あからさまに表情で、「行きたくない」という意思表示。
(*゚∀゚)「大丈夫だよ、フサ」
ミ,,゚Д゚彡!
ツーはフサの元まで戻ると、ギュッと両手を握った。
(*゚∀゚)「魔術師様は、フサを傷つけたりしないよ。そんな人じゃないもん」
.
106
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:20:43 ID:ERyDqipQ0
ミ;,,゚Д゚彡……
ミ,,-Д-彡
ミ,,゚Д゚彡゛コクリ
(*゚∀゚)「あ!見えてきた!」
ミ,,゚Д゚彡
ツーが指差し、走り出す。フサもそれに続く。
すると獣道が途切れ、森の真ん中に開けた空間が現れた。
ミ,,゚Д゚彡…!
__ _ ;;;;ゝゝ;;;;ヾ;;;;;ヽ
////─\ ;;;;ゝゝ;;;;ヾ;;;;;ヽ;;ヾ
////─── \ ;;ゝ;;;;ゝ;;;;ゞ;;;;ゞ;;;;ゝ;;;
////───‐──\ ゝ;;;;;;;;ゝゝ;;;;ゝ;;;;ゞ;;ゝ
////─ ,.r'.;' " ̄T``ヽ \ ゝ;;;;ゞゞ;;;;ゝ
(__/‖ ̄ /ー/ \ .| /`',! |;il|
‖ ‖ ̄iーi \|/ i::. |;il|
‖ ‖ ̄!一!─ ─ ◇─ ─ l:::. ;,;.. ;,;..|;il| ;,;. ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、
‖ ‖ ̄lーl /|\ ,':.::.. ;,;..、|;il|,、;,;,`"'"''ー'ー-、, ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;..、 ;,;∧∧
´`"'"'''"'"'''、w::::。ゝ/、,. l、 , ヽ。、 , ,´`"'"''`"'"''"'"'''ー、___ ´`"'"''"'"''"'"''"'ミ,,゚ 彡"''"'"
:.:.:.:.:.:.: 。w 。,。,。, 〜、。, 〜、 , 〜´`"'"''`"'"''"'"'''ー、___ "''ー'ー-、, ∧∧ ≡ヽ
:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: "''ー'ー-、,´`"'"''(゚* )-、, ミ
:.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:.: ´`"'"'':∩ ヽ
107
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:21:25 ID:ERyDqipQ0
なんてことない、どこにでもありそうな一軒家。
水車が気だるげにゴトゴトと鳴り、川は泡を立てる。
ミ,,´゚Д゚彡……
魔術師の住まいともなれば、もっとおどろおどろしいものかと想像していただけに、
フサは拍子抜けと言わんばかりの顔で家を見つめた。
(*゚∀゚)「魔術師さまー!」
ツーは無邪気に家へ駆け寄って、扉を叩いた。
すると、扉は静かに、ひとりでに開き、二人を迎えいれた。
(*゚∀゚)「こーんにーちはー!!」
家の中にへ一歩入り、ツーは大声で呼びかけるように挨拶する。
フサもおそるおそる覗き込み、足を踏み入れる。
108
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:22:26 ID:ERyDqipQ0
ミ,,゚Д゚彡
静かだ。
しかし、部屋こそ静寂に包まれているが、そこかしこに家主の気配を感じる。
例えば鍋は、スープが煮えたぎり食欲をそそる匂いを発している。
卓上は、読みかけの書物が投げやりに開きっぱなし。
部屋の隅のベッドには、脱ぎっぱなしの服。
奥の部屋からは、嗅いだことのないおかしな臭い。
(*゚∀゚)「魔術師さまー!ツーでーす!お使いにきましたー!!」
ツーは誰もいない空間にむかって、盛んに声をかけている。
だが、肝心の家主は姿を現さない。
確かにいる、気配を部屋中から感じるというのに。
.
109
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:23:37 ID:ERyDqipQ0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 煩いなあ、こんな朝から人の気もしらないで…… :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡そ
(;*゚∀゚)アヒャー「ご、ごめんなさい……」
どこからともなく、声。
無気力そうな、どちらの性別とも取れる声が、頭に直接響くように伝わってくる。
ミ,,゚Д゚;三;゚Д゚彡
声の主を探せど、姿は見当たらず。
部屋は様々な得体のしれぬ臭いが混じって、人の臭いをかき消している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: ツーがきたってことは、いつものやつかい?はい、これ :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふわり、と机の上から小さな小袋が浮き、スポンとツーの両手の中に収まった。
と思うと、フサの持っていた硬貨の入った袋がするりと抜け出て、宙をふよふよと移動し、机の上で沈黙する。
110
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:24:46 ID:ERyDqipQ0
ミ;,,゚Д゚彡……
「いる」。
間違いない、姿なき声と、この不可解な現象は、家主である魔術師が起こしているものだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: おや。そこにおわすは、森中で噂になってる人狼くんかい? :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡そ
(*゚∀゚)「うん、フサっていうの!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 面白い子だって聞いたよ。ジャンヌに花束をプレゼントしたんだってね :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡?
ミ,,゚Д゚彡… … … …
γ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
( ノリ, ^ー^)li 贈り物のひとつくらい用意しなさいよ、シケた奴ねぇ )
丶`、_,〜、_,〜 、_,〜 、_,〜'_,〜、_,〜 、_,〜 、_,〜、_,〜 、_,〜 、_,〜'、_,〜 、_,´
o ○
゚
ミ,,゚Д゚彡
ミ,,゚Д゚彡!
.
111
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:25:33 ID:ERyDqipQ0
ジャンヌ。
あの女神にはれっきとした名前があったらしい。
それにしても、姿を見せず、声だけで語りかけ、
神様を呼び捨てにするとはどんな人物なのだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 用が済んだなら、もう帰ったほうがいいよ。この辺りは偶に迷い人がくるからね… :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: .旅人に姿を見られたりしたら、君らも困るだろう?さ、帰った帰った :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(*゚∀゚)「はーい!さよなら、魔術師さま!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: さようなら。帰り道は振り返らずにね、ツーリェ、フッサール :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡――――――!
.
112
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:26:28 ID:ERyDqipQ0
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113
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:27:11 ID:ERyDqipQ0
ミ,,゚Д゚彡!?
瞬間、家は失せ、フサは森の中に立ち尽くしていた。
辺りに視線をやるが、小屋らしきものはない。まるで幻術でも見ていたかのような気分だ。
「あら、また来たのね」
ミ,,゚Д゚彡!
ノリ, ^ー^)li ニコッ
この間の女神――あの魔術師の言葉から推察するに、ジャンヌだ。
どうやら、魔法か何かで女神の泉まで飛ばされたらしい。
(*゚∀゚)「あ、女神さま!」
ノリ, ^ー^)li 「貴方たちが現れたってことは、あの根暗に会ってきたのね」
根暗。魔術師のことを指しているととっていいのか。
女神ことジャンヌは泉の岸部に腰を下ろし、指輪をいじってひとり遊び。
フサの視線に気づくと、指輪を掲げてニコリと微笑んだ。
114
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:27:58 ID:ERyDqipQ0
ノリ, ^ー^)li b「私の一番の宝物なの。綺麗でしょ?」
ミ,,゚Д゚彡゛ コクン
(*゚∀゚)「きれー!女神さまって一杯宝物持ってるよね!」
キャッキャッとツーは無邪気にはしゃぐ。
フサは横目で、泉の底に沈む白い骨を見て目を細めたが、すぐ視線を戻した。
もとより言葉は発することはできないが、言葉が出た所で何も言うつもりはなかった。
少なくとも彼女は、「自分たちに優しい」のだから。
ノリ, ^ー^)li 「もっと見る?いっぱいあるから、見るだけなら幾らでもいいわよ」
(*^∀^)「わーい!」
寄り道をするなとハインに言われたのに、ツーの頭には母親の言葉などないらしい。
ジャンヌが水の柱を出し、噴射する水の中から輝く宝物を出しては見せる。
ツーは目を輝かせ、すっかり宝物に夢中だ。
ミ,,゚Д゚彡-3
だが、昼も高いし、少しくらいならば構わないだろう。
ツーが完全に盛り上がっている横で、フサはごろりと寝転がった。
今日は安息日、とても陽の照る良い天気。昼寝するにはもってこい……。
115
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:28:59 ID:ERyDqipQ0
::::.:::.:.:.::.:.::.::.:.::.:.:.:.::.:::.:.:.::.::.::.:.:.::.:.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.:.::.::.::.:.::.::.::.:.::.:.::.:.:.::.:.::.:.:
...:..:.:..:...:.:.:..:..:.:.:..:.:..:.:.:.:..:..:.::..:.:..:.:.:.:.:..:.:..:..:.:.:..:..:..:.:.:..:.:.:..:.:.:.:..:.:.:..:.:.:.:.:.:.:..:
. ..:.:.. .. . ...:.:.:..:... ..:.:.:... . . .. .:.:.:.:.... ....:.:.:.. ..:.::..:... ....:..
... ... ...:.:. . ... ....:.:.:.:.::..
..,,;;;;;::::::::...
, '"" ""''` .
, ' `:、
,! l.
l !
""''''""""'"""''""""'""'''""""''""'""""''"'"'"""'"'"'""""'""""'""''
从 ^∀从 ニッコリ
ミ;,,゚Д゚彡
(;*゚∀゚)アヒャー……
从 ^∀从「お母ちゃん、言ったよな?日が暮れる前には、帰ってきなって」
(;*゚∀゚)「……ま、まだお日様は出てるよ?」
从 ^∀从
_人人人人人人人人人_
>ゴチーーーーン!<
^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
从#゚∀从プンスカ 「トーチャンが帰ってくるまで、バケツ持って反省!」
∧Ω∧ ∧Ω∧
エグエグ(*;∀;)ミ;,´Д`彡 ショボーン……
116
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:30:37 ID:ERyDqipQ0
夜。
真っ黒に塗り潰された空に、無限の星が輝く。
村にも、森にも、等しく夜は訪れる。
(´⊆`;, )「よ、弱ったなー……道を見失っちまった……」
一寸先は闇の獣道、ひとりの旅人が森に迷い込んでいた。
灯りは蝋燭が尽きてしまい、どうにか手探りで道を探している状態。
(´⊆`; )「人心地が欲しい……灯りでもあれば……」
(´⊆`;, )「こんな森だし、住んでる人いないだろうなー……」
<ガサッ
(´⊆`;, )「ヒィッ!?」
(´⊆`;, )「……なんだ、兎か……」
こんな暗闇では、小さな物音ひとつでさえ身構えてしまう。
旅人はすっかり困りこんで、座り込んでしまいたかった。
117
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:31:19 ID:ERyDqipQ0
<ガサガサッ
そ(´⊆`;, )ビクウッ
今度の物音は大きい。
草をかき分ける音の大きさからして、大型の生き物が移動しているかのようだ。
(´⊆`;, )(ま、まさか熊とか……!?勘弁してくれよぉ……!)
音は徐々に大きく、そして早くなり、旅人に近づいてくる。
熊だと思い込んだ旅人は腰が砕けてしまい、その場に座り込んでしまった。
<ガサガサッ>
(>⊆<;, )「ヒィイイイッ!!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
(>⊆<;,)
チラッ(´⊆<;,)
(,,゚Д゚)「…………………………」
118
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:32:01 ID:ERyDqipQ0
(´⊆`;, )
(;⊆; ,)ブワッ
(;,,゚Д゚)「うおっ!?」
(;⊆; ,)「うおおおおおん!人だ!人心地だ!神よ感謝しますうううう!!!」
(,,゚Д゚)「……お前さん、旅人かい?」
(;⊆; ,)「ぞうでずうううううう!こ、この森を抜けた先のソサク村に行くつもりで……でも道に迷っちゃって……!」
ギコは旅人の服装を見た。
農民や商人にしては、服も立派で、腰に真新しい剣を提げている。
(,,゚Д゚)「なら、村まで案内しましょうか。ここからそう離れてませんよ」
(´⊆`*,)「ええっ良いのですか?ありがとうございます〜」
旅人はギコの提案に、機嫌上々に答え、後に続く。
(´⊆`*,)「いやーしかし……良かった!化物の住む森と聞いて戦々恐々としてたけど、普通に人も住めるんだなあ!」
,,,,(,,゚Д゚)スタスタ
119
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:33:05 ID:ERyDqipQ0
(´⊆`*,)「あんたみたいな人間が住めるってことは、森に化物狩りに行く必要もなさそうだなぁ!普通の森てことだもんなあ!」
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚)「旅人さん、村には何をしに?」
(´⊆`*,)「え?いやね、出稼ぎですよ。隣の村ァ、とんと仕事がなくてね」
(´⊆`*,)「近頃ァ物騒だ、魔女狩りは激しいし、人外共はうようよしてるしでロクに農作業も出来やしねえ」
(´⊆` ,)「おいらァ村でも若いもんですが、恥ずかしながら仕事の出来んグズでして」
(´⊆` ,)「それでまぁ、「魔女狩りでもやって村の役に立ってこい」って家追ん出されましてな」
(´⊆` ,)「いやはや……我ながら情けない……」
(´⊆` ,)「…………? あれ、急に立ち止まって、どうし
.
120
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:33:52 ID:ERyDqipQ0
━━━┓ \\
┃
┃
━━━┛
┃
━━╋━
━━╋━━
┃
┃
イ
ッ
ぐえっ
121
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:35:07 ID:ERyDqipQ0
(,,゚Д゚) バタンッ
(,,゚Д゚)
:::::::::::::::::)
(,,゚Д゚)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 殺しちゃったの?:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(,,゚Д゚)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:可哀想に。僕が君たちに予言しなかったら、彼は殺されることはなかったのにね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(,,゚Д゚)
「仕方ない。俺の家族のためだ」
.
122
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:36:14 ID:ERyDqipQ0
ノリ, ^ー^)li
ノリ, ^ー^)li
ノリ, ^ー^)li 「夜は暇ねえ……」
ノリ, ^ー^)li 「あの子たちの慌てた顔、面白かったわぁ……」
<ドボンッ
j(^ー^ liレ彡
(゚(√@メ;;;,) ブク……
j(  ̄´ liレ
(::::,,゚:::::::゚)
:::::::::::::::・)
j( トェェイ liレ
「うふふっ、ひどい人たち」
123
:
名も無きAAのようです
:2013/02/01(金) 23:38:38 ID:ERyDqipQ0
お尻の穴がムズ痒い時にオナラしたときの快感
>>78
お題・お昼寝消化。
随時お題も書き手も募集中
124
:
名も無きAAのようです
:2013/02/02(土) 00:18:21 ID:NDDoCMsY0
乙乙
つーとフサはほのぼのとしてるけど周りが不穏だなぁ
お題:なき声(泣きでも鳴きでもその他どれでも解釈おk)
125
:
作者
:2013/02/02(土) 02:07:46 ID:7RJPE.DA0
訂正
>从#゚∀从プンスカ 「トーチャンが帰ってくるまで、バケツ持って反省!」
とありますが、ここでのバケツとは水桶と同義だと思ってください
126
:
名も無きAAのようです
:2013/02/02(土) 19:51:30 ID:qqro0lXsO
乙乙〜
人間にとっては、やっぱ怖いところだよなぁ……森
お題・お菓子
127
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 21:26:40 ID:RRI5caB.0
ひっそり半ながらで投下
128
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:27:50 ID:RRI5caB.0
――お母さんお母さん!まだできないの?
――せっかちねぇ坊や。今切るから、大人しくしてなさい
.
129
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:28:45 ID:RRI5caB.0
,、 ‐v 、, -r v-、__
,ィテヾミvヾ、ヾ } }_{ / / ヽ.
,ィチ>=ニ=>''ヽフ^^ア:Vーヾー<´>‐,、_
/⌒/ 〈> `´ <::> ,..、ヽ/ ,..、ヽ} }ヽ.ヽ⌒ヽ
{ニ´`}ヽ 〈::〉 ,、 ヽ:〉 ,.、ヽノ ,/:ヽ\} }ヾ二ヽ
{´`⌒}/ /ヽ {:.:.ヽ 〈:.:.:〉. ,、.\/ .,.、ヽ}, ,ノ{ニ}
{.{ニ⌒}ヽ`'´/:\ヽ/ /ヽ`' 〈::.ヽ \} }〉-、ソヽ
{ ヾニヽ 〉 \:/ ヽ:/ /ヽ`'´ 〈:.ヽ {ィ-、 }ヽ}
ヾ ヽ彡^\r、 ,、 /ヽ ,.、ヽ::/ /ヽヽ/,.イヾv ,.イ}
ヾ ヽ / }`゙z―zt<_〈:;ム__゙__>‐'´ ヾ ,.ィ彡 '´
ヾ、`ニミ< ,ム' } ヾ ゙}' ゙,.ィ 彡'^´
ヾ、三≧ニ二二二二ニ≦三彡´
`ー=ニ二二二二ニニ=‐'´
――はっは。母さんのガレット・デ・ロワなんて、いつぶりだろうねえ
――王冠は絶対ぼくがもらうんだい!
――うふふ、誰に当たるか楽しみね。さ、いい匂いがしてきたわよ
………………………………
………………………
………
.
130
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:30:56 ID:RRI5caB.0
チッ
. パチッ
. パチ パチ
. チッ
. パチ パチ パ
. チ
ィ
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.. / ノ ,イ' ,ィ
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/´ィ て_ / 」 ,イ.゙ {_, イ ィ 7,,,,}ィイ
゙ ′ , イてィ′ レイ. , ィ ′ ム. ,イ /
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'7 レ,ィ゙ ′ ゙´{_,イ }ィ 弋彡
> >z, ,イ /! ナ{ iZ , ィ 7 /,, ,、 ,,,,___
/ ァ…ァア… イ 7 ,ィ ´ レ' ` 、ィ´ ,'イ/´ ァ'. レ'. ,Σイ /,ィ_
{ , ュ. √ z. ,ィ , イュ彳 ,rzア レ' r',ァ=i'/ '
7 '´ . /,イ { ,,. ,イ/ェノ ゙ノt,ィ匕, /イ. リ
i' ′ナ/レ イ' ,イ ,' z/{,ィ. {, イ´ ァァア… マ、
... 彡 z_, ィ'´. /'. ハ i / ',i', ,ィ
, イ /, Z ,イ ,ィ i 弋、i.. ヽ ,イ r'( ,.ィ
/ , ′ゝ' } ゙`´,. ィ'r゙ ` 弋ュ、 ,ィ/ ヾ、`¨´
. i ,ィ ,イ/i /. /'. i , ト、  ̄~゛'ー−ェ彡'´ , ィァ' 廴. ,ィ
ィ ヾ!. , イ/ ,ィ√ i!. ,,,, ェ'´. ド!. iハ i `ヽ、 _ r'´`´_,..-‐'.ア ,ィ',.ィ''ゞ'^´
' イ 廴/i',イ ,'!_,廴ノ 乙ィ ,! ` ゞ|k=゙¬'´z_> ` ー'´ ゞ彡ゞ´
', ( `レ' } ,ィ. マ マ`ヽ、 `ゞ==Z. イェェェァ
131
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:33:52 ID:RRI5caB.0
――糞!ここを嗅ぎつけられたなんて…!
――西だ!西に逃げろ!森に入ってしまえば奴らも追っては来れまい!
――坊や、どこなの!?坊やァアア!!
声がする。
泣き声が、鳴き声が、亡き声の、啼き声が、声が、声がする。
騒ぐ声がする。喧騒がする。鉄錆と燃える臭いがする。
ちらちらと躍る炎が逃げ惑う影を舐め、暗い喜びに満ちた拍手喝采をする。
――逃げろ!
誰かが叫んだ。
――逃げろ!逃げろ!
皆口々に、同じことを叫ぶ。
バラバラと走り出す。濁流のように。川の流れのように。
己の意思など有象無象の流れに飲み込まれたように。足が勝手に動く。
逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ!
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ
とおくへ逃げろとにかく逃げろ出来るだけ逃げろ足がすくんでも動かなくても逃げろ
怖れるのならば生きていたいならば死にたくないのならば幸せを信じたいのならば
火に炙られたくなければ槍で貫かれたくなければ鞭で肉を抉られたくないのならば
逃げろや逃げろ森の奥へと奴らの足が追いつく前にやれ逃げろ自慢の足でさあ早く
.
132
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:35:50 ID:RRI5caB.0
. ( ω )
. ( ::::ω:::: )
_
_,. - ' ´  ̄ ̄ 三ァ
____ . ,./ ,. -―- 、 /
_, ニ=- '''' ´ ___`ヽ.\ | , / / / ...::{!::.._ ヽ ./
` 、 /´.,::{i::... ヽ\\ ヽ ! / ,/ ./ { ...:::||-::.. } /
ヽ { -: ||:::._ } \\ 、 ', ! / _,/ / 、 .:::{!::. / /
、 、 ..:{!::、 / `ヽ 、 ` 、 {!, / ‐ - 、_ ` ー‐ ' ´ /
\ ` ー‐ ' __,.-`ヽ_ ヽ` ` ` - .. _ .. - '´
、 __,... - '´ ー-- 、_ / ̄ .
「逃がしなどせぬわ」
.
133
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:40:38 ID:RRI5caB.0
l:ヽ、
_|:.:.:.,ゝ、
/:::::`:.:::.::ト,ヽ、
/::.:,-‐;::::::;、_ヾ、:l!
シ/∠^:.:.:ムソ yソ
i!:: ̄`^ー--ーt´,
|::::::::::::::::::::::: :::l!
{:::::::::::::::::::::::::ぐ_
',::.:.:::::::::::::::::::.:.:::`ヽ
',;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::l
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::|
\ ::.:.:.:.:.:::::::::l
\;.;:.:.:.:._ノー-..、
`ー、_':.:.:.:.::::;:. `ー-、
` ̄´  ̄`ヽ;:.:`ー-、_,、
` ー--'
猫の瞳とガレット・デ・ロワ
.
134
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:43:17 ID:RRI5caB.0
.
梟すら鳴かぬ、静かな夜の帳。
禁じられた森を夜風が舞い踊り、梢を揺らす。
ミ;,,-Д-彡ウーン……
ミ,,゚Д゚彡パチッ
ミ;,,゚Д゚彡…
フサは上体を起こす。
嫌な夢を見た気がした。しかしどんな夢だったか覚えていない。
心臓が早く脈打っている。
ミ;,,-Д-彡
深呼吸し、心を落ち着かせる。
しかし困ったことに、眠気が吹っ飛んでしまったようだ。
虚ろな目をしたまま、包帯を巻いたままの首に手をやった。
.
135
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:46:09 ID:RRI5caB.0
.
ミ,,゚Д゚彡コヒュー、コヒュー
相も変わらず、声は出ない。呼吸音だけが吐き出される。
喉の奥がジンジンとした熱を帯びて、乾燥していた。
水だ。喉を潤すものが欲しい。
のそりとベッドから這い出し、おぼつかない足取りで外へ出ていく。
教会の裏手にある井戸まで向かい、つるべに手をかける。
<ニャー
ミ゚Д゚,,彡?
気のせいか。今、猫の鳴き声が聞こえた気がした。
しかし、ぼっとんと、桶が水面を叩く音で、フサは井戸へと視線を落とす。
.
136
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:52:22 ID:RRI5caB.0
カラカラと、狂ったように回る滑車。それがやがて動きを止めた。
フサは縄をつかみ、桶を引き上げる。
ミ,,゚Д゚彡!
ミ,,゚Д゚彡ノ゚+
木で出来た桶の底で、きらりと光るものがある。
手をつっこんで、光る物をつかみあげる。指輪だ。
金色にかがやくリングには、模様が刻まれ、宝石がはまっていた。
. __
{<●>}+
.  ̄ ̄
ミ,,゚Д゚彡
.
137
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:53:46 ID:RRI5caB.0
まるで麗しい貴婦人の瞳をくりぬいて、そのままはめこんでしまったかのような。
妖しく背徳的な美しさが、宝石からは放たれていた。
ミ,,゚Д゚彡……?
誰のものだろうか。少なくともギコやハインの物でないことは確かだ。
元からあったものか。いや、この井戸はハインがいつも使っているものだ。
ハインがこの指輪を見落とすだろうか?
誰かがこの井戸に近寄った可能性。それもない。
人間が近寄ればフサの鼻がそれを嗅ぎ取るはずだ。
ミ,,゚Д゚彡!
となると答えは限られてくる。
よもやと思い、フサは指輪を握り締めある場所へと向かった。
.
138
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 21:55:55 ID:RRI5caB.0
(;*-∀-)ンー
(*゚∀゚)パチッ
,,,(((;*゚∀゚)テクテク
(*゚∀゚) !
(゚∀゚*三*゚∀゚)
(*゚∀゚)? フサー?
三(*゚∀゚)アヒャー!
(゚∀゚*三*゚∀゚)
(*゚∀゚)ウーン
(*゚∀゚)森に行ったのかな?
三*゚∀゚)アヒャー!
.
139
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 22:00:35 ID:RRI5caB.0
さくり。さくり、さくり。
足の裏から、春のぬくもりを感じる。
森は春を迎え、夜の風も暖か、土も命の芽生えを感じる。
木の芽と花と苔の香りに包まれる獣道を、フサは若草を踏みしめ行く。
ノリ, ^ー^)li 「あら」
ミ,,゚Д゚彡 ザッ
茂みを払うと、開けた場所に出る。女神のいる湖だ。
湖の主は岸に腰掛け、足をばたつかせていた。
ジャンヌの足は滑らかな鱗で覆われ、水面に溶ける月の光を浴びて輝いている。
ノリ, ^ー^)li「こんな夜更けに、何用かしら?」
ミ,,゚Д゚彡ノ゚+
フサは懐から指輪を出し、ジャンヌに差し出した。
すると、星の煌きを吸い込んだような瞳が、やや大きめに見開かれた。
.
140
:
お題:お菓子、なきごえ
:2013/04/04(木) 22:07:58 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「それ、私が失くしたと思っていた指輪じゃないの。どこで拾ったの?」
ヾミ,,゚Д゚彡ノシ
フサは身振り手振りで、指輪が井戸のつるべの中に入っていたことを説明する。
ジャンヌは事情を知ると、指輪を宵の空にかざした。
晴れた夜空は、今日も星たちが元気に瞬いている。
指輪の宝石は、その星の光を受けてチラチラと輝く。
ノリ, ^ー^)li 「この宝石はね、ウルタール石っていうの」
ミ,,゚Д゚彡?
ノリ, ^ー^)li 「遠い昔に、ウルタールって街があって。そこで盛んにとれていた石なんですって」
綺麗でしょう?とジャンヌは微笑む。
ノリ, ^ー^)li 「その街は猫がたーくさん住んでいて、猫の神様に見守られていたらしいの」
ノリ, ^ー^)li 「猫の神様のご加護に因んで、この石は猫の瞳とも呼ばれているらしいわ」
.
141
:
湖→泉に脳内変換ヨロ
:2013/04/04(木) 22:15:12 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「でも、もうその街はなくなってしまったわ」
ミ,,゚Д゚彡?
ノリ, ^ー^)li 「どうしてって……どうしてかしらね。神様に見放されちゃったのかも」
ノリ, ^ー^)li 「私も、これを『くれた人』の記憶を覗いただけだから、よくは知らないわ」
ジャンヌのいう『宝石をくれた人』は、おそらくとうの昔にこの泉に沈んでしまったのだろう。
黒々とした泉の底に眠る骸たちのどれかが、はめていたであろう指輪。
それをジャンヌはてのひらで転がして、もてあそぶ。
ノリ, ^ー^)li 「んー……でも、どうして井戸に……?」
ミ,,゚Д゚彡ノシ
フサには検討がついていた。
おそらくこの泉は、ギコ家の井戸に直結している。
ジャンヌが泉の中で落としたか保管してほったらかしていたものが、井戸にまで流れ着いたのだろう。
ノリ, ^ー^)li 「てへへ………………………………私、ズボラだからなあ」
.
142
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:21:02 ID:RRI5caB.0
ジャンヌはてへへ、と舌を出し、髪を弄ぶ。
あまり反省していないようだ。もしかしたら、もっと失くしものはあるのかもしれない。
ノリ, ^ー^)li 「とにかく、見つけてくれてありがとうね」
ミ,,゚Д゚彡”
落とし主はあっけなく見つかった。
家に戻らねば、そう思い踵を返したとき。
<ニャァ、ニャァア
<アヒャー
ミ,,゚Д゚彡ピクッ
フサの耳が、またも鳴き声をとらえた。
しかも近くから聞こえてくる。そしてもうひとつ、聞きなれた声も。
三ミ;,,゚Д゚彡
,
143
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:24:54 ID:RRI5caB.0
ミ,,゚Д゚彡バッ!
(;*゚∀゚)「あ!フサ!」
茂みを乱暴にかき分けたその先に。
ツーがしゃがみこみ、何かを抱えていた。
フサを視界に認めたツーは、ハッとして抱えていたものを後ろに隠す。
(;*゚∀゚)「え、ええっと、フサいなかったから気になって、それで……」
ミ,,゚Д゚彡ジーッ
(;*゚∀゚)
ミ,,゚Д゚彡グイッ
(;*゚∀゚)そ「ち、ちょっ……!」
睨み合っても埒があかない。
フサはツーが隠した腕の先を、強引に引っ張った。
.
144
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:28:17 ID:RRI5caB.0
(;*゚∀゚)
にゃあ、にゃあ。
ミ,,゚Д゚彡
今にも消え入りそうな声で。
にゃあ、にゃああ。泣いている。
( ;∀ ∀;)ニャア、ニャアア
奇形の子供が、腕に抱かれて。
.
145
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:33:14 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「とんでもないものを拾ってしまったわね」
(;*゚∀゚)「な、泣かないでー」
つ( ;∀ ∀;)ニャア、ニャアア
ミ;,,-Д-彡-3
つまり、話を整理すると。
ツーは寝付けずに起きてしまい、フサがいないことを知った。
家の周りをうろついていたところ、奇形の子供を見つけ。
子供を抱えながら、ずっとフサを探し回っていたらしい。
ノリ, ^ー^)li 「出来損ないの子供が捨てられるなんて、よくあることだけども」
ノリ, ^ー^)li 「まさか人でないものに拾われるとは、捨てた相手も思わないでしょうねえ」
ジャンヌは嘆息し、細い指で髪を弄り回す。
ツーの腕の中で、奇形の子供はずっと泣き喚きっぱなしだ。
.
146
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:38:26 ID:RRI5caB.0
ミ,,゚Д゚彡……
人間がいただなんて。
それも、家のすぐ近くにまで近寄られていたとは。
ツーが子供を拾ったことよりも、フサとしてはそちらの方が深刻的な問題だ。
考え込むフサをよそに、ジャンヌはツーに問いかける。
ノリ, ^ー^)li 「どうするの?その子供。貴女が育てるの?」
(;*゚∀゚)「うー…」
つ( ;∀ ∀;)ニャア、ウニャア
ノリ, ^ー^)li 「まだツーも子供でしょう?育てきれるの?」
.
147
:
ミスったageちまった
:2013/04/04(木) 22:42:56 ID:RRI5caB.0
(;*゚∀゚)「お、オトーヒャンに頼めば……」
ノリ, ^ー^)li 「あらぁ?例え姿は醜くとも人間の子よぉ、」
(;*゚∀゚)「うう……か、隠れて育てる!」
ノリ, ^ー^)li 「犬や猫を飼うんじゃないわ。子供を育てるって、大変よお?」
(;*゚∀゚)「が、頑張るもん!ツー、ご飯分けてあげるもん!」
ノリ, ^ー^)li 「あらあら、おやつを先に食べられて怒ってたツーが?我慢できるのかしら」
(*゚∀゚)「が、我慢するもん!」
.
148
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:45:26 ID:RRI5caB.0
ツーは子供を育てる気でいるらしい。
自分が拾った手前、捨てるに捨てれないのだろう。
ミ,,゚Д゚彡……
しかしフサの心配の種は子供より寧ろ、子供を捨てた大人の存在だ。
もしかしたら、この辺りをまだ彷徨っているかもしれない。
だとすると、自分たちの存在を知られてしまうかもしれない。
ミ,,゚Д゚彡
今ならまだ、この近くにいるのではないか。
臭いを頼りに探し出し、××することができるのではないか。
いやまず、ギコに相談すべきか?
様々な考えが、フサの脳内を巡る。
.
149
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:49:27 ID:RRI5caB.0
(*゚∀゚)「ちゃんとツーがお姉ちゃんになるもん!本当だもん!」
ノリ, ^ー^)li 「本当かしら?」
(*゚∀゚)「本当だよ!本当の本当に本当だよ!」
ツーは子供を抱えたまま強い口調で言い切った。
狼人間は家族の絆を大事にする。ツーにもその血が強く流れているのだろう。
ギコやハインに反対されたときのことも彼女は考えていないのだろうが、
とにかく自分がこの醜い子供を育てることは脳内で決定したらしかった。
ノリ, ^ー^)li 「それじゃあ、私もお手伝いしてあげようかしら」
(*゚∀゚)「ほんとっ?」
ノリ, ^ー^)li 「ええ。そのためにはフサの力も必要よ」
ミ,,゚Д゚彡゛!
唐突に呼ばれ、フサは面を上げた。
150
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 22:58:36 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「ツー、フサ。よく聞いて。人間にとって、この森はとても力が強いわ」
(*゚∀゚)「? どういうこと?」
ノリ, ^ー^)li 「魔力がとても強いの。大人ならいざ知らず、こんな赤ん坊ならすぐ死んでしまうわ」
だから本当なら、森に入ったらすぐ死んでしまうの。
ジャンヌはそう言うと、指を空に向けた。
すると蛍の光のように輝きを帯びた指先が、ちょいと子供の額に触れた。
ノリ, ^ー^)li 「だから、今は私が預かって、守ってあげる」
ひょいと赤子をツーの腕から取り上げて、腕に抱く。
するとあんなに泣き喚いていた赤子は、すうすうと眠りこけてしまった。
ノリ, ^ー^)li 「フサとツーは、新月の夜にまたいらっしゃい。そしたら子供を返してあげる」
(*゚∀゚)「新月の夜に?」
ノリ, ^ー^)li 「そうよ、それから……」
ジャンヌはフサに手招きすると、耳元でこう囁いた。
.
151
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 23:03:24 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「これが一番重要なの、よく聞いて」
ミ,,゚Д゚彡゛
コソッ ノリ, ^ー^)li「新月の晩に、貴方の精子を持ってきなさい」ミ,,゚Д゚彡
ミ,,゚Д゚彡
ノリ, ^ー^)li
_、
ミ,,゚Д゚彡
ノリ,;^ー^)li 「い、言っておくけど大真面目なのよ!?この子のために必要なの!」
(*゚∀゚)?
ノリ, ^ー^)li 「……あなただって、何の罪もない子供を見殺しにするのは本望でないでしょう?」
ミ,,-Д-彡……
子供とは縁もゆかりもない。だが目覚めが悪いのは確かだ。
フサはやや考え込んで、渋い表情を浮かべたまま頷いた。
.
152
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 23:11:59 ID:RRI5caB.0
ノリ, ^ー^)li 「それじゃあね。帰りに気をつけて」
(*゚∀゚)「うん!女神様ありがとー!」
ミ,,゚Д゚彡ノシ
ノリ, ^ー^)li ノシ
ノリ, ^ー^)li ノ゛ ……
ノリ, ^ー^)li 「さて」
二人を見送り、女神は腕の中で安らかに眠る子供を見下ろした。
枝分かれしてひっついた顔、二つある口、ひとつの胴体。
難儀な生まれ方をしてしまったものだ。
ノリ, ^ー^)li 「まあ、指輪を見つけてもらった恩返しってことでね」
人差し指にはめられたリングの、宝石がまたも妖しく輝く。
ノリ, ^ー^)li 「そういえば、この宝石にはとても不思議な力があるんですって」
安らかな寝息をたてる赤子の頬を撫で、ひとり女神は続ける。
ノリ, ^ー^)li 「この指輪を手にした人は、おかしな神様に魅入られて、数奇な運命をたどるのよ。気まぐれな、猫の神様のね」
クスクスと笑うと、空の星たちも女神につられて、笑っているようだった。
後編へ続く。
153
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 23:13:47 ID:RRI5caB.0
ここで一旦終わり。
また明日投下にくるよ。にっ逃げたわけじゃないんだからっ
154
:
名も無きAAのようです
:2013/04/04(木) 23:17:11 ID:pQfKfEjA0
乙
逃亡じゃなくて本当によかった。マジでよかった
後編も待ってる
155
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 00:38:16 ID:KiBWAzo60
来てくれてありがとう
乙
156
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 01:03:18 ID:J75qNcX60
おつ
157
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 16:55:53 ID:eZwdnZ9gO
さて明日な訳だが
158
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 19:15:53 ID:4PDe3Vmk0
8時半に投下する
159
:
途中で飯休憩入れます
:2013/04/05(金) 20:34:48 ID:4PDe3Vmk0
j } l__, -' ,,,
| i ,r'-−'´ ,,, -';;;;;j
├ト、 ̄ ̄ト、 ̄ ̄` 、 ,,, -'''ーミ-‐''"::::/;;;;/
i |l ||____ r'.:.:.:,_,:.:.::::::::::::::;;ノ;;;;;;;i
レ-‐;;: 、-''´゙`゙゙ミ州_.:.:(::::..j .::::::::::;;;;;;;;;:;:ミ
,r' ミ;;;::;;;::::;i゙ ,,, ,ヽ' .;;;;;::::::;;;;;;;;;;ミ
ゝ ミ-ァ-''´}/j .:.:.:::::::.:;;;;;:ミ 後編
ミト ,r ;: | i`゙ ヽ-、 ;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;ミ
彡ノ,r ;: ノ ,,゙ヽ l::::.:j .:.:.::::::::;;;;:ヾ::ミ
| i`j、,,,r ミ ̄ ̄´ フ ミ `''´.:.:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙''、,,
| |` ー-゙゙、_,,__,,.-'"´`''-‐''"ミ.;;;;;;;;:::.:ミ;;;;ミ;;;;;;:;ヾ
| / {  ̄l ̄ ̄`丶:::.. ゙´`ミ彡ヾ,,,,,,,..-‐''"´
i_,ィ' ,r' ,r' ノ::::::: ミ゙ ゙゙゙
/´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´::::::::::: ヾ゙
160
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:36:19 ID:4PDe3Vmk0
奇形の子供を拾った夜が明け、とうに昼。
フサとツーは、草むらの上に寝転がり折り重なるように眠っていた。
ミ,,゛Д゛彡ボケーッ
(*゛∀゛)ンニャー
从 ゚∀从「今日は二人とも、やけに静かだねえ」
(,,゚Д゚)「春だからな。これだけ天気もいいと、日向ぼっこもしたくなるだろう」
夫妻は事情など知らぬげに、フサたちを遠目から見守る。
夜更けにあれだけ歩き回って、帰ってくる頃には空は白んでいたのだから、
眠気に襲われるのはまあ当然のことであり。
(*゛∀゛)”コクッコクッ
(*-∀-)スピュー
ツーはこっくりこっくりと前後に頭を揺らすと、ぼてんっと眠り込んでしまった。
.
161
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:38:29 ID:4PDe3Vmk0
春爛漫の暖かさは、フサも眠りの世界へ誘おうとする。
(*-∀-)ムニャ……
ミ,,゛Д゛彡シパシパ
从 ゚∀从「ちょいと、ちょいとフサや」
ミ,,゛Д゛彡ボケー
从 ゚∀从ノ「フサ……」
船を漕ぐフサに、ハインは何度も呼びかける。
しかし上の空のままなので、ハインは何気なしにその肩に手をかけようとした。
―――――――――――Φ
バシィッ。
从;゚ -从「!」
ミ,, Д 彡「…ッ!」
.
162
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:39:50 ID:4PDe3Vmk0
ミ;,,゚Д゚彡「! ……」
反射的だった。ハインの顔すら見ずに、フサはその手を弾き飛ばした。
一瞬の静けさだけが訪れ、徐々にフサの眠気が奥へと引っ込んでいく。
从 ゚ -从
間。
从 ゚∀从「……悪いんだけど、また魔術師様のところにお使いに行ってくれないかい?」
ハインは一瞬呆然とした表情を見せたが、すぐに言葉を切り出した。
何事もなかったかのように、バスケットを差し出した。
从 ゚∀从「これ。中に魔術師様へのお返しが入ってるから」
ミ;,,゚Д゚彡゛コクリ
気まずい空気をぶち壊すように、フサはバスケットを受け取る。
そして振り返ることなく、魔術師の住まいへと向かった。
163
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:45:21 ID:4PDe3Vmk0
(( ミ,,゚Д゚彡
二度目ともなると、ツーのお供なしでも迷うことはない。
森の匂いは覚えたし、森の異形たちも道の邪魔をするつもりはないようだ。
ミ,,゚Д゚彡
つ[#####]
バスケットの中からはとても良い匂いがした。
サンドイッチか何かだろうか。香ばしい肉の匂いが鼻をくすぐる。
そういえば以前、ツーがピクニックに行きたいと言っていたのを思い出す。
( ∵)チラッ
ミ,,゚Д゚彡゛
( ∵)ぅチョイチョイ
゛ミ,,゚Д゚彡゛
( ∵)ケチ
164
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:51:39 ID:4PDe3Vmk0
森の異形たちを軽くあしらいながら、魔術師の家までたどり着く。
魔術師の根城は一見すれば森と同化していて分かりづらい。
魔法で幻術をかけ、家が見つからないように工夫しているのだろう
・・・・・・・・・・・・・・・
:やあ、待ってたよ:
・・・・・・・・・・・・・・・
玄関まで近づくと、あの姿なき声がフサを招き入れた。
春うららかな午後など忘れてしまったかのような、ひんやりとした空気がフサの頬をなでた。
ミ,,゚Д゚彡!
( ・∀ ∀・)ニャ!
部屋に入ると、意外なことに、あの奇形の赤子が床を這いずり回っていた。
そしてフサを見るや、黒いきらきらとした目でフサを見上げてくる。
ミ゚Д゚,三,゚Д゚彡
.
(*・∀ ∀・)ニア!
ミ;,,゚Д゚彡
どういうことだろう。何故女神の元にいるはずの赤子が、ここに。
.
165
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:58:32 ID:4PDe3Vmk0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:押し付けられちゃったのさ。やれやれ、ヒドい話だと思わないかい?:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フサの心を読んだかのように、魔術師の声が部屋中に弱々しく木霊する。
すると、フワリと赤子が浮き――否、抱き上げられたのだろう。
仰向けに抱っこする形のまま、ふよふよと浮いている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:夜中に人の家を水浸しにして、この子預かってくれないかって。全く…:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
成程、部屋から感じた冷気はそういうことだったらしい。
フサは赤子が浮いている部分に向かって、バスケットを差し出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:ああ、ハインからかい?悪いけど、そこの机に置いておくれよ。今手が離せなくてね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言われるがまま、フサは散らかりっぱなしの長机の上にバスケットを置く。
そのとき、ごちゃごちゃの机の上の、雑多に置かれた本の下から、あるものを見つけた。
. __
{<●>}+
.  ̄ ̄
指輪だ。しかも、昨日フサが見つけた、女神の指輪。
きらりと輝く宝石は確か、ウルタール石といったか。
166
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 20:59:57 ID:4PDe3Vmk0
一旦飯
戻ったら再開
167
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 21:28:16 ID:4PDe3Vmk0
ちょっと調子悪いので休憩
168
:
名も無きAAのようです
:2013/04/05(金) 21:38:10 ID:s9wvkHdU0
無理しないでね
169
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 00:19:03 ID:CyRsaVYwO
休憩長いな、続きは今日の夜かな
170
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 08:39:07 ID:bZJN9fNk0
伸びないとすぐ休憩
171
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 10:48:40 ID:4n34yDbs0
PCのツン期が終わらない
投下する
172
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 10:53:45 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:その指輪がどうかしたかい?:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い室内でなお、宝石は輝きを放つ。
食い入るように指輪を見つめるフサに、魔術師は訝る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:ああ、そういえばその指輪は君が拾って彼女に返したんだっけね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ,,゚Д゚彡゛
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:それは彼女からの代価さ。この奇形児の世話を見る分の、ね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気だるげな声はフサの疑問に答えると、
「そこで待っていてくれ」と残し、その気配を部屋の奥へと消した。
奇形児はにゃあにゃあと明るい声で笑っている。
フサは手持ち無沙汰となり、何気なく指輪を手にとった。
.
173
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:00:30 ID:4n34yDbs0
一見すると、何の変哲もない普通の宝石だ。
ウルタール、猫に愛された街の名前を持つ石。
確かに言われてみれば、猫の目のようにも見える、黄色い輝きを放っている。
__
. < / \ > .
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. イ-―¬‐=ニ.._j::ニ=-‐‐-=ニz--‐‐1 i:〉,
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. ;ヘ、 , ′ '/ヽ /::;
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|/// 丶 | |,/ \::|
. k' ∧ ,'∧ !
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. V,/// ̄ ̄ト、 /,| i:::::,′
. ∨/ j:::::> .._ _..<'//| | /
'、=-‐1゙ ̄ ̄∨/フ7へ'7フ// ̄ ̄ ,―--, '
'<,'/∧ ∨' ´'v/ / ::::>'゙
`'マハニ=-‐ \ / ‐-=ニ/> ゙
`゙''<::::__::ヽ./::__:::>''゙´
 ̄ ̄
.
174
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:02:28 ID:4n34yDbs0
ミ,,>Д゚彡ノ゚ ジーッ
フサは指輪をつまんで、その宝石をまじまじとのぞき見た。
薄暗がりで光などないはずなのに、まるで星のごとく煌めいている。
まるで石の内側から、光を放出しているようだ。
石の中で複雑に光が反射し合って、幻想的で、吸い込まれてしまいそう――。
│
∧
/ ∧
/ ⌒ \
/ \
/../ ̄ ̄ ̄\. \
/ / ヘヘ |! ハ.∧\∨
∨∧\ ,,-‐一',. /∧∨
マ∧,\ 八:.: : !: : :.八/゙∧マ
マ∧.>==-: : :.||.: : :|ー==<ヘマ
マAハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハヘマ ギラッ
{:|::|.____,.|:.:.:.||: : :.|.、__.|:|:}
}:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:{
{:|::|===-|:.:.:.||: : :.|-=== |:|:}
}:|::| ̄ ̄`|:.:.:.||: : :.| ´ ̄ ̄|:|:{
ムVハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハ/ム
ム∨ >==-: : :.||.: : :|ー==</ム
ム∨,/ 八:.: : i: : :.八\ ゙/∧
ム∨/ `ー一'` \/∧
ヘ.\ // |i ハ.∨/ /
\.\___/ /
\ /
\、. /
∨/
∨
│
175
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:07:41 ID:4n34yDbs0
ミ;,,゚Д゚彡「――――――ッ!?」
ガシャンッ!!
気がつけば、フサは指輪を取り落としていた。
指輪を持っていた手が震え、嫌な汗が溢れ出す。
ミ;,,゚Д゚彡「……」
震える右手を左手で抑え込む。
どうにか落ち着こうと深呼吸し、指輪を見下ろす。
見間違いか?否。確かにフサは見た。
宝石の反射の奥で、ギロリとこちらを睨む瞳を。
あれは間違っても、自分の目を反射したのではなかった。
憎悪にまみれ、殺意を剥き出しにした、敵意の目だ。
底知れぬ深淵をたたえた目だ。
先程まで美しいと思えた宝石は、邪悪で触れてはいけないものだと、フサは直感で感じ取った。
.
176
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:15:38 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:万物によっては、容易に触れていいものと、迂闊に手を触れてはいけないものが:・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・:あるのさ、フッサール・スミス :
. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,゚Д゚彡
声が、フサの真後ろからたしなめるようにそう言った。
その言葉の調子はどこか、無知な子供を小馬鹿にするかのような、
見下した雰囲気が受け取れる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:特に石は不思議な力を持つものだ。持ち主によっては幸福を運び、或いは滅亡を与える:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これの前の持ち主たちのようにね。
フサが空間を凝視する前で、するりと、白い手のみが浮き上がる。
陶器のような白い手は、指輪をつまみあげ、丁寧な動作で
机の上に戻した。
落としたはずなのに、宝石には傷ひとつ付いていない。
それが一層、宝石に不気味な気配を与えるのだった。
.
177
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:23:38 ID:4n34yDbs0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 石とは不思議なものだ。磨けば輝き、時に不可思議な世界を見せる…… :
: 君は何を見た?この小さな世界に、どんな事象を見出した? .:
: 覚えておくといい……石は人の未来を示唆する。それが君の役に立つことを願うよ.:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔術師の声は早口気味に言葉を連ねると、す、と小瓶を差し出した。
中には何も入っていない。すっぽりとフサの手に収まる大きさだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:その中に君の精を出来るだけ詰め込むんだ:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,゚Д゚彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:何でって……、そりゃあ儀式に必要だからさ。 :
:あの奇形児をこの森で住まわせるための、大事な儀式の材料さ:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミ;,,-Д-彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:フフ、新月の夜が楽しみだね:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
,
178
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:29:09 ID:4n34yDbs0
(((*゚∀゚)))ソワソワ
ソワソワ(((゚∀゚*)))
从 ゚∀从「何だか近頃、ツーの様子がおかしいねえ」
(,,゚Д゚)「ああ、……ほら、そろそろあの季節じゃないか」
从 ゚∀从「? ああ。そうと決まれば、ガレットを焼かなきゃねえ」
从 ゚∀从「中身はどうしよう?去年は硬貨だったけど……」
(,,゚Д゚)「そうだな、俺が街で人形を買ってこようか」
ニマニマ(((*^∀^)))ソワソワ
ミ;,,-Д-彡 ウーム
∞
.
179
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:33:07 ID:4n34yDbs0
ミ;,,-Д-彡ウーン
∞
新月まであと少し。
フサの脳味噌は悩み事ではちきれんばかりだ。
奇形児のこと。やはりギコとハインに相談すべきだったか。
奇形児の親のこと。もしかして自分たちの存在を嗅ぎつかれてやしないか。
あの宝石に映った瞳のこと。魔術師の言葉を信じるならば、あの瞳の意味は――?
(,,゚Д゚)「フサ、おうい、フサや」
ミ;,,゚Д゚彡そ ドッキーーーンッ!
(,,゚Д゚)「? 今から俺は村で買い物をしてくるから、家のことは頼んだぞ?」
ミ;,,゚Д゚彡ドキドキドキ
ミ,,゚Д゚彡゛ コクコク
.
180
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:36:59 ID:4n34yDbs0
【村】
///i! l::::ll::.l l::゛゙l' ,, . `ヽ! ,,ヘ \!!', ./i
///i! l::::ll::.l l:::::l::.'l ゝ, |::| ..|! .', / i!
///i! l::::ll::.l l:::::l:::.l |::::' , !::| .ril ', / i!
///i! l::::ll::.l l:::::l::::l |::::|::::i .'ヽ |.|! ', / / .i!
`''-.!! `''-..l l:::::l::::l ..|::..l::::! .^|! ',, / / i!
.` 、 ..l |::::|::::! ト、 |! ',____._. ./ / i!
゙゙' |::::l::::l .!::::'! |l i!\! i / ', / / ,i! γ⌒'.,
`'=-i !::::l |l r・, r・, !::::::ヽ ../ /./ γヽ i! γ .l '.,
.!::::l |l.| l l .l l::::::::| \ ./ .// l i i! i .l l
゛゛''l i!=====┓ ' |l |__l l__l l::::::::| n ..\ / ./!γ, l___i i! i .l l γ ⌒`ヽ
:::::::l l..∨ .l |i l::::::::|.i,! !,i.l .,'', l‐‐‐‐/ i i l .i! i-┼―-.l ,' ヽ
:::::::l l..∧ .|`', i!'= ,, |l .l::::::::| l/^\' ', l ロ /!i l i__l i! i .l l ,' ',
:::::::l \_/::::::', i!:::::::i! .l'= ,|i r.i .r.i l::::::::| n n l. ロ ロ ロ\',.l !.i l /l', i! i .l l | |
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:::::::l i:::::::::::ll.. |i ! !,,,,,.l____| |,l,,,,l-‐''"゛ ' iヽl.ni l l l i! l ┏! |
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`''ー| .._
(,,゚Д゚)(さて、人形屋はどこだったかな……)
181
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:41:47 ID:4n34yDbs0
(*´∀`)(・∀・*)キャッキャッ
(((,,゚Д゚)テクテク
(,,゚Д゚)(魔女狩りがなければ……ここも平和なのだがな……)
夕暮れの街並みは、まばらに人が集まり始め、夕時市が開かれる。
大人が買い物をする横で、子供らが脇をすり抜ける。
ギコは辺りを見回しながら、人形屋を探す。
ガレット・デ・ロワに入れる人形を買うために。
(,,゚Д゚)「ううむ……見つからん。この辺りに来ることはあまりないからなあ」
ひとりごちながら、先を進む。
しかしそれらしい店は中々見つからない。
(,,゚Д゚)「仕方ない、人に聞くか……ん?」
.
182
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:49:06 ID:4n34yDbs0
キョロ(´<_`;三;´_>`)キョロ
(,,゚Д゚)(騎士?見慣れん顔だが……)
ギコの視線の先には、一人の騎士がいた。
道の真ん中で大往生し、しきりに辺りを見回している。
鎧の姿も相まって、かなり目立っている。村の人間たちも不審な目で男を見ていた。
(´<_` )!
不意に騎士の男がギコを見る。
バッチリ視線が合ってしまった、と思いきや、つかつかと歩み寄ってくる。
(´<_`;)「もし、そこのお方」
(,,゚Д゚)「あ、はい?」
がっしりと肩を掴まれ、ギコの顔がこわばる。
自分の正体が知られてしまったのでは、などとありもしない恐怖に一瞬陥った。
だが――
(´<_`;)「よろしければ……教会までの道を教えてくださるか!?」
(;,,゚Д゚)
――杞憂だったようだ。
.
183
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 11:55:55 ID:4n34yDbs0
(´<_` )「いや、申し訳ない。関係のない貴方にこんなことを頼んでしまって」
(,,゚Д゚)「良いってことよ。困ったときはお互い様というやつさ」
道中、迷子の騎士はオトヤと名乗った。
オトヤは律儀な性格らしく、何度もギコに感謝の言葉を繰り返した。
ギコとしては、怪しまれぬためにも頼みを断るにはいかなかっただけなのだが。
(´<_` )「何せソサク村に来るのは初めてのことでして。スリに地図は奪われてしまうし……」
(,,^Д^)「ギコハハハ!そりゃあ災難だったな!」
この村とて治安がいいとはとても言えない。
盗みだってする奴もいるし、時には人殺しもあって大騒ぎになることだってある。
何より――魔女狩りがある。皆、心休まるときがない。
(,,゚Д゚)「お、もうすぐ教会だ。ほら、あそこに見えるだろう?」
(´<_`*)「有難うございます。この恩はいずれ」
.
184
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:04:51 ID:4n34yDbs0
オトヤは深々と何度も何度も頭を下げた。
ギコはギコで、良いってことよと手を振るだけ。
(,,゚Д゚)「こういっちゃあなんだが、俺も人形を買いにきて迷子みたいなもんだったからな」
(´<_` )「おや、もしやガレット・デ・ロワのためのですか?」
(,,゚Д゚)「よく分かったな。今日女房が作ってくれるんでな、早めに買っておきたくて」
(´<_` )「それはそれは。どうりで香ばしいアーモンドの匂いがすると思いました」
(,,゚Д゚)
ニッコリと。オトヤは屈託ない笑顔でそう言った。
少しだけ目を見開いたギコに、オトヤは笑顔を浮かべたまま、
自身の鼻を軽くつついた。
(´<_` )「これでも、鼻には自信があるんですよ。それでは、また」
くるり、と踵を返すと、オトヤは教会の中へと足を踏み入れる。
重々しく、鉄製のドアが締まる瞬間――オトヤの横顔の表情を知ることは叶わなかった。
(,,゚Д゚)「………………………………」
もうすぐ、日が沈む。ギコは人形屋へ行くことを――諦めた。
.
185
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:10:48 ID:l6i56gqM0
不穏だ…
186
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:10:56 ID:4n34yDbs0
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.ニニニニニニニ|_i;;::;:_i;;::;:_i;;::;:_i;;:;:|.[二|i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i|二].|_i;;::;:_i;;::;:_i;;::;:_i;;:;:|ニニニニニニニ
|:.:.|i_人_†_人_†_人_†_人_i|:.:.:|
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187
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:23:33 ID:4n34yDbs0
(´<_` )))カツン、カツン
ほぼ無人、そうともとれるほどに静かな教会内。
オトヤから先ほどまでに浮かべていた笑顔は消失し、
顔の筋肉全てが緊張しているかのようだ。
(´<_` )「聖ジョージ教会から参上しました、オトヤ・エル・ダンドリューです。予定より到着が遅れてしまい、申し訳ありません」
立ち止まると、その場で膝を付き、頭を垂れる。
「顔を上げて欲しいですお、ダンドリュー」
果たして――オトヤが今一度顔を上げると、そこには人間が佇んでいた。
この村を守る聖騎士団の小隊長、ブーン・N・ホライゾン、その男が。
柔和な笑みを浮かべ、手を差し出す。
( ^ω^)「歓迎しますお、オトヤ騎士。かの聖ジョージ教会の精鋭どののお力添えとは、頼もしい限りです」
(´<_` )「こちらこそ。騎士団長昇格おめでとうございます、『ブーン・N・ホライゾン男爵』」
互いに、固い握手を交わす。
.
188
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:33:14 ID:4n34yDbs0
.
( ^ω^)「して、」
先に手を離したのは、ブーンの方であった。
( ^ω^)「『神父』殿は?ダンドリュー殿と一緒にいらっしゃる筈では……」
ブーンの問いかけを聞くと、オトヤは渋い顔をしてみせた。
ああ、やっぱり聞かれるか、と、そんな表情を浮かべてみせる。
どう答えるべきかしばし悩んだ後、唇を動かした。
(´<_` )「神父殿は……ロマネルセン殿はまだいらっしゃいません」
( ^ω^)「というと?」
i::ヾ:::::::::::::::::::/7|ヽ:ヽ::::ヽミ、::::::::i .|: : : : : : : : : : : : : : : :./ / .i
|:!: : :::ヽ、::::::/,.j::::',::::ヽ:::::ヽ',::::::' .|: : : : : : : : : : : : : : :./ ___, イ-、, --、__
/::, :::::::ノ::/,'/:::::::::::::::ヘ::::::ハヽ:!', ',: : : : : : : : : : : : : :/ , -':.:.:.:.、 i' ---、 7::---、
7::::::::,、::::::/ //::,':::::::::::::::::三',:::::j::::ヽ ',: : : : : : ,--、____;/_7 ¨`ヽ:::i /:::::〃
 ̄ .i_,,-、y':::::::::::::::::::::ミ彡/::::::::::', ',: : : : :.i ', i 7 i::::/ .i::::::/ /
ヽ、;::::::::::::::ミミ/::::::::::::::::::', ',: : : :.:| .i | 7 7:/ i:::/ .7
',::::ミ斗彡'"::::::::::::::::::::___' .i: : : :.| .| .j 7 7::/ ,'::' j::
ヤ彡彳彡'" ̄ ̄,.i::::::::::', ',: : : ヘノ__ノ--7 i;;i 〃 /::::
i: : : : : : : : : : :||::::::::::::::', ',: : : : : : : :.i i ,、 , ' , .:./::::::
, -'":/::i: i: : : : : : : : : ||::::::::::::::::', ',: : : : : : : \',, 7:::',.:: /: ..::::. .::::::::::::..
i: : :i'::/: :i': :',: : : : : : : ',',::::::::::::::::',二二二二二\::::::::::ヽ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(´<_` )「寄るべき村で『仕事』を終わらせた後……」
.
189
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:37:16 ID:4n34yDbs0
_
_,. - ' ´  ̄ ̄ 三ァ
____ . ,./ ,. -―- 、 /
_, ニ=- '''' ´ ___`ヽ.\ | , / / / ...::{!::.._ ヽ ./
` 、 /´.,::{i::... ヽ\\ ヽ ! / ,/ ./ { ...:::||-::.. } /
ヽ { -: ||:::._ } \\ 、 ', ! / _,/ / 、 .:::{!::. / /
、 、 ..:{!::、 / `ヽ 、 ` 、 {!, / ‐ - 、_ ` ー‐ ' ´ /
\ ` ー‐ ' __,.-`ヽ_ ヽ` ` ` - .. _ .. - '´
、 __,... - '´ ー-- 、_ / ̄
(´<_` )「遅くても、新月の晩には、到着するでしょう」
ヽ、__
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::! |
. |:::::::::::::::::!::::::::::::::!::::::::::::::::::::::! ,ィ .!
|::::::::::::::::|::::::::::::::|::::::::::::::::::::::l ∠/ .!
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. |::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::! ,'
,'::::::::::::::::|::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::|‐-、__ |_
. ,'::::::::::::::::::!::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::! `¨`ー'、\
. ,'::::::::!::::::::::!::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::| `ヽヽ、
「連れの修道女も連れて、必ずここに参上するでしょう」
( ^ω^)
( ^ω^)「それはそれは、仕事熱心で頼もしい限りですお」
,
190
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:39:46 ID:4n34yDbs0
}
/ ``
/
i′
ヽ ¨`
`ヽ
{ __, --y- '´ 楽しみですおね。新月の晩が
ヽ - '´
ハ
∧
} ,. <
八 _,. ≦-‐─ヘ ,.
>‐< ハ /
ノ
/
i´
ハ
ミ,,゚Д゚彡(^∀^*)
.
191
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:46:42 ID:4n34yDbs0
.
192
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:48:42 ID:4n34yDbs0
∧_∧
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193
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:51:23 ID:4n34yDbs0
! ヽ、 _____,,__ノ ヽ
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ノ..-‐''´ ゝ
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ノ `ヽ_
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194
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 12:58:27 ID:4n34yDbs0
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| ヽ,,..........{_ ヽ
|! ゝ
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釗 丿 1
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./ ロマネルセン神父様ー | │ 丿
ノ'_,,____________/ ヽ 丿 /
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└‐‐''"゙l_,,..-‐''"´ 釗
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礀 __,,..........----......‐ 、
_.....-一'''''"´ ''‐、
...-‐'"´ ^\
_..-'" ゙'
....-'"
195
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:03:10 ID:4n34yDbs0
燃え盛る炎。燻る黒い煙。
最早、原型をとどめぬ民家の中を、男がひとり、ぬぼーっと歩く。
その後ろから、間延びした声が、ひとりの男の名を呼んだ。
( ФωФ)「どうだったかね?づー」
づーと呼ばれた修道女が、たかたかと男、ロマネルセンへと駆け寄る。
息一つ乱さず、づーは早口で言った。
瓜゚∀゚)「あちらに生存者はいませんでした。全滅のようです」
( ФωФ)「そうか、ご苦労。引き続き頼むぞ」
瓜゚∀゚)「はぁい」
づーはくるりと背を向け、駆けてきた方向とはまた違う方へ走り去った。
ロマネルセンは首をごきりと鳴らし、石つぶてが散乱する道を歩く。
彼の通った道には、死体が転がっている。
どれも頭や腕、背中、足、容赦なく殴打され、燃やされた跡がある。
196
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:09:32 ID:4n34yDbs0
<カラン
(ФωФ )
(´ρ;゙#)゛ ヨロ…ヨロ…
ガレキの崩れる音がした。
ロマネルセンは振り返る。そして見る。
無惨な姿に成り果てて、それでも生きながらえようとする人間の姿を。
手には血まみれの人形をつかみ、必死に足を引きずっている。
((( ФωФ)ツカツカツカ
(´ρ;゙#)「オ゛、ウェア゛ッ…ギッ……」
( ФωФ)ピタリ
( ФωФ)
( ФωФ)「貴様がせめて天へ召されるよう、祈っている」
ロマネルセンは、腕を振り上げた。
手に握った、血まみれのメイスを上段に構え、左手でロザリオを握った。
197
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:14:19 ID:4n34yDbs0
「天のいと 高きところに、神に栄光、地には善意の人に平和あれ」
. │
. ∧
. / ∧
. / ⌒ \
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. / / ヘヘ |! ハ.∧\∨
. ∨∧\ ,,-‐一',. /∧∨
. マ∧,\ 八:.: : !: : :.八/゙∧マ
. マ∧.>==-: : :.||.: : :|ー==<ヘマ
. マAハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハヘマ
. {:|::|.____,.|:.:.:.||: : :.|.、__.|:|:}
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. }:|::| ̄ ̄`|:.:.:.||: : :.| ´ ̄ ̄|:|:{
. ムVハ .:|:.:.:.:.||: : .:| ハ/ム
. ム∨ >==-: : :.||.: : :|ー==</ム
. ム∨,/ 八:.: : i: : :.八\ ゙/∧
. ム∨/ `ー一'` \/∧
. ヘ.\ // |i ハ.∨/ /
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.
「グローリア」
グシャリ
198
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:17:10 ID:4n34yDbs0
猫の瞳とガレット・デ・ロワ
終わり。
まぜこぜブーンさんに纏めてもらってました!感謝の極み!
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-date-200004.html
4月中にもう1話くらい書けるといいなー
お題ありがとうございました!まだまだ募集中ですー
199
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 13:37:06 ID:CyRsaVYwO
続きは夜じゃなく、昼だった
200
:
名も無きAAのようです
:2013/04/06(土) 14:35:42 ID:l6i56gqM0
おつおつ
201
:
名も無きAAのようです
:2013/04/07(日) 00:43:34 ID:SeLMMkMs0
うおお、動き出してんな
フサとつーのほのぼの感と不穏な空気のギャップがたまらん
乙
202
:
名も無きAAのようです
:2013/04/26(金) 16:47:19 ID:7KoLfKj60
待ってるよ
203
:
名も無きAAのようです
:2013/04/29(月) 23:44:51 ID:xfgUxqtk0
まってる
焦らしプレイと考えると楽しくなってきた
204
:
名も無きAAのようです
:2013/05/12(日) 12:41:03 ID:pzgM/oOU0
待ってるよ
お題っていうか、木霊とかの暮らしが見たい
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