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平穏を守りたいようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:21:58 ID:7Dx4sLrc0
※注意事項※
・元ネタ:trpgダブルクロス3rd
・ルルブは1、2でしか遊んだことがない(上級もってない)
・リプレイは読んだことない
・能力名などはそのまま使用
・変更している設定が多い
・そんな効果はねーよってのもある
少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです
2
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:22:55 ID:7Dx4sLrc0
今から約50年前。
世界が壊滅するほどの大災害が起きた。
巨大隕石の衝突。
これにより引き起こされた自然災害の被害も含め、世界人口の実に三分の二が消えてしまった。
生き残った人類は、人の住める土地に大都市VIPを創設。
国や人種を超え、このVIPに集まった。
VIPは目まぐるしい発達を遂げ、今では隕石衝突前の暮らしが出来るまで回復している。
そして20年前。
とある研究者が未知のウイルスを発見した。
そのウイルスが発表され、多くの研究者が解析を始めた。
その矢先の出来事。
3
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:24:05 ID:7Dx4sLrc0
突如として街に化け物が現れた。
その化け物は獣のような姿をし、人間を超越した力を持っていた。
化け物はどんなに銃弾を浴びようとも瞬く間に再生し、人を襲う。
被害が深刻化してきた頃、VIPは軍による討伐を開始した。
軍による攻撃を持ってしても、化け物の息の根を止めることが出来たのは、討伐開始から五日目のことだった。
そして化け物の死体を解剖・実験を重ねた研究者たちは驚愕の事実を知る。
4
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:26:55 ID:7Dx4sLrc0
未知のウイルスは、“レネゲイドウイルス”と名付けられた。
そのウイルスに感染し発症してしまうと、普通の人間では到底得ることの出来ない異能力を持つことになる。
そのような発症者を超人―オーヴァード―と呼んだ。
しかし、その能力には大きな代償があった。
力を使えば使うほど、オーヴァードは人間としての理性を失ってしまうのだ。
完全に理性を失ってしまったオーヴァードは、決して人間に戻ることはない。
欲望と衝動に駆られた化け物―ジャーム―になってしまう。
そして人類のおよそ八割がこのウイルスに感染していた。
――――――そんな力を得てしまった子供たちの話。
平穏を守りたいようです 一話
5
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:28:42 ID:7Dx4sLrc0
―――――――――第三地区・西公園
从 Д 从「いやぁ・・・いやあああああ!!!」
いつもは子供たちが遊んでいる時間帯の公園には、一人の少女を除いて誰もいない。
人のいない公園に少女の絶叫が響き渡る。
少女の周りの地面は抉れ、パステルカラーの遊具たちは見るも無残な姿になり果ててしまっていた。
「おーん…また公園が凄いことになってるお」
「まだ何とか原型が残ってるだけマシだと思うぞ」
「被害者が出てないことが救いだな」
「修繕費凄そう・・・」
そこに四つの声が近づいてくる。
「んじゃ、いつものやるお!」
「やる意味あんのかね」
「かっこいいことに意味なんかいらないんだお!」
「はいはい。
そんじゃいくぞ、っせーの!」
\( ´_ゝ`)人( ^ω^)「Bチーム!参上!!」('A`)人(´<_` )/
6
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:29:41 ID:7Dx4sLrc0
(;´_ゝ`)「にしても…こりゃ凄い」
(;^ω^)「腕が1,2,3、・・・八本も生えてるお」
何とも言えない登場を決めた四人の目に、今回のターゲットがいる。
四人の視線の先にいる少女の外見は、明らかに普通ではなかった。
从;Д;从「みんな・・・みんな死んじゃえばいいんだああああぁぁぁぁ!!!」
泣き叫ぶ少女の肩からは二本ずつ腕が生え、またその腕の肘から新たな腕が生えている。
しかも一つの腕の長さは三メートルにも及び、爪は刃物のように変形している。
通常では考えられない姿の少女の腕は、縄を打ち付けるように地面を叩き、鋭い爪で遊具を貫く。
( ´_ゝ`)「おーおー、大分暴走してんなぁ」
('A`)「見た感じだと、”エグザイル”?」
(´<_` )「だろうな。よし、ブーン行くぞ」
( ^ω^)「おっおっおっ、了解だお」
7
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:31:35 ID:7Dx4sLrc0
从;Д;从「!?」
歪む視界で四人組を捉えていた少女だったが、瞬きをした瞬間、丸い顔をした少年が消えていた。
( ^ω^)「大人しくしててほしいお」
消えたと思った少年は、いつの間にか少女の背後に立っていた。
ブーンと呼ばれていた少年は、少女を羽交い絞めにし動きを封じる。
驚いている少女をよそに、伸びた腕は遊具や地面を攻撃している。
(´<_` )「ふむ、制御が出来てないみたいだな」
そのうち伸びた腕の一本が三人をなぎ払うように大きく横降りした。
(´<_` )「邪魔な腕だ。引きちぎってやろうか」
ビュンッと強く空を切る音をさせながら遠心力で力を増した腕が、少年らに当たろうかとしたその時。
腕は一人の少年によって止められた。
8
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:32:51 ID:7Dx4sLrc0
从;Д;从「…!?…その腕!」
少女が驚き少年を凝視する。いや正確には少年の腕を、だ。
少年の腕はワニのような堅い鱗で覆われ、爪は鋭く尖り肉食獣を連想させる。
その獣の腕がギリギリと掴んだ腕を絞め付けていく。
从;Д;从「痛い痛いぃぃぃぃ」
少女が腕の痛みに叫ぶと同時に、他の腕が一斉に少年を貫かんばかりの勢いで迫る。
(´<_` )「初心者の攻撃なんか恐くも何ともないな」
少女の腕はいとも簡単に少年によって捕まえられた。
八本の腕が獣の腕の中で暴れている。
(´<_` )「兄者、ドクオ!」
( ´_ゝ`)「把握した」
9
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:33:49 ID:7Dx4sLrc0
( ´_ゝ`)「クリエイト!」
兄者と呼ばれた少年が叫ぶと、何もなかった右手の中に拳銃が、もう一方の手には弾丸が形成されていく。
('A`)「一発で十分だろ?」
( ´_ゝ`)「もちろん」
ドクオが弾丸に手を伸ばすと指先から青い液体を弾丸に滴らせる。
弾丸はその液体を吸い、青く染まった。
( ´_ゝ`)「準備完了!」
弾丸を拳銃に装填し構える。
標準はもちろん暴走した少女。
( ^ω^)「こっちもオーケーだお」
( ´_ゝ`)「発射!」
ブーンの声を合図に兄者は引き金を引く。
パンッと乾いた音が公園に響いた。
从 Д 从「あ・・・ぐ・・・」
脇腹を打たれた少女はぐらりと体を揺らし、羽交い絞めにしていたブーンがその少女の体を支えた。
変形していた少女の腕は、彼女が意識を失ったと同時に元に戻っていた。
10
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:34:55 ID:7Dx4sLrc0
( ´_ゝ`)「いっちょ上がりー」
('A`)「弟者、連絡入れといて」
(´<_` )「はいはい」
( ^ω^)「よいしょっと」
いつの間にか通常の腕に戻っている弟者が電話をかけている間、ドクオと兄者はまだ無事に残っていた自販機にジュースを買いに行き、
ブーンは気絶した少女を背負い弟者の通話が終わるのを待った。
(´<_` )「五分もしないうちに来るってさ」
( ^ω^)「どうせ本部に報告に行くし、送ってってもらいたいおね」
( ´_ゝ`)ノ「おーい、飲み物買ってきたぞー」
('A`)「はい。ブーン持てるか?」
( ^ω^)「女の子のおんぶなら片手で余裕だお」
ブーンにコーラ、弟者にはスプライトが手渡される。
( *^ω^)「げふー、仕事終わりのコーラは格別だお!」
ブーンは片腕で少女を支えながら、美味しそうに喉を上下させた。
それから間もなく“救護隊”と書かれたヘルメットをした大人たちが到着し、四人は公園を後にした。
11
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:36:52 ID:7Dx4sLrc0
――――――――高層ビル室内
_
( ゚∀゚)「おー、お前たちご苦労さん」
四人が足を運んだのは、高層ビル内の一室。
そこで待っていたのは四人の上司に当たるジョルジュだ。
( ^ω^)「ジョルジュさん、お久しぶりだお」
('A`)
「ここ二週間くらい仕事入んなかったもんな」
_
( ゚∀゚)「最近はジャームも滅多に出てこねぇしな」
( ^ω^)「平和はいいことだお!」
(´<_` )「それはそうと、さっき保護した女の子はどうしてる?」
_
( ゚∀゚)「ああ、彼女ならもう意識は取り戻してるらしいぞ。会いに行ってみるか?」
( ´_ゝ`)「暴走状態も落ち着いてる?」
_
( ゚∀゚)「鎮静剤も打ったからな」
簡単に仕事の報告を終えると、四人はジョルジュに教わった部屋へと向かった。
12
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:36:53 ID:farS/0TI0
きたー!待ってたよ支援
13
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:38:17 ID:7Dx4sLrc0
地上13階、地下3階となかなかの広さを持つこのビルは、四人が所属している組織“ニューソク”のものだ。
ニューソクはレネゲイドウイルスが発見され間もなく、政府によって発足された機関だ。
元はレネゲイドの研究が主の組織だったが、初めてジャームが現れて以降、オーヴァードの管理も行っている。
ジャーム化しないようレネゲイドに対する教育を行い、自らの持つ能力の制御も学ばせる。
その上で日常を過ごせるように支援を行っているのだ。
教育を受けた者たちの殆どがオーヴァードであることを隠して日常を送っている。
しかし、中にはその日常を守るために暗躍している者たちが居た。
ブーン・ドクオ・兄者・弟者もその中の一人だ。
現在ニューソクには、そういったエージェントが3チーム存在する。
ブーン・ドクオ・兄者・弟者のBチームは、暴走したオーヴァードの保護とジャームの処理が任されている。
その他に、対テロ組織担当のAチームと調査担当のCチームがある。
オーヴァードが出現して20年。その間に発症したものは300人にも満たない。
そして現在は50人程。
発症した者の殆どが力を使いすぎ、ジャームになってしまった。
オーヴァードとなった人間を救うには、ジャーム化する前に保護することが重要であり、今回の少女のケースもこれに当たる。
14
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:39:14 ID:7Dx4sLrc0
( ^ω^)「お邪魔するおー」
ジョルジュから教わったのは救護室の一室。
扉をノックし、中に入ると中学生程の少女が一人ベッドに横たわっていた。
从'ー'从「えーっと…誰ですかぁ?」
患者衣を着た少女は、声の方へと顔を向け問いかける。
( ´_ゝ`)「渡辺さん…だよね?俺たちのこと覚えてる?」
渡辺が上半身を起こし、四人の顔をそれぞれじっくりと眺める。
从;'ー'从「あれれ〜、おにいさんたち見たことある気がするのに思いだせないよ〜」
記憶の片隅に覚えている気もするが、霞みがかったその記憶は中々思いだすことが出来ない。
渡辺は必死に記憶を辿っているのか、しきりに首を捻っている。
(´<_` )「あんたはさっきまで暴走状態だったからな。覚えてなくても不思議じゃないさ」
( ^ω^)「きっと覚醒直後だったんだお」
从;'ー'从「えっ、わたしが暴走・・・?」
何がなんだか分からないといった具合の渡辺に、助け船を出したのはドクオだった。
15
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:40:16 ID:7Dx4sLrc0
('A`)「混乱させて悪かった。
えっと、どこまで聞いてる?」
从'ー'从「わたしがオーヴァード?ってのになったってくらいかな?
さっき、ここの人たちが教えてくれたよ。
でも正直よく分かんなかったかなー」
('A`)「いきなり信じろって言って信じられる話じゃないもんな。
とりあえず簡単に言うとだな・・・」
ドクオの話をまとめるとこうだった。
16
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:41:07 ID:7Dx4sLrc0
レネゲイドウイルスに感染しオーヴァードになると、能力を手に入れる。
その能力は現在大きく分けて、12種類存在する。
エンジェルハィロゥ 光を操る能力
バロール 重力を操る能力
ブラックドッグ 電気を操る能力
ブラム=ストーカー 自身の体液(主に血液)を操る能力
キュマイラ 体組織を獣に変える能力
エグザイル 自身の体を自由に軟化硬化させる能力
ハヌマーン スピードを強化し、振動や音を操る能力
モルフェウス 物質を創造、変異させる能力
ノイマン 思考回路を強化する能力
オルクス 自分の領域を支配する能力
サラマンダー 熱を操る能力
ソラリス 化学物質を作り出す能力
17
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:42:02 ID:7Dx4sLrc0
(´<_` )「これらの能力があるからってなんでも出来るわけじゃないぞ」
( ^ω^)「どの能力にも可能範囲があるんだお。それに同じ能力でも個人差もあるし」
( ´_ゝ`)「俺はモルフェウスだけど、何でも作れるってわけじゃないよ。
構造を知ってるものしか作れないし」
从;'ー'从「ふええ〜、難しいよう」
('A`)「難しく考えなくてもいいさ。自分が何の能力を持っていて何が出来るのかを知っていればいい」
( ^ω^)「渡辺さんならエグザイルだお」
(´<_` )「純血種ならな」
从'ー'从「じゅんけつ、しゅ?」
( ´_ゝ`)「一つの能力しか持たない者を純血種、
二つの能力を持っている者を混血種って呼ぶんだ。
俺やドクオなんかが混血種だな」
从'ー'从「じゃあ、二つも能力がある混血種の方が強いの?」
('A`)「そうとも限らない。純血種は混血種と比べて、その能力に特化してるから同じ能力を持ってたら純血種の方が強い」
从'ー'从「へえ〜」
('A`)「後の詳しいことは、後々教わるだろうよ」
18
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:42:59 ID:7Dx4sLrc0
(´<_` )「様子を見に来ただけなのにいつの間にやらオーヴァード講義してたな」
( ´_ゝ`)「あ、そういえば。傷はもう治った?」
从'ー'从「傷って?」
( ´_ゝ`)「渡辺さんの脇腹撃っちゃたから」
从;'ー'从「ええっ!わたし、撃たれたの〜?」
ごそごそと患者衣を捲り、左右の脇腹を確認する。
しかしそこには弾痕どころか傷一つ残ってなかった。
( ^ω^)「お、しっかり治ってるおね!」
( ´_ゝ`)「オーヴァードは弾痕くらいすぐに治るからな」
渡辺は信じられないといったように、ぺたぺたと体中を確認している。
(´<_` )「そろそろお暇するか。ハインに捕まんねぇうちに」
弟者の言葉で残りの三人の表情が固まる。
(;^ω^)「おーん・・・すっかり忘れてたお」
(;'A`)「逃げるか」
(;´_ゝ`)「だな」
(´<_` )「つーわけで、邪魔したな。またそのうち会うだろから、そんときはよろしく」
19
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:44:20 ID:7Dx4sLrc0
四人が去った後、渡辺は茫然と自身の手の平を見つめた。
目が覚めたら何故かここにいた。
何故ここにいるのか分からず、初めは誘拐でもされたのかとも思ったが違うらしい。
オーヴァードの話を聞いた時、そんな馬鹿なことはないと思った。
けれど。
先ほどまでいた彼らと話しているうちに、少しなからず記憶が戻ってきていた。
俄かには信じられない記憶。
伸びて変形したわたしの腕。
あれがわたしの持つ力?
ぐるぐると疑問が頭に渦巻いていると、バン!と勢いよく扉が開かれた。
从 ゚∀从「ハーハッハッハインリーッヒ!」
从 ゚∀从「君が新しく発症したっていうオーヴァード?」
从 ゚∀从「だいじょぶだいじょぶ。恐がらなくてイイヨー」
从;'ー'从「あのぉ〜」
从 ゚∀从「よし、今から俺のラボに行こう!うん、善は急げだからね!ほら、行こう!」
突如入ってきた人物に気圧された渡辺が、高笑いをする女性に救護室からひっぱり出されている姿を誰しもが見て見ぬふりをした。
20
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:47:43 ID:7Dx4sLrc0
短いうえにとんだ説明回になったけど、今回はここまでです。
二話からは多少戦闘も入れていけると思います。
読んでくれた人、ありがとー!
21
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:50:56 ID:OZEXYTSw0
乙!面白そうだ
22
:
名も無きAAのようです
:2012/12/02(日) 23:55:38 ID:farS/0TI0
乙乙、予告見て楽しみで待ってたんだ
がんばれー!
23
:
名も無きAAのようです
:2012/12/03(月) 00:01:22 ID:Xj2EPJTM0
前にもこの元ネタで書いてる人居たなぁ・・・何年前だっけ・・・
24
:
名も無きAAのようです
:2012/12/03(月) 12:30:59 ID:Uw11oJsAO
期待
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