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君の心に流れる星は

64 ◆azwd/t2EpE:2012/11/26(月) 00:19:05 ID:ZNzT5Rbc0
 当時から、合法とは思えないことが起きていた。
 あのあとどうなったのだろう、と思っていたが、どうやら研究所は次第に上手く回らなくなったらしい。
 研究費などは恐らく、ツンの力によって生み出されていたのだろう。
 
 研究は、徐々に危ない方向へと向かってしまったという。
 違法薬物の開発、人体実験の実施。
 閉鎖された空間で行われていたため、長く明るみに出ていなかったが、最近になって遂に摘発された。
 
 逮捕者は数多く、今も増え続けている。
 そのなかには、随分と懐かしい名前もあった。
 香椎の記憶には、自暴気味に笑いながらうなだれる姿が、ぼんやり残っている程度だ。
 
(*゚ -゚)(私が、もっと早めに告発してたらよかったのかな)
 
 そうも思うが、下手な行動は取って、想像しない事態が起きると怖かった。
 故に、結局あの日々のことは誰にも口外しないまま、今日まで過ごしてきた。
 
 目的の駅に到着したところで下車して、改札から出た。
 駅のロータリーに溜まっているタクシーに乗り込み、行き先を告げるとすぐに発車した。
 
 目的地までは数キロで、バスも出ているが、本数が少ないため都合が合わなかった。
 タクシーの料金はもったいないが、寝坊したことを反省するしかない。
 
 その途中で、驚くべきことがあり、慌ててタクシーを止めてもらった。
 降ろしてほしいと伝えると、タクシーの運転手はやや不満げだったが、メーターどおりの料金を払って降車する。
 
 香椎を驚かした人物に近づき、声をかける。
 すると、相手はこちらに気づいていなかったらしく、同様に驚いていた。
 
(;^ω^)「香椎さん! びっくりしたお!」
 
(;゚ー゚)「いやいや、こっちのほうがびっくりです。なんでこんなところに?」
 
(;^ω^)「ちょっと気持ちが落ち着かなくて、散歩してたんだお」
 
 内藤に左手には缶コーヒーが握られていた。
 ミルクと砂糖の入った、甘めのものだ。六年前から好みは全く変わっていないようだった。


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