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君の心に流れる星は

62 ◆azwd/t2EpE:2012/11/26(月) 00:14:53 ID:ZNzT5Rbc0
 しかし、研究所から出れば永くはないと知って、その想像も自然と消えた。
 どうやっても、実現しないのだと分かってしまったからだ。
 
 その、未来を、書いてもいいのだろうか。
 実現、させられるのだろうか。
 
 星に願っても、願い事は叶わない。
 しかし、ツン自身の力は、それを可能とすることができる。
 
 チャンスは、たったの一回。
 流れ星に三回、願い事を言うよりも、遥かに難しく感じた。
 
 それでも。
 
 鉛筆を強く握り、紙を左手で押さえる。
 
 想像が、上手くいっているかどうか、分からない。
 けれど、精一杯だ。
 
 一字ずつ、未来を思い描きながら、紙に文字を書いていく。
 
 どうか、訪れますように。
 この未来が、明日以降、やってきますように。
 
 そう、願って。
 
 紙に書き終えた、十三文字。
 今までで、もっともシンプルで、もっとも時間をかけて書かれた、十三文字。
 
 どうか、叶いますように。
 その言葉は、自然と口から漏れていた。
 
 
 
 『ずっと、幸せな暮らしを送る』
 
 
 
 ――――流星が、音もなく流れた。


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