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君の心に流れる星は
49
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◆azwd/t2EpE
:2012/11/25(日) 23:52:57 ID:0PQlAttc0
ツンが、自分の力を自覚していると、ショボンは知らなかった。
全て内藤が、ショボンにバレない形で教えたからだ。
腹話術師は、口の動きと実際の喋りを分離することができる。
ツンとあの小さな部屋で会話するとき、試しにやってみたところツンが面白がった。
それ以来、ずっと口の動きと言葉を別々にして喋っていたのだが、あるときふと思ったのだ。
これを利用すれば、ツンに真実を伝えられる、と。
普段の会話内容は全てショボンに聞かれている。
当然、ツンに力を自覚させてはならないという意向があったため、喋って伝えるわけにはいかなかった。
だが、口の動きだけならば、ショボンの意識も向かないだろうと考えたのだ。
無論、伝えるべきかどうか、という葛藤はあった。
真実を知ればツンがどうなるか分からない。
真っ直ぐに受け止めてくれるかどうか、不安ばかりが募り、一年ほど悩んだだろうか。
その間に、ツンは口の動きの言葉を読めるようになっていた。
文脈から想像しなければならない部分もあるため、大変だったろうが、それでもツンは慣れてくれた。
完璧に口の動きだけで意思疎通ができるようになったとき、ツンに、全てを伝えた。
ツンは、驚きも見せずに受け止めてくれた。
ツン自身が薄々、勘付いていたのかもしれない。
書かせている物語は、あまりにも具体的だった。
外に、同じような世界がある、と考えてもおかしくはなかった。
( ^ω^)「ツン、昨日はよく眠れたかお?」
あるとき、ツンにそう言ったことがあった。
口の動きは、『外に出てみたいか?』だった。
ξ゚⊿゚)ξ「――――うん」
しばらくの躊躇いの後、ツンは頷いた。
それからは、二人で作戦を練っていた。
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