君の心に流れる星は

47： ◆azwd/t2EpE：2012/11/25(日) 23:48:50 ID:0PQlAttc0: 　
　
　　　　　◆
　
　
　劇的な回復だ。
　医者はきっと、そう言うだろう。
　
　内藤自身が感じられるほど、はっきりと体は軽くなった。
　時計の針を、巻き戻したかのように。
　
　ただし、長く続かないことは分かっている。
　
　病院を抜け出し、すぐにレンタカーを借りて走り出した。
　昼下がりの国道は、上りも下りも渋滞気味だ。
　思わず気持ちが逸って、ブレーキが遅れそうになる。
　
　ウインカーを出して、国道から脇の県道に入った。
　道が混んでさえいなければ、国道を進んだほうが早いが、やはり気が逸っている。
　多少の停車が、我慢できない。
　
　もう、時間がないのだ。
　
　県道を三十分ほど走り、また脇に逸れると、住宅街に入った。
　人気はあまりない。
　感覚の掴めないクルマに四苦八苦しながらも細い道を進んでいく。
　
　丘にある住宅街からは町並みが軽く見下ろせた。
　悪くない景色だが、眺めている余裕などない。
　
　丘を下ると林道が続いている。
　この先に、四年を過ごした懐かしい場所がある。
　
　Create Happinessと名づけられた研究所。
　
　研究所の前の道を素通りして、小道へと入っていく。
　両脇は林で、クルマが二台すれ違うには際どい幅の道だ。
　
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「内藤！」

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