したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

君の心に流れる星は

44 ◆azwd/t2EpE:2012/11/25(日) 23:43:40 ID:0PQlAttc0
(´・ω・`)「僕なんだ」
 
 ショボンの全身には、どこにも力が入っていないように見えた。
 背もたれに全体重を預け、呆然と上を見ている。
 目は、虚ろだった。
 
(´・ω・`)「僕が、リフトを操作して、鍵を外した」
 
(;゚ -゚)「どうして――――!」
 
(´・ω・`)「ツンの力だ」
 
 ショボンが自分の手を見つめる。
 一度開き、それから、何かを握りつぶすように強く閉じられた。
 
(´・ω・`)「リフトを操作しなきゃいけない。鍵を、外さなきゃいけない」
 
(´・ω・`)「何故かそう思った。何故そう思ったのかという、疑問さえ感じなかった」
 
(´・ω・`)「ツンのストーリーは絶対だ。まったく抗えなかった」
 
 監視カメラの映像を見ていたのはショボンだけではない。
 監視専門の仕事をしている人物が、他にもいる。
 しかし、その人たちも、ツンの力に抗えなかったのだろう。
 
 ツンが、自分の物語を、描いていたが故に。
 
 ディスプレイの映像は廊下のものに切り替わっている。
 ツンは、悠々と歩き、一階に到達していた。
 
 やがて玄関から、堂々と出て行く。
 途中、人とすれ違ったが、誰もツンを引き戻そうとしない。
 誰かに引き戻されるという展開が、ツンが思い描いた筋書きにはないためだろう。
 
 門の扉も開かれた。
 誰にも邪魔されることなく、ツンは、研究所から出て行った。
 
 映像は、そこまでだった。
 
 どうして。
 どうやって。
 気づけば、そう呟いていた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板