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君の心に流れる星は

43 ◆azwd/t2EpE:2012/11/25(日) 23:42:43 ID:0PQlAttc0
(;゚ -゚)「どういうことですか!? どうして!?」
 
 すぐにショボンに言葉をぶつける。
 しかし、ショボンの顔は、絶望に満ちていた。
 それだけで香椎も、全てを悟った。
 
 ツンは、逃げ出したのだ。
 あの部屋から、自分の手で。
 
 いや、と思い直す。
 
(;゚ -゚)「逃げ出せるわけないですよね!? ずっと監視してたんですよね!?」
 
 ツンがあの部屋から出すことを、目標にしていた。
 だからこれは、本来、喜ばしいことだ。
 
 しかし、分からない。
 どうやってツンがあの部屋から出たのか、まったく分からない。
 
(´・ω・`)「笑える光景だよ」
 
 ショボンがようやく発した一言には、自嘲のようなものが混じっていた。
 そして、マウスを操作する。画面の映像が、巻き戻っていく。
 
 数時間前の映像。
 ツンが、天井を見上げている。
 いや、正確には、リフトを見ているようだ。
 
 そのリフトが、勝手に降りてきた。
 
 ツンは悠々と、そのリフトに乗り、部屋から出て行く。
 誰にも制止されることなく。
 
 映像は、リフトを昇った先の部屋に切り替わった。
 あの部屋にはいつも誰もいない。だから、止める者もいないのは分かる。
 しかしそもそも、リフト自体、ツンの手では動かせないものだ。
 
 いつも重く感じる扉にも鍵がかかっている。
 ツンが出られるはずはない。はずは、ないのに。
 
 扉の鍵が外れる音がして、ツンは、懸命に力を込めて扉を開けていった。


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