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君の心に流れる星は

37 ◆azwd/t2EpE:2012/11/25(日) 23:31:23 ID:0PQlAttc0
 ツンの力の有用性は、香椎も重々理解していた。
 特に今日のような使い方であれば、ツンは自由になるべきではない、とさえ思えてしまう。
 ただ、やはりあの部屋に閉じ込めておくというのが、我慢ならなかった。
 
 まだショボンには進言できない。
 しかし、ショボンとの信頼関係が築ければ、伝えられる意見もあるだろう。
 ツンをあの部屋から出すくらいは可能かもしれない。
 
 できれば、いずれは、この研究所の外に。
 きっと内藤もそう考えていただろう。
 だが、病によって願いは絶たれた。
 
 無念は、自分が。
 そんな使命感のようなものも、香椎にはあった。
 
 穏便な形で、あの部屋から、そして研究所から。
 ツンを、外に出す。それが目標になった。
 
 
     ◆
 
 
 今日の分の物語を書き終えたツンは、鉛筆を握ったまま天井を見上げていた。
 
(*゚ー゚)「なんか気になる?」
 
 そう訪ねてみたが、返事はない。
 受け答えがしっかりしているツンには、珍しいことだった。
 
 今日の物語は、いつもと少し、毛色が違った。
 朝から降り続いている雨が止んで、全国的に晴れるというものだ。
 ショボンからそう言われたとき、思わず耳を疑うような、軽い内容だった。
 
 もっとも、理由を聞けば納得できた。
 
(´・ω・`)「今日の深夜に、流星群が極大を迎えるんだよ。それが明日まで続くらしいんだけど」
 
(´・ω・`)「日本国民、みんなが晴天を期待してるからね。今日の物語はこれでいこうと思う」


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