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君の心に流れる星は

34 ◆azwd/t2EpE:2012/11/25(日) 23:26:12 ID:0PQlAttc0
 ツンの表情に変化はなかった。
 これはいける、と香椎は確信する。
 
(*゚ー゚)「まさに今朝、その人は三人も無差別に殺して、まだ逃げてる。だけど警察に捕まる。こういう筋書き、どうかな」
 
 具体的に言い過ぎただろうか。
 そう不安にも思ったが、ツンは頷いた。
 
ξ゚⊿゚)ξ「それで書いてみます」
 
 思わず小さな息が漏れた。
 香椎が思っていたとおりに、ツンは物語を書いてくれることになった。
 
 ツンの流麗な字が紙に並んでいく。
 犯人が警察に捕まる、具体的な日時は書かれなかったものの、今日中には逮捕されるだろう。
 凶悪な事件をすぐさま解決に向かわせるというのは、力の使い方としては素晴らしいものだった。
 
 それにしてもツンは、随分あっさりと香椎の意向に従ってくれた。
 多少の信頼関係が、築けてきたということだろうか。
 僅かな違和感は、気のせいだと思い込んで振り払った。
 
ξ゚⊿゚)ξ「香椎さん」
 
(*゚ー゚)「うん? なに?」
 
 思考に没頭していた香椎を、ツンの声が引き戻した。
 いつの間にかツンは、立ち上がっている。
 
ξ゚⊿゚)ξ「内藤の絵に加筆したいのですが、いいでしょうか?」
 
 ツンの指先は、ひときわ大きな紙に書かれた、内藤の絵に向いていた。
 
(*゚ー゚)「うん」
 
 絵を描きたいと言ったときは、望んだとおりにやらせる。
 そうしないとツンの機嫌を損ねる。
 ショボンには、そう言われていた。
 
 絵を描くことで養われる創造力もあるだろう、ともショボンは言っていた。
 確かに、そのとおりかもしれない。


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