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( ^ω^)2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
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( ^ω^)ラノベ祭り投下及び報告スレだお
開催期間
11月18日(日)0時〜25日(日)23時59分
スレ立てを行った作品については、
作品URL
作品名
使用した絵のURL(任意)
以上のテンプレを使用して投下報告を行うこと
これがなければラノベ参加作品と見なされない
絵のURLについては、RESTさんのところからhを抜いて記載してくれればおk
スレタイに【ラノベ祭り】などの記載をするかは任意(宣伝効果はあるかもわからんね)
次スレは>>950を踏んだ人が立ててくれ
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1348068145/
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先程までの静寂とは真逆の喧しい怒声が響き渡りました。
月も雲もドクオも驚いて肩をびくつかせます。一部肩ないけど。
川 ゚Д゚)『好きだッッ! 好きなんだあああああああッッッ!!』
顔を歪めて、クールのクの字すら捨て去ったクーが、メガホンを手に叫
んでいました。
左脇には引っ越し作業に使えそうなダンボールが抱えられています。
(´・ω・`)「なんというド直球な」
呆気にとられたように雲が言ったと同時に、クーは脇に抱えていたダンボールの中身を思い切りぶちまけました。
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何も知らない人から見れば、それは多分吹雪のように見えたでしょう。
ダンボールの中身は桃色の便せんでした。
それがクーが書き続けてきたラブレターであることは、毎日添削させられていた月と雲にはすぐにわかりました。
何十枚どころか百枚に近い量のラブレターが、呆気にとられたままのドクオに降り注ぎます。
そのほとんどは、彼の体をすり抜けたのですが。
('∀`)
手紙の吹雪がようやくやんだ時、ドクオは笑顔を浮かべていました。
とても嬉しそうで、けれどどこか寂しさも滲んだ、そんな笑顔です。
ドクオは足元に落ちた便せんを愛おしそうに撫で、真っ直ぐクーの方を見て、口を開きました。
『ありがとう』
唇の動きだけでそう言って、ドクオの姿は輪郭が溶けるように消えました。
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川 ゚ -゚)『交通事故だったんだ』
小さく呟きながら、クーが手紙を一枚拾い上げます。
中を見ると、『あいらびゅーん』とふざけた文章が躍っていました。
川 ゚ -゚)『トラックの前に飛び出した猫を助けようとしたんだと。
しかも猫はさっさと逃げて、あいつ一人だけ轢かれる形になったんだ。アホだろ』
クーは何度も手紙を書いて、その度にドクオに持って行きました。
その度に指が手紙をすり抜けて、彼は悲しそうな顔をするのです。
川 ゚ -゚)『けどな、私がアホなラブレターを持って行けば、あいつは笑ってくれるんだ』
やたら熱血だったり、ツンデレ風だったり、電波入ってたり、レパートリー豊富なラブレターを見る度に、ドクオは笑っていました。
けれどその笑顔にはどこか悲しさが混じっていて。
川 - )『なあ、ドクオは――最後に「ありがとう」って言ってくれたよな? これって両想いってことでいいんだよな?』
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( ^ω^)「きっと、そうだお」
肩を震わせるクーを見つめながら、月は優しく答えました。
川 - )『はは、じゃああの世に行ったらめでたくカップルだな。毎日デートするぞ、遊園地とか、ピクニックとか』
(´・ω・`)「ドクオ君アクティブな方じゃなさそうだったし、疲れちゃいそうだね」
川 - )『そうか……なら、たまにはお家デートもするか……』
川 ゚ -゚)『DVD観賞するのも、悪くないしな』
顔を上げたクーは、いつものように無表情でした。
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川 ゚ -゚)『ところで、私とドクオが同じように天国に行けなきゃデートできないわけだが』
( ^ω^)「天国に決まってるお」
(´・ω・`)「クーはちょっと変だけど悪い人ではないもんね」
川 ゚ -゚)『当たり前だろう。私が心配したのはドクオが地獄に落ちないかということだ』
( ^ω^)「そっちかよ」
川 ゚ -゚)『いやしかし、添削だの告白だの、付き合わせてしまってすまなかったな』
(´・ω・`)「すまないなんて言うなよ。君と僕らの仲じゃないか」
( ^ω^)「おっおっ、終わりよければすべてよしだお」
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川 ゚ -゚)『……お前らは、最高の友達だよ』
(´・ω・`)「なんだよ、急に。照れるなぁ」
川 ゚ -゚)『なあ、あのさ、また会えるよな?』
( ^ω^)「あったりまえだのクラッカーだお」
川 ゚ ー゚)『そっか、そうだよな』
ありがとう、と呟いたクーの手からメガホンが滑り落ちます。
それが地面に落ちた時にはもう既に、クーの姿はありませんでした。
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(´・ω・`)「自殺者は天国に行けないっていうじゃない」
雲がもどかしそうに、地面に転がり落ちたメガホンを見つめます。
僕にゴムゴムの実の能力があれば、とでも言いたげな表情です。
(´・ω・`)「でもね、僕はそれを信じてないんだ。
自殺だろうとなんだろうと、懸命に生きた人は皆天国に行けると思ってる」
( ^ω^)「僕も同じ考えだお」
月もまたメガホンを見つめていました。
ただ一つ雲と違うのは、その視線がメガホンそのものではなく、数分前までそれを握っていた少女に向けられていたことです。
(´・ω・`)「だからきっと、クーは天国でドクオ君と再会してるよね」
( ^ω^)「あったりまえだのクラッカー、だお」
先程と同じ台詞を呟いて、月はそっと天国に思いを馳せました。
願わくは彼と彼女が幸せに暮らせていたら。と、月は地上人々がそうするように、空で燦然と輝く自分に願いをかけたのでした。
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終わり。
メモ帳に保存してたのをそのまま貼ったら変な改行ができるわ>>868は「ブーン」じゃなくて「月」だわで色々死にたい。
脳内補完でオナシャス
投下スペースと素敵なイラストをお借りしました。ありがとうございました。
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ギャグかと思いきやいきなり重くなってびびった
いいことも言っててちょっと感動
乙
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作品URL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353488040/
作品名 ξ゚⊿゚)ξセンス・オブ・ワンダーのようです
使用した絵のURL(任意) ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/13.jpg
投下終了しましたー
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作品URL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353401508/
作品名 ガールズバンドを組むようです
使用した絵のURL(任意)
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/17.jpg
owari
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おつ
メガホンと手紙の使い方が素敵
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>>851
ちょっと遅いけどドア信さんの絵を。
使ってくれてありがとうございますうううううう
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_320.jpg
>>857
最初と最後のギャップが・・・!切ないようなほっこりするような・・・・。
タイトル名がすごく好みです!
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誰も居ない投下するなら今のうち・・・!
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(-@∀@)自習の時間に。のようです
(-@∀@) 「今日はペニサス先生がいないので、理科は自習です。
みなさんしっかりプリントをやるように。」
「きりーつ、れーい。」 「おねがいしまーす。」
(-@∀@) 「おねがいしまーす。着席。」
ガタッ シーン・・・
(*@∀@)(やったぁぁぁ自習担当だぁぁぁぁ
楽だからまじいいわ・・・・。年頃の女の子みて楽しむもあり、テスト採点終わらせるのもあり。)
(*@∀@)(自由っていいわぁ〜・・・。ちょっと暇だけどね。)
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残念だったな
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(-@∀@)(しっかしこのクラスは真面目ちゃんが多いなぁ。授業開始から静かだ。
ちょっとしたひそひそが聞こえるけど、特に問題はないな。)
(-@∀@)(そうそう。このクラスの中にいるブーン君はまじすげぇ。
なんか夏休みの自由研究で国から賞貰ってた。)
(-@∀@)(ほぅら、理科のプリントも夢中でやってるぞぉ・・・。
やっぱり集中力が・・・・。)
(-@∀@)(しゅ・・・・しゅっ・・・・)
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│д°)
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>>857
二度びっくりだったわ
面白かった乙〜
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( ^ω^)φ... カリカリ
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/70.gif
(-@∀@)
(;@∀@)(えっちょっとまってまってまっておちつけ俺おちつけ俺おちつけ俺!!!!!)
(;@∀@)(何あれ!?何あれ!!!?手!?プリントからぁあ!?はあああああ?!)
(-@∀@)(ママン・・・・怖いよ・・・・俺次の休み岩手に帰るからね・・・。)
(;@∀@)(・・・・てかうわっ!半透明な手に手招きされた!もう嫌!見ない!
というか本人なんで気が付いてないの!?怖ぇ!)
(;@∀@)(まっ、まさか霊の術師とかそんなんじゃないよな。絶対違うよな。
・・・いつかブーン君と面談しよう。そうしよう。)
(;@∀@)(何はともあれ、もう見たくねぇ・・・・。見すぎて呪われたらどうするよ・・・・。
わわわわわわ!今中指立てられた!俺死ぬかも!!!)
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(-@∀@)(はぁ・・・なんなんだ・・・。だんだんこの静けさが怖くなってきたよ。)
コソコソッ
(´<_` )「違うって。まったく、数学ができなきゃ理科もできないぞ。」コソッ
(-@∀@)(お、確かあの子はモテモテボーイの弟者君だったな・・・。
俺は兄者君のクラスの担任をしているけど、何なのあの違い。オーラといい喋り方といいあの顔立ちといい。)
(-@∀@)(羨ましい。)
(-@∀@)(くっそ自習中に女子とコソコソ話しやがって。あんまりイチャイチャすると周りの目が痛くなるからな!ハハハざまぁみやがれ!!羨ましい!)
川 ゚ -゚)「うんむむむむ・・・・・暗算難しい。」コソッ
(´<_` )「お前今何歳なんだよ・・・」コソッ
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/79.jpg
(-@∀@)
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お、投下中すまん
支援〜
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(-@∀@)
川 ゚ -゚)「弟者、教えてくれよー。」コソッ
(´<_` )「やですー。筆算ぐらい自分でやってくださいー。」コソッ
(- ∀ ) ロ:: ゚?. パリィンッ!!!
(- ∀ )
::(- ∀ ) ::( な ん か い る )
(; ∀ )(ふっつうに会話してるぞあれなんだよ、小人!?小人なのか!?妖精か!?
お、お願いだから俺を現実に返して!!)
(; ∀ )(ハァハァ・・・驚きすぎて眼鏡割れちゃったよ・・・・。超フィット型メガネだぞ。高いんだぞこれ。)
(- ∀ )(すっげぇよ・・・実写版アーサーだよ・・・・!!あ、アーサーは一部実写か。)
(- ∀ )(え、・・・で?なんだよあの3頭身ボディちゃん。かわいいじゃねぇか。
・・・もしや弟者君普通の女子では足りないのか!?くっそ恨んでやる・・・怨んでやりゅっ・・・)
(- ∀ )(しまった。ちょっとかっこいい漢字使うと噛む癖がでてしまった。)
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(- ∀ )(なんかもう嫌だ、怖いよこのクラス・・・。変な生徒が二人もいるなんて。
というかペニサス先生よく授業進められるなぁ。俺だったら死ぬわ。)
キーンコーンカーンコーン.........
(- ∀ )(あ、チャイム鳴った。・・・とりあえず予備の眼鏡でも付けるか・・・。)
「きりーつ、れーい。」 「ありがとうございましたー。」
(-@∀@)「ありがとうございましたー・・・・」
(;@∀@)(・・・精神的に耐えられん。さっさと教室から出よう・・・。現実に戻ろう。)
ξ゚⊿゚)ξ「せんせーい」
(;@∀@)「おぉ・・・津田。何学校にドライヤー持ってきてるんだ。早くしまいなさい。」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そうじゃなくって・・・・」
_
( ゚∀゚)「おいツン、先生にまで紹介だなんて・・・。照れちまうぜ。」
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/23.jpg
(-@∀@)
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川д川「どう、して・・・?」
川д川「・・・私が手招きしたのに、あいつは来なかった。
いつもそうだ。みんな来てくれない。
ちゃんと見てるはずなのに、来てくれた事がない。酷い。酷いよ・・・!」
川д川「嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ。」
川д川「呪ってやる・・・呪ってやる・・・!!私を無視する奴なんて・・・」
川д#川「呪ってやる!!!!!」
(-@∀@)「え?」
川д川「あっ。」
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/18.png
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終わりです。
No.70、No.79、No.23、No.18 のイラストを使用させていただきました。
ありがとうございました。
あと気になったんですが、
No.70さんのイラストをRESTさんのところで長時間見ていたらブーンの顔が急にへにょってなってびっくりしました。
仕様なのでしょうか。チキンハートな私にとってはホラゲ並の驚き要素でした。
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>>787
ジョジョ知らなくても十分面白かった!
この兄者のウザさ、癖になるwww
http://imepic.jp/20121121/857790
>>813
雰囲気がすごく良くてのめり込んでしまった。
どのシーンも好きで、どこを描くかすごい迷ったよ!
http://imepic.jp/20121121/858510
二人とも絵を使ってくれてありがとう。
全然テイストの違う2作だったけどどっちもすごい好きだ!
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>>894
乙www笑わせてもらったwww
今見たらほんとだった…どゆことなのだろ?
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乙!
>>889 の絵描いた者です!使ってくれてありがとうございます!!
このクラススゲェwwwwwジョwwルwwジュwwwwwww
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>>894のコメント見て、えっとなってNO.70の絵をじっと見てたら
ぎゃああああああああああああああああああああああああ
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へにょってなんだよまじこわい
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>>897
ちっちゃいクーの魅力に惹かれて使わせていただきました・・・。
素敵な絵をありがとうございます!
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は? No.70が? 別に全然普通じゃんへにょってなんだyぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!111111111
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gif画像だな。仕様かな
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>>902
なるほど・・!
やられたっ・・・!!
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ぎょえええええマジだ
どんな技術使ってるんだ
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なんだよ…これから寝るのに気になるけど見たら絶対後悔して眠れなくなるから誰かビビリなおじちゃんの為に三行もしくはイラストで説明してよこえーよ
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>>900 こちらこそ素敵な話をありがとうございます!
あばばばばばばっばばばっばばっばばばっばばばっばっばばっばば
No.70ねねねねねねねねねね寝られなくなったらどどどどどどどどどどどうするつもりだぼぼぼぼぼおぼっぼぼぼおぼぼ
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gifでもいいですかってスレで聞いてた人もいるしな…
しかし小説投下始まってやっと気付くとは…
つかKOEEEEEEEEEE
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お前らのせいで70見んの、こえぇよ
見たいけど怖い(( ゚д゚ ))
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え?怖くて見れないけどへにょってなに…?
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>>905
なんだよ普通じゃねぇか
でもちょっと待ってみる
なんとブーンの顔が急にぐちゃぐちゃに!
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?なんだよならないじゃ…
ぎゃああああああああああああああああ嗚呼アアああああ嗚呼嗚呼アア阿あああああ!!!!!
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投下用じゃないラノベ祭スレで気づいてた奴いるな。百物語を思い出してしまった
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ぎゃああめっちゃこわいトイレいけない
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http://vippic.mine.nu/up/img/vp99512.jpg
絵で説明しろって言われたから描いてきた
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>>839
やったぁ使っていただいたー!
ありがとう! マジでありがとう!
一人だけ場違いでワロスwwwww
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_321.png
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( ^ω^)が
↓
(ぁwヘ )
こんな感じになる
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何回見ても変わらぬ怖さ
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三行も絵も両方来たからにはと思って見に行ったよ…
見に……行ったよおおおおおおおうわああああああすげえけどこええけどこええええええええええええええええええええ
トイレ行ってからにしてよかったまじでおじちゃん今日は良い夢見れそうだ('A`)
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>>914
隠すなよwwwと思って見てたらぎゃああああああああああああああああああああ
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>>914のやつ最初トラップだと思ってすぐな閉じたなんて内緒な
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>>920
俺もだ
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>>916 の時点ですでに怖いわ
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この流れの中、誰もいなさそうなので投下します
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使用させて頂く絵
【No.6】
【No.7】
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食欲の秋のようです
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A`)
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【食欲の秋】
(; ^ω^)「ふぃー、こんなもんかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。この位あればまあ火は通るでしょう。」
向かい合う二人の間には、落ちていた枝木、落ち葉や枯葉、丸められた新聞紙等が山になるように置かれている。
そしてその山に突き刺さるように立つ二本の細い棒のような物。
(*^ω^)「ツン!ツン!火を付けても良いかお!?」
ξ ゚ー゚)ξ「…えぇ、良いわよ」
(*^ω^)「うおおおお!!燃えろおおおおおおお!!!」
ブーンは持っていたマッチを素早く擦り、新聞紙へ火を移す。
すると忽ち火は大きくなり、パチパチと軽快な音を立てながらブーン達お目当ての物を温めて行く。
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ξ゚⊿゚)ξ「あー、あったまるわぁ…。予想以上に外寒くなってるし。」
( ^ω^)「おっおっ、それでこそコレは食べがいが出るもんだお!寒いからこそ美味しくなるお!」
ξ ゚ー゚)ξ「そうね。肉まんみたいな。」
ξ゚⊿゚)ξ「…それにしてもブーンって本当に丸いわね。マシュマロみたい。」
(; ^ω^)「おっ?」
ξ゚⊿゚)ξ「一緒に焼いちゃう?」
(; ^ω^)「やめて!美味しくないお!」
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(; ^ω^)「んー、まだかおー?」
先程より少し小さくなった焚き火。
しかし音は変わらず小気味の良い音を鳴らしている。
そして、ほのかに香ってくる甘い匂い。
ξ゚⊿゚)ξ「そろそろ良いかもね。ブーン、私にも一本取ってくれる?」
(*^ω^)「合点だい!」
ブーンが火の粉を少し散らしてしまうくらい勢い良く抜いた棒の先には、アルミホイルに包まれたソレ
焼き芋である。
熱いのを我慢しながらアルミホイルを半分まで剥き、紫と少し焦げて黒ずんでしまった芋を取り出す。
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(*^ω^)「いただきまー」
(; ^ω^)「あっっっっつぁい!!!!!??」
ξ゚⊿゚)ξ「バカな子」
(*^ω^)「でも美味しいおー!」
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/6.jpg
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんとふーふーして冷ませば良いのよ。ふーふーて。やっぱダメだあっっっついわ。」
ξ゚⊿゚)ξ「…ん、でも美味し。」
一口だけでも分かる、中身まで火が通っておりホクホクとした食感。
かなり甘くなっており、高級なお菓子でも食べているかのような感覚になってくる。
皮にも蜜が溢れており、焦げてしまっている分更に甘く思えてくる。
( ´ω`)「幸せだお…本当に美味しいお…これのストックが後四つもあるなんて…」
あれ程勢いの良かったブーンでさえその味を噛み締めている。
焼き芋の力は絶大である。
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ξ゚⊿゚)ξ「そうね…何かもう二人だけで食べてるのが勿体無い位に思えてくるわ。」
( ^ω^)「だお。何かもうこう…自慢したいお。」
ξ゚⊿゚)ξ「何で自慢するの?」
( ^ω^)「んーと…こんな物を調達できたおー!みたいな?」
ξ゚⊿゚)ξ「疑問系…」
( ^ω^)「そういえば何故に学校でやってるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「近いから。それだけやよ。」
( ^ω^)「それだけかお…」
「うおおおおおっっ!?」
( ^ω^)ビ クッ
ξ゚⊿゚)ξビ クッ
唐突のだれかの悲鳴に二人は肩を強張らせる。
声のした方向へ視線を向けると
よく顔の知った親友が、二階から身を乗り出していた。
ーーーーー
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夕暮れ
静かな校内、静かな室内に寝息一つ。
本を下敷きにして眠りに耽る男子、その隣にも、図書室のパイプ椅子座り読書を進める女子が居る。
一文字一文字を目に書き込み、脳で情景を写す。
ただひたすらに読み続けるが、隣で眠っているその寝息が煩わしく思えてくる。
更に言うと
(-<_- )ス-…ス-…
(-<_- )…ンガッ
たまにイビキかましてくる。
流石に我慢の限界である。
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/7.jpg
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川 ゚ -゚)「おい、弟者。」
(-<_- )ス-…ス-…
川 ゚ -゚)「起きろ」
弟者の肩を軽く揺するが反応は無し。
まあ、それは何時も通りだから構わない。
弟者がまるで枕代わりとでも言うように下敷きにしている本を掴む。
そして、躊躇せず思い切り引き抜く。
本が無くなった事により弟者の頭は机にゴンッと鈍い音を立てて落ちる。
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( <_ )「いったたたた…」
川 ゚ -゚)「起きたか?阿呆め。」
(´<_` )「…何?」
川 ゚ -゚)「何?じゃないわ馬鹿。何でお前は図書室で寝るんだ。そして本は枕では無い。頁に折れ目が入ったり跡が付くだろうが。」
(´<_` )「ああ…ごめん、クール」
川 ゚ -゚)「本当に分かって…」
(´<_` )「…?」
クールが言葉を詰まらせたのを不思議に思う弟者。
クールの見ているものに目線を移すと
(´<_` ;)「ゲッ」
下敷きにしていた本に、涎が垂れていた。
川 ゚ -゚)
-
親友や、先生にもお前は本の虫だ、だのと散々言われる位に本を大事にしているクール。
クールはカタン、と静かにパイプ椅子から腰を浮かせる。
クールの長い髪が前に垂れたせいで、顔が見えない。
クールのお気に入りの本であったのが更に彼女の腹を立てた。
(´<_` ;)「ごごごごご、ごめんなさ」
川 ゚ )
弟者の襟を掴み、窓際まで引きずる。
そして手際良く窓を開けて
(´<_` ;)「うおおおおおっっ!?」
弟者の半身を窓の外へと押しやった。
-
(´<_` )「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
(; ^ω^)「弟者ぁあああ!何してんだおおおお!?」
(´<_` )「お、ブーンじゃん。やっほ。」
(; ^ω^)「何かお前吹っ切れてね!?」
川 ゚ )ブツブツブツブツブツブツ
ξ;゚⊿゚)ξ「こわっ。何あの子怖過ぎ…弟者何しでかしたのよ…」
( ^ω^)「まあ、どうでもいいお。それよりも弟者ー、焼き芋食べないかおー?」
(´<_` )「うっわぁ…あいつマイペース過ぎる…こうしてる間にも地面へとダイビングキスかましそうなのに…」
ξ;゚⊿゚)ξ「二階からダイビングキスとか狂気しか感じられないわ…」
-
(´<_` )「…クールさん、クールさん。」
川 ゚ )ブツブツブツブツブツブツ
(´<_` )「好きな本三冊」
川 ゚ )
川 ゚ -゚)「十冊」
(´<_` )「五冊」
川 ゚ -゚)「ふむ、まぁ許してやろう」
(´<_` )「今月の俺の小遣いはパアか…」
川 ゚ -゚)「ほら、焼き芋食いに行くぞ。」
(´<_` )「あ、はい…」
-
先程のやり取りをあっさり終え、ブーン達が居た空き地へと向かう二人。
靴を下駄箱から取り出した後、少しずつ身体が冷えるのを感じながらに外へ踏み出す。
風が吹くと同時に、ブーン達の姿が見えた。
(´<_` )「今日は…少し風が騒がしいな。」
川 ゚ -゚)「でも少し…この風…泣いています。」
ξ゚⊿゚)ξ「急ぐぞ弟者!どうやらブーンが空き地においしいモノを運んできちまったようだ!」
(´<_` )「急ごう…風が止む前に。」
( ^ω^)
( ^ω^)「おいヤベーって!そこの焼き芋無料だってよ!!いこーぜ!!」
(´<_` )「良いから早く焼き芋寄越せ。」
川 ゚ -゚)「早くしてくれ。」
ξ゚⊿゚)ξ「早く落ち葉集めて燃やしなさい。」
(; ^ω^)「なんで!?」
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渋々とブーンは一回目のように、落ち葉や枯葉、枝木を集めて先程よりも少し大きめに山を作り出す。
四人分なので、と言う事だろう。
(; ^ω^)「ふぃー、こんなもんかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「上出来よ。お疲れ様。」
( ^ω^)「それでは」
(*^ω^)「ファイアー!」
ポケットにしまいこんでいたマッチを使い、山に火を付ける。
山の高さが違うからだろうか、先程よりも格段に強い熱線が四人の身体を温めるように撫でて行く。
(´<_` )「あったけぇ…」
川 ゚ -゚)「焚き火とは良い物だな…炬燵並みに…」
( ^ω^)「あっ!そう言えば炬燵出してない!」
ξ゚⊿゚)ξ「炬燵ってなんであんなにも眠気を誘うのかしらね。」
(´<_` )「俺の家はストーブしか無いわ…」
川 ゚ -゚)「それはいかん。人生の半分位は絶対に損してるぞ。」
(´<_` )「マジか…」
-
談笑してる間に、辺りには甘い匂いが漂い始める。
焼き芋が出来た合図である。
ブーンが即座に気付き、我先にと山から棒を引き抜いた。
そして、一本一本をそれぞれに渡して行く。
(*^ω^)「みんな!準備はいいかお!?」
ξ ゚ー゚)ξ「いいわよ。」
(´<_`*)「おう。」
川 ゚ー゚) 「良い香りだな。」
(*^ω^)「では、いっせーのーで!」
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「いただきます!」
焚き火を囲んで食べる四人。
美味しい、と言ってはしゃいで。
彼らの顔には、眩しい程の笑顔が浮かんでました。
おわり
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ギャグも無ければオチも無いです!
ごめんなさい!
しかも絵師様の要望のほのぼのになったかすら怪しいです。
一目惚れしたのでかきました。ありがとうございました。
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ほのぼのして良いお話だった
乙ー
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作品URL
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353252395/89-131
作品名
ξ゚⊿゚)ξこちら妖の便利屋兼退治屋のようです( ^ω^)
使用した絵のURL(任意)
3枚使わせて頂きました
投下終了です
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下げたまんまだったのでもう一度
失礼しました
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気づいたら投下終了後に書き込む流れになってて戦慄してる
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>>927
あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃじじじじじじじじじじじじ自分の絵が
ににににににににににに二枚もつつつつつつつつ使われただだだだだだだだだ
だだだと・・・!!!???もう自分死んでも良い!!!
ありがとうございます!ほのぼのしてスッゴイ良かったです!
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乙!
焼きいも食べたくなった
4人とも可愛いな。もげろ
そして投下報告忘れてた
ひとまず一話目投下しましたー
作品URL
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353491480/
作品名
( ^ω^)時計の国とラノベ祭のようです
使用した絵のURL
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/143.jpg
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/46.jpg
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/68.jpg
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/4.png
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/125.jpg
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/111.jpg
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/37.jpg
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とりあえず一話目で使った絵のURLを書きましたが、
今後の展開で他のお題絵も全部使わせていただく予定です
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壁|゚)
壁|д゚ ) ダレモイナイ…。投下チャンス!
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いないと思ったか!さぁ投下はよ!
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見ているぞ
支援
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(゚、゚トソン 約束、のようです ( ゚д゚ )
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紅葉に色づいた山に囲まれた村。その囲いから外へと続く道の途中。そこに二人の人影が対面していた。
(゚、゚トソン「……行くんですか」
髪を後ろにまとめあげた女は問う。
対面する男は目を瞑り、ゆっくりと頷いた。
( -д- )「ああ」
しばし、沈黙が流れ、やがて男は続ける。それは何処か弁解するかの様な響を持っていた。
( -д- )「……無謀だとは、解っている。我侭だとも知っている。だがな。俺はどうしてもこの目で世界を見たいんだ。どんな思いが、どんな人々が、この世界を動かしているのかを、見てみたいんだ」
再び沈黙が降りる。やがて、男は体を折り、頭を下げた。
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( -д- )「……すまないな、トソン」
トソンと呼ばれた女はゆるりと首を降振った。
(゚、゚トソン「いえ。解ってますよ。あなたは昔から一度やろうとした事を放り投げた事は無かった。だから、解ってます。大丈夫です」
トソンの言葉に男は目を開き、再度謝罪する。
( ゚д゚ )「本当に……すまない」
(゚、゚トソン「そう何度も謝る事はありませんよ。それよりも、これを」
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ずい、っとトソンは今までかかえていた冊子を男に差し出した。
( ゚д゚ )「……これは……?」
(゚、゚トソン「私が知っている手軽に出来る料理をまとめました。あなたは丸焼きしか作れないでしょう? これで少しは覚えるべきです」
( ゚д゚ )「……重ね重ね、すまないな」
男が差し出された冊子を取ろうと手を伸ばすと、トソンは、ひょい、と冊子を引っ込めた。
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( ゚д゚ )「……?」
訝しげに男はトソンを見る。トソンは冊子を胸に抱き、顔を伏せ、問った。
( 、トソン「……この冊子を受け取るなら、約束してください。絶対に、帰ってくるって」
男は目を開き、やがて、力強く頷く。
( ゚д゚ )「……ああ。約束する。絶対に、絶対に俺は、お前の所へ帰ってくる」
三度目の沈黙。秋風が山道を通り抜ける。木々が囁くようにさざめく中、トソンは呟いた。
( 、トソン「……約束、ですよ。破ったら、許しません」
すっ、とトソンは冊子を差し出す。男はそれをしっかり掴み、受け取った。
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( ゚д゚ )「……。それじゃあ。いってくる」
トソンにそう告げ、男は踵を返した。落ち葉を踏みしめ、歩き出す。
( 、 トソン
数歩進んだ所で不意に男は立ち止まった。懐を探って何かを引っ張りだし、トソンの方に振り向いた。
( ゚д゚ )「トソン!」
名を呼び、引っ張りだしたそれをトソンに放る。
(゚、゚;トソン「わっ」
放られたそれをトソンは慌てて両手で受けとめ、見る。それは木彫りの狐だった。
(゚、゚トソン「これは……?」
( ゚д゚ )「お守りだ。亡くなった母の物でな。お前にやる」
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(゚、゚トソン「……良いのですか? 形見、なのでしょう?」
トソンの問いに男は冊子を掲げた。
( ゚д゚ )「俺にはこれがあるから大丈夫だ。……貰う事に抵抗があるなら、預かってるって事にしといてくれ。俺がお前の所に帰る理由になる。……それじゃあ、な」
再び踵を返し、歩き出す。トソンはお守りをぎゅっと抱きしめ、その背中にそっと言葉を零した。
( 、トソン「……いって、らっしゃい」
男は振り向かず進み、やがて紅葉の赤に消えた。トソンはそれでもその場を動かず、
ぽたり、とその足元に雫が落ちた。
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――それから数十年の月日が廻る。
男とトソンの住んでいた村は時代の流れに埋もれ、住民達は追われるように山を降りた。
山を降りたトソンは両親と離れ、山の麓にある小さな町でひっそりと1人暮らしを始めた。最初は村暮らしの習慣から抜けられず、苦労したが、今はだいぶ慣れ、なかなかに充実した日々を送っていた。
(゚、゚トソン「よっこいしょっ……と」
荷物を一つ、玄関から部屋に運ぶ。
最近重い物を持つのがめっきりしんどくなってきた。認めたくないものだが年のせいだろうか。
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再びため息を吐く、と同時にピンポーンとチャイムが鳴った。
いきなりの来客に首を傾げ、すぐ思い当たり、トソンは口を緩めた。
トソンが廊下に出ると同時に玄関のドアが開き、飛び出すように赤いランドセルを背負った少女が入ってきた。
(*゚∀゚)「今日も来たぜ、ばっちゃん!」
(゚、゚トソン「いらっしゃいつーちゃん。そしていつも言いますが、私はばっちゃんじゃありません。まだ若いです」
(*゚∀゚)「オレは40過ぎた人はかーちゃん以外は例外なくじっちゃんばっちゃんって呼ぶ。いちいち呼び分けるの面倒だからな!」
(゚、゚トソン「……もう慣れましたから強くは言いませんが……」
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はあ、とため息をついた後、トソンはつーに言う。
(゚、゚トソン「まあ、丁度良い所に来ました」
(*゚∀゚)「なんだよ?」
(゚、゚トソン「そこの荷物、運んで下さい」
(*゚A゚)「えー」
(゚、゚トソン「……勿論、ただとは言いません。手伝ってくれたら今しがた焼いたばかりのクッキーと、ホットミルクを差し上げましょう」
(*゚∀゚)+「本当か!?」
きらり、とつーの目が輝く。ええ、と、トソンは頷き、ダメ押しの一言を付け加える。
(゚、゚トソン「いっぱい焼いておきましたから、たっぷり食べれますよ?」
(*゚∀゚)「よっしゃあ、頑張るぜー!」
たたたっ、と荷物に駆け寄るつーを尻目に、トソンはもてなすため、キッチンに向かった。
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(*゚∀゚)「いや、やっぱりばっちゃんの作る菓子は旨いよなー」
荷物を運び終えたつーはクッキーを美味しそうに頬張りながら呟いた。
(゚、゚トソン「唯一の特技ですからね。磨きに磨きましたよ」
そう答え、トソンはお茶を啜る。
めいっぱい口に詰め込んだクッキーを咀嚼し、飲み込んでからつーは唐突に問うた。
(*゚∀゚)「そういやーよー。ばっちゃんってなんで結婚しなかったんだ?」
(゚、゚トソン「なんですかいきなり」
(*゚∀゚)「いや、だってばっちゃん、母ちゃんから越して来た時はしばらくは男共が騒ぐくらいの別嬪さんだったって聞いたぜー? まあ、今も40歳過ぎとは思えないくらいキレイだけどさー」
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つーの言葉にトソンはしばし目を泳がせ、やがて観念したように言う。
(゚、゚トソン「幼馴染みが、居たんですよ。まっすぐで、一度決めた事は成し遂げるまで投げ出さない、不器用な性格な人」
つい、っと壁際の本棚を指さす。
(゚、゚トソン「そこにある狐の像はその幼馴染みがくれた物です」
(*゚∀゚)「へー。そうなのかー。……それで、ばっちゃんはその人が好きなんだ?」
(゚、゚トソン「……ええ。ですが彼とはもう何十年もあっていません。私がまだ村に住んでいた頃に村を出て、都会に行きました。しばらくは手紙も届いたのですが、いつしか途絶えてしまいまして。今はもう何処に居て何をしているのか、皆目見当がつきません」
(*゚∀゚)「……ふーん。いつかまた会えると良いね。その人に」
(゚、゚トソン「……ええ。そうですね」
頷き、トソンはあの日の事を思い出す。
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あの時、私は秋風の吹くなか行く彼の背中を引き止めたい、と思った。行かないで、とも。けど、結局言えなかった。……もし、あの時、彼を引き止めていたら――。
そこでトソンは思考を止め、茶を啜った。
今更それを考えたところで仕方のない話だ。仮想(イフ)に想いを馳せた所で時は戻らない。
再び茶を啜るトソンと入れ違いに、ホットミルクを飲み干したつーが、部屋の隅に置いた、先程自分が運んだ荷物を指さした。
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(*゚∀゚)「それでさー。あの大荷物はなんなんだ?」
(゚、゚トソン「……ああ。あれは両親の差し入れですよ。最近はよく、旅行先の名物とかを届けてくれるんです。良かったらいくつかあげましょうか?」
(*゚∀゚)「んー。どーしよーかなー」
唸るつーに微笑み、ふと、トソンは昨日、電話越しにした父との会話を思い出した。
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/ ゚、。 /『明日は驚くぞ、娘よ』
【(゚、゚トソン「……いや、いきなり驚くぞ、と言われましても。というかそういう事言ったら意味無いと思いますが」
/ ゚、。 /『いや大丈夫さ。絶対に驚くからな。なんならわたしの秘蔵コレクションをかけても良い』
【(゚、゚トソン「……何ですか、いったい。まさか父さん、私の家に来るんですか?」
/ ゚、。 /『近いとも、遠いともいえるな。まあ、答え合わせは明日だ。楽しみにしているが良い。それでは、お休み』
(゚、゚トソン「? ……おやすみなさい」
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あれは一体なんだったんだろうと、手についたクッキーの粉をティッシュで拭いつつ、トソンは首を傾げる。……もしかしたら、あの荷物の中にその、私が驚く物が入っているのかもしれない。
立ち上がり、荷物に近づく。ガムテープを剥がし、開けると、地方の菓子や名物の上にぽつんと封筒が載っていた。
(゚、゚トソン「……?」
首を傾げると同時に背後でつーが叫んだ。
(;゚∀゚)「やっべ、今日見たいアニメがあったんだった……! ばっちゃんごちそうさま! オレ帰るな! 地方の菓子の話はまた今度考えてみる!」
(゚、゚トソン「ええ、はい。気を付けて」
返事を返しつつ、封筒を取り、封を開ける。
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ばたばたとつーが廊下を走る音を聞きつつ、中に入っていた紙を出した。
『今、帰る』
手紙にはただ、その一文がぽつん、と書かれていた。
再度首を傾げようとし、その筆跡に見覚えがある事に気付く。
と、同時に玄関の開く音が聞こえ、少しして、疑問を孕んだつーの声が聞こえた。
「……人んちの家の前につったってどおしたんだ、おっちゃん?」
「……部屋を探していてな。お嬢ちゃん、知らないかな。トソン、って人の部屋なんだが」
(゚、゚トソン
懐かしい、声がした。
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