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( ^ω^)2012年芸術の秋ラノベ祭りのようです
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( ^ω^)ラノベ祭り投下及び報告スレだお
開催期間
11月18日(日)0時〜25日(日)23時59分
スレ立てを行った作品については、
作品URL
作品名
使用した絵のURL(任意)
以上のテンプレを使用して投下報告を行うこと
これがなければラノベ参加作品と見なされない
絵のURLについては、RESTさんのところからhを抜いて記載してくれればおk
スレタイに【ラノベ祭り】などの記載をするかは任意(宣伝効果はあるかもわからんね)
次スレは>>950を踏んだ人が立ててくれ
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1348068145/
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wktk
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召使い 「見て! 何て贅沢な装飾なのかしら! 」
召使い 「鏡のてっぺんに彫り込まれた女をご覧なさいな。まるで、アフロディテのように綺麗だわ。」
('、`*川「……。」
馬車に揺られてやってきた素敵な贈り物は、賞賛の声と共に迎え入れられた。
余所のものと比べると、幾分か小ぶりな鏡面台だった。
しかし、シルエットは頭から爪先まで、寸分の狂いもなく優美なライン描き、その小さな体には、贅をこらした装飾がたっぷりとあしらわれていた。
特に、鏡の最上部に彫り込まれた少女は、溜息がでるくらい美しかった。
('、`*川「あんな古臭いもの、私が使えるわけないじゃないの。早くどこかへやって。」
母は鏡面台を一瞥すると、使おうとしなかったらしい。
なにぶん生まれる前の話なので、真偽のほどはわからない。
けれど、今でも行き場を失ったそれは、滅多に使うことのない客間にそっと置かれていた。
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私が彼女を見つけたのは、五つのときだった。
ある日、夜中に一人でいる寂しさに耐えかねて、私は屋敷の中をさまよっていた。
思い返してみれば、半ばべそをかきながら暗い廊下を一人で彷徨いていたように思う。
幾分か歩いてあるうちに、心も随分落ち着いて、誰もいないのならあの鏡面台を探してみようと思った。
素敵な鏡面台、愛情のこもった贈り物――。
当時は気がつかなかったが、多分私は自分と真反対のものを、一度目にしてみたいと思ったのだろう。
漸く鏡面台のある客間にたどり着き、彼女を見た瞬間を私は今でも忘れない。
あまりの美しさに思わず感嘆の声をあげたのだ。
そして、心を奪われたのだから。
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ミセ*゚ー゚)リ鏡面台の少女のようです
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/109.png ◆No.109
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来ない来客のために用意された客間は、冷え冷えとした空気で満たされていた。
静まり返ったこの部屋の隅に、彼女はひっそりと鎮座している。
ミセ*゚ー゚)リ「……。」
傷つけないように、慎重に模様を指先で辿る。
瞳を閉じれば、目がくらむような色とりどりの花が私を招き入れてくれた。
ミセ*-⊿-)リ「菫に時計草、露草……」
鏡面台の緩やかに内へ膨らんだ脚から引き出しまでは、野茨が我が物顔で手足を伸ばす。
その隙間を縫うように、菫、鈴蘭、時計草、……おそらく、東洋の植物であろう珍しい植物たちが咲き乱れる。
その様子はまるで、お互いを絞め殺し合っているようだ。
ミセ*゚ー゚)リ「いつみても、本当に綺麗……」
目を開けて、少女を見つめる。
茨に手足を縛り付けられ、まるで磔のようになった少女は、相変わらず美しさを湛えてそこにいた。
傍らには、極楽鳥が忠実な従者のように寄り添っていた。
ミセ*゚ー゚)リ「きっと、鳥は彼女を助けたいのね」
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私は再び目をつぶり、空想の世界に身体を預ける。
お伽噺の世界に入り込むと、母の怒鳴り声も、まるで遠いもののように思えた。
少女を助けんがため、極楽鳥は空を飛ぶ。しかし、いやらしい野茨は獲物を見逃さず、その美しい飾り羽根に絡みつく。
翼は蔓に締めつけられ、傷ついた彼は墜落する。
地に落ちた肉は腐り、やがて甘い腐臭を漂わせるのだ。
きっと、少女は絶望するに違いない。
彼が死んだことに、零れ落ちた涙を払うこともできない己の身の上に……。
ミセ*;ー;)リ「何てかわいそうなの」
こんなにも美しいのに。
美しさが幸せをもたらすなら、なぜ彼女の許にそれは訪れないのだろうか。
ミセ*つー;)リ「神様は、不公平だわ」
泣くことすら許されない彼女への慰めに、自分の頬に伝う涙を拭う。
ミセ*゚ー゚)リ「できることなら代わってあげたいわ。あなたの不幸が何より沁みているのは、私だもの。」
私は少女と二人きりの時間を存分に満喫していた――はずだった。
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――――ソレハ、ホントウ?――――
声がした。
張り詰めた静寂をそっとなでるような、微かな、息を殺してじっとしていなければ聞こえないような声だった。
ミセ;゚ー゚)リそ「誰!? 」
ここにいるのは、私一人きりなはずだった。
あたりを見回すが、依然として、部屋は静謐で重厚な空気を保っていた。
ミセ;゚ー゚)リ「誰も…いないわね」
気のせいだとわかり、強張った身体の力を抜いた――刹那、視界は暗闇に捕らわれ、絡めとられていった。
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川 ゚ -゚)「あぁ、やっと外にでられた」
ミセ;゚ー゚)リ『何が起きたの? 』
目の前に映るのは鏡面台の少女。
堅く冷たかった頬には血が通い、薔薇色に輝いていた。
彼女はひどくせいせいとした顔していた。
赤い唇が弧を描き、笑みの形となる。
灰味がかった瞳が私を見つめていた。
本当に、私を見つめていたのだろうか?
違う、鏡面台を見ていた。
ミセ*;ー;)リ『私をここから出して頂戴! 』
客間ではないどこかに私はいた。
菫に鈴蘭、かつて何度も指でなぞった花々が咲き誇る。
だらしなく蜜を滴らせ、絡み合う様子はひどく淫らだった。
野茨は鬱蒼と茂り、蔓が私を捕らえて離さない。
川 ゚ -゚)「無理だよ。金物の喉で、声が出せる訳がないだろう? それに、君が言ったんじゃないか。【代わってあげたい】って。」
川 ゚ー゚)「そこから出たいのだろう? ならば、待つことだ。いつかお前のような少女が訪れる。」
【そして、つけいれば良いさ。この私のように――】
ちなみに私は百年待った、そう言い添えると、彼女は艶然と微笑んだ。
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('、`#川「ミセリ、どこにいるの!? 」
母が金切り声をあげている。
夜会の準備ができたに違いない。
早く行かなければ、母に叱られてしまう。
なのにどうして私の世界は極彩色で彩られているのだろうか?
川 ゚ー゚)「さようなら、心優しいお嬢さん。今度は君の番だ」
川 ゚ -゚)「ここにいます! お母様。」
('、`*川「あぁ、ミセリ。こんな所にいたのね。さぁ、はやくいらっしゃい。もたもたしていたら、夜会に遅れてしまうわ」
母はイライラした調子で彼女にまくしたてる。
胸元が大きく開いた、毒々しいドレスを身に纏った女は、ソレが娘でないとは気づかない。
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ミセ;⊿;)リ『お母様、違うのよ! ソレは私じゃない! 』
叫んで訴えようにも、鋼の喉では思うようにままならない。
川 ゚ー゚)「あははは! 」
“ミセリ”は醜く顔を歪めて笑う。
それでも、美しさは一欠片も損なうことはなかった。
('、`*川「どうしたの? 急に笑い出したりなんかして、気味の悪い。さっさと服を着替えて頂戴」
川 ゚ -゚)「はい、お母様」
('、`*川「さぁ、行きましょう」
彼女達が何を言っているのか、もはや聞いていなかった。
扉が閉まり、部屋に闇が訪れても気にならなかった。
私の眼前に広がるのは、茨が蠢く醜くも美しい、楽園だけだったのだから。
――――あぁ、もうすぐ私の許へ極楽鳥が飛んでくるのだろう。そして彼が朽ち果てるまで、嘆くに違いない。
物語が始まった。
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以上です。
素晴らしいイラストを使わせて頂きました。
本当にありがとうございます。
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乙!
文章が綺麗だな
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怖いけどきれいだ・・・乙
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クー怖い…
乙でした
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乙
素敵だった
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勢いだけで書いちゃった短編を投下するよ!
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(´<_`;) おい、ブーン……本当にここ大丈夫なのか?
( ^ω^) 間違いないお!ここにブーンの仲間の気配がするんだお!
( ´_ゝ`) んー、風の精霊が祭られてるようには見えないな、野良精霊か?
(´<_` ) こんなじめじめした洞窟にいる精霊とか大丈夫か?
( ^ω^) おーん……。身動きが取れなくて困ってるみたいだお。
( ´_ゝ`) ん?じゃあドクオの仲間か?
(;'A`) 大地の精霊を何だと思ってんだ!封印されてるかもってことだよ!
( ´_ゝ`) めんごめんご。
(´<_` ) 古い上に反省ゼロとは流石だな兄者。
( 'A`)( ´_ゝ`)試練の旅路のようです(´<_` )(^ω^ )
( ^ω^) ……で、結局行くのかお?
(´<_` ) そうだな……。封印されてるかもしれないとなると、行ったほうがいいかもしれないな。
( *´_ゝ`) 俺らは仮にも精霊使いだからな。困ってる精霊は助けるもんさ!
('A`) 精霊使い『見習い』な。
( *´_ゝ`) こまけぇこたぁいいんだよ!
(;'A`) 反抗的な精霊の制御とか出来ないままなんだろ?そんなんで大丈夫か?
( ´_ゝ`) そんときは逃げるまでだな、母者のおかげで逃げ足には自信がある。
(;'A`) わー……。ドックン不安でいっぱーい……。
(´<_` ) ま、協力的なのを祈るしかないな。
( ^ω^) ブーンがいるからきっと大丈夫だお!きっといい精霊だお!
(;'A`) そうだといいんだが……。
-
(´<_`;) 中はいっそうとじめじめしているな。
( ´_ゝ`) じめじめっていうかびちゃびちゃ?ドクオ、頼むぞ。
('A`) あいよ、俺達の周りの地面をできるだけ固めればいいんだな?
(´<_` ) ブーン、バランスを崩したときは頼むぞ。
( ^ω^) まかせるお!風を流してアシストするお!
( *´_ゝ`) よし、行くぞ!洞窟探検だ!
(;'A`) うわ、予想より遙かに空気が悪いな……。
(´<_`;) ずっといたら肺がカビそうだな……。ブーン、空気の洗浄も頼む。
( ^ω^) おまかせあれ!だお!
( *´_ゝ`)ノシ おーい、弟者ー!見てみてこれー!
(´<_` ) なんだ兄者、何を見つけたんだ?
( *´_ゝ`)つ ほーれ、まだ動いてる冬虫夏草。
(´<_`;) うわっグロッ!何を見つけてきてんだ!
(;'A`) つーか、虫が生きてるのにキノコ生えてるのか?おかしいだろそれ。
(´<_`;) ……。
ホーレホーレ( *´_ゝ`)つ(^ω^;)ヤメルオー
(´<_` ) 確かにおかしいな……。普通は虫が動かなくなってから発芽するんだよな?
( ´_ゝ`)つ ん、じゃあこの冬虫夏草は、ここにいる精霊の影響なのか?
(;'A`) だとしたら相当強力な精霊だな……。本当に大丈夫かよ?
( *´_ゝ`)つ 逆にラッキーかもだぞ?試練の地に向かうのに強力な精霊がいるのは心強いし!
( ^ω^) おっきい精霊なら、乗って飛べちゃうかもしれないおね!
( *´_ゝ`)つ なにそれ!楽しそう!
(´<_` ) ま、うまくいったらの話だけどな。
(;'A`) つーかいつまで持ってるんだよそれ……。
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(´<_` ) 段々足場が整ってきたな。
( ´_ゝ`) 明らかに人の手が入ってるな、本当に封印されてるのか。
( ^ω^) 気配は段々強くなってるお!間違いなく、この先に風の精霊がいるお!
('A`) それにしちゃ守りが薄いな。罠すらないなんて、封印するほどの精霊じゃないのか?
( ´_ゝ`) 封印されてるんじゃなくて、引きこもってるだけだったりしてな。
(´<_`;) 嫌だろそんな精霊……。
( ^ω^) んー、でも、引きこもり精霊は珍しくないお?
('A`) 強い精霊ってなんかメンタル弱いのが多いんだよなー。
(´<_`;) 嫌な事実を知ってしまった……。
( ´_ゝ`) どっちにせよ普段は暇そうだよな、大地を操るとか大迷惑だし。
(;'A`) 大地の精霊に恨みでもあんのかお前は!
( *>_ゝ<) えへへ☆ドックンはわるくないよ!ごめんね!
('A`) イラッ
(´<_` ) イラッ
( ^ω^) イラッ
( ´_ゝ`) ひどくない?
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( ´_ゝ`) 露骨に神殿っぽい感じになってまいりました。
(;^ω^) すでにブーン3人分くらいの気配になってるお……。
(´<_`;) 気配というか威圧感だなこれは。ピリピリする。
(;'A`) 俺はもう気配だけで吹き飛ばされそうだ……。
( ´_ゝ`) きつそうだな、俺のポケットに入っとくか?
(;'A`) あーうん、そうする……。
(;゚A゚) ……ってわあああ!なんでさっきの冬虫夏草が入ってんだよ!
( ´_ゝ`)つ いやなんかキャッチアンドリリースするのも忍びなくて。
(´<_`;) そのまま持ってきたのか、流石……いや、素直に引くわ。
( ´_ゝ`)つ ひどくない?
( ^ω^) 駄目だお兄者!ちゃんと元いた場所に帰さないと可哀想だお!
ソンナコトイウノハコノクチカー( ´_ゝ`)つ(^ω^;)ヤメルオオオオオ!!
(´<_`;) ……まぁ、持ってきたものは仕方ないし、このまま進むか。
(;'A`) マジかよ……。じゃあ兄者ずっと手に持っとけよ。俺がポケットに入れん。
リョウカーイ( ´_ゝ`)つ(^ω^;)
(´<_`;) (後々どうしようかなぁアレ……。)
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( ´_ゝ`)つ あれ?行き止まりか?壁がパックリ開いてるぞ。
(´<_` ) 見事に空が見えてるな。
( *´_ゝ`)つ ウヒョー!高い!なんだここ面白えええー!!
(;'A`) おい危ねーぞ。落ちたらどうする気だ。
( *´_ゝ`)つ 落ちたらブーンが助けてくれるさ!
(;'A`) そんな人任せな……。
(´<_` ) おーい、兄者!ドクオ!
(;^ω^) 二人ともこっちに来てくれおー!
( *´_ゝ`)つ お、どうしたんだ?
(´<_` ) ここに竜の石像があるだろ?ここに精霊が封印されてるらしいんだ。
(;^ω^) 気配はここからで間違いないお。でも解除方法が問題なんだお。
(;'A`) はあ?どんな解除方法なんだ?
(´<_` ) ……生贄がいるらしい。
(;゚A゚) なっ……!生贄ェ!?
( ´_ゝ`)つ そりゃまた随分と大変な封印だな。
(;'A`) うーん……。精霊の仲間は助けたいけど、旅の仲間を差し出すのは……。
(´<_` ) 無理だろ?だからここはスルーしようと思うんだが。
( ´_ゝ`)つ なあ弟者、その生贄をどうすれば封印が解けるんだ?
(´<_`;) ん?そこの祭壇の上で生贄が命を絶てばいいらしいが……。
( ´_ゝ`)つ ふむ、ナルホド。
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( ´_ゝ`)つ [冬虫夏草] スッ
( #´_ゝ`)つ Σ[自主規制]そ チェストォッ! グチャァ!!
(´<_` ) ……。
( ´_ゝ`) ……。
(;'A`) ……。
(;^ω^) ……。
( _ゝ ) 無理……だったか……。 ガックリ
(´<_`;) そりゃ無理だろうよ!何がイケると思ったんだよ!!
::( _ゝ ):: 冬虫夏草……!短い間だったけど……お前のこと忘れないよ……!
(;'A`) 今だかつて無いほどショック受けてるよ!どんだけ冬虫夏草気に入ってたんだ!!
( _ゝ ) クソッ……!!意味も無く命を奪いやがって……!!何が風の精霊だ!!
(;^ω^) とどめ指したのは兄者だお!風の精霊何も関係ないお!!
ピカッ!!
(´<_`;) うおっ!まぶし!何だ一体!?
( 。ФωФ) おお、全ての生き物に対する愛情……!感動したのである!!
(´<_`;) ……どちら様?
(;'A`) 弟者!そいつ、そこに封印されてた精霊だ!
(´<_`;) 何!?
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( 。∩ωФ) うむ、我は風の精霊に属する者、風竜ロマネスクである。 グシグシ
(´<_`;) 風竜?竜なのか?
( ФωФ) いかにも、我の本来の姿はそこにある石像のような姿をしている。
(´<_`;) はぁ、じゃあなんでそんなちまっこい姿に?
( ФωФ) このほうが話しやすいからな、威厳を伝えられぬのは少々残念だが……。
(´<_`;) はぁ……。
(;^ω^)ノ あのー、質問よろしいですかお?
( ФωФ) む、お主も風の精霊か。良いぞ、ドンドコ聞け。
(;^ω^) ど、ドンドコ?えーっと、何で封印されてたんですかお?
( ФωФ) 平たく言うと邪魔だったからであろうな。
( ФωФ) 我がここに住んでいたことと、精霊を利用して政治を行っていたからである。
(;'A`) 精霊を利用した……政治?
( ФωФ) うむ、神の声が聞こえる〜ってやつである。どっちかというと宗教であるな。
(´<_`;) つまり名前だけ利用されてたのか。
( ФωФ) そういうことであるな。本心を伝えると政治にならぬから封印されたのである。
(;'A`) ナルホド……。
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( ФωФ) 解除方法に慈愛の心が必要なのも簡単に復活させないためであろう。
(´<_`;) は?慈愛?
( ФωФ) そこには書かれておらぬが、復活には生贄への愛情が必要なのである。
( 。+ω+) 生贄は愛したものでなくてはならず、殺した後に心からの謝罪をせねばならないのだ。
( 。ФωФ) 千年近く封印されていたが、先ほどのものほどの深い謝罪は初めてみたであるよ。
(´<_`;) (ついさっき拾った冬虫夏草にそこまでの感情を抱いていたのか、兄者……。)
(;'A`) (兄者って一体……。)
(;^ω^) (千年に一度の逸材……なのかお?)
( 。ФωФ) 何はともあれ、我を復活させてくれたのだ。暫くは力を貸そう。
(´<_`* ) おお!本当か!
( ФωФ) 精霊は嘘はつかないのである。さあ、先ずは何をするか?
(´<_`* ) そうだなー、先ずは……
( _ゝ ) (´<_`* )
( _ゝ ) (´<_` )
( _ゝ ) (´<_`;)
(´<_`;) 兄者を元気付けてくれないか……。
(;ФωФ) ああ、なるほど、先ほどの一件でダメージを受けているのだな……。
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(!i _ゝ )ズーン
(;ФωФ) ええと、兄者殿、先ほどの話は聞いていたであるか?
(!i´_ゝ`) ああ……。うん……、一応……。
(;ФωФ) 聞いていたなら説明が省けるのである。兄者殿、我は竜である。
(!i´_ゝ`) うん……。それが……?
( ФωФ) 我に乗って空を飛んでみないであるか?
(!i´_ゝ`)
( ´_ゝ`) そら……?
( ФωФ) うむ、空である。
( ´_ゝ`) そら……。空……。
( *´_ゝ`) 空!?空、飛べるのか!スゲェ!!
( ФωФ) うむ、飛べるであるよ。乗るであるか?
( *´_ゝ`) 乗る!乗るよ!みんなで乗ろう!
( *´_ゝ`) 待っててくれ!みんな呼んでくるよ!
<オーイ、ミンナー!
( ФωФ) ……。
(;ФωФ) 単純であるな……。
( ФωФ) ……まぁ。……だからこそ、あそこまで純粋であるのだろうが、な。
<アニジャ、タチナオルノハヤイナ……
<タンジュンダオー!
<ア、チョットマッテ、トウチュウカソウノオハカツクルカラ……
<オハカ!?ココニツクンノ!?
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( *´_ゝ`)ノ よし!準備完了だ!
( ФωФ) うむ、では我の背中に乗ると良い。
(´<_`* ) おお、本当に竜だ。
(;'A`) どこに乗っても落っこちそうで怖いな……。
( *^ω^) ブーンは並んで一緒に飛びたいお!
( ФωФ) よし、全員準備はいいか?行くぞ!
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/11.jpg
( *´_ゝ`) うおおおお!すっげぇ!本当に飛んでる!
(´<_`* ) はしゃぎすぎて落ちるなよー?
(;゚A゚) うわわわわ!落ちる!落ちる!
( *^ω^) おっお!落っこちたらブーンが拾うから安心しろおドクオ!
( *´_ゝ`) よーし!このまま全速前進だー!
( ФωФ) うむ、任せるのである!!
( *´_ゝ`) うっひょおおおお!これだから旅は楽しいぜ!流石だな!俺ら!!
(´<_`* ) ああ、流石だな!兄者!!
(*'A`)( *´_ゝ`)試練の旅路のようです(´<_`* )(^ω^* )
---------------おしまい!---------------
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異常です。なんかごめん。
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兄者ww
-
乙
冬虫夏草…
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冬虫夏草の犠牲は無駄にはならなかったんだな・・・!
感動した!
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乙wwwww
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>>317
うきゃああああ素敵なお話に使ってくださりありがとうございます!
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25日までだが、作品数はどれくらいになるんだろうか・・・
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この企画スル―するところだった… 投下します
ジャンルは適当ギャグって感じで
ノリで書いたから誤字とかは知らん!!
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沈黙―――――
音の無い熱気だけがそこにはあった。
人がいない、というわけではない。
むしろ人は場内から溢れんばかりに所狭しと並び、「その」様子を見守っていた。
( ゚д゚ ) …お前も勝ち上がってきたか
(<●><●>) 当然ですよ、あなたと戦う為に私は闘って来たのですから
歴史は
静寂を保ったまま
作られる。
―――――
( ゚д゚ )(<●><●>)眼(まなこ)の力のようです
http://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/142.png
-
ξ゚⊿゚)ξ …本当に行くの?
( ゚д゚ ) …ああ。
ξ゚⊿゚)ξ 止めてもどうせ無駄なんでしょうね…
( ゚д゚ ) 男には避けて通れない道があるんだ。
…わかってくれ。
ξ ⊿ )ξ えぇ、わかってるわ。いや、わかってるつもりだった。
でもどうしても聞かずにはいられないの。
( ゚д゚ ) …
-
( ゚д゚ ) …マジか。
ξ;゚⊿゚)ξ マジだよ!応援とか行かないから!
( ゚д゚ ) 普通に心細いんですけど?
ξ;゚⊿゚)ξ 知るか!人に頼む態度じゃないし!
( ゚д゚ ) …お願いします。
ξ;゚⊿゚)ξ 嫌だよ!じゃあね! タッタッタ
( ゚д゚ ) …
( ゚д゚ ) この涙は目の汗だ。眼力を極める為の努力の証だ…
( ∵) ミルナ…すまない。
俺がこんな円らな瞳じゃなければ…!
( ゚д゚ ) お前マジで何でこの部入ったんだ…
っていうか諦めるなら勝手に諦めろ、俺に助っ人を頼むなマジで。
( ∵) …会場に向かうぞ。
( ゚д゚ ) 何で俺こいつの言うこと引き受けたんだ…
-
眼力競技会場―――――
※( ∵)はなんやかんや死にました
( ゚д゚ ) ビコーズ…まさか俺の目をかばってレモン汁の餌食になるとは…
( ゚д゚ ) 俺は負けない。ビコーズの為にも。
( ゚д゚ ) (そしてツンの為にも…)
( ゚д゚ ) !
(<●><●>) ほう…あなたがビコーズ君が話してた助っ人のようですね
( ゚д゚ ) …誰だ。
(<●><●>) 名乗るほどの者でもありませんよ…
ビコーズ君はどうしたのですか?
( ゚д゚ ) ビコーズは………死んだ。
(<●><●>) でしょうねぇ!
ふふふ…レモン汁で人が死ぬと本気思ってましたか?
-
( ゚д゚ ) …まさか
(<●><●>) そうです!私がレモン汁を毒にすり替えておいたのですよ!
( ゚д゚ ) …俺そのレモン汁普通にからあげにかけて食べたんだけど
(<●><●>) …今の話は嘘です。彼はレモン汁で死んだんです。
( ゚д゚ ) 今の時間返せよ…
(<●><●>) 時は有限なのですよ!だからこそ美しい!
無限の時の中で誰が頂上を目指すというのですか?
( ゚д゚ ) (こいつ全体的にわけわからん…)
(<●><●>) おっとそろそろ一回戦の始まりの様ですね…
決勝で待ってますよ。ミルナくん。
( ゚д゚ ) …お前の名は?
(<●><●>) 私と戦う時が来たら教えてあげまし「一回戦、ワカッテマス君は所定の場所へ向かって下さーい!」
(<●><●>) あ、はーい!今行きます!
…では
( ゚д゚ ) ワカッテマスか…最後取り繕ってたな。
( ゚д゚ ) …俺も向かうか。
-
一回戦―――――
( ><) 一回戦、ミルナ君対ショボーン君!
3(スリー)...2(ツー)...1(ワン)...目(め)っ!
( ゚д゚ ) …
(´・ω・`) …
(; ゚д゚ ) …
(´・ω・`) …
(;゚д゚ ) (こいつ…強い!何て目で見てくるんだ!
捨てられた子犬のような、それでいて少し憎たらしい…くっ!)
(;゚д゚ ) (しかし、この程度でやれる俺では無い!うおおおおおお!!!!!!)
(; ゚д゚ ) …
(;´・ω・`) …
(;´・ω・`) (くっ、僕の"愛玩動物眼(ラブリーペッツ・アイ)"を耐えきるとは…
しかし耐えるだけでは僕は倒せないよ!)
( ゚д゚ )
(;´・ω・`) (なっ、ここに来て無表情だと!?こいつ…!
くそおおおおおおおおおおおお!!!!!!)
(´ ω `)゚;' ぐはあああああああ!!!!!
( ><) 勝負あり!ミルナ君の勝ちです!
(;゚д゚ ) …なんとか勝ったか。
しかし強敵だった…ショボーン、お前の事は忘れない。
-
二回戦―――――
( ゚д゚ ) …お前も勝ち上がってきたか。
(<●><●>) 当然ですよ、あなたと戦う為に私は闘って来たのですから。
( ゚д゚ ) まさか二回戦であたるとはな…
(<●><●>) 対戦表を見間違えるとは…しかしこの程度丁度良いハンデです。
( ><) 続いて二回戦!鋼鉄のミルナ対全知全能のワカッテマス!
3(スリー)...2(ツー)...1(ワン)...目(め)っ!
(; ゚д゚ ) (通り名がついただと!?)
(<●><●>) (通り名で焦ったようですね、所詮この程度…ですか)
(<●><●>) (このまま押し切る!この私の"藍実眼(ブルーベリー・アイ)"で!)
(;゚д゚ ) (くそっ、なんて遠くまで見えそうな目なんだ!
まるでこっちの全てを見透かされそうだ!)
(;゚д゚ ) (このままじゃ…このままじゃ負ける!)
(; д ) (くそおおおおおおおおお!!!!!)
-
『ミルナ…聞こえるかミルナ』
(; д ) この声は…
(<●><●>) (様子がおかしい…彼は誰と喋っているのでしょう…)
( ∵) 『どうした、お前の眼力はその程度のものか?』
(; д ) ビコーズ…どうして!?
( ∵) 『ミルナ…まだお前には使われていない力がある。』
(; д ) そんな…でもこれ以上はっ…!
( ∵) 『さあ、お前の眼(まなこ)に名前を付けるんだ。
そうすることでお前はさらなる高みを見れるだろう。』
(; д ) 眼だけに…か!?
( ∵) 『そうだ。後は任せたぞ…』
-
(;゚д゚ )そ (ビコーズ!?)ハッ
(<●><●>) …
(;゚д゚ ) (そうか…俺は…)
―さあ、お前の眼(まなこ)に名前を付けるんだ。―
(; д ) (ビコーズ…ありがとう。)
( ゚д゚ ) (見せてやる!これが!俺の!
"昏睡魚眼(デッドリー・フィッシュ・アイ)"だあああああああ!!!!!!)
(<●><●>) (な…)
( ゚д゚ ) …
-
(;<●><●>) (表情に硬さが増した!!!???
いやそれだけではない…!!!???)
( ゚д゚ ) …
(;<●><●>) (口が半開きになることで…)
( ゚д゚ ) …
(;<●><●>) (死んだ魚…いや生きた化石シーラカンスに見えるだとおおおおおおお!!??)
( ゚д゚ ) …
(< >< >)゚;' ぎゃあああああああ!!!!!!!!!
( ゚д゚ ) …終わったか
( ><) 今の試合、競技中に言葉を発したミルナ君の反則負けです!
反則負けなんて過去初めてです!
( ゚д゚ )
歴史は
静寂を保ったまま
作られた。
おわり
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No.142を使わせて頂きました。
眼力の強い二人を集めたって言うから勢いを大切に書いたらこんなのに。
凄い素敵な絵だけにちょっと罪悪感ががが
誰かギャグじゃない真面目な奴でも書いて欲しいぜ…orz
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自分sageは要らねえよ!!!乙!
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この話好きだぜ乙!
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投下しますぜ旦那
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もう祭りが始まってたとは…!!
>>220さん絵を使っていただいてありがとうございます!
http://imepic.jp/20121118/486740
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よしきた
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その村の西の外れには、大きな森がありました。
昼でも常に薄暗く、誰も踏み入らないその森には
なんと、恐ろしい姿をした異形の魔物が住みついているのです。
魔物は、ずぅっと大昔からたった一匹、森で生き続けていて
人を食らう凶暴な魔物として、村の住民達から恐れられていたのでした。
とはいっても、そんな怪物が住まう森と隣接した地で
村人達が日々平穏な暮らしを送れるのにはわけがありました。
その魔物は、人間の他、何故かたった一つの果実しか口にせず
その果実を森に捧げ続ける限り、魔物は大人しく森に留まり
決して人を食べることは無いのです。
魔物が食らうその果実は、森の中にはありません。
一度迷ったらもう帰れない、木々が鬱蒼と生い茂る不気味なこの森の奥
その道ならぬ道を往く、少女のバスケットの中にあるのです。
ひとりぼっちの魔物の話
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l从・∀・ノ!リ人「あんちゃん、あんちゃーん」
茂る草木をかき分け、暗い樹海を抜けて
視界の開けた場所に来ると少女は足を止めました。
すると、小鳥のようなその愛らしい声に応えるように、数枚の葉を舞わせて揺れた樹木の影から
ずるずると大きな尻尾を引き摺って、両手で顔を覆い隠した
一匹の魔物が姿を現しました。
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/200.jpg
頭には尖った二本の角。そして、大きな獣の耳が4つ。
フカフカの体毛に覆われた手足には、鋭い爪が伸びています。
これこそが村人達が恐れる、森に住まう人食いの魔物なのです。
( ∩ゝ∩)「いつもありがとう、イレーネ」
少女が、若葉色に輝く美味しそうな青林檎をバスケットから取り出してみせると
魔物は両手で顔を隠したままお礼を言いました。
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l从・∀・ノ!リ人「今日もたくさん持ってきたのじゃ!」
イレーネが手に提げるバスケットの中、日の光を浴びて煌くこの果実は
村に昔から建っている一軒の廃屋、その隣に生えた大きな樹木から採れた林檎です。
それは他の林檎の樹とは違う、特別な樹で
春でも、夏でも、秋でも、冬でも
一年中美味しい実をつける、なんとも不思議な青林檎の樹なのでした。
とはいえ、どんなに美味しそうな実が一年中実っているとしても
そんな不可思議な現象を起こす樹はきっと、魔力の宿る樹に違いないと皆気味悪がって
村の住民ですすんでその果実を口にしようとする者など、誰一人としていませんがね。
そして、魔物は、何故だか村に生えたこの樹から採れる青林檎しか口にせず
この果実を捧げ続けさえすれば、決して人を喰らうことは無い。
イレーネの村では昔からそう言い伝えられていて
森に住む魔物に、こうして林檎を捧げ続けてきたのです。
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うおおお好きな絵で作品ktkr!!
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穏やかな日の差し込む花咲く丘にやってくると、林檎の入ったバスケットを脇に置いて
少女と魔物は隣同士座り込み、いつものようにぽつりぽつりと言葉を交わしました。
l从・∀・ノ!リ人「あんちゃん、どうしていつもお顔を隠すのじゃ?」
( ∩ゝ∩)「イレーネに嫌われたくないんだもの」
l从・∀・ノ!リ人「イレーネはあんちゃんのこと嫌ったりしないのじゃ」
( ∩ゝ∩)「俺の顔を見たらきっと嫌いになってしまうよ」
l从・∀・ノ!リ人「お顔見せてくれないともう林檎持ってきてあげないのじゃ」
( ∩ゝ∩)「………」
l从・∀・ノ!リ人「嘘なのじゃ。でも、見せてくれないとイレーネ悲しいのじゃ」
( ∩ゝ∩)「………ごめんな」
それきり、魔物は黙り込んでしまいました。
l从・∀・ノ!リ人「……あんちゃん、泣いちゃだめなのじゃ」
( ∩ゝ∩)「泣いてなんかいないよ」
常に両手で顔を覆い隠し、項垂れるその姿は
まるで声も無く泣いている子供のように見えて、イレーネはいつも悲しくなるのでした。
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( ∩ゝ∩)「気をつけて帰るんだよ、イレーネ」
村へと帰るイレーネの背を見届けると、魔物は森の常闇へ姿を隠しました。
木と木の間をくぐり、茂みの中を進み、太陽の方角を見ながら
確かな足取りでイレーネは村の入り口を目指します。
これもあの魔物の力なのか、奥深く入り組んだこの森で
どんなに暗くなったとしても、イレーネは決して道を見失うことも、迷うこともありません。
イレーネは村への帰り道を辿りながら
この広い森でひとりぼっちの、あの魔物のことを想います。
その身はどんなに人ならざる異形の姿をしているとはいえ
イレーネにはあの心優しい魔物が、村人達が畏怖するような
人を食らう恐ろしい怪物には、どうしても見えないのでした。
けれども確かに遠い昔、あの魔物が
村に住んでいた一人の男を食らったという事実が書物に書き記されていて
大人達は皆、昔から語り継がれるその話を疑う余地無く信じています。
それが本当なのかどうか、小さなイレーネには分かりませんでした。
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l从・∀・ノ!リ人「ただいま戻りました、村長」
森から村へと帰ってきたイレーネは、いつもどおり村長の家を訪ねます。
今日のお勤めを終えたことを、きちんと報告する為です。
l从・∀・ノ!リ人「森に林檎をお届けしてきましたのじゃ」
( ゚д゚ )「ご苦労」
村長は普段通り、立派な机の向こうから
イレーネの顔を見ることもせず短い労いの言葉をかけました。
そうして、報告を終えたイレーネが帰ろうとすると
いつもその一言以外滅多に口にしない寡黙な村長が、珍しくイレーネを呼び止めました。
( ゚д゚ )「イレーネ、お前はもう森へ行かなくても良いぞ」
l从・∀・ノ!リ人「?」
イレーネは村長の言葉の意図が分からず、立ち止まって首を傾げました。
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l从・∀・ノ!リ人「どうしてなのじゃ?」
( ゚д゚ )「もう行く必要が無いからだ」
( ゚д゚ )「今日お前が持っていった林檎には、昨夜のうちに毒を仕込んでおいたのさ」
l从・∀・ノ!リ人「……え」
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オラwktkしてきたぞ
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( ゚д゚ )「恐ろしい人食いの化け物にいつまでも森に住み着かれたままでは
村人達はこれから先ずっと、安心して暮らすことが出来ない。
だから、村の皆で話し合って決めたのだ」
l从・∀・;ノ!リ人「……!!」
( ゚д゚ )「狩猟用の致死性の毒を、より強力にしたものだ。
いくら魔物とはいえ、あの毒を食らえば死は免れまい」
l从・∀・;ノ!リ人「……っ!あんちゃん!!」
( ゚д゚;)「イレーネ!?何処へ行く!!」
イレーネは村長の家を飛び出し
あの林檎の樹から、林檎を一つだけもぎ取ってバスケットに入れると
森へと続く暗い道を、脇目も振らずに走っていきました。
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l从・∀・;ノ!リ人「あんちゃん!」
もう日も沈みかけた時分、森のずっと奥深く。
地面に倒れこむ魔物の姿を、イレーネは見つけました。
l从・∀・;ノ!リ人「―――!!」
視界も悪く険しい獣道を走り続け、何度も転び、擦り傷だらけになったイレーネは
魔物の姿を見つけると、すぐにその傍に駆け寄ります。
l从・∀・;ノ!リ人「あんちゃん!しっかり……!」
(::::::_ゝ:::)
l从・∀・;ノ!リ人「……!!」
血を吐いて横たわる魔物の顔を見て、イレーネは息を呑みました。
初めて目にした魔物の顔。
いつも、声無く泣いているかのように、両手で覆い隠されていたその顔には
―――目が合わせて4つ、
口が2つも存在していたのです。
2つに裂けたその口からは、ぎらりと並ぶ鋭い牙が光り
血のように赤い舌が覗くそれは2つ連なって、まるで耳まで裂けているかのようでした。
l从・∀・;ノ!リ人「……」
そして―――
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(:::゚゚_ゝ_゚゚) ギョロリ
―――突如、伏せられていた4つの目が一斉に見開き
赤く濁ったその瞳が、イレーネを睨みつけました。
(:::゚゚_ゝ_゚゚)「「 ミミ タタ ナナ … … !!」」
同時に、2つの口から発せられる二重の声。
それは、イレーネが今まで聞いたことも無いような低く恐ろしい声でした。
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想像したら怖えええな
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l从・∀・ノ!リ人「……あんちゃん」
(:::゚゚_ゝ_゚゚)「「……イ゙イ゙」」
(::::::_ゝ:::)「……イ゙ ……イレーネ」
魔物は咄嗟に顔を伏せ、弱々しく体を起こしながら
その4つの目で、寄り添うイレーネの顔をそっと伺い見ました。
少女の名を呼ぶその声は
暖かみがあり、そして、常に深い深い悲しみを含んで震えている
イレーネがよく知る、いつもの優しい魔物の声でした。
l从・∀・ノ!リ人「……」
(::::::_ゝ:::)「俺が嫌いになっただろう」
l从・∀・ノ!リ人「ううん」
魔物は、寂しそうにもう一度イレーネを見やると、ゆっくり背を向けて
弱々しい足取りで、森の奥へと歩み去ります。
(::::::_ゝ:::)「……もうお行き。俺は大丈夫だから」
l从・∀・ノ!リ人「嫌なのじゃ」
それでも少女は、毒で弱った魔物に寄り添って
森の奥へと続く道を、どこまでもついていきました。
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(::::::_ゝ:::)「―――この、目は。口は」
いつものように魔物とイレーネは、花咲く丘に隣同士腰を降ろして、
いつものように両手で顔を隠すことをやめた魔物は、自らを指さして
隣にちょこんと座るイレーネに向け、ぽつりと呟きました。
(::::::_ゝ:::)「俺の、双子の、弟のものだ」
l从・∀・ノ!リ人「?」
(::::::_ゝ:::)「俺は、ずっと昔………弟を食べたんだよ」
魔物の瞳に宿る悲しみの色が、一層濃くなった気がしました。
l从・∀・ノ!リ人「……どうして弟を食べちゃったのじゃ?」
(::::::_ゝ:::)「―――ずっと一緒にいたかったんだもの」
魔物は言いました。
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(::::::_ゝ:::)「オトジャは普通の人間だったから。
俺とは生きる長さが全然違う。それに、ずっと弱いんだ。
病気を患って、あっという間に死んでしまった」
(::::::_ゝ:::)「家族は、オトジャだけだった。他の人間は、俺を恐れ、嫌っていた」
(::::::_ゝ:::)「オトジャが死んだら俺はずっと、ずぅっと、ひとりぼっちになってしまう」
(::::::_ゝ:::)「そう思うと、どうしようもなく怖かった……怖くなって……
死んだ、オトジャの体を、食べたんだ」
l从・∀・ノ!リ人「食べたら一緒にいれるのじゃ?」
(::::::_ゝ:::)「そうだよ。
………ほら、な?
こうしていつまでも、一緒にいれるだろ」
そう言って魔物は、4つ目の瞳を指して悲しい笑みを浮かべました。
l从・∀・ノ!リ人「あんちゃん嬉しい?」
(::::::_ゝ:::)「ああ。嬉しいよ」
そう肯いた魔物の横顔は、それでもやはり、どこか寂しそうなのでした。
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(::::::_ゝ:::)「でも、人を食べるのは悪い事だ」
(::::::_ゝ:::)「だから。俺はそれから、オトジャを埋めたあの場所に生えた
あの木から生る林檎の実以外は、決して口にしないことにした」
l从・∀・ノ!リ人「……」
(::::::_ゝ:::)「俺はみんなが言うとおり、人食いの化物だ。
………イレーネ」
l从・∀・ノ!リ人「なーに?」
(::::::_ゝ:::)「もうこの森に入ってはいけないよ。
俺は毒で死んだと村長に告げて、お役目を免除してもらうんだ」
l从・∀・ノ!リ人「どうして?」
(::::::_ゝ:::)「このままだと、イレーネまで食べたくなってしまうもの。
……ずっと一緒に、いたくなってしまうもの」
l从・∀・ノ!リ人「でも林檎が無いとあんちゃん、食べるものが無くなって死んでしまうのじゃ」
(::::::_ゝ:::)「それでいいんだ」
魔物は、イレーネの持ってきてくれた1つの林檎を半分に割って
その半分をイレーネに手渡しました。
(::::::_ゝ:::)「気をつけて帰るんだよ、イレーネ。………お別れだ」
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手の中にある半分の林檎を、しばらくじっと見つめた後
イレーネは小さく首を振りました。
l从・∀・ノ!リ人「あんちゃんに会えなくなるのは嫌なのじゃ。
イレーネ、森で暮らすのじゃ」
その言葉を聞いた魔物の4つの目が、驚きに見開かれます。
二つに裂けた口は何かを言おうとして、一度、二度と、開いて閉じてを繰り返しましたが
それでもその口から、なにか意味のある言葉が紡がれることはなく、再び静かに閉ざされました。
l从・∀・ノ!リ人「どうせ村へ帰っても、イレーネはひとりぼっちなのじゃ」
魔物に林檎を届けるのは、身寄りが無い孤児のイレーネのお役目でした。
たとえ魔物に食われてしまっても、誰も悲しむ者がいないからです。
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l从・∀・ノ!リ人「そうだ!この種をここに植えるのじゃ」
そう言ってイレーネは、手渡された林檎から一粒の種を取り出し、地面を掘り始めました。
(::::::_ゝ:::)「でも、イレーネ……、この森では、外からきた種は育たないんだ」
l从・∀・ノ!リ人「大丈夫。きっと育つのじゃ」
l从・∀・ノ!リ人「弟さんは、1人残されたあんちゃんの為に
ぴかぴかの林檎を、春も、夏も、秋も、冬も。ずっと実らせてくれてたのじゃ。
だからきっと、林檎の樹だって生える筈なのじゃ!」
(::::::_ゝ:::)「………でも俺は、オトジャを食べてしまった。オトジャはきっと、俺を恨んでいると思う」
l从・∀・ノ!リ人「ううん。イレーネはそうは思わないのじゃ」
(::::::_ゝ:::)「どうして?」
l从・∀・ノ!リ人「だって」
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イレーネは半分の林檎を一口齧り、ふわりと微笑みました。
l从・∀・ノ!リ人「弟さんがあんちゃんを恨んでいるのなら、嫌いだったなら
この林檎がこんなに美味しい筈は無いのじゃ」
イレーネのその言葉を聞いて、魔物は艶々の青林檎をじっと見つめました。
若葉のような眩い緑に輝くその果実の色は、双子としてこの世に生まれながら
真っ当な人間として生を受けた弟の、懐かしい髪と瞳の色でした。
そして、果肉の甘酸っぱくも優しい味は、遠い遠い昔に
魔物である自分を、家族として愛してくれた、弟のくれた幸せと暖かさそのものでした。
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――――――ごめんな、アニジャ
――――――……なんで、謝るんだ?オトジャ
l从・∀・ノ!リ人「ずっと一緒なのじゃ、あんちゃん」
――――――ずっと一緒に……いれなくて、ごめんなぁ……――――――
アニジャの瞳から零れた涙が、つぅ、と頬を伝って
イレーネが林檎の種を埋めた、地面の上に染み落ちました。
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夜が明けても、次の日になっても、季節が移り変わっても
二度と森から帰ってこなかった、親なし子の少女。
村人達は皆、口々にこう言いました。
「あの子は魔物に食われたのだ」と……。
村に生えていた不思議な林檎の樹は、何時の間にか枯れて実をつけなくなり。
村人達の記憶からは、魔物のことも、少女のことも、次第に忘れ去られていきました。
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少女と魔物がどうなったのか。
知るのは森の木々のみです。
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終わりです。初童話風楽しかった
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乙!涙でそうになった
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雰囲気好き
綺麗な話だなあ 乙
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うわああぁぁぁ超乙!
弟者のセリフの所でマジ泣きしたどうしてくれる
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乙おつ!!
すごい素敵だ…
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乙乙
童話風の語り口が好き
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乙!
この絵の話読みたいと思っていたけどすごく良い話だった!
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乙!いい話だった
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うおおおおお
乙!
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良いよぉ・・・
怪物と幼女の組み合わせ良いよおおおぉ!!
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うわあああ乙ありがとうです!こっちこそ涙出るわ!
ちなみに最初は+2つの耳もオトジャのものにしようとした(というか絵が4つ耳だったからこの話思いついた)けど
投下直前で㌧でもない矛盾に気づいてしまったんだぜ……あぶねー
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切ない…素敵でした
乙!
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おぉ・・・乙ぅぅ・・・
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いいもん見せてもらった!
乙!
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乙!
画面が変に滲んでんだけど壊れたのかな
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こんばんは
ブーン殿
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>>330
遅くなりましたが使ってくださってありがとうございましたあああ!!
http://vippic.mine.nu/up/img/vp99358.jpg
まさか…冬虫夏草がこんなことになるだなんて…!!
ご冥福をお祈りするんだぜ…
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大変遅くなってしまいましたが
>>56
乙乙です!
あんな暗い絵をこんなかわいい作品にしていただけて光栄です
>>149
乙〜
しっとり切ないハッピーエンドですね 乙です
>>232
乙ですー!
読んでいる此方も赤に染まってしまいそうですね!
>>282
イライジャウッドwww
シュー大好きなんで超嬉しいです!乙です!
僕の作品をこんな素敵な文章に
添えて頂き本当にありがとうございますー!
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>>364
元の絵がすごく好きだったので、わくわくしながら読んだ
切ないくていい話だった、乙でした!
http://imepic.jp/20121119/021190
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>>405
うめえ
元絵の印象も作品とも合ってて好き
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作品URL
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1353252395/
作品名
川 ゚ -゚)ききたいようです
投下終わりました
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>>405
( Д) ゚ ゚ ポーン
ぎゃああああ目玉飛び出た
美しい……!背景のボヤけ具合が最高ですイレーネかわいいですありがとうございます!
めちゃくちゃ嬉しいです!!
もう乙も絵も嬉しすぎて黙ってられないからぶっちゃけますけど実は自画自作でしたごめんなさいいいい
嬉しいです本当に嬉しいです皆さんありがとうございます!
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>>408
多才だな
絵も話も好きだよ
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絵NO46
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(ξ/⊿//)『あぁぁ!!!い゛い゛い゛のっっッ…もっと、、もっと!!!!!来てっ!!!』
狭いベッドの上に座った俺の上で腰を振り、踊るEカップはある女の胸を揉みしだきながら、リズミカルに腰を動かす。
グリグリと自分の腰をその雌に打ち付けると、ピチャピチャと水を弾くような音が部屋全体に広がる。
この部屋は、その音とイヤらしい匂い、それと喘ぎ声に支配される。
('-A-`;)「そ、そろそろイキそうだっ!!!」
(ξ/⊿//)『あぁぁぁ、…あ、あたしもっ!!!ア゛タシもぅ゛、…い゛……っっ……あぁ゛それ…ダメ゛ッぇん゛!!!!』
俺は自分の声と同時に、背面の形になる。これは俺がフィニッシュをかける時の体位だ。
ピチャピチャと言う音とパンパンと言う音が先程よりも強くなる。
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(゜A゜)「あぁぁぁぁああっ!!!」
(ξ/⊿//)『あ、ア゛ダシもっ!!!アダシもっ!!!!一緒にイクのぅ゛!!!』
そう言うと俺は軽くキスの形をし…口づけをした。
(; =3゜)「………あっ!!!!」
ピュッピュッピャッ!!!!
俺の息子から飛び出る白い命のスープ。
それはいつもより最高の放物線を描く白昼夢。
ああ…良かったよとでも相手に伝えたい。
しかしパソコンのモニターでは、未だ女は腰を踊り続けていた。
゛(ξ/⊿//)゛
('A`;)「…早くイケよ」
俺はボソッとそう呟きながら、慣れた手付きで、息子をティッシュで拭き取り、
賢者タイムに入った。
('A`)一夏の恋のようです。
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カチカチ('A`)ノ■
[俺の名前は欝堕 毒雄だょο゛]
[まぁーどこにでもいる平凡な高校生だよん♪]
[部活はサッカー部のキャプテンやってて、ダンスもやってるよ\(^o^)/]
[良かったらVIP市の人メッセ頂戴!!!]
[もう夏休みだし新しい友達が欲しぃんだぁぁ><]
[写メは貼っておくから、絡んでね♪]
カチカチ('A`)ノ■
…('A`)■
不確定多数の人が登録して、色々な人に見られるSNSのサービスで、俺はいつも嘘をつく。
ハァとため息を付き、携帯を閉じる。
('A`)■
俺の名前は欝堕 毒男(ウツダ ドクオ)17才
ホントは友達もいねぇし、運動も勉強も人並み以下で、強いて自慢出来る事と言えば、365日Every dayオナニーライフを楽しめる才能くらいかなっ!!!!
まーそんなダメ男な訳だ。
わかっちゃいるが辞められんね
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