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( ^ω^)は悪の教団に立ち向かうようです

138 ◆RwfHkdJwVg:2012/11/27(火) 22:34:19 ID:gjGtUwb60


炎が燃えていた。

相変わらず火の檻の中に閉じ込められた獣は吼え声をあげ、怒り狂っていた。

後ろを向いているので顔は見えない。

絶え間なく鳴り続ける歯軋りの音が、苦痛を恐怖を表していた。
暴れれば暴れるほど、もがけばもがくだけ苦しみが増すという事を彼は知らない。

ただ、本能に任せて叫び、嘆くのだ。

獄に繋がれた哀れな獣――。
憐憫の情を抱いても彼を救い出す術を僕は知らない。
もうやめてくれ、と叫んでも彼に声が届いた試しはない。

歯噛みの音が止まる。
かわりに硬質な鐘の音が鳴り響いた。
獣はうずくまると一心に何かを食らい出した。
口を無理やり大きく開こうとするので火膨れが裂け、血が流れ出す。
その奔流に任せて命が費えてくれたらどんなに心の落ち着くことだろう。


もう、見ていられない。

立ち去ろうとすると呼び掛けるように獣が吼えた。
彼が口で抱え上げ、見せつけるようにぶら下げているもの、それは僕がよく知る少年だった。
肉塊は喉笛が食いちぎられ、頭と胴体が皮一枚で頼りなげに揺れていた。

――モナー君だ。


獣と目が、あった。


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