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( ^ω^)悪い夢を見るようです

1名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 19:55:51 ID:L9C.YGoQ0

( ^ω^)「ふぅ……」

フリーター 今日も元気に 自家発電。うん、なかなかに良い句が出来た。
僕はフリーターの内藤 武運。フリーターが許されるのは二宮くんだけだと最近気付いたDQNネームの25歳。

( ^ω^)「……朝から何も食べてないお」

朝の5時に目が覚めてから、今この時、午後7時まで何も食べていなかった。
流石に空腹を我慢できなくなった僕は、カップラーメンを探すことにした。
今日はバイトは休み。休日はいつも自堕落な生活を送っている。

( ^ω^)「おっ……あったあった……」

カップラーメン、とんこつ味。規定の線まで湯を注ぎ、箸で重しをして待つ。

( ^ω^)「……はぁ」

毎日毎日インスタント食品ばかりの繰り返し。
しかし金は無く、ファミレスには行けず、料理の技術はからっきし。
親の仕送りとバイトだけでは、流石に贅沢は出来ない。
そもそもバイトを増やせば済む話なのだが、働く気になれなかった。

( ´ω`)チュルチュル

ちまちまと麺を啜り、じっくり噛む。少しでも満腹中枢を刺激するために。
こうも貧相な食べ方をしなければならないとなると、少し情けなくなった。

( ´ω`)「楽で……自給のいいバイトないかお……」チュルチュル

そんなもの殆ど無いことは分かっているものの、言葉は漏れる。
人間誰しも楽をしたいものだ。

( ´ω`)ズズズズーッ…

( ´ω`)「……外の空気でも吸いに行くかお……」

のそのそと玄関まで歩き、履き慣らしたボロボロの靴を履く。
ポケットに財布と携帯電話を突っ込み、外へ出た。

2名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 19:58:29 ID:L9C.YGoQ0

長い間夜の街なんか歩いていなかったからなのか、ネオンが眩しく感じられる。
その眩しさに目を細めながら、当てもなく歩く。
俯きながらぼーっと歩いていると、電柱に頭をぶつけた。

(;^ω^)「あいたたた……ーっ……」

頭を摩ってみるが、幸いなことに血は出ていないようだ。
ふと顔を上げてみると、電柱に貼り紙が貼ってあることに気が付いた。
それがただの貼り紙であったなら、僕は気にも止めずまた歩き出していただろう。
だが、その貼り紙はただの貼り紙ではなかった。

(;^ω^)「――――――え?」

内容はこうだった。
開発中の薬を服用する、いわゆる被験者を募集しているらしい。
これで報酬が安いものなら僕は行かなかった。だが、その報酬は90万円。


90万円もの、金。


(;^ω^)「90……万」

今の僕では、1年働いたところで貯められない金額。
僕は、その被験者になることに決めた。悩みも、躊躇いも、一切無い。

( ^ω^)「……3日後……日夫町の……あぁ、あのビルの3階かお」

( ^ω^)「これは……行くしかないお」

僕は家を出たときとは全く違い、気分が良くなっていた。
90万があれば、何が出来るだろうか。そんなことばかりが頭を駆け巡る。
陽気に鼻歌なんて歌いながら、僕は家路についた。

3名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:00:12 ID:L9C.YGoQ0

3日後、僕は隣町の双咲町に住んでいる高校時代からの友人ドクオと、日夫町に来ていた。
勿論、大金を手にするために、だ。
そのドクオもフリーターで、バイトと親の仕送りで暮らしている、僕と同じ類の人間だった。

('A`)「それにしてもそんな金どっから出てくるんだろうな?」

( ^ω^)「うーん……まぁそんなことはどうだっていいお」

('∀`)「だな、とりあえずカネだカネ」

2人で談笑していると、気付けばビルの前まで来ていた。
このビルは雑居ビルで、こじんまりとした喫茶店や、風俗などが混在している。
学生時代の頃、何度かこの中の喫茶店に行ったことがあるので、場所は覚えていたのだ。

('A`)「あれっ?ここ風俗なんてあったのか?」

( ^ω^)「確か僕たちが大学生くらいの時にはあったと思うお」

('A`)「……行ったことあるのか?」

(;^ω^)「ここどころか風俗なんて行ったことないお」

('∀`)「ははっ、そう言うだろうと思ったよ」

( ^ω^)「笑ってるけど、ドクオはあるのかお?」

('∀`)「あぁ、あるぜ?」

( ^ω^)「えぇっ!?嘘だお!!」

('∀`)「バイト先の先輩に連れて行って貰ったんだ、良かったぞー」

(#^ω^)「……なんか悔しいお」

('A`;)「おいおい……マジで怒るなって……」

(#^ω^)「まさかドクオに先を越されるなんて……」

('∀`)「まぁそんなこともあるさ」ポンッ

(;^ω^)「くぅ……慰めんなお……」

わいわい騒ぎながら、僕たちはビルの中へ入っていった。

4名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:02:40 ID:L9C.YGoQ0

('A`)「……ここ……だよな?」

(;^ω^)「おー……」

廊下を渡り、1番端にあったドアを開けた。そこにあったのは、何も無い真っ白な部屋だった。
床も、壁も、全て真っ白。窓は無く、部屋全体が真っ白。その白さは、どことなく不気味な雰囲気を醸し出していた。

('A`;)「騙されたんじゃねぇのか?そもそも貼り紙なんて誰でも作ろうと思えば作れるだろ」

(;^ω^)「……そうかもしれない……お」

この部屋から出ようとドアの方へ向かい、ドアノブへ手をかけた。
ドアを開けようと手を捻る。しかし何か違和感があった。

(;^ω^)ガチャッガチャガチャ

('A`;)「……おい、何してるんだよブーン。早く帰ろうぜ」

(;^ω^)「………ってる」

('A`;)「……今、なんて言った?」

(;^ω^)「ドアが……閉まってるんだお!」

('A`;)「なっ……何でだ!?」

(;^ω^)「分からないお……だけど多分……」

('A`;)「閉じ込められた……ってか?」

( ・∀・)「はーい、動かないでね」

(;^ω^)「!?」

背後からの声に振り返るとそこには紺色のスーツを着た若い男が立っていた。
しかし、その男の姿は一瞬にして見えなくなった。

5名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:05:22 ID:L9C.YGoQ0

(;^ω^)「っ……消えた?」

(つ・∀・)つ「はい、つっかまっえた」ガシィッ

(;^ω^)「おぉっ!?」

いつの間にか僕の背後に回りこんでいた男に、僕は拘束された。
たいして体つきは変わらないはずだが、全く動くことが出来ない。

(;^ω^)「ドクオは!?ドクオはどこだお?」

(つ・∀・)つ「どうだろう、よく分からないな」

(つ・∀・)つ「まぁ、そんなことはどうでもいいんだ」

(つ・∀・)つ「ちょっと、この錠剤を飲んでもらおうか」グイッ

(;^ω^)「むっ……おぉっ……!」

無理やり白い錠剤を口に突っ込まれる。
そのまま錠剤を飲み込まされてしまった。
喉まで手を突っ込まれたからか、一時的な吐き気に襲われた。

(;^ω^)「ぇぉお……っ…………な、何の薬だお!?」

(つ・∀・)つ「それは、言うことができないね」

(;^ω^)「なっ……ん……ぉ……ぉ……」

口にハンカチを当てられる。強いニオイが鼻についた。

(;^ω^)「ク……ロロホルム……?……あれは……嘘っぱちじゃあ……」

(; ω )

(; ω ))ガクッ

( ・∀−)「そんなものじゃあ、ないよ」

6名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:08:03 ID:L9C.YGoQ0

気付けば僕は、自宅の一室で横たわっていた。外を見てみるともう朝のようで、小鳥のさえずりが聞こえてきた。
しかし、寝る前まで何をしていたのか、記憶がはっきりしない。

(;^ω^)「――っ……気分が悪いお」

(;^ω^)「…………確か僕は…………」

僕は、昨晩のことを全て思い出した。
紺色のスーツを着た男に、僕は気絶させられたのだ。
どうして自宅に着いているのか。恐らく奴の仕業だろう。

(;^ω^)「……念のためにドクオに電話しとくかお……」

急いでポケットの中にある携帯を取り出し、ドクオに電話をかける。

(;^ω^)「…………あ、もしもしドクオ?大丈夫かお?」

「あぁ……それより……ちょっと辺りを見てみろ」

(;^ω^)「……? 分かったお……」

(;^ω^)「……これって……!!」

そこにあったのは厚みのある封筒だった。

(*^ω^)「……90万……90万みたいだお!!」

その束の厚みに、僕は感動を覚えた。
ここまで厚い札束を目の前で見たのも触ったのも初めての体験だったからだ。

(*^ω^)「やっほぉーい!!!いやぁっほーい!!」

「…………そろそろいいか?」

(;^ω^)「あ、ごめんお」

7名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:09:40 ID:L9C.YGoQ0

( ^ω^)「でも……別に体には何も異常はないみたいだし、いいんじゃないかお?」

そう言った途端、ドクオは深い溜息を吐き、また僕に話し始めた。

「……中身をよく見てみろよ」

( ^ω^)「中身………………おっ」

僕は札束の中に折りたたまれた白い紙が挟まっているのを見つけた。
その紙を開くと、何か文字が書いてあるようだった。

( つω^)「っと……コンタクトコンタクト……」スチャッ

(;^ω^)「………………は?」

(;^ω^)「……また……行くのかお?」

「あぁ、そうなるな………」


「来なければお前の命は無い、なんて書かれてたら嫌でも行くしかないだろ」


(;^ω^)「おー…………」

(;^ω^)「……ドクオ……すまんお」

「謝ったって過ぎたことはどうしようもねぇよ」

(;^ω^)「そうだけどお……」

「……どこで待ち合わせる?」

(;^ω^)「双咲公園でいいんじゃないかお?」

「そうだな、そうするか」

8名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:11:08 ID:L9C.YGoQ0

('A`)「よう、来たか」

( ^ω^)「じゃあ……行くかお」

ドクオは話し方からでは、何とも思っていないようだった。
だが、いつもに増して顔色は悪かった。何かしら思うところはあったのだろう。
あぁ、行こうぜ。そう言ってドクオは歩き出した。僕もそれを追うようにドクオの後ろを歩いた。

('A`)「…………」

( ^ω^)「…………」

('A`)「どう思うよ」

(;^ω^)「えっ」

('A`)「俺たちはあの薬を飲んだ。拘束されて無理やり突っ込まれた時は、正直死ぬかと思った」

( ^ω^)「薬の副作用か何かでかお?」

('A`)「そうだ、だけど俺達は死ななかった。金までちゃんと貰えた」

('A`)「何か、裏があるぜ」

( ^ω^)「…………」

確かにそうだ、何か引っかかる。
何のために薬を飲ませたのかがはっきりしない。

(;^ω^)(嫌な予感しかしない……)

(;^ω^)(……でももう1度行けば、何か分かるかもしれないお)

9名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:13:42 ID:L9C.YGoQ0

( ・∀・)「おっ、来たね」

昨日僕を気絶させた紺色のスーツの男が、部屋のど真ん中に立っていた。

('A`)「嫌でも来るしかないからな」

( ・∀・)「ははは、そうだよね」

( ・∀・)「立ち話もなんだ、ちょっと座ろうか」パチンッ

男が指をパチンと鳴らすと同時に、白かったはずの壁が一瞬にして黒く染まる。
更にいつの間にか僕たちの背後にはソファが置かれてあった。

( ・∀・)「遠慮なく、座ってくれよ」

そのソファに少し警戒しながら、僕はソファに腰かけた。
そんな僕を見て、ドクオも渋々腰を下ろした。

( ・∀・)「お菓子でも、食べるかい?」パチンッ

再び男が指を鳴らすと、僕たちと男との間に机が現れた。
その机の中心には籠が置かれていて、中には洋菓子が入っていた。

( ・∀・)「遠慮なんて、しなくていいんだよ?」

( ^ω^)「……いいですお」

少し気になっていたが、この男の喋り方は不自然だ。
毎回決まったところで言葉が切れる。どことなく変な喋り方をしていた。
そのせいなのか、まるで感情がないかのようにも思えた。

( ・∀・)「そうか、じゃあ無くてもいいね」パチンッ

机の上から洋菓子の入った籠が消える。途端に僕のお腹がグルグルと鳴った。
警戒していたからか遠慮してしまったが、食べなかったことを僕は少し後悔した。

( ・∀・)「ははは、遠慮なんてするなっていったのに」

( ^ω^)「いや……いいんですお」

(;^ω^)(それにしても……どうなってるんだお……指を鳴らしただけで……)

( ・∀・)「そろそろ、本題に入ろうか」

10名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:15:39 ID:L9C.YGoQ0

( ・∀・)「君たちに飲ませた、その薬」

( ・∀・)「実はそれには、凄い効果があってね………………」

(;^ω^)「………………」

数秒間の沈黙。自然と掌が汗でベタついている。
何を言われるか分からない、その恐怖心のせいだろう。

( ・∀・)「実は、好きな夢を見ることができる薬なんだ」

(;^ω^)「…………え?」

(#'A`)「おい……あんまりふざけてっと……」

拳を握り締めて男を睨みつけるドクオ。男の言動に腹が立っているのだろう。
その気持ちは分からないこともなかった。そんな薬が、普通に考えてあるはずがない。
ふざけているように見えて、怒りたくなるのも当然だ。

( ・∀・)「…………」

だが男は、にやけながらもいたって真剣な表情で僕たちを見ていた。

(;^ω^)《ドクオやめるお!!……何をされるか分かったもんじゃないお……》ボソボソ

(#'A`)「…………クソッ」

( ・∀・)「じゃあ、続けようか」

( ・∀・)「特に大事な話は、これからなんだ」

男は吊上がっている口角を更に吊り上げ、しきりにあははと笑う。
まるで純粋で無垢な、汚れ無き子供のように。

11名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:17:50 ID:L9C.YGoQ0

( ・∀・)「僕は……っは……ある研究に、参加していてね」

( ・∀・)「人は、夢に……あは……どこまで影響されるのか。っていうテーマなんだけど……っはは」

ここで一層男の笑い声が大きくなり、連続したものになった。
腹を抱えて、はははと笑う。その笑いは僕たちを侮辱しているようにも見えた。

( ・∀・)「君たちには、人を殺す夢を見てもらう」

(;^ω^)「…………?」

('A`)「一体何がしてぇんだよ……」

( ・∀・)「言ったじゃないか、研究だって」

('A`)「俺はごめんだぜ……こんなこと」

( ・∀・)「何を言ってるんだ、別にいいだろう」

( ・∀・)「全部、夢なんだからさ」

( ・∀・)「というか、君たちにもう拒否権は無いんだけどね」

(;^ω^)「……抵抗したら…………?」

( ・∀・)「もちろん、殺すよ」

(;'A`)「このクソがッ…………」

( ・∀・)「何とでも、言えばいい」

12名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:23:03 ID:L9C.YGoQ0

(;^ω^)「……一つ……聞いていいかお?」

( ・∀・)「僕に、答えられる範囲でなら」

(;^ω^)「……お前……何者なんだお?」

そう尋ねた途端、男は黙り込んだ。
腕を組み、僕たちの方をじぃっと見ている。何か、考え込んでいる様子だった。

( ・∀・)「………………そうだな」

( ・∀・)「君たちは、パラレルワールドって信じるかい?」

男は突然質問を投げかけてきた。これもまた、薬のことを話したときのような、真剣な表情だった。

(;'A`)「……何言ってんだ……お前」

( ・∀・)「まぁ、そうなるだろうね」

( ・∀・)「僕は、そこから来た人間だ」

(;'A`)「………………」

( ・∀・)「完全に、信じきってはくれないか」

(;^ω^)「……………」

それはそうだろう。パラレルワールドから来ました、なんてこと簡単に信じる訳がない。
だがしかし、先ほど見たあの光景が頭の中に浮かぶ。
指を鳴らすだけで男は、何も無いところから机を出現させたり、洋菓子を一瞬にして出したりした。
これらはとても今この世界の技術では真似が出来ない芸当だろう。
簡単に信じることはできないが、信じざるを得ない部分もあった。

( ・∀・)「でも、まぁそうか」

( ・∀・)「まぁ、他人の話を、簡単に信じちゃう人間の方が、頭湧いてるよね」

( ・∀・)「ある意味君たちの反応は、正解だよ」

13名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:29:25 ID:L9C.YGoQ0

(;^ω^)「……でも、それが本当だとしても……どうしてこの世界なんだお」

( ・∀・)「どういう、意味かな?」

(;^ω^)「わざわざこの世界に来てやる意味だお」

そういう実験をするのなら、わざわざ別の世界からやってきて、ここでやる必要などないはずだった。

( ・∀・)「あぁ、そういうことね」

( ・∀・)「あっちの人間は、そういうのにうるさいんだ」

きちんとした答えは、返って来なかった。
しかし僕はもう一度聞いてみることにした。

(;^ω^)「どういう意味だお?」

( ・∀・)「なんて、言えばいいかな……そう、こっちの人間は、もう科学なんてものにはあんまり頼ってないんだ」

( ・∀・)「いつの間にか、人類は自然と共に生きていくようになったんだ。原点回帰、ってやつかな」

( ・∀・)「だからなのかな、人々はみんな科学を忌み嫌うようになったんだ」

(;^ω^)「おー……」

( ・∀・)「こっちの世界で、薬で実験なんてしようもんなら、容赦なく殺される」

( ・∀・)「……実際、何人か殺されちゃったみたいだけどね」

( ・∀・)「だから、わざわざこっちへやって来たんだ」

(;^ω^)「なるほどお」

14名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:33:44 ID:L9C.YGoQ0

( ・∀・)「薬の効果は、今夜にも出るはずだ」

('A`)「最後に訊きたいことがある」

('A`)「俺たちに、大きな影響は出ないのか?」

( ・∀・)「……それは、保証しかねる」

( ・∀・)「ただ、報酬は弾むよ。一錠につき、毎回90万をあげよう」

( ・∀・)「……協力、してくれるかい」

('A`;)「………………」

('A`)「………………分かった」

少し考え込んでから、ドクオはそう言った。
ドクオも、僕と同じような気持ちだろうと思う。誰だって、金は欲しい。金に困っているなら尚更だ。
確かにこの実験は怪しい、怪しいのだが。90万という金額が断るという意思を削ぐ。
僕もしばらく考え込んでから、ドクオに続いて返事をした。勿論、返事はYESだ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
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――――――――――――――
―――――
――――
――



( ・∀・)ノシ「じゃあ、またね」

男は、自分の視界から僕たちが見えなくなるであろうその時までずっと手を振り続けていた。

( ^ω^)「……なーんか……変な心境だお」

('A`)「俺もだよ…………好きな夢を見る薬とか……パラレルワールドとか……ワケ分かんねぇ……」

( ^ω^)「んー…………」

あの男が言っていたことが真実なのかどうか。正直信じるしかない、あんなものを見せられては信じざるを得ない。
だが、僕はそんなことはどうでもいいのかもしれない。

ただ、金が手に入ればいい、そう思っているのか。僕自身、自分の心情がよく分からなかった。

15名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:35:24 ID:L9C.YGoQ0

( ^ω^)「…………」

僕は布団に潜り込んではいたものの、寝付けずにいた。
正直、怖かった。夢であろうと、自分が人を殺す所は、あまり見たくない。
僕は度胸がある方ではない。人を殺す夢を見ても、殺される夢を見ても飛び起きる。
にも関わらず、そんな夢を人為的に見させられるのだと思うと、少し気分が悪い。
でも、仕方が無い。これは、僕が選んだ道なんだ。

(((;^ω^)))「…………ん?」


(((((;^ω^)))))ガタガタガタガタガタガタ


((;^ω゚))「おっ…………!?」

突然やって来た寒気と、それに伴う体の振動。
続いて体の節々が痛みだし、体が軋む。更に腹痛と頭痛までもが僕を襲う。

((;゚ω゚))「う゛ぅぅ あ゛ぁ゛あぁ゛あ゛ぃい゛いぃい゛づっ」

痛みは体を覆い、纏わりつくようになっていく。
全身に刺すような痛みと、鈍器で叩かれたような鈍い痛みが続く。

(;゚ω゚)

(;−ω−)

あまりの痛みに意識が遠のいていくのが分かる。
意識が遠のくのとシンクロするように痛みが徐々に引いているようだった。

(;−ω−)「お…………っ……お゛ぉ………」

(;−ω−)「……………………………………」

(;−ω−)

( −ω−)

16名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:39:11 ID:L9C.YGoQ0
第1話 終わり

17名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 20:55:14 ID:YLakdTaYO
シリアルめいてきそうね、続き気になる
乙!

18名も無きAAのようです:2012/07/02(月) 00:06:55 ID:Wt4cIzUQ0


19名も無きAAのようです:2012/07/02(月) 00:43:33 ID:TOTWsouk0
>>17
それを言うならシリアスじゃないか?

20名も無きAAのようです:2012/07/02(月) 08:37:45 ID:bikkR8y.O
>>19
あっ、シリアスだった……

と、とにかく続き期待と言いたかった!


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