□□―遭難ファルコンのようです―□□ - 1334749881

1：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:51:21 ID:8zO38rPM0: この話は前後編に分けて投下します。
以前、創作板で逃亡した作品の復刻版です。
2：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:54:14 ID:8zO38rPM0: ５

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どこにいっても

４

　　　　　　　　　　　　　　　どこにいっても

３

　　　　　　　　　　僕達は

２

　　　僕らの家に

１

０

必ず帰る。
3：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:55:47 ID:8zO38rPM0: 　　　　　　　【シーン：ダイニング】

.
4：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:56:38 ID:8zO38rPM0: （-@∀@）「あ、」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「分かった？」

（-@∀@）「動いた動いた」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ね、でしょ」

（-@∀@）「意外とハッキリわかるね」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「中から蹴ってるんだと思う」

（-@∀@）「すごい」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「すごいでしょ」

（-@∀@）「もうすぐかー」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「まだだよ、もうちょっとかかるって」
5：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:58:31 ID:8zO38rPM0: （-@∀@）「いやでもさ、このお腹の肉一枚よ、この壁の向こうに赤ちゃんがいると思うと、なんかね」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「言葉が汚い。何、肉とか壁とか」

（-@∀@）「……早く会いたいな」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ねー」

（-@∀@）「……」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「……」

（；-@∀@）「……」
6：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 20:59:43 ID:8zO38rPM0: （；-@∀@）「……あ、ζ(ﾟーﾟ*ζ「あ、そう言えばさ」

（；-@∀@）「あ、うん？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「え、何？」

（；-@∀@）「いや、何でも無いよ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「何か言おうとしなかった？」

（；-@∀@）「いや、大丈夫だよ。何？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「先に言っていいよ」

（；-@∀@）「いいよ、デレからで」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ううん、どうでもいい事だし」

（；-@∀@）「いいよいいよ、俺のは絶対にそっちよりもどうでもいい事だし」
7：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:01:27 ID:8zO38rPM0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「あのね、お義母さんからサツマイモ貰っちゃって」

（-@∀@）「サツマイモ？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「うん、今下駄箱の上に積んであるよ。でね、せっかくだし今日は天ぷらにしようかって」

（-@∀@）「ああ、いいね、天ぷら」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「買い物して来てから作るから７時くらいね」

（-@∀@）「うん、わかった」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「おしまい」

（-@∀@）「うん？　何が？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「話。はいアサちゃんの番」

（；-@∀@）「あ、ああ、はいはい」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「さっき言いかけてた奴」
8：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:02:19 ID:8zO38rPM0: （；-@∀@）「ああ、うん」

（；-@∀@）「……」

ζ(ﾟ、ﾟ*ζ「？　どうしたの？」

（；-@∀@）「……あ、」

（-@∀@）「……ごめん、忘れちゃった」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「ばか」

（；-@∀@）「お、思い出したら言うね」
ζ(ﾟーﾟ*ζ「いいよ。どうせどうでもいい事でしょ」

（；-@∀@）「あ、いや」

ζ(ﾟ、ﾟ*ζ「え、違うの？」

（；-@∀@）「違わないよ」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「何、アサちゃん面白いね」

（；-@∀@）「そう、かな」
9：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:03:09 ID:8zO38rPM0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「よいしょっ、洗濯物取り込んでくる」

（-@∀@）「あ、いいよ、俺やる」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「えーどうしたの？　いつもやらないくせに」
　　
（-@∀@）「あ、うん。たまには」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「もしかして、あれ？　赤ちゃん」

（-@∀@）「？　何が？」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「赤ちゃん生まれるーってなって、ちょっと責任感湧いたんじゃない？」

（-@∀@）「あ、うん、そうかも」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「うーん、じゃあ……お願いね」

（-@∀@）「うん」
10：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:06:23 ID:8zO38rPM0: ζ(ﾟーﾟ*ζ「だったら、ちょっとお昼寝してこようかなー」

（-@∀@）「うん」
　　
（-@∀@）「……」

（-@∀@）「で、デレ」

（；-@∀@）「……」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「……んー？　何？」

（；-@∀@）「あのさ、俺……」

ζ(ﾟーﾟ*ζ「んん？」

（；-@∀@）「俺……」

　　　―――――仕事、決まった
11：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:07:29 ID:8zO38rPM0: 　　　　　□□―遭難ファルコンのようです―□□

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12：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:08:27 ID:8zO38rPM0: 　　　　　　　【シーン：船上】

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13：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:09:15 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「はぁ……、はぁ……」

「いた」

（；＾ω＾）「！！」

爪'ー`)「……」

（；＾ω＾）「……」

爪'ー`)「渡せ」

（；＾ω＾）「嫌ですお」

爪'ー`)「いいから渡せ」

（；＾ω＾）「いいからってなんですか、嫌だお」

爪'ー`)「ふざけんな、渡せハチミツ」
14：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:09:55 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「嫌ですお。俺のなんですから」

爪'ー`)「お前、今の状況分かってる？　人としてどうよ」

（　＾ω＾）「だって嫌ですもん。ずるいじゃないですかお、俺の物なのに」

爪'ー`)「じゃあ、いいよ。借して」

（；＾ω＾）「なんでですか、貸したらもう戻ってこないでしょう！」

爪'ー`)「あのな、こうなった以上は全部共有すんだよ、お前の物も俺の物も全部」

（；＾ω＾）「わかりますお、わかりますけどねこれだけは勘弁して下さいよ」

爪'ー`)「知らねえよ、集団で考えろ集団で」

（　＾ω＾）「いや、これないと死んじゃうから」

爪'ー`)「死なねえよ。死ぬわけ無いだろハチミツがなくなった程度で」
15：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:10:38 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「いや僕、甘いもの定期的に食べないとストレスがたまる、っていうか体が痒くなっちゃうんですよね」

爪'ー`)「嘘つくなよ。甘いものとか逆に体悪いだろ」

（　＾ω＾）「いやいや、それが違うんですお、ほんと体おかしくなるって言うか、違和感？」

爪'ー`)「いい加減にしろよ。渡せ」

（　＾ω＾）「嫌ですお」

爪'ー`)「渡せ」

（　＾ω＾）「嫌です」

爪'ー`)「殴るぞ」

（　＾ω＾）「警察呼びますお」

爪'ー`)「何言ってんだお前、こんな海のど真ん中で」

（　＾ω＾）「なんかあるじゃないですかお、海上保安庁？　みたいな」

爪'ー`)「だからどうやって呼ぶんだよ。呼べたら遭難なんかしてないだろ馬鹿」

（；＾ω＾）「ここ、無法地帯じゃないかお！」
16：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:16:18 ID:8zO38rPM0: 爪'ー`)「知るかよ。もともとそういう意図だったんじゃないの？」

（；＾ω＾）「何、何がですかお」

爪'ー`)「マグロ」

（；＾ω＾）「……」

爪'ー`)「こうやって、警察とかそういう取り締まる連中がいないところで、ね、違法な労働をやらせようって、そういう魂胆だったんだろ？」

（；＾ω＾）「……最悪すぎる」

爪'ー`)「だから、俺たちは協力しないといけないの。ちょっとでも喧嘩とかしたら駄目なの」

（　＾ω＾）「喧嘩吹っ掛けてるのはそっちですお！」

爪'ー`)「はあ？」

（　＾ω＾）「だってこっちは嫌だってずっと言ってるお、なんで」

爪'ー`)「お前がハチミツ渡せばいい話だろうが。こっそこそ陰で舐めやがて」

（　＾ω＾）「だって見せたら取るお」

爪'ー`)「当たり前だわボケ。貴重な食料だろ」
17：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:18:46 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「じゃあ、こうするお。必要な時は言ってくれお。そしたら僕も差しだしますお」

爪'ー`)「はあ？　いやなんでお前に決定権があんだよ。今没収だよ」

（；＾ω＾）「いや、だってこれ俺のですから。決定権あってもいいお！」

爪'ー`)「ないだろ。もう、めんどくさいから早く渡せよ」

（；＾ω＾）「ええ……」

爪'ー`)「いいだろ別に。お前の口にも入るんだから」

（　＾ω＾）「だってそんなことしたら半分も食べられなるお」

爪'ー`)「知るかよ。そんなの陸に着くまでの我慢じゃねえかよ」

（；＾ω＾）「そんな……いつ着くかも分かんないのに」

爪'ー`)「ほら、渡せって」

（；＾ω＾）「……ええ」
18：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:19:28 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「じゃあ、半ぶ……２割！　２割渡しますから」

爪'ー`)「全部だよ。しかもお前今半分って言いかけたろ。何減らしてんだよ」

（；＾ω＾）「……ああもう」

（；＾ω＾）「こんなに人が嫌だって言ってるのに……ちょっと頭おかしいじゃないかお？」

爪'ー`)「あ？」

爪#'ー`)「なんか言ったか？　おい」　ｶﾞｼｯ

（；＾ω＾）「ち、ちょっと、ちょっと！　いたっ！」

爪'ー`)「協調性の無い奴は海に落とすぞ」

（；＾ω＾）「これ洒落にならないでしょ、海に落ちたら危ないですって」

（-@∀@）「あ……」
19：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:20:11 ID:8zO38rPM0: 爪'ー`)「あのな、いい加減にしろよ。俺達は遭難中なの。甘い事言ってらんない訳。
　　今は少しでも多く食事を蓄えるのが大事なの。お前一人くらい、いなくなった方が俺達は助かるんだよ」

（；＾ω＾）「ちょっと、冗談ですよね？」

爪'ー`)「冗談に聞こえる？」

（；-@∀@）「……」

（-@∀@）「ツンさーん！ツンさーん！」

（；＾ω＾）「いやいやいやいや、もっと落ち着いて話しましょうよ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何うるさ……」

ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと何やってんの？」

（；＾ω＾）「あ、ツン、た、助けて！」

爪'ー`)「……」ﾊﾟｯ
20：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:21:56 ID:8zO38rPM0: ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「何、どうしたの？」

（；＾ω＾）「こ、この人に殺されそうになったお！」

爪'ー`)「てめえがハチミツ渡さないからだろ」

（；＾ω＾）「だからってそんな乱暴にする事無いじゃないですか」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何、ハチミツって」

（　＾ω＾）「俺の、これ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ああ、船から盗んできた奴？」
21：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:23:17 ID:8zO38rPM0: 爪'ー`)「お前のじゃ無いじゃねえか」

（　＾ω＾）「今は俺のですお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「え、何、そんな下らない事？」

（　＾ω＾）「下らない事無いお。俺海に落とされそうだったんだお？」

ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「もうやめてよ、そんなみっともない」

（ #＾ω＾）「みっともないってなんだお！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「わざわざ揉めるなって言ってんの。アサピーさんが慌てて呼んでくるから何かと思っちゃった」

爪'ー`)「お二人はこれどうだと思うよ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何が？」

爪'ー`)「こいつ、ハチミツを隠し持ってて、毎晩毎晩こうやって食ってたんだよ」

（；＾ω＾）「ちょっと、言い方悪いでしょ、それ」

爪'ー`)「コイツのハチミツを俺らで共有するか、コイツ一人のもんにするのか」
22：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:25:50 ID:8zO38rPM0: ξﾟ⊿ﾟ)ξ「そんなの当たり前じゃない。皆で分けないと」

爪'ー`)「ほらな」

（；＾ω＾）「いやいや、ツン知ってるお？　俺が甘いの食べないと駄目なの」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「初めて聞いたけど、そんな設定」

（　＾ω＾）「言ったお！　ほら、新宿のホテルでさあ」

ξ#ﾟ⊿ﾟ)ξ「知らない！　ってかこんな時間にそんな話しないでよ、もう寝てたのにさあ」

爪'ー`)「アサピーさんは、どう思います？」

（；-@∀@）「え？　あ、……ぼ、僕は、ハチミツ食べれないんで、どっちでも」

（；＾ω＾）「ほら、アサピーさんはいいって言ってますお」

爪'ー`)「言ってねえよ。どう聞こえたらそうなるんだよ」

（；＾ω＾）「ああもう、こんなことになるなら来なきゃ良かったお……」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ここまで来て何言ってんの」
23：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:27:28 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「だって……あっちに乗ってれば、辛いけど少なくとも陸には帰れたお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「それが嫌だからこうして来てるんでしょ」

（ #＾ω＾）「違うお！　俺は無理矢理連れてこられたようなもんだお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何言ってんの。元はと言えばアンタのせいで準備不十分で逃げてきたんだから」

（　＾ω＾）「俺じゃねえお。フォックスさんだお」

爪'ー`)「なんで俺何だよ」

（　＾ω＾）「いやだってあなたでしょ？　確認もしないで船動かしたの」

爪'ー`)「はあ？、いや動かしたのは俺だけど、発進していいとか言い出したのは、この女だろ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「なんで私、私じゃないでしょ」

（　＾ω＾）「え、待ってアサピーさんはどうやって来たんだお？」

爪'ー`)「お前が連れて来たんだろ」

（；＾ω＾）「まさか！　え、あれ、アサピーさんはどうしましたっけ？」

（；-@∀@）「え、え、何がです？」
24：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:29:16 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「脱出する時、どうやってこの船に乗りましたお？」

（；-@∀@）「え、あ、僕」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何？　アサピーさんが言いだしたとか言ってんの？」

（ #＾ω＾）「違うお！　言ってないけど、ただ、どうやってこうなったのかって……」
爪'ー`)「だからこの女が逃げようとか言いだして……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「言ってないから！　私コイツに連れてこられただけ……」
（　＾ω＾）「なんでそうなるの、お前、全部忘れたんじゃないお……」
爪'ー`)「だいたいお前が船長に見つからなければこんなことには……」
（；-@∀@）「あの、ちょっと落ち着きましょ、ね」
（　＾ω＾）「いやだからね、ちょっと聞いてくれお、まずこの人が……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「アンタが私を誘ったから来たんでしょこの人は……」
爪'ー`)「俺は関係ないだろ、お前ら二人に付き合ったような……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「違うって。だから、だからね、聞けよ！」
（　＾ω＾）「あのね、俺はまず、食料庫にいたの。このハチミツが何よりの証拠……」
（；-@∀@）「あの、一人ずつ、一人ずつ話して……」
爪'ー`)「お前らの痴話喧嘩に俺の名前出すんじゃねえよおい……」
ξﾟ⊿ﾟ)ξ「違うから、だから私は企画しただけ。プロデューサー？　だからこの場合責任は実際に……」
（　＾ω＾）「違うよ、なんだおプロデューサーって。違う聞いて、だから……」
爪'ー`)「俺はあの日、マグロをな、マグロ、おいマグロ……」

（；-@∀@）「感情論になってますから、もっと理論的に話し合いましょう！」
25：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:30:00 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「わかった！　アレだお、こうしよう！」

（　＾ω＾）「一個一個順序を追って行きましょう。そうすればいいでしょ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「どっから？」

（　＾ω＾）「え、」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「どっからの順序？」

（；＾ω＾）「……どこでもいいお」

爪'ー`)「とりあえず、船長が来た時からじゃねえの？」

（；＾ω＾）「そ、それだ！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何それ、いつよ」

（　＾ω＾）「俺達がこのヨットでマグロ食ってたじゃんかお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ああ、はいはい」
26：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:32:37 ID:8zO38rPM0: 　　　　　　　【シーン：船上（回想）】

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27：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:33:21 ID:8zO38rPM0: (　ﾟ∋ﾟ)「オイ、オマエラ、ナニ、ヤッテル？」

「……………」

(　ﾟ∋ﾟ)「……」

( #ﾟ∋ﾟ)「オイ、ハヤクモドッテコイ！」

「………………………………」

(　ﾟ∋ﾟ)「……」

( #ﾟ∋ﾟ)「オイ！　ニポンジン！　オイ！」

「……………………………………」

( #ﾟ∋ﾟ)「ソッチノフネデ、ナニヤッテル！　イソゲ！」
28：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:35:24 ID:8zO38rPM0: ｶﾞﾁｬ

( #ﾟ∋ﾟ)「オイ！　ナニヤッテル？」

（；＾ω＾）「あ、はい、なんですかお？」

(　ﾟ∋ﾟ)「フネノナカデ　ナニヤッテタ？」

（；＾ω＾）「べ、別に……何も」

( #ﾟ∋ﾟ)「モウ、ゼンイン、アツマッテンダヨ」

（；＾ω＾）「すいません、ちょっと、その、あれです、網が……網が絡まってて、解いてました」

(　ﾟ∋ﾟ)「アミダ？　ドレ」

(　ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾　）
29：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:36:37 ID:8zO38rPM0: (　ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾　）

(　ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾；）

( #ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾；）

( #ﾟ∋ﾟ)「ナニ」

（；＾ω＾）「別に……」
30：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:38:19 ID:8zO38rPM0: (　ﾟ∋ﾟ)「ドキナサイ」

（；＾ω＾）「あ、いえ」

(　ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾；）

(　ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾；）

( #ﾟ∋ﾟ)（＾ω＾；）

( #ﾟ∋ﾟ)「ドイテクダイ！　ジャマ！」ｸﾞｲｯ

( #ﾟ∋ﾟ)「オコルヨ！」

（；＾ω＾）「いや、あのあれです……船長、すいませんでした！」ｶﾞｼｯ
31：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:39:13 ID:8zO38rPM0: ( #ﾟ∋ﾟ)「ズボンカラ、ハナサイ！」

（；＾ω＾）「いや、ほんとすいませんでした、許して下さい！」

(#ﾟ∋ﾟ)「ハナセナサイ！」

爪'ー`)「……」

(　ﾟ∋ﾟ)「……ナンダ、オマエ」

爪'ー`)「こいつが網、壊したから、直してて」

（；＾ω＾）「あ……はい！　すいません！」

( #ﾟ∋ﾟ)「コワスナサンナ！」

（；＾ω＾）「いや、ホントごめんなさい！　マグロが暴れちゃって、事故です事故」

( #ﾟ∋ﾟ)「シャベルナ」ﾊﾞｼｯ

（；＾ω＾）「いったあ！」
32：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:43:23 ID:8zO38rPM0: (　ﾟ∋ﾟ)「コノフネ、アミ、ソンナ、ナイノヨ。ヤブラナイデ、モラエマス？」

（；＾ω＾）「ごめんなさい！　ごめんなさい！」

爪'ー`)「この人たまに丁寧語になるんだよな、日本語」

（；＾ω＾）「そんな事どうでもいいお！」

(　ﾟ∋ﾟ)「シャベルナ！」ﾊﾞｼｯ！

（；＾ω＾）「痛っ！　木刀痛いっ！　ごめんなさい！」

( #ﾟ∋ﾟ)「アミ、ベンショウ、シテ、モラウシマスヨ」

（；＾ω＾）「ええ……」

(　ﾟ∋ﾟ)「ソノ、アミデ、トレタハズノ、マグロブン、ハラッテ、モラウラウ」

（；＾ω＾）「え、どういう事ですかお？」

(　ﾟ∋ﾟ)「トル、ヨテイ、ダタノ、マグロノ、ダイキン、ハラエ」

（；＾ω＾）「……いくら」

(　ﾟ∋ﾟ)「２オク」
33：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:44:44 ID:8zO38rPM0: （；ﾟωﾟ）「ほ、法外だお！」

爪'ー`)「いや、円じゃないかもしれねえよ。２億ジンバブエドルとか」

( #ﾟ∋ﾟ)「ダカラ！　シャベロイ！」ﾊﾞｼｯ！

（；＾ω＾）「いったあ、喋ってないのに……」

( #ﾟ∋ﾟ)「シズカニ、デキンノ！？　ボク！　オコチャヤーヨ！」

（；＾ω＾）「ちょっと待って下さいお！　高過ぎるでしょ！　いくらなんでもこんな」

( #ﾟ∋ﾟ)「シャベルナッ！」

（；＾ω＾）「ごめんなさい！」

( #ﾟ∋ﾟ)「トニカク！　ミナト、モドタラ、ハラッテ、モラウザンス！」

（；＾ω＾）「いや、ちょっと！　なんで！？」
34：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:46:49 ID:8zO38rPM0: ( #ﾟ∋ﾟ)「アミヲカタシテ、ハヨセイヤ！」

（；＾ω＾）「……」

（；＾ω＾）「……行ったお」

爪'ー`)「俺のおかげで助かっただろ」

（；＾ω＾）「いやいや、元はと言えばあなたのせいだお」

爪'ー`)「なんで俺なんだよ、俺がした事はバレてねーじゃん」

（；＾ω＾）「そのせいで僕が理不尽な請求喰らってるじゃないですかお」

爪'ー`)「お前が言いだしたんだろ、それは」

（；＾ω＾）「だって、本当のこと言えないでしょー」

爪'ー`)「まあ、お前も一緒になって喰ったもんな」
35：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:48:18 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「ヤバいですって。あんなにマグロ食べたのばれたらフォックスさん、殺されるどころじゃありませんお」

爪'ー`)「お前も共犯じゃねーかよ」

（；＾ω＾）「ってかこんなにマグロさばくこと無かったでしょ。一匹だけ食べればよかったのに」

爪'ー`)「俺、※かまトロ以外食べない派だから」※一番おいしいとこ

（；＾ω＾）「止めましょうよ、こんなところでちっちゃい贅沢するの。そんなこと言ってるから借金作るんだお」

爪'ー`)「お前さ、ビビり過ぎなんだよ、あの船長に」

（；＾ω＾）「逆になんでそこまで堂々とできるんですかお！？　あの人怒らしたら本気で死にますお」

爪'ー`)「そんなの適当にやりゃあいいじゃん適当に」

（；＾ω＾）「あなたはやってないからそんなこと言えるんですお。あー痛……」

⊿ﾟ)ξ「……」
36：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:49:08 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「冗談抜きでヤバいですお、僕嫌われてんのか分からないんですけど、やたらあの船長に怒られるんですお。
　　　　　　　昨日も僕のベッドの上の段の山村って奴とトランプしてたらバレて、ケツしばかれて、散々だったんですから」

爪'ー`)「へーあいつ部屋に来るんだ」

（；＾ω＾）「昨日突然来たんですお。今まで来なかったのに。なんでだお……」

爪'ー`)「ちゃんと想定しとかないからそうなるんだよ」

（；＾ω＾）「いや、ほんと今まで来なかったんですお。ってかなんか僕だけ集中攻撃されてるみたいで、なんかバレないはずの場所が
　　　　　　　バレるんですおー」

爪'ー`)「ああ、それは、あれだ、標的にされてるわ」

（；＾ω＾）　ええ、迷惑すぎる……誰かチクってんのかお……

爪'ー`)「というかお前はコソコソ隠れて何かすんのはやめた方がいいだろ」

（　＾ω＾）「なんでだお」

爪'ー`)「そもそも、お前があの愛人に手を出したからこうなってんだろ」
37：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:50:01 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「あれは違いますお。あれは」

爪'ー`)「ああ、いい、いい。うるせえな、そんなことよりマグロ切ろうぜ」

（；＾ω＾）「どうするんですかお？」

爪'ー`)「食べられるところは取っとかないとよ」

（；＾ω＾）「まだ食べる気ですかお」

⊿ﾟ)ξ「……ねえ、ねえ」

爪'ー`)「そのくらいしか楽しみないじゃん」

（；＾ω＾）「また怒られますよ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと、ねえってば」

爪'ー`)「何、いらないの？」

（；＾ω＾）「木刀でケツやられますから」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと、おい！」
38：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:50:43 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「あっ」

爪'ー`)「おう、愛人」

ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「やめてよそれ。愛人じゃないし」

爪'ー`)「他に何て呼べばいいんだよ」

（　＾ω＾）「何だおツン」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「いやちょっとね」

爪'ー`)「何、俺、邪魔的な？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「まあね」

爪'ー`)「あっそ。じゃあ俺マグロ切ってくるから」

（　＾ω＾）「俺、知りませんから」

爪'ー`)「お前もあんまりこっちの船に来るなよ、俺達が手を出したと思われるだろ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「わかってるわよ」
39：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:51:44 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「あっ」

爪'ー`)「おう、愛人」

ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「やめてよそれ。愛人じゃないし」

爪'ー`)「他に何て呼べばいいんだよ」

（　＾ω＾）「何だおツン」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「いやちょっとね」

爪'ー`)「何、俺、邪魔的な？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「まあね」

爪'ー`)「あっそ。じゃあ俺マグロ切ってくるから」

（　＾ω＾）「俺、知りませんから」

爪'ー`)「お前もあんまりこっちの船に来るなよ、俺達が手を出したと思われるだろ」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「わかってるわよ」
40：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:54:33 ID:8zO38rPM0: 爪'ー`)「俺も、まあ結構食ったら本船のほうに向かうわ、じゃ」ﾊﾞﾀﾝ

（　＾ω＾）「……」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何なのアイツ……」

（　＾ω＾）「それよりも何だお？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「あのさ、アンタさ、これからどうするの？」

（　＾ω＾）「何がだお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「ここで、死ぬまでずっと働くの？」

（　＾ω＾）「なんで」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「だって、アンタの借金、多分払い終わらないよ」

（　＾ω＾）「なんで、だって俺は５年間マグロ漁の約束だお。死ぬよりかましだお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「なわけ無いじゃん。馬鹿じゃないの」
41：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:55:44 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「……何なのお前、何が言いたいんだお？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「まだ分かんないの？　私達、確実に死ぬから。５年なんて建前に決まってるじゃん。
　　　　　　私達はここで事故に見せかけて殺されるよ」

（；＾ω＾）「な、なんで」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「あの人が金払えば許すなんて、そんな優しい事する人じゃないのは分かってるでしょ？　
　　　　　　生きて帰らせないよきっと」

（；＾ω＾）「いや、だったらなんで、何でそんな回りくどい事」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「今、あの人の事務所いろいろ忙しいんだって。だからここの船長にお願いしたみたい」

（；＾ω＾）「いやいや、だってお前も乗ってるお！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「だから私も殺されるんだってば」

（；＾ω＾）「あの人がお前殺すわけ無いお！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「違うって。私も一緒に消されちゃうの、まあ私の場合、少しくらいはもつと思うけど」
42：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 21:59:10 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「もつってなんだお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「船長の言う事聞いてれば、生かしてくれるってさ」

（　＾ω＾）「誰か言ってたのかお？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「さっき船長から聞いた」

（；＾ω＾）「じゃあ全部事実じゃん！」

（；＾ω＾）「ってかもっと早く教えろお！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「しょうがないじゃん、聞いたのついさっきだし」

（；＾ω＾）「うわー、どうすんだお！　俺、唯一の助かる道だと思ってマグロ漁に承諾したのに！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「だから、どうにかしないとさ」

（；＾ω＾）「どうすんだお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「だからさ、逃げよ」

（；＾ω＾）「えっ？」
43：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:01:11 ID:8zO38rPM0: ξﾟ⊿ﾟ)ξ「このちっちゃい船、ヨットを使って逃げるの」

（；＾ω＾）「馬鹿じゃねえかお？　そんなことしたら船長に殺されるお！」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「どの道殺されるから」

（；＾ω＾）「いや、まあそうなんだけど」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「だからさ、今、行こうよ」

（；＾ω＾）「……マジ？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「何、死にたいの？」

（；＾ω＾）「死にたくないけど……ええ、怖えー」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「はい、決定。私本船のほうで準備してくるから、こっちの準備よろしくね」
44：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:02:14 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「え、俺と二人だけかお？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「当たり前でしょ」

（；＾ω＾）「フォックスさんとかは？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「知らないよ。人増やしたらリスク高くなんじゃん」

（；＾ω＾）「……わかったお」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃあ、急いでね。１０分後」

（；＾ω＾）「早くね？　もっと夜とか」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「夜だと私が出れないから」

（　＾ω＾）「なんで？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「馬鹿」

（；＾ω＾）「ああ、ごめんお」
45：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:04:20 ID:8zO38rPM0: ξﾟ⊿ﾟ)ξ「とにかく急いでね。じゃあ私は本船に戻るから」

（；＾ω＾）「……」

ｶﾞﾁｬ

（；＾ω＾）「……」

（；＾ω＾）「ちょっとフォックスさん、まだ食べてるんですか……ちょっと！」

「んだようるせーな、バレるだろ……」

（-@∀@）「……」

（-@∀@）「……ブーン、さーん」

（-@∀@）「……」

（-@∀@）「いない……中か？」

ｶﾞﾁｬ

爪；'ー`)「おわっ」

（；-@∀@）「あっ」
46：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:05:19 ID:8zO38rPM0: 爪；'ー`)「……なんだよ、びっくりしたわー」

（；-@∀@）「あ、すいませ……」

爪'ー`)「何、何か用？」

（；-@∀@）「何でも無いです、あ、ブーンさん……います？」

爪'ー`)「ああ、死体片付けてる」

（；-@∀@）「えっ」

爪'ー`)「マグロな」

（；-@∀@）「あ、ああ」

爪'ー`)「ちょっとなんかピリピリしてるから行かない方がいいかもよ」

（；-@∀@）「あ、はあ」
47：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:06:03 ID:8zO38rPM0: （；＾ω＾）「ちょっと、フォックスさんも手伝って下さいお……」

（-@∀@）「あ、ブーンさん」

爪'ー`)「お前が片付けるって言ったんだからお前がやれよ」

（ #＾ω＾）「あなたがさばいたんだから、手伝ってくれたっていいお！」

爪'ー`)「やだよ。お前がやるって言いだしたんだろ」

（ #＾ω＾）「だってこれから……も！、この船使うのに、こんな魚類臭いの嫌ですお！」

爪'ー`)「俺が取っとくって言ってんのに捨てるしよ」

（　＾ω＾）「腐りますお。今何月だと思ってるんですか」

爪'ー`)「うるせーなーなんなんだよ」

（　＾ω＾）「じゃもういいですお、向こう行ってて下さいお。俺がやるんで」

爪'ー`)「何キレてんだよ。さっきまでいっしょにトロ食った仲だろ」

爪'ー`)「じゃあ俺はもう戻るぞ、本船に」
48：名も無きAAのようです：2012/04/18(水) 22:07:42 ID:8zO38rPM0: （　＾ω＾）「……」

（　＾ω＾）「……………………よし」

（-@∀@）「ブーンさん」

（；＾ω＾）「え、うわっ」

（；-@∀@）「あ、ごめんなさい、いきなり」

（；＾ω＾）「え、いつからいた？」

（；-@∀@）「あ、あのフォックスさんと話してる辺りから」

（；＾ω＾）「……」

（；-@∀@）「マグロ……食べちゃったんですか」

（；＾ω＾）「ごめんなさい。お願い言わないで、殺されるお！」

（；-@∀@）「え」