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从'ー'从ブーン系小説&イラスト練習総合案内所

1名も無きAAのようです:2012/04/07(土) 13:30:35 ID:.uNYrNx.O
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821お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:44:52 ID:fUqXUNps0


川 ゚ -゚)「はじめまして」


……おかしい


('A`)「はじめまして」

僕が彼女に初めて会った時の正直な感想だ。

子供のころの記憶なのに、この気持ちは色褪せない。

姿形はどう見ても人間だし、人間以外の何物でもないはずだ。
おいしいものを食べて笑うし、転んで怪我をすれば泣く。

なぜそう思ったのかは、今になって考えてもわからない。

僕のことを好きだと言ってくれた彼女。

822お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:45:34 ID:fUqXUNps0

なのに、僕は一度たりとも彼女に好きだとは伝えていない。
だからと言って拒否をしているわけでもなく、だらだらと、僕らの関係は続いていた。

川 ゚ー゚)「おはよっ」

僕らは今年で高校生になった。

('A`)「おはよう」

違和感を引きずりながら、僕は今を受け入れていた。



川 ゚ -゚)「さようなら」のようです




.

823お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:47:16 ID:fUqXUNps0

学校の友達にはよくからかわれた。
そりゃそうだ。
彼女は僕に毎日弁当を作ってきていたのだから。
年頃の男女の仲がよければ、みんな過剰に反応する。

僕は慣れっこだったので、軽くあしらう。

「お前らつきあってんの?」

('A`)「いや」

「彼女は好きだって言ってるけど?」

('A`)「答えてくれと言われたことは一度もない」

「ふーん……答えようとは思わないわけ?
 彼女可愛いし、損なんかないように思うけど」

('A`)「まぁ、そうかもしれんな」

824お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:48:26 ID:fUqXUNps0

「お前はこの話題だといっつもそんな感じだな」

('A`)「いまさら言うことでもないだろ」

「それもそうだな」


心の奥底におさまっていた違和感が顔を出したのは、高校生活が半年過ぎたころだ。

(*゚ー゚)「す……好きですっ!」

('A`)「え……?」

(*゚ー゚)「一目見たときから好きでした。付き合って……ください」

僕は背の低い先輩から告白された。
長い髪を後ろでポニーテールにしていて、顔立ちもそれなりに整っていた。

('A`)「ごめん」

825お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:49:57 ID:fUqXUNps0

断ったけど。

理由は特にない。
彼女もそれを尋ねてきはしなかった。

もし聞かれていたなら、答に窮していただろう。

理由なく、僕は彼女をふった。




そしてその翌日、彼女は死んだ。

交通事故だそうだ。
動揺は隠せなかったが、誰も僕と彼女のつながりを知らなかったらしい。
これには少し、安心した。

その日の幼馴染はずいぶん機嫌がよく見えた。
弁当の海苔はハート形になっていた。

川 ゚ー゚)〜♪

826お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:50:53 ID:fUqXUNps0



その事件から丁度一週間後、彼女に買い物へ行こうと誘われた。

その日は仲の良い友人達と映画を見に行く約束をしていた。
だから彼女には行けない、とだけ言った。

('A`)「何の映画を見るんだっけ?」

「流行りのホラーだ」

「全米大ヒットらしいね」

('A`)「ふーん」

「ふーんって……よく来る気なったな」

('A`)「誘われたら断らないよ」

「彼女からのラブコールは断ってるのに?」

('A`)「断ってはいない」

「やめとけ、やめとけ。めんどくせー」

('A`)「そうだな」

827お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:52:04 ID:fUqXUNps0

見終わった後、僕は家に帰った。
彼らは公園に行って遊ぶらしい。



次の日の朝、僕は寝坊をして授業に遅刻した。
教室に駆け込んでも誰もいない。
不思議に思って校内を歩きまわり、全校生徒が体育館にいるとわかった。

僕の友人達だけは、白黒の写真で出席していた。



('A`)「……そっか」

たった一言。
親しかった友人達の死に対して、僕はつぶやいた。
悲しいという気持ちは湧いてこなかった。

828お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:52:45 ID:fUqXUNps0

慰めてくれる、担任教師。
普段仲の良くないクラスメイトも、気を使ってくれているのがわかった。


その日の彼女は生徒の中で唯一、鼻歌を歌っていただろう。
弁当箱は、なぜか重箱だった。


川 ゚ー゚)〜♪


さらに翌日、学校に着くと彼女しかいなかった。
彼女以外の生徒は、誰一人としていなかった。

川 ゚ー゚)「おはよっ」

('A`)「ああ、おはよう」

川 ゚ー゚)「学校来たんだ」

('A`)「今日は平日だろ? 誰もいなけど」

川 ゚ー゚)「それもそうだね。私たちしかいないね」

('A`)「そうだな、俺らしかいない」

僕らは軽く会話を交わし、一緒に帰宅した。

829お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:54:22 ID:fUqXUNps0

帰ってテレビを見ていたら、僕らの町が映っていた。
集団失踪だそうだ。

こわいこわい。

よく考えれば、もう帰ってきているはずのうちの親もいない。
晩御飯はどうすればいいのだろう。


そんな心配をしていたら、彼女が僕の家にご飯を作りに来てくれた。
それをおなかいっぱい食べた後、二人で風呂に入り、同じ布団で寝た。


朝、テレビはもう映らなかった。


一日中、彼女と手をつないでいた。

ここが僕の居場所なのだ。
彼女の隣こそが。

僕の隣には彼女だけ。
それで十分。

僕らはたった二人だけでいい。
この世界は、ごちゃごちゃしすぎていたんだ。

830お題:幼馴染が邪神:2012/05/15(火) 21:55:24 ID:fUqXUNps0



……だから君もいらない。
僕らは、僕らだけの世界で生きる。
彼女がそれを叶えてくれる。




さようなら、君。



願わくば、安らかに眠れ。




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