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( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
501
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:03:15 ID:02FU1FzU0
(;,,゚Д゚)(左コーナーへ抜けられた…!)
(;,,゚Д゚)(こいつが8番のマッチョのすぐそばを走っていったとき、俺は8番からドクオにパスが出るものだとふんでいた)
(;,,゚Д゚)(しかしそうじゃなかった…!妙に簡単にとめることができた、とふと思った瞬間に15番のスクリーン…!)
(;,,゚Д゚)(おかげで、左サイドへきれていったドクオとの間にタイムラグが…!)
(;,,゚Д゚)(俺がワンテンポ遅れている今の状況で、あいつはボールを持った!つまりノーマーク…!)
(;,,゚Д゚)(点差は…3点。こいつだったら絶対にスリーを打ってくる…!)
('A`)「……っ」
(,,゚Д゚)(やはり!シュートを構えた…打たせるかっ…!)
502
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:04:14 ID:02FU1FzU0
('A`)「……っ」
(,,゚Д゚)(やはり!シュートを構えた…打たせるかっ…!)
(,,゚Д゚)「チェkk…」
('A`)「ほっ」
(;,,゚Д゚)(フェイク!?)
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「ちぃっ…!」
「抜いた!」
「いや、まだだ!」
――キュキュキュキュっ!
(#,,゚Д゚)「ゴルァァァ!」
('A`;)「んなっ!?」
('A`;)(完璧抜いてただろ今!?チェックに来ようとしていたから体勢も崩れていたはず…)
('A`;)(それなのになんでこのタイミングで追いついてくるんだよ!?)
503
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:06:03 ID:02FU1FzU0
(■_■)「…いい集中力だ…」
「VIP高の4番攻めきれない!」
「ミドルレンジで今北の4番が食い止めた――!!」
('A`)「……っくそ」
――ダダムッ
背中の後ろでボールを左右に切り返し、呼吸を整える。
('A`)(…行くか)
(,,゚Д゚)(…来る!)
――ダムッ!
(-_-)「ワンオンワンだ!」
(・▽・)「いけぇーーードクオさんっ!」
504
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:07:30 ID:02FU1FzU0
――キュキュっ!
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
初動を見切っていたギコは、ドクオのドライブをワンドリブルで受け止める。
('A`)「くっ…」
ギコの胴体の正面で受け止められるドクオ。互いの体が作用・反作用の法則でふらつく。
しかし、ギコはすぐさま姿勢を修正する。
ドクオも、決してドリブルを止めない。
('A`)(…難儀だねえ、まったく)
――ダムッ!
「また行った!」
('A`)(一発じゃお前を抜けないのはわかった。これまでにないくらい集中してる、ってこともな)
('A`)(だったらちまちまと何発でも仕掛けるだけさ!)
505
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:09:04 ID:02FU1FzU0
――ダムッ…キュキュッ、ダダムッ!
細かいドリブルから様々なドリブルチェンジやロール、チェンジオブペースを駆使するドクオ。
少しずつではあるが、ゴールに近づいていく。
/ ゚、。 /(なんて選手だあの4番…)
/ ゚、。 /(彼がいるのはもはや僕たちインサイドプレーヤーの仕事場といっても過言ではないエリア…)
/ ゚、。 /(事実、彼が攻め込んで来ようものなら僕やニダーさんは一歩でヘルプに飛んでいける距離だ)
/ ゚、。 /(だけど、彼にじらされているように錯覚してしまうのもまた事実だ)
/ ゚、。 /(『ヘルプに飛び込めそうで飛び込めない』。そんな絶妙な距離に何度も何度も、まるでエサを
撒くかのように…)
/ ゚、。 /(…まさか、それも狙っている…?)
/ ゚、。 /(何度も何度も僕らを焦らし…我慢できなくなって飛び込んできたところを狙っているのか?ギコさんの
ディフェンスからボールを守りながら?あんなに器用なドリブルを続けながら?)
/ ゚、。;/(VIP高校、いいチームだとは思っていた!だが完全にスイッチの入ったギコさんを相手にここまで…!
まさかこれほどだなんて…!)
506
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:11:38 ID:02FU1FzU0
('A`#)「どげんかせんとかああああああんっ!!」
――ダムッ!
「とうとう抜いた!?」
「だけど…!」
(#,,゚Д゚)「カバーーーーーーーーーっ!!」
――キュキュキュ!
/ ゚、。 /「おおおっ!」
「一瞬でカバーが…!」
「そりゃそうだ!あんだけの密集地帯じゃあすぐにカバーが来ちまう!」
――キュキュッ!
<#ヽ`∀´>「もう一枚ニダ!」
「囲まれた!!」
「三枚で潰しにかかった!」
507
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:13:15 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。;/(三人に挟まれてもドリブルが止まらない!?なんてスキルだ…!?)
('A`)「そこおおおおおおおおおおおっ!」
\やあっ!/
/ ゚、。 /'A`<ヽ`∀´>
<;ヽ`∀´>(バカな!?)
/ ゚、。;/(僕たちの間を強引に割って…!?)
(;・∀・)「三人がかりで、しかも挟み込んだことで一瞬気が緩んだか!?」
とは言っても、ニダーとダイオードの間に人一人通れるほどの大きなスペースなど空くわけがない。
まさにこじ開けるかのように、接触するのも厭わず、強引に体をねじ込ませたのだ。
508
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:15:28 ID:02FU1FzU0
('A`;)(めっちゃ痛え…!)
ドクオ自身、とうぜん並以上には体を鍛えこんではいるが、骨格的にみてもインサイドプレーヤーのそれと比べるとやはり劣る。
スピードに乗った状態で彼らの肉体と接触することは、当然ながら大きなダメージを意味する。
('A`;)(さあ…見せ場だ)
驚異のトリプルチーム突破。すなわち三人抜き。
('A`)(おかげでゴール下はがら空きだ)
ドクオの進行方向、つまり『前』は無人のゴール下。
しかしすぐ『後』には3人の今北選手。うち2人は大型プレーヤーだ。
('A`)(ストップしてジャンプシュート打ってるような時間はない!止まった瞬間にまた潰しにかかられる)
('A`)(パスを出そうにも3人に囲まれてたおかげで周りが一切見えなくなっちまってた!正直誰がどこにいるか
正確には把握できていない!)
('A`)(けど目の前には無人のゴール!俺がこのまま決めるのがベストだ)
('A`)(このままレイアップで…)
一瞬。
ほんの一瞬のうちに1秒後の状況を予測する。
509
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:17:30 ID:02FU1FzU0
無人のゴール下でレイアップを試みるドクオ。
一歩、二歩とステップを踏み、跳躍。
ジャンプの最高到達点でボールをリリース、ナイスシュート。
今まで何度も何度も繰り返してきた動作だ。イメージするのは容易い。
だが、そのイメージに突如として割り込んできたものがあった。
自分のすぐ後ろにいる大型プレイヤーたちだ。
ジャンプした滞空時間のコンマ数秒のタイムラグが―――
ドクオとニダー・ダイオードの身長差は約20cm。腕の長さも含めればさらに大きなミスマッチとなってしまう。
('A`)(そりゃブロックされるのは誰だって嫌だ。だけどいまさらそんな泣き言いえるか!)
('A`)(そもそもこの切迫した状況でそんな後ろ向きなプレーは絶対に許されない)
/ ゚、。 /(後ろからいくのはかなり危険だけど…この身長差だ、冷静に腕を伸ばせばいい。下手したら跳ぶ必要もないんだ)
('A`)(ええい…ままよ!)
510
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:19:22 ID:02FU1FzU0
――ひょい
/ ゚、。;/「!?もう!?」
(,,゚Д゚)(跳ばずに…!しかもステップのタイミングもずらして…!)
(■_■)(レイアップのステップを踏みながら…!?)
(´・ω・`)(傍から見たら歩きながらひょい、とボールを投げたようにしか見えないだろうな…巧い!)
/ ゚、。 /(無理にいかなくてよかった…あのタイミングで打たれていたら確実にファウルに…)
<;ヽ`∀´>「な、なんでもう打つニダ!?」
/ ゚、。;/(ニダーさん…!?しかも跳んじゃtt…)
(,,゚Д゚)「ニダー、ファウルするな!こらえろォォォォ!」
<;ヽ`∀´>「む…無理ニダーーーー!!!」
511
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:20:50 ID:02FU1FzU0
――ずしっ…
('A`;)「むおっ…(痛っ…重っ…)」
ダイオードは跳ぶことを躊躇うことができたが、ニダーはブロックを狙いにいってしまった。
通常のタイミングでのレイアップならばおそらくブロックは成功していただろう。
ドクオも狙ってタイミングを外したわけではない。ギャンブル要素も含まれたワンプレーであったが、それが良い方向へ転んだ。
――どさっ
――ピィッ!
もつれ合い、倒れこむドクオとニダー。すぐさま鳴り響くホイッスル。
そして、ふらっ、と放られたボールは、リングの手前の縁で二度ほど力なく跳ね、ゆっくりとネットへ吸い込まれていった。
審判「ファウル、白5番!バスケットカウント!ワンスロー!」
うおお、と、観客席からも思わず声が上がる。
それにつられてか、審判のジェスチャーも心なしか熱がこもっているように見えなくもない。
512
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:22:12 ID:02FU1FzU0
( ^ω^)「ナイショーッ、だお!ドクオ!」
<_プー゚)フ「ケガはないっすか?」
ブーンとエクストに称えられながら、それぞれに腕を引っ張られ起き上がるドクオ。
('A`)「大丈夫、サンキュな」
('A`)「14番をひっかけられたらラッキーだったんだけどな…」
( ^ω^)「確かに…。14番からファウルとれてたら4つ目にできてたとこだったおね」
<_プー゚)フ「だけど5番もこれで3つ目です!」
('A`)「まあ、な。っしゃ、きっちり決めてくるわ」
513
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:23:17 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。;/「……」
<;ヽ`∀´>「……」
思わずぴくりと反応するニダーとダイオード。
まさか今の会話は自分たちに聞こえるようにわざと?
接触の多いインサイドで、かつ、第4クォーターも残り半分を指そうとしている。
交代していた時間も、ほぼないといっていい。
その時間帯でファウルの数が3つであるというのは至極当然、むしろよい方である。
/ ゚、。 /(だけど…)
まさかここまで競った展開になるとは思ってもいなかった。
一気に突き放すことのできるような算段も、正直なところ、見当たらないような気がする。
つまり、この試合は最後の最後まで競った展開となる可能性が高い。
延長戦となることも視野に入れておくべきだろう。
と、なると、この時間でインサイドの二人が3ファウルというのは少々心許ない。
無論、VIP高校も同じようなことを考えてくるはず。
確実に、堅実に、そしてファウルを狙いつつ自分たちに有利となるよう試合を進めようとしてくるはずだ。
(■_■)(…ということは、だ。ここらでそろそろ…)
514
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:24:50 ID:02FU1FzU0
――ビーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!15番アウトで7番インです!」
(´・ω・`)「頼んだよ、モナーくん」
( ´∀`)「はい!」
(■_■)(ちっ…やはりか)
<_プー゚)フ「頼みます、モナーさん!」
( ´∀`)「任せておくモナ!」
――ごつっ
すれ違いざまに、互いの腰の辺りで軽く拳をぶつけ合う。
<_プー゚)フ「っしたっ!」
コートを出た直後、コートのほうに向き直り、礼。
そしてエクストはベンチへ戻る。
515
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:26:43 ID:02FU1FzU0
(´・ω・`)「よくがんばってくれた」
<_プー゚)フ「っす!あとは正規インサイド陣にお任せっす!」
/ ゚、。 /(やっぱり…インサイドを充実させてきた)
( ´∀`)「さ、外れてもリバウンドは絶対に取るから安心してくれモナ!」
_
( ゚∀゚)「ばっか、ドクオは外さねえよww…なっ?ド・ク・オ?」
('A`)「応援してんのかプレッシャーかけてきてんのかどっちなんだよww」
――ぱしゅっ
今北産大附今北 67 - 67 VIP高校
当然、といわんばかりに堂々とワンショットも決めるドクオ。
これで、何度目かわからないが、また同点。
516
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:27:39 ID:02FU1FzU0
('A`)「よーっし、ディフェンス!気合入れてくぞ!」
(=゚ω゚)ノ「絶対楽には打たせねえ!だから、リバウンド頼むヨウ!」
_
( ゚∀゚)「ああ、任せろ!」
( ´∀`)「そのために出てきたんだモナ!!」
( ^ω^)「ディフェンスいっぽぉーんっ(←セリフ思い浮かばなかったけど何も言わないのも無粋かなあ、という
考えゆえに)」
――ダムッ…
(,,゚Д゚)(一本一本がでかいこの状況でドクオに同点のスリーポイントプレーを許したのは完全にうちのミスだ…)
(,,゚Д゚)「クー、回すぞ!」
――びっ…ばしっ
川 ゚ -゚)「ああ、わかっていr」
(=゚ω゚)ノニヤリ
川 ゚ -゚)ピクッ
517
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:29:04 ID:02FU1FzU0
(=゚ω゚)ノ「…どうした?とっととパス回せヨウ」
川 ゚ -゚)「イヨウくん…まさかあの程度で私より上だとでも勘違いしていないか?」
(=゚ω゚)ノ「いーんや、全然、だヨウテヘペロ」
(,,゚Д゚)(??何をモタモタしている、クー!?)
川 ゚ -゚)「…随分と馬鹿にしてくれるじゃないか。挑発のつもりか?」
(=゚ω゚)ノ「だから違うってばヨウテヘペロ」
川 ゚ -゚)「…ならば、気の済むまで…」
――キュキュキュ!
_
( ゚∀゚)「おらああああああ!飛び出し気味に俺登場ーーー!モナー、中は任せたぞ!」
(;´∀`)「ちょwwそんな無茶苦茶なwwww」
518
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:30:08 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(8番が飛び出してきてダブルチーム?その程度で…)
(,,゚Д゚)「クーーーーーっ!!!」
川 ゚ -゚)「っ!?」
――キュキュキュ
('A`)「全日本イケメン代表の俺も登場ーーー!」
('A`)+
「今北の7番に…」
「3人がかり!?」
川 ゚ -゚)「このっ…!」
――ダダダムッ、キュキュッ!
「うおおおおっ!三人に囲まれてるのに強引にかわそうとするぞ!?」
「VIP高の4番がやったことをやり返そうってのか!?」
「パスを捌くつもりがないのか!?えらい熱くなってきたじゃねーか今北の7番!」
519
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:31:58 ID:02FU1FzU0
(,,゚Д゚)(何を熱くなっている!?そんなプレーお前らしく…)
_
( ゚∀゚)「うりゃっ」
――びしっ
川 ゚ -゚)「ふっ!」
――ダムダムダムッ、ダダムッ
_
( ゚∀゚)(くっ…ちょっとだけボール触れたのに一瞬で立て直されちまった…)
_
( ゚∀゚)(だがこうやってプレッシャーをかけ続ければ…!)
_
( ゚∀゚)「………あれっ」
_
( ゚∀゚)(ボールがない。なんで?)
(;^ω^)「みんな、リバウンドだおーーーー!」
_
( ゚∀゚)(シュート…いつの間に…!?タイミングがまったく掴めねえ…)
_
(;゚∀゚)「…って!」
_
(;゚∀゚)(やべえ!今はインサイドにモナー一人しか…!)
520
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:33:23 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。 /;´∀`<ヽ`∀´>がしっ
川 ゚ -゚)「…ちっ、落ちるぞ!」
<ヽ`∀´>「任せとくニダ!」
/ ゚、。 /「跳ばせませんよ…!」
(;´∀`)「うぐっ…」
(;´∀`)(この二人に同時に抑え込まれたら…身動きすらできないモナ…!)
_
(;゚∀゚)(くっ…俺が無責任に飛び出したばっかりに…!)
――がつっ
「外れた!」
「今北の7番もシュートの精度が落ちてきてるか!?」
「バカ、3人に囲まれてる状況で打ったシュートだから当たり前だろ!」
521
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:34:49 ID:02FU1FzU0
_
(;゚∀゚)「うおおおぉぉぉぉっ!」
あわててゴール下へと走るジョルジュ。
('A`;)「ジョルジュ、待て、強引だ!」
/ ゚、。 /「リバウンドっ!」<ヽ`∀´>
_
(;゚∀゚)「させるかぁーーーーーっ!」
('A`;)「ジョルジュ!」
「お前も、3つなんだぞ!!!」
――ピィッ!
審判「ファウル、緑8番!」
_
(;゚∀゚)「…あ……」
(■_■#)「よぉっし!」
522
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:35:37 ID:02FU1FzU0
「VIP高の8番が…」
「4ファウルになったぞ!」
「せっかくインサイドからゴリゴリ攻めていくために7番を投入したのに…!」
「VIP高の監督はどうするつもりだ!?」
――ビーーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!8番アウトで15番インです!」
(´・ω・`)「残り3分でジョルジュ君をコートに戻す。すまないが、それまでの間、インサイドに専念してくれ」
<_;プー゚)フ「…はいっ!」
_
( ゚∀゚)「………」
「……ん!…ル…ん!」
<_;プー゚)フ「ジョルジュさんっ!」
_
(;゚∀゚)「お、おう!?あれ、え?エクスト…?」
<_;プー゚)フ「メンバーチェンジっす」
_
( ゚∀゚)「そ、そうか…そりゃそーだよな…」
_
( ∀ )「……悪い…」
523
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:36:34 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「…今のは手痛いね」
从'ー'从「そうですね、インサイドを固める作戦に出て、二枚敷いた瞬間、一枚が離脱…」
_
( ゚∀゚)「………」
どかり、とベンチに腰を下ろす。
顎をつたった汗がぼたぼたと床へ落ちる。
その息は荒い。しかし、目は虚ろだ。
(´・ω・`)「ジョルジュくん。今のプレーはいただけないな」
(´・ω・`)「ボールのあるところに思わず群がる…体育のバスケのレベルだ」
_
( ゚∀゚)「…すんませんっ…くそっ…」
(´・ω・`)「…放って、おけなかったんだろう?イヨウくんを」
(´・ω・`)「わざとじゃない。それがわかってるから誰も何も言わないんだ」
(´・ω・`)「だが、君をファウルアウトさせるわけにはいかない。だから、ひっこめた。」
そして、一息。
(´・ω・`)「残り3分になったら君をコートに戻す。」
524
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:37:26 ID:02FU1FzU0
(´・ω・`)「ただし」
(´・ω・`)「休憩とは何もしないことじゃない。全力で回復に務めることだ」
(´・ω・`)「そして、試合を外から客観的に捉えよう。無駄にしていい時間などないからね」
_
( ゚∀゚)「…はい…」
(´・ω・`)「もちろん、気持ちの切り替えも、だよ?」
_
( ゚∀゚)「……はいっ!」
/ ゚、。 /「やあ、ピンチヒッター」
<_プー゚)フ「…黙ってろ」
<_プー゚)フ(ジョルジュさんが戻るまで全力でここを守る…!)
<_プー゚)フ(それが今の俺にできること。…全力で、やってやる!!)
525
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:38:20 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)「ふっ」
――しゅっ
「また今北の7番!?」
(;=゚ω゚)ノ「くっ…そぉっ…!」
(=゚ω゚)ノ「リバウンドーーーーーーーっ!」
<_#プー゚)フ「うおおおおぉぉぉぉぉっ!」
/ ゚、。 /「っ…!(こいつ…!?)」
――がつっ
川 ゚ -゚)「ちぃっ…!」
「また外した――!?」
「どうしたんだよ今北の7番!?」
526
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:39:36 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚(=゚ω゚)ノ「スクリーンアウト―!、だヨウ!!」
川 ゚ -゚)(腕にほとんど力が入ってない…?ヘロヘロじゃないか…!)
川 ゚ -゚)(冷静にかわせばまったく問題にならないというのに…!焦っているというのか、私は!?)
<_プー゚)フ「リバウンドぉぉぉぉぉっ!!!!!」/ ゚、。 /
<_#プー゚)フ「らあああぁぁぁっ!」
――ばしっ
「VIP高の15番が…!取った!」
527
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:41:07 ID:02FU1FzU0
<_プー゚)フ「どうだコラぁーっ!」
/ ゚、。 /「いや、そっちがディフェンスリバウンドなんだからそっちの方が有利に決まってるでしょ」
<_プー゚)フ「うるせ、見てろよっ!」
('A`)「よくやった、エクスト!こっちだ!」
<_プー゚)フ「うっす!」
すかさずサイドアウトをしてきたドクオにエクストが素早くパスを送り、VIP高のオフェンスが始まる。
シュートこそ打たれたものの、ファウル前のプレーも含めれば、連続で今北のオフェンスは失敗したことになる。
('A`)(素直クールも、間違いなく疲れてきてるはずだ…)
('A`)(だが…それ以上に、イヨウがヘロヘロなのが辛い…)
('A`)(イヨウを休ませたいところだが…踏ん張ってもらうしか…)
(=゚ω゚)ノ「ドクオっ!」
(=゚ω゚)ノ「心配いらねーヨウ、俺は大丈夫だ!よこせヨウっ!」
('A`)「……!ああ!頼むぞ!」
――びゅっ…ばしっ
528
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:41:53 ID:02FU1FzU0
――ダダムッ…ダダダダムッ…
(=゚ω゚)ノ「ヨウ、なんやかんやでヘバってきてるんじゃねーかヨウ?」
川 ゚ -゚)「…ふん、ぬかせ。疲れているとしても君ほどじゃあ、ない」
(゚ω゚)ノチラリ
川 ゚ -゚)(私の顔を見ている…?いやそれ以前にこっちみんな)
鋭く、それでいて低いドリブルを続けながら、その流れで掌をボールの下へ。
川 ゚ -゚)(最初に私が騙されたプレーか…馬鹿が、聖闘士に同じ技は…)
川 ゚ -゚)(…いや、パスか!?…いや、そう思わせておいてあえて一度出したプレーをもう一度、ということも…)
529
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:44:08 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(…待てよ)
川 ゚ -゚)(彼は一体どこを見ていた?)
――――(゚ω゚)ノチラリ
川 ゚ -゚)(そうだ、間違いはない。私の顔だ…)
川 ゚ -゚)(だがあの目…)
川 ゚ -゚)(『少し焦点が合っていない』と思わなかったか!?)
川 ゚ -゚)(…わかったぞ)
川 ゚ -゚)(彼が見ていたのは『私の顔』ではない、『私の額』だ)
川 ゚ -゚)(ストリートボールのDVDで観たことはある。ボールを相手の額に軽くぶつけ、虚を突いたところで跳ね返ってきたボールを
持ってプレーに転じる…)
川 ゚ -゚)(だがこれは公式戦だぞ!?故意に相手の額にボールをぶつけることになるが故に、テクニカルや…アンスポを
吹かれる可能性だってある!)
川 ゚ -゚)(…違う、それじゃ駄目だ。彼を常識に当てはめてはいけない)
川 ゚ -゚)(笛を吹かれようと恐れず実行してくるかもしれない。はたまた、審判の死角も把握しているのかもしれない)
川 ゚ -゚)(全ての可能性を考えろ、素直クール!)
川 ゚ -゚)(狙うのは一瞬だ。彼が私の額に向けてボールを投げたその瞬間。それをキャッチしてカウンターに繋げる)
川 ゚ -゚)(この至近距離だが…ボールが来る、ということとボールが来る場所さえわかっていればなんら恐れることはない)
530
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:46:15 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(さあ来いイヨウ君!そのままボールを私に投げてみせr…)
一瞬のうちに様々な考えをめぐらせ、その考えがまとまりきる前に体は勝手に反応する。
飛んできたボールをいつでも取ることが出来るよう、額に右手をあて、少々のけ反るような体勢だ。
(=゚ω゚)ノ「…なんか難しいこと考えてんじゃねーかヨウ?」
イヨウはそのままボールを持った掌を下から返し、
ボールは投げずに遠心力を利用して、ぐりん、とそのまま上へ。
川;゚ -゚)「!?」
そしてそのまま少々強引にシュートフォームへと繋げ、シュートを放つ。
打点が低くなるというデメリットこそあるものの、最小限の動きで打つことができる、ジャンピングシュートで。
――パシュッ
531
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:50:53 ID:02FU1FzU0
(=゚ω゚)ノ「また騙されたな」
川 ゚ -゚)「ちっ…」
(=゚ω゚)ノ「これぞ奥義、暇をもてあました神々の遊び、だヨウ」
川 ゚ -゚)「…すぐに泣かせてやる!」
今北産大附今北 67 - 70 VIP高校
「VIP高が逆転だー!」
「あの6番!まじですげぇよ!今北の7番を手玉に取ってる!?」
532
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:52:04 ID:02FU1FzU0
――バシュッ
(,,゚Д゚)「しゃあぁっ!!!」
('A`;)「くっそ…」
今北産大附今北 70 - 70 VIP高校
「こ…今度は今北の4番がスリー…!?」
「外さねえ!外さねえぞあの4番!!」
「スリーをスリーで決め返すだなんて強気なプレー…!」
「しかも決して多くない残り時間!一回一回の攻撃を大事にしていきたい場面だってのに…!」
「もし外してたら…」
「バカ、そういうシュートをあっさり決めちまうからこその4番なんだよあいつは!!」
533
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:52:49 ID:02FU1FzU0
('A`)(くっそ、まじで外さねえなこの野郎…思いっきりチェックに入ったのに楽々決められるのも辛いぜまったく)
その後数分間、一進一退の攻防が続く。
そしてショボンがジョルジュをコートに戻すと宣言した残り3分は、徐々に近づいてくる。
――ダムッ…
今北産大附今北 77 - 75 VIP高校
('A`)(残り…3分20秒、とちょっと)
('A`)(点差はうちが2点を追いかけている状況)
('A`)(オーケイ、俺。冷静だぞ)
('A`)(思考は冷静だ。だけど…)
('A`)(どう、攻める…?)
534
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:54:19 ID:02FU1FzU0
('A`)(イヨウはかなり疲れてる…加えて、素直クールのマークがこれまで以上に厳しくなってる…執念、か?もはや)
('A`)(エクスト…は、正直なところエクストには悪いが14番と正面からタメ張って勝てる可能性が高いとは考えづらい…
向こうのほうが格上、と見るのがリアルなところだ…)
('A`)(モナーなら…あのチョンに勝てるか…?)
('A`)(くっ…どこから…誰を起点にすれば楽に点を取れる…!?)
('A`)(こいつら…まじで目が死んでねえ!)
('A`)(『いつだってとってやる』…そんなギラギラした感じが体にまとわりつくみてえに…!)
「ドクオッ!!!」
( ^ω^)「くれおっ!」
('A`)「…!いけえっ!」
――びゅっ…ばしっ
( ^ω^)「おおおおおおおっ!」
('A`)(頼もしくなったもんだぜ、まったく!)
535
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:55:29 ID:02FU1FzU0
――ダムッ!
( ^ω^)「いくおおおおおおおっ!」
今北⑧「どう考えても俺のとこから攻めるしかねえよな!悔しいが、この中で一番攻めやすいんだからなああ!」
今北⑧「だけどなめんなよ!楽にはいかせねえええええ!」
(´・ω・`)「…内藤くんの現時点での得点は?」
(*゚ー゚)「はい!えっと…にじゅ…25点です!」
ξ゚⊿゚)ξ「そ…そんなに!?」
<_プー゚)フ(付け焼刃といっても過言ではない今回のスリーポイント作戦…それが功を奏した結果、相手は完全に内藤さんに
転がされてる、ってことか?)
(´・ω・`)「ということは、だ」
(´・ω・`)「とにもかくにも、内藤くんはスコアラー(大量得点をしてくる選手)である、と今北から認識されているはずだ」
(´・ω・`)「そして彼は終盤である今でこそ、より驚異をまず存在となるはずだ」
536
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:56:30 ID:02FU1FzU0
――ダダムッ!
( ^ω^)「おおっ!」
今北⑧「くっ…!」
「抜いたあっ!」
「突っ込むかゴール下!?」
「いやそれとも…」
/ ゚、。 /(ミドルから打ってくるか…!?)
/ ゚、。 /(それとも僕に4つめのファウルをさせるために無理やり突っ込んでくるか…?)
( ^ω^)「来いおおおおおおおっ!」
――ダムッ!
/ ゚、。 /(やっぱり…!突っ込んできますか!!)
/ ゚、。 /(簡単にはファウルしてあげませんよ!読んで読んで読んで…読みきって、あなたを、堕とす)
537
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:57:28 ID:02FU1FzU0
( ^ω^)「ふっ!」
――ズダッ…
/ ゚、。 /(踏み切った…。まあ、当然楽にはシュートしてきませんよね!)
/ ゚、。 /(そしておそらくは…)
( ^ω^)(…よっ)
レイアップの状態から、空中で、ボールを一度下げる。
/ ゚、。 /(こちらのブロックに対するタイミングを外してのダブルクラッチ…)
/ ゚、。 /(あるいは、タイミングを外してからの、パス!)
/ ゚、。 /(インサイドで何年もバスケやってますけど…見飽きましたよ、そのパターンは!)
( ^ω^)(ダブルクラッチで引き付けて…)
( ^ω^)「エクストぉっ!」
/ ゚、。 /(後者!)
538
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:58:32 ID:02FU1FzU0
空中でダイオードを目一杯引き付けて、ダブルクラッチのモーションからエクストへのパスを送ろうとするブーン。
そして、それを想定できる選択肢として予想していたダイオード。
――バヂッ…
「インターセプトかっ…!?」
「いや、きわどい!ボールは浮いてる…!ルーズボールになるかもしれない!」
/ ゚、。 /(くそ、タイミングは合ってたはずなのに完璧には取れなかった…腕に当たっただけ…!)
/ ゚、。 /(だけど、取る!ここでのターンオーバーはかなりでかい)
/ ゚、。 /(簡単なことだ、このまま腕を伸ばせばボールは目と鼻のさk…)
<_#プー゚)フ「おりゃああああああああっ!」
/ ゚、。;/(エクストプラズマン!?)
<_プー゚)フ(ゴール下は俺が守るんだ!ディフェンスのときだけじゃない、オフェンスのときだって…)
<_プー゚)フ「俺が……守るんだっ!!」
539
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:59:34 ID:02FU1FzU0
――ばしっ
「VIP高の15番がとった!!!!!!」
「すげえ!ほとんどむりやり飛びついたような感じだったのにとっちまったぞ!」
/ ゚、。 /(こいつっ…!)
( ´∀`)「そのままいけるモナ!」
<_プー゚)フ「うっす!」
――ズダッ…
/ ゚、。 /(んなっ…ほとんど強引に体をぶつけてきた…!?)
<_プー゚)フ(くそぉっ、体勢がめちゃくちゃだ…決められるか…?)
<_プー゚)フ(いや、決めるんだ!)
(,,゚Д゚)「ダイオード、こらえろおっ!」
/ ゚、。 /(わかってますよ、ここでファウルを取られるわけには…)
<_プー゚)フ「おおおっ!」
540
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:01:51 ID:NSLlKWiw0
――しゅっ…
「強引に打っt…!?」
――ピィッ!!
/ ゚、。;/「!?」
<_;プー゚)フ「!?」
――ガツッ…
シュートは、リングに嫌われる。
審判「ファウル、白14番!ツースロー!」
(;,,゚Д゚)「んなっ…」
<ヽ`∀´>「これでダイオードは…」
川 ゚ -゚)「4ファウル…か」
('A`*)「エクスt…」
<_プー゚)フ「よ…」
<_プー゚)フ「っっし!!」
541
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:02:42 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「ちょっ…今のがどうして僕のファウルなんですか!?」
(,,゚Д゚)「お、おいダイオード…!」
判定を不服とし、審判に抗議するダイオード。
/ ゚、。 /「僕は立っていただけです!それにぶつかってきたのは向こうです!どうして…!」
審判「……」ムッ
川 ゚ -゚)「…」クラエ!ヒザカックン
/ ゚、。;/「うわおあっ!?」キレイニカックーン!
川 ゚ -゚)「失礼をした、審判殿。まだ一年生だ、どうか許してやっていただけないか」
/ ゚、。;/「く、クーさん!?いきなり何を…!?ていうか、なんで!?クーさんだって見てましたよね、今のプレーは…」
川 ゚ -゚)「やめておけ、ダイオード」
/ ゚、。;/「だ、だって!あいつが…!エクストが僕にぶつかって…!」
川 ゚ -゚)「私は や め て お け と言ったのだが」
/ ゚、。;/「――――っ!」ゾクッ
542
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:04:14 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)「いいか、今のはファウルだとも、ファウルでないともとれる、かなりきわどいものだった」
川 ゚ -゚)「そして審判の判定が覆ることなんてそうそうない」
川 ゚ -゚)「あのタイミングで笛を吹かれたのはただの不運な事故だ」
川 ゚ -゚)「そもそも、だ」
川 ゚ -゚)「あのパスをしっかりとインターセプトできなかったからこそVIP高の15番に付け入る隙を与えたのだろう?」
/ ゚、。;/「あっ…(た、確かに…)」
川 ゚ -゚)「自分のミスを棚に上げてわめき散らすな。…みっともないぞ」
/ ゚、。 /「す…すみませんでした…」
川 ゚ -゚)「私に謝ってどうする、ちゃんと審判に謝るんだ」
川 ゚ -゚)「彼のむっとした表情に気付いていたか?下手をしたら、海南戦での魚住と同じことになっていたとしても不思議ではない
状況だった」
/ ゚、。 /「…はい」
543
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:05:03 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「あの、す…すみませんでした!」
(,,゚Д゚)「チームを代表して謝罪します。本当に…」
審判「カマワンヨカマワンヨー」
/ ゚、。 /「…ありがとうございます」
(,,゚Д゚)(……ほっ。ヒヤヒヤさせやがって…)
(,,゚Д゚)(やっぱりまだ一年生だ…技術はあっても未熟な部分はまだまだあるな)
(,,゚Д゚)(しかしそれでもダイオードが4ファウルとは…向こうの15番の執念にやられたか?)
544
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:05:56 ID:NSLlKWiw0
その後、エクストは一本目のフリースローを外すが、二本目は沈め、77-76と今北1点リード。
そして今北ボール。ニダーがハイポスト付近からのジャンプショットをミス。
<;ヽ`∀´>(うぎーーっなんで入らんニダ!!!)
<_プー゚)フ「リバウンドぉーー!」
/ ゚、。 /「ちっ…」
/ ゚、。 /(またこいつとの競り合い…!もしまたさっきみたいに笛を吹かれたら…)
/ ゚、。;/(5ファウル…退場…)
<_プー゚)フ「もらったぁぁぁ!」
/ ゚、。 /(この位置取りから無理にボールをとりに行ったら…さっきみたいにきわどくもない、完全に僕のファウルだ)
/ ゚、。 /(だけどこいつに易々と取られるのも悔s…気に食わない!)
/ ゚、。 /「っうおあっ!」
<_プー゚)フ「んおっ!?」
( ´∀`)(ボールを取るんじゃなく…強引に弾きに来た!?)
( ´∀`)(なんやかんや、さっきのファウルでエクストを意識せざるを得ないってところかモナ!?)
545
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:06:37 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /(アウトオブバウンズになっても…お前には…お前にだけは!取らせない!取らせたくない!)
<_プー゚)フ「くっそ、リーチの差が…!」
エクストが掴みかけたボールを、ダイオードが手首を使って弾き落とす。
だがそれは、ダイオード自身がボールを得るために技術を駆使して行ったプレーではない。
ただただ、エクストに対するライバル意識のようなものがそうさせたのだろうか、とりあえず、といった具合に
ボールをコートの外へ弾き飛ばす程度に終わった。
――ピィッ!
審判「アウトオブバウンズ、緑ボール!」
<_プー゚)フ「おーっし、マイボマイボマイボーーーっ!」
('A`)「ナイスだ、エクスト!」
( ^ω^)「どんどんつっかけていけばいいお!向こうの14番はもうファウルできないんだから強気だお!」
<_プー゚)フ「うっす!!!」
546
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:07:27 ID:NSLlKWiw0
――ビィーーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!15番アウトで8番インです!」
<_プー゚)フ「あ…そっか…」
_
( ゚∀゚)「エクスト!」
<_プー゚)フ「ジョルジュさん、あとたのんます!」
_
( ゚∀゚)「エクスト、守ってくれて、ありがとな」
<_プー゚)フ「…!うす!」
( ・∀・)「残り3分をきったところでVIP高は8番を戻してきたね」
从'ー'从「今北の14番、VIP高の8番はともに4ファウル…どっちも後がありませんね」
( ・∀・)「そうだね…互いに、これまでのようにガツガツとはいきづらいだろうね」
从'ー'从「VIP高の8番が4ファウルで引っ込められたとき…監督はおそらく残り3分での再投入を考えていたのでしょう」
从'ー'从「ですが、いまの数プレーを見る限りでは、VIP高の15番も今北14番に対して悪くない働きをしていたように思えます」
从'ー'从「ファウルの数もまだまだ少ない…リスクを犯してまで8番を戻す必要はあったのでしょうか?」
547
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:08:32 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「さすが、よく見ているね渡辺は」
( ・∀・)「VIP高の15番…ルーキーの彼だが、最初に投入されたときと、たった今…言い方を変えれば、8番の代役を務めていた
時間帯での動きの質は段違いだ。後者…つまりたった今までの時間帯の方が圧倒的に動きが良かった」
( ・∀・)「おそらく、『8番がコートに戻るまでの代役を務めなくてはならない』という確かな役割を与えられたことで
集中力が大幅に増した結果だろう」
( ・∀・)「スキルは間違いなくある、だが、それを活かしきるにはまだ若かったんだろう、それは最初のほうの出場時間帯での
プレーを見ていればなんとなくわかる」
从'ー'从「プレースタイル的にも、かなり幅広いプレーを必要とする…いわば器用貧乏、のような?」
( ・∀・)「憶測だけどね。そんな感じなんじゃないのかな」
( ><)(出番がないんです…)
548
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 00:08:41 ID:kx5vtySwO
全力支援
549
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:10:25 ID:NSLlKWiw0
――どさっ
<_;プー゚)フ「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
ベンチに半ば体を投げ出すような格好で座る。
ほんの数分間、ワンポイントでの起用だったはずなのに、尋常でなく疲れた。…ような気がする。
(´・ω・`)「いい集中力だった。よくやってくれたね」
<_プー゚)フ「はい…!はぁっ、はぁっ」
<_プー゚)フ(…なんだ、これ)
一度出て。
とくに目立った結果を残すわけでもなく引っ込められ。
もう一度チャンスをもらえた。
そのとき、自分の役割ははっきりしていた。
その役目を果たすことこそが今の自分に与えられた仕事なのだと。
事実、さっきは夢中で、必死だった。
結果として、ジョルジュが戻るまでの『つなぎ』としての役割を果たす、という仕事以上に、
ダイオードから4ファウル目を奪う、というオマケつきだった。
与えられた仕事以上の働きをすることができた、はずだ。
だから、満足なはずだ。
550
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 00:11:04 ID://pxcCM20
リアルタイム超うれピー☆
551
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:11:15 ID:NSLlKWiw0
<_プー゚)フ(なのに…!)
それなのに。
<_プー゚)フ(なんで…!なんで悔しいんだ!?)
『もっと出ていたかった』。
その気持ちから来る悔しさに、エクストは戸惑っていた。
(´・ω・`)「エクストくん、君の気持ちはなんとなくだがわかる。だが、それは喜ばしいことだよ」
(´・ω・`)「今のたった数分間で、君は成長したんだよ。自信を持つんだ」
(´・ω・`)「そしてもうひとつ」
(´・ω・`)「まだまだ集中力は切らさないように。下手したらワンチャンあるかもしれないよ、この試合は」
<_プー゚)フ「ワンチャンって…まさか、延長戦ってことっすか?」
(´・ω・`)「ああ、そうだ。そして、ジョルジュくんが5ファウルを犯してしまう可能性だって、ゼロじゃあない」
<_プー゚)フ「…いつでも、準備はできてます」
(´・ω・`)「いい答えだ」
552
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:11:57 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)「よう、これでお前も4ファウルだな」
/ ゚、。 /「別にそちらにとって状況が好転したわけではないですし。4ファウルなのにわざわざ戻ってきてもらえるなんて
願ったり叶ったりです」
_
( ゚∀゚)「チキンレースとしゃれ込もうや、なあ!?」
/ ゚、。 /「えっ…いやですよ…なんでVIP高の人ってみんなこう暑苦しいかなあ…」
( ・∀・)「さあ、どちらもインサイドは満身創痍。どうなるかな」
553
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:12:46 ID:NSLlKWiw0
――キュキュっ…
残り時間は1分半。
今北産大附今北 79 - 78 VIP高校
('A`)「打てっ、ブーン!」
( ^ω^)「おおっ!」
――シュッ…
( ^ω^)(あっ…)
(;^ω^)「落ちるお!リバウンドだおっ!」
_
( ゚∀゚)「任せとけって!いくぞおっ、モナーっ!!」
( ´∀`)「モナっ!」
_
/ ゚、。( ゚∀゚)がしっ
/ ゚、。;/(早っ…強っ…!)
/ ゚、。 /(だけどオフェンスリバウンドを取らせるわけには…)
554
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:13:32 ID:NSLlKWiw0
_
がしっ/ ゚、。 /゚∀゚)
_
(;゚∀゚)「むおっ…!」
_
(;゚∀゚)(やっぱ厄介だぜこいつ…。でかいし強い!それに加えて体の使い方がめっちゃ上手ぇ!
抑え込んだつもりだったのに前に回りこまれそうに…)
_
( ゚∀゚)「負けるかあああぁぁぁ!」
/ ゚、。 /「ふんぐっ…!」
_
ガシガシ/ ゚、。ガシガシ゚∀゚)ガシガシ
「す…すげぇぶつかり合いだゴール下―――!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あんの脳筋ドバカ糞野郎…!4ファウルだってことわかってんの!?」
(;*゚ー゚)「確かに弱気になるよりはましかもだけど…危ないよ!」
555
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:14:22 ID:NSLlKWiw0
――がつっ
「外れた!!!!」
_
/ ゚、。 /「うおおおおおおおおおおおお!!!!」( ゚∀゚)
――ばしっ
/ ゚、。 /「よっし!」
_
( ゚∀゚)「くっそがあああああ!」
(,,゚Д゚)「ナイスだ、ダイオード!外に捌け!」
/ ゚、。 /「はい!ギコさん!」
激しいぶつかり合いを制し、リバウンドを奪ったのはダイオードだった。
コーナー付近へと降りてきたギコへサイドアウトのパスを送る。
556
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:15:11 ID:NSLlKWiw0
だが…
――ばちっ
('A`)「毎度!」
(,,゚Д゚)「んなっ…」
「そ…即インターセプト――!?」
サイドアウトのパスを奪ったドクオは、目線をすぐさまゴールへ。
ダイオードのリバウンドにより攻守が切り替わっていたため、ゴール下での配置が自分たちに有利な形に変わっていたのを
見逃さなかった。
557
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:15:55 ID:NSLlKWiw0
('A`)「モナーっ!いけえーーーーーっ!!」
――びゅっ…ダンッ
( ´∀`)「モナッ!」
ゴール下のモナーへ低空飛行のバウンズパスを送る。
それを察知したモナーは、ニダーにそれを妨害されぬよう、パスをキャッチする体勢に移りながらもニダーの前に自身の体を
滑り込ませるようにしてポジションを取る。
( ´∀`)「ナイスパス、モナっ!」
――バスッ
受け取ったパスを、ゴール下からのバンクショットで易々と沈める。
558
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:16:38 ID:NSLlKWiw0
今北産大附今北 79 - 80 VIP高校
(-_-)「よし、再逆転!ナイショー、モナーさん!」
(・▽・)「さすがの安定感!」
(´・ω・`)(そう、安定感だ)
(´・ω・`)(作者の力量不足でモナー君が大活躍したシーンはまあ描かれてないよね)
(´・ω・`)(だが、彼はアベレージで得点とリバウンドのほぼダブルダブル(この場合、得点とリバウンドが共に二桁に
達しているということ)を達成している)
(´・ω・`)(テレビ局みたいな言い方だが、彼のように『安定して数字を出せる』存在は、僕としても非常にありがたい。
戦略がかなり立てやすくなるからね)
559
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:17:24 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)9m「てめっ、次はぜってー取ってやる!」
/ ゚、。 /「5ファウルは怖くないんですか?」
_
( ゚∀゚)「おまえは怖いってのかよ」
/ ゚、。 /「そりゃ怖いに決まってるでしょう…」
_
( ゚∀゚)「俺は怖くねえぞ!」
/ ゚、。 /「……なぜです」
_
( ゚∀゚)「なんやかんやで俺は今まで一度も5ファウルやったことないからだ!案外なんとかなる、ってもんよ!」
/ ゚、。;/(…馬鹿なのか…?ていうか思いっきり死亡フラグ…)
/ ゚、。 /「…それなら僕が、あなたの退場童貞をいただくことにしますよ」
_
(;゚∀゚)「んあっ…おめ、まさかホモか!?」
/ ゚、。;/「ち、違いますよっ!!!!」
<;ヽ`∀´>(だからなんで全力…)
560
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:18:36 ID:NSLlKWiw0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)(残り、1分と数秒…)
(,,゚Д゚)(1点ビハインド。つまり、負けてる)
(,,゚Д゚)(圧勝にはならんとは思っていたが…まさかここまで足留めをくうことになるとは思わなかったぞゴルァ)
(,,゚Д゚)(さて、今回のオフェンスはどう攻めるか)
(,,゚Д゚)(2点を取ってさらにもつれさせるか)
(,,゚Д゚)(それとも3点を狙って引き離すか。スリーを決められりゃあ、ワンゴール差のリードを得ることができる)
(,,゚Д゚)(そして時間を目一杯使って攻めれば、VIP高も次のオフェンスでどう攻めればいいかテンパるはずだ)
現在の残り時間はほぼ1分。
単純計算でいけば、こちらが時間を目一杯使って攻めることで、残り時間は36秒となる。
VIP高からすれば、下手をしたら最後のオフェンスとなる可能性も高い。
561
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:19:54 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)(そりゃあ、あわよくば3点を狙いたいところだ…)
(,,゚Д゚)(このチームで3点を狙うなら俺かクー、ってことになる)
(,,゚Д゚)(だが…)
――きゅきゅっ!
('A`)「おりゃっ」
――ダダムッ
(,,゚Д゚)「…っと、危ね」
562
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:20:56 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)(この極限の時間帯だってのに…こいつのディフェンスにはなんの揺らぎもねえ)
(,,゚Д゚)(つぅことは、こいつはちゃんと冷静に試合の流れを見てる、ってことだ)
(,,゚Д゚)(下手したら、俺がいま考えてることが全部読まれてるってこともあり得る)
(,,゚Д゚)(俺たちがあわよくば3点を狙いたいということを)
(,,゚Д゚)(そしてクーが疲労しているということ。そしてそれによって導き出される選択肢…)
(,,゚Д゚)(俺が、スリーを打つかもしれないということすらも、だ)
(,,゚Д゚)(ワンオンワンから崩して外から打つのはおそらくきつい)
(,,゚Д゚)(それに、俺が打つとしてもクーが打つとしても、できればリターンパスからテンポ良く打つべきだ。
絶対に外せないんだからな)
(,,゚Д゚)(とにかくスクリーンを駆使して確実にフリーに…)
(,,゚Д゚)(いや、違うな)
563
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:21:36 ID:NSLlKWiw0
――ズダッ
('A`;)「――!?」
('A`;)(ショットクロックはまだ15秒近く残ってる…それに、俺を完全に振り切ってるわけでもねえのに…!?)
(,,゚Д゚)(ややこしいことは抜きだ!そんなの…)
(,,゚Д゚)(俺じゃねーぞゴルァァ!)
――しゅっ…
('A`;)「ぬぅおりゃあっ!」
――びしっ
('A`)「っし、指先かすめた!」
(;,,゚Д゚)「くそがあっ!」
564
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:22:18 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「ニダーさん、来ますよ!」
<ヽ`∀´>「わかってるニダ!リバウンd…」
川 ゚ -゚)「ダイオード、エラ張り、そのまま抑えていろ!!!」
(=゚ω゚)ノ(クーがランニングリバウンド…!?)
(;=゚ω゚)ノ(あ…脚が思うように動かねえヨウ…!)
(;=゚ω゚)ノ(あの野郎…疲れてても足バカっぱやだヨウ…たった数歩でこんなに距離が…)
――ガツッ…
「外れたぞ!!」
「リバウンドはどっちが取る!?」
565
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:23:09 ID:NSLlKWiw0
<#ヽ`∀´>「全力スクリーンアウト!ニダーーッ!!」
(;´∀`)「むぐっ…!」
( ´∀`)(意地でも跳ばせないつもりモナか…!?)
/ ゚、。#/「あなただけは、跳ばせちゃだめなんだ!さあ力比べですよ、それとも強引に来ますか、ファウルを恐れず!?」
_
(;゚∀゚)「よく喋るじゃねーか、ええっ!?」
_
( ゚∀゚)(まさかほんとに7番にリバウンド取らせるつもりか!?)
_
( ゚∀゚)(イヨウのスタートが遅れてる…あそこから追いつくのはたぶん無理だ…!)
_
( ゚∀゚)(…ってことは)
( ´∀`)(僕たちゴール下がなんとしてでも取るしか…)
_
(#゚∀゚)「ぬ…おおおおおっ!」
/ ゚、。;/(な…なんなんだこのバカ力は…!?しっかり抑え込んだはずなのに強引に…!?)
/ ゚、。;/「っつ…痛っ…!(ファウルだろ!?なんで4ファウルなのにこんな強引なプレーができるんだ!?)」
_
(#゚∀゚)「どけえええええっ!」
腕力に物を言わせ、強引にダイオードのスクリーンアウトを振り切るジョルジュ。
566
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:23:58 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)「っし、リバ……」
川 ゚ -゚)
_
(;゚∀゚)「!?」
ボールに飛びつこうとジャンプしたジョルジュ。その彼の目線から下を見下ろすと――クーがいた。
ジョルジュよりも高く跳んでいるというわけでは決してない。
むいろ、高さの面ではジョルジュの方が圧倒的に有利だ。
だが、クーがいたのは、彼の体格からは到底想像もできないようなレベルの高さであった。
_
(;゚∀゚)(こいつ…こんな跳べたのかよ!?)
その驚くべき身体能力に一瞬、ひるむ。
川 ゚ -゚)(…よし)
一瞬さえあれば、問題はない。
ランニングリバウンドを試みたクーは、そのままボールをむしり取る。
567
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:25:06 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)(しまtt…)
川 ゚ -゚)(ギコ、お前のやりたいことはわかった)
空中でそのまま体を反転させる。
川 ゚ -゚)(一度外したくらいじゃあ、諦めないのだろう?)
川 ゚ ー゚)(さあ、いけっ!)
――ビュッ
(,,゚Д゚)「!!」
左45度エリア付近への、勢いのあるパス。
ギコがポジションを取っていたのはトップ付近だ。
速いパスに追いつくため、鋭く動くギコ。ドクオの対応は、一瞬遅れる。
568
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:25:53 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
(,,゚Д゚)(優しくねえパスよこしやがって…)
かろうじてキャッチする。
('A`)(んのやろっ…!)
ドクオが自分との距離を詰めてきているのを視界の端で捉える。
(,,゚Д゚)(このタイミングで打ったらまた止められるかもしれない…)
(,,゚Д゚)(幸か不幸か、クーのリードパス(レシーバーを走らせるパス)はまったくもって優しくない)
(,,゚Д゚)(その証拠に、必死で走ってぎりぎりキャッチできた)
(,,゚Д゚)(俺の体にはまだ慣性が残ってる、このポジションに向かって走ってきたときの勢いが)
――しゅっ
('A`)(届かない…!)
(,,゚Д゚)(その勢いを利用して…流れ気味に。ドクオから遠ざかりながら打つ!)
(,,゚Д゚)(初めから体が流れる覚悟が決まっていれば、ある程度のシュートコースの修正は可能だ
569
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:27:18 ID:NSLlKWiw0
「ま…またスリー!?」
「ひたすら4番で来るつもりか!?」
――ガシュッ
ボールは、リングの内縁に当たりながらもリングを潜る。
('A`;)「うぉっ…」
(,,゚Д゚)「うっし」
今北産大附今北 82 - 80 VIP高校
.
570
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:28:04 ID:NSLlKWiw0
<*ヽ`∀´>「ギコ!」
「スリーーー!」
「見たか今の!?ほとんど体流れてたのに決めちまいやがった!」
「っていうかシュートセレクションの強引さだよ!しっかり時間を使うべきところでせっかくオフェンスリバウンドを
取ったっていうのに…」
「ああ、リバウンドからワンパスでスリーポイント…!ショットクロックは2秒くらいしか経ってなかった!」
「めちゃくちゃだ!だけど…決めた!」
「一気に流れが傾くか!?」
――ビーーーーーーーーーーッ!!
審判「タイムアウト、緑!」
「VIP高、たまらずタイムアウトか!?」
571
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:29:08 ID:NSLlKWiw0
('A`;)「みんな、悪い…」
(;^ω^)「大丈夫だお、まだ時間はあるお!」
(;=゚ω゚)ノ「2点差か…同点に追いつくべきか、逆転を狙うか…」
(´・ω・`)「大丈夫、慌てなくていいからね」
(´・ω・`)「残り時間は40秒とちょっと。たっぷり時間を使って確実に一本だ」
(´・ω・`)「セットオフェンスから、2点を狙おう」
_
( ゚∀゚)「同点狙いですか?3点を狙って逆転しても…」
(´・ω・`)「残り時間に注目。うちが24秒フルに使って攻めたとしても、今北には約15秒の攻撃時間が残る。
15秒もあれば、しっかりとオフェンスを組み立てることなど容易い」
(´・ω・`)「2点をとっても3点をとっても、当然だが今北に残される攻撃時間は変わらない」
(´・ω・`)「そして、今北に一本取られてしまえば、2点を取っていようが3点を取っていようが逆転される」
(´・ω・`)「どうせ同じならば、確実性の高い2点を狙いにいったほうがいいだろう」
( ´∀`)「だけど、もし今北の次のオフェンスで点を取られたら僕たちは負k…」
( ^ω^)「…ディフェンス、ですかお?」
(´・ω・`)「その通り。まずは2点を取って同点に持ち込む。そこからは死ぬ気でディフェンス。15秒間、食い止めるんだ」
(´・ω・`)「もちろん、ターンオーバーを奪えたら、少々強引だろうが速攻に持ち込んで構わない。そのときに厳しいディフェンスに
あうようであればファウルをもらいにいく」
572
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:30:31 ID:NSLlKWiw0
――ビーーーーーーーッ!
('A`;)(な…もう終わりかよ!?)
(´・ω・`)「どれだけ状況が緊迫していようと、基本的にやるべきことはいつだって一緒さ。セットオフェンスは5番でいこう。
さあ、いっておいで」
VIP高一同「はいっ!!!!」
( ^ω^)(セット5番…)
('A`)「ブーン、落ち着いてな」
( ^ω^)「…おっ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン…」
( ^ω^)「大丈夫だお、ツン。こういう場面でこそ、特訓の成果を見せるべきときだお!」
573
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:31:18 ID:NSLlKWiw0
――ピッ!
再開を告げるホイッスルが、短く吹き鳴らされる。
タイムアウト明けであるため、VIP高ボールにて、サイドライン沿いからの再開となる。
コートの外でボール出しを行うのがイヨウ。
そのボールを受け取るために、より激しくなったギコのディナイディフェンスを振り切ろうとしているのがドクオ。
逆サイドの45度付近にはブーン。
ブーンと同じサイドのローポスト付近にはジョルジュ。
そして、ボールサイドのハイポスト付近にモナー。
各々がそれぞれの役割を果たすため、それぞれのポジションにつく。
――キュキュっ!
('A`)「振り切ったぞ!」
(,,゚Д゚)「ちぃっ!」
(=゚ω゚)ノ「ドクオ、一本だヨウ!」
――ビュッ…ばしっ
ドクオにボールが渡り、ゲーム再開。
574
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:32:36 ID:NSLlKWiw0
――ダムッ…ダダムッ…
…が、すぐには攻め込まない。リズムを整え、相手の出方を窺う。
('A`)(プレッシャーこそきつくなってはいるものの…マンツーのままか…?
プレスをかけてくる気配もない)
('A`)(…となりゃ、まずは時間を稼ぐ!)
(=゚ω゚),,゚Д゚)
川 ゚ -゚)「ギコ、スクリーンいったぞ!」
(,,゚Д゚)「問題ねぇ、ファイトオーバーでいける!」
(´・ω・`)(4番、ギコ…ハードな展開の試合の終盤だというのに…本当に脚が良く動く…。タフな選手だ)
('A`)「しぶてぇなくそっ!」
(,,゚Д゚)「易々と行かせるわけねーだろうがゴルァ!」
('A`)「モナーっ!」
イヨウのスクリーンを使い、突破を試みるドクオ。
しかしギコを振り切ることはできず、その流れのままハイポストやや外よりのモナーへ。
575
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:33:42 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
( ´∀`)「モナっ!」
<ヽ`∀´>(仕掛けてくるニダか…?)
<ヽ`∀´>(いや、こいつのプレーできるエリアはこんなに広くないはずニダ…)
( ´∀`)「ブーン君!」
( ^ω^)「おっ!」キュキュッ
すかさず、素早いステップでトップ付近に上がってきたブーンへパスを送る。
空いたスペース、すなわち、、ブーン自身がはじめにポジションを取っていた左サイドへのドライブを試みるも、
今北⑧の好守に阻まれ、不発に終わる。
今北⑧(俺が一番警戒しなくちゃいけないのはこいつからのワンオンワン…そう簡単には行かせん!)
( ^ω^)(まあ…この段階ではやっぱきついかお…)
( ^ω^)「ドクオっ!」
再びトップのドクオにボールを戻す。
576
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:34:33 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
('A`)(ショットクロックは残り15秒…もう少しだけ回して、セットオフェンスに移るか)
――ダムッ
(,,゚Д゚)(レッグスルーをしながら…後ろに下がった…?)
(,,゚Д゚)「時間稼ぎのつもりk…」
('A`)「おらっ!」
――ダムッ
(,,゚Д゚)(チェンジオブペース…!?)
(,,゚Д゚)「ぬおおっ!」
――キュキュッ!
('A`)「ちっ…そう簡単にゃ行かせてくれないよな…」
(,,゚Д゚)「ったりめーだゴルァ!」
577
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:35:29 ID:NSLlKWiw0
そのまま数秒、ボールをキープする。
('A`)(ショットクロック残り9秒!…ここだ!)
('A`)「いくぞっ!」
_
(=゚ω゚)ノ( ゚∀゚)( ´∀`)「おおっ!!!」
( ^ω^)「…おっ!」
( ^ω^)ダッシュ!!
ショットクロックが10秒をきったことを皮切りに、VIP高のメンバーたちは一斉に動き始める。
左サイドからトップ付近のドクオに駆け寄るブーン。
('A`)「ほいさっ!」
ドクオは、自身をスクリーンとしながら、ブーンに手渡しパスを送る。
578
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:36:40 ID:NSLlKWiw0
今北⑧「ちっ…スライドでいく!」
今北⑧の対応が若干遅れる。
( ^ω^)(完全には振り切れてない…!)
( ^ω^)「イヨウっ!」
ボールを受け取ったブーンは、そのまま右サイドのイヨウにパスを送る。
ガシッ( ´∀`川 ゚ -゚)
モナーがクーにスクリーンをかけていたため、比較的容易にイヨウへのパスは通る。
( ^ω^)(ここだお!)
その瞬間、ブーンは180度、まったく逆の方向、つまり自分が一番最初にいたポジションへと走り出す。
579
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:37:26 ID:NSLlKWiw0
今北⑧(な…なんっつー瞬発力してやがる…!だけどまだ追いつけるはz…)
('A`)「はい毎度、もういっちょーっ」
――がしっ
今北⑧「ぐおっ…!?(ま…また4番…!?)」
再度、ドクオのスクリーン。虚を突かれた今北⑧は、一度目よりも対応が遅れてしまう。
(=゚ω゚)ノ「いくヨウっ、ブーンっ!」
――びゅっ
右サイドから左サイドへの、大きな横断パス。
( ^ω^)「おおっ!」
――ばしっ
それをノーマークで受け取るブーン。
580
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:38:07 ID:NSLlKWiw0
今北⑧「やらせるかよ…!」
遅れてマッチアップに戻ってきた今北⑧。
だが。
( ^ω^)「おおおっ!」
――ダムッ!
勢いに乗ってボールをキャッチしたブーンは、その勢いをそのままドライブのスピードへ上乗せする。
対して、今北⑧はなんとか追いついてきた、という状況。
止められるはずが、なかった。
「ブチ抜いたぁ!」
「はっ…速ぇーーっ!!」
「だけどどうするんだ!?そっちのローポストにはデカブツの14番が…!」
「いや、見ろ!」
「あ、ああっ!?VIP高の8番が右サイドに移動してる…!」
「それにつられて今北の14番も右サイドに移動してるぞ…!」
「ってことは…」
「左サイドには誰もいねえ!今北のインサイド陣もヘルプに出るには距離がある!加えて、VIP高5番のあのスピード!」
「完っ全!どフリーだ!」
581
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:39:05 ID:NSLlKWiw0
( ^ω^)「おっ!」
一歩、二歩とステップを踏む。
ステップを踏みながら、ボールを持った左手を左肩の上に。
そのままリングへと向かいそうになる勢いを、柔らかくステップすることで完全に殺し、真上に跳ぶ。
左手を肩の高さより下げることなく、そのまま、すっ、とリングへ伸ばす。
ブーンは空中で考える。
ボールはボードに当てて入れるべきか。
いや。
我ながら、こうも完璧なレイアップが打てるとは。
体のバランスも、指先の感覚も、完璧だ。
「こんなにも余裕を持って打つことができたのだぞ」ということを示そう。
少しでも、ほんの少しでも今北の選手たちに動揺を与えたい。
それによって次の今北の攻撃、自分たちが少しでも、守りやすくなるかもしれない。
――パスッ…
今北産大附今北 82 - 82 VIP高校
.
582
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:39:46 ID:NSLlKWiw0
「同点だーーー!」
「残り時間は20秒をきってる!」
「どうなるんだ!?どうなるんd…」
――ビーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト、白!」
「今北のタイムアウトだ!」
「すかさず流れを切る…!さすがだな…!」
从'ー'从「今のは…」
( ・∀・)「どうも、アイソレーションくさいね」
( ><)「アイソレーションって、あれなんですよね!?」
( ・∀・)「そう、よく聞くあれだ」
( ・∀・)「ああ、ちなみに」
( ・∀・)「ビロード君ね、あんまり喋りかけないでくれるかな。いらいらするんだ」
( ><)「……」
583
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:41:09 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「アイソレーションってのはあれだね、片方のサイドに一人、もう片方のサイドに残りの四人が
ポジションを取る」
从'ー'从「そしてその四人につられ、ディフェンス側の四人も移動する」
( ・∀・)「そして意図的に片方のサイドでワンオンワンの形を展開する、というやつだ」
从'ー'从「バスケの漫画や、NBAなんかでもよく聞く言葉なので、有名っちゃ有名かもしれませんね」
( ・∀・)「ああ、だが通常のアイソレーションは、最初から『アイソレーションで来たな』、とわかりやすいものが多い」
从'ー'从「そうですね、トップの選手から、仕掛ける選手にボールが渡ったら、仕掛ける選手以外の全員が反対サイドに
寄る、ってのがよくある形ですもんね」
( ・∀・)「だが今のVIP高のオフェンスは…」
从'ー'从「セットプレーでしたね、流れの中でアイソレーションの状況を作り出すプレー、といったところでしょうか」
( ・∀・)「今北に『アイソレーションで来る』と悟らせない、いいプレーだったね、特に…」
从'ー'从「VIP高の8番が逆サイドに移るタイミング、ですよね。5番と同じサイドにいた…」
( ・∀・)「まさしくその通りだよ。彼―8番までもがはじめから5番と逆サイドにいたら、アイソレーションだと
勘付かれていたかもしれない」
( ・∀・)「そうなると、今北の14番もゴール下へのヘルプに出やすくなるし、他のメンバーもそれに対応することが
易しくなる」
( ・∀・)「だから、8番は5番にパスが出るまでは何食わぬ顔で5番と同じサイドにいる必要があった。…普通のセットプレーで
攻めるのだと思い込ませるために」
从'ー'从「得点やアシストなど…記録には残りませんが、隠れた好プレーですね」
( ・∀・)「ああ。見かけによらず…というのは失礼だが、なかなかにクレバーな選手だね、VIP高の8番は」
584
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:41:51 ID:NSLlKWiw0
――VIP高ベンチ
('A`)「ブーン、ナイスだ!」
(=゚ω゚)ノ「完全にぶっちぎってたヨウ!」
_
( ゚∀゚)「きれーなドライブだったな!特訓の成果出てっぞ間違いなく!」
( ´∀`)「同点モナ!あとはディフェンスモナね…」
(´・ω・`)「よく決めてくれたね、内藤くん。いいレイアップだった」
( ^ω^)「おっ!」
(´・ω・`)「さて、スコアは同点、残りは17秒」
('A`)(さっきのタイムアウトのときに先生が言ってた通りの展開になってきた…!)
(´・ω・`)「やることは、もう言わなくてもわかってるね?」
VIP高一同「ディッフェンス!!!」
(´・ω・`)「その通り」
(´・ω・`)「点を取られないように、激しく守る。――プレスをかけるよ。じゃあ、具体的に――」
585
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:42:35 ID:NSLlKWiw0
――今北産大附今北高校ベンチ
(■_■)「いいか、慌てる必要はない。まさかここまで競った試合になるとは思わなかったが…同点であっても、まだ
うちの優位は変わらん」
(■_■)「残り17秒。タイムアウトを取ったからサイドラインからの再開だ。ボール運びの数秒を短縮できた。今までと
何も変わらない、ただ普通に攻めればいいだけだ」
(,,゚Д゚)「オフェンスのプランは…どうすればいいですか?」
(■_■)「そうだな、私が思うに、十中八九、プレスをかけてくるだろう。具体的に言うとだな…」
川 ゚ -゚)「私に、考えがある」
(■_■)「…?言ってみろ、クー」
586
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:43:16 ID:NSLlKWiw0
――ビーーーーーーーッ!!
審判「タイムアウト終了です!」
('A`)「っし、行こう」
(=゚ω゚)ノ「ほかに言いようがないくらいに勝負どころだな、っと」
( ^ω^)「ドキドキが止まらんおwww」
_
( ゚∀゚)「ちょ待てよ、逆にワクワクしてこないか?ww」
( ´∀`)「それは長岡君だけモナwww胃が痛いモナ…」
587
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:44:00 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)「行くぞ」
<ヽ`∀´>「打ちのめす、それだけニダ」
川 ゚ ー゚)「日本に来て、一番楽しい試合だ。楽しむだけじゃない…勝たせてもらう」
/ ゚、。 /「退場せずに終わりたいです…」
――ピッ!
審判が笛を短く吹き、再開を告げる。
サイドラインからコート内にボールを入れるのはクーだ。
川 ゚ -゚)(私の前にディフェンスがいない…?)
キュッ('A`)(;,,゚Д゚)(゚ω゚=)キュキュッ
「VIP高は4番にダブルチームだぁー!」
「プレスか!勝負かけにきやがったー!」
588
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:44:45 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)(ギコには意地でもボールを入れさせないつもりか…だが、ボールマンへのプレッシャーをなくしてまですることか?)
川 ゚ -゚)(君たちがギコにダブルチームをかけるという…、それは逆に言えば、私は悠々とパスを出す相手を探せるということなのだぞ?)
/ ゚、。 /(ギコさんがもらうのはきつそうだな…)
/ ゚、。 /「クーさん!」ダダッ
_
( ゚∀゚)「あーっと、簡単に行かすと思うなよ!?パワーじゃ負けねえんだ!」
/ ゚、。 /(あなたのパワーは確かに認めざるを得ませんよ、だけどね…)
/ ゚、。 /「スキルなら負けませんよ」
スリーポイントラインの少々内側のエリアまでダイオードが飛び出してくる。
ジョルジュもそれを追うが、ダイオードはそのエリアでポストアップの構えを取る。
川 ゚ -゚)「でかした、ダイオード!」
――ひゅっ
ダイオードが構えている場所よりもやや外側へクーがパスを送る。
ジョルジュを体で抑えながら、ダイオードはそのパスへミートする。
589
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:45:29 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
_
( ゚∀゚)「な…スリーポイントラインよりも外だと!?」
/ ゚、。 /「パスを繋ぐだけですから」
そう言うと、ダイオードはすぐさま、コート内に入ったクーへとパスを送る。
――キュキュッ!
(=゚ω゚)ノ「ボールおk!」('A`)
川 ゚ -゚)(私にもダブルチーム!?)
川 ゚ -゚)(ギコは…)
( ^ω^)「ディナイ!ディナイ!おっ!」
川 ゚ -゚)(5番がギコに…。では、5番がマークしていた今北⑧は?)
( ´∀`)「三線おkモナ!安心してプレッシャーかけるモナ!」
川 ゚ -゚)(7番がエラ張りと今北⑧をフォロー…?)
川 ゚ -゚)(ふむ、悪くないポジショニングだ。エラ張りと今北⑧…どちらにパスが出ても対応できる位置に…。
常に動きながら、視線を絶えず動かしながらベストなポジションを…)
590
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:46:55 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「ハーフコートでのゾーンプレスかな?面白い…」
从'ー'从「今北はどう攻めてくるでしょうか」
( ・∀・)「時間を目一杯使って一本取ることができれば、勝利がほぼ確定する。となると、インサイド陣に
任せることになると思うんだが…」
从'ー'从「あそこまで激しく当たられるとそれも難儀ですかね?」
( ・∀・)「そうだね…どう転ぶのか、まったくもって読めないね」
( ><)ウズウズ←会話に入りたくて仕方がない
591
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:48:36 ID:NSLlKWiw0
――ピィッ!
審判「ファウル、緑6番!」
(=゚ω゚)ノ「悪い、つい手が出ちまったヨウ」
('A`)「気にすんな、あと12秒だ」
('A`)(ボールが取れない…!)
('A`)(今のイヨウのファウルで、うちのチームファウルは4つめ…次からは、シュートモーション中のファウルでなくても
フリースローになる)
('A`)(ファウルゲームを仕掛けるべきか…?)
(=゚ω゚)ノ「ドクオ、早く!ギコにダブルチームだヨウ!」
('A`)「あ、ああ!(くそっ、どうすれば…!? )」
592
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:49:53 ID:NSLlKWiw0
再びクーがボールを入れる。
ギコにはやはりパスを通せない。そのため、先ほどと同じくダイオードがミートしてパスを受け取り、再度、クーにボールを戻す。
川 ゚ -゚)(またダブルチームか…だが、ファウルで止めに来る気配はない…か)
川 ゚ -゚)(賭けに出る勇気はないということか…腰抜けめ)
残り時間、10秒。
――ダムッ!
('A`)(ダブルチーム相手に…)
(=゚ω゚)ノ(勝負してくるつもりかヨウ!?)
川 ゚ -゚)「ダイオード!」
――ビュッ
(=゚ω゚)ノ(パスかヨウ…!)
('A`)「ジョルジュ!14番だ、止めろぉーーーーー!」
_
( ゚∀゚)「言われなくたって…!んっ?」
_
( ゚∀゚)(こんのデカブツ…またアウトサイドに出やがった…?何するつもりなんだ…?)
/ ゚、。 /(ほんとにやるつもりですかクーさん…!)
593
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:50:45 ID:NSLlKWiw0
――タイムアウト時、今北ベンチ
(■_■)『…?言ってみろ、クー』
川 ゚ -゚)『時間もない、結論から言おう』
川 ゚ -゚)『私が外から3点を狙う』
(,,゚Д゚)『んなっ…!』
/ ゚、。 /『VIP高がプレスをかけてきても、ですか?』
/ ゚、。 /『彼らの脚は全然止まっていませんよ、タイトなディフェンス相手じゃさすがに…』
川 ゚ -゚)『正直に言おう、私は疲れている』
<ヽ`∀´>『ちょww』
川 ゚ -゚)『確かに、プレスを受けながらスリーを決めることは、今の私には難しいだろう』
川 ゚ -゚)『だが、ノーマークであればきっちり決められる自身はある』
(,,゚Д゚)『だから、そうやってノーマークを作れるかどうかが…!やつらが本当にプレスをかけてくるとしたら余計に…!』
川 ゚ -゚)『大丈夫だ、問題ない』
川 ゚ -゚)『外から打つのだから』
(,,゚Д-)『だぁっから…!(アスペかこいつは?)』
594
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:51:58 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /(こんなプレー…前代未聞ですよ!)
――ひょいっ
_
( ゚∀゚)「んあ?こいつ何を…?」
「ボールを…!?」
「コートの外に放り投げた!?」
「な…なんだ!?どういうことだよ!?VIP高ボールになるじゃねーか!」
川 ゚ -゚)(やはり、私がボールを持っていない今、ボールを持っているときと比べたらダブルチームの圧力は弱い)
川 ゚ -゚)(ならば、それをかいくぐることなど容易い)
川 ゚ -゚)(ただでさえ、ダイオードのプレーに虚を突かれているのだろうし、な)
川 ゚ ー゚)「上出来だダイオード!」
('A`)(しまった、抜けられた…!)
(;=゚ω゚)ノ(ちょっと待て、クーあいつ…まさか!?)
――ダッ…
(;´・ω・`)「コートの外に…跳んだ!?」
595
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:53:14 ID:NSLlKWiw0
バスケットというスポーツでのボールの生死判定をうまく活かしたプレーの一つとしては、コート外に出かかっている
ボールに飛びつき、コート内に戻す、というものがある。
そのまま味方へパスを出したり、相手チームの体にぶつけ、再びコート外に出させてマイボールにするプレーがよく知られている。
バスケットにおいては、『ボールがコート外の床や壁に接触するまで』は、ボールは『生きている』ということになる。
たとえ空中であっても、ボールがラインよりも外に出たら相手ボールとなるサッカーとは異なる点である。
ゆえに、バスケットにおいてはボールが完全に『死ぬ』までは最後の最後まで油断をすることができない。
そして、それは、ボールが完全に『死ぬ』までは、プレイヤーがボールの生死に関与することができる、ということと同義だ。
ところで、ボールの生死と同じように考えると、プレイヤーにも『生死』に近い概念がある。
ボールがコート外に接触する前にプレイヤーがボールをコート内に戻すことができれば、プレーは続行される。
ただし、それはプレイヤーが『生きている』場合に限られる。
極端に言えば、ボールがコート外に接触していなかったとしても、それ以前にコート外に触れたプレイヤーが
まだ生きているボールに触れてしまえば、ボールは『死ぬ』。
プレイヤーが先にコート外に接触してしまっていたら、そのプレイヤーはいわば『死んだ』状態とされるからだ。
ただし、コート内から踏み切って跳びつき、コート外に接触する前にボールをコート内に戻すことができれば、その後、
そのプレイヤーがコート外に接触しようと、ボールは『生きている』と判定される。
――(,,゚Д゚)『だから、そうやってノーマークを作れるかどうかが…!やつらが本当にプレスをかけてくるとしたら余計に…!』
――川 ゚ -゚)『大丈夫だ、問題ない』
――川 ゚ -゚)『外から打つのだから』
――(,,゚Д-)『だぁっから…!(アスペかこいつは?)』
――川 ゚ -゚)『だから、問題ないといっているだろう』
『コートの外から、打つのだから』
596
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:55:32 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
しっかりとサイドラインから数歩分の余裕をもってコート外へ跳ぶ。
そして、ダイオードがふわりと放ったパスをキャッチする。
川 ゚ -゚)(これは、我々にとっても大きな賭けだ)
川 ゚ -゚)(私とて、こんなプレーは初めてだ、だが、私がより高い確率でノーマークでスリーポイントを打つとしたら、
ほかに思いつかなかった)
川 ゚ -゚)(いや、ほかにも候補はいくつかあった。だが…体力的な面で却下せざるを得なかった)
川 ゚ -゚)(こうまで消耗させられるとは、本当に予想外だった)
川 ゚ -゚)(先ほどファウルをされたとき…ファウルゲームに持ち込まれていたら、この作戦は潰されていた)
川 ゚ -゚)(だがそれが勝負を分けることになるのさ)
川 ゚ -゚)(冷静にゲームを運ぶことをひたすらに心がけていたが…つい、血が騒いだ)
川 ゚ -゚)(私は、賭ける。このプレーに)
川 ゚ -゚)(そして君たちは、賭け損ねた。ファウルゲームという、最後のカードに)
空中で、リングに対して正中するように体をひねり、体勢を修正する。
膝のバネには一切期待できそうにない。
ボールの飛距離を稼ぐために、シュートを放つ位置は腹の辺りに変更する。
そして――放つ。
「う…打ったぁ!スリーだ!?」
「い、いやでもコートの外…って、遠っ!」
597
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:57:04 ID:NSLlKWiw0
残り、8秒。
('A`)…ハッ!
('A`)「リバウンドだ!」
_
( ゚∀゚)「わ…わかってら!」
( ´∀`)「スクリーンアウト、モナっ!」
('A`)チラッ
( ^ω^)ピクッ
('A`)(入ろうが外れようが、速攻かますしかねぇ、タイミング見計らって、突っ走れ!)
( ^ω^)(もろちんこ!)
――ぱしゅっ
今北産大附今北 85 - 82 VIP高校
「――――!!!」
「は、入ったぁぁぁ!?」
598
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:57:54 ID:NSLlKWiw0
残り、5秒。
('A`;)(だーーーーっ!入んのかよあんなデタラメなのが!)
( ^ω^)(全力ダッシュ!!!!だお!)
_
( ゚∀゚)「ドクオ、仕掛けろ!」
動転しつつもジョルジュがすぐさまボールを拾い、ドクオにパスを出す。
――キュキュキュッ!
(,,゚Д゚)「おおおおおおおおおっ!」
川 ゚ -゚)「守りきるぞ!!!」
(;=゚ω゚)ノ(プレス!?)
セマイセマイ
川 ゚ -゚)'A`(゚Д゚,,)
599
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:58:48 ID:NSLlKWiw0
「今北もプレスかけてきた――!」
「4番と7番に…VIP高の4番が捕まるぞ!?」
('A`)「悪いけどプレスは大好物なんだよ!するのもされるのもな!」
――ダムッ!
(■_■;)「馬鹿な!ギコとクーのダブルチームを一発で…!?」
ξ゚⊿゚)ξ「突破した!!」
(*゚ー゚)「いけーっ、ドクオ君!」
――ダムッ!
('A`)「おおおりゃっ!」
('A`)(このままブーンに…!ってあれ、なんか引っかかる…)
600
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:00:16 ID:NSLlKWiw0
('A`)(……)
('A`;)(…!!)
('A`;)(そうだ、バカか俺は!?さっき素直クールが決めたのはスリーポイント…!つまり点差は3!)
('A`;)(最低でもスリーポイントシュートかスリーポイントプレーを決めないと…同点にすらできない!)
(;^ω^)(あれっ、いま気づいたけど…この速攻で2点取っても追いつけなくね?)
( ^ω^)(最低3点が必要…!どどどどドクオおおおおおどどどどどどうすればいいんだお!?)
(=゚ω゚)ノ「ドクオよこせええぇ!」
('A`)「!!イヨウ!頼むっ…!」
――ばしっ
既にハーフラインを越えていたイヨウへ、ドクオからの縦パスが通る。
残り、3秒。
601
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:01:41 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)「しまtt…」
――キュキュっ!!
川;゚ -゚)「問題…ないっ!」ゼェゼェ
(;=゚ω゚)ノ(だからなんなんだヨウ、こいつのこの戻りの早さはヨウ!?!?!?)
(=゚ω゚)ノ(だけどやっぱりクーも尋常でなくヘバってる…)
(=゚ω゚)ノ(兎にも角にも、ここでスリーを沈めるほかには…!)
多少強引でも、打たざるを得ない。
マークを外しきれていない状況ではあるが、イヨウはスリーポイントライン上でシュートを構える。
クーも、それをチェックするために、ブロックに跳ぶ。
川 ゚ -゚)(ここでスリーを打つ意外に手はない!チェックでなく…ブロックで、確実にはたき落とす!)
――ドクンッ
(;=゚ω゚)ノ(――――!?)
602
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:02:51 ID:NSLlKWiw0
突如、フラッシュバック。
昨年のインターハイ予選、決勝トーナメント。
そのときも今北と一勝一敗同士、インターハイ出場最後の椅子を賭けて戦った。
その試合のラストは――
(;=゚ω゚)ノ(そうだ、残り時間数秒、点差は3…そして…)
(;=゚ω゚)ノ(最後の最後で俺がスリーを外して…負けた)
(;=゚ω゚)ノ(去年のインターハイ出場のチャンスは…俺が潰した…)
(;=゚ω゚)ノ(あの時とまったくといっていいほど同じ状況…!)
(;=゚ω゚)ノ(俺はあの時とは違う…違うんだヨウ!なんとしてでもスリーを…!)
(;=゚ω゚)ノ「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
――ダムッ!
川;゚ -゚)「なにっ!?」
('A`;)(い…イヨウ!?)
残り2秒。
イヨウのとった行動は、ドライブ。
途中までは、完全にスリーポイントを打つつもりだった。
だからこそ、クーもブロックに跳んだ。
だが、昨年の光景―彼自身のミスで試合に負けたこと―が一瞬で頭の中を覆い尽くし、パニックを起こしてしまったのだ。
勢いに乗ったドライブ。
結果的にそれはシュートフェイクとなり、クーを抜き去った。
603
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:05:22 ID:NSLlKWiw0
(;=゚ω゚)ノ(しまった…)
勢いに乗った体は簡単には止められない。今からスリーポイントラインの外に戻って打ち直そうにも、おそらく時間が足りない。
よしんばスリーポイントラインの外側に戻ったところで、戻ってきた今北ディフェンス達とかち合わせになるだけだ。
(;=゚ω゚)ノ(どどどどどどどうすれば……)
また、自分のミスで負ける。
今北を、昨年よりも遥かにレベルアップしてきたあの今北を、ここまで追い詰めているというのに。
昨年のシュートミスはまだ仕方がない。『勝ちに行った』がゆえのミスだからだ。
だが、今回は?
勝ちに行く姿勢など微塵も感じさせない、ただただミスを恐れてのミス。
弁解のしようがない。
(= ω )ノ(終わっt…)
諦めかけたそのとき。
「イヨウーーーーーっ!」
604
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:06:09 ID:NSLlKWiw0
(= ω )ノ(…?)
(⊃ ⊂^ω^)ヘイパス! (※(⊃*⊂^ω^)このアナルAAとは違います!パスキャッチの構えをしているだけです!)
(=゚ω゚)ノ「!!!」
605
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:07:01 ID:NSLlKWiw0
なぜそこに?
考えるよりも前に、体が動いていた。咄嗟に、パスを出していた。
…左コーナーのスリーポイントエリアで待ち構えていた、内藤ホライゾンへ。
( ^ω^)(攻守が切り替わって、ドクオがプレスを突破した瞬間…僕は走ったお)
( ^ω^)(だけど僕もドクオもすぐ気づいた…いや、思い出したお。2点じゃ届かない、ってことに)
( ^ω^)(それで、そのまま左サイドに抜けていってたけど…結果オーライかおw)
( ^ω^)(決めれば延長にもつれ込み…外せば、負け)
( ^ω^)(それなのに…なんでだお?)
( ^ω^)(まだボールをキャッチすらしていないのに…)
( ^ω^)(外す気が、しないお…)
――ばしっ
残り、1秒。
ボールをミートし、膝を深く曲げる。
606
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:08:09 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)「…………っ!」
(#,,゚Д゚)「打たせるかよおおおおっ!」
必死の走りで戻り、鬼のような形相でブーンに飛びかかるギコ。
(#,,゚Д゚)(こいつがシューターをして開花してしようが…クーが言ってたみてぇに左コーナーからのスリーを
重点的に練習してきたぱちもんシューターだろうが関係ねぇ!!)
(#,,゚Д゚)(ただ一つ、こいつが前者の場合であろうと後者の場合であろうと…左コーナーからノーマークで打たせるわけには…)
(#,,゚Д゚)「いかねえんだよゴルァァァァ!」
(#,,゚Д゚)(ノーマークで3点を決められたら延長…ここで、決める!)
(#,,゚Д゚)(ファウルして、スリースローを打たせる!)
(#,,゚Д゚)(試合でフリースロー3本を打つ機会は…ワンスロー、ツースローの場合と比べたら、格段に少ねえ!)
(#,,゚Д゚)(加えて、まさしく勝敗を分かつフリースローになる!スリースローの実践経験の乏しさ、プレッシャー…。
それを併せて考えれば、ミスをする確率は普段よりも高くなる!)
(#,,゚Д゚)(だが忘れちゃならねえのはバスカンでスリーを叩き込まれるケースだ、これだけは絶対に避けなきゃなんねえ)
(#,,゚Д゚)(右腕に思い切りファウルして、確実に外させる!)
607
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:09:36 ID:NSLlKWiw0
川#゚ -゚)「ギコおおおおっ!やめろ!避けるんだっ!!!」
(;,,゚Д゚)ビクッ!
/ ゚、。;/(クーさんが…)
<;ヽ`∀´>(叫んだ!?初めて見たニダ…)
(;,,゚Д゚)(今の声は、クーか?)
(,,゚Д゚)(一体どういう意味だ…?)
(,,゚Д゚)(そういえば、この試合はクーらしくないところが多々あったな)
(,,゚Д゚)(楽しそうに笑いながらプレーしたり、ヘバってたり…w)
(,,゚Д゚)(…いや、今のクーこそが本当のあいつなのかもしれねえな…)
(,,゚Д゚)(このひりつくような試合の中で…ちょっとは俺らに対して心を開いてくれたってことかね)
(,,゚Д゚)(…そういう意味では、VIP高に感謝しなきゃな、この試合、勝っても、負けても)
608
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:11:27 ID:NSLlKWiw0
反射的に、避けていた。
だが、ギコはブーンに全力で飛びかからん勢いだった。
その無理な体勢をさらに強引に動かしたため、肩からコートへ転げ落ちる。
(;,,゚Д゚)「ぐぉ…いって…」
着地は完全に失敗。
ごろごろと数度転がりながらも、目まぐるしく動く視界の中で、ボールを探す。
ボールの行方は、見えなかった。
そのかわりに――
――ぱしゅっ
――ビーーーーーーーーーッ!!
幾度となく聞いた、心地の良い音が聞こえた。
そのほぼ同時か、少し後か、ブザーが鳴り響いた。
609
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:12:49 ID:NSLlKWiw0
( ^ω^)「入ったお…」
(*^ω^)「は、はいったおおおおおおおおっ!!!!」
「ブザービーターで同点スリー!!」
「土壇場の土壇場で追いつきやがった!!」
「延長か!延長なのか!?」
610
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:14:22 ID:NSLlKWiw0
テーブルオフィシャルズが、審判のジェスチャーを確認し、デジタルの得点板を操作する。
今北産大附今北 85 - 82 VIP高校
カチッ
今北産大附今北 85 - 83 VIP高校
カチッ
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
( ^ω^)「……あれっ?」
611
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:15:17 ID:NSLlKWiw0
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
( ^ω^)「……えっ」
('A`)「……?」
(=゚ω゚)ノ「?」
_
( ゚∀゚)「?」
( ´∀`)「?」
(;´・ω・`)(まさか…!)
審判「スコア通り!85-84で、今北産大附今北の勝利です!」
612
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:16:13 ID:NSLlKWiw0
('A`;)「んなっ!?」
(;^ω^)「え?え?」
_
(;゚∀゚)「お…おい審判!なに言ってんだよ延長だろ!?間違えてんじゃねーぞ!」
審判「間違いではないですよ、5番の彼が打ったシュートは間違いなくブザーが鳴るよりも前に打たれたものでした」
_
(;゚∀゚)「だーーっから!そうじゃなくて!同点だろ!82たす3で、85!」
審判「…3ではなく、2です」
(;´∀`)「ま…まさか…」
審判「ええ、最後のシュートですが、右足がスリーポイントラインよりも大きくハミ出ていました。だから、2点です」
( ^ω^)「嘘…だお…?」
613
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:17:14 ID:NSLlKWiw0
第12章
It was another one step...
.
614
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:17:59 ID:NSLlKWiw0
今回の投下はこれで終わりです。
ありがとうございました。
615
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:20:27 ID://pxcCM20
うおおおおおおああああ負けたのかあああああ;;;;
おつかれさまでしたああああ!!!!
616
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:24:12 ID:kx5vtySwO
これ俺がブーン小説にハマり始めの頃読んでたやつだ
寮抜け出してネカフェで読ましてもらってた、いい思い出
面白さは相変わらずだな、乙!
617
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:24:38 ID:r1wBUnIwO
長かったけど一気に読めた
得点表示のシーン気をもたせるねえ
簡単には勝てないってことだな
618
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:44:41 ID:W2mtw5gkO
ω・`)…いい加減勝たせていいだろ
619
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 03:11:17 ID:EeW/.mlw0
待ってたよ、乙
今北には一度も勝ててないな…
620
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 21:37:31 ID:bXE5G1ysO
きてたのか
乙です
621
:
名も無きAAのようです
:2012/03/15(木) 19:03:21 ID:/Ph5hxy2O
最後までライバルチームに勝てない主人公チームって、
ストーリー的にどうなの。
622
:
名も無きAAのようです
:2012/03/17(土) 18:58:30 ID:miSsrZ.Q0
お疲れ
面白かった
乙!
623
:
名も無きAAのようです
:2012/03/23(金) 16:14:37 ID:U9pmp4iw0
今度はブーンが引きこもって終わりか
624
:
名も無きAAのようです
:2012/04/06(金) 04:41:51 ID:CSe9cNR20
作者はスラムダンクよりアヒルの空のほうが好きとみた
625
:
!ninja
:2012/04/06(金) 15:03:32 ID:yIslihCoO
作者ギコ好き過ぎだろ!!!!
626
:
名も無きAAのようです
:2012/04/07(土) 06:35:40 ID:YQvBbYeMO
また『敗戦→分裂→仲直り』のパターンか。
627
:
名も無きAAのようです
:2012/05/14(月) 02:02:38 ID:IUYFkzbE0
そして誰もいなくなった
628
:
名も無きAAのようです
:2012/05/15(火) 00:57:15 ID:xM8QRgd20
待ってるぜ
629
:
名も無きAAのようです
:2012/05/28(月) 07:17:01 ID:y55aGFFYO
またエタるなら復帰なんかしなけりゃ良かったのに。
630
:
名も無きAAのようです
:2012/06/05(火) 11:08:49 ID:umTgoVG.0
クーとニダーがかわいい
631
:
名も無きAAのようです
:2012/06/21(木) 13:10:45 ID:fhjLR.I.0
3ヶ月生存報告もなしか
632
:
名も無きAAのようです
:2012/07/07(土) 16:13:38 ID:yjzaiBXo0
復活希望
633
:
名も無きAAのようです
:2012/07/07(土) 16:39:45 ID:ftQyHETs0
待ってます
634
:
名も無きAAのようです
:2012/09/08(土) 00:55:00 ID:IgY5n6Wo0
まだー?
635
:
名も無きAAのようです
:2012/09/08(土) 01:39:46 ID:Wp7FGVvQO
是非完結させて欲しい
私の青春
636
:
名も無きAAのようです
:2012/09/12(水) 12:21:59 ID:3Sehj4zw0
絶対、完結、してくれる、信じて、待ってます
637
:
名も無きAAのようです
:2012/09/26(水) 18:44:51 ID:7/kWVNk2O
期待age
638
:
名も無きAAのようです
:2012/10/02(火) 07:25:52 ID:rEWFMyhA0
死んだか
639
:
名も無きAAのようです
:2012/10/31(水) 19:54:04 ID:/WMmsamM0
まだかー
640
:
名も無きAAのようです
:2012/11/19(月) 06:11:42 ID:/2M1mgio0
ずうぅぅっとまってるぜ
641
:
名も無きAAのようです
:2012/11/27(火) 17:52:57 ID:mMMVSBQA0
age 待ってるぞぉ
642
:
名も無きAAのようです
:2013/01/16(水) 23:13:03 ID:LnqTbbHU0
復活熱望
643
:
名も無きAAのようです
:2013/03/21(木) 02:54:55 ID:NJmaDGRY0
待ってるかんな
644
:
名も無きAAのようです
:2013/03/21(木) 21:35:58 ID:5qRz2CC6O
もうこないだろ
645
:
名も無きAAのようです
:2013/03/22(金) 16:03:59 ID:prUCyEDI0
ゆっても4年くらい音沙汰なかったのちにいっぺん帰ってきたわけだから
また暇ができたときにひょっこり戻ってきてくれたら嬉しいよ
646
:
名も無きAAのようです
:2013/04/03(水) 18:17:31 ID:4LrI2GC.0
そうそう戻ってきてくれるの分かったんだから、楽しみに待てるわ
647
:
名も無きAAのようです
:2013/08/01(木) 18:57:57 ID:e46v/C2E0
あげ
648
:
名も無きAAのようです
:2013/12/02(月) 15:54:35 ID:YqT7vB3Y0
クーが出てからつまらなくなってる
好きなのはわかるけど、愛が裏目に出てる
649
:
名も無きAAのようです
:2014/07/08(火) 10:58:40 ID:HlZA0LBc0
そして2年が過ぎた
最後の夏だしあとちょっとだろうから見届けたい
650
:
名も無きAAのようです
:2014/07/30(水) 00:01:51 ID:bIHJFMeA0
もう2年か・・・時が立つのは早いな
いつまでも待つぜ!
651
:
名も無きAAのようです
:2015/06/21(日) 10:46:55 ID:jff8rWkE0
3年たったけど全然待てるぜ!!!
社会人なる前に続き出たらうれしいぴょん
652
:
名も無きAAのようです
:2016/02/03(水) 23:44:26 ID:ORs/tYkk0
ふと思い出した
653
:
名も無きAAのようです
:2019/09/07(土) 21:00:03 ID:vBWyFTZA0
あげ 待ってる
654
:
名も無きAAのようです
:2020/05/01(金) 07:40:07 ID:UWhflkmc0
あげ
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