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( ^ω^)男は可愛く美しくのようです
161
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:01:57 ID:tQ3m25.2O
【メイド イン ハイン】
ζ(゚ー゚*ζ「最近ジョルジュがバイトを始めたって本当?」
( ・∀・)「うん、外の喫茶店で働いているらしいよ」
ζ(゚ー゚*ζ「モララーは、どこで働いてるか知ってるの?」
( ・∀・)「一応勤務先の住所なら知っているけど」
ζ(゚ー゚*ζ「それなら話は早いね。では早速ジョルジュの働き振りを見にいこっ!」
( ・∀・)「たぶん嫌がると思うよ? あっ、ちょっと、引っ張らないで……!」
.
162
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:03:44 ID:tQ3m25.2O
(;・∀・)「ここで、間違ないはずなんだけど……」
ζ(゚ー゚*ζ「こちら蛇、これより潜入を開始する!」
从 ゚∀从「おかえりなさいませ、御主人さ……」
( ・∀・)「や、やあ」
ζ(゚ー゚*ζ「うむ、今帰ったぞよ!」
从 ゚∀从「おい、なにしに来やがった」
ζ(゚ー゚*ζ「ちみ、お嬢様に向かってその態度はないんじゃないかな?」
从 ゚∀从「おかえりくださいませ、お嬢様」
ζ(゚ー゚*ζ「おかえりなさいませ、の間違いだよね?」
从 ゚∀从「本日は血祭りデーとなっております。オムライスにテメェの血で絵を描いてやっから、中に入るなら覚悟を持ってお進みください!」
ζ(゚ー゚;ζ「怖っ! かつてないサービス!」
从 ゚∀从「うちはサービスの高さが売りですから。リアルに出血大サービスです」
イ从゚ ー゚ノi、「……ハイン……遊んでないで働く……」
从;゚∀从「いえ、別に遊んでるわけじゃなくてですね。あーもう! 御主人様とお嬢様の二名ですね、お席へ案内させて頂きます」
ζ(゚ー゚*ζ「初めから素直に接客すれば早かったのにね」
从 ゚∀从「……お前ら、後で覚えてろよ」
(;・∀・)「そこはやっぱり僕も含まれるんだ」
.
163
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:05:36 ID:tQ3m25.2O
( ・∀・)「カウンター席しかないんだね」
ζ(゚ー゚*ζ「なんていうか思ってたより普通だねー」
从 ゚∀从「うちでは基本的に飲食店以上のことはやってませんから。話し掛けて頂ければ、もちろんそれに答えたりはしますが」
( ・∀・)「最初にいってたけど、オムライスに絵を描いたりとかは?」
从 ゚∀从「もちろん絵を描いたりなど、ご注文の品に対するサービスはしますよ」
ζ(>ー<*ζ「……ぷっ、くふふ。ハインが私達に敬語使ってるとか、うくふふ」
( ・∀・)「わ、笑っちゃ駄目だよ! 向こうはお仕事なんだから」
ζ(゚ー゚*ζ「っ、分かってるけど分かってるけど、こんな方向のギャグはずるいって……!」
从 ゚∀从「他のお客様の迷惑にならない程度でしたらどうぞ、笑えよデレ」
(;・∀・)「ほら、ハインがセルみたいになったじゃないか!」
ζ(゚ー゚*ζ「見た目はキタローみたいなのにね」
164
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:08:25 ID:tQ3m25.2O
从 -∀从「……それでご注文はいかがなされやがりますか?」
(;・∀・)「どこかで見たことあるような敬語になってるし、これ以上刺激しちゃ駄目だよ」
ζ(゚ー゚*ζ「えー、仕方ないなあ。んっと、モララーはガッツリいく派?」
( ・∀・)「軽食程度なら食べられるかな」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあここはせっかくだからオムライスにしとく?」
( ・∀・)「そうだね、それが一番記念になりそうだ」
ζ(゚ー゚*ζ「おいキタロー、萌え萌えオムライス二つじゃ」(裏声)
从 ゚∀从「誰がっ、……萌え萌えオムライス二つですね、かしこまりました」
ζ(>ー<*ζ「ぷっ、くっ、ハインが萌え萌えだって!」
(;・∀・)「だからあんまり刺激しちゃ駄目だってば!」
.
165
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:10:14 ID:tQ3m25.2O
从 ゚∀从「萌え萌えオムライス二つです。何をお描きしましょうか」
( ・∀・)「なんでもいいの?」
从 ゚∀从「あまり複雑じゃない、私に描ける範囲のものでしたら」
(* ・∀・)「ならね、僕はニンジンの絵がいいな」
从 ゚∀从「相変わらずニンジン大好きだな。それぐらいでしたら、よっと」
( ・∀・)「ハインって絵が上手なんだね」
从 ゚∀从「まあそれなりには。それでお嬢様は?」
ζ(゚ー゚*ζ「あんまり複雑なのはできないんだよね。なら私は冨嶽三十六景、礫川雪ノ旦がいいな」
(;・∀・)「まさかの葛飾北斎! しかも高波で有名な神奈川沖浪裏ではなく、唯一の雪景色を描いた礫川雪ノ旦を持ってくるとは!」
从 ゚∀从「まあそれぐらいでしたら」
(;・∀・)「しかも描けるの!? 真っ赤なケチャップで淡く降り積もる雪を表現できるのっ!?」
从 ゚∀从「こんな感じですかね」
(;・∀・)「やべえええええ!! 雪どころか女性が指差す先で飛ぶ、三羽の鳥が表す空の広さを表現できてるし、これ博物館に送るレベルだよっ!!」
ζ(゚ー゚*ζ「私、グチャグチャに混ぜるタイプなんだよねー」
(;・∀・)「うわああああ!? それをなんか残念そうな子がグチャグチャにしたああああああ!!」
从 ゚∀从「御主人様、店内ではお静かにお願いします」
(;・∀・)「ええっ、僕が悪いの!?」
.
166
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:11:31 ID:tQ3m25.2O
イ从゚ ー゚ノi、「……ハイン……まずいことになった……」
从 ゚∀从「どうしたんですか?」
イ从゚ ー゚ノi、「店長が……車で事故って……来られない……」
从;゚∀从「事故って、大丈夫なんですか?」
イ从゚ ー゚ノi、「大丈夫……怪我はない……でも念の為……病院で検査して来るって……」
从 ゚∀从「大事ないならいいですけど、でもどうします? ホールのメイドが副店長と俺だけだと」
イ从゚ ー゚ノi、「うん……これからお客さんも増える……困った……」
从 ゚∀从「むー、あっ! 俺にいい考えがあります!」
.
167
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:12:48 ID:tQ3m25.2O
l从・∀・ノ!リ人「なんで僕達がメイドなんて」
ζ(゚ー゚*ζ「これで、今日やりたい放題やったことチャラだからね」
从 ゚∀从「すまん、他のバイトの人は誰も捕まらないし、緊急事態だったんだ」
イ从゚ ー゚ノi、「……ありがとう……凄く……助かる……」
ζ(゚ー゚*ζ「まあ、私は学園のカフェでもウェイトレスのバイト経験ありますから、余裕ですけど」
从 ゚∀从「あっ、お客さんが来たぞ。ならデレ、任せてもいいか?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、お任せー!」
168
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:14:28 ID:tQ3m25.2O
ζ(゚ー゚*ζ「おかえりなさいませ、御主人様! 御飯にします? お風呂にします? それともわ・た・し?」
从#゚∀从「沈めるぞっ!」
( ^ω^)「あー、大丈夫だお」
('A`)「あからさまに、こいつは俺達だと気付いてボケたからな」
ζ(゚ー゚*ζ「本当に私をご所望でしたら夜這いをかけますが」
从 ゚∀从「そもそも知り合いだからって、ボケなくていいんだよ!」
l从・∀・ノ!リ人「遊んでないでこっち手伝ってよー!」
ζ(゚ー゚*ζ「あらほらさっさっー! 御主人様二名ですね、こちらへどうぞ」
.
169
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:17:17 ID:tQ3m25.2O
( ・∀・)「ああ、今日は疲れた……」
( ゚∀゚)「お疲れさん。初めての立ち仕事は足にくるだろ?」
( ・∀・)「うん、もう棒だよ」
( ゚∀゚)「なら今日の礼に俺がマッサージしてやるよ」
( ・∀・)「別にいいって、ひゃっ」
( ゚∀゚)「よく凝ってますねー、お客さん」
( ・∀・)「もう、強引だなあ」
( ゚∀゚)「もうちょい筋肉つけろよ、ぷにぷにじゃねえか」
( -∀-)「なかなか筋肉がつかない体質なの」
( ゚∀゚)「まあ確かに筋肉質なモララーなんて想像つかねえけどな」
( ・∀・)「……あのさ、ジョルジュはなんで急にバイトを――」
ζ(゚ー゚*ζ「どーん! 夜這いに来たぞー!」
( ゚∀( ・∀・)
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫だから! 私はそういうの理解ある方だから!」
(;・∀・)「なんかすっごくデジャヴ!」
ζ(゚ー゚*ζ「ていうか今回は私も混ざるー!」
( ゚∀゚)「うおっ、のしかかってくんな」
(;・∀・)「重い、重いからっ、もう!」
.
170
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:20:52 ID:tQ3m25.2O
【僕とハインとみんなの学園祭】
从 ゚∀从「調子はどうよ」
l从・∀・ノ!リ人「んー、このままいけば大丈夫かな。教室の方はどうなの?」
从 ゚∀从「こっちはもうほとんど終わったよ。多少安っぽいけど、学園祭なんかだとそれが味だよな」
l从・∀・ノ!リ人「飾り付けが安っぽいなら、エプロンだけこんなに本格的に縫わなくても」
从 ゚∀从「せっかく着るなら可愛いのがいいって、クラスの総意なんだから仕方ないだろ」
l从・∀・ノ!リ人「まあ、僕も着るなら可愛い方がいいけどね」
从 ゚∀从「この女装師め」
l从・∀・ノ!リ人「それは全員だよ。よし、ちょっとこのエプロン付けてみて」
从 ゚∀从「ん、似合うか?」
l从・∀・ノ!リ人「似合ってるよ。うちの女装制服はワンピースだから、ちゃんとエプロンドレスみたいになってるね」
171
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:23:01 ID:tQ3m25.2O
从 ゚∀从「でもさ、余裕で間に合うのもなんか物足りないよなぁ」
l从・∀・ノ!リ人「何が物足りないのさ」
从 ゚∀从「こう、徹夜で終わんねえって叫びながら、学校に泊まっていくみたいなの?」
l从・∀・ノ!リ人「徹夜作業はともかく、寮が近いんだから泊まってく人はいないんじゃないかな」
从 ゚∀从「学園祭の醍醐味じゃん、友達と一緒に寝るとかさ」
l从・∀・ノ!リ人「僕とはいつも一緒に寝てるじゃないか」
ζ(゚ー゚*ζ「その発言だけ聞くとやらしいよねー」
l从・∀・ノ!リ人「いつの間に。いやらしいことは何一つありません!」
从 ゚∀从「いや、実際妹者の寝顔って若干いやらしいんだけどな。ほれ、写メに撮ってみた」
ζ(゚ー゚*ζ「うわあ、なんで服がはだけてるの? なんで頬が紅潮してるの?」
l从・∀・ノ!リ人「なんでそんなの写メしてるんだよ!」
从 ゚∀从「なんかのネタになるかなって」
ζ(゚ー゚*ζ「あー、ズリネ――」
l从・∀・ノ!リ人「それ以上続けるならデレの口も縫うよ?」
ζ(゚ー゚;ζ「ははは、軽い冗談じゃないですか」
.
172
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:24:39 ID:tQ3m25.2O
l从・∀・ノ!リ人「ふう、終わった」
从 ゚∀从「お疲れさん。この後は流れ解散だとよ」
ζ(゚ー゚*ζ「なら学校に泊まるために寝袋を用意しないと」
l从・∀・ノ!リ人「本気で泊まる気なの? 僕は寮へ帰るからね」
ζ(゚ー゚*ζ「ぶーぶー、少しは乗ってくれてもいいのに」
l从・∀・ノ!リ人「疲れたから、僕はさっさとお風呂に入って寝たいの」
ζ(゚ー゚*ζ「なら大浴場で背中洗いっこしよ」
从 ゚∀从「ふふふ、俺のバリかたタオルに耐えられるかな」
l从・∀・ノ!リ人「はいはい、二人とも帰るよ」
.
173
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:28:14 ID:tQ3m25.2O
川 ゚ -゚)「このクラスは、随分と込み合っているのだな」
ξ゚⊿゚)ξ「友達喫茶ね。店員が敬語を使わないことをご了承くださいとは書いてあるけど」
川 ゚ -゚)「どうやら次が私達の番だぞ」
从 ゚∀从「いらっしゃいませ。わざわざ来てくれてありがとな、今席に案内するから」
ξ゚⊿゚)ξ「え、ええ」
从 ゚∀从「二人で良かったよな? さすがに俺はずっと一緒にはいられねえけど、のんびりしてってくれな」
川;゚ -゚)「な、なあ、ハイン。友達喫茶とはどういうものなんだ?」
从 ゚∀从「店員が友達のように、気さくに接してくれるカフェですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「どういう意味があるの、それ?」
从 ゚∀从「友達が出し物やらなんやらで一緒に行動できない。そしたらその時間は、一人で寂しく学園祭を楽しむことになるじゃないですか」
川 ゚ -゚)「まあ、そういう者もいるかもしれんな」
从 ゚∀从「そんなときの時間潰しに友達喫茶ですよ。とりあえずなんか楽しかったかな? という思い出作りのための店です」
ξ゚⊿゚)ξ「その割には外部の人も多いみたいだけど?」
从 ゚∀从「案外親御さんにも人気が出ましてね。学生時代を思い出すとかで」
川 ゚ -゚)「需要があるならばいいんだが」
从 ゚∀从「それでは改めて。まだ仕事が残ってるから、注文決まったら気軽に呼んでくれよな」
.
174
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:30:38 ID:tQ3m25.2O
l从・∀・ノ!リ人「マドレーヌで良かったよね。はい、どうぞ」
(-_-)「ありがとう。頂きます」
l从・∀・ノ!リ人「あっ、ちゃんと手は拭いた?」
(-_-)「はう? フォークを使うから別にいいかなって」
l从・∀・ノ!リ人「もう横着なんだから。はい、お手拭き。手は清潔にしないと駄目だよ?」
(-_-)「ごめん、気をつけるよ」
l从・∀・ノ!リ人「うん、分かってくれたなら、今回はよしにしてあげる」
川 ゚ -゚)「なんというか」
ξ゚⊿゚)ξ「向こう、友達のやり取りと違うくない? 距離近いし」
从 ゚∀从「そこはまあ、友達の範疇は店員個人の判断だから」
川 ゚ -゚)「あからさまにそういう商法じゃないのか、あれ」
从 ゚∀从「素に戻っていわせてもらいますと、俺と二人のときいつもあんな感じですよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「マジで?」
从 ゚∀从「互いに友達の距離感っていまいち分かんないんで、よくデレに茶化されてますけどね」
川;゚ -゚)「それでよくお前達が、友達喫茶をやろうと思ったな」
.
175
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:35:11 ID:tQ3m25.2O
ζ(゚ー゚*ζ「交代するよー! 二人とも適当に遊んで来ていいからね」
从 ゚∀从「ほれ、エプロンパス!」
ζ(゚ー゚*ζ「ジャキーン! これが女装師の最終戦闘形態(マックスバトルフォーム)だ!!」
从;゚∀从「うっ、デレの血が赤から青に……!」
l从・∀・ノ!リ人「馬鹿やってないでいくよ」
从 ゚∀从「分かったよ、ディーノ」
l从・∀・;ノ!リ人「誰!?」
ζ(゚ー゚*ζ「ディーノとはアルキード王国の旧い言葉で『強き竜』と言う意味だ」
l从・∀・;ノ!リ人「知らない、そんな王国は知らない!」
从 ゚∀从「ほら馬鹿やってないでいくぞ」
l从・∀・ノ!リ人「それは僕の台詞だよ!」
.
176
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:37:13 ID:tQ3m25.2O
从 ゚∀从「はふはふ、このたこ焼きカリッとしててなかなかいけるな」
l从・∀・ノ!リ人「火傷しないように気をつけてね」
从 ゚∀从「むー、妹者も食うか?」
l从・∀・ノ!リ人「僕はいいよ、蛸がちょっと苦手だから」
从 ゚∀从「だったら最初に蛸だけ俺が食って。ほれ、あーん」
l从・∀・*ノ!リ人「あむっ、はむはむ。本当だ、美味しいね」
从 ゚∀从「次は妹者も食いやすいもの買うか」
l从・∀・ノ!リ人「ハインの好きなの食べなよ。その方が見てて楽しいしさ」
从 ゚∀从「なんかそれって、餌づけされてる動物みたいだな」
ノパ⊿゚)『まもなくライブ会場でプロのアーティスト、渡辺氏によるコンサートが始まります。大変な混雑が――』
l从・∀・ノ!リ人「渡辺って、いつもオリコンチャート一位を独占している人だよね?」
从 ゚∀从「最近調子を落としてたと思ったら、先月からまた復活したんだよな。しかし、あんな売れっ子がよく来てくれたなあ」
l从・∀・ノ!リ人「僕達もいってみる?」
从 ゚∀从「そうだな、すぐ近くは無理でも聞こえる範囲にはいけるだろ」
.
177
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:39:02 ID:tQ3m25.2O
ノパ⊿゚)「すみません、段取り悪くて」
从´ヮ`从ト「あはは、本当だよね」
ノパ⊿゚)「あんたのせいだろうがあああああ!!」
从´ヮ`从ト「ごめんねー? 渡辺っち」
从'ー'从「ううん、気にしてないよ。私はもう一度この舞台で歌えるだけで幸せだから」
ノパ⊿゚)「ですが――」
从'ー'从「ヒートちゃん。あなたは誰よりも本当に自分のために、心から歌ったことってある?」
ノパ⊿゚)「い、いえ、ありませんが」
从'ー'从「そういうことだよ。私は今日だけプロではなく、一人の卒業生として歌うから!」
.
178
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:41:02 ID:tQ3m25.2O
从'ー'从「四度目の桜♪ 変わらず綺麗なはずなのに霞んで見えなかった♪」
l从-∀-ノ!リ人「……凄いね」
从 -∀从「ああ、すげえな。一言一言に魂が込められてるみたいだ」
l从・∀・ノ!リ人「覚えてる? 入学式で見た桜、綺麗だったよね」
从 ゚∀从「あんまりにも幻想的過ぎて、別世界にでも迷い込んだかと思ったよ」
l从・∀・ノ!リ人「来年、進級したときに見る桜もさぞ綺麗だろうね」
从 ゚∀从「三年になって見る桜も綺麗だろうさ」
l从-∀-ノ!リ人「そして僕達もいつか卒業して、あの桜並木を通って出て行くとき」
从 -∀从「今までの先輩達みたいに涙を流すのかね」
.
179
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:43:33 ID:tQ3m25.2O
lw´‐ _‐ノv「ちょっとそこいくお兄さん。遊んでかない? いい子いるよ」
l从・∀・;ノ!リ人「なんでポン引きみたいなんですか!」
lw´‐ _‐ノv「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は――」
l从・∀・ノ!リ人「なんでフーテンになってるんですか。そもそも姓は車じゃないでしょう!」
lw´‐ _‐ノv「拙者親方と申すは、お立ち会いのうちにご存じの」
l从・∀・ノ!リ人「別に口上が聞きたいわけでは、ってもしかして外郎売りが出し物ですか?」
lw´‐ _‐ノv「全っ然違う。占いの館へようこそ」
l从・∀・ノ!リ人「ようこそって、まだ入るかも決めてないのに」
从 ゚∀从「いいじゃん、面白そうだし入ろうぜ」
l从・∀・ノ!リ人「まあ、ハインがそういうなら」
lw´‐ _‐ノv「はい二名様ご案内!」
.
180
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:47:04 ID:tQ3m25.2O
川д川「いらっしゃいませ。占いの館へようこそ」
从 ゚∀从「そうだなあ、金運でも占ってもらおうかな」
l从・∀・ノ!リ人「じゃあ僕は健康運」
川д川「あの、すみません。ここは相性占いしかやってないんですけど……」
从 ゚∀从「なら静電気でバチッてなる、相性の悪いものを教えてもらおうか」
l从・∀・ノ!リ人「なぜかいつも同じドアノブでバチッてなるんだよね。他の人はそんなことなさそうなのに」
川д川「あ、あのあの、その、お二人の相性しか占えないんですが……」
从 ゚∀从「おう、姉ちゃん。あれも駄目これも駄目て、こっちも遊びでやってるわけじゃないんだよねえ」
川д川「ひっ、すみませんすみません」
l从・∀・ノ!リ人「管を巻かないの。では二人の相性を占ってもらえますか」
川д川「は、はい。むっ……お二人の相性はかなり良いようですね。普段は大きく口にはしませんが、互いを深く想い合っています」
从 ゚∀从「なんか照れくさいな」
川д川「ですが二人の間には大きな隠し事が存在します。それが浮き彫りとなったとき、果たしてどうなるのか」
l从-∀-ノ!リ人「…………」
川д川「もし迷ったなら、思い切って行動してみてください。二人の結び付きを強くするアイテムは――」
.
181
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:50:36 ID:tQ3m25.2O
从 ゚∀从「それなりにいい結果だったのかね」
l从・∀・ノ!リ人「占いは所詮占いだって最後にいってたじゃないか。気の持ちようだよ」
从 ゚∀从「なんか怒ってる?」
l从・∀・ノ!リ人「そうじゃないけど、……ごめん。ちょっと気になることをいわれたから」
从 ゚∀从「気にすんなよ。占いは所詮占いだ、気の持ちようだって」
l从・∀・*ノ!リ人「もう、それ僕が今いったばっかりだよ」
.
182
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:52:36 ID:tQ3m25.2O
ミセ*゚ー゚)リ「みんなー! 盛り上がってるー?」
ミセ*゚ー゚)リ「声が小さいよ! もう一度、みんな盛り上がってるー?」
ミセ*゚ー゚)リ「うんうん、ミセリンもみんなに負けないぐらい盛り上がってるよー!」
(゚、゚トソン「さて、これをなしに我が校の学園祭は終われない。お待ちかねのミス・コンテストだ!」
ミセ*゚ー゚)リ「さすがにトソトソも今回ばかりは毒を吐かないね」
(゚、゚トソン「お望みとあらば吐くけど?」
ミセ*゚ー゚)リ「さすがに大舞台だし、そんなことしたら今回ばかりは校長にも怒られるでしょ」
(´・ω・`)「であるからして、そもそも学園祭のミスコンとは、後夜祭として僕達が若い頃に――」
(゚、゚トソン「ミスコンテストのテーマはなんでもありだ! とにかく可愛く綺麗に美しく己を表現できた者が優勝となる!」
.
183
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:55:06 ID:tQ3m25.2O
ζ(゚ー゚*ζ「わあ、きらびやか!」
从 ゚∀从「みんな、もの凄く気合い入ってるな」
川 ゚ -゚)「ミスコンテストに優勝するということは、その年の学園一でもあるといえるからな」
从 ゚∀从「学園一ですか。そういえば去年の優勝者は誰だったんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「去年の優勝者はもう卒業してて、今年は参加してないわよ。つー先生の妹さんだから、この会場のどこかで見てるとは思うけど」
ζ(゚ー゚*ζ「つー先生に妹さんなんていたんですね、お姉様」
ξ゚⊿゚)ξ「あんまりくっつかないの。せっかくセットしたのに乱れちゃうでしょ」
ミセ*゚ー゚)リ「それではミスコンの始まり始まりー!」
.
184
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:58:19 ID:tQ3m25.2O
【僕のミス・コンテスト――開幕】
l从-∀-ノ!リ人「…………」
動機は単純、ただ逃げたかったから。
僕は本気で女装師になりたいわけじゃなかった。
女装の授業は真面目に取り組んだ。
性分だというのもあったが、この技術がどこかで役立つこともあるかと考えたから。
ただ、そんな偽者の僕が彼等と同じ舞台へ上がってもいいのだろうか。
心のどこかでずっとそれを感じていた。
l从・∀・ノ!リ人「…………」
ここへ入学する生徒は問題を抱えている者が多い。
にもかかわらず、彼等の陰鬱とした表情など、ついぞ見かけることはなかった。
l从・∀・ノ!リ人「だけど、それは僕もなんだよな」
騒いで、馬鹿をやって、女装して、気がつけば笑顔になっている。
l从・∀・ノ!リ人「迷ったなら思い切って行動しろ、か」
最近になってやっと気付けたんだ。
始まりは嘘だったけど、今の僕は――
l从・∀・ノ!リ人「女装師として、舞台の上では誰にも負けたくないっ!」
.
185
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 01:00:49 ID:tQ3m25.2O
l从・∀・ノ!リ人「もうそろそろ僕達の番だね」
从;゚∀从「うおっ!? 十二単なんて、どこで用意したんだよ」
l从・∀・ノ!リ人「ハイン、僕は女装師として誰にも負けないから!」
从 ゚∀从「ああ、俺も女装師として誰にも負けねえ!」
認識を改めないといけない。
ここへ入学するのは、ちょっと変わり者で、だけど優しくて、そして死ぬほど負けず嫌いなやつらだ。
(゚、゚トソン「次にエントリーしている者は――妹者!」
もちろん僕を含めてね。
.
186
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 01:13:10 ID:tQ3m25.2O
投下終了です、お付き合い頂き感謝感激雨霰
しかし、中耳炎ってなんであんなに痛いんでしょうね
イ从゚ ー゚ノi、「……読んでくれて……ありがとう……凄く嬉しい……」
イ从゚ ー゚ノi、「ここから先は……私のコーナー……私のことは副店長か……」
イ从*- 、-ノi、「……キツネって……呼んでほしい……」
o川*>ー<)o「ちぇいちぇいちぇーい! ちょっと待った! ここはキュートのコーナーなのっ!」
イ从゚ ー゚ノi、「……そんなこと……知らない……」
o川*゚ー゚)o「だいたい学園祭ってほとんどフルメンバー登場なのにだよ? キュートがいないっておかしくない!? いや、おかしい!」
o川*゚ー゚)o「ふこーへーだ! 何者かの陰謀だ! みんなが見てない間にどれだけキュートが学園祭で活躍したか」
イ从゚ ー゚ノi、「それじゃあ……また見てね……」
o川*>ー<)o「勝手に終わらせないで――」
187
:
名も無きAAのようです
:2011/11/01(火) 23:44:59 ID:xo6ylAVc0
乙乙!ミスコン続きが気になるなあ
ミセリトソン擬人化ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_754.jpg
188
:
名も無きAAのようです
:2011/11/02(水) 13:16:09 ID:lfnJSjrAO
キマシタワー!!
お揃いのヘアアクセとか女装制服まで細かく考えて頂いてありがとうございます!
ミセトソ可愛い、特にミセリンが鼻血出るほど可愛い
うん、誰かに見られなければ携帯の待ち受けにしても大丈夫だよね……?
ミスコンの結果は一応考えてまして
実家に一度戻ったことで色々と吹っ切れたのか、クールが歌舞伎舞踊を踊り優勝しました
今回は司会でも参加できるので、三年生の実力を見せつけて二位にミセリンが
だめだめっぷりが意外と好評な生徒会長が三位に
実は本当に活躍していたキュートが四位に
そして一年生では異例の高順位として五位に妹者が入ってます
189
:
名も無きAAのようです
:2011/11/03(木) 22:36:00 ID:NZNmZgZ6O
キュート活躍してたんだwww
みんな青春だな乙!
190
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 01:32:17 ID:ZlTifLMwO
乙です!
いつも楽しみにしてますお姉さま
しかしツンが五位以内に入ってないとは意外
191
:
名も無きAAのようです
:2011/11/06(日) 08:48:21 ID:st2bmUC6O
実力ならツンが上ですが今回は妹者に気迫負けしました
普段の成績はツンとキュートは同程度ですが、キュートは何やら本番に強いようです
来週の日曜日までには次の投下をできるように頑張ります
次回は十一月の話で、クリスマスでもないのに糖分の高そうな話になってます
192
:
名も無きAAのようです
:2011/11/06(日) 15:03:43 ID:aHw4RLnE0
楽しみにしているよ
193
:
名も無きAAのようです
:2011/11/13(日) 20:21:31 ID:CG3YNwX.O
日曜日までには投下したいと申しましたがどうにも明日になりそうです
期日を守れなくてすまぬ……すまぬ……
御待ち頂く間、
>>187
にインスピレーションを受けた短編を一つどうぞ
194
:
名も無きAAのようです
:2011/11/13(日) 20:24:51 ID:CG3YNwX.O
【二人で一つのミセトソ】
ミセ*゚ー゚)リ「うぅ、すっかり冬めいてきましたな」
(゚、゚トソン「十一月だからね。さすがにいつまでも秋というわけにはいかないだろうさ」
ミセ*゚ー゚)リ「トソトソは手袋しないで寒くないの?」
(゚、゚トソン「仮にボクが寒かったとしてだ、キミになんの関係がある?」
ミセ*゚ー゚)リ「素直に手袋してくるの忘れたっていえばいいのに」
(゚、゚トソン「そう、確かにボクは手袋をしてくるのを忘れた。かといって――」
ミセ*゚ー゚)リ「はい、片方貸したげる」
(゚、゚トソン「……片方だけ借りてなんの意味があるんだ。お互い片手が寒いだけだろうに」
ミセ*゚ー゚)リ「あまった手はほら、こうやって繋げば二人とも暖かいよ」
(゚、゚トソン「それで、指まで絡める必要はあるのか」
ミセ*゚ー゚)リ「そっちの方が暖かいかなって」
(-、-トソン「本当に暖かくなるならボクも文句はないけどね」
195
:
名も無きAAのようです
:2011/11/13(日) 20:28:38 ID:CG3YNwX.O
ミセ*゚ー゚)リ「ちなみにこの手の繋ぎ方、恋人繋ぎっていうんだって」
(゚、゚;トソン「なっ!?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふっふっふっ。一度捕まったが最後、振りほどけまい! ぎゅー」
(゚、゚トソン「くっ、明日からは絶対に手袋を忘れないようにする」
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫だよ、今度は私が忘れるから」
(゚、゚トソン「もしキミが忘れたとしても、ボクは貸したりしないけどね」
ミセ;゚ー゚)リ「冷たっ! 寒冷前線より冷たいよトソトソ!」
(-、-トソン「……まあ、今回の借りがあるから一度だけなら貸さないでもないけど」
ミセ*゚∀゚)リ「このツンデレめー!」
(゚、゚;トソン「腕を組みに来るな! ええい、うっとうしい!」
.
196
:
名も無きAAのようです
:2011/11/13(日) 20:33:05 ID:CG3YNwX.O
恋人繋ぎってなんかもうやばいぐらいに良いですよね
ではまた明日投下させて頂きたいと思います
197
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 19:12:07 ID:GiByjQqc0
トソンマジ天使
198
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 21:16:10 ID:1hOAgzrE0
うおおおおお!!ミセトソかわいいいい
絵を描いてよかったぜ…
199
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 21:36:21 ID:9uTdnqHA0
>>198
(´^ω^`)おっと見逃さないぜ絵師さんよ!
(´・ω・`)ほら、さらにミセトソの絵を描く準備をするんだ!今すぐ!
200
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 22:53:21 ID:bWa6mdQwO
>>198
ミセトソの絵はありがたく携帯の待ち受けに使わせて頂いております
開く度に百合百合しくてミセトソ萌え!
では昨夜の続きにあたる第八回目、十一月の話を投下させて頂きます
201
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 22:55:34 ID:bWa6mdQwO
【ベルサイ湯の薔薇】
ノパ⊿゚)「ランランリル〜♪」
o川*゚ー゚)o「ヒートっていつも左腕から洗うよね」
ノパ⊿゚)「そうか? 自分では意識したことなかったけど」
川*゚ -゚)「はふぅ、極楽極楽」
ξ゚⊿゚)ξ「年寄りくさいわよ」
川 ゚ -゚)「湯船に浸かったら極楽または生き返るというのは、日本人としてのルールだろう」
ノパ⊿゚)「誰が決めたルールだよ」
o川*゚ー゚)o「キュートも仲間に入ーれーてっ☆」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、飛び込まないの!」
ノパ⊿゚)「まったく、風呂くらい落ち着いて入れないのか」
lw´‐ _‐ノv「ヒート、私が背中を洗ってしんぜよう」
ノパ⊿゚)「さんきゅ、頼むわ」
lw´‐ _‐ノv「では失礼をば」
ノハ;゚⊿゚)「ふわっ!? なんで身体を密着させる!」
lw´‐ _‐ノv「こういうときは、身体と身体をこすりつけて洗うのが日本人としてのルールかと」
ノパ⊿゚)「お前の中でどんな民族なんだよ日本人はっ!」
202
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 22:57:28 ID:bWa6mdQwO
川川 ゚ -゚)「ん? 私の髪はこんなにも長かったか?」
「どうしました?」川д川;゚ -゚)「うおわっ!?」
川 ゚ -゚)「はあ……、貞子か。驚かすな」
川д川「す、すみません。しかし奇遇と申しますか、見事に二年生ばかりですね」
lw´‐ _‐ノv「シャワーから米が出たらライスシャワーになるのだろうか」
ノパ⊿゚)「そうだ、珍しい機会だから少し聞いてもいいか? みんなは卒業後の進路ってどうするつもりなんだ?」
lw´‐ _‐ノv「戦国武将達は露天風呂に浸かりながら、互いの夢を語りあったという」
ノパ⊿゚)「夢っていうか、私達ももう少しで三年生になるんだから現実的な話でだよ」
o川*゚ー゚)o「キュートはねー」
ノパ⊿゚)「悪い、ギャグ抜きで頼む」
o川;゚ー゚)o「内容を話す前からギャグだと思われたの!?」
203
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:00:09 ID:bWa6mdQwO
川 ゚ -゚)「私は元々家業が夢みたいなものだからな。卒業したら実家に帰って更に鍛練に励むさ」
ξ゚⊿゚)ξ「クーならきっと夢をかなえて、人間国宝にもなれるわよ」
川д川「クールさんと比べるとなんですが、私も実家の神社を継ごうと思っています。その前に大学の宗教学科を出るつもりですが」
ノパ⊿゚)「進路っていうのは他人と比べるもんじゃないさ。貞子は進学か」
川 ゚ -゚)「ツンはやはり父親のようなアイドルを目指すのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「初めは、そのつもりでここに入ったんだけどね」
川 ゚ -゚)「そのいい振りだと、今は違うのか」
ξ゚⊿゚)ξ「後輩に女装術を教えてあげてるときに気付いたんだけど、私は人になにかを教えるのが好きみたいなのよね」
ξ゚⊿゚)ξ「だから今は、教員免許を取ってこの学園で教師をやりたいなって思ってるの」
川 ゚ ー゚)「教師か。ツンは面倒見もいいし、案外天職かもしれんな」
204
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:02:36 ID:bWa6mdQwO
ノパ⊿゚)「教員免許を取るならツンもひとまずは進学か。私はみんな程将来の展望を考えていないけど、進学して就職することになるかなあ」
o川*゚ー゚)o「まだキュートとシュールが残ってるのに終わろうとしてない?」
ノパ⊿゚)「しかし存外というべきなのか、女装術が必須な職業を目指すものはいなかったな」
o川*>ー<)o「はうー! だーかーらー、キュートは!」
ノパ⊿゚)「冗談だって。深夜枠とはいえアニメのレギュラー取れたんだってな、おめでとう」
川 ゚ -゚)「方向は違えど同じ役者だ。互いに切磋琢磨しよう」
ξ゚⊿゚)ξ「同学年なら、キュートがどれだけ努力してるかはみんな知ってるからね」
o川*゚ー゚)o「み、みんなー☆彡」
205
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:04:32 ID:bWa6mdQwO
lw´‐ _‐ノv「おいていけーおいていけー」
川д川「あのその、シュールさんを、おいてけぼりにしているわけではないと思うのですが……」
ノパ⊿゚)「シュールはそのまま専業作家になるんだろ?」
lw´‐ _‐ノv「まあ、そういう感じの方向で」
ノパ⊿゚)「手に職持ちっていうのは少し羨ましいな」
lw´‐ _‐ノv「つまり今回の正解は、家業を継ぐが二人、進学して就職が二人、既に職を持っているが二人でした」
ノハ;゚⊿゚)「いつからクイズになったんだ!?」
lw´‐ _‐ノv「それはお前が知る必要のないことだ」
ノパ⊿゚)「なんで敵の幹部みたいになってんだよっ!」
lw´‐ _‐ノv「ヒートは就職に失敗しても、私が養ってあげるから一安心」
ノハ;゚⊿゚)「サラッととんでもないこというなよ! 失敗しねえよ!」
lw´‐ _‐ノv「トイレはちゃんと決まった場所にするんですよ」
ノハ;゚⊿゚)「しかもペットかよっ! この歳でトイレの場所間違えたら憤死するわ!!」
206
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:06:14 ID:bWa6mdQwO
lw´‐ _‐ノv「ちなみに生徒会長の夢はニートなので、養ってくれる人大募集中だそうです」
ノパ⊿゚)「あの人はあああああああああ!!」
从´ヮ`从ト「呼んだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「これはまたベストのタイミングでというか、最悪のタイミングでというか」
ノパ⊿゚)「ちょっとそこへ直れ! 今日こそはその自堕落な性根が治るまで説教しますからね!」
从´ヮ`;从ト「えっ、えっ、えーーーー!?」
.
207
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:08:11 ID:bWa6mdQwO
【ダンスダンスバースデー】
从*-∀从「はあっ、はあっ、もう、無理……少し、休ませて」
l从・∀・ノ!リ人「だーめ、もう一回いくね」
从*-∀从「これ以上は、俺、壊れる……!」
l从-∀-ノ!リ人「ほら、もっと強く僕を抱いて……」
ζ(゚ー゚*ζ「うわあ、いつもに増してエロエロだー」
l从・∀・ノ!リ人「ダンスの練習のどこがエロいのさ」
ζ(゚ー゚*ζ「正直さっきのシーンは、音声だけならR18指定を受けてもおかしくなかったよ」
从 ゚∀从「他人ごとみたいに余裕こいてるけど、デレは踊れんのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「授業で習った程度にはね」
从 ゚∀从「むー、なら練習しないといけないのは俺だけか」
208
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:10:14 ID:bWa6mdQwO
ζ(゚ー゚*ζ「妹者は異様に上手いよね、習ってたの?」
l从・∀・ノ!リ人「子供の頃に、少しだけね」
从 ゚∀从「子供の頃に社交ダンスを習ってるなんて、なんか上流階級って感じだな」
l从・∀・ノ!リ人「ただの一般家庭だってば。それより練習続けるよ」
从 ゚∀从「むー、もうちょっと休憩させてくれてもいいのに」
l从・∀・ノ!リ人「次が終わったらね。ほら、もっとしっかり僕を抱いて」
从 ゚∀从「なんかさ、デレじゃないけど他人の背中に手を回すのってエロくない?」
l从・∀・ノ!リ人「こういうのは堂々としてたらエロくないの」
ζ(゚ー゚*ζ「それにハインは普段から、もっと色々セクハラとかしてるじゃん」
从 ゚∀从「あれは妹者が恥ずかしがるからいいんじゃねえか」
ζ(゚ー゚*ζ「なるほど。だったら背中を撫でまわしてみるとか」
l从・∀・ノ!リ人「馬鹿なこといってないで続けるよ。1・2・3、右、左、クローズ」
从;゚∀从「よっ、ほっ、たっ」
l从・∀・ノ!リ人「そこはヒールじゃなくてトゥで、そういい感じ」
.
209
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:13:49 ID:bWa6mdQwO
ζ(゚ー゚*ζ「でも意外だね。ハインって運動神経いいからダンスも得意だとばかり」
从 ゚∀从「武術の体捌きなら、すっと頭の中に入ってくるんだけどなあ」
ζ(゚ー゚*ζ「それで、相談事ってなに? このデレお姉ちゃんになんでも話してみなさい」
从 ゚∀从「誰がお姉ちゃんか。ちょっと耳貸せ」
ζ(゚ー゚*ζ「ほいさ、私耳が性感帯だから舐めるなら優しくしてね」
从 ゚∀从「舐めねえよ、変態め。あのな――ごにょごにょ」
ζ(゚ー゚*ζ「なるほど、ゴニョニョがドゴームに進化した時の衝撃を超えるポケモンはまだいないと」
从 ゚∀从「そんな話はしていない。つうか基本俺もつっこまれる側なんだからボケるな」
ζ(゚ー゚*ζ「なんだ、突っ込まれたくて疼いてるのか、この淫乱が」
从 -∀从「なあデレ、ねじりん棒って知ってるか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いやあ、私もそろそろふざけ過ぎたかなって自覚はしてたんだよ?」
210
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:15:34 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「真面目な話に戻すとして、なにがいいと思う?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうだねー、私的にはやっぱりアレかな」
从 ゚∀从「アレ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと耳貸して」
从 ゚∀从「おうよ」
从 ゚∀从ー゚*ζ「はむっ」
从//∀从「ひゃんっ!?」
ζ(^ー^*ζ「なんだ、ハインも耳弱いんじゃん」
从 ゚∀从「なあデレ、そういう訓練を受けてる軍人でも耐えられない、歯医者って拷問知ってるか? 鼻と上唇の間にナイフを」
ζ(゚ー゚;ζ「あはは、やだなあ、軽い冗談じゃないですか」
从 ゚∀从「ラストチャンスをやろう。それでアレってなんだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「アレはね――」
.
211
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:17:14 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「今更だとは思うけど、ドレスとか着るのに違和感なくなったなあ」
ζ(゚ー゚*ζ「おっ、可愛いじゃん」
l从・∀・ノ!リ人「うん、似合ってると思うよ」
从 ゚∀从「どうした、テンション低いな」
l从・∀・ノ!リ人「あんまりダンスパーティって、好きじゃないんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「ダンス得意なのに?」
l从・∀・ノ!リ人「いい思い出がなくってね」
从 ゚∀从「ならせっかくの機会なんだから、今回で楽しい思い出作ろうぜ!」
212
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:20:16 ID:bWa6mdQwO
ζ(゚ー゚*ζ「そうだ、妹者。耳貸して」
l从・∀・ノ!リ人「えっ、うん」
l从・∀・ノ!ー゚*ζ「はむっ」
l从////ノ!リ人「ひゃあんっ!? なにしてんの!?」
ζ(゚ー゚*ζ「なにって耳を噛んだだけだけど?」
l从・∀・ノ!リ人「なに平然と普通のことのように答えてるのさ!」
从 ゚∀从「ずるいぞ、妹者にエロいことをするのは俺の役目だろ!」
l从・∀・ノ!リ人「ずるくない、そんな役目は存在しない!」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、あっという間に愉快ないつもの妹者の出来上がり!」
l从・∀・ノ!リ人「いつもの僕はもっと落ち着いてて冷静だよ!」
从 ゚∀从「はは、そうだなー」
l从・∀・ノ!リ人「なにその大人ぶってる子供を見るみたいな目」
从 ゚∀从「ほーら、いい子いい子」
l从・∀-ノ!リ人「わわっ、僕の頭を撫でないの!」
213
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:24:12 ID:bWa6mdQwO
川 ゚ -゚)「なんというか、お前らは三人揃うと子猫のようにじゃれあうな」
从 ゚∀从「クーさん。あれ? いつもなら続いてツンさんがなにか一言いうパターンでは」
川 ゚ -゚)「ツンだったら向こうで」
lw´‐ _‐ノv「ハードラックとダンスっちまってるよ」
从 ゚∀从「!?」
川 ゚ -゚)「いや、普通にキュートと踊っているだけだ。ハインも乗っかるな」
lw´‐ _‐ノv「ではさらばだー」
l从・∀・ノ!リ人「その一言のためだけに出て来たんですか!」
214
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:25:45 ID:bWa6mdQwO
川 ゚ -゚)「お前達は踊らないのか? それだけ着飾って壁の花では勿体なかろうに」
l从・∀・ノ!リ人「三人という奇数の状態だと、二人で踊ると誰かを置いていくようで、どうも気が引けて」
川 ゚ -゚)「なら私が誰かと踊ろう。これなら偶数だ」
从 ゚∀从「なら――」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい! 私がクーさんと踊りまーす」
从 ゚∀从「ちょ、強引な」
ζ(゚ー゚*ζ「こういうのは早いもの勝ちだよ」
川 ゚ -゚)「ならばデレ、いくとするか」
ζ(゚ー゚*ζ「はい! ハイン、妹者のことは任せたからね」
从 -∀从「ああ、任せとけ」
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃあいって来ます!」
从 ゚∀从「さて、俺達も一曲踊るとしましょうか」
l从・∀・ノ!リ人「うん、そうしよっか」
215
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:27:25 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「〜♪ 〜♪」
l从・∀・ノ!リ人「なんか凄く上手になってない?」
从 ゚∀从「実はあれからも、こっそり練習してたんだよ」
l从・∀・ノ!リ人「いってくれたら付き合ったのに」
从 ゚∀从「リードしたい相手に練習を付き合ってもらうなんて、恥ずかしいだろ」
l从・∀・ノ!リ人「ハインらしいね、そういうとこ」
从 ゚∀从「俺が俺らしくなくてどうするんだよ」
l从・∀・ノ!リ人「それもそうなのかな。あっ、もう終わっちゃったね」
从 ゚∀从「せっかくだから、もう一曲続けてどうですかお姫様?」
l从・∀・*ノ!リ人「うむ、よきにはからえ」
.
216
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:29:53 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「あー、踊ったぁ」
l从・∀・ノ!リ人「さすがに疲れたね」
ζ(゚ー゚*ζ「あれだけ続けて踊ってたら、疲れもするでしょ」
从 ゚∀从「ダンサーズハイとでもいうのか、途中から踊ってるのが普通みたいになっちまってな」
l从・∀・ノ!リ人「思わずもう一曲もう一曲ってなっちゃって」
ζ(゚ー゚*ζ「まあ二人が楽しかったなら何よりだね。それよりも妹者、大丈夫? 顔が赤くなってるけど」
l从・∀・ノ!リ人「身体が火照ったかな。少し気怠いや」
ζ(^ー^*ζ「身体が火照って気怠いなんて、また――」
l从・∀・ノ!リ人「変な意味は一切ないけどね!」
ζ(゚ー゚*ζ「冗談は置くにしても、無理しちゃ駄目だよ。そろそろパーティも終わりだし、一足先に帰ったら?」
l从・∀・ノ!リ人「そうするよ。先に抜けるみたいでごめんね」
从 ゚∀从「俺も一緒に帰ろうか?」
l从・∀・ノ!リ人「ううん、一人で平気だから」
.
217
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:33:20 ID:bWa6mdQwO
想像していた以上に暗い陽の沈んだ夜空を見上げ、もう冬なんだなと実感する。
l从・∀・ノ!リ人「今日は本当に楽しかったな」
世に偶然という言葉で片付けられる事象はありふれているが、これもその数多ある偶然の中の一つなのだろうか。
まさかこんな日にダンスパーティが開かれるなど、露ほども思わなかった。
l从・∀・;ノ!リ人「いてて、明日は筋肉痛かも」
ハインのリードは、僕の動き出しの癖や歩幅まで考えられたもので、実に心地よかった。
恐らくそれは頭で計算してのものではないだろう、ハインは感覚的に僕の行動パターンを読んでいる。
l从・∀・ノ!リ人「それだけ普段から、長い時間一緒にいるってことかな」
口に出してみると気恥ずかしいが、これが親友というものなのだろう。
l从・∀・ノ!リ人「……チャペルか。そういえば今までろくに入ったことなかったっけ」
今日は僕にとって少しだけ特別な日。
それは、いつもと違う行動を取るには十分な理由だった。
.
218
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:37:16 ID:bWa6mdQwO
当然といえば当然なのかもしれないが、こんな時間に僕以外の来客はなくチャペル内は静まり返っていた。
l从・∀・ノ!リ人「礼拝に来る人もいないし、厳密にはチャペルじゃないんだよね」
左右に広がる、横長になっている木製の椅子の間を進む。
月明かりがステンドグラス越しに差し込み、部屋を鮮やかに彩っていた。
l从・∀・ノ!リ人「綺麗……」
幻想的な光景に眼を奪われていると、背後から足音が近付いてくる。
从 ゚∀从「なんとなく、ここにいるような気がした」
l从・∀・ノ!リ人「ハイン?」
その言から察するに、僕を探していたのだろうか。
219
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:40:41 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「ここって、こんなにも綺麗な場所だったんだな」
l从・∀・ノ!リ人「そうだね。校長先生の趣味も案外悪くないのかな」
僕達は二人横並びになって、ステンドグラスを見上げる。
l从・∀・ノ!リ人「僕に用があったんじゃないの」
从*-∀从「その、改まってっていうのも恥ずかしいんだが、なんだ」
l从・∀・ノ!リ人「いいづらいことなの?」
ハインは意を決したような面持ちで、僕に向き直る。
从 ゚∀从「モララー、誕生日おめでとう!」
l从・∀・ノ!リ人「えっ、あれ」
从 ゚∀从「どうした? 今日が誕生日でいいんだよな?」
l从・∀・ノ!リ人「うん、それはそうなんだけど、教えてたっけ」
从 ゚∀从「昔に聞いた。入学して間もない頃だったかな」
なんの気なしに漏らした程度の言葉を、覚えていてくれたのか。
220
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:43:35 ID:bWa6mdQwO
l从;∀;ノ!リ人「あり、がとう」
从;゚∀从「お、おい、どうした!?」
l从;∀;ノ!リ人「あれ、おかしいな。泣くつもりなんてないんだけど、勝手に」
从 ゚∀从「むー、ほら、いい子いい子」
突然の涙に戸惑ったのか、ハインは普段通りを装って子供扱いするように僕の頭を撫でる。
l从・∀・ノ!リ人「もう、撫でないでよ!」
だから僕も努めて普段通りに返す。
从 ゚∀从「いきなり泣くなよ。心臓に悪いぜ、あれ」
l从・∀・ノ!リ人「そんなこといわれても、僕だってわざと泣いたわけじゃないし」
从 ゚∀从「拗ねるなって。それとこれ、誕生日プレゼント」
l从・∀・ノ!リ人「ロザリオ?」
从 ゚∀从「前に占いで、ラッキーアイテムは純銀だっていってたからさ。ロザリオなら常に身に着けてられるだろ?」
確かに文化祭で入った占いの館で、そんなことをいわれた気がする。
221
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:46:38 ID:bWa6mdQwO
l从・∀・ノ!リ人「純銀って、高いんじゃないの」
从 ゚∀从「多少高くても買えるようにバイトしてたんだ、気にするな。それにデザインがよかったから、俺も同じやつ買っちまったし」
l从・∀・ノ!リ人「でも……」
从 ゚∀从「ほれ、着けてやるから動くなよ」
ハインは僕の肩に手を置き、やや強引に引き寄せる。
第三者視点で見られたら抱き合っているようにも見えるほど、互いの距離が零に近付いた。
从 ゚∀从「似合ってるじゃん。もう返品は受け付けてないからな!」
l从-∀-*ノ!リ人「……大切にするよ、ずっと」
本来の用途からするとロザリオは首に掛けるものではないのだが、本来の用途なんて僕には関係ない。
値段の高さも関係なく、ハインの気持ちがただ純粋に嬉しい。
222
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:49:13 ID:bWa6mdQwO
l从・∀・ノ!リ人「ハインも同じの買ったんだよね。今、持ってる?」
从 ゚∀从「ああ、一応持って来てるよ」
l从・∀・ノ!リ人「なら、それは僕がハインの首に掛けてあげる!」
从;゚∀从「えっ、ちょっと、待て」
l从・∀・ノ!リ人「待たない。お返しだよ」
そのままだと手が届きにくいので、爪先立ちになって迫る。
もう少しで互いの顔がぶつかりそうな距離、こんなに近くにハインの顔があるのって珍しいかもしれない。
从 ゚∀从「……キスしてるみたいだよな」
l从////ノ!リ人「はあ!? なにいってんの急に!!」
从 ゚∀从「おっと、心の声が漏れただけだ。気にするな」
l从・∀・ノ!リ人「気にするよっ!」
从 ゚∀从「俺は気にしてないからさ。んー、着け心地もいい感じだな、このロザリオ」
手の中でロザリオを弄び、僕の意見に耳を貸そうともしない。
本当に出会った頃から変わらない、こういうところは。
223
:
名も無きAAのようです
:2011/11/14(月) 23:53:50 ID:bWa6mdQwO
从 ゚∀从「そろそろ寮に帰ろうぜ。今頃デレや先輩達がケーキを用意してくれてるはずだ」
l从・∀・ノ!リ人「うん。あのさ、ハイン」
从 ゚∀从「なんだ」
l从・∀・ノ!リ人「今日はありがとう」
从 ゚∀从「さっきもいっただろ、それ」
l从・∀・ノ!リ人「いいの、嬉しかったんだから何回いっても」
从 ゚∀从「じゃあ俺ももう一回いってやる。誕生日おめでとう!」
l从・∀・*ノ!リ人「うん、ありがとう!」
僕達はそんなやり取りを、寮に着くまでの二人きりの帰路で、ずっと繰り返していた。
.
224
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 00:08:46 ID:XXob9xrAO
投下終了です。
べ、別にお付き合い頂けて嬉しいわけじゃないんだからね///
次回はクリスマスですね、いえVIPのみんなが頑張ってクリスマス中止のお知らせが届くかもしれませんが
o川*゚ー゚)o「ここから先はキュートちゃんの――」
('A`)「実際、最近はキュートも出番あるし救済コーナーとか要らないよな」
( ^ω^)「僕なんて、なんでタイトルAAになったのかすら分からないお」
o川*>ー<)o「はうー、最近キュートが最後までしゃべれないのが恒例になってない!?」
('A`)「そういえば今回で男AAの希望の星、モララーもフル出場を逃した形になるな」
( ^ω^)「ところでなんで僕がタイトルAAなんだお?」
o川*゚ー゚)o「キュートの話を――」
( ^ω^)「むしろ僕の質問に答えてほしいお。なんで僕がタイトルAAなんだお? もしかして最初は僕がかなり活躍する予定だったのかお?」
o川;゚ー゚)o「えっと、それは……」
( ^ω^)「男形態でも出番がある予定だったのかお? なんで僕がタイトルAAなんだお?」
o川;゚ー゚)o「ごめんなさいごめんなさい、謝るから、謝るから」
( ^ω^)「なんで僕が――」
225
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 17:05:55 ID:6ac4MY1s0
乙
これ全部男なんだよな……
226
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 19:25:30 ID:m4BdCF9IO
乙
最近の妹者とハインのいちゃいちゃがぱねぇ
いいぞもっとやれ
227
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 20:28:55 ID:cXL4sJUcO
乙
ロザリオってwww
228
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 22:41:08 ID:UkdVk6acO
乙です
クリスマス?なんだっけそれ
しかしブーン、前々からひきずってるなあww
229
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 00:58:56 ID:ne/ne7vQO
ブーンっていうか、ツンの出番を増やしてくれよぉぉぉぉ!!
230
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 18:54:12 ID:Mi/SxON.O
【御意見箱設置のお知らせ】
ミセ*゚ー゚)リ「はーい、みんなの心の恋人ミセリンだよー!」
(゚、゚トソン「今回はのっけからテンションを上げるような仕事でもないだろうに」
ミセ*^ー^)リ「トソトソはこんなこといってるけど、本当はみんなのことが大好きだから安心してね!」
(゚、゚トソン「妄言も大概にしなよ。まあいい、ボクはボクの役目を果たすだけだ」
(゚、゚トソン「今回キミ達にわざわざ集まってもらった理由だが、生徒会が御意見箱を設置したことを伝えておこうと思ってね」
ミセ*゚ー゚)リ「御意見箱には
>>229
君みたいに、このキャラをもっと見たいだとか」
(゚、゚トソン「こんなシチュエーションが見たいだとかの、要望を入れてくれたら極力善処しようというものだ」
ミセ*゚ー゚)リ「季節的にできないシチュエーションでも、本来の時系列とは別に書くから大丈夫だよ」
(゚、゚トソン「ただお題募集等とは違って、絶対にその話を書くというわけではないので留意してほしい」
ミセ*゚ー゚)リ「せっかく投函してくれたのに、かなえてあげられない場合もあるの。ごめんね」
231
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 18:57:12 ID:Mi/SxON.O
(゚、゚トソン「投函する要望の内容だけど、例えば――」
o川*゚ー゚)o「キュートちゃんが異世界に召喚されて、英雄王になっていくファンタジー戦記とか☆」
ζ(^ー^*ζ「私がある日超絶モテ期に入って、学園でハーレムを作っていく話とか!」
川д川「ちょっとエッチなバトルコメディー、退魔師貞子ちゃん! 日曜の朝九時絶賛放送中!」
ミセ*゚∀゚)リ「普段はぶっきらぼうなトソトソだけど、ベッドの上では甘えん坊……? ミセトソの18歳未満は見ちゃダメな話」
lw´‐ _‐ノv「実はこの学園で起きた今までの話は、全て私が書いた小説だったのさ」
(゚、゚トソン「というのが来たら基本却下だ」
o川;゚ー゚)o川; д川ミセ;゚ー゚)リ「「えええええええええぇぇぇっ!?」」ζ(゚ー゚;ζ
ミセ*゚ー゚)リ「でも、検閲するのがあの生徒会長なら、私のミセトソ18禁とか通りそうな気がするんだよね」
(゚、゚;トソン「そんな話を通して誰が得をするのさ!」
ξ////)ξ「
>>229
、べ、別に嬉しいなんて……思ってないんだからねっ!」
232
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 19:11:09 ID:Mi/SxON.O
そこまで期待しないで軽い気持ちで受け止めて頂ければ幸いです
233
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 20:02:26 ID:IJOwxHrw0
>ミセ*゚∀゚)リ「普段はぶっきらぼうなトソトソだけど、ベッドの上では甘えん坊……? ミセトソの18歳未満は見ちゃダメな話」
これにしよう(提案)
234
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 21:33:50 ID:xKIiprec0
>ミセ*゚∀゚)リ「普段はぶっきらぼうなトソトソだけど、ベッドの上では甘えん坊……? ミセトソの18歳未満は見ちゃダメな話」
そうしよう(同調)
235
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 23:07:40 ID:HFpPWalkO
R18無しってことは朝チュンじゃないか
アレやアレの有無を考えると夜も眠れなくなるからやめてくれwww
校舎や寮の大掃除やってほしいな
女装でも素でもいいから
236
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 23:16:16 ID:7Jt0vnFc0
妹者とハインの甘い絡みをもっとくれ…!
237
:
名も無きAAのようです
:2011/11/18(金) 17:30:16 ID:lOfdIPz2O
むしろ素の様子が見たくなってきた。
女装禁止日の1日をなにとぞ…
これでブーンちゃんも納得できるはず!
238
:
名も無きAAのようです
:2011/11/19(土) 02:05:17 ID:eXDg9.cQO
>>299
だけど、ツンちゃんにデレられて幸せ過ぎるwwwww
一般人から見て、この学園がどう見えんのかが気になる。女装師の学校って世間一般でも知られてんのかな?
後姉妹校とかないの?
239
:
名も無きAAのようです
:2011/11/19(土) 14:10:49 ID:BosE6ELMO
>>238
未来人ですね分かります
という冗談はさておき、
>>67
にもありますが女装師は世間一般には秘密の存在ですね
だからここに入学する生徒はツンみたいに親が女装師だったり
クーみたいに女装が代々の仕事に関係する人が多いです
ちなみに世間一般からは共学校だと思われています
だから女装制服で学校を特定できても男子校だとは思われていません
フォックスの辺りでも触れていますが学歴としてはかなり低い私立で
立地も特別良くなく全寮制で学費も異様に高い
だから普通の受験者はほぼいないですね
でも中には極少数ですがハインのように一般からたどり着く人もいます
姉妹校等は存在しないです
全国から生徒が集まっており、長期休暇は遠いところまで帰省する生徒がたくさんいます
だから
>>98
でハインは電車で一時間なら家は近いという発言をしました
なぜ女装師が秘密なのかはきっと本編中で多分語る機会が恐らくあるかと
うん、改めて私は裏設定大好き人間なんだなと自覚しますた
240
:
名も無きAAのようです
:2011/11/19(土) 14:39:15 ID:BosE6ELMO
o川*゚ー゚)o「ここからは作者に代わって、可愛いキュートちゃんが謝辞を申し上げます! ぺこり☆」
o川*゚ー゚)o「みんな、たくさんのお手紙ありがとー♪ 頂いたないよーは、きょくりょく書いていきたいと思います」
o川*゚ー゚)o「噂によると
>>233
君の意見はミセリ先輩が、生徒会に乗り込んでヒートに直談判したとかなんとか☆彡ビューン」
o川*゚ー゚)o「
>>236
君にはヒートが、普段から十分甘い話ばっかりじゃないかよおおおおぉぉ!! って伝えてって!」
o川*゚ー゚)o「あっ、今回はただの謝辞に来ただけで、御意見箱撤収ってわけじゃないからね」
o川*゚ー゚)o「では、今夜も夢でまたキュートと会おうね☆」
241
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 21:53:32 ID:1L60mNJ.O
現在奮励努力しておりますので今週中、遅くても日曜日には投下できると思います
なぜかいつも同じ台詞言っている気がします
きっとこれがデジャヴというものなんですね
御待ち頂く間、
>>233
で要望頂いたミセトソの短編をどうぞ
一応全年齢対象のつもりですがそういうのが嫌いな方はパスして下さい
242
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 21:57:11 ID:1L60mNJ.O
【夢の続きは月にさらわれました】
(-、-トソン「う、んぅ……」
トソンは薄ぼけた意識の中で寝苦しさを感じ、半眼になって周囲を見渡した。
室内は暗闇に包まれている、つまりまだ起床時間ではない。
ならばなんだ、と覚醒仕切らない頭のまま更に視線をさまよわせると、
ミセ*゚ー゚)リ
闇に目が慣れたのか、自分の上に乗っかっている人影が飛び込んだ。
(゚、゚トソン「なにをしているんだ、キミは」
相部屋の少女ミセリは、よくふざけて布団の中へ潜り込んで来る。
だからまたふざけているのかと思い、トソンは彼女を追い払おうとするが、どうにも様子がおかしい。
ミセ*゚ー゚)リ「トソン、私ね……シたくなっちゃった」
僅かに差す月明かりの中で、ミセリは瞳を爛々とさせ、トソンへとしなだれかかる。
(゚、゚;トソン「えっ、なっ!?」
あまりにも急な展開に、トソンは思考が上手くまとまらず、現状を把握できない。
そこへ追い討ちをかけるように、ミセリがトソンのパジャマのボタンを、唇の先で器用に一つ二つと解いて胸元をあらわにさせた。
243
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 21:58:24 ID:1L60mNJ.O
ミセ*゚ー゚)リ「トソンって肌、綺麗だよねぇ」
(゚、-;トソン「ひゃっ……」
白くしなやかな指が、トソンの柔肌を優しくくすぐる。
夜這いって本当に有効なんだな、と思わず現実逃避してしまうほど一連の流れは艶やかだった。
ミセ*゚ー゚)リ「ほら、上着を自分で捲ってごらん」
(-、-トソン「そんな……」
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫、私とお月様しか見てないから」
いつもの明るい元気な声ではなく、甘ったるい艶を含んだ響き。
それにはまるで魔法がかかっているかのようで、耳元で囁かれるとトソンはなにも考えられないまま従ってしまう。
(-、-*トソン「はず、かしいよ……」
トソンはパジャマを捲り上げ、自ら薄い胸を露出させる。
だが羞恥心には勝てず、上着の裾を唇でくわえ、ひっそりと息づく胸の先端は両手で隠していた。
ミセ*゚ー゚)リ「綺麗だよ」
不安気にぎゅっと瞳をつぶるトソンを安心させるためなのか、ミセリはついばむようなキスを頬に繰り返し、綺麗だと官能的に囁く。
(-、-*トソン「ふあっ……んぅ……」
次第に唇は柔らかな頬から、肉付きの薄い首筋、繊細な鎖骨へと降りてくる。
素肌を何度も吸われ、暖かい舌の這い回る未知の刺激に、既にトソンは抵抗する気力を失っていた。
244
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 21:59:54 ID:1L60mNJ.O
ミセ*゚ー゚)リ「はあい、おててはばんざいしようねぇ」
ミセリに導かれるまま、乳房を隠していた両掌を頭の上へと移動させる。
月下に晒される淡く薄桃に色付く突起は、つんっと上向きに硬化していた。
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、可愛いんだ」
ミセリは胸全体を包み込むように掌を添え、中指と薬指で 挟み 揉むと同時に 擦り 。
(////トソン「ゃん はぅ… 」
ミセ*゚ー゚)リ「い よね?」
強引に 開脚 脚間に膝 割り込ま
…………
ミセ*゚ー゚)リ「はっ、夢か! くう、惜しいところだった。最後らへんはもう少し鮮明に……!」
(゚、゚トソン「いつまで寝ているのさ。遅刻してもボクは知らないからね」
ミセ*゚∀゚)リ「リアルトソトソはっけーんっ!」
(゚、゚;トソン「うわあっ!? なんでキミは朝からそんなに元気なんだっ!!」
.
245
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 22:02:52 ID:1L60mNJ.O
以上で一旦終了です
TOLOVEるダークネスが全年齢対象ならこれぐらいは大丈夫ですよね……?
246
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 22:22:25 ID:7Rf8FJ7gO
マジで書きおったwwwwGJ!
247
:
名も無きAAのようです
:2011/11/22(火) 22:35:22 ID:Fkr8oUtA0
>>233
だけどこれもう(興奮して)わかんねぇな
248
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:29:05 ID:sro2c18kO
お待たせ致しました
今回の男は可愛く美しくは12月の話になります
一本目は
>>236
で頂いたハインと妹者の話
二本目は
>>235
と
>>237
で頂いたのをドッキングして、男だらけの大掃除の話
三本目は
>>229
で頂いたツンの活躍?する話
四本目はクリスマスの話になっております
249
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:34:24 ID:sro2c18kO
【甘くないケーキの対比効果】
l从・∀・ノ!リ人「うん、美味しそうにできた」
美しい焼色のついたキャロットケーキ、僕が作れるお菓子の中で最も自信があるのがこれだ。
寮室の簡易キッチンにはしっかりとしたオーブンがないので、つー先生に頼んで寮の正式な厨房を貸してもらった。
その甲斐もあってオーブンレンジで作る普段のより、何割か増しに美味しそうにできた気がする。
l从・∀・ノ!リ人「まったく、ハインはしょうがないなあ」
そもそもなぜそこまでしてキャロットケーキを作ることになったのかというと、珍しくハインが風邪で体調を崩してしまったからだ。
先程様子を見に行ったときには、本人はもう平気だと元気そうにしていたが、一応病み上がりだし栄養のあるものを食べさせた方がいいだろう。
l从・∀・ノ!リ人「人参に多く含まれているβカロチンは風邪にいいし」
この間誕生日プレゼントを貰ったことだし、こういうところでお返しをするのも、人としての礼儀なんじゃないかなって僕は思うし。
まあそういうわけでケーキなんて焼いたという次第だ。
.
250
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:35:43 ID:sro2c18kO
ζ(゚ー゚*ζ「おやおや、そんな美味しそうな香りを漂わせてどこへいくのかな、お嬢さん」
l从・∀・ノ!リ人「他意はないんだろうけど、デレがいうと犯罪の臭いがするね」
ζ(゚ー゚;ζ「ひどっ!? 私はただ妹者をかどわかして、部屋に連れ込んで気持ちいいことしようとしただけなのに!」
l从・∀・;ノ!リ人「それが犯罪臭いっていってるんだよっ!!」
ζ(゚ー゚*ζ「おー、ノリボケにも綺麗にツッコミを入れますな」
l从・∀・ノ!リ人「段々ボケ方が上手になるの止めようよ」
ζ(゚ー゚*ζ「まあ冗談は置いといて、それはなんぞな?」
l从・∀・ノ!リ人「これ? 久し振りにキャロットケーキを焼いたんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「……なるほどねえ、普段なら略奪するところだけど今日は見逃してあげよう」
l从・∀・ノ!リ人「なにその全てを悟ったような態度」
ζ(^ー^*ζ「皆までいいなさんな。きっと喜んでくれるよ」
l从・∀・ノ!リ人「だからなんで、そんなしたり顔なのさ!」
.
251
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:37:56 ID:sro2c18kO
l从・∀・ノ!リ人「…………」
自分の部屋でもあるのだから躊躇する必要などないのだが、どうにも緊張する。
意を決してドアノブを回し、扉を押そうとするが――
从 ゚∀从「そうか、わざわざすまねえな」
誰かと会話しているハインの声が、部屋の中から耳朶に届いた。
とっさに手をノブから離すが、勢いでわずかに扉が開いてしまう。
l从・∀・ノ!リ人「誰と……」
話しているのだろうか。
先程別れたばかりだしデレではないだろう、ならば先輩なのか。
駄目だとは思いながらも、誘われるように隙間から部屋を覗き込む。
252
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:40:33 ID:sro2c18kO
从 ゚∀从「もう平気だって。丈夫なのが俺の取り柄だから」
話し相手の数はどうやら一人ではないようだ。
なんと三人もいて、楽しそうにハインと談笑する彼女達は、どれも見知った顔ではなかった。
いや、正確にいえば見覚えぐらいはある。
確かクラスは違うが同じ学年の生徒だったはず。
l从・∀・ノ!リ人「そういえば以前にデレが、ハインは同級生から人気があるって……」
ハインは優しいし、面倒見もいいし、気遣いが上手だ。
例えば道路を歩いていると、気がついたらいつも自然に車道側を歩いてくれている。
そしてなによりも、一緒にいると日だまりにいるみたいに、心が暖かくなる。
だから、みんなから人気があっても不思議ではない。
――不思議ではないはずなのに、なぜか胸が締め付けられる、気がする。
l从・∀・ノ!リ人「あれは――」
.
253
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:44:20 ID:sro2c18kO
从 -∀从「はあ」
風邪などひくのはいつ振りだったか。
馬鹿は風邪をひかないというが、どうやら俺はいうほど馬鹿でもないらしい。
いや、こんな短時間で回復するのは馬鹿だからかも知れないが。
从 ゚∀从「甘ったる……」
特別親しかった記憶もないのだが、先程まで同級生が何人か見舞いに来てくれていた。
今まで友達がろくにいなかった俺からすると、こういうのは地味に嬉しい。
嬉しいのだが、
从;-∀从「俺って甘いの苦手なんだよね」
いかんせん、見舞い品としてくれたケーキが甘過ぎた。
从 ゚∀从「苦手とはいえ、目の前であんなに嬉しそうに食べてくれっていわれたら、断れんよなあ」
ケーキなんて普段はモララーが焼いたものしか食べない。
あいつはその辺りを熟知しているのか、俺が丁度美味しいと感じる糖度で作ってくれる。
254
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:45:43 ID:sro2c18kO
l从・∀・ノ!リ人「ただいま」
噂をすれば影というやつだろうか、出かけていた妹者が戻ってくる。
从 ゚∀从「おかえり。どこいってたんだ?」
l从・∀・ノ!リ人「厨房を借りて、キャロットケーキを焼いていたんだよ」
从*゚∀从「よっしゃ! 俺、妹者のキャロットケーキ好きなんだよね」
l从・∀・ノ!リ人「はあ? なんで僕が焼いたケーキを、君にあげないといけないの?」
从;゚∀从「なんか、怒ってらっしゃいます?」
l从・∀・ノ!リ人「別に。ただあくまで仮定だけど、もし仮に僕が君のためにケーキを焼いたのだとして」
妹者の視線が脇へそれる。
なんだ、と思い追いかけて見るとその先にあったのは、テーブルに置かれたままのケーキの梱包箱。
l从・∀・ノ!リ人「お腹いっぱいでしょ?」
その声音からは不機嫌さが見え隠れどころか、とげとげしく自己主張している。
255
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:48:26 ID:sro2c18kO
从 ゚∀从「あっ、ああ、妹者の分も残ってるからさ。食べていい――」
l从・∀・ノ!リ人「いらない」
こちらの話を拒絶する程冷たい態度を取る割には、自己嫌悪もしているような表情をする。
これはまるで、焼きもちを焼いている女の子ばりの理不尽さだ。
ここで返答を間違うと、より厄介なことになるのは火を見るより明らか。
从 ゚∀从「お、俺は妹者の作ったケーキ食べたいなあ、なんて」
l从・∀・ノ!リ人「でも……」
妹者は淡いピンク色をした小さな唇をとがらせ、拗ねた表情で物言いた気にちらちらと、テーブルへ流し目を送る。
なんだこの、痴話喧嘩をしているみたいな微妙に甘酸っぱい雰囲気は。
从 ゚∀从「俺は妹者の作ってくれたケーキだから食べたいんだって!」
多少恥ずかしことをいった気がするが、とにかく流れを変えた方がいい。
このままだと、なにか精神的によろしくない。
256
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:51:23 ID:sro2c18kO
l从-∀-*ノ!リ人「ま、まあ、そこまでいうならあげないでもないけど」
妹者は満更でもなさそうに、口をもにゅもにゅ動かす。
l从////ノ!リ人「はい、どうぞ」
手早く切り分けたケーキを華美な皿に盛り付けて、妹者はそっぽを向きながら俺にそれを突き出した。
頬が紅潮していることからするに、顔を合わせないのは単なる照れ隠しだろう。
从*゚∀从「むー! やっぱ美味いな、妹者のキャロットケーキは」
l从・∀・ノ!リ人「ハインはなにを食べても美味いっていうよね」
从 ゚∀从「妹者の作ったもんはなんでも美味いってことだよ」
l从・∀・*ノ!リ人「はいはい」
二人称が君からハインに戻っている、つまり爆弾は解除されたと見て間違いなさそうだ。
257
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:54:24 ID:sro2c18kO
l从-∀-ノ!リ人「……ごめん。嫌な態度を取ったよね、僕」
从 ゚∀从「気にしてねえよ」
l从・∀・ノ!リ人「でも――」
从 ゚∀从「でもっていうのさ、やめにしないか」
昔は滅多に聞くことがなかった、でもという自分を卑下するような言葉。
俺は出会った当初、こいつのことを人当たりのいいやつだと思った。
だが親しくなるにつれて、それは違うのだということに気付いた。
人当たりがいいのではなく、モララーは誰とも深く関わろうとしていなかったんだ。
誰も傷つけない、自分も傷つかない、それでいて友達と呼べる絶妙な関係。
笑って見せても怒って見せても、本心は隠しているのに、そうとは気付かせない鉄壁の距離感を持っていた。
でもという言葉は、その鉄壁が破られそうになって、卑屈な本音が漏れるのを必死で堪えているときに出る台詞だ。
l从・∀・ノ!リ人「でもって、そんなにいってるかな?」
从 ゚∀从「最近は増えたな。昔と比べりゃ、そういう兆候があるだけ嬉しいんだけどよ」
一方的なものかもしれないけど、俺はお前を親友だと思っているから。
だから、もっといろんな内心を見せてほしい。
258
:
名も無きAAのようです
:2011/11/26(土) 23:57:06 ID:sro2c18kO
从 -∀从「あー、つまり本気で怒ったりもっと甘えてくれても、俺は絶対にお前を嫌いにはならねえよってこと!」
言葉というのは想像以上に不便で、想いの全てを伝えることはできない。
だから指先から少しでも多くのことが伝わればいいのにと、俺はいささか乱暴に妹者の頭を撫でる。
l从-∀-*ノ!リ人「うん」
いつもなら、撫でるなと憤る定型のポーズを返してくるが、このときは違った。
少し照れるようにしながら身をすり寄せてくる。
いつもと違うのは、その分だけ今までより前進できたのだと決めて、
俺はいつもより優しく妹者の頭を撫で続けた。
.
259
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 00:02:56 ID:lU2HQ7ooO
【ドキッ! 男だらけの大掃除大会 〜ほろ苦い思い出もあるよ〜】
(<●><●>)
(;><)「いきなりアップで意味もなく、こっちを向くのはやめてほしいんです!」
( <●><●>)「精神的ブラクラみたいな扱いなのはわかってます」
( ><)「なにも、そこまではいってないんです」
( <●><●>)「いや、でもぶっちゃけ顔のせいでイメージ決められることってあるじゃん? 俺っち的にはそれはどうなのよって」
(;><)「だからっていきなりイメージを崩さないでほしいんですっ!」
260
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 00:06:19 ID:lU2HQ7ooO
( <●><●>)「初キャラ崩し…ども…。俺みたいな腐れワカッテマス、他に、いますかっていねーか、はは」
(;><)「むしろ他にワカッテマス君がいるなら見てみたいんです!」
(<●><●>)「本当に?」
(<●><●>)「何人もいるのなら?」
(<●><●>)「見たいんですか?」
(;><)「っ!? ぎゃああああああああああなんですうううううう!?」
( <●><●>)「残り二つはただの張りぼてです」
( ><)「……もう、ワカッテマス君なんて嫌いなんです」
( <●><●>)「私はビロードのこと好きですけどね」
(* ><)「な、なにをいってるんですか! も、もぅ、そんなこといわれたって嬉しくもなんともないんですからね」
( <●><●>)「では口が裂けても二度といいません」
( ><)「えっ? いや、二度とはちょっとないんじゃないですか。口が裂けるぐらいなら、ほらねえ……?」
( <●><●>)「口が裂けるのも格闘ディナーにグルメ・デ・フォアグラ無しで勝てることを考えれば、悪いことばかりではないかもしれません」
(;><)「悪いことばかりなんですっ! そもそも格闘ディナーがなんなのかわかんないんです!」
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