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ホテル・サイドニアのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/09/12(月) 23:43:56 ID:v7OA74xM0
お邪魔しまーす
688
:
名も無きAAのようです
:2013/01/22(火) 16:45:54 ID:JAMlSzF60
乙
最後のセリフいいな
689
:
名も無きAAのようです
:2013/01/22(火) 20:19:32 ID:0V07AhME0
兄者もドクオもかっこよすぎんだよ!
乙乙!!!!!
次も楽しみにしてるからな!
690
:
名も無きAAのようです
:2013/01/23(水) 01:40:04 ID:BE6nDoiU0
乙!
691
:
名も無きAAのようです
:2013/01/23(水) 14:06:39 ID:TTx/Ogac0
来てたのか
乙乙
692
:
名も無きAAのようです
:2013/01/23(水) 14:43:38 ID:b3uREk.c0
一文一文読み進めていくごとの高揚と緊張感がたまらない
サイドニアの兄者好きだぜ!!!かっこよすぎる乙
693
:
名も無きAAのようです
:2013/01/28(月) 12:28:35 ID:GqrJtFEsO
ナナバツガイ、ログソクエビ、ショウセツナイトを発掘してここまで来た
今まで読んでなかったのが悔やまれるよ
694
:
名も無きAAのようです
:2013/02/18(月) 10:15:26 ID:0mDbMeUA0
久々に来たが戦闘描写が良いな
ドクオもアニジャもかっけーわ
695
:
名も無きAAのようです
:2013/03/02(土) 13:45:44 ID:RcBeEyY60
面白い
696
:
名も無きAAのようです
:2013/03/06(水) 18:16:04 ID:5PjNrPaMO
乙
待ってる
697
:
名も無きAAのようです
:2013/03/07(木) 09:09:20 ID:x0yVGf0M0
レスサンクスです。
燃え尽き症候群で全然書けてなかったですが、これからギア入れて頑張ります
698
:
名も無きAAのようです
:2013/03/07(木) 14:37:27 ID:TEo52VH20
ググったら燃え尽き症候群って誤用じゃまいか。
ともかく、頑張ります
699
:
名も無きAAのようです
:2013/03/07(木) 23:43:44 ID:ZOyN1NNc0
楽しみにしてる!!
700
:
名も無きAAのようです
:2013/03/10(日) 01:42:43 ID:etl8YZzQ0
薪入れろ!薪入れろ!
701
:
名も無きAAのようです
:2013/03/21(木) 00:58:58 ID:hrEri9gQ0
はよはよ
702
:
名も無きAAのようです
:2013/05/05(日) 00:52:18 ID:jfv4PVkA0
ドクオvs兄者を何回も読んでしまう
703
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 16:48:12 ID:pBPHgVk.0
ようやく時間が取れました
704
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 16:51:56 ID:pBPHgVk.0
.
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
( ´_ゝ`)「どうした、さっさと取りに行けよ」
(メ'A`)「……できねえよ」
ドクオは兄者の傍にどかりと座り込むと、苦々しい顔になって、
(メ'A`)「放置すりゃお前はまず死ぬ、だのに見捨てるような真似なんてよ」
( ´_ゝ`)「助けろとは死んでも言わんぞ」
(メ'A`)「分かってら、んなこと。だからってこのままじゃ後味悪くなるだろうが」
( ´_ゝ`)「………」
(メ'A`)「結論は、お前をこうして見守るってことだ」
兄者は一瞬うつろな目になったが、すぐに呆れた顔をし、
( ´_ゝ`)「知るか……お前の後味どうとかよ……」
(メ'A`)「フン!」
705
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 16:54:58 ID:pBPHgVk.0
( ´_ゝ`)「(弟者に殺される運命だろうに、呑気な奴だな)」
( ´_ゝ`)「(弟者は、どうしてるかな? 今頃ここを去って、クルマの中か)」
いまのドクオと兄者の間には、ただ、穏やかなときが流れている。
鼻につく火薬の臭いも、景観を損ねる黒煙も雲散しきっていた。
兄者は息を整えてから、ふいにこんな話をしだす。
( ´_ゝ`)「……地元に、パイク・プレース・マーケットって市場があってな」
(メ'A`)「?」
( ´_ゝ`)「そこのスターバックス1号店隣りにさ、ピロシキ屋があって……
……ガキの頃から好きだった、金もねえのに、兄弟ふたりとも」
(メ'A`)
( ´_ゝ`)「けどよ、午後から売り切れになるくらい、人気なとこでよ…
廃棄なんか滅多に貰えなかったんだ。ははは……」
兄者の笑い声は、風に乗って軽やかに廃墟に溶けていく。
706
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 16:56:40 ID:pBPHgVk.0
( ´_ゝ`)「俺ら兄弟は……惨めだなって、……表通りを遠目から……
ずっと見てた、そういうときはさ。……腐ったベリーをしゃぶって、
俺ら兄弟……ずっと、道行くひとを、華やかなとこ見てたんだ」
( ´_ゝ`)「ただ情けなくって……ひもじかったなァ……あの時は、
弟者もそう思ってたんだろうが……」
(メ'A`)「……そうか」
一息つくと、まばたきを何度もしてから、
( ´_ゝ`)「ギャングになって、ある朝……ピロシキ買いに
いったら……そこ、潰れてた。ふふ、弟者の差金さ」
それからドクオに視線を向け、力なく、
( ´_ゝ`)「弟者は冷酷な奴さ……お前、二度と安息なんかねえぜ……
お前はあいつを逃がしちまったんだからなァ……」
(メ'A`)「けっ……ますます、あの野郎がムカついてきたぜ」
( ´_ゝ`)「?」
(メ'A`)「俺も知ってるさ、そのピロシキ。おれ、バンクーバーだから
シアトル近ぇんだ。……あの野郎、あんな美味い店を……!」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「……ふ、ふふ……」
.
707
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:00:36 ID:pBPHgVk.0
.
ドクオはこほんと一拍置いてから、
「さっきまで興味なかったが」と前置きをして、
(メ'A`)「なあ、お前ら兄弟は……何があって、あんな関係だったんだ?」
( ´_ゝ`)「何のことはないさ」
兄者はドクオから目を逸らし、薄紫の空を見やって、
( ´_ゝ`)「俺は、弟者のように変われなかった。
弟者は、俺のように立ち止まれなかった……
それだけ、そんだけさ」
(メ'A`)「………」
目に見えて兄者の生気が薄らいでいくのがわかった。
それに反して、兄者の表情にはゆとりのようなものが満ちていく。
失血で不気味なほどに青白い兄者の顔には、紛れもない笑顔があった。
(メ'A`)「、……そうだったのか」
( ´_ゝ`)「………」
708
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:10:28 ID:pBPHgVk.0
ドクオは何をするでもなく、兄者の傍に座って彼の状態を
見続けていた。しかし、表情や声の調子とは裏腹に、兄者の
身体はほぼ死にかけている。文字通り、これは彼の最期であった。
燃え尽きてからカーテンフォールに移る、その合間のような時間。
それからしばらく経った頃、大通りの方から女性の声が響いてきた。
「……誰か、誰かいませんかッ?! ――――」
「頑張って声を出してみてください――私は敵じゃありません――」
(メ'A`)「……あれは」
( ´_ゝ`)「(エノーラ……)」
たった一人の救助活動として、残された人が居ないか呼びかけをしている。
( ´_ゝ`)「………」
( ´_ゝ`)「
クックック」
(メ'A`)「?」
( ´_ゝ`)「おいドクオ。失せな」
.
709
:
修正
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:14:11 ID:pBPHgVk.0
ドクオは何をするでもなく、兄者の傍に座って彼の状態を
見続けていた。しかし、表情や声の調子とは裏腹に、兄者の
身体はほぼ死にかけている。文字通り、これは彼の最期であった。
燃え尽きてからカーテンフォールに移る、その合間のような時間。
それからしばらく経った頃、大通りの方から女性の声が響いてきた。
「……誰か、誰かいませんかッ?! ――――」
「頑張って声を出してみてください――私は敵じゃありません――」
(メ'A`)「……あれは」
( ´_ゝ`)「(エノーラ……)」
たった一人の救助活動として、残された人が居ないか呼びかけをしている。
( ´_ゝ`)「………」
( ´_ゝ`)「クックック」
(メ'A`)「?」
( ´_ゝ`)「おいドクオ。失せな」
710
:
修正
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:16:14 ID:pBPHgVk.0
(メ'A`)「は……?」
唐突に笑い出したかと思うと、今度はしかめっ面をみせる
兄者に若干戸惑ったが、兄者はそんなこと気にせぬとばかりに、
( ´_ゝ`)「俺はこれからあの娘に優しく抱かれ死んでく……。
さあ、空気を読んで退散しやがれ」
(メ;'A`)「あ……え、えーっと」
( ´_ゝ`)「死の寸前まで…てめえのツラ拝むなんざ、ごめんだ」
(メ;'A`)「わかったよ……」
渋々立ち上がった。エノーラの姿が視界に入らぬうちに
パスワードを入力しに走るつもりだった。そんなふうに背を向けながら、
(メ'A`)「……じゃあ、達者でな。アレン・ジャーブロ」
( ´_ゝ`)「………」
首も満足に動かせず、兄者は目線だけでドクオの背を見つめていた。
711
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:18:40 ID:pBPHgVk.0
それから、走り去ろうとする寸前のドクオに、兄者は声をかける。
( ´_ゝ`)「――おい、ドクオ!」
(メ'A`)「………?」
( ´_ゝ`)「夢があるだの……明日が欲しいだの……さんざ、宣いやがったな?」
(メ'A`)「………」
( ´_ゝ`)「ククク……なら、これから……せいぜい、もがきやがれ」
( ´_ゝ`)「せいぜい夢を追いかけやがれ……死ぬまで……!!」
(メ'A`)「……言われなくても、」
ドクオは振り返ることなく駆け出した。
(メ'A`)「そのつもりさッ!!!」
・・ ・・
・・ ・・・
( ´_ゝ`)「……いいねぇ」
.
712
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:23:14 ID:pBPHgVk.0
―― 裁判館 2F
(´<_`;)
弟者の視線の先には、ボロ雑巾のように朽ちた兄者の
姿が映っている。窓越しにも、この距離でさえ、
兄者が死に近づいていることがはっきり理解できた。
(´<_`;)「……もう、……だめだァ……」
威勢も張りようがなかった。弟者は賭けに敗れた。
一人で逃げることよりも兄者の生還に期待したが、
結果は、致命的な時間のロスを生むことになった。
(´<_`;)
兄者からいったん目線を外し、ハーモニーの状態を見渡した。
惨いものであった。自身の築いたはずの王国は廃墟に果てた。
ドクオの宣言通り、この張りぼてのハーモニーは”ぶっ潰され”てしまった。
あとに残ったのは兄弟ふたり。死にかけの兄と、無力な弟。
713
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:25:32 ID:pBPHgVk.0
(´<_`;)「………」
この始末を、ハンター組合がどうつけるかなど想像したくはない。
どう取り繕っても、自身の死を避けることが出来ないだろう。
地獄のど真ん中に突っ立ってる自分の状況を思い返すと、思わず身震いが走った。
(´<_`;)「に、逃げなきゃ……!」
慌てて外套をひっ被り、重要な書類と当面の資金を
アタッシュケースに詰め込んでいった。だが、ケースを閉めると
同時に、不可思議な音が一階から聞こえてきた。
乱暴なドアの開閉音。そして、その者たちのまっすぐこちらへ向かう足音。
(´<_`;)「………ッ!」
階段を駆け上がるその者たち、まっすぐ、
まっすぐに弟者の居る部屋へ向かっていく。
弟者は姿を見ずとも正体を確信していた。
ジョルジュと、リッチーであろう。
死神二人が、やってくる。
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
714
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:29:09 ID:pBPHgVk.0
―― ハーモニー 中央広場
||‘‐‘||レ「……あれは、」
広場の隅で、多量出血している男が横たわっていた。
地に汚れ泥に汚れてはいるが、その姿は間違いなく、
(; _ゝ )
||‘‐‘;||レ「兄者さんッ!!」
さっと駆け寄ると、彼の状態を確認した。
大きく出血している部位をためつすがめつする。
既に死んでいると動揺しかけたが、脈を確めるとほんのわずかに
動いている。どす黒く固まった血で唇本来の色さえ判別できないが、
不自由ながらも呼吸はしているらしかった。まだ、生きてはいる。
しかし、
||‘‐‘;||レ「ひどい……こんな、こんなっ……!」
どんな名医でさえ助けられないだろう。阿部の容態が
可愛らしく思える惨状だった。目は虚ろで視線は宙を彷徨って
エノーラを視認していなかった。
(; _ゝ )「………ッグ」
ドクオが去るとたちまち、兄者に残された生気が立ち消えていたのだ。
独りになった途端、死が身体のあらゆる箇所を鷲掴みにしていった。
715
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:32:27 ID:pBPHgVk.0
||‘‐‘;||レ「………」
エノーラは死にゆく男をゆっくり抱きしめた。
生者特有のほのかな温かみも感じない。
だが、しかし兄者は抱えられると、ほんの少し反応を見せた。
目がわずかにエノーラに近づいて、はっきりと微笑んだ。
そして、小さい声だったが、
(;´_ゝ`)「エノーラ……!」
||;‐;||レ「アレンさん……!」
エノーラは気がついたら涙を流していたし、気がついたら
自身の気持ちを再確認していた。村を実行支配され、虐げられ、
全てに疑心暗鬼になっていた頃、この男はハンター側の人間にも
関わらず、無言のまま手助けをしてくれていた。
あの頃は、ハンターだからと気持ちにタガをつけていた。
しかしこんな状況になったからこそ、心の底から感謝の気持ちに溢れた。
ところが、エノーラが口火を切る前に、兄者が口を震わせながら、
(;´_ゝ`)「すまなかった……」
||‘‐‘;||レ「……え?」
(;´_ゝ`)「この……村のこと、、、謝っても、謝りきれること……じゃ……」
||‘‐‘;||レ「………」
716
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:34:02 ID:pBPHgVk.0
||‘‐‘;||レ「……アレンさん」
(;´_ゝ`)「っれ……ダけは、言いたかっ……」
(; _ゝ )「さいごに……謝りたくて……」
||‘‐‘;||レ「.........」
それから、兄者はまた口を閉じた。エノーラは言葉をぽつぽつ
と返し、しまいには涙をながし嗚咽するのだが、間近にいる
兄者は気がつかず、ただ目の前のぐるぐる回る景色に見とれていた。
―― ああ、これが走馬灯って奴か……。
.
717
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:38:06 ID:pBPHgVk.0
ぐにゃぐにゃと異様なカタチに蠢いていた視界はやがて、
兄者の故郷のシアトルへ変貌していった。小雨のけだるい
空の下、アメリカにしては妙に洗練されたオレンジ基調の往来が浮かんでいく。
やがて風景は夜に変わり、隣りには
弟者がボルサリーノを被りながら不敵に笑っている。
(´<_` )
その横にシーン、そしてヒールといった懐かしい面々が立っていた。
( ・−・ )
川*` ゥ´)
( ´_ゝ`)
.
718
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:40:49 ID:pBPHgVk.0
舞台はシアトルを、地球を離れて火星に切り替わっていく。
火星の無機質な赤い大地、そこに夕焼けが差したかと思うと、
流石ファミリーの懐かしい面々が、次次と血まみれになって倒れていった。
.
( ´_ゝ`)……すまなかったな、
( ´_ゝ`)今から、地獄の底まで突き落とされてやる……!
,
719
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:43:02 ID:pBPHgVk.0
―― ――― ――――
||‘‐‘;||レ「「アレン……アレンさん……」
(; _ゝ )「っぁ……ヒー……ル」
極めて小さな声で、唇と舌を無理やりに動かす兄者を、
エノーラは呆然としながら見つめている。目を離せば、
その隙に死んでしまいそうな、そんな姿であった。
エノーラの耳には届かない。
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
720
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:46:52 ID:pBPHgVk.0
.
……いやいや、違うんだよ、聞いてくれヒール……
……ああ、まあ、そうだな、ウン。
流星になるって言った割には、随分長く生き延びちまった……。
え? クサいか? ハハハ……ああ、うん。フフ……。
流れ星を追いかけてたら、迷子になっちまったのさ……。
フフフ……
ハハハッ……!
アッハハハハハァッ……!!!
.
721
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:48:38 ID:pBPHgVk.0
.
―― ―――
―― ――――
―― ―――――
―― ――――――
―― ―――――――
722
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:50:55 ID:pBPHgVk.0
―― 裁判館 2F
(´<_`;)「いッ……嫌だッ! 来るなァァァ……!」
( ゚∀゚)y-~「おいおい。上司に向かって酷いこと言うなって」
( ゚ 」゚)
弟者はそれでも落ち着こうとしない。腰を抜かしながら、
部屋の隅ににじり寄って、来訪者二人を見上げている。
歯はがちがち鳴り、目元には涙が浮かんでくる。
始末される。この二人に。
弟者は自身の運命を受け入れられない。
(´<_`;)「ど……どうかッ! 寛大な処置をお願いします……!
負債なら、この件に関しての負債はッ……一生!
(゚<_゚ ;)「一生かけてもっ! 返済しますから!」
( ゚∀゚)y-~「………」
( ゚∀゚)「はぁ?w」
723
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:53:23 ID:pBPHgVk.0
( ゚ 」゚)「もうそんな事態じゃないのさ。金額云々というね」
リッチーは一歩前に出ると、自身の左手首を右手で捻り出す。
( ゚ 」゚)「今後の損失分は途方もないことになるよ。お前の
年収を上回る流出が、毎日……毎日伸し掛ってくる」
( ゚ 」゚)「組合全体にだ」
リッチーは己の左手首から先を、さながら玩具のように取り外した。
手首の断面には、あるべき血管や神経の代わりに、黒光りした、
悪意に満ちた銃口が露出していた。
弟者は小さく悲鳴を上げる。
( ゚∀゚)「パフォーマンスが必要なんだよ……俺らにはさ」
(゚<_゚ ;)「………!」
( ゚∀゚)「こんな最悪な村を作り上げた、黒幕さんを始末するっつーよォ」
(゚<_゚ ;)「お願いです! お願いしますゥ! 死にたくありません!!」
あらん限りのその叫びも、しかしジョルジュは鼻で笑うと、
( ゚∀゚)「いやいや……死ねよw」
.
724
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:55:41 ID:pBPHgVk.0
( ゚ 」゚)「オリヴァー……とても残念だ。キミを始末するというこの現実が」
縮こまった弟者の方へ、リッチーは鷹揚に進み出ると、
その鼻先に銃口――左手首から露出している――を向けた。
(;<_;#)「嫌だ! 嫌だァァッァァァ!!!」
泣き叫びながら、銃口から逸れるように首をなんども振るったが、
その悪意から逃れることは、できなかった。
( <_ ;)「死にたくないィィ……生きたいよぉぉぉ」
( ゚∀゚)「wwwwwwwwww」
( ゚ 」゚)「……目を瞑って来世に祈るんだ、オリヴァー」
この魔人から逃げ切るなんて、不可能ごとであった。
弟者の顔はたちまち涙と鼻水で汚れに汚れる。
725
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:57:45 ID:pBPHgVk.0
.
( <_ ;)「ぁあ……ああああ……!!」
死の恐怖が、身体を怯ませる。何度呼吸をしてもし足りない。
何度祈っても、恐怖から逃げ出せない。死から逃げられない。
( <_ ;)「〜〜〜〜!!!」
( <_ ;)「っ助けてくれ……!」
(;<_;#)「助けてくれェ!! 兄者ぁぁぁぁ!!」
( ゚∀゚)「ばーか」
( ゚ 」゚)
銃口は弟者の額に押し当てられ、そうして、
.
726
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 17:59:20 ID:pBPHgVk.0
.
. ―――― パシュッ………
.
727
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:02:33 ID:pBPHgVk.0
.
―― ハーモニー 地下倉庫付近
(;'A`)「く、くそ……ったれ」
入口にもたれ掛かって、ドクオは肩で息していた。
その足元にはずた袋があって、それを地下から持ち出してきたのだが、
いかんせんその重量が満身創痍のドクオには耐え難いものであった。
(;'A`)「時、時間が……」
肌で感じるタイムリミット。マーポールはすぐに突入し、
証拠物件としてこれを奪い取られてしまうであろう。
このずた袋を。
(;'A`)「(せっかく、、、奪い返したってぇのに……!)」
ドクオは地上への階段前で、弱音を吐いていた。……
728
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:04:51 ID:pBPHgVk.0
.
……兄者のパスワードは正しかった。空のずた袋片手
に地下倉庫でタイプしてみると、みごとに扉は開かれた。
その扉の向こうには金銀財宝、
に相当するような価値を持つ盗掘品が所狭しと並べられていた。
鉱石やエビのそれぞれは、モアブ地方では取れないと思われていたもの
ばかりで、もしそれらがこの近辺で発見されたとしたら、
それだけで学会はひっくり返るに違いない。
はやる気持ちを抑え、自身の研究に役立つであろう代物を袋に丁寧に詰めた。
特に、火星原住民の匂いを感じ取れるようなものを重点的に選んだ。
あまり多く盗んでも、のちのち来るマーポールに疑われてしまう。
そうしてドクオは、ようやく、今回の目的の品を発見した。
(メ'A`)
それは、樹の大きな化石であった。全体的に黒ずんでいて、
平べったい。よくよく見れば、年輪らしきものを確認できる。
――これこそが、まさしくドクオの発掘思案から盗掘されたものであった。
ドクオはそれを手にとった瞬間、先住民の生活に思いを馳せた。
きっと彼らは、火星の特殊な耐火樹をバーベキューのプレートとして
使用していたのだろう。このプレートには、彼らの食事風景が刻まれていた。
729
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:06:44 ID:pBPHgVk.0
ドクオは涙を拭き取ると、それをずた袋に入れ、腰を上げた。
もうこれで充分だった。一刻もはやく、研究所に持ち込んで調べてみたい。
しかし、ドクオの身体はすでに限界に達していたのであった。……
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
(;'A`)「……はぁっはぁっ!」
ずた袋を抱えてなんとか階段をのぼりきり、ドクオは
地面に降り立った。既にそらは黒ずんで、一等星は輝いている。
――だだっ広い広場。兄者との死闘を繰り広げた激戦地だったが、
いまはもう廃墟の空気を漂わせていた。ここからは、兄者の
死体もデルタの死体も目に届かなかった。だだっ広い広場。
気を抜くだけで失神してしまいそうだった。今からこれを
隠さねばならないと思うと、絶望を通り越して笑いが込み上げてくる。
(;'A`)「………」
こんなところで挫けていられない。
しかし、しかし……。
.
730
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:08:28 ID:pBPHgVk.0
震える手で、ずた袋を持とうとしたそのときだった。
広場の向こう側から、足音と話し声が聞こえてきた。
(;'A`)「くっ……」
ついにマーポールが来たか。ドクオは泣きたくなった。
ここまで来たのに、やっと、取り返せたというのに。
その足音の主たちは、確実にドクオの方へ向かっていた。
声から察するに、男女の二人組らしかった。
ところが、その声にはどこか聞き覚えがあった。
姿かたちははっきりしていないが、確かに、聞き覚えが。
(;'A`)「………まさか」
―― 少なくとも、この男のほうはマーポールではない。
―― いや、それどころか、こいつらは……!
―― こいつらは……!
.
731
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:09:50 ID:pBPHgVk.0
(;'A`)
(メ'A`)
(メ'A`)
(メ;A;)「せ、せ、せ……」
.
732
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:11:33 ID:pBPHgVk.0
その二人組は、顔の分かる位置にまで歩いてきた。
川 ゚ -゚)(’e’)
(メ;A;)「セントジョ―――ンズッ!!!!!」
疲れを忘れきって、ドクオはクーとセントジョーンズに駆け寄った。
(’e’) !?
(;’e’)「ド、ドクオさぁぁぁん!!」
(メ;A;)「ジョーンズ!! ジョーンズウウ!!」
(’e’)「ドクオさあああん!!!」
733
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:13:32 ID:pBPHgVk.0
.
――生きていたか! 来てくれたかジョーンズ!!
薄明かりのなか、ドクオの傷だらけの顔が
セントジョーンズの視界に映った。
(メ;A;)
(;’e’)「わッ ひっでえツラ!」
. ドゴォ
(メ#'A`)=○)e’)∵.・ イヤチガイマスコレハソウイウイミジャジャバァ!
川;゚ -゚)
.
734
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:16:38 ID:pBPHgVk.0
(;'A`)「うっ……」 グラリ
(;’e’)「ド、ドクオさぁん!?」
セントジョーンズを殴ったところで、ドクオの身体は
一気に力を失ってしまった。セントジョーンズが無事だったこと
に気が緩んだ上、無理に身体を動かしたその結果である。
セントジョーンズが抱きかかえると、ドクオはにやりと笑って、
(メ'∀`)「生きてやがったか。この野郎めが……」
(’e’)「男のツンデレとかやめてください〜」
(メ'∀`)「うっせぇ……ん?」
川 ゚ -゚) ペコリ
(メ'A`)「(クー……スナオリャ……)」
(’e’)「何から何まで、協力してくれたんすよ」
川 ゚ -゚)「初めましてですね、ドクオ・ウツタールさん。
ライターのクー・スナオリャです」
(メ'A`)
(’e’)「ほら、挨拶挨拶」
(メ'A`)「(うるせえ)」
.
735
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:19:15 ID:pBPHgVk.0
(メ'A`)「は、は……
(メ;'A`)「はじめまshhおfwwhかdshfcdsjヴぉなそfvれ。
vfんsおあvんrvjkdぶえsんkldfvsdんvんjvfs?
(はじめまして、見た目麗しいペンの剣士さんよ。
アンタのおかげで万事解決ってとこかな?)」
(’e’)「ドクオさァん噛みすぎっすよおwwwwwwwwwwww」
美女の前に、緊張し過ぎてしまった。
川;゚ -゚)「う、うむ……」
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
736
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:22:33 ID:pBPHgVk.0
そうして、このハーモニーの一日は
カーテンフォールを迎えようとしていた。
雲一つない美しい夜空には、移動する天然衛星も人工衛星も鮮明だった。
それらの放つ光が、闇のはずの夜をほんの僅かに明るくしている。
静かな夜だった。マーポールはまだ来ていない。というのも、
兄者の正門での惨殺が原因で、明日以降に持ち越されたのであった。
ドクオは無論、知らないことであったが。
クーの提案で物陰に移り、しどろもどろながらに情報交換をした彼らだったが、
事の顛末を話し終えた途端、ドクオは急に険しく哀しい表情になって、
(メ'A`)「すこし、たのみたいことがある」
(’e’)「ん? その袋なら持ってきたっすよ」
そういってズタ袋を指差すジョーンズに、ドクオは首を振って、
(メ'A`)「違うんだ。そうじゃない。……さっき話した、二人の話さ」
川 ゚ -゚)「この広場で倒れた、二人の男性ですか?」
(メ'A`)「そう……だ……」
737
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:24:09 ID:pBPHgVk.0
(メ'A`)「……遠くないところで眠っている、
その二人を、見つけてくれねえか……頼む、弔いてぇんだ」
(’e’)「………」
(メ'A`)「勝手なことだけどよ……あいつらだけは、
あの、アレンとデルタの二人をよ……」
川 ゚ -゚)「ドクオさん……」
ためらいがちに、クーは一歩進み出て、
川 ゚ -゚)「気持ちはわかりますが、今こうしてる時間さえ、、、」
(メ'A`)「それでも」
(メ'A`)「あの二人に手を合わせたいんだ……! 頼む、この通りだ……!」
ドクオは頭を下げた。一歩も引くつもりはないらしかった。
.
738
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:25:33 ID:pBPHgVk.0
川 ゚ -゚)「………」
川 ゚ -゚)「急ぎましょう、まだこの暗さなら探せますし……」
(’e’)「そうっすね〜!」
セントジョーンズに支えられながら、ドクオはなんども
声にならない声で感謝の言葉を述べ続けた。
そして、兄者とデルタの亡骸を探そうと
うしろを向いた際、奇妙な感覚に三人は囚われた。
かすかに耳に届く、ぱちぱちという拍手のような音。
しかし、決して誰かを祝福しているそれではなかった。
(メ'A`)!?
慌てて振り返ると、その視線の先にそびえ立つ裁判館、
流石兄弟の居城の一角が、いやに明るく光っていることに気がついた。
炎だ。黒煙は夜の闇にとけているが、紛れもなく、裁判館には火がつけられていた。
.
739
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:28:31 ID:pBPHgVk.0
次第に、拍手と勘違いした奇妙な音は、ごうごうと燃え盛る音にかき消される。
窓枠の向こう、裁判館の内部では激しく炎が燃え盛っている。
裁判館には、火がつけられていた。
川;゚ -゚)「……火事……!?」
(;’e’)「う、うわぁ〜〜〜!!」
(メ'A`)「………」
三人は、次第次第に激しさを増す炎を見つめていた。
(メ'A`)「(誰が、火をつけたんだ……?)」
(メ'A`)「(弟者が観念して焼身自殺を? いや、それより可能性が高いのは……)」
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
―― 30分前 裁判館 2F
.
740
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:32:06 ID:pBPHgVk.0
.
( ゚∀゚)「……ドックオくんじゃあぁあぁぁぁあぁン……!」
窓にへばりつき、筋の通った鼻がガラスに擦れる。
ジョルジュは大学時代の同期を、裁判館から見下ろしていた。
( ゚∀゚)「……クーちゃんもいるんだねェ、あー……犯してえなァ。
犯してやりてぇなあ……」
( ゚ 」゚)「………」
.
741
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:35:24 ID:pBPHgVk.0
( ゚∀゚)「この、、、タイミングで現れるなんて……あー、、、
殺してやりてえのになァ。あー……」
目を血走らせて、
( #゜∀゜)「あー……! ここでは駄目だ、あー……ッ!」
苛立ち紛れに、ジョルジュは少し歩いて足元の死体を蹴り飛ばした。
眉間を打ち抜かれた弟者の死体は、さながら人形のように崩れ落ちた。
傍に転がるフェイクの拳銃が、血にすこし汚れた。
( ゚∀゚)「いくぞリッチー。帰り際に火を放て」
( ゚ 」゚)「わかっている」
ジョルジュの狂態と弟者の亡骸を視線から逸らしていたリッチー
だったが、帰る段取りになってようやく口を開いた。
( ゚ 」゚)「ところでジョルジュ。部下からの電話で一つ、
考えた部分があるんだが……。キミがご執着のスナオリャについてさ。
時間がないから車内で話すことにしようか……」
742
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:37:54 ID:pBPHgVk.0
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
――その、帰りの車内。
( ゚∀゚)「んで、なんだ話ってのはヨ?」
煙草に火をつけながら、ぼんやりとジョルジュは尋ねた。
リッチーは、夜空を見上げながら、
( ゚ 」゚)「クー・スナオリャのバックについてさ。我々、
ハンター組合の圧力に屈しない企業をリストアップしたら、
ひとつの共通点が浮かんできたんだ。
それは、その企業のどれもが、ある一つの企業と取引を、
あるいは何らかの関わりを持っているのだ」
( ゚∀゚)y-~「勿体ぶらねえで、その黒幕ってのをさっさと教えろや」
( ゚ 」゚)「………」
743
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:39:21 ID:pBPHgVk.0
.
( ゚ 」゚)「―― ホテル・サイドニアだ」
( ゚∀゚)y-~「はあ? なんで一宿泊業が突っかかって……」
クーとジョルジュが衝突した舞台は、確かにホテル・サイドニアだったが、
だからといってそれがクーを支援する理由にはならないだろう。
( ゚ 」゚)「だが確定的だ。それに、さっきあの場に居たドクオとやらも
そのホテルの滞在者らしい。恐ろしいほどに、運命づけられている
だろう? たかが一宿泊業……されど一宿泊業だ。
あのホテル自体、非常に謎が多いことで有名でね。たとえば
出資元ですら、いくつものダミー会社で隠しているんだよ」
( ゚∀゚)y-~「………」
ホテル・サイドニアの神秘性については、ジョルジュもなんども耳にしている。
火星の一般開放が行われると同時にオープンした、不気味なモノリスめいたホテル。
マーパーツと世間は騒ぎ立てているが、あのホテル自体が、奇妙なオブジェクトにほかならない。
( ゚∀゚)y-~「へーェ……」
だからこそ、ジョルジュはそこを踏み潰してやりたいと燃えてきた。
744
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:41:34 ID:pBPHgVk.0
( ゚∀゚)y-~「あの三流ホテルが、ふざけた真似してるんか……」
( ゚ 」゚)「だが一つ厄介な噂があってね。出資者の一人と噂される
大物が、我々にとって非常に厄介な存在だ。
キミも知っているだろう。ニューシベリアの極右政治屋の……」
( ゚∀゚)「プーチニコフ!! あの糞垂れが全ての黒幕かッ!?」
( ゚ 」゚)「そこはまだわからないが、ホテル・サイドニアは確定的だろう」
( ゚ 」゚)「我々のやるべきことは、もう運命づけられているだろう?」
( ゚∀゚)「フン……」
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
745
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:42:37 ID:pBPHgVk.0
.
ハンター村、ハーモニー。
その権力者の、象徴であった裁判館。
純白の建物は炎に包まれ、朽ちようとしていた。
.
746
:
rasuo
◆tOPTGOuTpU
:2013/05/29(水) 18:43:29 ID:pBPHgVk.0
.
・「兄者」アレン・ジャーブロ・A・ニコラス。
・「弟者」オリヴァー・ジャーブロ・O・トーマス。
―― 通称、「流石兄弟」
―― 同日に、死亡。
.
747
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 18:44:30 ID:pBPHgVk.0
今日はここまでです。遅くなってすまぬ
748
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 18:47:40 ID:pPfLkVCQ0
おつ
ここでホテルサイドニアがでてくるのか
749
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 19:18:13 ID:mvqfyRtAO
盛り上がるなぁ! 好きだ!
750
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 19:29:08 ID:GURftNa.0
おつ
兄者も弟者も…
751
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 19:47:19 ID:sdISpLN6O
やっと来たか、まとめで読んで追いついてから楽しみにしてた!
.
752
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 21:59:54 ID:JVGYuclk0
おっつん、ハーモニ編面白かった
私とデレがずっと気になっていたがまたホテル中心に戻るのかな
753
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 22:42:28 ID:VBT4jl3E0
乙
ドクオも兄者もかっけぇなあ、かっけぇ。
754
:
名も無きAAのようです
:2013/05/29(水) 23:34:34 ID:BIKE6YUU0
乙・・・!
755
:
名も無きAAのようです
:2013/06/04(火) 04:59:54 ID:lb0rdfDM0
またヒート相手にはしゃぐドクオが見たいぜ
756
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/06/04(火) 09:32:53 ID:LM5Y.Yb60
>>752
これ以上タイトル詐欺は続けられないよね!
以下、ちら裏
6月3日で俺の作者デビュー6周年になりました。はっぴーでー、おれ。
いろいろ思い出でも語ろうかと思ったが、そもそも適当に過ごしてきただけなんで
語れるものはほとんどないし、忘れた。唯一語れるのは、現行の進行状況ぐらいか。
いま20パーセント書けたくらいです。それと、この作品に付き合ってくださっている
全ての読者さんに感謝を。ほんとうに励みになります。それではまた、投下する日まで。
760
:
名も無きAAのようです
:2013/06/04(火) 20:23:05 ID:xArap.gwO
ハーモニー決着ついてたのか!6年目もおつです!今作も空も待ってます!
761
:
名も無きAAのようです
:2013/06/05(水) 17:46:25 ID:eI70l3Zc0
兄者は最期までかっこよかったのに弟者と来たら・・・
762
:
名も無きAAのようです
:2013/08/09(金) 01:55:02 ID:UawQEMw20
やっぱおもしれえわ
まだかいな
763
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 21:45:26 ID:4Q7BCeVU0
ハロー、あたし。締めなんて簡単に書けるだろと
放置してたらこんなに日数が経過していました。
推敲し次第投下します
764
:
名も無きAAのようです
:2013/09/11(水) 21:47:44 ID:zQJDDFj20
ハロー
765
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 21:58:50 ID:4Q7BCeVU0
.
モアブ地方の一村、ハーモニーの狂気の一幕は、
裁判館の焼失とともに幕を下ろしたが、村の人々にとっては、
これからが物語の始まりなのかも知れない。
('A`)
ハンターの支配から解き放ったドクオは、英雄と語られるに相応しい。
だが、ハンター組合との取引、ドクオ自身の都合により、
その英雄譚が外に漏れることは、これからも無いであろう。
事実、ハーモニーのこの事件は二面の下のほうに
ちいさく掲っているだけで、その6行の記事の中には
ハンター組合も、ドクオの名前も書かれておらず、終わりに
ただ村長の弟者の名前が、自殺の二文字で締めくくってある。
.
766
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:04:27 ID:4Q7BCeVU0
弟者は実際には殺されたのだが、それは当事者の
ドクオにも知られることではなかった。都合の悪い出来事は、
ぼやかされ、捻じ曲げられ、世間へ伝わっていく。
流石兄弟の死の翌朝、盛大な後出しジャンケンでやって
来たマーポールの面々は、被害状況と死亡者の確認に徹した。
無論、村人やドクオ達は簡単な取り調べを受けたが、
どうにもやる気のないもので、逮捕は生き残りのハンター達だけにとどまった。
組合に切り捨てられたチンピラだけを、悪と定めるつもりであろう。
そこにドクオはある種の憤りを感じたものだった。
('A`)「(こいつら、正義気取ってる癖にとんだ臆病者ばかりじゃねえか。
マーポールとハンター組合……開拓されて間もない火星で
こうも癒着しやがるなんて、悲しくなってくるもんだね)」
そんな愚痴をセントジョーンズに話すと、彼は難しそうな顔をしながら、
(’e’)「なんかイヤな話ですね〜」
と、理解しているのかしていないのかな返答をした。
結局、このハーモニーの一事は「村長派と反対派の喧嘩」という
筋書きに留まり、どの新聞も軽く取り扱ったのは、先に述べた通りである。
.
767
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:15:18 ID:4Q7BCeVU0
クー・スナオリャはマーポールが来る数時間前、バイクに
跨り帰ったため、どの取り調べにも応じることはなかった。
ところで、クーは帰る間際になって、ドクオにこんな言葉を残した。
川 ゚ -゚)「私達はもう、組合と対峙するしか道はない……。
その事はドクオさんもご承知でしょう」
(;'A`)「え、あ、ふぁい」
川 ゚ -゚)「これからも、手を組みましょう。ドクオ・ウツタール」
('A`)
川 ゚ -゚)「ホテル・サイドニアで待っているから」
そういうとエンジンを掛け、颯爽と走り去っていった。
(’e’)「いや〜後ろ髪も美人っすね〜」
('A`)「………」
('A`)
(*'A`)「ホ、ホテルで……待っているだなんてっ……!」ドキドキ
(;’e’)「 」
.
768
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:24:28 ID:4Q7BCeVU0
ドクオの気にかかった話といえば、もう一つあった。
阿部は病院に送られ、暫らく入院することになったのだが、
救急車に乗り込んだシャキンが、不安そうな顔でこう語った。
(`・ω・´;)「阿部さん……泣いてたっす。兄者の名を
いいながら、チクショウ、チクショウって……」
(`・ω・´;)「ほんとうに、まじで悔しそうに。
……これ、言っていい話かわかんないスけど」
('A`)「………」
ドクオは阿部と最初に出会ったときの、会話を反芻しながら、
(A` )「あの、嘘つき野郎め……」
そうぼやくと、グラスのコニャックを一息に呷った。
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
769
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:34:50 ID:4Q7BCeVU0
あの夜から二日経過した。マーポールのキーピングシールも
外されていないが、もう取り調べを受ける義務もなくなった。
ドクオはひっそりとハーモニーから出ることにした。
セントジョーンズに荷物の確認を任せ、ドクオは傷の
手当てを自力で施している。といっても包帯を替えたり
消毒液を垂らす程度のものだが。
セントジョーンズのバギーは、ハーモニーの入口に停めてある。
いよいよ、帰宅の時間だった。
('A`)(’e’)
閑散としていて、ドクオたちを見送る者は居ないのは、
ドクオ自身が照れくさかったというものがあった。あの一件以来、
英雄のように祀られ、慕われたものだが、どうにも居心地が悪かった。
(’e’)「いいんスか〜? 黙って出てくだなんて」
('A`)「きゃーきゃー言われるのは性に合わないんだっての」
770
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:41:01 ID:4Q7BCeVU0
そういって、とっとと乗り込もうとするドクオを見て、
(’e’)「っつーか、慣れてないだけっすよね〜?」
('A`)「ウルヘエ」
助手席にどかっと座り、ドクオはサイドミラーからハーモニーを
眺めだした。何故だか淋しい気分になる。色んなことが、ここにはあった。
借りを返すために乗り込んで、命の危険に晒された。
内心には恐怖もあったが、しかし自分の夢が、勇気を奮い立たせた。
ハンターの幹部を倒したことも、決して些細なことではないが、
それ以上に、多種多様のマーパーツを手に入れられた。
ギャンブルに勝ったのだ。
('A`)
ここに来て、よかった。
と、そのときになって、ドクオの無言の旅立ちに気がついた
らしい面々が、サイドミラー越しに現れて戸惑いだした。
ノーナンバーズの面々にはほんとうにお世話になった。
だがしかし、セントジョーンズのバギーが、発車をする。
771
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:45:39 ID:4Q7BCeVU0
(’e’)「しゅっぱーつ、しんこー」
ドクオは窓を開けると、
追いかけようとする彼らに向かって手を振って、
('A`)ノシ「おおおーい!! みんなー!!!」
('A`)ノシ「元気で暮らせよなー!!!!!」
('A`)ノシ「開拓心を、忘れんなよー!!!!」
バギーは速度を上げていく。やがて、ハーモニーの
姿が、見えなくなっていった。……
.
772
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:52:23 ID:4Q7BCeVU0
('A`)「ふぅ……」
ドクオは一息つくと、カウボーイハットを深めに被り、
寝るような体勢になった。セントジョーンズがちらりと
見やると、ドクオは疲労に支配されているように映った。
(’e’;)「(ま、ほんとうにお疲れっすよドクオさぁん。
よくここまで完璧に立ち回れたもんです……。
まじで、凄いと思いますよ俺は……)」
火星の荒土を、バギーは走る。
無機質なエンジンの音。舗装されていない道の揺れ。
( A )「………」
(’e’;)「
………」
( A )「ジョーンズ……」
(’e’;)「あ、はい! なんすか」
( A )「あのさ、……
('∀`)「カレーでも、食いにいかねえか……?」
(’e’)「………」
(’e’*)「いいっすねえ!」
773
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 22:58:33 ID:4Q7BCeVU0
バギーが走る。
荒野を走る。
('∀`)「〜〜〜〜」
(’e’;)「〜〜〜ッ!?」
ドクオのよく分からないカレーへのこだわりと、店の
突飛なセレクトに、セントジョーンズが突っ込みを入れる。
(’e’;)「や〜れやれっすよ……」
セントジョーンズは、話を紛らわすようにカーラジオを点けた。
ラジオ内容は大昔の隠れた名曲セレクトで、ちょうど
イントロが鳴り響いたところであった。
http://www.youtube.com/watch?v=6d8WX_zSZlw
乾いたギターリフの印象的なこの哀愁に充ちた曲を
ハーモニーの鎮魂歌として、もしかしたらドクオは重ね合わせたかも知れない。
('A`) zzz....
曲を真剣に聴いているうち、ドクオは深い眠りに包まれていった。
目的地のカレー屋まで、彼は休み続けることになった。……
・・ ・・・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・
・・ ・・
・・ ・
774
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:02:25 ID:4Q7BCeVU0
.
Manic Street Preachers - Just A Kid
Afraid of the sun, so afraid of the sky
[太陽が恐ろしくて空も恐れていた]
Touch it and taste it,but don't reach too high
[触れて確かめようにも遠すぎて手が届かないから]
Bewildered by them. Then so uncomplicated
[困惑し、単純化された]
All these feelings not fully created
[それらの感覚全てが、完璧に作られていない]
.
775
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:04:26 ID:4Q7BCeVU0
.
Just a kid amongst the autumn leaves
[枯葉に囲まれた、単なる少年]
A kid kicking around with no worries
[ためらいなく虐める、一人の少年]
Just a kid searching through the debris
[ごみを漁る、単なる少年]
Just a kid acting like I used to be
[昔の俺のように振舞う、単なる少年]
Just a kid acting like I used to be
[昔の俺のように振舞う、単なる少年]
.
776
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:06:10 ID:4Q7BCeVU0
.
Afraid of the sun, so afraid of the sky
[太陽が恐ろしくて、空も恐れていた]
Touch it and taste it, but don't reach too high
[触れて確かめようにも、遠すぎて手が届かない]
Hurting and yearning,and yet so carefree
[苦しみ憧れても、まだ楽観的でいる]
Waking and dreaming, the world at my feet
[世界を感じた白昼夢]
.
777
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:09:04 ID:4Q7BCeVU0
.
Just a kid amongst the autumn leaves
[枯葉に囲まれた、単なるの少年]
A kid kicking around with no worries
[ためらいなく虐める、単なる少年]
Just a kid searching through the debris
[ごみを漁る、単なる少年]
Just a kid acting like I used to be
[昔の俺のように振舞う、単なる少年]
Just a kid acting like I used to be
[昔の俺のように振舞う、単なる少年]
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
.
778
:
ラスト投下
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:10:41 ID:4Q7BCeVU0
.
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
・・ ・・・・・
・・ ・・・・・・
舞台は大きく変わって、ホテル・サイドニアのエントランス。
ここでは、とある事件が起きようとしていた。.......
.
779
:
◆tOPTGOuTpU
:2013/09/11(水) 23:16:10 ID:4Q7BCeVU0
いや、遅くなってすまんかった。なんども言うけど、
この程度の分量二日あれば余裕っしょと調子こいた結果の数ヶ月でした。
明日から本気だします。
それと、以上をもって、ホテル・サイドニアのハーモニー編は完です。
めちゃくちゃ長かった(431kb)ので、ちょいと感慨深かったり。
俺の処女作、綺麗な街のある種リメイクのような一編でしたし。
投下がめっちゃ遅くって、すんませんでした。明日から本気出します。
780
:
名も無きAAのようです
:2013/09/12(木) 00:01:15 ID:/WE2MaSM0
おつ!!!
781
:
名も無きAAのようです
:2013/09/12(木) 03:28:25 ID:xJJ5L/VU0
乙っ!
782
:
名も無きAAのようです
:2013/09/12(木) 09:10:37 ID:fYZxTM7I0
乙!
ハーモニー編最高だった
次にも期待
783
:
名も無きAAのようです
:2013/09/12(木) 09:39:10 ID:AIffu.pMO
おつおつ!本気に期待!
784
:
名も無きAAのようです
:2013/09/16(月) 15:35:12 ID:0vVX8.LY0
いい締めだ
これにしかない雰囲気がよく出てる
開拓史って感じだ
乙
785
:
か
:2014/01/07(火) 02:15:53 ID:aTHZG7Xk0
あげ
786
:
名も無きAAのようです
:2014/01/11(土) 02:06:24 ID:tnwdLTBw0
Y
787
:
名も無きAAのようです
:2014/01/13(月) 23:17:04 ID:uAVnAEYQ0
はよ続き!
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