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【河川敷】 納涼夏祭り 短編・絵投下スレ
187
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:20:27 ID:cPZsd9WsO
(* ^ω^)「ハムッ、ハフハフッ! 美味いお!」
( ・∀・)「りんご飴って家でもつくれるのか」
('、`*川「いっぱいあるからゆっくりお食べ」
(* ><)「♪」
みんなで食べるご飯はとっても美味しいんです。
( ><)「……」
(* ><)(実は、こっそり打ち上げ花火にお願いしたんです)
( ><)(“来年も皆で一緒に花火を見られますように”って)
おばあちゃんの唐揚げは、お母さんの唐揚げと同じ味がしました。
( ><)は打ち上げ花火に願うようです おわり
188
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:21:36 ID:cPZsd9WsO
以上です
長々と失礼しました
189
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:29:30 ID:9xFZ6xRYO
投下乙
そろそろ祭りもラストスパートかな
投下します
190
:
( ^ω^)稲川ブーン二のようです
:2011/08/30(火) 23:31:35 ID:9xFZ6xRYO
( ^ω^)「夏も終わりですねえ。こんばんは、稲川ブーン二です」
( ^ω^)「最初に断っておきますとね、ええ、こういう話をしてると……寄ってくる、っていうじゃないですか」
( ^ω^)「世間に広まるのにはそれだけの理由があるもんで、これってあながちデマじゃあないんですよ」
( ^ω^)「だから聞いてる最中に、背後からじとーっとした視線を感じたり、背中にぞぞぞぞぞっと寒気が走ったら、ああ、出たんだなあって思ってください」
( ^ω^)「今回のお題は花火というわけですが、皆さんは花火を見るとき、どんな気持ちで見てます?」
( ^ω^)「楽しかったり、綺麗だなあ、なんつって思ったり。ええ、私もね、普段はもちろんそんな気持ちで見てますよ」
( ^ω^)「それがあの時だけは違ったんだなあ。安堵、という感情を味わったのは、後にも先にもこれっきりでした」
( ^ω^)「今回お話しするのは、そんな話です」
.
191
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:33:02 ID:9xFZ6xRYO
あれは私がまだ学生の頃なんですけどね、気心の知れた男友達で集まって、夜の街をぶーらぶーら遊び歩いてたんだ。
街っていっても昔の田舎でしたからね、遊ぶところなんてなーんにもない。
ええ、散歩みたいなもんですよ。それでも楽しいんだから、きっと若さってやつなんでしょうねえ。
('A`)「そういえば、今日花火大会だっけ」
なんてことを友達の、仮にドクオにしておきましょうかね。彼がいうんですよ。
(´・ω・`)「せっかくだからいってみる?」
もう一人の友達、こちらは仮にショボンにしましょう。
彼も乗り気だってんだから、私だけ反対するのもなんだってことで行くことになったんですよ。
だけどね、数少ない田舎の娯楽っていうのにはみんな敏感でねえ、もんの凄い数の人でごった返してるんですよ。
( ^ω^)「これじゃあ、ろくに近くで見れないお」
('A`)「俺、前に先輩から聞いたんだけど、すげえ穴場があるらしいぜ」
(´・ω・`)「僕も聞いたことある。あの山の神社のところだよね」
192
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:34:19 ID:9xFZ6xRYO
花火を打ち上げる川の、すぐ近くが山になってましてね。
その山ん中にある、管理人なんていやしないうらぶれた神社。
昼間でもそこは薄暗く、どーんよりとしてて気味が悪いってなことで有名で、地元の人は誰も近寄らないんですよ。ええ。
( ^ω^)「あそこはやめといた方がいいんじゃないかお」
('A`)「なんだブーン二、びびってんのか」
本当は行きたくなんかなかったんですけど、そうも言われちゃ売り言葉に買い言葉で、行ってやろうってなことになったんですよ。
ろくに整備もされてない道を登って神社に着いたわけですが、案の定というかなんというか。
あからさまにここだけふーっと空気が冷たいんですよ。
( ^ω^)「なあ、やっぱり――」
と口を開いた瞬間どおおおおおおんっと激しい音が聞こえる。
なんだと思って振り返ると、花火が始まったんですよ。
(´・ω・`)「立ちっぱなしも疲れるし」
結局、帰ろうなんていえる雰囲気じゃあなくなってしまいましてね。
ショボンの提案でお社の階段に座ることにしたんだ。
193
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:35:47 ID:9xFZ6xRYO
早く帰りてえなあ、腹へったなあ、いつまで続くんだろうなあ。
あーでもねえ、こーでもねえなんて考え事してたら
……ゴトッ
って後ろから何かが落ちたような音がしたんだ。
('A`)「なあ、今のって中からだよな?」
花火の音も大きかったんですけど、そらまあ近くでそんな音がしたら誰だって気付きますよ。
('A`)「おっ、鍵かかってないじゃん。入って見ようぜ」
社殿の中なんてそうそう入れる場所じゃありませんからね、好奇心を刺激されたんでしょう。
よせやーいっていう私の制止を振り切って、ドクオは社殿の中へ入ってった。
(´・ω・`)「あれ? 向こうも扉になってる」
仕方ないんで私達も続くんですがね、どうにもおかしい、なーんかおかしい、この神社変なんだ。
普通社殿っていったら御神体が飾ってあるでしょう。
それがね、何もないどころか、向こうも出口になってんだ。
194
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:36:47 ID:9xFZ6xRYO
('A`)「俺達、ここから入ったんだよな」
その出口から出ると神社の正面、入口から出たのと同じ景色が見える。
おかしなあ、嫌だなあ、怖いなあ、なんて話になりましてね。
丁度終わったのか花火も聞こえなくなってましたから、帰ることにしたんですよ。
ええ、入った方からではなく、向かいの出口の方から出てね。
そのことに私は、川沿いの道まで戻ってから気付いたんだ。
('A`)「関係ねえって。どっちでも一緒だろ」
なんてドクオは軽く言いますけどね、私にはどーも嫌な予感がする。
( ^ω^)「なあ、さっきまで凄い人込みだったのに、人っ子一人いないのはおかしくないかお」
そう、神社を出て以来誰とも出くわさないんだ。
初めは笑ってたドクオも住宅街に近付くに連れて、徐々におかしいって気付き始めた。
195
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:37:47 ID:9xFZ6xRYO
(´・ω・`)「ね、ねえ、向こうから誰か来るよ」
ショボンが指差す方向からペタッペタッと誰かが近付いてくる。
はああ、なんだ私の思い過ごしかあ。
なんてほっとしたのも束の間、私はあることに気付いた、気付いてしまったんだ。
駄目なんですよ、こんな住宅街でペタッペタッなんて、裸足で歩くような音がしちゃあいけない。
それに気付いたときには、その誰かはもう見えるところまで来ている。
川д川
ぼさーっと顔までかかるのような、長い髪の不気味な女。
その彼女がこっちを見て、
川д川「ジヒ、ジュヒヒヒヒヒ!」
耳障りな笑い声を上げながら走ってきた。
(;'A`)「うわあああああああああああああ!」
もう一目散で走って逃げる。
なりふり構わず走って走って。
196
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:38:51 ID:9xFZ6xRYO
そして、どこをどう行ったのか、気が付いたら例の神社の近くまで来てたんですよ。
(;´・ω・`)「はあ、はあ、ねえ、ドクオは!」
(;^ω^)「はあ、うくっ、はあはあ、わからない、無我夢中だったから」
さすがに探しに行かないと、と思ったら、
ジュヒヒヒヒヒ
もうそんな余裕はどこにもない。
( ^ω^)「神社に行こう!」
助けてくれ、助けてくれ、って祈るようにしながら全速力で走る走る。
でもそんな長時間走れるわけもなくてね、足が重くなってくるんだ。
川д川「ジュヒヒヒヒヒ!」
不気味な女の、異様にひやーっとした手が私の肩をかする。
うわああああああ、もう最後の力を振り絞って、なんとか神社の社殿へと転がり込んだ。
197
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:40:19 ID:9xFZ6xRYO
川д川
するとね、その女は社殿の中へは入ってこないんですよ。
しばらくじーっとこっち伺った後、女はすーっとどこかへ去っていったんです。
呆然としながら私とショボンは、元の入り口だった方から外へ出るとね、
どおおおおおおん
って花火がまだ続いてるんですよ。
(;´・ω・`)「た、た、助かった……」
安堵で二人してわんわんわんわん泣いてね、抱き合いながら崩れ落ちました。
だけどもドクオを放っておいていいわけがない。
私達は意を決してもう一度社殿へいくと、それが不思議なことにね。
……もう一つの出口なんてものは、どーこにもないんですよ。
.
198
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:41:32 ID:9xFZ6xRYO
( ^ω^)「その日以来、ドクオは行方不明になりましてねえ。今も彼は見つかっていないんですよ」
( ^ω^)「例の神社はそれから数年後に取り壊されました」
( ^ω^)「あれからも何度かショボンと訪れたのですがね、ええ、二度ともう一つの出口が現れることはありませんでした」
( ^ω^)「私が体験した不思議な世界、あれってなんなんでしょうねえ」
( ^ω^)「いやあ、それにしてもこういうことって、あるんもんなんですねえ」
199
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:43:26 ID:9xFZ6xRYO
これで投下は終わりなんですけどね、ええ、私は元々別の話を書いてたんですよ
レズエロ全開の馬鹿話ってな作品で、調子よく書けてたんですが、それがどう考えても15レスをこえる
困ったなあ、どうしようかなあ、なんてあーでもねえ、こーでもねえと考えてたら
そうだ、これを総合で稲川風のネタにしてやろう。なんて思い付いたんだ
総合でネタにしたらすーっとインスピレーションが沸きましてね、目が覚めるとこんな作品が生まれてました
それでこれを書いたのが昨夜の話で、
今朝になって起きると祖母が亡くなってたんですよ
通夜も終わって明日は葬式なんですがね
今になって考えると、この話は祖母が授けてくれたのかなあなんてね
いやあ、こういうことってあるんですねえ
200
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:49:53 ID:Eh51fTYY0
おばぁちゃんェ…
201
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:50:41 ID:TnTl7f/MO
>>199
なんてレスポンスすればいいかわからんけど、いいはなしだった
202
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:52:50 ID:cPZsd9WsO
>>199
ドクオがどうなったのか気になるな
面白かった
リアルもこっちも乙
203
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 23:56:46 ID:9xFZ6xRYO
祖母は保って数日って言われてたから完全に偶然なんですけどね
強いて言えば今日は葬儀場に泊まることになったから
こーんな日は、何かあるかもしれませんねえ
204
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:15:28 ID:rR84dn8A0
日も変わってしまったし投下するお
205
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:16:13 ID:rR84dn8A0
い草の匂いがする。
線香の匂いがする。
少し遠くから母達の笑い声がして。
僕は暇を持て余して縁側で絵本を開く。
蝉の声。
誰かの足音。
日焼けした手と水色のアイスキャンディ。
その女の子は僕より少しだけ大人で。
僕はその笑顔を一つで全ての退屈を忘れていた。
胸を満たしたその感情の名前を僕は未だ知らない。
(,,゚Д゚)アイスキャンディを食べるようです
206
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:17:08 ID:rR84dn8A0
ラジオの天気予報。今夜は晴れ、風は弱いが放射冷却で比較的涼しい夜なるそうだ。
花火大会には適した天気。神様も年に一度の夜空の花を楽しみにしているらしい。
('、`*川 よかったねーフサ、つーちゃん。今日雨降らないって
(*゚∀゚) てるてる坊主いっぱい作ったもんね!
ミ,,゚Д゚彡 いっぱい作った!
妻の言葉に息子と従姪が興奮した顔を見せる。彼らは今朝会ったばかりだがすっかり意気投合したらしい。
二人で遊びまわった印に二人の服は薄っすら汚れている。大方大人達の話に飽きて裏山を駆け回って来たのだろう。
207
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:17:49 ID:rR84dn8A0
(*゚ー゚) あらあらすっかり仲良くなっちゃって
('、`*川 本当に。流石は親戚パワーだわ
(*^ー^) つーは近場に年の近い子ざ少ないから、フサくんに来てもらえてうれしいみたい
妻のペニサスと従姉のしぃが子供達を見ながら言葉を交わす。
彼女達もすっかり仲が良くなった。
初顔合わせは7年前だったがフサが産まれてからは今年が始めて。
元々面識が薄い上に五年ぶりのはずなのだがまるで旧知の仲のように息が合っている。
どちらも人当たりがいいので別段驚くことではないのかもしれないが。
やはり、彼女達は似ているのだろうか。
喉の奥で何かが動いた気がした。
僕は気付かないふりをして時計に目を遣る。
(,,゚Д゚) 時間的にそろそろかな
僕が呟くと同時に細く小さな花火が空を昇る。
花火大会の始まりの合図だった。
208
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:18:32 ID:rR84dn8A0
花火が上がり始めてからの子供達は一転静かになった。
しいの用意した夕飯にも手を付けず縁側に座り口を開けて空を見ている。
大人達はそんな子供を時々注意しながらささやかな晩酌を楽しんだ。
蚊取り線香の臭いに花火の香りがそっと混ざり始める頃、僕は夜空に遠い昔の事を思い浮かべていた。
____________
209
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:19:17 ID:rR84dn8A0
僕が初めてこの家を訪れたのは今のフサと同じ年、五歳の時だった。
そこで僕に笑顔でアイスキャンディが差し出して来たのがしいだ。
しいとは急速的に仲良くなった。
カブトムシやオニヤンマを捕まえるため野山を駆け回り泥だらけになってよく親にに怒られ。
夜には近隣の花火大会を縁側で見て、それが終わると手持ちの花火で遊ぶ。
風呂も一緒だった。今思い出すと少々恥ずかしい。
それから毎年、夏の花火大会に合わせてこの家を尋ねるようになった。
親が仕事の時に一人で電車とバスを乗り継いで来たこともある。
年に一度、しいと一緒に花火を見るのが楽しみで仕方なかった。
今思えば、初恋と呼ぶべきものだったのかもしれない。
ただ、僕は心のどこかでそれが恋ではないと思っていた。
しいに会うのは年に一度。それ以上の頻度で会ったことは一度も無い。
僕は多分、年に一度のしいの笑顔に愛や恋とは違う日常に収まらない何かを求めていたのかもしれない。
そして、多分、今も。
____________
210
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:19:59 ID:rR84dn8A0
ぼんやりとしている内に花火大会の終わりの合図が空に昇った。
手に持った缶ビールはすっかり温くなっている。
('、`*川 はいはい花火も終わったしお片付け手伝ってね
(*゚ー゚) 手伝ってくれたいい子にはこの花火セットをあげるよ
ミ*,゚Д゚彡 はいはい!!手伝う!!
(*゚∀゚) つーも!つーも手伝う!!
脳みそが浮いて居るようだった。
冷静に思い返せば長距離を運転したり墓参りに回ったり身体は疲れて居るのかもしれない。
('、`*川 洗い物私やりますよ
(*゚ー゚) あら。じゃあお願いしようかしら
ペニサスが台所に向かい水の音が聞こえ始める。
子供達は与えられた花火を持って庭先に出て行った。
すぐそこの庭に子供達がいるが座敷に残ったのはしいと僕の二人。
僕の喉の奥でまた何かが蠢いた。
211
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:20:40 ID:rR84dn8A0
(*゚ー゚) 久しぶりだね。こうしてギコくんと二人でいるの
(,,゚Д゚) もう子供じゃないからね
(*゚ー゚) ふふ、寂しいこと言うなぁ
しいが新しい缶ビールを開けて口を付けた。
顔を盗み見る。
子供達を見守る横顔は優しさが滲み出る母親の顔で。
アルコールで少し紅潮した肌はどうしようもなく女を匂わせていた。
ああ。脳みそが身体を離れていく。
212
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:21:26 ID:rR84dn8A0
(,,゚Д゚) しい姉
(*゚ー゚) うん?
(,,゚Д゚) しあわせ?
(*゚ー゚) …ギコくんは?
(,,゚Д゚) ………俺はしい姉のことが
空気を切り裂くような音が僕の言葉に重なり、それに続いて破裂音。
庭でワイワイと喜ぶ子供達が見えた。
僕の言葉はロケットに乗って空に消えた。
(,,゚Д゚) …俺は幸せだよ
(*゚ー゚) ……私も
(*゚ー゚) 旦那はたまにしか帰ってこないけど、それでもちゃんと私達を大事にしてくれるし
(*゚ー゚) つーもどんどん女の子らしくなって……
(*^ー^) ふふ、フサくんとつー、まるであの頃の私たちみたい
(,,゚Д゚) …そうだね
213
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:22:08 ID:rR84dn8A0
僕としいの間に沈黙が流れた。
しいの顔はいつも通りの笑顔に見えて、なんだか少しだけ違うような気がした。
(*゚ー゚) ……ギコくん
(,,゚Д゚) ん?
(*゚ー゚) ペニサスさんとフサくんと幸せになってね
(*゚ー゚) 私も旦那とつーと精一杯幸せになるから
(,,゚Д゚) …
しいと目と目が合う。
少し潤んだ大きな目。吸い込まれそうな綺麗な瞳。
あの日初めて見た少女のままだ。
僕は彼女から目をそらすことが出来なかった。
(*゚ー゚) 私もギコくんのこと好きだから
しいの顔が近づく。
しいの目が閉じる。
喉の奥に居た何かが背骨を駆け上り脳を突き抜けていく。
しいの唇は、夢見た以上に柔らかかった。
214
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:22:49 ID:rR84dn8A0
どれほどの時間そうしていただろうか。
子供達は花火に夢中だ。ちゃんと見ていないと危ない。
ペニサスは洗い物が早い。すぐにでも戻ってくるかもしれない。
ゆっくりとしいの顔が遠ざかる。
(*゚ー゚) だから、君も私も、私たちの大切な人も、みんな幸せになるように頑張ろう
力強い言葉だった。
昔から変わらない。
僕の気持ちなんか関係ない。
僕はこの人に逆らうことは出来ないのだ。
(,,゚Д゚) …うん
僕の返事の情けなさをロケット花火がまた切り裂く。
しいを見ると困ったように苦笑いを浮かべ一言だけ呟いた。
「ロケット花火がもう少し煩かったら、こんなに困らずに済んだのになぁ」
____________
215
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:23:33 ID:rR84dn8A0
しいの家から帰って二日。夏休暇最後の日。
フサはペニサスの携帯電話を使いつーと電話ばかりしている。
僕は時々フサをからかいながら横になり本を抱えてその様子をみていた。
ペニサスは先程済ませた昼食の片付けをしている。
いつも通りなんの変哲もない毎日だ。
しいとのキスだけが、僕の中にこびり付くように残っている。
迷いとも言える複雑な感情の塊として。
216
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:24:19 ID:rR84dn8A0
いや、僕がすべきことは家族を幸せにすること。
そして毎年あの家であの花火大会をみんなでみること。
それだけだ。
クーラーの当たる位置に座り直し本を開く。
蝉の声が窓を閉めていても聞こえてくる。
フサの笑い声。いつか彼も、つ僕と同じような感情を持つのだろうか。
ペニサスの足音。聞き慣れた、少し慌ただしい歩みで近づいてくる。
目の前に突然水色の物体が現れた。
クーラーよりもひんやりとした空気を放つそれを反射的に手に取る。
('、`*川 アイスキャンディ、食べるでしょ?
(,,゚Д゚) ……ペニサス
('、`*川 ん?
(,,゚Д゚) 愛してるぞ
('、`*川 え?
僕はアイスキャンディの袋をやぶった。
少しだけ赤くなったペニサスが戸惑いの視線を向けて来るのを横目にアイスキャンディに齧りつく。
冷たく甘い懐かしい感覚は静かに溶けて喉の奥へ消えていった。
(,,゚Д゚)アイスキャンディを食べるようです
おわり
217
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:26:31 ID:rR84dn8A0
愛してるよって言ってみたっていいよね
嫁どころか彼女すらいないけど
以上でしたー
218
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:39:18 ID:Zl5yHUVQO
>>217
乙
おれらの嫁なら画面の向こうにいるじゃないか…!
219
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:42:26 ID:Hwf1JG/o0
>>218
ξ ФωФ)ξ 呼んだかしら?
220
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:51:19 ID:EFW5roIA0
乙ー
んじゃ、自分も投下しますわ。
221
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:52:08 ID:EFW5roIA0
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「……」○○○○○○○○○○○
ξ゚⊿゚)ξ「……」○○○○○○○○○○○○○○○○
川 ゚ -゚)「……」○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
( ^ω^)「まあ、確かに? 持ってくる花火は各自の自由と言ったお」
( ^ω^)「それでみんなで集まって花火しようZE! って集まってもらいました」
( ^ω^)「そしたら何、この状況?」
(#^ω^)「何で全員、よりにもよって煙玉しかもって来てないんだお!」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○( ^ω^)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○(´・ω・`)○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○ξ゚⊿゚)ξ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○ブーンたちの花火祭りのようです○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○川 ゚ -゚)○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○'A`○
222
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:53:06 ID:EFW5roIA0
ξ゚⊿゚)ξ「何でって言われても……」
(´・ω・`)「かぶっちゃったものはかぶっちゃったとしか言いようがないよね」
川 ゚ -゚)「うむ」
( ^ω^)「そんな冷静に仕方ないと言うれればそれまでだけども」
( ^ω^)「でもでもNE! どうやったらそんなもんがかぶるんだお?」
( ^ω^)「何故、全員煙玉一択なの?」
( ^ω^)「花火って、他にも色々あるよね?」
( ^ω^)「普通の花火に始まり、線香花火やロケット花火、打ち上げ花火にねずみ花火と多種多彩だお」
( ^ω^)「それが何?」
( ^ω^)「全員示し合わせたのかのように煙玉オンリー!」
223
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:53:51 ID:EFW5roIA0
( ^ω^)「何なのこの惨状?」
( ^ω^)「煙玉だけの花火大会って、どういうことだお?」
( ^ω^)「他の花火ならまだかぶっても楽しみようがあったかもしれない」
( ^ω^)「だが現実に、かぶったのは煙玉」
( ^ω^)「こんだけ大量の煙玉をどうせいっちゅーねん!」
( ^ω^)「煙幕だー! とか言って隠れればいいのかお?」
( ^ω^)「こんな夜中に、わざわざ煙焚いて」
( ^ω^)「逆に目立つわ!」
( ^ω^)「黄色とかピンクとかの煙出ても、夜だからわかり辛いお!」
224
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:54:39 ID:EFW5roIA0
( ^ω^)「大体、何で煙玉だったんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「それは……あ──何となく?」
(´・ω・`)「ウケるかなと思って」
川 ゚ -゚)「妹が大量に作ってくれたので」
( ^ω^)「そして、この煙玉大集合にそんな深い理由もないという」
( ^ω^)「つーか、クー、花火は勝手に作っちゃ駄目だお」
川 ゚ -゚)「うむ、だから証拠隠滅も兼ねて持って来た」
(´・ω・`)「それよりさ、二つほど気になってる事があるんだけど、いいかな?」
( ^ω^)「何だお?」
(´・ω・`)「みんなに集合かけたんだよね? ドクオがいないみたいだけど?」
(#^ω^)「あいつ、マンドクセって約束ぶっちしやがったお」
225
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:55:33 ID:EFW5roIA0
(´・ω・`)「まあ、ドクオだしね」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオならしょうがないわね」
川 ゚ -゚)「しょうがないな、ドクオだもの」
(#^ω^)「全く、協調性のないやつだお」
( ^ω^)「逆にこいつらは無駄な協調性見せてやがって煙玉祭りだけども」
( ^ω^)「もう、腹いせにドクオん家に煙玉全部投げ込んで来ようかお」
(´・ω・`)「まあまあ、落ち着いて」
(´・ω・`)「それよりもう一つの聞きたい事なんだけどさ」
( ^ω^)「何だお?」
226
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:56:24 ID:EFW5roIA0
(´・ω・`)「ブーンは何の花火持って来たんだい?」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「……あれだお、……何か火点けたら煙り出るやつ」
(´・ω・`)
ξ゚⊿゚)ξ
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「……うん、煙玉だお」
(´・ω・`)○「……じゃあ、取り敢えず」○ シューッ
ξ゚⊿゚)ξ○「……点火と」○○○○○○ シューッ
川 ゚ -゚)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ シューッ
(;^ω^)「ちょ、待つお! 僕の言い分も聞いて──」
227
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 00:57:12 ID:EFW5roIA0
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \( ^ω^ )/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
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゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
お し ま い
228
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 01:01:06 ID:EFW5roIA0
日付変わってから書き始めた割にはすっきりとまとまった深い話になったのではないでしょうか
いえ、なってません(反語表現)
何はともあれ、投下した皆様、お疲れ様でした
229
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 01:10:04 ID:rR84dn8A0
乙
なんか煙いな
230
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 02:33:13 ID:jMOdFgSQO
乙
なんというテロ
231
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:20:32 ID:urJy2tTI0
投下する
232
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:21:16 ID:urJy2tTI0
「…遠くで花火の音がする」
妹の話をしようか。
俺とよく似た双子の妹の話だ。
その子はずば抜けて頭が良いわけでも息を飲むほど美しいわけでもなかった。
町を歩けば人の波に溶け込んでしまうような、どこにでもいそうな普通の16歳の人間。
ただひたすらに、優しい女の子だった。
从'ー'从
妹の名前を…仮に「渡辺」としよう。
渡辺は夏を好んだ。花火の音が好きだったからだ。
夜空に咲いた七色の火花ではなく、爆発音のようなあの音が。
銃声のようなあの音に堪らなく惹かれるのだと。
思い起こせばそれは俺のせいかもしれない。
遠い昔の事、夜中に目を覚ました俺は妹と共同のベッドを抜け出して、寝ぼけ眼でトイレへと向かった。
帰りがけ両親の寝室から声がする事に気付いた。
あれ、と俺は首を傾げた。パパは仕事で明後日まで戻らないはずだ。
なのに何故、まっくらな部屋からは男と女の声がする。
何故、いつもは鳴る事のないベッドの軋む音が聞こえる。
全てを理解した脳から眠気が一気に吹き飛んだ。
新しいイタズラを思い付いた子供のような軽い足取りで、
パパの書斎の引き出しに隠してあった銃を持ち出して、
ママになりすましてる怪物と、怪物に覆い被さって腰を振ってる名も知らぬ男に向けて6発。
何も感じなかった。
233
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:22:20 ID:urJy2tTI0
『………』
从 从『―――ちゃん?』
暗闇を照らす扉から漏れる四角い光を人の形をした影が遮る。
それが誰なのかは振り向かなくても分かる。
『…渡辺』
从 从『いま、花火の音がきこえたみたい』
『………』
从 从『………』
『………』
从 从『まっかな花火、きれいだねぇ』
『………』
抑揚のない声からでは渡辺の表情が見えない。
一体妹はどんな顔をしてその言葉を言ったのだろう。
いつものように柔らかい笑みを浮かべてるのだろうか。
ごとり。
手から滑り落ちた銃の音がやけに遠く感じた。
234
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:23:17 ID:urJy2tTI0
その日の朝に二人で食べたブルーベリージャムを塗ったパンの味は今でも忘れられない。
まるで砂を食べてるようだった。
三枚を平らげると大切な物だけを持って、家から飛び出した。
从 从『―――ちゃん。ひっぱったらいたいよぉ、どこにいくのぉ?』
『』
なんて答えたかは覚えてない。
でもこの時確かに俺は笑ってた。
渡辺が花火を好きだと言い出したのはそれからだ。
何を意図してそこに行き着いたのかは分からないが、
ショックのあまり記憶が改ざんされたという仮説が一番有力だと思う。
235
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:23:58 ID:urJy2tTI0
…どこかで一度は耳にしたようなありがちな悲劇だろう?
あれから数年が経った。
渡辺は夏を好んだ。花火の音が好きだったからだ。
夜空に咲いた七色の火花ではなく、爆発音のようなあの音が。
銃声のようなあの音に堪らなく惹かれるのだと。
妹が真に聞き惚れてるのは花火ではなく、銃声そのもの。
俺がママを撃った時の、あの。
从 从『―――ちゃん』
『ん?』
从 从『夏が終わっちゃうよぉ』
『そうだな』
从 从『また花火の音が聞けなくなっちゃうんだねぇ』
从 从『寂しい…寂しい…』
『………』
視線は渡辺から外さない。
俺は妹とつないでない方の手で、路地裏で寝てた浮浪者を撃った。
あの時と同じ6発の銃声と、咲いた一輪の赤い花。
从 从
从^ー^从「まっかな花火、きれいだねぇ。ハインちゃん」
从 ゚∀从
从 ゚∀从(…ああ)
从 ー从(やっぱり、笑ってた)
久し振りに俺も、笑えた気がした。
236
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:24:49 ID:urJy2tTI0
俺が適当な場所で適当に人を撃ち殺す。
後ろで見てた妹がお決まりの台詞で微笑む。
从 ゚∀从「あとはもう、ただそれだけ」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「あーついでに生活に困ってる時は金目のもんを奪う」
爪'ー`)y-「そっちがついでかよ」
从 ゚∀从「姉妹二人で生活していけるだけの金があればいい」
爪'ー`)y-「ははぁ」
爪'ー`)y-「だからこんな殺人現場にこの子を連れて来てるってわけか」
从'ー'从
爪'ー`)y-「人形みたいな綺麗な顔してやがる」
从 ゚∀从「妹に手を出すな」
爪'ー`)y-「今のは誉め言葉じゃねーぞ」
爪'ー`)y-「興味ねーよ。実の娘になんざ」
237
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:25:42 ID:urJy2tTI0
从 ゚∀从「娘?」
爪'ー`)y-「ああ。アヤカは俺の子供だ」
爪'ー`)y-「数年前に誘拐された俺の一人娘だ」
从 ゚∀从
爪'ー`)y-「お前誰だ?」
从 ゚∀从「お前こそ、誰だ」
爪'ー`)y-
从 ゚∀从
爪'ー`)y= スチャ!
从 ゚∀从y= スチャ!
―ドォン!!
238
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:26:29 ID:urJy2tTI0
从 ー 从
その夜響いた銃声はひとつだけだった。
いつもより5つ足りない。
おかあさんが死んだ時より、足りない。
从 ∀从
爪'ー`)y-
从 ー 从「…遠くで花火の音がする」
爪'ー`)y-
从^ー^从「まっかなハインちゃん、きれいだねぇ」
爪'ー`)y-
爪'ー`)y-「…壊れてやがる」
239
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:27:12 ID:urJy2tTI0
爪'ー`)y-「………」
爪 ー )y-
爪'ー`)y-「…ほら、口を開けな」
从'ー'从
黙ったままの私に痺れを切らしたおとうさんが口に太い指を突っ込み、半ば乱暴に唇と歯をこじ開けた。
硬い何かが放り込まれる。
私のおとうさんがくれた初めてのキャンディー。
それはヴェルタースオリジナルで、私は16才でした。
それは甘くてクリーミーでこんな素晴らしいキャンディーをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がおかあさん。
子供にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです。
240
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 03:29:07 ID:urJy2tTI0
おしまい
今回まだヴェルタースオリジナルとTさんネタがなくて寂しかったからやった
二番煎じ反省してる
決して続きが思い浮かばなかったとかそんなんじゃない
そんなんじゃない
241
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:26:33 ID:HKhO5Sk20
滑り込みアウトっぽいけど堪忍
242
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:28:18 ID:HKhO5Sk20
( ^ω^)「なんでも、遠い昔には『ハナビ』っていう」
( ^ω^)「空に打ちあげる夏の風物詩があったらしいお」
('A`)「鼻毛みたいな名前できみわりーな」
( ^ω^)「そうそれ、なんでも鼻の穴から生える鼻毛みたいに」
( ^ω^)「こう、光がぶあーっと広がるらしいお」
('A`)「きめぇ」
243
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:29:51 ID:HKhO5Sk20
(´・ω・`)「そんでもって光が広がる前にはめちゃくちゃでかい音が鳴るらしい」
('A`)「へぇー、騒音公害にも程があるな」
('A`)「今やったら隣国から砲撃と勘違いされちまう」
( ^ω^)「昔は今よりもーっと平和だったらしいお」
(´・ω・`)「47の国が一つの国だったらしいからね」
('A`)「心にもゆとりがあったんだろうな」
244
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:30:48 ID:HKhO5Sk20
( ^ω^)「で、『ハナビ』は夜にやるもので」
( ^ω^)「いろんな色の光がより一層綺麗に見えるらしいお」
('A`)「それはちょっと見てみたいな」
('A`)「でも鼻毛」
(´・ω・)( ^ω^)「うえー」
245
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:31:38 ID:HKhO5Sk20
(´・ω・`)「でも昔の人はそれを見て夏を感じていたらしいよ?」
('A`)「夏をねぇ」
('A`)「まあ今や季節なんてなくなっちまったからな」
( ^ω^)「今は昔で言う8月、つまり夏だお」
(´・ω・`)「成程、だからその『ハナビ』とやらを復活させるのか」
( ^ω^)「お。王女の自由奔放にも困ったものだお」
246
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:32:47 ID:HKhO5Sk20
('A`)「国民全員広場に集めて『私の"夢"を見ろおおおおおおおお!!』なんてなぁ」
(´・ω・`)「あの人の粗暴っぷりからして、夏を感じさせたいわけじゃなさそうだね」
( ^ω^)「ただ単に目立ちたいだけだお」
('A`)「おっと、ただの職員がこんな愚痴言ってるってばれたら」
('A`)「『ハナビ』の代わりに首が空を舞っちまう」
( ^ω^)「お、そろそろ『ハナビ』お披露目らしいお」
(´・ω・`)「さぁて、映像記録からも消え去った過去の遺物」
('A`)「どんなものかねぇ」
247
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:33:30 ID:HKhO5Sk20
( ゚A゚)( ゚ω゚)(´゚ω゚)
248
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:34:26 ID:HKhO5Sk20
('A`)「……夏だ」
( ^ω^)「夏だお」
(´・ω・`)「夏だね」
('A`)「『花火』、な」
( ^ω^)「まさに文字通りの光景だったお」
(´・ω・`)「"夢"と名付けるに相応しい」
249
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:35:44 ID:HKhO5Sk20
('A`)「王女もたまには良いことをなさる」
( ^ω^)「こんなことされると王女が常々言ってる"平和"に協力したくなるお」
(´・ω・`)「全くだね」
('A`)「さあ、明日から頑張りますか」
(´・ω・`)「王女のために?夢のために?それとも」
( ^ω^)「花火のために」
( 'A`)(´・ω・)「だな」
250
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:37:04 ID:HKhO5Sk20
はい終わりです
251
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 07:38:29 ID:Zl5yHUVQO
乙
よかった!
252
:
佐藤★
:2011/08/31(水) 08:57:36 ID:???0
皆様お祭りお疲れさまでした
穏やかな雰囲気ですが、思った以上にたくさんの投下があったようで喜ばしいことです
昨日はお題の変更を告知できずすみませんでした
昼夜問わず投下が続いていることを考え、祭りの期間を本日(31日)まで延長することにしました
31日追加お題: 「夏の終わり」
昨日までのお題 「祭り」「花火」も使ってもらって結構です
まだ投下していない方がいらっしゃったらどうぞこの機会に。
253
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:46:02 ID:HKhO5Sk20
空気は読まない
254
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:47:08 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ ねえ、ブーン
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ もうすぐ夏が終わるの
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ 今年は皆と色んなところに行ったし、色んなことをしたわ
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ 皆でお祭り行ったり、海で花火やったり
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ すごく、すごく楽しかった
255
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:48:28 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ でもね
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ でも
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ どこにもブーンがいないの
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ 今年の夏の思い出にはブーンがいないの
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ ブーンはずっとここで眠っているだけ
256
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:49:37 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ ねえ
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ 去年の夏は、いつ終わるの?
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ ブーンが去年の夏からずっと眠っているから、まだ終わってないの
( -ω-)
ξ゚ -゚)ξ 過ぎた夏を終わらせて、
ξ゚⊿゚)ξ これから先の季節を、あなたを含めた皆で始めたいの
257
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:50:21 ID:HKhO5Sk20
ξ゚⊿゚)ξ あなたがいなくても今年の夏は始まったわ
( -ω-)
ξ゚⊿゚)ξ そしてもう終わろうとしてる
( -ω-)
ξ;⊿゚)ξ でも、でも私は!
ξ;⊿;)ξ 止まった時を、止まった夏を動かしたい!
( -ω-)
ξ;⊿;)ξ ねえブーン!起きてよ!
( -ω-)
ξ ⊿ )ξ ねえ……!ブーン…………
258
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:51:16 ID:HKhO5Sk20
('A`) ブーン、どうだった
ξ゚ -゚)ξ ……いつも通り
(´・ω・`) まだ眠っていた、か
('A`) あれから一年だぜ
('A`) そろそろあいつの笑いがないと落ちつかないってレベルじゃない
川 ゚ -゚) そうか、もう一年になるか
川 ゚ -゚) ブーンを置いて時だけが過ぎていく
ξ゚⊿゚)ξ ……まだ去年の夏が終わってない
(´・ω・`) ……ああ、そうだね、あいつが起きないと、去年の夏が終わらない
259
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:52:14 ID:HKhO5Sk20
ξ゚⊿゚)ξ でも
川 ゚ -゚) ?
ξ゚⊿゚)ξ でも、もうそろそろ夏が終わりそう
ξ゚ー゚)ξ そんな気がするの
( ^ω^)
260
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:53:02 ID:HKhO5Sk20
おーわりっ
261
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 22:55:38 ID:Zl5yHUVQO
>>260
乙
こーいうの好きだわ
262
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/31(水) 23:41:06 ID:95JgSrIU0
乙
夏が終わったんだな
263
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/09/18(日) 20:36:04 ID:C.l4dS3gO
まとめさせてもらいました。
ご意見、ご要望がありましたらお気軽にお申し付け下さい。
http://mo-neru.net/portable/boon/20110831/index.html
264
:
名も無きAAのようです
:2011/09/18(日) 20:54:06 ID:dvqSvwmI0
>>263
うわお
乙です
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