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月刊少女ξ ^ω^)ξちょwwwのようです
103
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:02:24 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「あーでもよかったな、親切な人が居て」
('A`)「?」
从 ゚∀从「その、後から来た奴が道教えてくれたんだろ? ちょっと脅かしすぎではあるが」
(;'A`)「あ……あれって道案内だったんだ……確かにちゃんと体育館に誘導されたし……
怖い人かとおもったけど、そうでもなかったのかな……」
从;゚∀从「まあ長岡が意味わからん行動取ってるから一概にそうとはいいきれんがな……やっべ、ギシアンキー」
(;'A`)「ぎ、疑心暗鬼?」
从;゚∀从「そう、それ」
('A`)「……高岡くんって国語苦手?」
从 ゚∀从「いや? 五教科じゃ一番得意だぜ?」
(;'A`)「…………そっか」
104
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:03:36 ID:vDBxXU.kO
―――学校・教室前
从 ゚∀从+「黒板消しを生徒に託すなど、ギコ先も爪が甘いな」
(;'A`)「だ、だめだよう。ギコ先生怒るよ……」
从 ゚∀从「だぁーいじょうぶだよ、新品だから粉まみれにゃならねぇ」
(;'A`)「でも当たると痛いよう」
从 ゚∀从「ぬはは、洗礼よ。とりあえず中入って、悪ガキどもも共犯にしてやろうな」ガラガラ
( ∵)「ゴェエエェエエェエエェエェエェェェエェッ」
从;゚∀从「うおおぉおぉおぉぉぉぉッ!?」ビックウッ
(;゚A゚)「ヒィイッ!!」ビックウッ
105
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:04:41 ID:vDBxXU.kO
( ・∀・)「なwww言ったとおりビビりだろwwwwww」
( ^Д^)「いや今のは誰でもビビるだろwwwwwwwwww」
( ゚∀゚)「なにあの甲高い声wwwwwww」
( ∵)「ゴッwゴッwゴッwwwゴエェwwwww」
从;゚∀从「……あ?」
106
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:05:26 ID:vDBxXU.kO
( ・∀・)「いやいやこっからが面白いんだってwwwwww」
ススス
(((( ・∀・) ��('A`;)
ピュー
( ・∀・) 三三(;'A`)
三三(;'A`)そ ( ><)
ピュー ?
('A`;)三三 (>< )
( ・∀・) ��('A`;)三三
( ・∀・) (;'A`) そ ヾ(∵ )ノシ
((( ・∀・) ('A`;) (∵ )))
(;A;) ブワッ
( ・∀・)「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
( ゚∀゚)「なんでやねんwwwwwwww」
( ^Д^)「きめえwwwwwwイミフwwwwwwwwwww」
( ∵)「パねえwwwwwwwwwwwwwwwww」
107
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:06:23 ID:vDBxXU.kO
从;゚∀从「ちょ……何やってんだお前ら!!」
( ・∀・)「えー? いや、歩いただけだけど?
なのにこいつが勝手に逃げ回りはじめて、俺も何が起こったのかよくわかんねwwwww」
「大丈夫ですかぁ〜www」
にじにじ
((( ・∀・) (((;A;)))
从#゚∀从「ちょ、怖がってんだろやめてやれよ!」
( ・∀・)「なんで怖がられてんの僕ちゃんwwww 顔? 顔なの? ショックwwwwwww」
( ^Д^)「つか人の顔みてこんな態度とんのってなんか失礼じゃね? ウザいんだけど」
( ゚∀゚)「うっはプギャっち辛辣www」
从#゚∀从「あ、てめ……長岡!」
( ゚∀゚)「なぁにダーリン」クネッ
108
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:07:31 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「……今朝のこと、どーいうこった?」
( ゚∀゚)「今朝……? お前まだうんこのことを……」
从;゚∀从「ちげぇよ馬鹿! ドクオ……鬱田のことだ!
シカトして置いていったらしいじゃねえか! 任せろっつたのはどの口だ!?」
( ゚∀゚)「あー……うんうん……内田くんね。
お前が何を言ってんのかよくわかんねえけど、俺はちゃんと場所伝えたぜ?」
从 ゚∀从「鬱田だって……え?」
( ゚∀゚)「『体育館にみんな居るから早く行こうぜー』って言ったのよ。でも全然返事してくんねーの。
こっち見てくれさえしなかったわ。なんかブツブツ言っててさぁ……すげえ気味悪かった。」
109
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:09:10 ID:vDBxXU.kO
( ゚∀゚)「何度も話しかけてんのにガン無視。さすがにこれ以上は待てないってなって、
黒板にでっかく『体育館で全校集会中』って書いてあるし、先行っても大丈夫だろって思って先に行ったんだ。
置いていったってのは人聞き悪いけど事実だからしゃーないとしても……シカトはむしろこっちがされた側だぜ?」
从;゚∀从「え? え?」
(;'A`)「わ、え、あ、あの、俺、そんなことして、ない……」
( #゚∀゚)「はぁ? じゃあ俺が嘘ついてるってことかよ。俺あんなに待たされたのに? ふざけんな」
(;'A`)「ひっ! あああの、ごめ、ごめんなさ……」
( #゚∀゚)「何がしたいのかわかんねえけどさぁ、人に迷惑かけんのはやめろよ。
親切で待ってた俺を悪者みたいに言って、サボった自分は被害者ヅラってか? いい加減にしろよ」
从;゚∀从「ど、ドクオ……?」
(;'A`)「だ、だだだから違っ……」
( #゚∀゚)「は? まだシラきるの? キモいんだけど超ウザいんだけど。」
110
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:09:44 ID:vDBxXU.kO
( ^Д^)「さっきからなんの話してんだよ」
( #゚∀゚)б「いやなー、こいつがさぁ……」
( ;^Д^)「うっわあり得ねー。ジョルジュかわいそー」
( ・∀・)「ふーん」
( ∵)「コポォwwwww」
(;A;)「ちが……ちがうのに……」ポロポロ
从;゚∀从
どうなってんだ……?
長岡の話が本当なら、ドクオが嘘ついてるってことか?
んな馬鹿な、ドクオに限って。
……確かに性別というとんでもない嘘をついてるけど……
まさかそんな……
111
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:11:04 ID:vDBxXU.kO
( -∀゚)「……なあ高岡、俺の話信じてくれた?」
从;゚∀从「……」
( ゚∀゚)「信じてねーな……まあいいや。ほらぁ、黒板見てくれよ」
全
体校
育集
館会
に
集
合
(;A;)そ「え!? あんな、あんなのさっきは、書いて、え?」
( ゚∀゚)「仮に俺が無視して置いていったとして、あんなデカデカ書いてる文字見逃すかなぁ?
場所がわかんねーなら真っ先に黒板見るよな普通」
从;゚∀从「……あんなの、俺も知らねーぞ」
( ゚∀゚)「単に黒板みてねーからじゃね? 教室来てすぐ俺と会って、すぐ出てったじゃん」
112
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:12:07 ID:vDBxXU.kO
( ゚∀゚)「つまりさぁ、こんなこといいたかねーけど、
内田くんはいわゆる目立ちたがりなんじゃねーかなぁって俺思うの。」
从;゚∀从「はぁ? あいつのどこがだよ」
( ゚∀゚)「昨日から事件起こしまくって、たぶんうちのクラスで一番顔売れてんのアイツだぜ?
内田くんはそういう、か弱い不幸体質を演じて、みんなに構ってもらいたいんじゃね?」
从;゚∀从「そんなめんどくさいことしてドクオになんの得が……」
( ゚∀゚)「おまえと友達になれたじゃん」
从 ゚∀从「あ?」
( ゚∀゚)「あの時、自己紹介してた時、あいつが暴れなきゃお前どうしてた?
あんな暗ーい奴に進んで話しかけてたか?」
从;゚∀从「そりゃあ……」
たしかに最初は、流石に話しかけようとしてたし、
あの場で普通に自己紹介しあうだけで終わってたら、ドクオとここまで仲良くなって無かったかもしれんが……
113
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:13:31 ID:vDBxXU.kO
( ゚∀゚)「どーせ保健室であいつから同情を誘うような身の上話でもされたんじゃねえの?
倒れた奴を保健室に連れていってくれるようなお人好しだ。
ちょっとお涙ちょうだいの作り話でもしたら、友達になってくれるだろって踏んでの行動……狂言だったんじゃねえかな昨日の騒動は」
从;゚∀从「ちょ、ちょっと待てって。ドクオはそんな腹黒い奴じゃねえよ……」
( ゚∀゚)「腹黒ってのは羊の皮を被ってるから腹黒なんだぜ? ……とりあえず、あいつと距離置いてみたら?
今のままじゃ、客観的にあいつを評価できないだろ?」
从;゚∀从
何だよそれ……ドクオはそんな狡猾な悪女だったのか?
実はあたしと同じく、男漁りのために男装してここ入学したとかで……
そんな、騙されてたのかあたし?
114
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:14:15 ID:vDBxXU.kO
从;゚∀从「……」チラッ
(;A;)
从 ゚∀从「……」
从 -∀从
从 ゚∀从「ばーか」
( ゚∀゚)「は?」
从 ゚∀从「こいつがそんな器用な真似出来るわけねぇっつうの。」
( ;゚∀゚)「いやだからそれは……」
从 ゚∀从「いくらゴタクを聞かされてもわかんねーよ。ドクオは自然体でこんなドジっ子なの。」
从 ゚∀从「純粋で、一生懸命で、間抜け。だから手放しで信じられる。
お前みてーになんか企んで人を陥れようとするクズと違ってな」
( ;゚∀゚)「俺はお前のためを思って」
从 ゚∀从「自分のための間違いだろ」
115
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:15:11 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「ドクオ、安心しろ。
俺はお前をいつだって信じてる」
(;A;)「高岡くぅぅぅぅぅん!!」
すまんドクオ、本当は結構疑ってた。
後でわびるけど、ここはかっこつけさせてくれ。
116
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:16:23 ID:vDBxXU.kO
( #゚∀゚)「だからっ! そいつを信じるってことは俺を嘘つき呼ばわりするってことなんだけど!?」
从 ゚∀从「実際そうだろ」
( #゚∀゚)「じゃあ俺が嘘ついてるって証拠をもってこいよ!」
从 ゚∀从「ツラ、素行、胡散臭い馴れ馴れしさ」
( #^Д^)「 物 的 証 拠 !」
( #゚∀゚)「……こっちにはあるぜ、内田が嘘ついてるって証拠」
( ゚∀゚)「おーいみんな! あの黒板の文字、朝からずっと書いてあったよなぁ!?」
(=゚ω゚)ノ「ん? 確かそうだょぅ」
(-_-)「書いてあったけど、それがどうかしたの」
( ^Д^)「俺も見たぜーw」
117
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:17:08 ID:vDBxXU.kO
( ゚∀゚)「……って話だ。」
从;゚∀从「ぬっ……どうせお前が消して書き直したんだろ!」
( ゚∀゚)「……集会終わってから教室に一番乗りした奴誰ー?」
( ´_ゝ`)「俺だが」
从;゚∀从「さ、流石……!」
(;A;)「流石くん……」
( ^Д^)「へへっ、身内の証言だぜー? よく聞いとけよー?」
( ゚∀゚)「あの文字、帰ってきた時にはあった?」
( ´_ゝ`)「ああ、そのままな」
从;゚∀从「そんなっ……」
( ゚∀゚)「で、一方俺はトイレで気張ってた、と。
教室に戻ってきたのはわりと最後の方だから、偽装工作は不可能ですぞ高岡くん」
从;゚∀从「流石……マジで書いてあったんだな?」
( ´_ゝ`)「嘘をつく意味がわからんが……マジだぞ。お前らなんの話してるんだ」
从;゚∀从 カクシカ!!
( ´_ゝ`)「ほうほう……鬱田が長岡をハメたのか……長岡が鬱田をハメたのかってことか」
118
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:17:48 ID:vDBxXU.kO
从;゚∀从「流石、ドクオは……」
( ´_ゝ`)「わかってる。こんな真性の対人恐怖症くんにそんな芸当できんよ」
(;A;)「……し、信じて貰えて……うれ、しい?」
从;゚∀从「流石、知恵を貸してくれんか。このままじゃドクオが狼少年呼ばわりだ。
長岡はかなり話術に長けてる……俺はバカだからあいつを言い負かしてやることができない。
バカの一つ覚えに『信じる』って連呼するくらいしかできねぇ。
だから……」
( ´_ゝ`)「……いちいち頼まれなきゃ友達を助けることもしないってほど人間終わってもおらんよ。
友のピンチに兄者様颯爽と助太刀」
(;A;)「流石くぅぅぅぅぅん!」
119
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:18:53 ID:vDBxXU.kO
( ゚∀゚)「……で? どうすんの? 今更『やっぱ書いてませんでした』とでも言うの?」
( ´_ゝ`)「嘘を吐いても意味なかろう。真相を明らかにするためにも、本当のことは不利な情報でも撤回せん」
( ・∀・)「ヒューサムライだねー」
( ´_ゝ`)「……長岡、お前は集会が終わった直後、ダッシュで帰ってたよな?」
( ゚∀゚)「ええ、お花摘に行ってましたの。ぶりぶりと」
从#゚∀从6m「うんこ行く前に工作してたんじゃねーのか!?」
( ゚∀゚)「あーやっぱそこ疑うか。そうだよな、普通はそう考える。俺むっちゃ不利。
しかし、だ。この件に限っては、崩しがたいアリバイがある」
( ´_ゝ`)「トイレで誰かと相席でもしてたのか」
( ;゚∀゚)「してねえよ!! ……俺のアリバイっつーか物のアリバイ?
だってお前ら、その黒板消し」
从 ゚∀从「あ」
120
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:19:50 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「……そう言えばうちの教室には黒板消しが無かったな」
( ゚∀゚)「な? なんでお前らが持ってんのかは知らねーけど、お前らが所有してんだから偽装もクソもねーぞ。
消しようがないんだって」
从;゚∀从「ほ、他の教室の……」
( ゚∀゚)「ここの教室はお前ら待ちで開けっ放しになってたけど、原則として教室空ける時はカギ掛けるらしいぜこの学校」
从;゚∀从「自前の雑巾でもなんでも使ったんだろ!」
( ゚∀゚)「どこにしまってんだよそんなの。処分する暇もねーぞ」
从;゚∀从「トイレで千切って流して……」
( ゚∀゚)「詰まるわい」
( ゚∀゚)「やれやれ、無い証拠を出せと食い下がられ困り果てる無実の長岡くん。
荷物でもなんでも見せるからさっさと終わらせてくれよ」
(;A;)「そ、そこまでしなくても、俺、もういいから……」
( #゚∀゚)「てめえはよくても俺は無実の罪で疑われっぱなんだよ。黙ってろカス」
121
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:20:34 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「鞄の中には……黒板消しの代わりになりそうなものはないな」
从#゚∀从「ジャンプしろジャンプ!!」
( ;゚∀゚)「……ポケットの中身見せろってこと?」
( ´_ゝ`)「(ヤンキー語……)」
( ゚∀゚)「ほれ、財布とハンカチしか入ってねーよ」
( ´_ゝ`)「ん……随分ハンカチが濡れてるな」
( ゚∀゚)「……トイレで使ったからな」
( ´_ゝ`)「にしても濡れすぎじゃないか? 絞った後も付いてるし」
从#゚∀从つ◇「わかった!この濡らしたハンカチで黒板を拭ったんだな!? 逮捕だ!」
( ;゚∀゚)「ちげぇよ……それは……」
( ∀ )「……便器に……落として……」
从;゚∀从「うわバッチぃ!」ベシャッ
( ;∀;)「お気に入りの白いハンカチが……」
(;'A`)「せ、清純派なんだね……」
( #゚∀゚)「黙れ。死ね」
(;'A`)「うぅ……」
122
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:21:31 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「……」
( ゚∀゚)「あーもう、次はなんだ? トイレまで行って使った個室まで点検するぅ?」
( ´_ゝ`)「いや、もういい」
从;゚∀从「流石!?」
( ゚∀゚)「もうお手上げ? しゃーねーよ、俺やってないもんwwww」
( ^Д^)「まあ良かったじゃ〜ん? 疑いが晴れて。
……さーどうしてくれようかねこのチビ。ジョルジュもモララーも俺も世話になったからなぁ」ポキパキ
(;'A`)「あわわ……」
( ´_ゝ`)「嘘を吐いているのはお前だ、長岡」
123
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:22:48 ID:vDBxXU.kO
( ^Д^)「は?」
( ゚∀゚)「……はぁー………さいですか。はいはい。で? 証拠は?」
( ´_ゝ`)「まずお前は、一人残った教室で黒板の文字を消そうとした。」
( ´_ゝ`)「しかしお前はそこで、黒板消しが無いことを思い出す。
お前は自分のハンカチをそこの花瓶の水なり飲料水で湿らせ、大慌てで黒板を拭った」
从 ゚∀从「やっぱ俺があってたのか!」
( ´_ゝ`)「うん、高岡の推理で正解だと思うよ。ここ雑巾とか置いてないし。
……そして高岡がやって来た。いや、高岡が行ってからの犯行かもしれない。
鬱田一人をハメれる絶好の機会って思って突発的に」
(;'A`)「な、なんで?」
( ´_ゝ`)「さぁなぁ、鬱田が可愛いからイジメたかったんじゃない?」
( ;゚∀゚)「キモいこと言うなよ!!」
( ´_ゝ`)「で、ほどなく鬱田がやって来て、長岡はガン無視。一人体育館へ。
なんとか一人で辿り着いたドクオを追い詰める更なる一手として、急いで教室に帰り、同じ文面を同じように書く。
ギコ先生の字は特徴なかったし、それっぽく書けば誰も違いなんて気にしないだろう」
( ´_ゝ`)「その後、トイレまで行ってハンカチを水洗い、チョークの粉を洗い流し証拠隠滅。
それからなに食わぬ顔で教室に戻った……ってとこか」
( ゚∀゚)「名探偵コナンくんがここにいるよぉ〜! しゅご〜い。
あれれー? でもその推理、推測ばっかで物的証拠がなんにもないよ〜?」
( #^Д^)「そうだぞ! てめえらの勝手な妄想で人様を犯人にしたてあげんなよ! そういうのって人権侵害じゃねぇ?」
( ∵)「woo...」
124
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:23:36 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「物的証拠ならある。お前のズボンのポケットだ」
( ゚∀゚)「おう、それがどうした」
( ´_ゝ`)「黒板消した後、ハンカチはどうしたんだろうな?
呑気に手に持ってるハズないもんな。ポケットに入れたんだろ?」
( ゚∀゚)「……」
( ´_ゝ`)「今お前の財布もハンカチもズボンのポケットから出てきたからな……たぶんその時もズボンに入れたんだろう」
( ´_ゝ`)「で、だ。
粉まみれのハンカチは、果たしてポケット内を汚さないでくれてるのかな?」
( ;゚∀゚)「――――ッ」
125
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:24:44 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「裏返してもらっても、いいか?」
( ;゚∀゚)「…………」
从 ゚∀从「おう、観念しろや」
( #゚∀゚)「……うっぜえ! さっきからなんなんだよ人を悪者扱いして! 探偵ごっこは楽しいか!? あ!?
じゃあそのご自慢の推理力でお友だちも平等に疑えよ!! お前らツレの罪を認めたくないから俺を嘘つきに仕立てあげたいだけだろ!? あり得ねえ! 最悪!」
从;゚∀从「逆ギレとかだせぇ……」
( ´_ゝ`)「そうだドクオ、他に遅刻して教室に入ってきた人とかいなかったか?
ドクオ以外に文字の書いてない黒板を見た奴がいたら、言い逃れできない……まぁ居ないだろうけど」
('A`)「え、あ、いたよ」
( ;´_ゝ`)「居たの? 誰?」
(;'A`)「……」
コソ… ?
(;'A从 ゚∀从 (・∀・ )
126
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:27:32 ID:vDBxXU.kO
(;'A`)「あの…………先程はどうも……」
( ・∀・)「聞いたよwww無事体育館へ辿り着けたらしいねwwwあの指示でwwwなんでだよwwwww」
(;'A`)「え……あ……あの……その、あの時黒板何も書いてませんでしたよね……」
( ・∀・)「書いてなかったねぇ」
( ゚∀゚)「えっ」
从 ゚∀从「えっ」
( ´_ゝ`)「……あんた長岡側じゃねえの?」
( ・∀・)「書いてなかったのは本当だし……」
从;゚∀从「最初ッからそう言えよ! 何一緒にドクオいじめてんだよ!」
( ・∀・)「聞かれなかったので……あとあの毛虫くんをイジメてたのは、楽しいからに他ならないよ」
( ∵)「oh...」
127
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:28:11 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「つ・う・わ・け・で」
从#゚∀从「もうちゃちな言い逃れはできねーぞ長岡ァ……」
( ;゚∀゚)「う……うう……」
从 ゚∀从「……任せろっつったのはどの口だよ。なんでこんな真似したんだよ」
( ;゚∀゚)「……お前のためだよ」
从 ゚∀从「俺がなんだよ」
( ;゚∀゚)「昨日からお前……こいつに振り回されてばっかじゃん。
これからもこいつは失敗ばっかするぜ? その度に泣きつかれて、高岡が尻拭いするなんて理不尽じゃん?
だから穏便に引き離してやろうと……」
从#゚∀从「っざっけんな!!!!」
( ;゚∀゚) ビクッ
128
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:29:06 ID:vDBxXU.kO
从#゚∀从「てめえの価値観でダチを選ぶのは勝手だ!
けどそれを他人様に押し付けるだと? てめえはそんなに偉い奴なのか!? あ!?」
从#゚∀从「俺は! 俺が好きな奴と! 一緒にいたい奴と居る!!
好きだから、ドクオと! 流石と居るんだ!
そしてお前と一緒に居ない!! 居たくねー!」
( ;゚∀゚)「た、高岡、ごめ」アセアセ
从#゚∀从「 お 前 な ん か 大 っ っ っ っ 嫌 い だ ! ! !」
129
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:30:07 ID:vDBxXU.kO
( ;´_ゝ`)「高岡……」
从 -∀从「……あっちいこうぜ二人とも」
(;'A`)「う、あ、待って高岡く、ん……」
( ゚∀゚)
( ;∀;) ブワッ
( ;∀;)「ごめぇええぇえん! ごめんね! ごめんなさい! ごめん高岡ぁあぁああ!!
謝るからっ! もう嘘つかないから! 嫌いにならないでくれよぉおおぉおぉ!! 頼むからぁ!」
ウワアアアアアン>
(;'A`)「お、男の人が号泣してるの初めて見た……」
( ´_ゝ`)「……反省はしてるみたいだぞ?」
从 ゚∀从「……あいつ、なんもわかってねー」
あたしにじゃなくてドクオに謝れよ……馬鹿野郎が。
130
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:31:47 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「にしても、流石って何者? マジで高校生探偵だったり?」
( ´_ゝ`)「高校生二日目ですがな。……まあカマかけてみただけだけどな。
もし粉ついてなかったら終わりだったもん。だからあの時逆ギレしてくれてなかったらアブなかった。」
('A`)「でもすごいよ……本当助かりました。迷惑かけてごめんね……」
( ´_ゝ`)「いいのよいいのよ、かけてもいいのよ」
从 ゚∀从「さて、ドクオよ」キリッ
('A`)「は、はひ!」
从 ゚∀从「殴ってはくれんか」
(;'A`)「ふぇ!?」
131
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:32:27 ID:vDBxXU.kO
( ´_ゝ`)「なるほど、俺たちみたいな草食系にぶたれる快感が好きだから一緒に居る……と」
从;゚∀从「ちげぇよ!
……さっきはかっこつけちまったけど、正直お前のことちょっと疑っちまった……制裁の友情パンチを一発浴びせてくれ」
(;'A`)「や、やだよ!!」
('A`)「……」
('A`)「……むしろ殴られたいのは俺の方だよ」
( ´_ゝ`)「やだ何このマゾ比率……染まりそう」
('A`)「……あの人に言われた通り、高岡くんのためにも、俺は一緒に居るべきじゃないのかなって」
('A`)「迷惑しかかけてないし……かけないのも解ってるけど、君の優しさにあまえてた。
強くなるって決めたのに……情けない。どうしようもない」
('A`)「せめてサンドバッグにでもなって少しでも恩返しを……」
从 ゚∀从「おう、じゃあクロスカウンターな。行くぞ」シュバッ
(;'Ax)「ひっ? へっ? きゃあっ」ビクッ
从 ゚∀从б(xAx;) ピンッ
(;'A`)「うう……はなピンされた……」
从 ^∀从「ひゃひゃひゃ、油断してるからだ」
132
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:35:05 ID:vDBxXU.kO
从 ゚∀从「さっきも言ったけど、俺はドクオたちが好きだから一緒にいるんだぜ。
なのに離れて行かれたら、俺泣くかも」
(;'A`)「えっ!? な、泣かないで?」
从 >∀从「じゃあ俺らずっと一緒な!」ギュッ
(//A//)「ひゃあぁあああっ/////」ドキドキ
( ´_ゝ`)「……」←混ざりたいけどドクオの男性アレルギーを考慮して耐えている
从 ゚∀从「……」
从*゚∀从「流石、好き」
( *´_ゝ`)「……俺もお前ら大好きよ」
133
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:35:51 ID:vDBxXU.kO
……ドクオへの好きとは、違う好きなんだからなっ
从 ゚∀从花盛りのおまいらへ、のようです
*第四話*
『好き? 嫌い? 一緒に居てよ、王子様!』
おしまい
*次号に続く!*
134
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 08:38:20 ID:vDBxXU.kO
投下が半日も遅れ、も、マジで、申し訳ございませんでしたでございます。
135
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/28(日) 13:13:30 ID:NR9mIXI60
>>133
そのうちvipあたりで連載開始って信じても良いのか?
楽しみに待ってるんだから///
136
:
◆9KrP3RFuVo
:2011/08/28(日) 14:27:22 ID:vDBxXU.kO
>>135
……ぶっちゃけると見切り発車の花盛りより前から練りに練ってる数本のうちの一本だったりする。
花盛りひとつでこの体たらくだから、掛け持ちでできるかは怪しい。
ので、まあ、期待しないで待っててくだしあ……
ヒロインが脚三本あるっていう斬新さだけは宣伝しておく。可愛かろう?
137
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/28(日) 15:05:47 ID:uwM4etSMO
>>136
斬新すぎるw
期待w
138
:
◆zynqho4iRI
:2011/08/28(日) 15:30:19 ID:70Xm5UuA0
わーい遅くなりました!
★☆★巻末目次ページ★☆★
( ・∀・)恋実れ!のようです
>>4-49
巻末コメント:妹者は兄者達の妹ではない……!?
君とワルツをのようです
>>72-90
巻末コメント: 当初心中を予定していたなんて事はありますん
从 ゚∀从花盛りのおまいらへ、のようです
>>94-133
巻末コメント:焼きド(げざ)なう
◆次回は来月の第三土曜日を予定しています!
参加してくださった作者様ならびに読んでくださった読者様に多大なる感謝を!
このスレは次回も使いますので是非作品に関するご意見・ご感想、そして励ましのレスをお願いします!
それと随時参加者募集中です。気軽にご参加ください☆
詳しくは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1300820545/
までお越しください!
全裸の紳士が貴方を待っています。次の表紙を担うのは君だ!!
139
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/28(日) 23:19:31 ID:tdLKhhQ60
おつです! わるつよかったよー
140
:
◆zynqho4iRI
:2011/09/17(土) 15:28:23 ID:riG2waDcO
ξ ^ω^)ξこんにちはですお!ごきげんよう
ξ ^ω^)ξ今回作家の都合により、刊行が遅れますお
ξ;^ω^)ξ本当にごめんなさいお
ξ ^ω^)ξ今夜九時からの刊行としますお!
ξ ^ω^)ξ是非ご覧ください!よろしくお願いしますお!!
141
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 18:10:53 ID:BVRaL3as0
ごきげんよう
紅茶を優雅に飲みながら待ってるお
142
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 19:12:38 ID:S4rpEAcM0
楽しみだわ
143
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 19:35:40 ID:WrxKpl/c0
おっけー、まってますー
144
:
◆zynqho4iRI
:2011/09/17(土) 21:01:11 ID:riG2waDcO
それでは、 『月刊少女小説ξ ^ω^)ξちょwwwwのようです 九月号』 刊行致します
http://h2.upup.be/dqfv1c1n3b
ごゆっくりお楽しみ下さい
まとめ様:
http://sogomatome.blog104.fc2.com/
☆参加者の方へ
投下の開始と終了時に、それぞれ宣言をお願いいたします
また、投下終了後、企画スレの方へ、作品名と巻末コメントの掲載をお願いします
kwskはこちらの方でご確認下さい
http://hinagatawwww.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC
145
:
◆zynqho4iRI
:2011/09/17(土) 21:07:21 ID:riG2waDcO
手遅れだった
気付いたのが遅かった
君を見つけた時には、もう君は傷だらけで
君は、触れようとした僕の手をはたき落したんだ
でも僕は君を抱き締めたい
必ず僕が守ってあげるから
救い出してあげるから
『だから少しだけ、おやすみ』
146
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:09:18 ID:riG2waDcO
Case 6:斉藤またんき
147
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:12:22 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「……でぃ?」
ξ゚⊿゚)ξ「なにか、知っているの?」
(・∀ ・)「…………」
(・∀ ・)「知らない」
知るわけが、ない
だってでぃは、何も自分のことを教えてくれなかったから
(・∀ ・)「先生 でぃ、なんでいつも此処にいたの?」
ξ゚⊿゚)ξ「あら 本人から聞いていなかったの?」
個人情報なんだけどな と渋った後、それでも教えてくれた
ξ゚⊿゚)ξ「あの子、自分が嫌いなのよ」
148
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:14:19 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「自分が……?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、自分が嫌いなの いつもカーディガン着てるでしょ。あれの下よ」
カーディガンの 下
見たことはない 確かに、みたことはない
ξ゚⊿゚)ξ「腕にね、痣があるの」
(・∀ ・)「痣?」
ξ゚⊿゚)ξ「本人が何も言わないからわからないんだけど、多分、虐待じゃないかしら」
虐待……?
(・∀ ・;)「虐待!?でぃが!!!?」
149
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:17:27 ID:riG2waDcO
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっ、落ち着きなさいよ」
気付けば身を乗り出している
小さく深呼吸をして体を引いた
ξ゚⊿゚)ξ「…………最初は切り傷だったから、自傷行為だと思ったの」
(・∀ ・)「っ……」
ξ゚⊿゚)ξ「でも最近、青痣が見えてね。 ……まだ確定じゃないんだけど、どうかなって」
自傷行為
カッター
青痣
虐待
自分嫌い
150
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:24:14 ID:riG2waDcO
「あははははっ」
唐突に、背後から笑い声がした
振り返ると、校門の前に夜色の外套を羽織った男が立っていた
外套 透き通るような金色の髪 エメラルドグリーンの瞳
存在自体が何故か、異世界じみていた
(・∀ ・)「……なんだ、お前」
( ・∀・)「僕の名前はモララー しがない魔法使いです」
右手を胸に添え、仰々しく一礼してみせた
道化じみているな と思った
魔法使いとか言ってるこいつ
( ・∀・)「お困りのようだったので」
確かに困ってはいるが、こんな得体のしれない奴に助けてもらう義理はない
第一、こんな奴がでぃの家を知っているはずがない
151
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:25:45 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「お前に構ってる時間が無い 変人」
( ・∀・)「おや、変人とは心外な 君――― 斉藤またんき君は、でぃちゃんのお家を探している
……違うかい?」
(・∀ ・;)「っ!?」
( ・∀・)「僕が君を導いてあげるよ
君の想いも、叶えてあげる」
(・∀ ・)「……想い?」
( ・∀・)「君は、でぃちゃんのことをどう思ってる?」
(・∀ ・)「でぃは……ともだちだろー」
( ・∀・)「彼女が、そうは思ってないとしたら?」
(・∀ ・;)「えっ」
152
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:27:33 ID:riG2waDcO
( ・∀・)「君は、友達だと思っている
彼女は君を、何だと思っていると思う?」
男の口端が吊り上った
(・∀ ・)「…………ともだち、……じゃ、ないのか?」
( ・∀・)「あぁ、関係上は友達さ だけど彼女は、それ以外のものも抱えている」
(・∀ ・)「なんだよそれ」
( ・∀・)「君は、もっと早く気付いてあげるべきだった
そうすれば彼女が、ああなることはなかっただろう」
(・∀ ・)「どういうことだよ!!」
( ・∀・)「君は、僕に似ている だから、本当に手遅れになる前に助けてあげたい」
男が、外套から透き通るような白い手を差し出した
その指先には、小さな薄紅色の小瓶
153
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:29:36 ID:riG2waDcO
( ・∀・)「彼女の魔法の香水だよ 彼女に吹きかけておやり 一度だけ、素直になれる魔法の香水さ」
恐る恐る、受け取った
瓶自体も、何故か現実味に欠けている
(・∀ ・)「……ただの、香水…」
( ・∀・)「じゃないよ 魔法の香水さ さぁ、彼女の所へ行ってあげな」
(・∀ ・;)「ちょっ!」
( ・∀・)「健闘を祈る」
男が外套の端を摘まんで翻した
視界が一瞬 夜色に染まる
外套が視界から消えた時 自分は見知らぬ民家の前に立っていた
男はもう、何処にもいない
手を見ると、そこにはしっかりと小瓶が握られていた
(・∀ ・)「…………」
腹を括る
154
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:31:02 ID:riG2waDcO
表札には、確かにでぃの苗字
深呼吸をして、インターホンを鳴らした
***
そう
今ならまだ間に合う
間に合うんだ
( ・∀・)「…………間に合ってくれ…」
155
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:32:02 ID:riG2waDcO
***
数十年前
モララーがまだ、人であった頃
***
喫茶店を飛び出して最初に向かったのは、一番駅に近い学友の家だ
( ・∀・)「ビロード!!」
( ><)「あれ?モララーじゃないですか どうしたんです かっ!?」
玄関でのんびりと話し出すビロードを押し込んで、妹者と一緒に入り込んだ
(;><)「いたたたた……ちょっと強引なんです」
156
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:33:51 ID:riG2waDcO
( ・∀・)「すまん 察してくれ」
(;><)「わかんないんですけど……了解なんで……」
l从・∀・ノ!リ人し
(;><)「流石財閥の御令嬢!?モララー!?」
(# ・∀・)「だから察しろって馬鹿!!彼女を一晩匿うんだ!」
(;><)「ほえ!?」
( ・∀・)「僕は、彼女を あの家から連れ出すんだよ」
(;><)「駆け落ち!?しかも流石財閥からなんですか!?」
( ・∀・)「もう、こうするしかないんだ」
(;><)「…………」
( ><)「了解なんです とりあえず、僕の部屋へ」
157
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:37:11 ID:riG2waDcO
渋々了承したビロードは、倒れた時の埃をぱたぱたと落とし、立ち上がって二階へ続く階段へ向かった
l从・∀・ノ!リ人し「すまないのじゃ」
( ><)「お嬢様には似つかわしくない、粗雑な部屋なんです」
l从・∀・ノ!リ人し「違う 助けてくれることをじゃ」
( ><)「…………はい、なんです」
階段を上り、六畳ほどの和室に三人で入った
部屋の中は箪笥や文机など、生活臭のあるもので埋まっていた
( ><)「散らかってて恥ずかしいんです」
l从・∀・ノ!リ人し「気にしないでほしいのじゃ」
二人は真ん中に座り、これからについて話そうとしている
しかし自分は、そんなことをしている暇はない
158
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:39:46 ID:riG2waDcO
自分は立ったまま、ビロードの教科書を物色した
( ・∀・)「ビロード 俺ちょっと、ロマネスク教授のとこ行ってくる」
(;><)「ほえぇっ!?えっ、ちょっ!お嬢様はっ……!!」
( ・∀・)「アリバイ作りに行くんだよ お嬢様を頼む」
l从・∀・ノ!リ人「妹者なのじゃ」
そう言って部屋から飛び出した
ちょっとまってほしいんですうぅぅぅぅぅ なんて悲鳴が聞こえたが、気にしない
( ・∀・)(ロマネスク教授と人目につくとこで会話して、アリバイを作るんだ!!)
ガス灯の灯りに照らされる道を、一人でひた走った
下駄の音が、闇に木霊していた
159
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:45:25 ID:riG2waDcO
***
ぴんぽーん
インターホンを鳴らす
誰が出て来るかわからないので、身構えていた
はーい
と気の抜けた声と共に開けられたドアの向こうから、でぃの母らしき人が現れた
('、`*川「あら?」
(・∀ ・)「こんにちは!僕、でぃさんの友達の斉藤と言います
今日でぃさんが登校していないと聞いたので」
('、`*川「ごめんなさい でぃは今日、誰にも会いたくないらしいの。申し訳ないんだけど、また今度にしていただけるかしら?」
(・∀ ・)「…………」
160
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:46:31 ID:riG2waDcO
今、話を途中で切られた
内容もテンプレじみていて、早口に捲し立てていた
(・∀ ・)「…………」
おかしい
そう思った
(・∀ ・)「でぃさんに会わせてください」
('、`*川「だから、あの子は今……――― 」
♪〜
音楽
携帯の、着信音
ポケットの中で操作して、でぃの携帯に電話をかけた
そしてその着信音は、この母親から聞こえる
(・∀ ・)「………でぃの着信音」
('、`*川「…………」
161
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:51:55 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「なんで、おかぁさんからするんですか?」
('、`*川「…………」
じり、と 細い切れ長の目で睨まれる
今のまたんきには、怖くもなんともなかった
(・∀ ・)「……でぃさんに、会わせてください」
渋る母親を押し退けて、家へと押し入った
二階に駆け上がる
でぃの部屋はすぐに見つかった
ドアが、傷だらけだった
そっと、ノックする
中から、衣擦れの音がする
(・∀ ・)「でぃー 俺だー 開けてもいいかー?」
「駄目!開けないで!!絶対開けないで!!!!」
はいはいツンデレツンデレ
162
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:53:19 ID:riG2waDcO
でぃの言葉を無視してドアノブを回した
鍵は無いようで、するりと開いていく
(#;;;-;)
いた
そこに、でぃはいた
ズタズタのタオルケットだけを体に巻き付け、背を向けている
ベットの上には、血だらけのティッシュやガーゼ
乾いた血が付着したタオルケットの塊から、震えるような小さな声がした
(#;;;-;)「……なんで、来たの…………?」
163
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:56:00 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「……………………………」
言葉が、出てこなかった
あれは、なんだ?
あれは、でぃだ
なんで傷だらけなんだ?
虐待と 自傷 …………
(・∀ ・)「……でぃ、お前、なんでそんな傷だらけなんだ?」
(#;;;-;)「煩い 私は、自分が嫌いなんだ 『悪い子』の、自分が嫌いなんだ」
(・∀ ・)「お前が『悪い子』? なら俺は屑か」
(#;;;-;)「……おかぁさんが、言うの……
出来の悪い子だ って……悪い子だって……」
164
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 21:57:24 ID:riG2waDcO
そっと近づき、男から渡された香水を一度だけ吹き付けた
甘い香りがした
その後に自分のカーディガンをかけてやった
そしてそのまま、でぃを抱き締めた
(#;;;-;)「だから自分が嫌いで……お仕置きして……でも足りなくて……」
(・∀ ・)「足りなくなんかねーよ。でぃは頑張り屋さんだ
俺より頭いいし、出来ることもずっと多い
……お仕置きなんかいらねーよ。でぃはいい子だ 俺が褒めてやる」
(#;;;-;)「…………まだんぎぃ…………」
(・∀ ・)「初めて俺の名前呼んだな ありがとう、でぃ」
(#;;;-;)「うううぅぅぅぅぅ…………」
でぃは、泣いた
抱き締めても、拒否しなかった
でぃを、強く抱き締めた
165
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:00:36 ID:riG2waDcO
俺がでぃを守らなきゃ
俺がでぃを、褒めてやらなきゃ
(・∀ ・)「でぃ お前は何も悪くない 悪くないでぃを苛める、お前の親が悪い
俺はおかぁさん好きだけど、でぃはそうじゃないだろ」
(#゚;;-゚)「…………」
(#゚;;-゚)「………………ぅん……」
(・∀ ・)「なら、でぃ
しばらくうちにこい!」
( ・∀・)「……やーっぱそうなっちゃうのかなぁ」
( ∀ )「僕の時みたいなことが、起きなければいいなぁ…………」
***
166
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:03:40 ID:riG2waDcO
その夜
でぃは家を抜け出した
着替えと、制服と、教材
必要最低限のものだけ持って、自分の家に連れてきた
親には事情を説明した
虐待を受けていること
逃げ出してきたこと
少しの間匿うこと
学校には普通に通わせること
でぃは、隣の部屋に入ることになった
何年も使っていない部屋の掃除を二人でし、荷物を置いた
制服は皺にならないようにハンガーにかけ
寝床は来客用のものを使った
167
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:04:21 ID:riG2waDcO
家族とでぃ 四人で食卓を囲み、親にでぃの素性を説明した
母は服から覗く傷を見て絶句し、父はでぃ家の惨状に戦慄していた
夜
部屋に入る前にでぃに呼び止められた
(#゜;;-゜)「……またんき」
(・∀ ・)「お?」
(#゜;;-゜)「…………ありがとう」
口の端が、微かに上がった気がした
でぃが初めて、笑顔を見せた
(・∀ ・)「……おう!何があっても俺が何とかしてやるからなっ!」
(#゜;;-゜)「……ふふ ありがとう」
168
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:05:09 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「……でぃ、笑うとすごく可愛い」
(#゜;;-゜)「なにいってんの」
(・∀ ・)「俺、でぃが好き」
(#゜;;-゜)「…………ばか」
でぃはそう言って、部屋に入ってしまった
自分も部屋に入り、ベッドに身を投げた
眠りに落ちるまで、そう時間はかからなかった
喧騒で、目が覚めた
169
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:10:59 ID:riG2waDcO
***
数十年前
モララーがまだ人であった頃
***
( ・∀・)「こんな夜分遅くにご指導いただき、ありがとうございました!」
( ФωФ)「よい 勉学に励む学生に手を差し出さん教授などいないのである」
( ・∀・)「僕も、これからも日々精進し、いつか教授のような立派な学者になりたいと思います!」
( ФωФ)「…………モララーよ それは、本心か?」
( ・∀・)「えっ」
( ФωФ)「我輩には……そうは見えん
君は立派な学生だ ……くれぐれも、道を踏み外すでないぞ」
( ・∀・)「…………」
170
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:12:19 ID:riG2waDcO
教授と別れて、一度宿舎へ帰った
金と服だけを持ち、またすぐに抜け出した
妹者に贈るつもりの包みも、しっかり懐にある
キャスケット帽を目深に被り、ビロードの家まで走った
家はさほど離れていない
走ればすぐだ
ビロードの家が見えた
そこには一台の馬車が、停められていた
***
171
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:13:12 ID:riG2waDcO
喧噪で目が覚めた
(・∀ ・;)「なっ!なんだ!?」
部屋を飛び出すと、でぃの悲鳴
昼間見たでぃの母と、父らしき人物
更に、警察が四人
警察が総出ででぃを部屋から引っ張り出そうとしている
「いやだ」 「さわるな」 「たすけて」 「いやだ」 「またんき!!」
(・∀ ・#)「でぃに触るなあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
咄嗟に、警察の塊の中に突撃した
捕まれる腕を回して外し、でぃに絡みつく腕に噛付いた
その警察は怯んででぃを離したが、自分が二人がかりで拘束されてしまった
でぃの側にも、二人の警察がいる
172
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:14:05 ID:riG2waDcO
/ ゜、。 /「公務執行妨害、及び未成年者の拉致 斉藤またんき君、君は自分が何をしているかわかっているかい?」
背の高い警察だった
20代後半の男性だ
(・∀ ・#)「構うもんか!!でぃを離せ!!!!」
/ ゜、。 /「でぃちゃんの親から捜索願が出ていてね 君の母親から連絡があったんだ」
(・∀ ・#)「おかぁさん!!!!」
/ ゜、。 /「まぁ、冷静に考えれば犯罪だしね」
(・∀ ・#)「ふざけんな!!でぃの腕を見て見ろ!!でぃの体を見て見ろ!!
こんなにも傷だらけじゃないか!!」
/ ゜、。 /「児童虐待を疑うんだったら、勝手に連れ出すよりセンターに連絡した方が賢明だったね」
('、`*川「うちは虐待なんてしてません!!」
173
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:15:21 ID:riG2waDcO
/ ゜、。 /「…………背中に煙草の痕があります。
今夜でぃちゃんは、警察の方で身柄を引き取ります。事情聴取の後、センターに連絡を取りましょう」
背の高い警察が、部下らしき警察に次々に指示を下していく
状況は、最悪だった
(#゜;;-゜)「またんき…………」
(・∀ ・;)「でぃ……」
『何があっても俺が何とかしてやるからなっ!』
たった数時間前の約束が、果たせない
無力な自分に、腹が立った
許せなかった
(・∀ ・;)(くっそー…………どうしたらいい?)
174
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:19:54 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「でぃ!!」
他の作業に移っていて警戒心が全くなかった警察の間をすり抜け、でぃの腕を掴んで引き寄せた
(#゜;;-゜)そ
でぃを肩に担ぎ、自室に逃げ込む
ドアに鍵をし、ドアの前に机などでバリケードを築いた
(・∀ ・)「よし っと」
(#゜;;-゜)「…………またんき、罪、重くなるよ?」
(・∀ ・)「ひとつついたら二つも三つも変わるもんか
俺はなんとかしてやるって約束したんだ。出来なかったら、カッコ悪いだろ?」
(#゜;;-゜)「…………」
(#゜;;-゜)「ぷふっ…………そんなまたんきが、あたしは好きだ」
でぃが、笑った
満面の笑みで 初めて見る顔で 笑った
ちょっとだけ、ひまわりを連想した
175
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:21:05 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「おーっと、これは相思相愛?」
(#゜;;-゜)「そういうのは、この状況を打破してからにしようね」
二人で笑い合って、これからを考えた
***
数十年前
モララーがまだ人であった頃
***
176
:
途中まであった妹者の し は なんだろう
:2011/09/17(土) 22:22:29 ID:riG2waDcO
(;・∀・)「なっ……!!」
馬車
流石財閥だろう
ビロードの家まで嗅ぎ付けてくるとは
妹者は捕まってしまっただろうか
ビロードは無事だろうか
頭が、混乱していた
l从・∀・ノ!リ人「モララー!」
茂みの向こうから呼ぶ声が聞こえる
人目につかないように茂みに入り、妹者と合流した
177
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:23:57 ID:riG2waDcO
l从・∀・ノ!リ人「ビロードが裏口から逃がしてくれたのじゃ!」
(;・∀・)「ビロードは?」
l从・∀・ノ!リ人「父上と話している。今頃、家の中を総ざらいされているじゃろう
めいっぱい時間を稼ぐから早く逃げろと、ビロードは言った
だから逃げるぞ モララー」
( ・∀・)「……………………すまねぇ、ビロード」
妹者の手を取って走り出した
( ・∀・)「……そういえば、お召し物が変わりましたか?」
l从・∀・ノ!リ人「ビロードが自分の衣を、仮縫いだけで採寸あわせてくれたのじゃ」
( ・∀・)(あいつ……器用だよなぁ…………)
178
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:25:25 ID:riG2waDcO
妹者は、灰縞の衣に墨染めの袴をはいていた
頭にはキャスケット帽
一見 男の子だ
しかも、女の子の和装に比べて動きやすい
利点ばかりだ
( ・∀・)「次会ったら、ビロードに礼を言いましょう」
会えるかどうかは、定かではないが
l从・∀・ノ!リ人「会えるのじゃ 絶対」
心でも読まれたのかと思った
会えたらいいなと思いながら、僕らは短い逃避行をする
***
179
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:26:08 ID:riG2waDcO
ベッドのスプリングマットを、窓から突き落とした
ドアの向こうでは、音に気付いた警官が階段を駆け下りる音がした
間に合わせるものか
でぃを抱え、ベランダから飛び降りる
(#;゜;;-゜)「ちょっ!!!?」
(・∀ ・)「喋んな舌噛むぞ!!」
でぃが背中から落ちるようにして手を離し、自分も背中から落ちて受け身をとった
すぐにでぃに駆け寄ると、でぃも呼吸はしっかりしている
受け身には成功したようだ
そして靴下もない、靴もないまま走り出した
手だけは、絶対に離さなかった
180
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:32:16 ID:riG2waDcO
足が痛い
アスファルトは思ったよりも凸凹していて、時には尖っているところもあった
履き物が、必要だった
一番近い友達の家を、頭の中で探し出す
該当した家は此処から走って10分程度の所にある
でぃに行き先を告げ、そちらに向かって走り出した
左に握ったでぃの手
右手には、携帯電話
そいつに連絡を取る必要があった
数コールに後、ぶつりと音がして、次いで眠たげな声がした
『……はい』
181
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:33:14 ID:riG2waDcO
【(・∀ ・)「おうフサ!!こんな時間にごめんな!!」
『……ふあぁ……ねむいからぁ――……』
【(・∀ ・)「残念だが、起きてくれ んで、ちょっと今から邪魔するから」
『は?今からくんの?』
【(・∀ ・)「フサギコに会いたくて☆ …じゃなくて頼みがあるんだ あと数分で着くと思うからよろしくっ」
『えっ、ちょっ……』
そのまま通話を切り、走ることに専念した
でぃの息があがっている 走ることになれていないのだろう
足も、もつれそうだった
(・∀ ・)「休む?」
(#; ;;- )「ぃ……いい……!」
でぃは、気丈に振舞っていた
フサギコの家についたらスポーツドリンクを用意しようと思った
182
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:34:17 ID:riG2waDcO
10月
夜はもう、肌寒いほどの気温
パジャマ一枚で駆けた
フサギコの家についた時には、でぃの唇は紫色になっていて、肌も冷たかった
足も、出血している
ミ;,,゚Д゚彡「意味わかんないからー!!」
フサギコの部屋に入り、ようやく落ち着いた
作らせておいた、ペットボトルに熱湯を入れるだけの簡易ゆたんぽをでぃに抱えさえ、ベットに寝かせて毛布を掛けた
兄のギコが、常温のスポーツドリンクをくれた
自分も床に転がり、痛む肺を押さえた
( ∀ ;)「げはっ……ぐはっ…………」
ミ,,゚Д゚彡「しっかりー」
183
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:35:27 ID:riG2waDcO
(,,゚Д゚)「お嬢ちゃんの足の手当ては終わったぜ」
( ∀ ;)「な…な゛にがら゛な゛に゛まで……ずいま゛ぜ………」
(,,゚Д゚)「状況を聞きてぇところだが……もう少し待った方がいいな」
( ∀ ;)「ぁ…………俺らがここに来たこと……秘密に……」
(,,゚Д゚)「大丈夫だ。何か知らねぇけど逃げてきたことは分かったし、親にもジョルジュが来たって伝えてある
ジョルジュにも口裏合わせ済みだ」
ミ;,,゚Д゚彡「兄貴……手際良すぎるから」
(,,゚Д゚)「ツーが心配してたぞ」
ミ,,゚Д゚彡「ツーちゃん!!」
184
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:36:45 ID:riG2waDcO
またんきには知る由もないことだが、
九月に、フサギコとツーの交際は始まっていた
兄のギコもジョルジュも、少し複雑な心境だった
(,,゚Д゚)「お前をじゃなくて、でぃをだがな」
ミ;,,゚Д゚彡「わっわわわわわわかってるからっ!!」
兄弟が漫才もどきをしているうちに、話せるくらいには体が落ち着いてきた
でぃはまだベッドで潰れている
ちょっと色っぽい
(・∀ ・;)「ぁ――……ぇえと、すまん いきなりだったけどありがとう」
ミ,,゚Д゚彡「困ってる人は助けなきゃだから」
(,,゚Д゚)「話によるがな」
(・∀ ・;)「実は…… ――――― 」
185
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:37:41 ID:riG2waDcO
割愛するが、事の成り行きを二人に話した
弟は「青春だからー……」 と言い
兄は殴りかかってきた
(#メ)∀ ・)「おにいさん、強力ですね」
(#,,゚Д゚)「ふざけんなよゴルァ!!それじゃその場の勢いじゃねーか!!
警察の言う通りだ!本来なら児童相談所に連絡 緊急を要する場合は警察が保護してくれるんだ!
日本にはそういう制度がある 施設がある
自分達だけでどうにかしようとするんじゃねぇ!!」
(・∀ ・)「…………すい……ません……」
(# ;;- )「…………しが………ぃの……」
でぃが何かを喋った
とてもか細い声だった
でぃの言葉に耳を傾けた
186
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:38:58 ID:riG2waDcO
(#;;;-;)「…たしが……悪いの…………またんきを、巻き込っ……あたしが……悪い子だから……
馬鹿な子だから………っんなに、迷惑…………」
(# ;;- )「……ごめんなさい……ごめんなさい…巻き込んで…ごめんなさい……
迷惑かけて……ごめんなさい…………わがまま言って……ごめんなさい…………
連れ出されたとき……嬉しかったの……」
(# ;;- )「…自由を、知れた気がして…許された気がして……またんきに、私を肯定してもらえて…………」
(# ;;- )「でも駄目……そんなの……私には許されなかったんだ…………
あのお家に、帰らなきゃ……私、馬鹿だから……悪い子だから……家でいっぱいいい子にしなきゃ……」
(・∀ ・)「でぃ」
髪を掻き毟り始めたでぃの手を掴んだ
でぃは顔を伏せて、こちらを見ようとはしなかった
187
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:39:48 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「でぃ」
もう一度、はっきりとした声で呼んだ
(・∀ ・)「言っただろ でぃは、悪い子なんかじゃないって 俺様の言ってること、信じらんない?」
(,,゚Д゚)「様 っておま…」
ミ,,゚Д゚彡「兄貴、し――っ」
(# ;;- )「…………」
(・∀ ・)「でぃはいい子だ ずっといい子にしてきた
だから今日みたいに、たまには俺と悪いこともしよう わくわくしただろ?」
(#゚;;- )「…………」
188
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:42:18 ID:riG2waDcO
(・∀ ・)「非現実的な楽しさは、現実のすぐ隣にある
でぃがいい子して疲れたら、また俺がこっちの世界に引っ張り込んでやる
一緒にわくわくしよう 一緒にどきどきしよう 一緒にひやひやしよう
たまにはケーサツのお世話になるくらい馬鹿やろう
何も怖くない 俺が付いてる 俺がでぃを、楽しませてみせるから」
(#゚;;-゚)「…………またんき……」
(・∀ ・)「今日は帰ろう。警察も、でぃを保護してくれるって言ってた
もう大丈夫 フサの兄貴が言うように、自分達で無理矢理逃げなくても、大人がなんとかしてくれる」
(・∀ ・)「でぃはもう、自由だよ」
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚)「…………自由……」
189
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:43:00 ID:riG2waDcO
でぃが、小さく呟いた
消え入りそうな声で、何度も、何度も
(#゚;;-゚)「……自由…………」
(#;;;-;)「私に…………自由が…………」
ほろほろと溢れ出す涙
その涙は、解放からか 嬉しさか
抱き締めて頬ずりをした
涙は、温かかった
(-∀ -)「でぃはもう、自由だよ」
190
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:44:01 ID:riG2waDcO
***
( ・∀・)「……………………」
( ・∀・)「羨ましいな、現代は」
( ・∀・)「僕達の頃には、そんなものはなかった」
( ・∀・)「僕達もこの時代に生まれていれば……あるいは…………」
( ∀ )「あんなことには、ならなかったのに…………」
***
「実れ 実れ 『恋』 実れ 君に会える その日まで
僕は叶える 人の恋 君に捧げる 恋の実を」
***
191
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:44:58 ID:riG2waDcO
( ・∀・)恋実れ!のようです Case 6:斉藤またんき 了
192
:
◆zynqho4iRI
:2011/09/17(土) 22:46:52 ID:riG2waDcO
恋実れは以上です
80番ポートがテコでもとじてくれないので携帯でやったらこうなりました
ごめんなさい
二度としない
つぎの方どうぞ
193
:
名も無きAAのようです
:2011/09/17(土) 22:48:51 ID:S4rpEAcM0
乙!
194
:
名も無きAAのようです
:2011/09/18(日) 02:54:44 ID:wOXDUudYO
乙だぜ
195
:
名も無きAAのようです
:2011/09/20(火) 00:04:04 ID:9xj.Z6/s0
壁|・ω・)
196
:
名も無きAAのようです
:2011/09/20(火) 08:40:05 ID:A8KiWhJs0
ハイン先生こないなー…
197
:
名も無きAAのようです
:2012/10/24(水) 13:47:24 ID:ruQm2duEO
乙です!
ちょwwwの七月号が探しても見付からないんですが、どこで読めるか知ってる方いませんか?
198
:
名も無きAAのようです
:2012/10/24(水) 14:51:14 ID:xGxj6IfEO
>>197
小説板?
199
:
名も無きAAのようです
:2012/10/24(水) 15:19:43 ID:qs7IgHpA0
>>198
見つかりました!ありがとうございます!
200
:
名も無きAAのようです
:2012/10/25(木) 22:17:09 ID:80BpoJAQC
乙
201
:
名も無きAAのようです
:2012/10/28(日) 00:32:41 ID:L7cB76eo0
( ;∀;)イイハナシダナーとは、感情表現語句の一つである。
上記AAの他に、「( ;∀;)イイハナシダナー」 と表記される事が多い。
202
:
名も無きAAのようです
:2012/10/28(日) 00:33:50 ID:L7cB76eo0
やべ ミスった
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