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○創作板公園休憩所○
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講談社新書 原稿の書き方(1976) 尾川正二
はじめに
人間の心の奥底は、際限もなく深い。それは、本人自身にも自覚されないものであろう。
たとえば、限界状況に置かれた時、意識にものぼらなかった「自由」な至高に驚くことが
ある。頭の天辺で考えていたことと、からだ全体の至高とは違うということに気付く。
書くという状況を作ることによって、その深層に潜むものを吸いあげることもありうる。
個人を取り巻く世界もまた、際限もなく広い。タテの生命意識の深さ、ヨコの社会意識の
広さ、その交錯するところに、個人の位置がある。その世界と個人とを媒介するものが、
ことばである。無限とも言うべきからみあいのなかで、人間や世界に対する解釈・評価は
言葉を通してなされる。
タテの世界であれ、ヨコの世界であれ、深く掘り起こしてゆけば、言葉を失う。
沈黙するほかはなくなる。その本源の沈黙を突き破ることばが、ほんとうのことばであろう。
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