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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part07
78
:
触媒
:2016/03/30(水) 15:42:09 ID:xSx2Vl3Q
終わり
元々合わせて一話のつもりだったので
残り三話です
79
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/03/31(木) 15:57:30 ID:1eeH8PDw
GJ
供給増えてほしいな
80
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/03/31(木) 23:35:11 ID:1yaNb9xc
GJ!
81
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/03(日) 00:38:19 ID:rg.CkWTY
GJ!!!
書くの頑張ってくださいな!
82
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/06(水) 08:34:07 ID:7jKn0KEI
ヤンデレって年下が多いイメージ
83
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/08(金) 18:05:33 ID:dzVU8Wkc
GJ!
1話からずっと読みましたが、これは面白い…
84
:
◆V/SdJIgW3Q
:2016/04/11(月) 17:23:22 ID:RaipZvYo
投下しますよ
85
:
触媒
:2016/04/11(月) 17:24:51 ID:RaipZvYo
「ミュンヒハウゼン、なんだそれは?」
決戦当日の早朝、エーレンが身支度を整え幕舎でエーデルワイスに挨拶をしようとすると、機先を制するかの如くエーデルワイスがといかけてきた質問してきた。右手を上げて、人差し指をエーレンの左手にある指輪に向けている。
エーレンはエーデルワイスの指と声音が心なしか震えているように感じ、恐怖を覚えた。そして「浮気がばれた時の夫の心境とはこういうものなんだろうか」とやや呑気な感想を抱く。
幕舎内にはまだエーレンとエーデルワイス、それに侍女の三人しかいない。
さて、何と答えたものか。
昨夜リアと別れてからも考えてみたのだが、上手い言い訳もごまかしも結局浮かばなかった。ならば正直に話すしかない。
落ち着いて、昨日リアから貰ったものだという事と、その経緯を説明する。
「外せ」
エーレンの話を聞き終わったエーデルワイスは一刀両断に言い切った。その有無を言わせぬ迫力にエーレンは絶句しかけたが、戦場に赴くとき以上の勇気を振り絞ってなんとか弁明を試みる。
「恐れながら殿下、友人が僕の為に心を込めて用意してくれたものなのです、それを……」
「私の言う事が聞けぬというのか?」
今度は紅蓮の炎がエーデルワイスの周囲で燃え上がっているような錯覚に、エーレンはとらわれた。しかもその火炎は絶対零度の暴風をエーレンに向けて吹き付けてくるのだ。
「大体、魔術を防ぐ為というなら、私の鎧があるではないか。これをやるから指輪はさっさと返して来ればよかろう」
「殿下の鎧って、『ミューラスの鎧』じゃないですか!」
「その通りだ。不服なのか?」
「国宝なんて受け取れません!」
エーレンの言う通り、エーデルワイスが戦場で着用している鎧は「ミューラスの鎧」と称されるリンドランドの至宝である。他の将軍達と同様白色で彩られ、作られてから数百年という歳月を経過した今なお、その輝きを失っていない。
美しいだけではなく極めて頑強で、さらに神々からの祝福が授けられており、それによってあらゆる魔法攻撃を無力ならしめているという。
「そうか、ミュンヒハウゼンはあの女の指輪は受け取っても、私からの贈り物は嫌だというのだな。そうなのだな」
とうとうどす黒い瘴気を出しつつ俯いてしまったエーデルワイスを見て、エーレンは本格的に身の危険を感じた。とにかくこの戦いが終わったら指輪はリアに返す、という事で納得してもらおうと説得を続ける。
十分ほど経過しただろうか、エーデルワイスはやっとのことで顔を上げた。
「分かった。この戦いの間だけ我慢しておこう。ただしだ」
「はい」
「戦いが終わったら、私からの贈り物を受け取ってもらうぞ。この鎧以外でな」
「はい。殿下から賜りものを頂けるなど、身に余る光栄。恐悦至極に存じます」
助かった、とエーレンは心の底から安堵した。
「うむ」と、エーデルワイスは頷く。
ちなみにその心中では「私から、それより遥かに豪華な指輪を贈らせてもらう。今度はその指にはめたら二度と外させぬぞ、楽しみにしているが良い。……しかし待てよ、それでは私からプ、プロポーズするという事ではないか! 乙女になんて事をさせるのだミュンヒハウゼンは! 結婚式の日取りとか新婚旅行の日程とか、新居はどうしようとか、子供は何人欲しいとか、そんな事まで私から言わせるつもりなのか、意地悪! ……でもそんな所も可愛いぞ」とか考えている。
そんな二人の様子をやや離れた場所で眺めていた侍女は「二人とも、これから世界の命運を賭けた戦争に赴くってことを分かっているのかしら」と、呆れかえっていた。
――――――
サラトガ平原はリンドランドの東北に位置している。
名とは異なりそれほど緑が多いわけではなく、どちらかと言えば荒野に近いかもしれない。
この地に生息している者と言えば、痩せた土地に適応した野生生物と、ごく僅かで独特の文化を営む少数民族、あるいは交易の為縦断する隊商達、といった所である。
だが今、この地には有史以来最大規模の大軍勢の姿があった。
地平に到るかの如く続く刀槍と甲冑の集団は、今は出撃の合図を待ち、高揚した意識を抑えるべく努力しているように見える。
そして天空にも、無数の翼ある者達の姿が見える。彼等もまた今か今かと戦闘の合図を待っていた。
これらの戦士達が一様に向ける視線の先には、濃緑一色で染められたような外観をしたジ・ス軍がいる。その兵士達は、多少の個人差こそあれ、全員エーレンがコク大橋で対峙した化け物と瓜二つの姿をしていた。
無感動な一つ目で、何物をも拒むかの如く全身に棘を生やし、ゆっくりとした歩調で前進する、その総数はおよそ一万。
――――――
86
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/11(月) 17:25:36 ID:RaipZvYo
「目印となる旗もない、か。どこにジ・スがいるのか分からんな」
討伐軍の文字通り先頭で、騎乗の人となったエーデルワイスが呟いた。
「それで統率が取れるものなのでしょうか」
ゴーシュの問いに、エーデルワイスは鼻で笑うような仕草をした。そのような所作も優雅に見えるのは桁違いの美貌の賜物だろう。
「そもそも統率を取る気があるとも思えぬ。陣形も端から崩れているし、神々と百年も戦っていた割にはまるで素人だな」
「ご不満ですか、殿下」
隣に控えるエーレンにそう言葉をかけられて、エーデルワイスは虚を突かれたような表情をした後、今度は苦笑した。
「できれば強敵と戦ってみたかったという思いはある。すまぬな、ミュンヒハウゼン、少し傲慢になっていたかもしれぬ」
「いえ、出過ぎたことを申しました。お許しください」
「卿の言葉が私にとって害になることは無い。気づいたことがあったらなんでも言ってくれ」
そんな会話を横で聞いていてなぜか自分が恥ずかしくなってしまったゴーシュは、上空を仰ぎ見る。視線の先では全長三十メートルにも達する金竜が、青空を泳ぐように飛びまわっていた。
「竜王も張り切っておりますな」
「何百年ぶりかの戦いであろうからな。空はデイトナに任せた。右翼バーネット、左翼ボッシュの準備は抜かりないだろうな?」
「準備万端整っているとの返答がございました、殿下」
エーレンが答える。
「よし。合図と共に中央は全面攻撃、左右両翼は敵側面に回り、上空のデイトナ達も合わせて四方からの包囲殲滅を計る。単純な作戦だが、百万の大軍ならば小細工は無用だ」
「はっ!」
エーデルワイス達の眼前で、ジ・ス軍は圧倒的少数ながら恐れを知らぬかの如く歩みを止めない。一歩一歩、確実に近づいて来る。
頃や良し。そう判断したエーデルワイスは右手を高々と上げ、大音声で告げた。
「弓兵隊、魔法隊、構え!」
その声に従い、人間やエルフを主力とした弓兵隊が矢をつがえると共に、善と悪の魔術師達も呪文の詠唱を始める。
「撃て!」
右手を振り下ろしエーデルワイスが命令すると、幾千、幾万もの矢が豪雨のごとくジ・ス軍に降り注いだ。同時に、魔術師達から放たれた火球や雷撃が正面からの大打撃を与える。
怪物たちの絶叫が平原にこだまのごとく広がっていく。その怨嗟の声は討伐軍にも届いていた。
「もろ過ぎる」
一撃でジ・ス軍が完全に混乱の際に叩きこまれたのを見て取って、エーレンは呟いた。それから、思い直したように付け加える。
「ですが個々の戦闘力は侮れません。ご油断召されぬよう」
「卿に手傷を負わせるほどの相手、承知している」
エーデルワイスが刀の柄に手をかけて答えた。そして鞘から大剣を引き抜く。
「抜刀!」
今度は大軍の刀槍が一斉に煌(きら)めき、光の河を形作った。
「突撃!」
白馬を駆ってエーデルワイスが疾走する。エーレンもまたその側に寄り添い、共に敵軍の只中に飛び込んでいった。
幾多の兵士達がその後に続いていく。
ジ・スの一族にどの程度の知能や感情があるのか、という事に関してはまだ検証の余地が多分に残されているのだが、少なくともこの日、陣中に躍り込んで来たエーデルワイスに対して彼等が恐怖を抱いたのはまず間違いない。
「殺(シャア)!」
そう咆哮しながら大剣を縦横無尽に振い続け、戦場に「死」を撒き散らすエーデルワイスは、この時、美神よりも死神の寵児のように見えた。
一刀毎に敵数体をまとめて吹き飛ばす。ジ・ス軍も道中で得た刀や盾を装備しているのだが、全く問題にならない。盾で防げば盾ごと両断し、刀をかざしてもそれは小枝のように折れてしまう。
もはや戦いとすらいえぬ、一方的な殺戮劇をエーデルワイスは演じていた。
その隣で長剣を振るい続けながらエーレンは思う。
士官学校時代、エーデルワイスは戦略論・戦術演習等々、全ての科目において卓越した才能を発揮していたが、それは剣技においても例外ではなかった。
試合ともなれば、上級生を相手にしても完膚なきまでに叩きのめして見せた。そもそも入学から卒業に至るまで、彼女に一太刀でも打ち込めた人間がいただろうか。少なくともエーレンの記憶にはない。
その頃と変わらず、いやそれ以上に現在のエーデルワイスの武勇はすさまじい。おそらく剣技だけならリア以上であろう。もし二人が戦ったら、どちらが勝つのだろうか――。
「馬鹿な考えだ。戦場で何を考えているんだ、僕は」
なぜか頭にこびりついてしまったその疑問を振り払うように、エーレンは「殺(シャア)!」と叫ぶと緑の返り血に塗れた長剣を振るい続ける。
87
:
触媒
:2016/04/11(月) 17:27:38 ID:RaipZvYo
緑の怪物の絶叫が響き渡り、血と脳漿の生臭い匂いに満ち満ちている戦場で、エーレンはジ・ス軍の中に戦うこともせず防御姿勢のみを取っている二百匹程の一団を見つけた。
その一角だけは他の者達と異なり、混乱することもなく平静を保っているように見える。
「殿下、あちらを!」
その言葉にエーデルワイスも馬首を巡らして振り向いた。エーレンの意図を瞬時に覚り、号令をかける。
「続け! ジ・スはあの中だ!」
エーレンとエーデルワイスは一直線にその一団に突撃していく。遮るものをすべて薙ぎ払い、今まさに剣撃を叩き込もうとした瞬間、二人は眼前で上空に飛び上がる影を見た。
「なんだ、あれは!?」
遅れて到着したゴーシュがそう叫ぶ。
討伐軍とジ・ス軍の生き残りが見つめる中で、その影は遥か上空まで飛翔し、巨大な四枚の翼を広げるとそのまま滞空してみせた。
一瞬、戦場全体を静寂が包み込む。誰もが一時戦いの手を止め、その姿を仰ぎ見ていた。
身の丈およそ三メートル。体型は人型だが、蝙蝠を思わせる四枚の翼に九本の腕を生やし、全身を昆虫のような緑の甲羅で覆っていた。長い首を持ち、その先にある頭は、これだけは他の部位と不釣り合いな色白の人間の顔をしている。
「奴がジ・スか」
エーデルワイスのその認識は正しい。この時、ジ・スは初めて討伐軍の前にその姿を現したのである。
静寂は地上にまで届く竜王の咆哮によって終わりを告げた。それの意味する所は、竜族と、ガーゴイル、鳥人(バードマン)、ハーピー等からなる約五万の翼ある者達の軍勢による全面攻撃の開始だ。
ジ・スに向かって一斉に矢、火球、さらには燃え盛る竜の息(ドラゴンブレス)が襲い掛かる。
全方位から殺到する逃げ場のないはずの攻撃。だがそれらが着弾する直前、ジ・スは一瞬にしてその場から飛びすさり、全てを回避してみせた。その飛行速度は、地上で観戦している者達ですら追いかけるのが困難だった程である。
鳥人らが愕然として見つめる中、ジ・スの周囲に多数の光源が現れる。それが数百本にも及ぶ魔法の矢(マジック・ミサイル)だと判明した時、地上の魔術師達から悲鳴が上がった。
「有り得ない……! 最高位の魔導士でも、魔法の矢を一度に十本以上も作るなんて不可能だ!」
その魔法の矢はジ・スを中心としてあらゆる方向に発射され、周囲の軍勢に全弾命中した。多数の翼ある者達が断末魔の叫びを上げて落下していく。
自身の眷属が犠牲になったのを見たデイトナは怒りの叫びを上げ、自ら竜の息を吐きジ・スに向かって突進していった。飛行速度に於いてデイトナに比肩する者はいない。
いや、いなかったと言うべきだろう。デイトナをもってしてもジ・スを捕えることは不可能であったのだ。その攻撃は尽(ことごと)くかわされ、反撃とばかりに魔法の矢を雨あられと撃ち込まれていく。
だがデイトナの固い鱗はそれらを全て弾き飛ばした。身体には傷一つない。それを見て取ったジ・スは再度魔法の矢を発動させると、今度は全弾をデイトナの両眼に向けて叩きつけた。
着弾する寸前、デイトナは瞼を閉じて防御したのだが、その瞬間隙が生まれた。ジ・スは猛スピードでデイトナに接近すると、首の付け根に取りついたのだ。
そして至近距離からデイトナの首めがけて今度は雷撃を撃ち込んだ。その威力の凄まじさは、地上に本物の雷鳴さながらの轟音を鳴り響かせた程である。
頸部に巨大な穴を開けられ、血飛沫(ちしぶき)を流しながらデイトナは絶叫した。ジ・スは尚も手を休めることなく、場所を変えながら雷撃を撃ち込み続ける。
周囲の竜族が彼らの王を助けようと突進するのだが、罠のごとく待ち受ける魔法の矢に迎撃され、手を出すこともできない。悲痛な叫びが大空に響き渡る中、ついにその身に五つ目の巨大な穴を開けられ、デイトナは苦悶の叫びと共に羽ばたくことを止めて墜落していった。
ジ・スはデイトナから離脱すると、再び天高く舞い上がっていく。
「竜王が地に墜ちた……」
ゴーシュが茫然として呟いた。彼だけではない、討伐軍全体が愕然とした空気に支配されていた。
「デイトナはあの程度では死なぬ。至急衛生隊を落下地点へ派遣せよ」
そう命令するエーデルワイスは、まだ冷静さを失ってはいない。と同時に、自軍の士気の低下が甚大だという事も理解していた。
特に翼ある者達の軍勢は、もはや恐慌寸前であろうことも。
統率を喪失し、今や文字通りの烏合の衆と化した翼ある者達の軍勢の中央で、ジ・スは再び滞空すると九本の手を自身の前にかざす。次の瞬間、ジ・スの正面に漆黒に燃える火球が出現していた。
88
:
触媒
:2016/04/11(月) 17:29:18 ID:RaipZvYo
最初はリンゴ一個程度の大きさだったそれは、膨らみ続け直径約一メートル程に達する。
すると、ジ・スはおもむろに地上めがけてその火球を発射した。流星もかくや、と思わせる超高速で一直線に大地に到達した黒い火球は、着弾しても消えることなく恐るべき勢いで再度膨張を始める。
着弾地点にいたのはゴブリンと鬼(オーガ)の軍勢だったのだが、彼等は悲鳴を上げる間さえ与えられずに、一瞬で火球に飲み込まれていった。むしろ離れた場所にいた兵士達の方が、その光景を見てパニックを起こしたほどである。
黒い火球はあっという間に直径三百メートルもあろうかという半球に成長すると、巨大な破砕音をたてて破裂した。
不思議と爆風のようなものは発生しなかったのだが、跡には土煙が立ち込め様子を伺うことができない。いや、それは土煙ではなかったのだ。
悲鳴が討伐軍を走り抜けた。土煙のように見えたのは吹き上がった灰であったのだ。火球に飲み込まれた軍勢は、全て燃やし尽くされ、後に残ったのは灰と、炭となり姿形も判別できなくなった亡骸たちであった。何万の兵が失われたのか想像もできぬ。
「また撃つ気だ! 散開しろ!」
エーデルワイスの声を聞いて多くの者が我に返り、そして天を仰いで絶望した。
ジ・スの正面にまた黒い火球が出現している。
どこに撃ち込まれるかは分からぬし、分かったところであの速度では避けようもない。だが少なくとも被害は軽減しなければならぬ。
全員がとにかく戦場から遠くへと全速力で駆け出して行った。エーレンもエーデルワイスに付き従い、全力で馬を駆る。
「来る……!」
そう叫んだエーレンは次の瞬間、黒い火球が空から走り、僅か五メートル先の至近距離に着弾したのを見た。
「ミュ……!」
エーデルワイスはエーレンの名を呼ぼうとしたのだが、言葉が届くよりも早くエーレンは黒い火球に飲み込まれていく。
そしてエーデルワイスにも逃れる術(すべ)はない。エーレンの後に続くようにその身は黒炎に包まれていった。
二人を飲み込んだ黒い火球は、着弾から膨張を終えるまで五秒とかけずに爆発する。再び発生した大量の灰の煙を前にして、討伐軍全体が虚脱し、戦意を喪失して手から武器を取り落す者さえ現れていた。
エーレンが目を開けると、視界は灰色一色の煙で染められていた。
ただ、不思議とその煙はエーレンの周辺を避けて流れていた。故に身体は灰を被ることもなく綺麗なままだし、息苦しくなることもない。
自分は助かったのか、そこまで考えた次の瞬間、エーレンの耳に歓喜に沸く女性の声音が飛び込んで来た。
「ミュンヒハウゼン!」
声の方向に向く間もなく、エーレンは抱き付いてきたエーデルワイスに押し倒されていた。エーレンの顔を至近距離から見つめ、蒼い目に涙を浮かべてエーレンの名を呼び続けている。
さすがに戦場なのでエーレンもすぐ我に返り、体を起こして地面に膝立ちになるとエーデルワイスを落ち着かせた。
「殿下もご無事で何よりです」
「うん。良かった……。卿がまたいなくなったら、私はもう生きていけぬ」
「弱気なことをおっしゃらないでください」
無礼と思いつつ兜の上からエーデルワイスの頭を撫で、エーレンはその姿を眺める。エーレン同様、灰を被っていないのかその身は綺麗なままだった。
「我々が助かったのは、やはりこの指輪と、その鎧のおかげでしょうか」
「恐らくそうだろうな。善神と邪神双方に感謝せねばならぬ」
エーレンは自身の左手薬指を見て、そこにある指輪を軽く撫でた。ヴァーサはともかく、リアにはどんなに感謝してもしきれない、そう思う。
続いて「やはり生き残れたのは二人だけなのだろうか」と考えた時、至近距離から発せられたと思しき男の呻き声をエーレンは聞く。エーデルワイスと共に目を見開き、立ち上ると声の持ち主を探し始めた。
二人は灰煙の中を二メートルほど進み、倒れていたゴーシュを見つける。鎧は酷く損傷し、全身にも裂傷と火傷を負っているようだったが、ゴーシュはまだ生きていた。
「隊長! 聞こえますか!?」
エーレンの呼びかけに、ゴーシュは呻き声を発する事しかできない。
「我々の近くにいたので火球の威力が軽減されたのかもしれぬな。とにかく早く衛生隊に診てもらわないと」
「はい。我々が乗っていた馬は助からなかったようです。救援を呼び……!?」
その時、上空から接近して来る何者かが羽ばたく音をエーレンは聞いた。周囲の灰煙が風に煽られて晴れていく。
翼ある者達の軍勢が助けに来た、と思うほどエーレンは楽観派ではない。
89
:
触媒
:2016/04/11(月) 17:31:10 ID:RaipZvYo
そんな彼の予想は残念ながら当たっていた。巨大な四枚の翼を広げ、エーレンとエーデルワイス、二人が見つめるその前にジ・スは降臨する。
エーレンは鞘から剣を抜き、瞬時に戦闘態勢に入る。エーデルワイスも同様に大剣をかざした。
二人を青白い顔で眺めやったジ・スは、禍々しい外見には不似合いな、青年のような声を発する。
「ほう、見事なものだな。なぜ生きていられたのだ?」
「神の御加護だ」
エーデルワイスの返答を聞いて、ジ・スは眉間に皺を寄せる。続いて唇の端を上げ、笑ってみせた。
「あのくそったれ共か。地上に姿を見なくなったと思ったが、どこに隠れているのだ?」
「さあな、自分で探してみたらどうだ?」
ジ・スを挑発するかのように、皮肉交じりの微笑をエーデルワイスは返す。
このような状況でもエーデルワイスの闘志はいささかも衰えていない。隣でエーレンは感嘆していた。
「こちらからも聞きたいことがある。大した魔術だが、貴様なぜこれを最初から使わなかったのだ?」
エーデルワイスの問いを聞き、ジ・スは今度は声を上げて大笑した。
それを収めると身を屈めて地面から灰と炭をすくい、見せつけてくる。
「これでは食いにくくて仕方あるまい」
エーデルワイスは毒気を抜かれたような表情をし、続いて侮蔑交じりの声を発する。
「なるほどな、呆れたやつだ。もう一つ聞くが、貴様なぜ今の世に復活した? 何万年か何億年ぶりだか知らぬが、目覚めたのは何が理由だ?」
「偶々(たまたま)さ」
ジ・スは返答し、またしても大口を開けて笑っていたが、それを止めるとエーデルワイスに冷ややかな眼光を向けた。
「しかし妙な事を言うな、仕向けたのはおまえらではないのか?」
「……どういう意味だ?」
ジ・スは小首を傾げると、何かを納得したように一度頷いた。
「答える必要はなさそうだ。では、せっかく生き残ってくれたのだから、特に念入りに喰らってやろう。骨一本残さないと約束してやる」
「なめるなよ、この化け物。やれるものならやってみろ!」
エーデルワイスが叫ぶや否や、ジ・スは九本の腕を振り回し、その全てでエーデルワイスに襲い掛かる。だが、目にも止まらぬ連撃をエーデルワイスは大剣一本で防いで見せた。
エーレンも今は家宝の長剣を振るい、ジ・スに斬撃を繰り出していく。だがその攻撃はジ・スの甲羅に当たり、尽(ことごと)く防がれ、傷一つ付けることができない。エーデルワイスの攻撃も同様だった。
ならばと、二人は甲羅の僅かな継ぎ目を狙って攻撃するのだが、ジ・スは身を翻してそれらをかわして見せた。
だがそれは弱点の証明でもある。甲羅に覆われていない部分なら、傷つけることができるかもしれない。エーレンとエーデルワイスはそう判断し、無言のうちに連携を取ってジ・スに連撃を叩き込んでいった。
上中下、前後左右と全ての局面で二人から繰り出される攻撃をジ・スは防いでいたが、それが五十合から百合を越えた所で、相手を甘く見ていた事をジ・スは内心で認め、叫んだ。
「煩(わずら)わしいぞおまえら!」
続いてエーレンを襲った一撃は、彼が今までの人生で経験したことのない速度と威力を伴った攻撃だった。長剣をかざし、全力で受け止めたにもかかわらず、エーレンは衝撃に負け、そのまま後方へ吹き飛ばされていた。
「ミュンヒハウゼン!」
エーデルワイスの悲鳴を聞いて、エーレンはしまった、と思った。バーネットが評したように、エーレンはエーデルワイスにとって間違いなくアキレス腱だったのだ。
エーデルワイスの全意識がエーレンに向いた一瞬、その隙をジ・スは逃さない。九本の腕全てで、エーレンに叩き込んだのと同様の攻撃をエーデルワイスに叩き込んでいた。
だが、エーデルワイスはその攻撃を七本までは捌いて見せた。もはや人間業とは思えぬ動きだったが、残り二本は追いつかず、その攻撃を胸と腹に喰らって、エーレン同様後方に吹き飛ばされる。
二人とも肋骨を損傷し、倒れた時の衝撃で呼吸もできなくなり、動きが封じられてしまっていた。
ジ・スは勝利を確信する。しかし次の瞬間、風を切り裂く音とともにジ・スの胸郭部に一本の矢が飛来し、甲羅に当たって弾け飛んでいた。
「なに?」
ジ・スは矢の飛んできた方向に振り返る。
いつの間にか薄くなりつつあった灰煙、その中を掻き分け、蹄の音を鳴らし疾走して来る一騎がいた。
「殿下! ミュンヒハウゼン! 馬に乗られよ!」
バーネットはそう言って二人を鼓舞すると、騎乗のままジ・スに斬りかかった。剣とジ・スの甲羅が衝突し、鋭く乾いた音が鳴る。
バーネットの後からは彼に手綱を引かれていた空馬が一頭、こちらはエーレンの方に向かって走り寄ってきた。
90
:
触媒
:2016/04/11(月) 17:31:50 ID:RaipZvYo
エーレンは呼吸を整え起き上がると、慣れた身のこなしで馬に飛び乗る。そのまま地上に伏しているエーデルワイスの方に馬を駆り、彼女も抱き上げて自身の後方に乗せた。
「閣下! ゴーシュ隊長もまだそこに居ます!」
「任せておけ! お前達、勝利の女神を惚れさせる絶好の機会だぞ! 虜にして、二度と離れられぬ身体にしてやれ!」
下品極まりないバーネットの号令とともに、彼の部下である一万騎が灰煙を突き破ってその場へ雪崩れ込んで来た。
ジ・スは九本の腕を振るって彼等の内何人かを吹き飛ばし絶命に至らしめていたが、次から次へと現れる援軍に嫌気がさしたのか、四枚の翼を広げると飛びあがり離脱していった。
この間にバーネットはゴーシュを自身の馬に乗せて助け出している。
「ミュンヒハウゼンは絶世の美女と同乗しているのに、俺はむさくるしい男とか。割に合わんな」
こんな時も減らず口を叩くのを止めないのが彼だった。
91
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/11(月) 17:35:11 ID:RaipZvYo
終わり
もっと簡単に決着付けるつもりだったのに
戦闘長すぎワロエナイ
次の話は大体書きあがってるので
土曜か日曜には投下できそうです
後、GJやら感想やらありがとうございます
でわ
92
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/11(月) 20:40:13 ID:oe01YcQo
乙&GJ!!
この頃は触媒みてヤンデレパワーチャージしてますん。
93
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/15(金) 15:04:38 ID:EV8fQUvM
乙、そしてGJ!
94
:
◆V/SdJIgW3Q
:2016/04/16(土) 16:39:30 ID:f0Lych7g
投下
95
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/16(土) 16:40:40 ID:f0Lych7g
ジ・スから放たれた黒い火球による二度の攻撃で、大混乱を起こしていた討伐軍だが、まだ戦意ある者達は平原の南東部に集結しつつあった。戦場をほぼ見渡せる程度の高さの丘があったので、臨時の司令部を設置し体勢を立て直そうと試みていたのである。
兵舎を築き、黒い火球対策の為集結した僧侶や魔術師達によって結界を張り巡らす。それで被害を軽減できるのかと言われると甚だ疑問ではあったが。
バーネットの部下の一人から情報を得たエーレンは、南東に向かって全速力で馬を飛ばした。背後のエーデルワイスは、こんな時でも嬉しそうに体をエーレンの背中に預け、しがみついている。
平原を駆け抜け、そのまま丘も昇り切ったエーレンがエーデルワイスの帰還を大声で伝えると、周囲の兵士達から大歓声が上がった。その後二人は、これも臨時に設置されていた救護所に向かう。
救護所では既に負傷者が簡易ベッドや地面の上に居並んでいた。上空から落下して両足を骨折したガーゴイルの隣に左腕を欠損したドワーフがいたりで、医者や僧侶が文字通り目の回りそうな忙しさで動き回っている。
まだ意識のあった者達は、エーデルワイスを見るとやはり歓喜の声を上げた。自分たちの場所や順番を譲って、エーデルワイスとエーレンに治療を受けるように勧めて来る。
情勢は暗いままなのだが、少なくともこの場だけは善悪関わらずちょっとしたお祭り騒ぎの様相を見せていた。
エーレンが治療を終え司令部の幕舎に戻ると、少し前に到着していたバーネットもそこにいた。
ちなみにゴーシュはエーレンと入れ替わるように救護所に搬送され、絶対安静の処置を取られている。
「あの灰煙の為戦況が分からず、救援が遅れました。お許し下さい」
釈明して跪くバーネットに対し、エーデルワイスは手を振って見せた。
「謝罪など無用だ。よく来てくれた、礼を言わねばならぬなバーネット。それでジ・スは今どこにいる?」
バーネットの返答は、外から届いた地鳴りのような叫びによって遮られた。全員何事かと幕舎から飛び出す。
司令部から数百メートル北の場所、そこに急降下しながら魔法の矢を地上に撃ち込んでいるジ・スがいた。
着陸すると、犠牲になった兵士達をその場で喰らい始める。鎧兜もろとも噛み砕くという凄惨な光景に、周囲にいた兵士達は戦意を喪失しかけたが、勇気ある者は弓矢や魔法で反撃を試みていた。
だが、それらがジ・スに当たることは無い。ジ・スは着弾直前で再び羽ばたくと、上空高く飛びあがり、他の獲物を探すべく宙を旋回していた。
「化け物め……!」
悠然と空を泳ぐジ・スを見て奥歯を噛んだエーデルワイスだったが、何かを思いついたように顎に手を当てると、数瞬の後バーネットに呼びかけた。
「バーネット、全軍の死体を一つ所に集めろ。それと、ブルクハルトに連絡を取れ。彼奴の力が必要だ」
「……御意」
バーネットはエーデルワイスの意図を察し、恭しく礼をしてみせた。
戦場を遥か下に眺め渡しながらジ・スは宙を周回している。
食欲はいよいよ収まるところを知らないが、食事をしようにも直ぐに邪魔が入るためゆっくりもしていられぬ。忌々しく思いながらも下界をよく見ると、地に放置されていた死体を兵士達が運んでいるのが目に入った。
それも一か所ではなく、あちこちで皆が死体を運び、全員が戦場の中央やや南側の平地に向かっている。
そこには運ばれてきた死体が次から次へと積まれて、小さな山と化していた。
「罠か」
さすがにジ・スもそう思ったのだが、さてどのような罠であろうか。死体に何か細工をしていたようにも見えぬし、地面に仕掛けがある訳でもない。この時代の特殊な埋葬方法なのか、と馬鹿な考えも浮かんだがそれは直ぐに打ち消した。
大空を何周もして考えていたジ・スだが、万が一罠にかかったとしても直ぐに離脱してしまえばいいだけの話だ、と思うと決意が固まる。
「それに何より腹が減った。食物を用意してくれたのならあり難く頂くとしよう」
唇の端を上げて笑みを浮かべると、死体の山に急降下した。近くには多数の兵士がいたのだが、皆蜘蛛の子を散らす様に逃げていく。
着地したジ・スは、目の前に並ぶ死体に片っ端から食いついていった。辺りに肉が割け、血が零れ落ちる音が続く。
これまでは食事の邪魔をしてきた兵士達が、周囲を取り巻くだけで手を出してこないので、飢えに飢えていた身に、収められるだけ収めようと、ひたすら食らい続ける。やがて腹部が普段の五倍に膨張してしまったが、それでもなお食うのを止めない。
司令部のある丘の上で、ジ・スの様子を観察していたエーレンがエーデルワイスに告げる。
「かかりましたね」
96
:
触媒
:2016/04/16(土) 16:42:19 ID:f0Lych7g
「うむ、他愛もない。ブルクハルト、卿の死人使い(ネクロマンサー)隊の出番だぞ、やれ!」
エーデルワイスの命令に従い、彼女の左前方に佇むローブを着こんだ男が右手を上げた。
ローブの袖から覗く手は殆ど骨だけで、表面に僅かばかりの腐った肉片を張り付けている。頭部もまた剥き出しの骸骨で形成され、眼窩の中で目玉だけは生々しい光を放っていた。
その男、死鬼(リッチ)ブルクハルト伯爵は自身の部隊に命令を下す。
千人からなるブルクハルト隊の兵士は、尽く不死にして死人使いであった。そして彼等の魔術により、ジ・スの周囲にいた死体全てが生ける死体(ゾンビ)と化して起き上がり、一斉にジ・スに取り付いたのである。
油断していたジ・スだが、それだけであれば飛翔して逃げ出すことも可能だったろう。だが、彼が喰らい腹に詰め込んだ死体までもが、体の内部で暴れ出したのだ。
さすがにその攻撃には意表を突かれ、為に生ける死体に抑え込まれるのを許してしまった。
「今だ! 全軍、撃て!」
エーデルワイスの命令が下るや否や、周囲を取り囲み待機していた全軍から、弓矢と魔法の一斉射撃がジ・スに向かって放たれた。何万どころではない、復讐に燃える何十万人からの攻撃が、一点に向かって一斉に繰り出されたのだ。
ジ・スの断末魔の悲鳴すらかき消す勢いで爆音が鳴り続け、それはしばらく鳴りやむことがなかった。
「最後まで戦ではなく狩りだったな」
冗談交じりに言うと、エーデルワイスはエーレンに笑いかけた。
苦笑を返しながらエーレンは思う。
自身の部下だった者の死体まで黒魔術で生ける死体にしてしまうなど、他の将軍達には思いつきもしないだろうし、思いついたとしても死者への冒涜と思って躊躇うだろう。
それを平然と実行して見せるエーデルワイスには、エーレンも戦慄を覚えていた。
もっとも、そんなエーレンの考えを聞けばバーネットならこう答えただろう。
「言っただろう。卿の事以外は殿下にとっては全てどうでもいい事なのさ」
――――――
平原は今や西日に照らされており、地面に積もった灰と砂を風が吹き飛ばしていた。
ジ・スが斃れた場所、その周辺は激しい攻撃の影響で無数の弓矢が刺さり、さらに周囲から一メートル以上も低い窪地と化してしまっていた。
その地に、エーデルワイスとエーレン、バーネット、他にブルクハルト含む各種族の指揮官達、その護衛兵も合わせた数百名が近づいている。
討伐軍残り全軍は後方で息を飲んでその様子を見守っていた。
エーデルワイス達の眼下で、ジ・スはその身に数限りない魔法傷と矢傷を受け、一ミリたりとも動かない。腕も半分以上がちぎれ、翼にも多数の大きな穴が開き、さらには腰部から上下二つに分かれほぼ原形をとどめていないと言っていい。
「本当に死んだのでしょうか」
「確かめてみねばならんな」
エーレンの問いに答えたエーデルワイスはブルクハルトを呼び、生死を確認するよう伝えた。
ブルクハルトは窪みに飛び降りると、骨そのものとしか見えない手で、ジ・スの額を抑えた。数秒後、体の内部で反響を繰り返しているような不気味な声でエーデルワイスに応える。
「生命エネルギーが皆無だ。間違いなく死んでいるか、それに極めて近い状態だろう。だが、遅かれ早かれ復活して来るはずだ」
「その前にまた辺土界に封じ込まねばならぬな。その役目はこちらのラウジーとソネンに任せてもらおう」
ラウジー、ソネンとは二人ともリンドランドで最高位にある魔術師達である。エーデルワイスはジ・スが復活してから八か月、辺土界への封印方法について二人に研究を続けさせていたのだ。
エーデルワイスはブルクハルトの労をねぎらうと隣を向き「やっと終わったな」とエーレンに安堵した表情を見せた。
「そう、やっと終わった。でもこれは始まりの終わりにすぎない。僕のやるべきことは、まだこれからのはずだ」
エーレンは心中で呟くと、エーデルワイスに顔を向ける。だがその眼前でエーデルワイスは一瞬にして和らいだ表情を消し、戦闘時以上の険しい相貌を見せていた。
何事かと思ったエーレンが、エーデルワイスに問いを発しようとしたその時だった。
「エーレン!」
自身を呼ぶ、懐かしくも感じる声をエーレンは後方から聞いた。振り向くと、リアが涙を浮かべ、歓喜の表情でエーレンを見つめていた。
「リア」
エーレンが呼びかけるや否や、リアはエーレンに駆け寄り、抱き付いた。そのまま鎧で覆われた胸に顔をうずめ、全身でエーレンの匂いを、体の暖かさを、息遣いを感じようとする。
「リア、ちょっと……」
「カムチャッカリリー殿、ミュンヒハウゼンから離れてもらおうか」
97
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/16(土) 16:42:58 ID:f0Lych7g
エーレンの言葉を遮るように発せられた、エーデルワイスからの恫喝まがいの要請を聞いて、リアはエーレンの背に回していた手をゆっくりと離した。
だが続いてその手をそのままエーレンの左手に持っていき、自身の両手で握りしめた。そしてエーデルワイスに酷薄な笑みを向ける。
「貴様……!」
エーデルワイスが剣の柄に手をかける。バーネットが慌ててそれを止めようとした、その時だった。
エーレンの顔を涙で濡れる目で仰ぎ見て、リアが告げる。
「この時を待っていた」
透き通るように美しい声色で発せられた言葉。だが、それをその場で聞いた者達の多くが、その刹那心臓を直接突き上げてくるような得も言われぬ不安を感じている。
なにかとてつもなく恐ろしいことが起きようとしている、と。
次の瞬間、リアとエーレン、双方の指輪が眩く輝きだした。それは瞬く間に目も開けていられぬほどの光源となり、周囲の者達は一様に目を閉じる。
すると光は爆発し、エーレンとリア以外の全員を何十メートルも宙に吹き飛ばしていた。
エーデルワイスは常人ではありえない身のこなしで空中で旋回すると、怪我一つなく着地してみせる。そして最愛の男と、憎悪の対象である女が、直径二十メートル程の薄透明で光り輝く半球の中に取りこまれているのを見た。
急いで二人に駆け寄るが、半球の壁に遮られ先に進むことができなくなる。
「ミュンヒハウゼン!」
絶叫して呼びかけるが、その声はエーレンの耳に届かない。半球の壁は外界からの音も通さず、その内は静寂に包まれていたのだ。
「リア、これはいったい?」
自身を囲む半球を眺め渡したエーレンは、呆気にとられつつもリアに尋ねた。
リアは指輪のはめられたエーレンの左手を、愛おしそうに撫でながら説明を始める。
「この二つの指輪は、通常であれば魔法攻撃を防ぐ力しかない。だが、そこに私がもう一つ別の魔力を込めておいた。指輪を二つ揃えて力を発動させると、この通り周囲には結界が張られるのだ。この中に入れるのは指輪を持つ者と」
リアは窪地に倒れているジ・スの死体に視線を向ける。
「あのように、完全に動かなくなった死体のみだ」
「なぜそんな力を?」
「なぜかって?」
エーレンの問いに対しリアは微笑む。この世の物とも思えぬほど整った美しい顔に、幼児のように純粋な笑みが浮かんだ。エーレンはそのあまりの佳麗さに見惚れ、そして油断してしまう。
リアの口の動きに気づいた時、既に彼女は呪文を唱え終わっていた。
エーレンの膝から力が抜け、崩れ落ちる。下半身だけではなく上半身も脱力し、エーレンは横に倒れ伏してしまった。
地熱と砂利の感覚を半身で感じながら、まだわずかに開く口をエーレンは動かす。
「リア、何を……」
「君に魔法をかけるためだ」
リアが答えた。
「魔法?」
「幸いにして触媒は全て揃っている。母体となる君と、強大な力を持つ魔物の死体」
そう言ってリアはジ・スの死体を指差して見せた。
「そして二つを融合させる為の力。ダニアの力、私の心だ」
「ダニア……」
「嫉妬心だよ。エーレン」
リアは一呼吸すると、黒い肌を限界まで赤くして双眼を閉じた。祈りを捧げる淑女のように両手を胸の前で組み、傾いた日輪の下告白を始める。
「私は君を愛している。もうこの気持ちは抑えることも、諦めることもできない。でも君は、この戦いが終わったらあの女の所へ行くんだろう? そして結ばれて子を作る訳だ」
そこで一度言葉を切ってリアは瞼を開く。そしてエーレンを見つめると、奈落の底で亡者たちが発する怨嗟の声のような、今までエーレンが聞いたこともない恐ろしい声音を響かせた。
「……そんなことは許さない」
リアの顔にもう笑顔はない。感情を感じさせない、見る者全ての血を凍らせるような冷酷無比な相貌の中で、緑の双眼の奥だけが紅蓮の炎を渦巻かせていた。
エーレンは恐怖し、考えた。自分は何をしたのだろうか、いつの間にリアがここまで思いつめてしまったのだろうか、どこで間違ったのだろうか――。
だが、それでもまだリアとの友諠をエーレンは信じていた。説得すれば、まだ間に合うはずだと。
「リア、でも僕は……それに、この戦いが終わっても、また会う機会は……」
「会ってどうなる? あの女を捨てて、私と共に来てくれるのか? 例えそうなったとしても、君は私より先に死んでしまう。そんな未来に何の意味がある? 君のいない世界など、私にはもはや絶望しかない」
リアは言い切ると、一息置いて口調を諭すような優しいものに変えた。
「君と私は生涯共に居る、その為の魔法だ。君はこれから不老不死となる。そして地上で最も強く、最も偉大な存在となる」
98
:
触媒
:2016/04/16(土) 16:43:19 ID:f0Lych7g
リアは屈み込むと、倒れるエーレンの顔を抑え口づけた。舌を押し込み、口腔を舐め回す。
その動きにエーレンは昂奮を覚えるよりも愕然とした。今のリアは狂っている、エーレンにはそうとしか思えない。
リアはやがて名残惜しそうに唇を離すと両手でエーレンの頬を撫でまわし、陶然とした表情で告げた。
「君を、君にふさわしい魔王にしてみせる」
「やめてくれ……!」
「そうなれば、全ての邪悪と混沌の勢力を統べる存在にエーレンはなれる。善の勢力など物の数ではない。奴らは虐殺され、嬲られるのみの存在となり果てるだろう」
エーレンは身体の中の何かが砕け散る音を聞いた。エーレンがリアにだけ話した彼の夢――善と悪が和解しているこの時を、少しでも長く続けること――それを真っ向から否定する発言がまさかリアから出て来るとは。
エーレンの秀麗な顔に翳が落ちる。全身を無力感にさいなまれ、意思に反して瞳が閉じる。最後の抵抗力が失われた瞬間だった。
リアは、エーレンの心中を察したのか悲しそうな声で告げる。
「君の夢を遮ることになってすまない。でも大丈夫だ、二人で新しい夢に向かって進んでいこう。血塗れの夢に」
立ち上ると、リアは結界の外にいるエーデルワイスに冷徹な視線を向けた。
エーデルワイスは狂ったように結界の壁を叩き続けている。その周りで多数の魔術師達も解除魔法を使っているようだが、全て無駄な足掻きと化していた。
「よく見ておけ、泥棒猫。エーレンが私の物となる、その様をな」
憎悪一色に染められたリアの声を聞いた時、急速にエーレンは意識が遠くなっていくのを感じた。もはや舌を動かすことも、目を見開くこともできない。
「殿下、すみません」
その言葉を最後に、エーレンの意識は落ちた。
99
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/16(土) 16:43:36 ID:f0Lych7g
終わり
次はいつになるか分かりません
でわ
100
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/17(日) 10:32:01 ID:Evc5CjL.
GJです!
101
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/17(日) 23:00:29 ID:gnsIeOes
GJ!!!!
102
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/18(月) 08:28:16 ID:FPrffIkk
めっちゃ面白い
ゾクゾクきたわ
103
:
◆V/SdJIgW3Q
:2016/04/20(水) 12:50:09 ID:7KBTgRO6
投下
最終回ってかエピローグ
104
:
触媒
:2016/04/20(水) 12:50:47 ID:7KBTgRO6
ダークエルフの帝都、アン・デア・ルールはリンドランドから遥かに西、モンドロック山脈の地下に広がる広大な洞窟に建設されている。
本来であれば完全な暗闇に閉ざされているその地で、ランタンを灯し、蛍光植物を育て、揺らめく光彩の下永劫にも思える長い時を彼らは過ごしてきたのだ。その街道は迷路のようにうねり、多数の影を形作っている。
住人でない者が迷い込めば決して抜け出せないこの地では、要衝には必ず固く閉ざされた扉や門が設置されており、そこには常に同じ一族のダークエルフの精鋭が配置されている。
それこそがアン・デア・ルールとダークエルフという種族を守護しそして監視する、恐怖の名門貴族、カムチャッカリリー一族である。
カムチャッカリリー一族の居城はアン・デア・ルールの中央からやや南に位置しており、その一角に当主であるリアの執務室がある。
その部屋には壁全面に悪魔と魔神の像が彫られているが、それらは常人が一目見れば発狂してもおかしくない程に捻じれ・歪み・狂気に満ちている。
同じく悪魔の彫刻が刻まれた椅子に鎮座したまま、リアは一門の斥候からの報告をつまらなそうに聞いていた。
リアの前に跪くダークエルフはリアの表情に気付いているのかいないのか、言葉を止めることは無い。
「……既にリンドランド軍はオークの大王国を滅ぼし、今またゴブリン共の首都も陥落寸前にまで追いつめているわけです。リア様、このままでは……」
「好きにさせておけばよかろう」
「はっ!?」
「馬鹿な女だ」
エーレンにリアが魔法を施し、アン・デア・ルールに連れ去ると、当然のごとく激怒したエーデルワイスはダークエルフに宣戦布告して進軍を開始した。
だが、相手がジ・スではなくダークエルフとなると、邪悪と混沌の勢力はエーデルワイスに協力することを拒む。
それでも中立を保つ所が多かったのだが、リンドランドとアン・デア・ルールの間にはいくつもの邪悪と混沌の勢力の国家があったのだ。
自分の領内を善の勢力の軍隊が通過するのを黙って許す程寛大、あるいは甘い種族は多くはない。当然のごとく阻止する行動に出る。
すると、エーデルワイスはそれらの国々を鎧袖一触、次々と滅ぼす行動に出た。そうして最短距離でアン・デア・ルールを目指しているのだが。
「そんな事をすれば善と邪悪の対立を深めるだけだろうに。それは即ち、あの女と、今は邪悪と混沌の勢力に与しているエーレンの間の溝を深めることになる。それに気づかぬとは完全に頭に血が上っているな」
リアは心底楽しそうに笑ってみせた。
だが、斥候のダークエルフは慎重な意見を申し出る。
「しかし、ミュンヒハウゼン様はいまだ目覚めておりません。リンドランド軍がこのまま破竹の勢いで進軍しますと、近い将来アン・デア・ルールに到達いたします」
「心配するな」
リアは立ち上がると斥候に対し告げる。
「近い将来というなら、エーレンは間違いなく近日中に目覚める。あの女がアン・デア・ルールに来るというのなら、見せつけてやろう。私と、エーレンの力をな」
それを聞いた斥候は黙って引き下がり、恭しく退室していった。
部屋の扉が閉じたのを見届けると、リアは独り言ちる。
「精々暴れるがいい、どうせ寿命で死ぬのだ」
薄く笑うと今日も愛する人の容態を見るべく、リアはエーレンの居室に向かうのだった。
105
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/20(水) 13:01:57 ID:7KBTgRO6
終わり
後書きと色々説明
超絶打ち切りっぽいですけど、予定通りです。
元々この話を書き始めた時ここまでしか考えてませんでした。
ただ、書いているうちに予定が変わったというか
この先も話は続くことになっちゃいました。
ただここからの展開が
どうにも元から薄いヤンデレ分がさらに薄くなるというか
他にもスレの趣旨に合わなそうなことがあって
ここでの投下が難しくなりました。
散々考えたんですけどこのスレでは予定通りここで話を終わらそうと思います。
で、この先の話(正確には前話からの続き)は他の場所でちびちび書いていこうと思います。
色々締まらない終わり方になっちゃってスイマセン。
読んでくれた皆さんありがとうございました
でわ
にしても前も言ったけどそこそこ古参で読み専だった俺が
SS書き続けることになるとは思わんかったよ
おまえらもなんでもいいから書いてみ
楽しいし、書いてけば(たぶん)上手くなるぞ
でわ
106
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/20(水) 22:01:36 ID:MbdefwgA
お疲れ様楽しく読ませてもらった。
たまたま今指輪物語のゲームをやってたもんだからファンタジー系のSSが
スラスラ読めてちょうど良かったよ。
ミュウヒハウゼンは目覚めたら絶対リアから逃げ出しそうだよなぁ...
107
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/20(水) 23:35:49 ID:E7zCTFE.
お疲れ様です!
凄いおもろい終り方だった。
続き気になってしょうがない。
俺も書いてみようかなぁ。。。
108
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/20(水) 23:36:04 ID:E7zCTFE.
お疲れ様です!
凄いおもろい終り方だった。
続き気になってしょうがない。
俺も書いてみようかなぁ。。。
109
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/20(水) 23:46:21 ID:E7zCTFE.
触媒で思い出したけど、触雷も面白いよなぁ ...
続き見たいのぉ。
110
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/21(木) 23:08:30 ID:.CejRNWE
>>105
GJでした
どこで続き書くのか教えてもらえないのかな、、、
111
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/23(土) 17:32:22 ID:6qB9cInw
ヤンデレ 小説 触媒
とかでぐぐれば
112
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/25(月) 02:14:35 ID:.xkeMRHY
ヤンデレ 小説
でググると昔はここの保管庫が最初に出てきたんだが
今はかなり変わったなあ
113
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/25(月) 07:42:53 ID:3wDmpG0M
>>110
俺も知りたい
114
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/25(月) 22:15:29 ID:1wHHSdXs
俺にも文才があればなぁ…
115
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/26(火) 06:10:48 ID:Wfp1XHSw
文才は練習すれば成長すると思うけど
116
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/26(火) 06:28:29 ID:Ascz.1Y.
俺も作品を投下したい
1年ほどネタを温めてるんだが起承転結の転と結がまだ思い浮かばないのでエタりそうだ…
117
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/26(火) 20:03:16 ID:Wfp1XHSw
俺逆だわ
一番盛り上がる結は浮かぶんだけど
そこにどうやって話を持っていくかで苦労する
118
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/26(火) 20:28:04 ID:Ascz.1Y.
一般人のヒーローとヤンデレヒロインがひたすらイチャイチャする作品だから、結はともかく転が書けないのよね…
二人の関係に変化が起きたり、人死にが出たりするのは個人的に嫌だし
ネタ帳には日常パートだけがどんどん溜まっていく
119
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/04/27(水) 00:25:47 ID:BBKni5Ao
ちゃんと流れ作るのもいいけど、ひたすら日常だけ書くってのも悪く無いんじゃね?
所謂日常マンガみたいな感じで
120
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/01(日) 06:56:33 ID:DiGe7Yks
それはそれで可愛いヤンデレ書けそう
もっとヤンデレ書き増えろ 書こうとしてる人は臆せず投下して俺を浄化してくれ
121
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/01(日) 12:13:56 ID:aVCL9H6M
別におまえのために書いてるんじゃねーし
って気持ちになって萎えるからクレクレやめれ
122
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/01(日) 15:32:13 ID:z52x2W3g
触媒 なろうで見たような気がする。。
123
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/02(月) 17:27:40 ID:Yh6hpINw
>>111
で教えてるのに全くおまえらと来たら……
124
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/02(月) 17:52:03 ID:j0Mj37Tg
ああ、主従の作者さんだったのか
岬タン可愛かったなあ
125
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/13(金) 01:18:08 ID:jX.pjxJE
保管庫のメニューが突然「う●こ」だけになったぞ…
126
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/13(金) 01:56:38 ID:lZ6eiKIQ
ヤンデレじゃ…ヤンデレの仕業じゃ…
127
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/14(土) 00:18:41 ID:WBAy9gNo
「雌豚」とか「メス犬」とかリアルで侮蔑語として使ってる人見た事ないわ
他に適切な侮蔑語はないかな?
128
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/23(月) 02:48:25 ID:fsCTcpwk
女王の愛とかいうSS久しぶりに見たいと思ったけど
サイトがなんか見れなくなってて悲しかった
129
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/23(月) 06:03:25 ID:deNcHKaQ
移転しただけで普通に読めるじゃん
おまえら本当に探し物下手だな(´・ω・`)
130
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/28(土) 03:36:49 ID:38K/.RB.
女王の愛?なにそれ読みたい
ググっても「ヴィクトリア女王 世紀の愛」とかいう映画しか出てこねぇ(´;ω;`)
131
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/28(土) 08:02:42 ID:IYwZDG.2
女王の壮大な愛ってタイトル
でもそんなに強烈なヤンデレじゃないぞ
132
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/05/28(土) 12:28:49 ID:gp3Y51zs
ポケモン黒の作者さん戻ってきてくれないかなぁ…
133
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/07(火) 22:37:59 ID:9Jp0OIk.
>>132
それなー
待ち遠しいなぁ
134
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/12(日) 16:55:27 ID:v7vDoVHg
起承転結が好きだった
135
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/12(日) 22:33:14 ID:3fcEGkdw
桜の幹大好き。
続きが見たいと切実に思う。
136
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/12(日) 22:47:48 ID:.goTBNKE
>>135
俺も見たいね
このままさくらの餌食にされるか、熊原姉弟に救われるかの展開が気になる
なお、熊原ルート行ったら姉→幹也←弟みたいな三角関係とかアリ
137
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/12(日) 22:49:12 ID:iFlnboJU
「美少女SS保管庫」ってサイトに載ってる作品好き
ほぼ全部未完結で、作者さんが首吊るAAや布団で寝るAAを貼って締めるシリーズ。
「美少女」の性格が俺好みだし、「俺」の性格も俺に似てる気がするので世界観に没入してしまう
138
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/12(日) 23:16:25 ID:pZcX0FGg
あいつとイソギンチャク娘書いてた人一緒なんかなやっぱ
139
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/13(月) 18:18:12 ID:oeG4Ku52
うわああああ
140
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/14(火) 01:16:41 ID:AnnODm02
たしかここの作品だったと思うんですけど幼馴染と妹ともう一人ぐらいの知り合いぐらいしかいなくなった世界で海見て綺麗ーみたいな会話してるやつってなんでしたっけ
海じゃなかったかもしれないですとにかくなんかみて綺麗だねーみたいな会話してた気がするんですけど
未完のやつ
141
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/06/14(火) 06:30:00 ID:qgMyrxt2
そんなのあったっけか?
142
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/09(土) 23:59:55 ID:MUEmlkTc
ぱっと見探してみたけど見当たらないなあ。
143
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/10(日) 00:01:41 ID:7m3N7LCA
今日保管庫見てるの俺だけかな。
今日・1
になってたw
144
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/10(日) 00:07:02 ID:IhE4hL7s
日付変わったばかりだから
145
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/10(日) 16:37:20 ID:yIYNE416
開始1分じゃそりゃそうだろうな
146
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/10(日) 22:50:28 ID:7m3N7LCA
あ、そうかー
見落としてたなあ
147
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/07/13(水) 22:07:09 ID:n/Q8ZV4M
まあ全盛期に比べると30分の一ぐらいに減ってるから
人いないのは当たってる
148
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/07(日) 16:26:07 ID:aEF6g7sg
みんなどこへ行ったのか…
149
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/08(月) 03:13:17 ID:AIASe/JA
昔に比べれば小説投稿サイト増えたし
特に2ちゃんでやる意義がなければ
よそ行った方がいいだろ
150
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/09(火) 23:40:41 ID:SHFaQ6XI
確かになぁー
151
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/10(水) 12:05:58 ID:sOiBOTXc
また昔の勢いが復活してほしいな
152
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/10(水) 22:13:45 ID:EjrC8J16
何もしなきゃ今のままだと思うぞ
153
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/14(日) 14:00:11 ID:3mccZCc.
でも、人が多けりゃいいってもんでもないわな。
荒らしとかまた出てきそうだし。
154
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/14(日) 18:06:37 ID:6Hs6VXAM
荒らし来ても避難所なんだから余裕だろうに……
155
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/14(日) 22:09:39 ID:.hkO.nzs
でも管理人さんいるのかな
>>29
とか放置されてるし
もう見てないんじゃ
156
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/21(日) 20:50:50 ID:x7yYHhrA
へんじがない
管理人はしかばねのようだ
シャレにならんなあ
管理人もいない掲示板じゃ危なくて使えないず
157
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/24(水) 12:28:12 ID:yUhwk9c6
ヤンデレ家族読み返したけどやっぱり面白いな
続篇も見たけど途中で止まってて残念…
158
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/27(土) 12:20:16 ID:FDN34O2A
>>157
あの作品の良いところは暴力を厭わない系のヤンデレヒロインが3人もいるのに誰も死なない点だと思うわ
絶対に誰かが死ぬだろうなぁと確信しながら読み進めたが、複雑に絡み合った家族事情や人間関係が見事に解決されてストンと軟着陸した感じ
159
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/30(火) 01:59:54 ID:abvIzk/.
起承転結が好きだった
160
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/31(水) 22:50:55 ID:I4wIavt2
ブレってfpsが低いってこと?
161
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/08/31(水) 22:52:00 ID:I4wIavt2
ごめん誤爆した
162
:
◆hjEP2rUIis
:2016/09/01(木) 11:18:59 ID:33uxeYNw
テスト
163
:
Wikiの中の人
◆hjEP2rUIis
:2016/09/01(木) 11:29:53 ID:33uxeYNw
このコテ出すの久しぶりだな(^_^;)
えー、他方面に言いたいことは沢山あるんだが
結論から言う
俺のモチベーションがゼロになった
今後保管庫の更新をする気は起きそうもない
今まで通り誰でも編集できる状態にはしておくので
後はおまえら勝手にやってくれ
と言っても、どうせ誰もやろうとしないだろうし
そうなると荒らされて廃墟となるのは時間の問題なので
一週間ぐらい経ったら、時間のある時を見計らって
現状のまま保管庫を凍結する
その後は閲覧は出来るが更新される事もない状態になる
「ふざけんなカス氏ね」
という人は何か代案を出せ
良い案があったら凍結するのを変更するが
なければ決行するのでよろしく
でわ一週間後位にまた来る
164
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/01(木) 22:49:21 ID:QSayTGhU
おk
特に異論ない
wikiの中の人ご苦労様です。
165
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/01(木) 22:53:31 ID:QSayTGhU
でも、今帰さんと触雷が唯一の心残り
166
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/02(金) 14:09:31 ID:tun/W7i.
>>157-158
すとん、と見事に収まって完結したのは良いよね、ヤンデレ家族。
>>159
やっぱり、SSってそれぞれ文章に個性が出てて、その作者らしさが読んでいて感じられるのが面白いね。
起承転結の人にせよ触雷の人にせよ。
>>163
閲覧は今後もできるということであれば、凍結に異存はありません。
今まで長きにわたりありがとうございます、お疲れ様でした。
167
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/03(土) 13:12:06 ID:bNrOWJ.o
残念ですがが仕方ありませんね
168
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/03(土) 19:41:41 ID:W0HfK1jQ
ありえないと思うけど、もし未完結の作品の続きが再開されたり、新しいヤンデレ作品を書きたいという作者が現れた場合、
まとめが更新される事はあるんだろうか?
169
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/03(土) 20:18:46 ID:PV3VBqPU
ないって言ってるんだからないだろ
170
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/04(日) 19:47:43 ID:kLdfeIIo
でも、もう更新されることはないってのはすげー悲しいなあ
171
:
Wikiの中の人
◆hjEP2rUIis
:2016/09/04(日) 20:55:26 ID:CfV/Zubc
ちょいと顔出してみた(^_^;)
_, ,_ パーン
( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´)
>>168
それで更新してたら今までと変わらんだろうが
どう読んだらそういう疑問を抱くのかと、小一時間(ry
>>170
じゃあ代案出せ
でわ
172
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/05(月) 18:04:29 ID:S2KqDrL6
荒れてますね、管理人さんw
ところで、ちょっと気になったのですが、@wikiって管理者を交代することはできるのでしょうか。
もし後任を公募するとすれば、また管理人さんにお手間をかける形となるでしょうが。
173
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/08(木) 00:56:42 ID:oK5ALzHE
一年間書き溜めたヤンデレ作品をそろそろこのスレに投下しようと思ってたのに、wikiが閉鎖されると個人的に困るな
仕方ない…なろうか理想郷に投下するか
174
:
Wikiの中の人
◆hjEP2rUIis
:2016/09/08(木) 14:01:22 ID:E/miCYAc
てことで一週間たったけど
>>172
それも考えたがぶっちゃけ期待できん
大体過去何度も誰でも編集できるようにしてあるから
手伝ってくれ手伝ってくれ手伝(ry
と、言い続けたのに、この9年間でまともに編集やってくれたの
多分5人もいない、俺一人で8〜9割は保管している
その5人には大感謝だが
それ以外のおまえらに期待する気持ちは完全になくなったわ
ただまあ、それでも管理人やる気がある人がいるなら、
新しい保管庫を作れ、と言いたい
今の保管庫をベースにして作ればそれ程労力要らんはずだ
それでもしんどいと言うなら、
新しく更新された部分だけ保管する保管庫でも作れ
もう憶えてる人少ないだろうが、
今の保管庫も、初代保管庫が更新滞ったんで
更新分を保管する為に臨時で作ったんだ
まさかそれからここまで続ける羽目になるとは思わなんだわw
では、特に良い案もなさそうなので、
時間を見て凍結を始めていく
でわ(^_^;)
175
:
Wikiの中の人
◆hjEP2rUIis
:2016/09/08(木) 14:38:21 ID:E/miCYAc
アッサリ凍結終った(^_^;)
でわ
176
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/09(金) 00:48:21 ID:aRaW59DI
>>174-175
9年間お疲れ様でした
これも一つの時代の変わり目なのかな
177
:
雌豚のにおい@774人目
:2016/09/09(金) 22:16:55 ID:pdDSWt7A
管理人様お疲れ様でした
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