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四貫谷組 第1 国境警備駐屯所

1ホラ吹きムアイク ◆4.lcEHDhs6:2011/09/10(土) 19:55:48 ID:hKITQgm.0
異常ナシ

62以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/20(土) 15:27:07 ID:GmAOu1rM0

煽りコテ、ホラ吹きムアの誕生である。
そもそも、今まで挨拶と馴れ合いしかやって来なかったコテが煽りをやる。
人を傷付ける事をコミニュケーションにする。
これがどれだけ困難な事がわかるだろうか。
英語も話せない人間にいきなりフランス語を覚えろという様なもので。
産まれたての草食動物みたいに、何から始めればいいか分からなった。
多分、初めは「バーカ」とか「アーホ」みたいな感じだったと思う。園児か。

古参連中は戸惑いを通り越して失笑してただろう。
そんな時右も左も分からない迷っいる時に同期にた世界の一宮というコテに不可視のアイギスという煽りコテの事を聞いた。
伝説的に強い人、有名な人、天国という板を作った1人。
とにかく凄いコテ。
一宮はめちゃくちゃな同期を見て憐れに思ったのか
お前が煽りをはじめたなら1度この人と話してみたら?
と一宮に提案された。

63以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/20(土) 15:28:31 ID:GmAOu1rM0

これまで、私はここにいる古参連中を見てきた。
相容れない正義は叩き伏せ自らの正義で弱者の正義を塗り潰す。
当たり前の事だ。何も不思議な事じゃない。特別な事じゃない。
一端に、弱者の勇者を気取り、手にはボロボロの錆びて曲がった歪な剣。
そんな、昨日、今日現れたピーターパンが
「ここは俺達のネバーランド、みんな仲良くやろう」と
原住民達に宣ったら、彼等は手を差し伸べてくれるだろうか
私はそうして屍になった勇者達の山をすぐ脇で見てきた。

だから、不可視のアイギスに会うのは正直怖かった。
だけど、私達のこのピーターパンだけは屍の山に埋もれるさせる訳にはいかない
私は彼の剣なのだと
そう、思うと不可視のアイギスに会う恐怖を乗り越える事ができた。
私は彼のいる天国板に向かう、ピーターパンとネバーランドの為に

64以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/21(日) 01:48:55 ID:F7Eu0rbY0

天国に着くと、彼をすぐに見つける事ができた。彼は食事や睡眠をとるように当たり前にこの板の住人と戦っていた。
彼に会う前に彼の事を少しでも知っておこうとGoogleやログで彼のレスポンスを勉強した。
驚いたのは勉強した時の姿で目の前の彼が住人を好き勝手に殴っていた姿だった。
何一つ変わってない、名画に描かれた人物が目の前て生き生きと剣をふり。
まるで、昔話の英雄譚の様に。
同時に、私なんかが声をかけても気が付くだろうか。
暴言を浴びせかけられ殴られるよりこちらの不安の方が大きくなった。
勇気をだそう。私が戦うと力を持ちたいと、決めた理由。
私がここに来た理由。
私だけの自分だけの為ではないから。
私は不可視のアイギスに声をかける。

「私に煽りを教えて下さい」と。

65以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/21(日) 01:49:54 ID:F7Eu0rbY0

少し間があって、アイギスは詳しく話せと言う。
私はこれまでの経験上、暴言を浴びせかけられると身構えたが
包み隠さず、正直に話した。
自分が新参である事、古参連中に虐められている事、新参の組織を作った事、守りたい人やものがあること。
力を付ける為にここに来た事。

否定され馬鹿にされると思ったけど
アイギスは意外に迎え入れてくれた。
「いいよ、これからできる限り毎日この時間にここにこい。1時間だけ付き合ってやる」と
嬉しかった、コテになって古参連中、先輩コテからはキツい事ばかり言われていたから
初めて先輩コテが認めてくれた様な
優しい言葉をかけて貰えた様な、とりあえず嬉しかった。

だからアイギスの事を前以上に調べた。
初めは優しくしてくれた先輩。
色んな人がこの人の事を知ってた。
有名な人、強い人。だからこの人の情報も沢山あった。

この人は以前、煽りで人を本当に1人殺している。と。

66以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/21(日) 01:52:09 ID:F7Eu0rbY0

私の様にこの人、アイギスを慕って寄ってきた人だったらしい。
正確には物理的に手をかけた訳ではく、言葉による対象への自殺への誘導。
自殺教唆

つまり、有名だったアイギスに寄って挑んで来た者を自殺にまで追い込んだ。

私は聞いた。私に似てたかどうかを。
彼は言う、全然似てないなただ、と。

ただ……何だったか私には最後まで分からなかったけど。
多分、この人が私を受け入れてくれた事、意味もわからない新参に「煽りを教えてくれ」と嘆願されて受け入れてくれた理由がちょっとわかる。
こういう事はこの人は初めてじゃないんだろう、有名だから。
だけと、今この人の周りには敵と私しかいない。
つまりそういう事なんだろう。
アイギスとの日々がはじまった。毎日1時間、決まった時間。
色んな話しをした。色んな事を教えて貰った。

67以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/21(日) 01:54:04 ID:F7Eu0rbY0

「3行以上の文章で煽るな、敵意を持ってる相手は3行以上の煽り文は読まない。」

「煽りに句読点、クエスチョンマークは使うな、特に疑問文は相手に思考させる猶予を生む可能性を作る」

「不可視の結界を持て
完成された領域。
自分だけの空間に相手を引きずり込んで殺せ
密室殺人とは密室に引きずり込んだ時点で負ける事はない」

「遊び殺す場合は1秒でも自分が生き延びる選択を選んで殺す。
本気で殺す場合は自分が死なない選択を最優先にさっさと殺す。」

68以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/23(火) 12:12:39 ID:cGbzbm4o0

アイギスは私の師になった。
アイギスも毎日に私に会い、色んな事を話してくれた。
最初は古参の気まぐれかと思っていたけど、毎日、毎日、2週間、1ヶ月。
たった1時間だけだったけど、私の傍ににわざわざいてくれたから彼も嫌では無かったのだろうか。
全く見ず知らずの新参が自分の事を慕って毎日自分に会いにくる。
多分、私の事は不気味に映っていたのかもしれない。
だけれど、彼は純粋に私の嘆願に応えてくれた、そこには新参が憧れる強者としての古参の姿があった。
私がもっと前にこの古参に出会っていたら私は煽りをやるという選択はしてただろうか。
アイギスとの日々は続く。

69以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/23(火) 12:19:10 ID:cGbzbm4o0

アイギスのもとに通い、1ヶ月くらい経った時にアイギスに進められ実践してみる事になった。
相手はVIPコテの中堅、低身長というコテだった 。
相手はアイギスが選んでくれた。

結果はボロ負け。
自分は強くなったと天狗になってた私の鼻をへし折るには東大コテは適切だったのかと些か疑問も残るが
好き放題にボコボコに殴られた。

師は言う。
東大出身も在学も本当かどうが分からない、分からないという事は重要な事じゃない。
重要な事じゃないのならそれは君が切るべき所じゃない。
相手の言う事を聞き、考え、切るべき所を見定め、切るべき時に切る。
簡単な様で難しい、難しいがこれを簡単な様に見せる事に意味がある。

私は言う。
何れ、私が今よりもっと煽りが上手く、まともなコテになれたのなら
貴方が師である証明を私のコテの横にでも載せていいですか??
っと。

師は続ける。
所詮、勇者とよばれ讃えれても魔王を倒すレベルをあげる為にキョド充が関の山。
人が居て、武器があり、おママ事をするなら君の道のりは険しいものになるだろう。
と。

私とアイギスの会話はこれが最後だった。
アイギスの姿を見たのはこの時が最後になった。
アイギスは私の前から消えた。

70以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/23(火) 12:20:28 ID:cGbzbm4o0

それ以来、アイギスは現れなかった。
私の前だけじゃなくてここから。
私は師ができて、すぐにまた独りになった。
いや、違うか、ネバーランドの住人とピーターパンがまだ私の傍に居てくれた。
しかし、私の中でアイギスがとても大きくなっていたのは今の名前を見ても伺い知れるだろう。
寂しくないといったら、全然そんな事はない。
初めて私を認めてくれた古参、先輩。
色んな事を教えてくれた人、私の憧れ。
あの人の言葉を借りるなら、多分私のは憧れや慕いではなく呪いなのだろう。
不可視のアイギスという名の呪い。
今思い返せば、あの人が私の前から消えたのはこの呪いを致命傷にする前にとってくれた処置なのかもしれない。
こういう風に未だに考えてしまうのも、もしかしたら呪いの傷跡なのかもしれない。

71以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/23(火) 12:22:12 ID:cGbzbm4o0

とりあえず、私はまたこの世界に放り出された。
アイギスに貰った歪で錆び付いた剣を握りしめて。
そんな時、1人の古参コテに出会った。

出会ったというより、私とアイギスの出会いと別れを目撃していたコテ。
どんぐりの会というコテのコミュニティの人だった。

名をヤングライオンという。

この人と何れ、3ヶ月間毎日煽り会いをするとはまだ夢にも思わなかった。
出会いとは不思議なものだ。
この人は言う、アイギスが消えた世界でアイギスをなくしたばかりの私に向けて
「お前はここに来た時から何一つ変わってない、お前のこれまではなんだったんだ?」と
私は答えない。
彼の挑発よりアイギスを失った事の方が大きかったから
聞こえないフリをした。
何れこの出会いが禍根になる事など夢にも思わず、私は聞こえないフリ、見えないフリをした。
そして私は天国板を去ってVIPに戻った天国で目的はなくなったから。

72以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:47:14 ID:IUiIXK3w0

VIPに戻って、時がながれた。
ネバーランドとピーターパンは相も変わらずだった。
変わった所は1つだけ、歪で錆び付いた剣を振り回すウザイのが1匹。
敵とネバーランドとピーターパンの前に立ちはだかっているだけ。
これが古参連中の障害物になれたかどうか、本人には伺いしれないけど。
ピーターパンがどう思っていたかわからない。
それでも、アイギスに出会う前より私は私自身に存在価値を見出していた。
歪な剣を振り回す日々に明け暮れた。
そんな時、珍しく古参同士の煽り合いを目撃する。
「マムマム」と名前を変えた「こぶ茶」という古参。
そして、
私のもう1人の師になる人
「うらない京」という古参の戦いを。

73以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:48:58 ID:IUiIXK3w0

始まりがあれば終わりがある。人は何れ訪れる終わりに向けて歩みを進める。
歩み始めた瞬間にもう歩み始める覚悟には戻れない。
だから、初めの1歩に価値を見出す。
終わりという確固たる目的の為に、それを目標に掲げ。
しかし人は不変に焦がれる。
何故か。
終わりへの道のりが楽なものではない事を知っているからだ。
終わりの先に何があるか知らないからだ。
不安と不変は対局にあろうがこの道は残酷に続く。
変わらぬ道に立ち止まろうと変わらぬゴールがあるだけだ。
その終わりの先に焦がれながら。
ならば、そのゴールテープさえ道に変え進もう、それを不変と言い聞かせながら。

74以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:50:00 ID:IUiIXK3w0
うらない君との出会いからだった。
もうここに至り、うらない君と呼び続ける必要はない。
うらないさん。
彼がこの呼び方を気に入らなくても多分、もうこの呼び方で私が彼に叱られる事はないだろう。
嘘偽りのない、飾る必要のない、ありのままを語るのだ。
だから私は彼をこう呼ぶ。
コテに上下関係はない、しかし思い出の中で敬意を込めて。

━━━ コテとは物語だ物語のないコテは死ね。━━━━━━━━━

私はこれを祈りの様に繰り返す。

75以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:51:09 ID:IUiIXK3w0

アイギスと別れVIPに戻った。天国に居てもアイギスは居ない。
そこに居座る理由もない。VIPに戻り四貫組の為にアイギスにもらった剣をふる。

何度か煽り合いを経験して、そこで私は1人の古参同士の煽り合いを目撃する。
うらない京とマムマムと名前を変えた、こぶ茶という古参同士の戦い。
この時、うらないさんは既にこのコテ雑じゃ有名人だった。
煽り議論の御三家の1人の。
結論から、低身長、そして、うらないさん。
だから、私はまだこの時、うらないさんが他の板の固定だとは知らなかった。
経緯は分からない、ただコテ雑コテの戦い。
今じゃ珍しいけど、このころは煽り合いや議論なんかは今よりもっと頻繁に行われてた。
コテ雑の中でや同期同士で。だから弱い新参が古参の標的にされるなんて事も今より露骨にあったし。
なんなら宣言されて殴られてたくらいだった。
そんな時代。力が拮抗してる古参同士の戦いは珍しかった。
それこそ結末が予測しにくい終わりの見えない戦い。

76以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:52:57 ID:IUiIXK3w0
何時間たっただろうか。時間はもう深夜を回ってたと思う。
経験は浅くとも多少、他の煽り合いを見てきた私だったから。
双方譲らず膠着状態。
他のギャラリーも同じ気持ちだったと思う。
2人のレスの合間にその事を煽る野次が幾度となく投げられてたから
この勝負は多分、決着がつかないだろうと諦めかけたその時だ。

「俺の負けだ」

その膠着状態に口火を切ったのはうらないさんだった。
この一言で時は動きだした。
自ら敗北を宣言した。

有り得なかった。
それまで幾度となく他の議論、煽り合いを見てきた私にはショックだった。
最後までレスした方が有利なんて言われてた時代だ。
今まで、自ら敗北宣言をした者なんて誰一人も見た事なかった。
アイギスにもそんな事はおそわらなかった。
相手を認めてはダメ、相手の考えを自分の考え方で塗り潰せ。
それが、煽り議論の基本則、これが私、いや、この世界の常識だったと思う。
うらないさんは続ける。

「だか、この敗北はお前(こぶ茶)に敗れたからではない、あくまで俺自身、うらない京はうらない京に敗北しただけだ」
と。

77以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/03/31(水) 07:54:44 ID:IUiIXK3w0

何時間も煽り合いをしてみんな辟易していたその時、彼は自らを敗者にする事でオーディエンスの期待に応えた。

衝撃だった、こんな幕引きもあるのかと。
見ている人間を意識する。
勝敗より潔良さ、品を取る。
だが、「決してお前に負けてない俺が敗れたのは俺自身だ」と宣言する。
この言い分には多分、賛否両論あるだろう。
しかし、今まで泥臭く勝ちに拘りもがいていた煽り合いしか見て来なかった
私の目には
例え敗者になろうと凛とした立ち振る舞いと堂々たる敗走から
全身に矢をうけ槍や剣が刺さり常人なら崩れ落ちるであろう深手を負いながらそれでも威風堂々と立ちはだかる武人の姿を彼に見た。

彼は言う、もうここには来ない俺は本来の場所に戻ると。
あの戦いに感動に似た何かを感じた。
自分の今まであった常識を覆された戦いだったのは多分間違いないだろう。
敗者にも敗者の品や意味がある。
それを見せつけられた戦いだった。
私は彼の後を追った。

78以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:17:10 ID:vP.DdMME0

うらないさんの戦いを見た後。
私はうらないさんを追った。
うらないさんは本来の自分の居場所に戻ると言った。

VIP+板。
ここがどういう場所か、私はその時、想像もつかなかった。
2chの事はVIPとアイギスがいた天国板、私達の根城、四貫組がある自己紹介板しか知らなかった。
というか興味がなかった。
VIP+はVIPの下位互換、VIPより人の居ない雑談板という事以外、認識がなかったから。
いづれ、私もこの板のコテとして生きる事になるとは夢にも思わず私は
うらないさんを追った。

79以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:18:06 ID:vP.DdMME0

彼はそこにいた、何時間もの戦いの後にも関わらず、変わりない姿でその板の人達と雑談していた。
その中の1人がうらないさん先程の戦いについて言及していた。
2chを、コテを辞めるのかと
うらないさんが応える間もなく私はその会話に割って入った。
何故なら、この戦いに敗れたら辞めると彼が語っていたのを思い出したからだ。
そして、その事を考察する間もなく私はレスを打つ指を動かしていた。
「やめないで下さい!!」と。

この時のうらないさんの気持ちを考え想像すると、キョトン所じゃないだろう。
全く絡んだ事もない何処の馬の骨か分からない見ず知らずの新参がいきなり会話に割って入り、自分が応える間もなくわけの分からない事をのたまう。
ただ、その経緯を見ていた私は黙っては居られなかった。
勘違いをしたまま。

80以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:18:57 ID:vP.DdMME0

「さっきの煽り合い、私は見てました。
貴方は辞めると言っていたが
貴方の煽り合い議論に感動しました。
私も煽り議論を始めたばかりです。
これからも貴方の煽りや議論を見続けたい。
だから、お願いしますここで辞めないで下さい。」

こんな感じだったかな。
私は彼に彼が応える間もなく言いたい放題、事をぶつけた。
ここで彼が居なくなると本気で思ってたし、アイギスが居なくなって正直、置いていかれた悲しい気持ちもあった。
だから焦ってレスしたんだと思う。

ただ、本心だった。

81以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:20:32 ID:vP.DdMME0

レスからは彼の表情までは汲み取れない。
ただ、彼のやれやれ感や、私があまりにも一生懸命に自分を制止している姿がわかったのだろう。
彼が、吹き出しそうな口元を掌で抑え
落ち着けよ新参
と宥めている姿が文章の中からでも見てとれた。
彼は慌てふためく新参にゆっくりと伝える。

「俺は辞めないよ、やめると言ったのはコテ雑へ行くのを止めると言ったんだ
俺の議論や煽りを見たいなら何時でもここにこればいい。
安心しろ、俺は何時でもここに居る。お前もこっちへ来いよ」


レスポンスを見て
他人(ひと)の書き込み見て
初めて
涙を流した。

82以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:21:44 ID:vP.DdMME0

今までの経緯や、張り詰めたものもあったのかもしれない。
アイギスの事や四貫組、コテ雑での古参達の振る舞い、今までの自分への評価。
それ等をこのレスポンスが断ち切った。

何故、大粒の涙を私は零したのかは直ぐに理解した。

うらない京の
彼の立ち振る舞いやレスポンスが
あまりにも美しかったからだ。

例えるなら、爆撃をうけ瓦礫の山になった荒廃した街中の唯一残った壁
そこに、誰かが書き残した聖人の騎士の絵の様に

立ち止まり
その絵に見惚れた。
ただただ、美しかったから。

83以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/04/06(火) 11:23:02 ID:vP.DdMME0

私もこういうコテに
古参になりたい。
初めて思えた。
親しまれるコテじゃなくていい、誰かに影響を与える様なそんな立派な古参じゃなくていい。

彼の様な美しいコテになりたい。

私は彼について行く事を決めた。
VIPをコテ雑を離れVIP+に常駐する様になる。
ここには、彼に似てる人間達がいた。
夕凪さん、湘南爆笑族、飛べイナリズシ、セブン、16進数、花バズーカ、ゲソ、アオイ君、ヤングライオン、誤爆機、塩ナメクジ。

そして、うらない京。

私はここに腰を降ろす事に決めた。
彼等と戦い、笑い、切磋琢磨し、紡ぐ。
悪くはない。
この頃には私は四貫組よりVIP+のコテ雑に居る事の方が多くなる。

武器はアイギスにもらった。
在り方はうらない京にもらった。
彼らは強いコテだ。ならば私も強いコテにならなきゃならない。

何故なら彼等の意志を受け継いでいるから。
私はここより戦いに明け暮れた。強くなる為に。
この身体は剣で出来ている。
血潮は鉄で心は硝子。

84以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 11:57:01 ID:EOq0s7q60

さて、続きを少しづつ語ろう。一歩づつ、少しづつでいい。
歩き始めるという事は進み続けるという事、兎になる必要はない、亀でいい。
例え亀だろうと、その目標が見えているなら迷う事もない。
やるべき事は全てやった。語るべき事はこれをおいて他にない。


ならば、私のやるべき事はただ1つ。

━━━ コテとは物語である、物語のないコテは死ね。━━━━━━━━━


コテとしての生涯を人生と呼ぶなら
VIP+のコテとなりこの場所のコテと人生を紡ぐ。
私の、ホラ吹きムアイクは新たな環境で人生を歩はじめた。
ただ、ここにも戦うべき相手はいる。
新たに歩を進めるなら、新たな壁にあたるのは必然だった。

いや、新たな壁はそれまでの壁を乗り越えなければ行けなかった。

ヤングライオン。

この人は知っている。
アイギスがいた場所、天国で出会った事があった。
立ちはだかったこの人を避けて通る訳には行けなかった。
コテとは物語なら、私はこのコテを無視する訳には行かない。

85以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 11:57:55 ID:EOq0s7q60

ヤングライオン。

どんぐりの会の実質筆頭コテ。

どんぐりの会とはなにか、コテのコミュニティの1つ。
ただこのコミュニティが普通とは違う所は表向きはコテ協会と同様、コテのデビューをサポートする新参育成を目的とした馴れ合い組織。
色んな板にその拠点を置き、迷える新参をアシストしたりコテに興味をもった名無しをコテとしてデビューさせる事を目的とした良心的なコミュニティ。
表向きは。

ただ、このヤングライオンというコテと1度、レスを交わして会話してみると分かるが
彼は右も左も分からない人間に道を教える様な面倒見の良い者じゃないのは直ぐにわかる。
どんぐりの会、この組織自体、このスレ自体が彼の大きな釣り堀なんだ。
何も分からない、この組織を利用してスムーズにコテ活動を行おうとした人間、あわよくばこの組織やこの組織の人間をコネにしようとした者を狩る
彼専用の巨大な釣り堀。
ヤングライオンの狩場と言っていい。
自ら獲物を探すのではない、迷いこんだ獲物を物色して狩る。
卑怯と言ってしまえばそれまでだが、ただ自分の力量を知って尚且つ相手の力量を吟味できる、相手次第では幾らでも自分を変化できる合理的狩場だ。
自ら相手の懐に切り込んで私のスタイルとは真逆のスタイル。

86以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 11:59:02 ID:EOq0s7q60

私はこのコテを仕留めなけれいけない。
VIP+のコテになったのなら。
アイギスの教え子ならばだ。

何より彼は知っていた。
全て見ていた。
新参の私がアイギスの教授を受けていた姿を。
そして彼は私に向けてこう言ったはずだ。

「お前は何も変わっていない、お前のこれまでは何だったのか?」

と私に問うた、いや、違うな。
問ではない
「お前は何も成長できてない」

これが彼の本当に言いたかった事だろう。
この様に書いてしまえば、私の自意識過剰なんて思われるだろうが、違う。
ヤングライオンは彼は、本当にこういうコテなんだ。
相手の崩れ落ちる様が好きで、人の敗北が好きで。
何より戦いが好きだから、きっとああいう形でコテ活動に悦を見出してる。

ならば、私は彼を仕留めるしかない。
私がこの世界で私であるなら。
アイギスにもらった剣を強く握る。

87以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:00:12 ID:EOq0s7q60

ヤングライオンとの戦いは熾烈を極めた。
時間も、その経緯も。

泥仕合というには些か比喩表現が足りない。
それくらい、見ている人間には劣悪なものだったのだろう。
例えるならライオンが私の喉元に食らいつき、そのまま私は倒れながら剣をライオンの喉元を突き刺して泥の中を這いずり回った。
9月から年明けまでの3ヶ月間、1日も欠かすこと無く毎日。

正気の沙汰じゃない。
9年間、煽りコテとしてやってきたつもりだが、この時のが私の最長記録だったと思う。
正直、もう二度とこんな煽り合いは したくない。
うらないさんも含め、この戦いを見ていた者達から「2人共、もういい加減にしろ」と何度、野次られた事か。

しかし、ライオンを強かった。

確実に格上の相手、経験も技術も。
なぜ、そんな相手に私がここまで決着を伸ばせる事ができたか。

アイギスの言葉を思い出す。

88以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:01:39 ID:EOq0s7q60

アイギスの言葉を思い出す。

「もし、技術や経験、それらがどうしようない、自分より上の敵を相手にする事になったらどうしたらいいか?」

「不可視の結界を使え」

「完成された領域、世界、自分の結界内に相手を引きずり込む腕さへあれば、けして負ける事はないだろう」

「密室殺人とはそれだけで御し難く、卑劣で純然たる罪なのだから」

「そう、正攻法で無理と感じたなら、迷わず相手を自分の結界内に引きずり込め」

アイギスのこの教えのおかげで私は格上のライオンとここまで戦えてたのは明白だった。

引きずり込む腕は必要ない、ライオンは決して私から逃げない。
何故なら私が確実に格下と踏んでるから、私を新参だと知っているから。
案の定、ライオンは私から逃げなかった。
ならば、結界内に引きずり込む技術は必要ない。
私は結界内で存分にライオンを切り刻んだ。
しかし、ライオンは強い。私が出会った誰よりも強かった。
この技術がなかっら、早々に決着は着いていただろう。
ライオンは私の結界内で

それでも笑った。

89以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:02:57 ID:EOq0s7q60

さて、続きを話そう。
続きを話すという事は、なんて言うかな。二の足を踏んでしまう。

終わりを迎えてしまうなんて事なんてどうでもいい、歩き始めた時点で終わりに向かい、何れ向かえる事なんて
歩き始めた時点で覚悟はできてる。
ただ、やっぱり過去の自分と向き合わなきゃいけないのは、

うん、覚悟がいるかな。

滑稽な事も、恥ずかしい事も分かっているはずなのに。
まだやっぱりカッコつけたいのかな。
かっこがいい自分に期待しているのかな。
そんなものは、とうの昔に捨てたはずなのに。

90以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:04:47 ID:EOq0s7q60

ライオンとの戦いはまだつづいた。
うんざりする長い時間。

途中、彼の仲間だろう。
同じどんぐりの会のコテ、誤爆機が様子を何度も見に来た。
もちろん、四貫谷も様子を見に来てくれた。
不思議と彼等2人は
「もういい加減にろ」「もう止めとけよ」とか「いつまでもやってんの」、なんて達観した事は言わなかった気がする。

何故、彼は、ライオンはここで私と戦っているのだろうか、何故私はここで彼と戦っているのだろうか。

私が彼に剣を突き立てたからだ。

では何故、彼はその突き立てたられた剣を払い除けたのだろうか。

私は彼の事を考える。

どうでもいい、誰か分からない新参が、自分の事を気に入らないと勝負を挑んできた。
プライドもあったのだろう、体裁も。
ただ彼は私から逃げなかった。

伊達や酔狂でこんな途方もない時間をどうでもいい相手に使うだろうか?

私は彼の事を考える。

訳も分からない新参が
訳も分からず自分を気に入らないと
訳も分からない言いがかりを付けてきた。

そんな訳も分からない火の粉を本気で振り払うだろうか。
この首筋に食らいついた彼の牙は火の粉を振り払うなんて生易しいものじゃなかった。
私が抗わなかったらその隙を見せなかったら私の首を切断するくらい

彼の本気が見えた。

91以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:05:41 ID:EOq0s7q60

彼は、ライオンは本気で新参の私と向かいあってくれた。

手段や立場が違えど、アイギスや、うらないさんと同じてはないのか。

在るべき先輩コテとして相応しい誇り高き姿だった。
ならば私も新参コテとして、その姿に応えるべきではないのか。

どうでもいい相手なら無視すればいい。
面倒ならば逃げればいい。

例え相手がそんなしょうもない事を野次ってきても相手にしなければいい。

ただ、彼はライオンは違った。
彼は私から逃げなかった。
向き合ってくれたのだと。
そう、感じた時、考え着いた時

私は結界を解き、彼に敬意を示した。

92以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:06:11 ID:EOq0s7q60

317 名前:ホラ吹きムアイク ◆TheMAIQgeE [sage] :2011/12/04(日) 11:18:04.15 ID:cgw0fhpI0 BE:826362926-2BP(888)
まずは今までライオン、誤爆機、そして前スレや今このスレを見ている者達に不徳の態度への罰の為に

ホラ吹きムアイク#―e岌5NG

そして固定としての覚悟を宣言する


もし、これより先、俺が煽り合い議論において罵倒だけや程度の低い自己満足の為だけにレスするような事があるならば
その時はホラ吹きムアイクの死ぬ時であり俺は完全に固定を引退する


これについて意味の無い事と思いたくば思ってくれても結構です
馬鹿にするならばいくらでもどうぞ

今までの事を帳消しにする為ではなく向き合う為でもあり
これは今俺ができる貴方がたに対しての最大の敬意です

そしてライオン、貴方に噛みつく事に覚悟をもって挑む固定としての示しです

93以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:08:11 ID:EOq0s7q60

これが後に
「ムアイクの誓い」
と呼ばれ馬鹿にされ語り継がれる事になったレスポンス。

今見ても酷い。
馬鹿にするには十分過ぎるくらい滑稽な内容だった。

ただ、当時の私は本気だった。
この、レスポンスに相手への敬意とそして自分自身の魂を込めた。


これを見せられたライオンはどう感じただろう?
今まで3ヶ月間近く罵りあった新参からいきなり覚悟なんて言われトリップキーを晒されたんじゃ。

キモすぎて別の意味で怖くて逃げるわ。

ただ、彼は逃げなかった。
このレスポンスの事を散々バカにはしたがこれで彼が私への対応を変える事はなかった。

でも、この事があって、私はライオンの事を完全に敵として見れなくなった。

彼もまた仲間がいて、護るべき場所があって心配してくれる友がいる。
そして何より、アイギスやうらないさんの様に
後輩にちゃんと向き合える先輩コテなんだと。

94以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:09:05 ID:EOq0s7q60

私がこのレスポンスを打って、トリップキーを晒して、そんなに時間はかからなかって思う。

年が明けてすぐにこの戦いは終わった。


別にどちらが勝ったとか負けたとか勝敗が決まったとかじゃない。
何となく有耶無耶になった。

後でライオンに聞いたが、何故いきなり止めたのかと

ライオンは答える
「別に俺様から止めた訳じゃなくお前が引いたんだろ、別に続けてもよかったんだけど
新年の挨拶をしてきたバカをこれ以上罵ってもな」

確かに、気づいたらライオンと普通に馴れ合ってた。
3ヶ月も毎日罵りあったからお互い愛着でも生まれたかな。
まぁ、でも3ヶ月も毎日毎日、罵りあってたら流石に悪口も枯れるよね。

95以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:11:37 ID:EOq0s7q60

この戦いが終わり私はVIPに戻った。
この戦いが私の煽りコテとしての経験の1つになったのは言うまでもない。
3ヶ月間毎日同じ相手と煽りあった。
自信にも繋がった。
前よりもまともな煽りコテになれたと思った。

戻った私に四貫谷が話しがあると言った。
四貫組のスレで彼の話しを聞いた。

彼はバツが悪そうに
「四貫組を、俺たちの組織を解散しようと思う」
そう切り出した。

当然だと思った。

新参同士がお互いを助け合い自分達とその居場所を守る為の組織。
もう、メンバーは綿貫谷とセブンと私だけだった。
メンバーはここ以外にそれぞれの居場所をみつけていたし、何より私達はもう新参でもなかった。

この四貫組の存在理由は既にない。
夢を語るには成熟していた。
私達のネバーランドと私達の夢は脆くも崩れ去った。
何も出来ないまま。
私達があの日、敵視していた中堅や古参コテと呼ばれる様に私達もなっていた。
ピーターパンと讃えられていたコテもネバーランドが煙草の煙の様に消えた直ぐ後に、居なくなってしまった。


夢の終わり。

夢を語り、未来を語り、理想を語り合った。
みんなで。
あの輝かしい日々とは対象的に呆気ない幕引き、いや、幕切れかな。

私達の夢は終わった。

それでも私は歩む。

あの日もらった剣を手にあの日見た理想を胸に。

それでも私は歩む。

96以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:14:54 ID:EOq0s7q60

私は歩む。

この出来事を機に私は名前を変えた。
四貫組はもうない、守るべきコテも仲間達も、もういない。
ムアイクはライオンとの戦いでトリップを失った。
ならば、この名前でいる理由もない。

この剣とあの理想だけが本物なら
これさえあれば戦えるなら私はこの名前だけで十分だと。

不可視のアイギスの血の戒律を持つ者
誓いを持つ者
結界を司る者
「不可視の血戒」と私は名前を変えた。

この身体は剣で出来ている、血潮は鉄で心は硝子。
変えた当時は色んな野次が飛んできた「お前には向いてない」
「バカが賢いふりするな」
「アイギスが可哀想」
「調子にのるな」
「見た目だけ変わっても中味がお前じゃね」

色んな石を投げられた。
その中で、夕凪スクリーモというコテがそっと私に言った
「お前、憐れだな」

大昔、いや、多分何かの逸話だったと思う。汚いロバを白馬と言い、風車小屋を怪物と言い
来る日も来る日も風車小屋相手に戦いを挑んだ騎士の話し。
彼はなぜ戦う事をやめなかったのだろうか?
彼を思い、彼に進言する人間はいただろう
彼が如何に滑稽な事をやっているのか、彼に伝えた人はいただろう。
彼は知っていたんじゃないだろうか?

滑稽さも無意味さも
自分が何と戦い。
何を得たのかも。
彼は偽りの中の現実で偽りの白馬にのり偽りの敵に剣をむける。
そんな偽りだらけの彼の中で

それでも本物はあった。

夕凪スクリーモというコテはVIPではダヴワイズと名乗っていた。
私と同じ年にデビューしたコテ。
だから、あの古参が新参を迫害していた日々も四貫組の事知っていた。

もしかしたら、私がアイギスの所に行った事もライオンとの戦いの事も知っていたのかも知れない。
だから、彼が私に言った事も、嘘偽りはなく彼の私を思う本音だったのだろう。
だけど私は
その時の私は愚かだったのだろう
彼のそんな言葉も
他の野次に紛れ込ませ、消した。

97以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:16:56 ID:EOq0s7q60

名前を変え、居場所を変えた。
その頃には2011年デビューしたコテの中で議論、煽りコテと言えば……。

その中で名前を挙げられるまでになっていた
同期は半分以上いなくなっていたが、それでもそれは私の誇りになっていた。
後輩コテもできた。
時が流れる。私は歩む。

VIP+のコテになり
飛べイナリズシ
夕凪スクリーモと並び、うらない京の教え子、うらない京ファミリーなんて言われた事もある
この3名はうらない京に似て血の気が多いと。
夕凪さんは年齢も上だったから私達より落ち着いていたと思う。
でも彼もきっと、こちら側のコテだったに違いない。

だから当時、馴れ合い重視のVIPではなくVIP+の方に居着いていたのだろう。

うらないさんに色んな事を教わった。
VIP+の事、安価の打ち方からコピペのやり方。
論理的思考、宇宙の事
コテとしてのあり方からレスポンスの読まれ方。
彼に教えてもらった事で印象深くユニークだったのは
「レスポンスには魂を込めろ」というもの。
最近じゃめっきり言わなくなったが、これは共感できた。
感情を込めた文章には相手に読まれる何かがある。
例えるば駄文だろうと、感情にまかせためちゃくちゃなものでも
読み手を引きつける何かがあるのだと。
私がライオンに綴ってトリップキーまで晒した1文、記録されたのは笑い話にもなれない駄文の中でも多分、何があったのだろう。
そんな日々が続く。

その中である事を聞いた。

98以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:17:46 ID:EOq0s7q60

「コテはスレを立ててなんぼ」

何故かと、うらないさんに聞いてみた。

「自ら出向いて行って喧嘩を売って、なんてキョロ充は3流だろ」
「自分のスレを持って名無しに自分を固執させろよ」
「あと、色んな板に行って色んなやつを相手にするのもいいらしいぞ色んな考えに触れれるから」
何故だか夕凪さんが答える。

そう言えば、うらないさんも昔はニュース板にいたり運営の板にいたのだと聞いた。
流れ流れてここに来た。

きっと、うらないさんも強くなった物語があったのだろう。

なるほどね。

私はVIPやVIP+以外の場所に行きそこにいるコテに片っ端から戦いを挑む事を決めた。

さて、どこに向かおうか。

99以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:19:14 ID:EOq0s7q60
名前を変えて、居場所を変えた。
候補は2つあった。

四貫組の時に1度だけ四貫組のスレに迷い混んで来た黎明というコテ。
初心者質問板にある「煽り合って精神を鍛えるスレ」に1度来てみてくれと言われた。

もう一つは天国板
アイギスとの思い出の地。あれから大分、年月が経つ。
2年くらいか。
そろそろ初心の頃に見た風景を見返してもいい。
アイギスが居るとは思わないけど、あの場所は今の私にはどう映るだろうか。

正直、どちらでもよかった。
今まで自分が触れた事のない環境と、触れた事のない人達。
そこで今の私はどれだけ立ち回れるのか。
強くなる為に必要なら私は歩む。
コイントスで決めた。

初心者質問板、煽りスレ。

この地に赴く、アイギスにもらったこの剣を手に、うらない京にもらったこの志しを胸に。

ならば、私に恐怖はない。必要なものは全て持っていた。

100以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:20:44 ID:EOq0s7q60

初心者質問板に着いて、このスレはすぐに見つかった。

「煽り」と検索をかけたらこのスレしか引っかからなかったから。

3日、4日、様子見程度に中を見てみる。
規模の小さなコテ雑といった所か。

5~6人のコテしかいない、小さなコミニティー。
煽りスレと看板を掲げてるだけあって中は殺伐していた。
ただ、パッと見た感じ
少ない人数で「バカ」だの「アホ」だの小学生並の事を毎日、同じ人間同士で行う
形だけの殺伐さ。
まぁ、外で見ているだけでは測れないだろう。

このスレの代表というコテにこのスレに1度来てみてくれと言われた。
動機には十分。

私はスレに飛び込む。
「こんにちは、黎明というコテに誘われて、貴方達を殴りに来ました。」

道場破りの自己紹介には十分だろう。
さて、誰がどのように最初に来るのか。

101以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:21:46 ID:EOq0s7q60

初めに、私に応えたのはこのスレで1番下っ端ぽいコテ
ウーロン茶というコテだったと思う。

お、こんにちは~!
いままで色んなコテがきたけど
しんじられないほど皆やる気があって
ねーみんな、また誰が来たよ?
貴方も煽りに興味が?いいですね。
様子だけじゃなく楽しんでいって下さいね。

こんな感じだったかな。
「おい、死ね貴様」
なるほどね、これがこのスレのスタイルか。
VIPの様に手数で相手を抑え込む煽りじゃなく
VIP+の様に1レスに時間をかけ長文で相手を理詰めにするタイプの煽りでもない。
煽り罵倒は幼稚だけど、縦読みを秒で完成させる構成力と技術がある。

なるほど。
VIPやVIP+では使わない、経験のない煽り方だ。

相手の未知に近しい返しには戸惑ったが、逆を言えば相手もVIP+の煽り方には不慣れなはず。

これだから遠征した甲斐が有る。

102以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:22:49 ID:EOq0s7q60

このコテスレの大まかなメンバーは
黎明を筆頭に、青山、金魚のフン、ウーロン茶、ゼルツ。

黎明は他の人が雑談をしている姿を後目にずっと「
俺様は凄い、俺様は凄い」とうわ言の様にレスしているだけだし。
ゼルツは数える程度しか見ていない。
実質、青山、金魚、ウーロンの3名とあとは黎明の潜伏か誰かの潜伏くらいしかいない場所。
そこで雑談混じりに縦読み煽りを繰り返していた。
比喩するなら、不思議の国のアリスのお茶会。
この場所で私は剣を抜いた。

例え誰であろうが、このスレがどういうスタイルだろうが自分スタイルを変える必要はない。

例え、イカれたスレのイカれたお茶会だろうが目に映るものを総て切り刻むだけだ。

103以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:23:56 ID:EOq0s7q60

時が流れる。

このイカれたお茶会スレにも半年は居ただろうか。

私はこの、何でもない日バンザイのメンバー達にも大分打ち解けていた。
黎明は相も変わらずうわ言の様にレスしていたが。

金魚が教えてくれた。
私が来る前に1度だけVIP+から色んな板のコテ達を引き連れてこのスレに私の様に喧嘩しに来たコテの事を。

湘南爆笑族。

彼とは新参時代、2、3度レスを交わした事がある。
2011年、私がデビューした時代の筆頭コテに名前があがるコテだ。

四貫谷か湘南か。
四貫谷が新参達の為に立ち上がったコテなら
湘南は一時代が終わり、衰退するコテ界隈、全体の為に立ち上がったコテだろう。
当時珍しく、新参だった彼が古参達も含め、煽り議論、それだけではなく優秀と認めたコテ達を束ね。

一大組織を築いていたのはコテ界隈にも疎かった新参の私ですら知っていたし。有名だった。

古参達は彼に多大なる期待を寄せていたのも知っていた。
彼が1度、色んな板のコテを引き連れここに来たのだとその時に聞いた。

彼と自分を比較するわけではないが
湘南に、彼にどれくらい遅れて私はこの場所に立っているのだろうかと
その時は思った。

104以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:25:04 ID:EOq0s7q60

煽りあって精神を鍛えるスレ。
通称、不思議の国のアリスのお茶会スレ。

ここにも随分長居した。
このスレのwikiや、紹介しているページにすら私の名前が載るくらい。
ここのスレの住人達の事も色々教えてもらった。
金魚は教師だとか黎明は湘南から韓国人と思われていただとか。
「お前は気持ちだけはあるから」と、金魚に煽り方も教えてもらった。
ウーロンとも仲良くなった。

新たな地で技術も思い出も増えていった。

さて、そろそろ行こう。

この地を離れ新たな地へ。

VIPに居た時も四貫組に居た時もVIP+に居た時も
アイギスとすごした日々も

寂しくないと言えば嘘になる、ここにも思い出も仲間とよんでも何もおかしくはない人達がいた。
できうるなら、ずっと彼等とわいわい過ごせたらと。

しかし私は歩む。

あの日、アイギスにもらった剣を手に、あの日、うらない京にもらった志しを胸に。
この身体は剣でできている、血潮は鉄で心は硝子なら

私は歩む。

105以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:27:00 ID:EOq0s7q60

初心者質問板の煽りスレは十分に堪能できた。
次に向かうは天国板。
アイギスとの思い出の地。
始まりの地。

天国板に着いて私は驚愕した。
そこにはアイギスが居た。
アイギスがその板の名無しを好き放題殴り、スレを蹂躙し、荒らしていた。

その姿を見る前から、レスポンスを見たらアイギスを知らない人間でも直ぐにわかる。
アイギスに成りすました偽物だった。

私は堪らず前に出てその偽物を殴る。
偽物は私の名前やレスポンススタイルを見て一瞬怯むが
なんだ、その名前はと偽物は私を笑った。

その姿に何も感傷はない。
野次を飛ばすその他大勢の有象無象とかわりない
私は無言で近づき彼に殴り飛ばした。
偽物と私の戦いが始まる。

終始、私が押していたと思う。

冷静に見て、私に技術で差を見せ付けられてる偽物は、本物のアイギスの足もとにすらも及ばない。
敵を好き放題に殴れる爽快感や愉悦よりもこの時の私は怒りのままに偽物を蹂躙していた。
そこには、マナーも相手に対する礼節もなくただただ怒りの赴くまま言葉の暴力で殴る。
本物のアイギスには遠く及ばない、アイギスと名前欄を埋めている相手を見るのもこちらが恥ずかしくなるほど

技術も言葉も偽物の悲鳴ですら私の神経を逆撫でした。
だから、ただただ殴り続けた、怒りの感情以外、無感情で。

106以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:28:27 ID:EOq0s7q60

数時間、殴り続けて堪らず偽物は退散した。
周りを囲むオーディエンスは戸惑って居ただろう。
相手を退けた満足感よりこの状況は何のかと思った、私やアイギスが消えて数年経った。

当時からいる名無しはまだ居ただろう。
例え当時を知らない人間が居てもこの板を作ったひとりのコテ。
あれが偽物であるのは明白だっただろうに……。

ぼう然とそんな事を考えていると
わふーというこの板のコテが声をかけて来てくれた。
わふーさんは新参の頃の私が天国板に流れつく前
私がアイギスの事を知るずっと前からこの板に居着き、ずっと天国のコテをやってた1人だ。
何でも天国板創設の頃よりもここに居て、昔のアイギスと何度も戦ったらしい。
ここに着たばかりの新参の私にも良くしてくれたし当時から馴染みある1人だった。

コテ雑で例えるならゆっきーみたいなコテ。
今思い出すと、うり二つでそっくりだった。
ゲームが好きで、マンガが好きで、スレのマスコットみたいで
レスポンスから幼さを醸し出すが、その実、洞察力や比喩表現はずば抜けており
レスポンスの幼さを持ってしてもその思考の成熟さは大人を感じさせた。

107以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:30:19 ID:EOq0s7q60

わふーさんは戦いが終わりぼう然と立ち尽くす私に言う。

「久しぶりだな、どうしたの?」と
どうしたのでは無い。

何があったんですか?
なんでアイギスの偽物が荒してるんですか?

わふーさんはバツが悪そうに
「あー……」と応えるが
わふーさんが答える終わる間もなく私はが成り立てる。

わふーさんはこの状況、静観してたんですか??
いいのこれ!?

何を語ったか覚えてない
ないが、偽物にぶつけた怒りでは治まらず怒りの残り火をわふーさんにぶつけたのは覚えてる。
わふーさんは少し時間をおき、ゆっくりとその私の怒りに返した。

宥める様に。

「なんでお前憤ってんの?」


は??

当たり前でしょ
アイギスを真似されて、アイギスには程遠いお粗末なレスポンス見せられて。
ここを荒してたんですよ!?
わふーさんは腹が立たないの??
というか、なんで何も言わないし何もしないの??

108以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:37:01 ID:EOq0s7q60
わふーさんは私のレスポンスを見てこう応えた。

「いや、お前が奴に怒ってる理由がわからん。」
「お前が偽物が気に入らない理由と同じ様に、俺も今のお前事が気に入らないし、理解できないから言わせてもらうけど。」

お前が言うな。

「お前が本物のアイギス、アイツと何があったか知らないし
お前が本物のアイツをどう思っているか知ったこっちゃない。」

「だけどお前、自分の姿を鏡で見て見ろよ。」
「不可視の血戒だかなんだか知らないが、アイツの仮面をつけて
アイツのスタイルを真似て
アイツの武器を振り回す。」

「偽物君と何が違うの今のお前。」

「それとも何か?
本物のアイギスがお前に頼んだのか?
『自分の偽物が現れたら俺の代わりに退治してくれ』って」
「違うだろ、少なくとも自分の真似して自分の偽物を倒してくれなんてそんなバカみたいな事
アイツはお前に頼んでないだろ。」
「今のお前に偽物を責める資格なんて無い。」

だから、お前が言うな。

…………と。

109以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:39:22 ID:EOq0s7q60
わふーさんは本物のアイギスを知っている。
私がアイギスと出会う前から。

何も言い返せ無かった。

そう言うとわふーさんは
いたずらそうに無邪気に笑った。

少し時間が流れた、私はまだ天国に居た。
その間、わふーさんが言った事がずっと頭の片隅にこびり付き、私を攻めていた。
その間もわふーさんは自分のスレに私を招き入れ、行き場のない私を置いてくれた。
色んな話しを聞いてくれた。


また偽物が現れた。
板のスレを荒し回る偽物。

わふーさんを見たら、偽物には目もくれず、やっぱり無邪気に笑っていた。

私が行くしかないか。
偽物の前にもう一度出た。

「お前憐れだな。」

「お前が言うな。」

わふーさんの言葉が頭の中を巡る。
偽物が襲いかかってきた、防戦一方だったと思う。
偽物の攻撃を返しても、わふーさんのあの言葉が私に刺さる。
上手く戦えない。

嗚呼、ダメだ。。。

負けを覚悟した時、この戦いに割って入ってきた者がいた。

不可視のアイギス

…………3人目の偽物か………!?

110以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:40:56 ID:EOq0s7q60

割って入ってきたアイギスは私に目もくれず偽物に襲いかかった。

3人目か、いや。違う。
確認するまでもない
このレスポンスはこの人は、本物だった。
紛れもない私の知ってるあのアイギスだった。

私に武器をくれた
私に武器の使い方を教えてくれた。

私の師。。。
目指すべき高見、尊敬する先輩コテだ。

話したい事はたくさんあった、なんで居なくなってしまったのか??
貴方と別れて色々あった、色んな人と出会った。

あれからの事。。。

でもそれよりも、私の口から出たのは

「ほんとに、ごめんなさい」だけ。

醜態を晒した。
あんなに、あんなに一生懸命頑張ったのに。
久しぶりに会えたのに。
私がやった事、見せれた事は
アイギスのフリをして偽物を殴る事だけ。
恥ずかしさと申し訳なさで
「ごめんなさい」
これ以外何も言えなかった。

アイギスはたった1度だけ、1レスだけ。
安価をこの情けない謝罪に指してこう応えた。

「自分の下着が自分の知らない間にオナニーの道具にされてたら興奮するよね?」

アイギスらしい返答だった。

111以下、名無しにかわりまして潜伏がお送りします:2021/05/21(金) 12:44:16 ID:EOq0s7q60

アイギスと偽物はそのあと少し話して2人とも消えた。

アイギスと偽物がその後、現れる事は無かった。
去って行った2人をただ見送った。
私1人、置いていかれた。

去って行った2人をただぼう然と1人で見送っている私を見兼ねたのだろう。

わふーさんが声をかけて来てくれた。
「実は偽物はお前が帰ってくる半年前くらいから現れて天国を荒し回ってたんだよ」
「その時ですら本物は出てこなかっんだけどな、だから本物を見たのは俺も久方ぶりだよ」と

そりゃそうだろう。
偽物同士が本物を差し置いて罵り合ってたら我慢できないでしょ。
わふーさんは続ける。

お前これからどうするの?

少し間をあけ私は応えた。

「ここを去ります。
わふーさんには話したと思うけど、今、色んな場所を回ってる最中だし
あの様子なら多分、アイギスはもう私には構わないでしょ。
ここに居る意味ももうありません。」

わふーさんは答える

「ふーん
まあ、お前がジタバタしてる姿を本物は見てる
お前が、もがき続けていたら、何れ本物も相手してくれるだろ
そん時は、あの偽物みたいにワンパンで仕留められないように
せいぜい武者修行の旅がんばれよ!」と。

はいはい、では行きますね。
わふーさんもお元気で。

「おう!じゃな!」

アイギスはやっぱり
イタズラそうに無邪気に笑った。


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