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異伝スレッド

17チチウイッカプイ:2017/06/17(土) 14:33:19
「異世界としか言いようがありません」

東ヤーディシアのある小文明国に、一人の法螺吹きがいた。
数年前に北東の辺境を探検し、奇跡的に帰還したという自称探検家は、各国をめぐり自らの「体験」を語り歩いていた。
まともな人間で耳を傾ける者はいなかったが、最近ではオカルト趣味の間で人気が高まり、収入は安定してきているらしい。

「氷点下40度を常に下回る盆地に、鋼鉄で構築された不気味で巨大な都市があるのです」
「人々は肌が白く髪は黄金に輝き、薄い服2枚を重ね着しただけで平気な顔をしていました」
「そこでは夜な夜な不気味に光る金属塊が雪原を走駆し、空を飛んでいたのです」
「魔法では決してない、我々の知る科学技術と全く別の体系がそこに・・・」

今日も彼は「異世界の使者からの警告!地の果ての叡智に迫る!」と題されたオカルト集会に呼ばれ、真剣な顔つきを装って演説していた。

666回目の公演が終わったその時、拍手喝采の中で事件は起きた。突如、法螺吹きの体が至る所から火を噴いたのである。
事態を理解できぬまま、悲鳴を上げて燃え落ちていく。それと同時に、人々が逃げ惑う会場の音響装置から異音が漏れ出した。



...Meine Kameraden, meine Kameraden ich liebe ihn den Krieg...




その国の主要ラジオ局の電波が一斉にハイジャックされたのは、事件3日後の事である。


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