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異伝スレッド

16立憲王政アーカルソン=リペルニア:2017/06/15(木) 22:58:55
(後半)
食後。
「さすがの腕だな。卵料理だけでもこれだけのレパートリーがあるのか」
「手元にあるものでできるものだけですから、こんなところ。という感じですが」
「そうか…よかったらどれか、レシピを教えてもらえるかね?」
「ん、レシピですか。そうですな…この辺なら手軽で美味しく、量もさばけるでしょうな。渡しておきますぞ」
そこに扉をノックする音。巡撫は扉の外に顔を出し、何かを受け取り、また戻ってくる。
「…さて、君の扱いだが。規則通り、滞在は許可しよう。とはいえ完全な自由行動は認められん…我々の監視下で行動してもらわねばならない。…それと、宮廷のほうから招待状が来ている」
「ほう」
「料理人としての腕を試したいそうだ。いかがかね?」
「それは、実のところ選択肢はないのではありませんかな」
「まあ、そうだろうね。で、どうするね」
「参りましょう。少なくとも、料理の腕で失望させるつもりはありませんぞ」
「…そうか。ま、頑張りたまえ」



…大寒波の時代であっても、アーカルソン製の通信機をもってすれば、世界中のどこからでも衛星を介してアトリオン本土とやり取りをすることはたやすい。
だが…モーリスは、それとは違う、もっと不可思議な方法…端的に言えばテレパシーで、そもそもこの世界の中にはいない誰かとやりとりをする。
そのために、通信機はいらない。彼は寝床の上で、ほかの誰にも気づかれることなく、報告のための通信を行えるのだ。

〈…はい〉
〈そうですな。東の民も西の民と変わらず、でしょうな。一たび他国に蹉跌あれば、徹底的につけこむ。国際秩序に裁判官などおりませんからな〉
〈怪獣の卵ですか?美食としては…うーむ、そうですな…正直それほど、ですな。栄養価の面からは確かに優れておりますが。あとは、珍味としては悪くないとは思いますがな〉
〈…はい。とりあえず、西京に向かう…というより、連れていかれる予定ですな。西京でアレを見つけてしまえれば、すぐに帰れるのですがな〉
〈早く帰る気なんてないだろう、ですと?ははは…そうですな。何か一つ、この地の優れた料理技術を学ばずには。…帰れませんな〉
〈…はい。引き続き、捜索にあたりますぞ。ではまた、次の定時連絡のときに〉


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