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送り妖怪
:2011/12/28(水) 23:34:15 ID:1yDVBNkA
林から出ると、すぐそこに街灯があり、数百m先にはコンビニもある。
私たちは街灯の下で、今回採集した昆虫を確認することにした。
友人が虫かごのケースを開き、中に手を入れる。
すると突然、友人が短い悲鳴を上げて、虫かごを突き飛ばした。
中の昆虫が噛みつきでもしたのだろうと、私ともう一人の友人は、笑いながら彼に近付いた。
だが彼の真っ青な顔色は、とても昆虫に噛まれただけのようには見えなかった。
ぶるぶると震える腕を持ち上げた彼は、虫かごを指差した。
私と友人は顔を合わせると、おそるおそる虫かごの中を覗き込む。
そして中に入っていたものを見て――絶句した。
虫かごの中には、もぞもぞと動く昆虫と共に、大量の髪の毛が詰まっていた。
恐怖が全身を駆け巡り、悲鳴が喉元まで辿り付こうとしていたとき、突然街灯の灯が消えた。
隣にいるはずの友人の顔も、はっきりわからないほどの闇に取り囲まれる。
だが、恐怖から涙声になって叫んでいる友人の声だけは、はっきりと届いていた。
私は震えながら、持っていた懐中電灯のスイッチを入れた。
心もとない灯りが友人を照らしだし、私は少しだけ安堵した。
――がさ、がさがさ……がさ……。
どこからか、奇妙な物音が聞こえた。
ぞっと、背筋が凍る。つうっと首の後ろを汗が伝う。
がたがたと震えながら、私は音のするほうを照らした。
そこには、ひとりでに動く虫かごがあった。
――がさがさっ、がさ……がさ、
がたっ!
一際大きく動いた瞬間――ぬうっと、白い腕が虫かごから伸びた。
私は大きな悲鳴を上げて、隣にいた友人の腕を掴み上げた。
恐怖のあまり動けない友人を力一杯引っ張る。
無理矢理立ち上がらせると、私は虫かごの向こう側にいる友人に向かって叫んだ。
「逃げよう!! 早く!!」
だが彼は、真っ青な顔をしたまま、なにかに捉われたように動かない。
虫かごからは、今にも頭が出ようとしていた。
私は友人の腕をつかんだまま、無我夢中に走り出した。
数十m走ったところで、私はふっと後ろを振りかえった。
……女の人だ……
真っ白な女の人が、座り込んだ友人の目の前に立っていた。
私は、もう二度と振り返ることはなかった。
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