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怖い話投稿所

5送り妖怪:2011/12/28(水) 23:30:23 ID:1yDVBNkA


                                { 看板の木 }


私が小学生だった頃、クラスの間ではクワガタやカブトムシといった昆虫が流行していた。
みんなが毎日虫かごを持ち寄り、捕まえた昆虫を自慢し合っていた。
珍しくて大きな昆虫をたくさん持っていれば、その人物はクラスの人気者になれたのだ。
教師や親には禁止されていたが、夜遅くにこっそりと家を抜け出して、仲の良い友達と採集に行く者も多かった。
それは私も例外でなく、よく友人二人と揃って近所の林にでかけていた。

何度もそんなことを続けていると、ある時、たくさん昆虫が採れる木を発見した。
私たちはその場所を「看板の木」と呼んでいた。

理由はいたって単純で、その場所へ入るための小道に看板が立てられているからだ。
その看板というのが奇妙で、どうやら最近立てられた物のようなのだが、
表面だけ何かに引っ掻かれたような傷がつけられて、書かれた文字がよく読めないようになっていた。
かろうじて「夜間、女」「一人歩」「注意」という単語だけ読み取れたが、
昆虫に夢中だった私たちは、いつも看板を気に留めていなかった。


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