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蛇二匹
:2011/12/30(金) 01:58:14 ID:3FBgi9l6
『…だから港に残ってた使い道のない燃油でよ、夜な夜な生き物に火ぃつけて遊んだんだ。
蛙は面白いんだよー。たっぷり油を飲ませて火をつけてな、
そんで水に離すとよ、ついついーっと泳いでぷわーと火を吐く。
ついついーっ、ぷわー、ついついーっ、ぷわー、ってな。面白ぇだろははは。
猫は踊るから楽しめるが、犬はたーっと走って逃げるだけでつまらんねぇ。
鶏は綺麗だよー、炎に包まれてばさばさーっと逃げて、まんま火の鳥だ。
なにより良かったのが馬だねぇ。
橙色の炎につつまれた黒い影の馬がさ、ひいーんっ!って嘶いて夜の浜辺を駆けてゆくんだ。
鼻からは火の息吐いて、燃える鬣を靡かせて、そりゃー綺麗でよぉー』
焼き殺された生き物達の苦しみは如何ほどかと、徐々に苦くなる思いを抱きつつ聞いていました。
当時、学校では鶏や兎など小動物を飼っていて、私らは可愛がってましたから。
『ある時、猿捕まえてきた奴がいてな。ちっこくてちんちくりんな猿だったよ。
どう踊るかと楽しみに、昼間は木の実やったりして夜を待ったんだ。
夜になったんで棒で地べたに押さえつけて油かけて、火ぃをつけたらばこの畜生めがよ、
押さえつけてた一人に飛びついてしがみついて、お陰でそいつも一緒に火達磨だ』
大火傷する者がでてようやく、その火遊びはやめたそうです。
『後になって獣の祟りだの、あれはただの猿じゃなかった、だの言う奴も居たけどな』
笑いながら陰惨な話をあっけらかんとする用務員さんにとって、
それは今でも楽しい思い出なのだと知って、ぞっとしましたね。
でも、安穏に生きてきた私の価値観で彼を責めたところで、それも何か違う気もして
ただ黙っていました。
普段は人当たりのいい老人から、そんな話が出てくると思ってもいなかったせいもあります。
私ももう一人もなぜか、この話についてお互いに何かを話すことは無いままです。
実は人にこの話をするのは、初めてなんですよ。
というのも、今でもふと考えてしまうんです。
もし彼らに猿が報復しなかったら、その先どうなっていただろう…ってね。
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