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避難所Ⅱ

1名無しさん:2011/05/01(日) 01:37:56 ID:???
・パー速が落ちた時はパー速の組が「避難所」スレを優先的に使用する。
・板内でロールする組はこの「避難所Ⅱ」を優先的に使うことにする。
・それでも足りない時は「イベント優先スレ」を柔軟に使い分けてください。

2大蜈姫:2011/05/01(日) 01:55:53 ID:???
【山中の岩に腰掛け、じっと手元のものを見つめる、長い黒髪の和服姿の女性】

……やれやれ、さっぱりだねぇ
【伸びをするように後ろに倒れこむ】

一体あたしが何をしたって言うんだい……何も間違っちゃあいない筈なんだがねぇ?

……やっぱりこいつは、返すことにしようか
【はぁ、と脱力する】

3鹿南:2011/05/01(日) 02:17:27 ID:???
>>2
金糸を施した派手な女物の着物を着崩した、裸足の男が茂みから現れた。
その左目の、真新しい包帯が痛々しい。

「あら、お仲間?」

いきなりお仲間呼ばわりのオカマ、いや、オネェ言葉なだけで中身はちゃんと男。

「何か悩み事でもあるって気配ねぇ。どうしたのよ?」

辺りに麝香の香りを振りまきながら、オネェな男は勝手に近くの岩に座る。

4大蜈姫:2011/05/01(日) 02:29:20 ID:???
>>3
【見られていたと知って、慌てて姿勢を正す】

おっと、こいつは見苦しいところを見せちまったねぇ
オカマ野郎の仲間を持った覚えはないが……折角だから助けて貰うとしようか

【手にしていた携帯電話を見せる】

うちの若いのが、最近はこういうのも必要だって言ってきてねぇ、
断ったんだが持たされちまったんだ
済まないが、コイツの使い方はわからないかい?

まったく、人間の間じゃあ四十五十でも使い方がわからないというのに、
一体あたしの年齢がいくつだと思ってるんだいアイツは……

5鹿南:2011/05/01(日) 02:38:03 ID:???
>>4
「ちょっと見せてもらっていいかしら?」

オネェな男は差し出された携帯電話を受け取ると、操作し始めた。

「うーん、こういうのはうちの娘のほうが詳しいのよねぇ。
 あたしの知ってるのと型が違うからちょっと扱いにくいけど、まあ出来なくもないわ」

次第に慣れてきたのか、大蜈姫に操作方法を見せながら、男は基本の操作をし始めた。

「今の人の生活に潜り込むにはこれが必要なのよね。あたしも最初は苦労したわぁ」

言いながら男は電話の受け方、かけ方、電話帳からの通話先の選択方法を教えようとする。

6大蜈姫:2011/05/01(日) 02:43:28 ID:???
>>5
やれやれ、最近は目まぐるしくて、年寄りには辛いよ

【肩をすくめて苦笑い】

いやあ、その辺の話は聞きはしたんだ
……なんだが、ちょっとこいつを使って呼び出そうと思ったんだが、どうにも話が通じなくてねぇ
操作は今の通りにやったんだが……こいつは一体どういう事なんだい

【なお携帯は、電波到達範囲が狭いと有名な某社製である】

7鹿南:2011/05/01(日) 02:50:53 ID:???
>>6
「ああ、ケンガイってやつなのよ、きっと」

電波受信状況を示すゲージを、オネェ男は指差して見せた。

「ここの表示が出無い場所だと、役に立たないのよこれ。
 こっちの表示が無くなっても、やっぱり役立たずなのよね」

ついでバッテリーゲージも指差す。

「人間ってなんでこんなもの有難がって生きてるのかしらね。
 ……本当に幸せなのかしら、それで」

ぽつりと、どこか寂しそうにオネェな男はつぶやいた。

「…あらやーだ、湿っぽくなる気はなかったのよぉ。ごめんなさいね」

携帯電話を返しながら、男はけらけらと笑った。

8大蜈姫:2011/05/01(日) 03:08:09 ID:???
>>7
つまり……ここじゃあ何の意味もないってことかい
……やれやれ、それじゃあ一体、どの辺まで行けばいいんだい?
まさか、人間の町までわざわざ出なきゃ使い物にならないなんて馬鹿な話はないだろうね?

【はぁ、と再びため息】

ま、何が幸せで何が不幸せかなんてこたぁ、他人様のことだから好きにさせてやりゃあいいさ

……こちらに迷惑がかからなけりゃあ、ね
【険しい目で、街の方角を見つめて呟く】

おや、気にしないでおくれ?
あたしゃじめじめしてるのは大好きなんだ
仮にそこが、お天道様からそこだけ隔離された日陰だったとしても、ね

……ところでアンタ、何者なんだい?
見たことがないか、以前どこかで見たけれど忘れちまったのかは定かじゃあないんだが

9鹿南:2011/05/01(日) 03:15:14 ID:???
>>8
「この表示がでる場所でならつかえるわ。
 街に近づかなきゃならないけど、街の周辺でも何とかなる場所はあるんじゃないかしら?」

オネェな男は首を傾げつつ答えた。
そして何者か、と問われてはた、と初めて気づいたように、慌てた。

「嫌っだーぁ!
 あたしってば初対面なのに名乗ってなかったわねそういえば。
 あたしは鹿南(シカナ)。ガンゴジの鹿南よ」

よろしくねっ、と鹿南はウインクしようとしたが、片目だったのでイマイチ上手くいかない。
大蜈姫からは単に目を瞑ったようにしか見えなかった筈だ。

10大蜈姫:2011/05/01(日) 03:28:39 ID:???
>>9
そんなんじゃあ、直接会いに行くのと大して変わらないじゃあないかい!
全く、あいつはそんな物をあたしに持たせたのかい!
【天を仰ぎ、顔を覆う】

鹿南かい、突然変な頼みごとをしちまって、悪かったねぇ
あたしは大蜈姫、この辺の百足の首領のようなものだとでも思ってくれりゃいいさ

……しかしアンタ、その包帯はイマイチ決まらないねぇ、一体どうしたんだい?
ああ、言いたくないことだったら、無理して言わせるつもりはないが

11鹿南:2011/05/01(日) 03:41:17 ID:???
>>10
「大蜈姫さん?百足の首領なのね。気にしないでいいのよ、この位お安い御用だし」

確かに直接会いにいける距離なら、こんなよく判らないものを弄り回しているより
そのほうがずっと早そうだ。

「この目?ああ、ちょっと娘可愛さに送り狼に喧嘩吹っかけてねぇ。
 ほら、あたし鹿だからさ、狼とは仲が悪いのよ」

相撃ちだったから、またの機会にきっちり決着つけなくっちゃぁ、と鹿南は笑った。

「そうだ、娘を迎えに行かなくっちゃならないんだったわ。
 あたしの住む山はこの一つ峠越えた先なの。大蜈姫さんとはまた会うこともあるかしらね」

すっかり子煩悩な親の表情で、オネェな男はいそいそと立ち上がった。

12大蜈姫:2011/05/01(日) 03:49:31 ID:???
>>11
仲が悪いというより、天敵じゃあないかい……暢気なモンだねぇ
【鹿南の態度がおかしくて、ついにんまりと笑う】

はーん、その娘ってのも、アンタみたいにオカマじゃあなかろうねぇ? それともオナベかい?

いやいや失礼、アンタを馬鹿にするつもりはないよ
あたしだって、誰もいない山ん中で人間の格好をしている、奇妙な百足さ

ああいってらっしゃい、その送り狼に、あんたの娘が襲われないようにしておやり

13鹿南:2011/05/01(日) 03:56:33 ID:???
>>12
笑いながら顔の前でぱたぱたと手を振る鹿南。

「いやぁねぇ、姐さんてば冗談きっついわハハハハ。
 生まれた時から他に牡が居なくてこういう言葉遣いに育ったけども、
 あたしは別にオカマじゃないし、娘にもオナベは居ないわよぅ?」

否定する、その仕草が十分オカマであるが。

「じゃ、あたしはこれで失礼するわねー。大蜈姫の姐さんも、ごきげんよう」

ひょい、と藪を潜り抜けて、オネェな男は大きな金毛の牡鹿に変わる。
その大きな角が茂みの向こうへ揺れながら次第に小さくなってゆき、
後には仄かな麝香の香りが残るばかりだった。

14零&黒龍:2011/05/07(土) 21:58:34 ID:BQ990e1A
「ここで戦闘有…っと。」

『零、このところ騒がしくないか?』

「主が決まってからだよ。あちこちで戦闘が勃発してるし。」

紺色の制服を着た少年と、ゆったりとした黒の服の青年。
その二人は山奥でとある調査をしているところだった。

「…誰かいる。」

15飛葉「」&夢無『』:2011/05/07(土) 22:05:58 ID:SmXQZqJk
>>14
草木に紛れた2つの人影。
片方は老人、もう片方は女性のようだ。

「ああ、夢無さん。その草は薬草ではありませんよ。」

『え?これですか?』

「ええ、良く似ていますが、それは毒草なのです。」

『ええ!?そうなんですか?危なかった…』

どうやら、薬草を採っている様子だ。

16夜行集団:2011/05/07(土) 22:13:04 ID:ajFsrEio
>>14
茂みからもう一つ、人影がガサガサと音を立てながら現れた。
銀髪のその髪の毛に引っかかった枝を頭を振って払うその男の顔は、
いつもの乳製品とセットにあった笑顔が無くなっている。

「おう、零じゃねえか」

しかし不機嫌そうな顔が零の姿を見た事で少し緩らいで、その全身から出る怒気はなくなった。
主に関しての調査でこの山ヘ訪ねたのだが、普段から情報を彼にくれている零がいるのなら都合が良いと、
この渡りに船の状況に少し気分が良くなったからだ。

「なんだ?
 お前も先日の事についての調べもんか?っていう」

>>15
零に話しかけたホストの横で薬草摘みにいそしむ二人。
その事には本人も気付いていた為、そちらの方にちらと視線をやる。
話の内容が零によっては機密につながる恐れもあるので。
その為たとえ一般人でもこの会話が聞かれるにはいかず、零にアイコンタクトで茂みの方を示す。

17零&黒龍:2011/05/07(土) 22:22:42 ID:BQ990e1A
>>15
「……(危険度は低いです。ただ油断はしない方が…)」

妖気を感じ取ると草木をかさかさと探ってみた。
薬草を取るその光景を見ると、少し安心したかのようにハァと一息。

>>16
「虚冥さんこんばんは。この山に興味があって調べ物です。」

興味があって、などとは嘘である。
一般人が居るのに、そんなことを言えるわけがないからだ。

また、色々な理由で「お兄ちゃん」とも呼ばなかった。

18飛葉「」&夢無『』:2011/05/07(土) 22:28:43 ID:SmXQZqJk
>>16
老人の方は、その存在に気づき何か情報を得られないかと聞き耳を立てた。
女性の方はというと、薬草採りに夢中である。


>>17
『だ、誰ですか…?』

女性は草木を探る音に気づき、警戒というより怯えた感じで言った。

「恐らく危険性はないでしょう。そう怯える必要はありませんよ。」

老人は、怯える女性に優しく言った。

19虚冥:2011/05/07(土) 22:36:23 ID:ajFsrEio
>>17
「調べものかっていう。お前は本当に真面目だな。
 どうだ?レポートがA評定になりそうな面白いもんは見つかったか?っていう」

零がオブラートに包んだ返答で返してくれたため、虚冥も安心して質問を続ける。
説明は不要かもしれないが、レポートとはこの場で起きた出来事の情報、である。
彼の年齢的にもそういった無いようにした方が誰にも怪しまれないという配慮だった。

>>18
彼ら二人からは若干妖気を感じるところがあるが、見たところ女性は怯え、
老人の方にぎすぎすした敵意は感じられず、ただの山菜客だという事にしておいた。

「ああ、すまんすまん。
 学友と思いもよらん場所であったもんだから話に花咲かせてたところだっていう。」

その為彼らへ話しかける態度は敵意も何もない、
どこかしらのホストだと思ってしまうような凄みの全くないものである。

20零&黒龍:2011/05/07(土) 22:43:33 ID:BQ990e1A
>>18
「私は零、この二人は友達なんだ。」

安心させるように、軽く説明。
向こうが妖怪かどうか分かるまでは人間の振りをしてみることにした。

「ところで、何をしていたんですか?」

>>19
「レポートは苦手なんですよ。

とりあえず沸き水のPHを測定しようかなと思ってたんです。」

違和感もほとんどなく、普通の人間ならばばれない筈である。
虚冥と自分の見た目の差が少しあるのはおかしいと思われるかもしれないが…。

21飛葉「」&夢無『』:2011/05/07(土) 22:51:57 ID:SmXQZqJk
>>19
「学生さんですかな。若くてうらやましいですな。」

と、笑ってみせた。
しかし、妖気に気づいていたため頭の中では

飛葉(人間の元で暮らす妖怪も多いはず。おかしい事ではありませんな。噂くらいは、聞けそうですがね。)

と考えていた。


>>20
『私は、夢無と申します。宝ぎょ…』

宝玉院家の使用人と言いかけた所で、飛葉が口を挟む。

「私は、飛葉。怪我をされた家族のために、薬草を採っていた所です。」

正直に話す。情報収集の事は一切言わないが

22虚冥:2011/05/07(土) 22:57:42 ID:ajFsrEio
>>20
ホストと学生、確かに傍から見て珍妙な光景であると言うざるを得ない。
しかしそのホスト姿の虚冥の後ろ姿には、人生ってのは色々なんだよと言っているかのような雰囲気が漂う。
勿論嘘なのでドロップアウトした友人と学生の再開とかではない。

「phな、そんな感じにとりとめない事で埋めつくしゃあ大体がAくれるんじゃね?
 例えば他にもこの周辺に生息する生物とかな」

他愛の無い会話で返す虚冥の目が、言い終えてから少しキラッと光る。
それはここから聞きたい事があるという合図で、できれば意味をくみ取って欲しいというものであった。

「そういや耳づてに聞いたけど、この前ここらへんで縄張り争いしてた珍しい生物がいたって聞いたんだけどな、
 お前なんか知ってる事無いか?っていう」

>>21
飛葉の話にぷっと吹き出し、右手を頭近くでふりながら彼の話を否定する。
その仕草も理由も何もかも嘘だが、嘘や本当の使い変えが基本のホストの彼がやると、
まったくそれに嘘も何も混じっていないように感じさせた。

「学生つっても俺は中退したけどなっていう。
 この隣の零はまだ真面目に生徒やってるからこの通り変な所までレポートの為に来てんだ。」

23零&黒龍:2011/05/07(土) 23:07:24 ID:BQ990e1A
>>21
「でも学生って大変なんですよ。

毎日勉強に追われながら課題をやったり、早寝早起きとか…。」

もう駄目、と言うようなしぐさをして場を和ませる。が、

「(…絶対に気づいてる筈。でも下手に教えない方がいいかな。)」

と、警戒している。

>>22

「それが多分ばれるんです、理科の先生とかに。」
「ああ、そのことなら既にレポートに書いたんです。

でも、先生には恥ずかしくて見せられないんです。見てみますか?」

レポートの紙を差し出す。勿論、珍しい生物とか微笑ましいことは書いていない。
内容はとても細かく、色々なことが分析してあるのが分かるだろう。

24飛葉「」&夢無『』:2011/05/07(土) 23:18:26 ID:SmXQZqJk
>>22
『あの…もしかして、学校って人間と一緒なんですか…?』

人間を恐れる夢無からの発言。人間の味方だったら怖いなと思っている。
飛葉は、夢無が余計な事をしないか心配しているようだ。


>>23
「その大変な時間も、学生の頃にしか体験できないものだと考えると価値のある物だと思いますよ。」

と、話を合わせる。

「ほぅ。レポートですかな。もしよろしければ、私に見せてくださいませんか?
実は私、昔教師をやっていましてな。」

もちろん嘘。相手の警戒にも気づき、怪しんでの行動だ。

『えっ?そうだったんですか?初耳です!』

夢無は、信じてしまっている。敵を騙すにはまず味方から?

25虚冥:2011/05/07(土) 23:26:24 ID:ajFsrEio
>>23
「マジで?俺の担任はそこのチェック緩々だったけどなっていう」

めんどくさい担任に当たったなと笑って彼のレポートを受け取り、ざっと目を全体に通す。
虚冥の期待通り零はしっかりと調べてあり、虚冥の意識しない所でニヤッとさせるほどに、
完璧なまでの情報がそこに詰まっていた。

窮奇が主になったのは間違いの無い事実だという事、
れいんという妖怪がその窮奇の為に暴走を初めているという事、
紫狂の一角が夜行集団のリストに入っていた名前の妖怪に崩されていたという事などなど。

「俺にはまったく理解できんねえ、これなんで提出に二の足踏むんだよっていう」

隣から飛葉が話に入ってきたので少し虚冥は困った顔になる。
どうする?と零に目で問いかけるが、場合によってはその紙の下にあったダミーを渡す気だ。

>>24
「あ、妖怪ってばれてた?」

しらじらしく嘘をつきながら虚冥は視線を零や飛葉から夢無に移す。
見た様子から窺える事だと、彼女は人間を強調し怯えているので人間に対して恐怖があるようだ。

「そうだけど?
 お化けの学校なんて行ってもどうしようもなくねっていう」

だから虚冥は彼女を恐がらせる事でこの話に入ってくる事を阻もうとする。

26零&黒龍:2011/05/07(土) 23:43:11 ID:BQ990e1A
>>24-25
「あれ、やっぱりばれてましたね♪

私たちも貴方方と同じ妖怪なんです。」

夢無の話から完全にばれていたのが分かったため、ネタばらし。

そして、レポートの件。虚冥が困った顔で見ているのを感じると、笑顔で飛葉と話した。

「実は、最近色々な噂が流れてるじゃないですか。それで調べに来たんですが…。

私は力もないし、弱いし、鈍感なんで情報が全く手に入らないんです。

貴方が知ってる範囲でいいので、少し教えて欲しいのですが…。」

そう言って、もう一枚の紙を渡す。
それは誰から見られても言い様な完璧なダミー。妖怪ならほとんどが知ってるようなことしか書いてない。
そして弱いと強調すれば、自分の存在を周囲から知られないように出来るからだ。

27飛葉「」&夢無『』:2011/05/07(土) 23:54:30 ID:SmXQZqJk
>>25
『に、人間のことはどう思ってますか…?』

恐る恐る聞く。
飛葉は、夢無の行動に注意を向けた。


>>26
「ほほぅ。噂とは、百鬼夜行の主が決まったというものですかな?」

『絶対におかしいですよね。百鬼夜行の主になるのは三…』

「ええ、おかしなとんでもない者が百鬼夜行の主になったと聞きました。」

夢無の発言を顔色一つ変えずにごまかす飛葉。
夢無は、悲しそうな顔をしている。

28虚冥:2011/05/08(日) 00:01:56 ID:ajFsrEio
>>26
虚冥はこの場合の零の話術に期待して、彼の手助けにはなっても、
邪魔にはなるまいと事の成り行きを黙って見守る。

そして見守る一方で、零が飛葉に見せていない方の紙、
つまり重要項目がたんとつまった用紙を彼等に気付かれないためにそっぽを向きながら
小さく四つに折りたたんで胸ポケットにしまおうとした。

>>27
夢無の質問にむむ、と唇をとがらせて考え込むようなそぶりを見せ、
少し眉をひそめて話し出す。

「人間は強欲だっていう、って言っても俺もとは人間だからな。
 偉そうなことは言えねえけど、たいして敵視も何もしてねえな今は」

そして飛葉の方に向き直って虚冥は先ほどから気になっていた事を聞く。
ざっくりと、単刀直入に聞く。

「さっきからほう、とか、さん、とか言ってたけど、
 お前らあれか?あの宝玉院の息子の知り合いか?」

29零&黒龍:2011/05/08(日) 00:09:14 ID:BQ990e1A
>>27-28
「宝玉院…?(やっぱりね。)」

虚冥が聞いてくれたので、こちらから言う手間が省けた。
とは言いつつ、自分達の存在をさらけ出さぬよう、知らぬふりをする悪い子。

「先程から思ってたのですが、そちらの女性は何か言いたそうな気がするんですが…

気のせいだったらごめんなさい。」

30飛葉「」&夢無『』:2011/05/08(日) 00:18:17 ID:SmXQZqJk
>>28
「もう、隠すのも限界ですかな。ええ、私達は宝玉院家の使用人をしている者です。
あなた方を危険性がないか確かめておりました。ご無礼を申し訳ありません。」

深々と頭を下げた。

『元…人間…』

若干怖がっているものの、人間の味方という訳ではないようなので少しは安心した。


>>29
「あなた方を危険性がないかどうか確かめていたので、私達の身分は隠すようにしておりました。
失礼な事してを本当に申し訳ありません。」

再び頭を下げた。

『え?危険性?』

夢無は、いまだによくわかっていない。

31虚冥:2011/05/08(日) 00:25:07 ID:ajFsrEio
>>29>>30
「そうか、じゃあちょっと聞きたい事があるっていう」

飛葉が観念し、自身の身の紹介を始めたため虚冥は踏み入った質問に繋げようとした。
それは以前十夜から聞いた宝玉院という知るものが知る名家、
その中で主を目指す妖怪の事。

「お前らの所に三鳳っていう奴がいたよな?っていう。
 俺は以前にあいつが主を目指していたと聞いていたんだが、
 主決まっちまっただろ?それでそいつはどうしてるかが気になったんだよ。」

32零&黒龍:2011/05/08(日) 00:29:46 ID:BQ990e1A
>>30
「いえ、こちらこそ人間のふりとかして申し訳ないです。」

いや、まだ隠していることは隠している。
今は弱い妖怪として通っていればいいが、三凰を通した場合、完全にアウトだ。

>>31
「(そう言えばそうだったなぁ。

あの子に怒られたんだっけ。)」

地味に嫌なことをして、怒られた覚えがある。
そんなことを思い出しながら話を聞く。

33飛葉「」&夢無『』:2011/05/08(日) 00:40:15 ID:SmXQZqJk
>>31
「三凰坊ちゃまをご存じでしたか。
三凰坊ちゃまは…」

『百鬼夜行の主が決まったとしても関係ない。奪い取るまでだ――百鬼夜行の主の座をな!
って言ってましたよ。かっこよかったです。』

飛葉がどう言おうか迷っていた所、夢無が三凰のモノマネをしながら全てを伝えてしまった。

「はは…夢無さんが言うとおりです。」

苦笑いで飛葉が言った。


>>32
「いえいえ、悪いのは私でございます。どうか謝らないでください。」

申し訳なさそうな表情。全て信用した訳ではないが、謝罪の気持ちは本物だろう。

34虚冥:2011/05/08(日) 00:52:12 ID:ajFsrEio
>>32
自分が三鳳の名を出した時に少し肩をすくめたように見えた零に、
虚冥はこいつとそいつの間になにがあった?と、また聞きたい事が増えてしまっていた。

しかしその事に気を使っている暇はないと思いなおし、
すぐに飛葉に視線を戻して彼の一挙手一投足になにかないかと目を光らせる。

>>33
見る所飛葉は年の功というべきか、油断できないものを感じた虚冥は
彼が嘘などはつかないかと少し神経を尖らせていたが夢無のおかげで、その行為の必要性は皆無になっていた。

―奪い取るまでだ―

ニヤッと夢無のいった情報に口角が上がる。
しかしそれを覚られるまいとすぐに表情をさきほどの特別何も考えていないような軽薄なそれに戻した。

「(そうか・・・これなら俺が焚きつける必要は無くなったって事だっていう・・・
  願ったり叶ったりだぜホント)」

先日行った夜行集団の新しい主についての態度を決定する際、
虚冥と天狗はもちろん革命を起こすという提案をしていたが結果は傍観。
勿論彼にも窮奇のなり方が、まだ抵抗勢力のいるままにその座に就いた事で
大量の反発が起こるであろうことは想像できていたがやはり姫の身を案じれば、潰すのは早い方が良いのだ。
しかし彼等の意見はそう思っていなかったため、
虚冥は夜行を動かす事を諦め、周囲の妖怪に革命を促す事に決めていたのだった。

「お宅の息子は威勢がいいな。
 俺らみたいな弱い妖怪からすれば、あの窮奇とかいうのは恐怖その者だからなっていう。
 打倒してくれるに越したことは無い。」

35零&黒龍:2011/05/08(日) 01:05:27 ID:BQ990e1A
>>32-33
「そうですよね。

心を読めるって聞いたことがあるので私たちがあがいたところで無理です…。

その三凰さんって言う方に早くなって欲しいな。

(でもなぁ、前の仕返しとか喰らいそうで怖いんだよね。)」

虚冥の話の内容を掴み、一人で納得。
【潰してくれる者】が必要と言うこと。

「さてと、私たちはもう少しこの山を散策したいので失礼します。

虚冥さんも死なないでくださいね。」

絶対に死ぬはずがない。しかし、こうでも言わないと…ばれる。
最後まで嘘を付いた悪い子+αは山奥へと足をはこんでいった。

/絡み乙&ありがとうございました!

36飛葉「」&夢無『』:2011/05/08(日) 01:18:41 ID:SmXQZqJk
>>34
「それがですな。三凰坊ちゃまは、現在お怪我をなされていましてな…」

『三凰様…いったい誰にやられたんでしょう。まさか…主になった妖怪…!?』

飛葉(それは恐らくないでしょうな。もし、主になったような妖怪が相手ならば生きて帰ることはできないでしょう。
あの何かに締め付けられたような傷跡…恐らくは蛇でしょうな…それも並大抵の妖怪ではない、強大な…)

心配そうな表情を浮かべる二人。


>>35
「使用人の私が言っていいことではないかもしれませんが、三凰坊ちゃまはまだ未熟。
ですが、あの方の息子。いつかは、百鬼夜行の主につくと信じております。」

飛葉は、三凰を信じている。自分を助けた二仙の息子だから。

「心を読める…ですか…なんとも恐ろしい…」

真実かわからない。だが、有力な情報だ。

『あの…ひょっとして、私が思っているよりも大変な事が起きているんじゃ…』

不安げな表情を見せる夢無。

「大丈夫ですよ。三凰坊ちゃまも二仙様もおられます。」

それを安心させるように飛葉が話す。

「本日は申し訳ありませんでした。あなたもおきおつけください。」



/乙でした。絡みありがとうございます。

37虚冥:2011/05/08(日) 01:23:22 ID:ajFsrEio
>>35
隣で自分に話を合せてくれる零が、思っていた以上の演技で繰り出してきたので
虚冥はこれならバレる事は無いだろうと零の実力に感心していた。

「ああ、できる限りバレないようにこっそり生き延びてやるっていう」

去っていく零の態度を見れば、
これからなにもなければ自分の焚きつけに手伝ってもらおうと言うつもりだったが、
どうやらその必要もないようで、さらに満足した。

>>36
しかしその知らせによって少し虚冥の眉間にしわが出来る事となった。
せっかくまた一人焚きつけられたと思っていたところに彼の怪我である。

「む・・・それなら仕方ないか・・・」

できればがっかりした様子が覚られないようにしながら、
虚冥は彼の父親について思い出す。

「そうだっていう!!
 そういえば三鳳の父親に強力な妖怪がいただろ?っていう。
 あれはこの事についてはどう思っているんだ?」

38飛葉「」&夢無『』:2011/05/08(日) 01:41:24 ID:SmXQZqJk
>>37
「夢無さん…ちょっと、向こうまで薬草を採ってきて貰えますかな?」

『は、はい。わかりました。』

この話は夢無を不安にさせかねないので、離れてもらう。夢無の姿が見えなくなった後、口を開き。

「二仙様は、戦いの準備をしておられます。二仙様は、こう仰いました。
これは、百鬼夜行の主決めの戦いなどではないかもしれない。最悪、全ての妖怪…いや、全ての生命を巻き込んだ戦争になるかもしれないと…
それほど、強大で邪悪な存在が主になったと考えております。」

その表情に危機迫るものがあった。

39虚冥:2011/05/08(日) 01:49:26 ID:ajFsrEio
>>38
「生命の戦いねえ・・・」

飛葉が真剣な面持ちで話し始め、こちらの話すトーンも自然に下がる。

「そうか・・・俺としてはその二仙というのが動いてくれれば問題ないんだっていう。
 しかし・・・生命・・・恐いなっていう、余計に外歩けねえよ。」

飛葉という者の言いようでは嘘を混ぜた雰囲気は無いので虚冥はその事を信じることにした。
そして欲しかった二仙が動くという事実に虚冥は思いがけず笑ってしまった。
笑ったといっても爆笑ではないが、思いがけず口からふふふと息が漏れてしまった。

「・・・!!
 と、とりあえずそんな方が動くなら俺は安心だっていう!!
 窮奇に見つかると恐いから俺はすぐ帰るっていう!!」

危うく自分の策が露呈しそうになったため逃げ出そうと虚冥は立ちあがった。
そして手を振りながら走り去っていく。
/僕もこれで落ちます!!ありがとうございました!

40飛葉「」&夢無『』:2011/05/08(日) 02:06:45 ID:SmXQZqJk
>>39
「安心はできませんよ。二仙様でも適うかわからない。戦いに参加出来る者が総力を尽くさねば勝てないかもしれません。そう、戦える者が…
それでは、おきおつけください。」

と、去って行く虚冥を見送った。

『採ってきましたよー!』

しばらくして、薬草を抱えた夢無が帰って来た。

「ありがとうございます。夢無さん…って、毒草が混ざっていますな。」

『え?そ、そんなぁ…』

「大丈夫ですよ。私が取り除きますから。」

『すみません…』

飛葉は、毒草を取り除きながら思った。

飛葉(心を読める妖怪、窮奇…やはり、とんでもない者のようですな…)

宝玉院家の警戒態勢は続く。


/乙でした。絡みありがとうございます。

41黒児:2011/05/13(金) 20:31:54 ID:8w5oeMbU
本スレ>>153
「へー、牛が神様なのか」
「美味そうな神様だな」

牛だけで感想が「美味そう」となる、食欲だけで物を考えてるんじゃないのかと思われるレベルだ
もっとも、そう思われても殆ど正解だが

「ふーん、毒の塊か…喰っても耐えられるかな…」

毒の塊だとしてもとりあえず喰う事を考える、毒は二の次らしい

「…つーか、誰だお前」

暫く考えてからようやく女性に気付いた、鈍い

本スレ>>154
「ああ、あいつが姫か」

近くにいる黒蔵が女性を姫と言った事でやっと彼女がその姫と気付く

「おいお前、お前も毒があるのか?お前も美味そうだが」

肉を鋭い歯で食いちぎりながら黒蔵に問い掛ける
というか内容からして、下手な回答をすれば危ない質問だ

42巫女軍団+姫:2011/05/13(金) 20:49:42 ID:c1.PBF/s
本スレ>>154>>41

姫「毒くらいは平気よ。私の身体にただ蓄積されるから」
黒蔵に向かい、ニコリと微笑み、ウィンクする。

姫「私を食べるなら、死んじゃうわよ」
巫女A「……っていうか、今姫の存在に気付いたのね」
巫女B「ハハハ…」
巫女たちは呆れながら黒児を見る。

姫「さ〜て…今日は宴よ!面白そうな妖怪が二匹も来たからどんどん食べるわ!」
そう言うと他の巫女達が料理やら酒やらをどんどん貴方達の前に持ってくるだろう。

巫女C「まったく…また姫の気まぐれかのう?」
セツコ「まあまあ、いいじゃないですか?」

さあ…本日は姫さまの気まぐれにより宴会が始まった。

コレは恐らく、夜になるまで続くだろう。

牛神神社は今日も平和だった。

/では、このような感じで締めます。
/お二人ともお疲れ様でしたー
/お付き合いいただきありがとうございます

43黒蔵:2011/05/13(金) 20:55:32 ID:???
>>41
お前も美味そう、と言われてんっがっぐぐ、と喉に食べ物を詰まらせかけた黒蔵。
喋れないので黒児への返事はコクコクと首を立てに振った。

(怖い、あの人目が怖いマジだ)

ある、と言っておけば喰われなくて済むかもしれない、と思ってのことだ。

妖力が欲しければまた別なのだが、単純に美味いかどうかで言えば、多分
肉質は蛇よりワニのほうが美味いと思う。

>>42
そして次々と持ってこられた食べ物と酒で腹が膨れて、
先ほどとは違う意味で動けなくなってしまった蛇だった。

(喰いすぎた…動けない…)

44黒児:2011/05/13(金) 21:11:38 ID:8w5oeMbU
>>42>>43
「ふーん…どっちも食えないのかー…」
(でも、俺が毒平気になれば…)

もぐもぐむしゃむしゃ、大量の飯をまるで吸い込むように食べながら姫と黒蔵を残念そうに見る
美味しそうならとりあえずいつか喰ってみたいな、そう考えながら

(賑やかなのはあまり好きじゃないんだけどな…)

でも、まあ、飯も食えるし
これでいいか、と、宴会の輪でひたすら食う鰐がいた

45夜行集団:2011/05/27(金) 20:37:03 ID:ajFsrEio
繁華街の中心、そこから若干外れたとは言え未だに賑やかなそこの場所に、
洋館なのか日本館なのか、その判断をとても微妙なものにさせるソレは建っていた。
しかし館の端と端では洋と和が交じり合わず、しっかりと西洋然としていて、日本然としている。

そしてそこの日本館の方に彼は居た。
居させられたと言うべきか、それとも意思がないので置かれていたと言うべきか、
それでも彼はその部屋にあった。

46露希:2011/05/27(金) 20:43:57 ID:HbHPxpxY
>>45
意思・・・と言うよりは、本能でそこにやって来たと言うべきだろう。

大切な恋人を解放する為に・・・。その少女はやって来たのだ。

何も言わず、その館の扉を開ける。

47:2011/05/27(金) 20:54:07 ID:SmXQZqJk
>>45,>>46
「露希…私も連れていってくれ。」

不意に瞳が後ろから声をかける。
瞳には、何が起こったかわからない部分も多い、だが親友が何か重大な事をしようとしているのはわかった。

「頼む。」

やはり、親友のことが心配なのだ。

48夜行集団:2011/05/27(金) 20:56:34 ID:ajFsrEio
>>46>>47
彼女が入った先には、意思どころか体も命も、さては時間も止められた氷漬けの氷亜が見えるだろう。
その巨大な氷塊の傍らに立って、この封印が解けないように冷気を送りつづけている彼は、
下山した氷亜を雪山からわざわざ付いてきた忠義心の熱い彼の部下であった。

〔・・・?
 あなたはどなたですか?ここには入ってはいけないと誰からも言われなかったのです?〕

しかし彼は露希との接触はしておらず、今この状況が、
それはそれはおかしく、氷亜にとっては狂おしいほど望んだ光景と言う事を知らない。

そして露希の妖気を感じたのか、彼の封印が若干和らいだからか、
それは微かで小さかったが、氷亜の鼓動が聞こえた気がした。

49露希:2011/05/27(金) 21:02:18 ID:HbHPxpxY
>>47
何も口には出さなかった。いつもならば、明るく振る舞い親友にも喜んで話しかける彼女が。

ただただ、氷亜を助けると言う意思を貫こうとした。
>>48
露希は彼を無視し、少しずつ氷亜に近づく。

それがどれほど危険かも分かっているはずなのに。

少しずつ少しずつ・・・

50:2011/05/27(金) 21:11:30 ID:SmXQZqJk
>>49
「露希…あなたの答えが何であろうと、私はあなたを見守るからな。それが親友だからな。」

露希の様子を見て、やはりただ事ではないと実感した。


>>48
その部屋の前で足を止め、中を覗いた。

「…!これは……!そうか、露希は彼を…」

なぜ、氷亜がこのような状態になったかなどわからないことはまだあるが、瞳は露希の目的を理解した。

51夜行集団:2011/05/27(金) 21:15:28 ID:ajFsrEio
>>49
瞳がみた氷亜の光景から、また事態が急変する。
彼にとっては不審者の侵入による緊急事態であり、
露希にとってはそのゆく手に邪魔をするであろう妖怪がいるからだ。

「いけない!!それ以上は危険です!!」

露希が氷亜の救い主になるとは到底知らない彼は、咄嗟に氷亜と露希の間に体をいれて、
彼女の行く先を通せん坊する形となった。
氷亜の封印は他のものが受け継いだので突発的な解除はないが、
それでも彼程度の実力では、天使の露希には勝てないかもしれない。

「これ以上、氷亜さんを辛い現実で傷つけるな!!」

彼はその姿を白い毛並みの雪狼へと変え、露希にその牙を持って襲い掛かる。


/スイマセン、次かその次のレスは少し送れるかもです。

52露希:2011/05/27(金) 21:22:41 ID:HbHPxpxY
>>50
その言葉を聞き、うっすらと笑う。力無い笑顔で。

瞳は、露希の心許した親友。きっと彼女の言葉で露希を救うことは出来るだろう。

>>51
警戒することもなく、戦おうともせず、話そうともせず・・・近づきにいく。

例え腹を噛まれようと、腕が契れようと、生きている限り近づくだろう。

それだけ・・・彼を助けたいのだから。

/了解しました。

53:2011/05/27(金) 21:34:30 ID:SmXQZqJk
>>52
「露希……」

それ以上の事は言えなかった。その力無い笑顔に不安を隠せなかった。
だけども、露希に悲しい思いはさせたくない絶対に。そう思い口を開き

「がんばれ。露希なら絶対に助けられるさ。」

笑顔で言った。


>>51
「露希!危ない!」

とっさに叫ぶ。しかし、助けはしなかった。露希が一人でやらなければいけない事だと思っていたからだ。

54夜行集団:2011/05/27(金) 21:36:18 ID:ajFsrEio
>>52>>53
彼の目標は露希の肩であった。
その鋭く、天使には負けるかもしれないと言っても実力者な彼の牙は、
露希のその柔らかな肉に難なく食い込み、そこから露希の血を流させた。

そんな氷亜が見たら激昂どころではすまない状況でも、彼は今凍っているためその心配もない。

「お前はなんのために氷亜さんを解放する!!
 この方は今到底生きていけるような精神状態じゃないんだ!!
 開放して氷亜さんが喜ぶとでも思っているのか!?無理だ!!今あの人は!!」

そして氷亜を思って涙目になった彼は、肩に食らいついたまま露希を床に押し倒し、
これ以上進めさせないように馬乗りで拘束した。

55露希:2011/05/27(金) 21:46:24 ID:HbHPxpxY
>>53-54
「んくっ・・・」

床へと滴る赤い血。牙の食い込んだところから溢れるように出て来た。

「なぜ、彼があのようになったか知りたい。相談してあげたい。私は彼を助けたい。」

純粋な気持ちだった。
本能か意識が言ったのかは分からない、けどその言葉には強い想いがあった。

56:2011/05/27(金) 21:53:33 ID:SmXQZqJk
>>54,>>55
「露希…」

露希だけではなく、露希に噛みついている彼もまた氷亜を大切に思っていることがわかった。
瞳には、どちらが正しいのかわからなかった。
だけど、瞳にもわかることはある。大切な存在には、幸せになってほしいということと、大切な存在が傷つくところは見たくないということだ。
この二つがわかったからこそ、瞳は正しい方がわからないのだろう。

57夜行集団:2011/05/27(金) 22:18:28 ID:ajFsrEio
>>55>>56
彼の耳元で、露希のその混じりけのない純粋な思いのこもった言葉が告げられた。
その誠実な雰囲気に、彼はその食らいつかせた牙をパッと離し、
しかしそれでも馬乗りになった状態で露希と目を合わせる。
涙目で恥ずかしいなどと今思っている状態ではなく、ぽつりぽつりと涙が露希の頬に落ちた。

「氷亜さんには・・・今までにないくらいに愛した方が居た・・・
 僕は見たこと無いけど・・・それは美しい方だったらしい・・・
 氷亜さんも・・・

―僕は彼女を、雪花や僕がそうできなかった事を、雪花のしたかった分まで愛している―

 と・・・でもその方は・・・その方は・・・」

そして言葉に詰まりただすすり泣く声だけが彼から漏れた。

/ただ今戻りました。迷惑掛けてスイマセン

58露希:2011/05/27(金) 22:30:03 ID:HbHPxpxY
>>56-57
「貴方も、氷亜さんのことが大好きなんですね・・・。」
露希は、倒されたまま話した。

「私にも、好きな人がいました。彼は純粋に優しくて、とても私を思っててくれました・・・。ただ、彼は今、凍りつき孤独な状態・・・」
「せめて、彼を助け出すまでが私のするべきことなんです。だから離して。」

とくとくと、血は床いっぱいに広がっている。それでも、苦しい顔を見せなかった氷亜を思う気持ちがそうさせたのだ。

59:2011/05/27(金) 22:35:50 ID:SmXQZqJk
>>57,>>58
(露希…あなたの気持ちきっと伝わるさ。)

見守ることしかできない。だけど、それはきっと意味のあることそう信じ瞳は親友を見守り続けた。

60夜行集団:2011/05/27(金) 22:37:18 ID:ajFsrEio
>>58>>59
「当たり前だあの方は・・・」

と途中まで言った言葉を切って、彼は露希の体からおりた。
まさか、そう言いながら後づさる彼はその体を人間へと化かさせ、
ずるずると氷亜の氷の方へと近づく、顔からさっきまで殺気と共に上げていた血の気を引かせながら。

「あ・・・あなたが露希さんなので・・・すか・・・?」

途切れ途切れに言う彼の声は、徐々に自信のなさそうにフェードアウトさせていった。

61露希:2011/05/27(金) 22:45:55 ID:HbHPxpxY
>>59
(瞳・・・ありがとう。)

口には出さなくとも、感謝していた。

暖かい視線を感じながら、やるべきことをやろうと思った。

>>60
「・・・私が露希イノセント。本物の・・・。助けたら氷亜さんから身を退こうと思う。だから少し時間を。」

方を抑え、再び歩きだす。そして、氷の前まで来た。
天使として、露希として、それ以前に氷亜の彼女として。氷に触れて、気持ちを伝える。

それは真似できない程、純白で純粋でイノセンスだった・・・

62:2011/05/27(金) 22:50:42 ID:SmXQZqJk
>>60,>>61
(良かった。助けられそうだな。)

きっともうすぐで助けられる。
瞳は、一安心したようだ。

63夜行集団:2011/05/27(金) 22:58:35 ID:ajFsrEio
>>61
彼は氷亜の封印の補助をしていた者を退かせ、氷への道を露希にる。
しかしそれでも何が起るかは、だれにも想像できない危険を伴っているため、
無礼失礼承知で二人の会合の傍らに、そっと彼は佇んで見守った。

露希がもし偽者であったら彼はどうするつもりだったのであろうか、
だがそれは心配する事ではない。
なぜなら既に露希の妖気を感じ取り掛けつけていた穂産姉妹が、部屋の外から監視しているからだ。
彼女達も流石に信じられなかったが、この奇跡のような状況に、
それが例え幻でも、騙されていたとしても、すがりつくしか方法は無かった。
彼も穂産姉妹新がなにもしないことから、この露希と名乗った女性は本物なのだと判断していた。

氷亜の氷が、露希のその白無垢の妖気を感じる。
すると封印がされていなかった事もあり、拘束が無くなった氷に
ビシッ
と大きな皹が入った。それは徐々に枝分かれし、全身に回ったとき。
シャリン、と軽い音を立てて崩れた。

>>62
瞳の横に立った雨子神。
その目は少し眠たそうな中にも、不安と少しの歓喜浮かべていた。

「あの雨子神は・・・本物なのか・・・?」

それでもまだ信じられない雨子神は、念の為に知り合いの瞳に真の程を聞いた。

64露希:2011/05/27(金) 23:17:03 ID:HbHPxpxY
>>62-63
「先程の私のことは、氷亜さんには内緒で。」

氷が割れる寸前、露希は言い放った。そして、自ら眼を閉じた。

氷が砕けた、そこに先程の露希はいなかった。居たのはあの純粋な笑顔の少女。
「ボク・・・氷亜さんのこと、ずっと心配してたんだよ・・・。」

涙目になりながら、氷亜に向けた笑顔はどこか懐かしい感じがする。

だって、ここにいるのは紛れも無い本物だから・・・

65:2011/05/27(金) 23:24:49 ID:SmXQZqJk
>>63
「つまり、以前露希の偽物が存在したということか?」

困惑気味に尋ねる。

「大丈夫だ。あれは、本物の露希だ。親友の私が言うんだ間違いない。」

言わなくてもわかる瞳への感謝の気持ち、そして氷亜への強い想い、間違いなく本物の露希だ。


>>64
「……」

黙って頷いた。

(良かったな。露希…大切な存在を助けられて…本当に良かった…)

露希をみていたら、自然と笑みがこぼれた。

66夜行集団:2011/05/27(金) 23:33:20 ID:ajFsrEio
>>64
粉々になり、まるでこの部屋をダイヤモンドダストや水晶のように飾る氷の破片が、
シャラシャラと清らかな音を立てながら落ちて行く。
そしてその氷から出で来た氷亜。
意識も無かった事もあり、今まで動かなかった事もあり、その体は力なく倒れこんだ。

露希の方へ。

氷亜が受け止められようとなかろうと、彼は体制の崩れた衝撃によって意識を取り戻す。

「(あれ・・・ここは・・・?
  ここは・・・どこだ・・・?
  
  ああ・・・そうか・・・勝ったんだ・・・だからこの部屋にいるんだ・・・
  でも・・・だとしたら・・・僕の体を支えてくれているのは誰・・・?)」

意識を取り戻したてで焦点がつかめず、目に光が無くボーっとした目つきで隣へと目をやる。
最初は何かわからなかった。次には誰かわからなかった。そして最後には。

「露希?」

>>65
瞳の返答に戸惑いどもった雨子神。
言うべきか悩んでいるのだ。露気は死んだと。露希は波旬によって死んだと。

「そ・・・そういうことではないんだけど・・・
 ただ・・・僕の記憶が正しければ・・・今ここに・・・露希はいてはおかしいはず・・・」

そうは言っても、露希の親友の彼女が言うのだから疑うにもいかず、
そうか、と、ただなにもいえないで居るだけであった。

67露希:2011/05/27(金) 23:46:14 ID:HbHPxpxY
>>65-66
「おっ・・・と。そう、ボクは露希。」

きゅっと抱きしめ形になるが、そっと受け止めた。と同時に暖かな感触が氷結亜を包む。
「氷亜さん、今回の件はすべてボクの責任なんだ。もし、ボクが氷亜さんと出会わなければ絶対にこんなことにはならなかった。」

「夜行の皆さんにも迷惑を掛けたし・・・ボクは居ないほうが良かったのかもね」

力無く微笑むと、そっと氷亜から離れた。

68:2011/05/27(金) 23:52:48 ID:SmXQZqJk
>>66
「え?どうしてだ?なぜ、露希がここにいるのがおかしいんだ?それじゃ、まるで露希に何かあったみたいじゃないか…」

不安そうな表情をする。だけど、そこにいるのは間違いなく本物の露希。

(どういうことなんだ?)

と、混乱する。


>>67
「露希……」

何か言葉をかけようと思ったが止めておいた。
今そうするべきなのは、氷亜なのだから。

69夜行集団:2011/05/28(土) 00:01:32 ID:ajFsrEio
>>67
幻想なのだろうか、ついにそれほどに僕の心は壊れてしまっていたのだろうか、
そう思いながら露希から離され一人で立った氷亜は、古典的にも自分の頬をつねる。
しかしそれだけなら幻想は覚めないので、なにかさらに確信できるものはないか、
そのため氷亜は辺りをきょろきょろと見まわしていたら、目から滝のように涙を流している日子神が目に入った。

「そうか・・・これは現実・・・げ、現実!?」

ようやく確信できても、氷亜は未だに物事が頭の中に入ってこない。
彼の中で露希は死んでいて。それを波旬から見せられて。
全てに絶望した氷亜はこの大どんでん返しに頭が付いて行っていないのだ。

「アレは波旬の見せた幻・・・?

 ま、待ってよ!!」

戸惑っていると露希が離れそうになっているではないか。
それに気付いた氷亜は、無意識のうちに彼女の手を握っていた。
これが幻想でも《良い》、そう、氷亜は思った。

「君の責任!?じゃあ波旬は本当に君に・・・君に・・・
 
 で、でも君に一体何の責任があるんだい?何の責任が?」

>>68
困惑する瞳の姿に雨子神は目を伏せる。
説明してあげなくては、そう思ってぽつぽつと話し始めた。

『露希は・・・僕達の記憶が正しければだけど・・・死んでいた・・・
 とある妖怪の手にかかって・・・誰にも見取られる事無く・・・死んだ・・・筈なんだ・・・』

でも生きている、なぜ?そう締めくくって露希と氷亜、二人を見つめる目にも、
やはり瞳と同様の混乱が伺える。

70露希:2011/05/28(土) 00:14:08 ID:HbHPxpxY
>>68-69
「ボクはあの人に、力も妖気もすべて2倍の力で真似された・・・それに顔もそっくりと変えられて・・・」

露希の体は震えていた。やはり、恐怖感は並ではなかったようで。

「体の後は心も壊すって言ってボクに色々としてきた・・・怖くて辛くて嫌だった・・・」

あの時のことを少しずつ明かして行く。

「ボクに会わなかったら、氷亜さんは純粋に姫が好きだったんでしょ・・・?それなのにボクは・・・」

71:2011/05/28(土) 00:22:15 ID:SmXQZqJk
>>69
「露希が…死んだ…?いや、でも露希は今あそこに…
まさか、偽物…いや、そんなはずはない…」

親友は確かにあそこに…じゃあ、なぜ…?
ますます混乱する。

>>70
「真似された…偽物とはそういうことだったのか…」

(しかし、それって窮奇じゃないよな…ということは、紫狂にそんな恐ろしい妖怪がいるってことか…?)

紫狂との決着は近いと思っていた。いや、実際決着に近づいているのだろう。
しかし、そこまでたどり着くのが恐ろしい程の道のりだと実感した。

72夜行集団:2011/05/28(土) 00:27:45 ID:ajFsrEio
>>70>>71
震える手、その露希が感じていた恐怖が氷亜にも伝って、
再びあの時感じていた憤怒の感情が危うく溢れそうになり、氷亜は慌てて心落ち着かせる。
そして露希が少しでも安心して欲しいから、氷亜の方はただただ笑顔でいるようにした。

「確かにあれは強かった。あれは露希以上に露希らしかったし。」

はははと笑った氷亜の心の中には今、
「(二倍だったから僕は二倍ドキッときていたというのは、
  今絶対に言っちゃだめなんだろうな)」
と思っていた。

「でも、僕は一分の一スケールの露希が大好きだよ、やっぱり。

 それにね、僕は露希と会った事で後悔なんてした事は無い、
 絶対に確実に強固に、それだけは、言える。
 姫は確かに一番だった。僕の中では生きる道標であり意義だった。
 でもね、露希。君は僕にとって歩む道の光であり意味であって意思なんだよ。

 そしてもっと言うなら、僕は純粋に露希が愛せたことの方が、幸福だ。」

73露希:2011/05/28(土) 00:38:31 ID:HbHPxpxY
>>71-72
その恐怖は少しずつ氷亜によって消えていく。

そして、氷亜が自分をここまで思っててくれたのだと思うと嬉しくて仕方なかった。

「え・・・?ボクは氷亜さんの前から消えなくていいの?氷亜さんはボクを愛してくれるの・・・?」

74:2011/05/28(土) 00:45:47 ID:SmXQZqJk
>>72,>>73
(もう大丈夫そうだな。聞きたいこともあるが、また今度だな。
今は、2人の再開を邪魔しないでいてあげよう。)

まだわからないことも多い。だが、今は聞くのはやめておこう。
そう思い、静かに立ち去ることにした。

「じゃあな。」

と、去り際に小さくつぶやいた。



/お先に落ちます。絡みありがとうございました。

75夜行集団:2011/05/28(土) 00:52:35 ID:ajFsrEio
>>73>>74
「むしろ僕は、君がいないともうダメなのかもね」

ははは困ったな、と笑いながら頭を気恥ずかしいのかポリポリとかきながら、
氷亜は露希を再び抱きしめる。強く今度は離れないように。
そして露希の耳元で、耳が痛くないようにしかししっかり聞こえるように彼は言った。

「露希。やっぱりでも君が傷つけられたり恐怖にさらされたり心が痛めつけられたのは僕の責任だよ。
 だから僕はもう君にぜったいにあんな思いはさせない。僕はあらゆる、例え地獄の悪魔が這い上がって、
 君に何か囁こうとも僕はその横で大声で悪魔の邪魔するよ。
 それに神が何か神罰を君に下すような事になっても、僕はその全知全能の神であっても確実に論破せしめて、
 さらに露希に土下座で謝らせるほどに追い込んでもあげる。
 僕が君を守る。それこそ二十四時間だけじゃなく年中無休、数百年単位、ごこうが擦り切れてまた新しく、
 ごこうが擦り切れるまで君を守るよ。でも僕がいない時は露希を守ることはできない。
 だからあの波旬とかいう奴に良いようにされたんだ。そこで僕は思うんだよ君とずっと一緒にいればいいって。
 外に出てもどこに言っても、流石にトイレやお風呂までとは行かないけど、君が望めばついて行くよ。
 本当は監禁なんてしたいところだけど、君にも零君や生活があるもんね、そこは血の涙流しながら我慢するよ。」

これでも一応氷亜の愛の告白であった・・・。

ちなみに失礼な事を言うと、既に氷亜の視界の中に瞳や穂産姉妹はおらず、
露希一色の状態であった。

76露希:2011/05/28(土) 01:04:55 ID:HbHPxpxY
>>74
(瞳・・・本当にありがとう・・・。貴方のおかげだね)

次に会ったときにはきっとスキンシップされてしまう親友。でも、また少し、瞳との距離が縮まった気がした。

>>75
「ひょ、氷亜さん・・・あの・・・//////」

お気づきだろうか、そのプロポーズをまともに聞いた露希はオーバーヒートしてしまった。頭から煙でてます。

「ボクもずっと氷亜さんといたい・・・。よろしくね。」
露希は氷亜にちゅっとしてあげた。場所は中の人の妄想にお任せしたい。

77夜行集団:2011/05/28(土) 01:20:00 ID:ajFsrEio
>>76
氷亜は抱きしめながら露希の頭からでてきた煙すら、
これは僕と言う魂を燻製にして味い深い存在になる為の聖なる狼煙なのだ、と堪能していた。
正直、気持ち悪い。いや、もうそんなレベルではなくもはや恐い。
実に露希が引かずにちゃんと受け止めてくれた事に安心するだけである。

「ほ、ほうううううううあうあうあああああああああ!!!!!」

そして言葉にならない言葉を発しながら今度は氷亜の顔が赤くなる。
彼の色白な肌が相まって、紅くなっていた。

場所、それは彼らでしか知らないものである。
しかし彼はもう何も言えない。ただ口をパクパクさせながら抱きしめられるだけだ。

78露希:2011/05/28(土) 04:28:06 ID:HbHPxpxY
>>77
「氷亜さんっ☆」

彼女に至っては上機嫌である。氷亜の服の袖を掴み、もう離れないというような仕草も取ってみたり。

「あ・・・あの、今度一緒に、ミナクチ様へ御礼しに行かない?」

79夜行集団:2011/05/28(土) 08:46:34 ID:ajFsrEio
>>78
さっきまで大声でいたというのに、何も言えず口をパクパクさせ、
さらにそこから口も真一文字に閉じてしまって、ただ自分の顔色を朱に変えた氷亜は、
体がまるで木板の様にカチコチに固まっている為露希にされるがままであった。

しかししばらくしてから正気を取り戻し、しかしまだ顔は紅で、深呼吸してからするっと離れた。
それは恐らく氷亜がこれ以上ひっついていたら自分がマズイ事になると直感したからなのだろう。

「へ?ああミナクチ君。
 ・・・そうだね、もちろん行くべきだよね。彼には貸し作ってばっかな気がするよ」

取り繕うように間抜けな返事をした氷亜も、後半の言葉には心がこもっていて、
言い終えてから本当に彼にはどう返したらいいか分からないよ、と自嘲的に笑って、
少し恥ずかしげに寂しげに頭を掻いていた。

/一応この補完で終了でもよろしいでしょうか?

80露希なか:2011/05/28(土) 09:16:29 ID:BQ990e1A
>>79
「うん、じゃあ会いに行く時に氷亜さんと合流するよ。

とりあえず、白龍助けに行って来るね。」

わたた、と少しなってしまうが最後まできちんと話せたようだ。
アネさんとアニさん、それから先程の彼にぺこりとお辞儀をすると館を後にした。

/そうですね、絡みお疲れさまでした&ありがとうございました!

81医者:2011/06/03(金) 23:53:41 ID:???
本スレ>>553
「……本当に黒蔵さんは嘘が下手っすねえ」

しばらくの沈黙の後、医者は答えた。
くつくつと肩を揺らしているものの、相変わらず医者の目は笑っていない。

「その質問も顔も、認めてるようなもんすよ?」

強張った黒蔵の表情は、「図星」と見て間違いはないだろう。
しかし、まだ核心を付いていない
更に聞き出そうとするように、医者は身を乗り出した。

「蛇……と思うわけじゃないっす。
 ただ黒蔵さんの血液から、普通の人間からはありえないものが検出されてるのは事実っす」

ペンを持ち上げ、先端を黒蔵に向ける。

「蛇の「毒」っすよ」

82黒蔵:2011/06/04(土) 00:04:29 ID:???
>>81
「……それで何が言いたいんだ。それを知って、俺に知らせて、どうするつもりだ」

いっそこの医者を呑んでしまおうかと、ちらりと思ったのは事実だが
曲がりなりにも恩人であり、喰ってしまえばきっと蛇神に叱られる。
悔しげに上目遣いで医師を睨む以外何もできない黒蔵は、いっそここから逃げ出してしまいたいと
扉のほうへ視線を投げた。

(零と喧嘩したときと同じだ。知っている事をちらつかせて、何がしたいんだ。
 それをまず知らなくちゃならない)

いきなり怒りを爆発させたり、逃走しなかったのはこの苦い経験があったためかもしれない。
医師に答える声に、ごく僅かに震えが混じっていた。

83医者:2011/06/04(土) 00:20:27 ID:???
>>82
「あはは、そう怒らない怒らない」

背もたれに合わせ体を逸らせながら、黒蔵を宥めるように笑う。

「僕は曲がらずとも医者っすよ?
 黒蔵さんや東雲さんのような「特殊な事例」について、詳しく知りたいと思うのは当然じゃないすか」

といいながらも、こちらを睨む黒蔵の瞳に、医者は僅かに苦笑を零した。

「まどろっこしいのは嫌いみたいすから言っちゃいますけど、僕はこう考えてるんすよねぇ」

にこりと微笑み、くるくると回転椅子を回す。

「お二人の回復力や身体能力を見て……それを僕らの治療に生かせないかと考えてるんすよ
 もちろん、お二人について詳しく教えてもらえれば、微力ながら力になれると思うんすけどね?」

84黒蔵:2011/06/04(土) 00:37:04 ID:???
>>83
―――パスワードを入力してください。

黒蔵は唐突に、あの良く判らなかった言葉を思い出した。
この病院に勤務するようになって、雑用の立場であり入れる場所は限られているが
この場所で見たものと、かつて白井の記憶から引き出したものとは確かに類似していた。

「やめたほうが良い」

記憶の中を見ていた目の焦点はあっていないまま、医師にそう答える。

「それはきっと、ろくなことにならない」

白井礼こと1990号。
そもそも黒蔵がここに担ぎ込まれる原因となった傷を負わせた男。
自分は人間であると、そう信じたがっていた改造された存在は、
この医師の言葉により黒蔵のなかの不安となって蘇った。

「お願いだ、それは絶対にやめてくれ」

医師に哀願する声は、不安を隠そうとしていなかった。


(cf.【妖怪と人間】ここだけ妖怪世界part4【新規歓迎】
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1297522043/738)

85医者:2011/06/04(土) 00:54:46 ID:???
>>84
「……黒蔵さん、僕は医者っす。
 患者のためにならないことは絶対にしない」

焦点の合わない黒蔵の瞳。哀願する声。
彼には彼の事情があるのだと、医者は分かっていた。
そもそも普通とは違う事情を抱えているだろう、彼らだからこそ。

――けれど、彼にも彼なりの、医者としての信念があった。

「僕はこの研究で、必ず人を救えると確信してるんすよ」

眼鏡の奥が静かに光る。
おどけても、ふざけてもいない、真剣に向き合う瞳。

「これは例え話っすけど――日本の昔話のような、そう、どんな病気でも治し、手でも足でも繋げるような、河童の秘薬、知ってます?
 おかしいかもしれませんが、僕はそれを作りたいんすよ。
 そしてあなたたちの力を借りれば、きっとそれを作れる……僕はそう確信してるんす」

もちろん、もし害をなすようなものが生まれれば、医者はそれを決して表には出さないつもりだ。
だが黒蔵の言うとおり、ろくなことにならない可能性も低くない、どころかむしろ高いくらいだろう。

86黒蔵:2011/06/04(土) 01:10:01 ID:???
>>85
(河童の秘薬…か)

水界でそれを作る場を見ていた黒蔵は知っている。使った事もある。

「…もしも、俺たちが協力を断ったら、どうする?」

この医師にこれを聞くのは、決定的なものになるかもしれない。
しかしこれだけは聞いておかなくてはならないのだ。
きゅうっと手が膝のうえで握り締められる。

「俺を捕まえるのか?」

開いた口は問いを投げ、瞑った黒い目はもう一つの記憶を見ていた。
人間達に捉えられた、父親の蛇の姿を。

(今、俺はこの男に何の抵抗もできない)

恩と義務との板ばさみになって、神使であり罪人でもある蛇は覚悟するしかなかった。

87医者:2011/06/04(土) 01:24:56 ID:???
>>86
「……そうっすねぇ」

医者は含みを持たせたように微笑む。

「こんなお願いをしておいてなんですが、僕としては――黒蔵さんに、ずっと病院で働いていてほしいんすよ」

捕まえるのか、という問いに対しての、医者の答えはこれだった。
「まだ借金も返済しきってないし、お二人には中々助かってるんすよ?」とくだけた感じで言う。

「ま、捕まえたところで東雲さんが黙ってないと思いますし」

東雲にもいずれ、このことを説明しなければならない。
まあ、今それは置いておこう。
医者はおどけたように笑った。

88黒蔵:2011/06/04(土) 01:35:41 ID:???
>>87
「なるべく早く借金は返すようにする。
 でも俺、『ずっと』ここで働き続けるわけには行かないんだ」

人では無いと知られたのなら、ここは妖怪にとって危険だ。
妖怪を恐れる事を忘れかけた人間の領域なのだから。

「あんたには恩があるから言っておく。
 あまりこっち側に踏み込もうとするな。知りすぎないでくれ」

黒蔵はこの医師に死んで欲しいわけではない。
瞳のように共存を目指す想いもわからなくは無いのだが、互いに望んでも人と妖怪が交わる事は
なにかと不幸が付いて回るのだ。

「…頼む」

どこか辛そうに、黒蔵はそう付け足した。

89医者:2011/06/04(土) 01:49:38 ID:???
>>88
「ご忠告ありがとうございます」

(東雲さんも同じことを言いそうだな)

辛そうな黒蔵を見て、医者は少しだけ苦い顔をした。

「……ま、頭の中にでも止めておいてください
 要件は以上っすよ。作業に戻ります? お茶でも飲んでいきますか?」

医者は立ち上がると、棚の上に乗せられたポッドに近寄る。

90黒蔵:2011/06/04(土) 01:57:53 ID:???
>>89
「作業に戻らせて欲しい」

お茶を飲む気分にはなれず、首を横に振ってそう頼んだ黒蔵は
今更人間に近づいた事を後悔した。

(悪い人間じゃないのに、きっとお互いに悪意はないのに)

それでもやっぱり、そこから芽吹く不幸もあるのだ。
物々交換をしに行って、殺されてしまった父親と相手の人間のように。

91東雲 犬御:2011/06/04(土) 02:14:21 ID:???
>>90
「わかりました。お手数掛けましたね」

ポットから手を離して、後ろを振り向く。
医者は扉から出て行こうとする黒蔵の背中に、小さく声を掛けた。

「黒蔵さん、きっと分かってくれると信じてますよ」

男の首から下げられたネームホルダーが揺れる。
顔写真の貼られた名刺には「小鳥遊 療介(たかなし りょうすけ)」と、彼の名が記されていた。



「……オイ、なんだその顔」

作業場に戻ってきた黒蔵の顔を見るなり、東雲は顔を顰めて呟いた。
手を止めて、ハァと溜め息を付く。

「あの医者か?」

92黒蔵:2011/06/04(土) 02:27:59 ID:???
>>91
戻ってきた黒蔵は表情を失ったままで犬御にぽつりと答えた。

「あいつ、俺たちの事に気づいてる」

目をあわさず、犬御の横を通り過ぎて上着を拾い上げる。

「このままだとどこまで手繰られるか判らない。
 他の仕事見つけたほうが良いと思う」

しかし黒蔵は既に泥沼に膝まで嵌った予感がしていたのだった。

93東雲 犬御:2011/06/04(土) 02:44:19 ID:???
>>92
「……やっぱりか。
 ま、血も採られてそろそろとは思ってたがな」

何を言われたか知らないが、何を言われたかは概ね分かる。
いや、それ以上に、黒蔵にとって重い言葉を突きつけられたのかもしれない。
東雲は通り過ぎる黒蔵を横目に見ながら答える。

「俺はやつに借りがある。それを返すまではここを離れねェ。
 奴が妙な動きを見せねー限りは、だがな」

東雲を病院に縛るのは、抱えた借金という以上に、
彼に命を助けられたという借りだった。

「テメェがどうするかは勝手だ。
 相手は人間だ。関わりたくなきゃ借金なんておいてさっさとここを出ろ。
 そうすりゃ会うこともねーだろ」

94黒蔵:2011/06/04(土) 02:56:42 ID:???
>>93
「俺は罪人なんだ。そして蛇神の下についてる」

この意味がわかるか、とようやく犬御と視線を合わせた黒蔵は言った。

「次に道を踏外したら後が無いんだ。
 勝手なことなんて、もう俺には出来無いんだよ」

借りをきちんと返さなくては、勝手にここをやめるわけにも行かないのだ。
だから多分、これからもここへは通わなくてはならないのだ。

95東雲 犬御/小鳥遊 療介:2011/06/04(土) 03:07:20 ID:/AfNAO.Q
>>94
「……ケッ、そーかよ」

東雲ははき捨てるように「テメーとまだ顔合わせて仕事しなきゃなんねー」、と憎まれ口を叩いた。
しかしそう言いながらも、何かに縛られているという意味では、彼らはまた同じだった。



小鳥遊は熱いお茶を啜りながら、カルテを見やり口角を釣り上げた。
必ず、どちらかから秘密を聞き出してみせる。
万病を治す秘薬、それを使って、命を拾い上げてみせる――。

//お疲れ様でした

96黒蔵:2011/06/04(土) 03:26:47 ID:???
>>95
黒蔵は犬御のような憎まれ口は叩けなかった。
黙って今日の作業を終わらせた黒蔵は、明日もまた同じようにここに黙って通うのだろう。
泥沼に沈みつつある事は自覚しながら、小鳥遊医師の思惑から逃れることは
今の黒蔵には出来そうに無かった。

//どうもありがとうございましたー

97児佐々 美雪:2011/06/16(木) 00:16:01 ID:1gBuqmPQ
降り出してはいないが不安定な空模様の夕暮れ時。
傘と指定鞄を手にした制服姿の女子高生が、停留所でバスから降りてきた。
色白の頬にかかる髪は肩の下の長さで切りそろえられて、湿った空気にもさらりと流れる。
纏う妖気は無く、一見、ごく普通の人間の娘である。

「あ、こんちはー」

女子高生は不意に誰かに話しかけた。

「うん、おわった、今?ううん、これからバイトだよー」

どうみても一人言である。
対話相手がいるなら、彼女の目の前の路傍の紫陽花くらいである。

98六貨:2011/06/16(木) 00:27:46 ID:ePa9Shgs
>>97
面白みの無いスーツを着た男が、肩を落としてとぼとぼと歩いてくる。
姿こそ人間だが、その正体は妖怪、銭神。
今日も雀荘に顔を出し、そしてスカンピンにされてしまった。

「ああ、もう……人間ってなんであんなに強いんだろ……」

半泣きの様相で歩いていけば、そこには紫陽花に向かって話しかける女子高生。

「……ははは、微笑ましいですねぇ」

気付けば、話しかけてしまっていた。

99児佐々 美雪:2011/06/16(木) 00:35:19 ID:1gBuqmPQ
>>98
「あー、はじめまして、かな?
 もしかしてその姿じゃないときに、もう会ってるとかはないよね?」

うーん、以前に会った事はないよね?と女子高生が首を傾げると、その髪がさらりと揺れる。
紫陽花の陰には大きなヒキガエルが、喉をひくひく動かしながら鎮座していた。
どうやら彼女は、そのカエルに話しかけていたらしい。

「ごめんね、お引越しはバイトの後ならお手伝いできるんだけど」

ぺこっとカエルに謝ると、スーツの男性に向き直った。

「今日はせっかくのお天気だから、引越し手伝ってくれないかって頼まれちゃったの。
 お兄さん、よかったらこの子を、あの幹線道路の向こうの用水路に連れて行ってあげてもらえないかな?」

確かに車の往来の激しい道路を渡るのは、ヒキガエルにはちょっと難しいようだ。

100六貨:2011/06/16(木) 00:42:43 ID:ePa9Shgs
>>99
「ええ、はじめまして……って、いきなりバレてる?え?」
その姿じゃない、というワードに焦る。
別に聞かれれば隠さず正体を明かすが、いきなり見破られるのは想定外だったようだ。

「……はぁ、構いませんけれど」
二つ返事とともに、左手でヒキガエルを持ち上げる。
もし自分が蛇妖だったら、このカエルは察知して逃げたのだろうか?
等と、とりとめのない事を考えながら。

「………しかし、何故バレたんですか?」

と、疑問を口にする。


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