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オリキャラ学園物語

1睡眠―号:2005/10/02(日) 20:29:28 HOST:YahooBB219032251136.bbtec.net
ここのサイトのキャラで学園に行こう!
学園パロディです。ギャグ中心です。

このリレー小説のルール
参加条件
※「ここのホームページのリレー小説に出演済み」
 いきなりコロ助とかジョジョが出てきても困ります。
 逆に出てきていればヴァンパイア大戦だろうがRPG大戦からでも問題無です。

※「BBSに『コイツ出しますよ』とちゃんと設定等を書く」
 だからっつって脈絡も無く出されても困ります。
 荒れたら困ります。

※過去のスパロボ作品に登場してる作品も勿論可
 「オリキャラ学園」つってもオリキャラしか使えないわけでは
 ありませんので御安心下さい。

<<注意事項>>
※荒らし、煽りに反応しない。
 大人しく管理人さんに報告しましょう。
 反応する貴方も荒らしです。

※被ってしまったら当事者達で解決する事。
 そんな事まで責任持てねぇよ。

※一週間経ってもレスが付かないなら自分で書いちゃってもOKです。
 しょうがないですよね、俺も経験あるし。
 一番なのは続けやすく書くことです。

※皆仲良く。
 コレは一番肝に銘じてください。

<<その他注意事項>>
※しっかりとした姿勢で
 正しい姿勢で、しっかりと背筋を伸ばす。
 悪い姿勢は目を悪くします。
※転んでも泣かない
 泣かないで、皆が見守ってくれています。
※始まる前には手を洗う
 油がついてベトベトになります。
 後に使う人の事も考えましょう。
※男は黙ってワンコイン
 連コするならちゃんと周りを見て誰もいないのを確認してから
※台バン台蹴りイクナイ(・A・)
 筐体が悪くなります。負けるのは貴方の責任です。
 ボタンやレバーが幾らかかるか知っていますか?

661鳳来:2007/04/22(日) 21:27:16 HOST:menet70.rcn.ne.jp
=Dゾーン入場ゲート=
なのは「え、入れないって・・!?」
ヴィータ「どういうことなんだよ!!」
一方、なのは達は、攫われたアリサ達を助けるため、Dゾーンに向かった一同だったが・・・
ちなみに、入場ゲートには、パンダの着ぐるみを着た才蔵が担当だったりする。
才蔵「そ、そうは言われても・・・・さすがに、初等部のみで、挑戦はまずいので・・・」
サスケ「まあ、それはそうだけどさ。俺達の実力なら・・・・」
才蔵「駄目と言ったら、駄目だ!!まあ、保護者として高等部の二名と一緒ならかまわんのだが・・・・」
ヴィータ「高等部の奴で言いんだな?じゃあ・・・」

=高等部グループ=
良治「あ〜行きたいのは山々だけど・・・・デスがなぁ・・・・」
セイバー「すみません。私もレストラン街に赴きたいので。」
とりあえず、戦力になりそうな良治とセイバーに頼んで見たが、あっさりと玉砕でした。
フェイト「駄目なんですか・・・・」
なのは「ルナさんも駄目みたいだし・・・・・」
途方にくれるなのは達・・・・とここで・・・・・
アイオリア「だったら、俺達がついてくぜ。なあ、エレン?」
エレン「ええ、いいわ。」
名乗りを上げたのは、アイオリアとエレンだった。
はやて「いいんですか!?でも、エレンさんは・・・・」
エレン「心配ないわ・・・・とりあえず、これを持っていくから。」
そういったエレンが取り出したのは・・・・巨大な鉄の十字架だった。
なのは「あ、あの、それは・・・・(汗」
エレン「<パニッシャー>−−−−携帯型火器で最強に位置する銃よ。」
サスケ「・・・・・(汗。まあ、とりあえず、メンバーは揃ったよな。」

662シシン:2007/04/22(日) 21:59:31 HOST:softbank218112188016.bbtec.net
=中等部グループ=
ゼネラル「やれやれ、普通の遊園地にすればいいのに
     どうして生死に関わるアトラクションを造るか・・・」
やや理解に苦しんでいるが、
それぐらいのアトラクションがなければ猛者たちにとっては参加するだろう。
まぁ自分は目的も無く『Dゾーン』に行かないが。
ゼネラル「さて、ボクも楽しむとするか・・・えーっと」
わくわくランドのパンフを見るがどれに乗るのかを迷っている
っとその時視界が遮られた。
誰かが僕の眼を覆い隠したのだろう・・・この手の暖かさは
ゼネラル「サラサ・・・そんな事をするとパンフが見えない」
サラサ「やっぱり、私の事が解るんだ・・・」
金色の長髪の娘はサラサ・ラフィール。
優しい性格の持ち主で男子生徒に人気がある生徒
サラサとゼネラルとの関係は友達以上恋人未満である。
ゼネラル「何回も目隠しすると誰でも解るんだ・・・」
サラサ「むぅ〜つまんない」
っとサラサはちょっと頬を膨らませる。
ゼネラル「まぁ、僕達は僕達で今日という日を楽しもう。」
サラサ「んっ。そうだね♪それじゃどれに乗るかはゼネラルが決めて。私はどれもOKだから♪」
ゼネラル「いやっサラサが決めてもいいんだよ。レディファーストだから」
二人に沈黙が漂うがと同時に苦笑するのである。
サラサ「じゃあさ・・・ジェットコースターにでも乗ろう」
ゼネラル「遊園地に着いたらまずはそのアトラクションからだね。OK」
とま・・・他の生徒から見れば『甘〜〜い!!』っと思っていたとか・・・・

663元ツカサ:2007/04/23(月) 01:24:50 HOST:i219-167-143-200.s02.a002.ap.plala.or.jp
661の続き

その時である
???「いえ、まだよ」
上から誰かの声が聞こえた。
アイオリア「誰だ!?」
みんなが声のする方、上を見上げると、電気灯の上に一人の人物が立っていた。
その人物とは・・・
はやて「あ、御刀根部長さん!?」
その人物は、コスプレ部の部長である御刀根 憐であった。
アイオリア「御刀根・・・まさか、『あの』コスプレ部の部長にして文化部最強人物のあの御刀根 憐か?」
エレン「でも御刀根部長さんって、確か男じゃなかったかしら?」
よ〜く憐を見ると、いつものような男性の姿ではなく、何処からどう見ても美人とも呼べる黒いロングヘアー女性の姿をしていた。
なのは「えっとですね、部長さんはたま〜にですけど、女性になるそうなんです」
アイオリア「女性に『なる』?女装じゃなくてか?」
フェイト「えっと・・・聞いた話では、『気分で変わる』そうです」
そんな初等部の説明をしている間に、今日は女性Verの憐は下に下りて皆の目の前にいた。
憐「おはよう諸君。何やら困っている声が聞こえたのでね・・・
  私も少しながら手を貸しましょう」
何やら口調も女性になっている憐から意外な言葉を言った。
なのは「本当ですか!?」
ヴィータ「憐が一緒なら楽勝だぜ!」
と、なのは達は憐が一緒だという事に喜んだ。
しかし、
憐「・・・何か勘違いしているようだが、私は『少し手を貸す』と言ったが、『一緒に行く』とは言っていないぞ」
憐以外の7人「「「「「「「・・・え?」」」」」」」
期待させておいてのいきなりの急降下であった。


憐「実は、私はこのDゾーンに参加できないの」
アイオリア「どういう事だよそれ」
憐「わくわくランド完成前にこのDゾーンのテスターとして先にプレイしたのよ。
  だからこのDゾーンの全てを知っている。
  そんな者が正式に動き出したDゾーンに参加したら、面白みも全くないじゃない」
はやて「そっか・・・それなら無理やな・・・」
ヴィータ「チェ・・・憐がいれば完全クリアだったのに・・・」
参加できない理由を聞いて落ち込むなのは達。
しかし憐はそんな彼女達に憐は・・・
憐「しかし、だ・・・
  私もただ見ているだけ、というのはつまらないのでね・・・なのは嬢達には『ある物』を身に着けてほしいの」
サスケ「はやて達に身に着ける物?」
憐「そうよ。モエ」
モエ「はいは〜い!クラシス・モエ参上です〜♪」
フェイト「あ、モエ先輩」
呼ばれて現れたのは、コスプレ大好きっ娘のモエであった。
モエ「それでは〜、なのはちゃんにフェイトちゃん、はやてちゃん、ヴィータちゃんは『5秒目を閉じて』てくださいね〜♪」
なのは「5秒・・・ですか?」
モエ「そうですよ〜。5秒です〜」
なぜ5秒なのか、アイオリアは突っ込もうかと思ったが、
憐「すまないけど君達も目を閉じてくれないかしら?」
サスケ「俺達も?」
エレン「5秒なら・・・」
アイオリア「何するかわからないけど・・・目閉じるぞ」
そして皆は5秒間目を閉じた。

 1

 2

 3

 4

 5

モエ「はい!目を開けてくださ〜い♪」
その掛け声を聞いて、皆は目を開けた。
アイオリア「・・・え?」
エレン「・・・わぁ」
サスケ「・・・なんだぁ!?」
3人は『その光景』にただ驚き

ヴィータ「・・・ってこれ!」
フェイト「なんで!?」
なのは「うそ〜!!」
3人は『ありえない物』を見て驚愕し

はやて「お〜!青色の騎士甲冑もええな〜!」
1人は自分の良く知る物と『似て非なる物』を見て喜んでいた。

憐「どう?なのは嬢たちは前に見たことあったわよね。
  アマチュア映画コンテストに出そうと思ってた特撮映画の衣装」
それは、以前なのは達がコスプレ部を見学しに行ったときに見かけた、自分たちの『バリアジャケット』そっくりの『コスプレ衣装』であり、それをなのは達が着ている姿があった。

664元ツカサ:2007/04/23(月) 01:28:35 HOST:i219-167-143-200.s02.a002.ap.plala.or.jp
フェイト「え!?じゃあコレ・・・あの時の衣装なんですか!?」
なのは「あ、そっか・・・だからちょっと重く感じるんだ・・・」
ヴィータ「っていうより、一体どうやって着せたんだ?」
サスケ「5秒前ま確かに制服だったよな・・・」
アイオリア「それは俺達も見てたぞ」
エレン「でも目を閉じて5秒経ったらなのはちゃん達がコスプレさせられてるって事ね・・・」
各人思い思いの事を言うなか、モエと憐は自分達の作成したコスプレ衣装を着ているなのは達を見て喜んでいた。
憐「4月に見せた『魔法少女隊』の衣装を君達用にサイズを合わせて、モエの得意技の1つ『超速早着せ替え』によって着せたの」
モエ「私の手にかかれば〜、4人の女の子を着せ替えるのなんて簡単中の簡単ですよ〜♪」
なのは「す、すごいんですね・・・(汗)」
フェイト「というか、いつの間に・・・・・・(汗)」
2人はモエの変な特技に驚きつつも、ちょっと呆れていた。

ヴィータ「ところで、なんではやての衣装だけ違うんだ?」
なのは「そういえば・・・」
フェイト「はやての騎士甲冑は白で黒い羽があるはずだったけど・・・」
3人ははやての今着ているコスプレ衣装を見て疑問を持った。
本来のはやてのバリアジャケット、騎士甲冑は白色で背中に黒色の羽が付いていたはず。
しかし今はやてが着ている衣装は、形や模様は変わりなかったが、色が白ではなく青であり、背中の黒い羽がなかった。
そしてはやて以外の3人の衣装は100%自分達の使っているバリアジャケット、騎士甲冑そっくりの衣装であった。
なぜ、はやての衣装だけが違うのか?
そう思う3人に、はやては答えた。
はやて「それはな、部長さんに頼んで色変えさせてもろうたんよ」
ヴィータ「はやて、どうしてそんな事したんだよ」
はやて「そんなん簡単や。
    『ヒーロー戦隊で同じ色の戦士がいたら駄目』やろ
    うちの騎士甲冑はなのはちゃんと同じ白やから・・・
    だから部長さんに『青にして』って頼んだんよ」
なのは「そっか・・・確かに白だと私と被るもんね」
ヴィータ「確かに・・・同じ色がいたら変だよな」
フェイト「それで納得しちゃうんだ・・・(汗)」
説明に納得するなのはとヴィータであった。


憐「この衣装は本来映画用に創った衣装だけど、今回はDゾーン攻略のためにはやて嬢にも手伝ってもらって、さらにモエの『力』を入れた衣装よ
  この衣装を着ている間は一般的な小学4年生の身体能力がサスケ君並にUPしたはずよ。
  ちなみにはやて嬢の衣装には脚部強化を施しておいたから、走ってもジャンプしても問題ないわ。
  これならサスケ君と一緒に行動できるわよ」
はやて「ホントなん!?ありがとう部長さん!!」
「サスケと一緒に行動できる」という言葉に喜びはしゃぎ、その場で軽くジャンプするはやて。
サスケ「・・・ホントだ、はやてが普通に歩いてるしジャンプしてる・・・」
ヴィータ「すげぇ・・・」
ジャンプするはやてを見ていた2人は、ありえないものを見るかのように驚いていた。

アイオリア「ところでよ、さっき『モエの力』って言ってたけど、もしかしてアレの事なのか?」
ジャンプするはやてを指刺して憐に問いただすアイオリア。
それに対して憐は、
憐「その通りよ。でもモエにどんな力があるかは極秘なので教えてあげれないわ
  でもなのは嬢達があの衣装を着ていればあなたやサスケくんの足手惑いにはならないはずよ」
アイオリア「それはそれでありがたいんだけどよ・・・」
アイオリア(なんか、羽振りがよくないか?
      コスプレ部の部長って言ったら・・・『面白ければ全て良し』ってほどの気分屋だって聞いてたけど・・・)
羽振りが良すぎる憐を見ていたアイオリアは憐に少し疑惑を持っていた。
アイオリア(絶対他に何かあるはずだ・・・でもああいった奴に限って何考えてるかわかんないしな・・・
      ここは素直に従っておくか)

665元ツカサ:2007/04/23(月) 01:31:05 HOST:i219-167-143-200.s02.a002.ap.plala.or.jp
モエ「それから〜、皆さんの衣装にはそれぞれ特殊能力も装備されてあるので〜
   それを使っていけば少しは楽になりますよ〜」
なのは「特殊能力ですか?」
モエ「はい〜。例えばフェイトちゃんの衣装は高速戦闘で〜、はやてちゃんは魔法弓矢による援護射撃で〜
   なのはちゃんはパーフェクトシールドっていう絶対防御バリアを展開できますよ〜」
はやて「そんなのも出来るんか〜。早く使って見たいわ〜♪」
ヴィータ「モエ、アタシのは何なんだ?」
自分も衣装を着ている、という事は自分にも特殊能力があるのでは?
と思ったヴィータはモエに何があるかを聞いてきた。
モエ「ヴィータちゃんの衣装はですね〜、『コレ』が使える事なのですよ〜」
と言ってヴィータにある物を渡した。それは・・・
ヴィータ「・・・・・・ピコピコハンマー?」
はやて「ちゃうよ。これ・・・ゴルディ○ンハン○ーやん!
    しかも自身への衝撃を抑えるためのマー○ハンドもグローブ式にしてる!」
それは、某勇者王の方が敵を光にするためのトドメの必殺技用のツール・・・を縮小したピコハンであった。
モエ「マー○ハンドはただの飾りなんですけどね〜
   ゴルディ○ン○ンマーは生物以外なら光になりますよ〜
   もちろん生物に使えば打撃攻撃としても使えますから〜」
ヴィータ「へ〜・・・面白そうジャン!」
ゴ○ディ○ンハンマーを気にいったか、それをその場でブンブンと振り回すヴィータ。

憐「ちなみに・・・・・・なのは嬢の衣装にはさらに細工をさせてもらったわ」
なのは「私の衣装だけにですか?」
一体なにを細工したのか?と思うなのは。
だが、憐から話された内容になのはは落胆する。
憐「実はなのは嬢の衣装は、皆の衣装の身体強化をさらに5倍にさせてあるの。
  そうすることでなのは嬢も『皆と同じ身体能力』を使うことが出来るわ」
なのは「・・・・・・えっと、それって・・・・・・・・・(汗)」
憐「すまないわね。でもこうしないとなのは嬢の『運動音痴』をどうにか出来なかったの」
なのは「・・・はぅ・・・・・・みんなと一緒に動けるのは、嬉しいんですけど・・・
    そのために皆のさらに5倍掛かるだなんて・・・・・・(泣)」
フェイト「な、なのは!落ち込まないで!」
はやて「あたしかて脚部強化させてもらったんやから、そんな気ィ落とさんと・・・!」
自分の筋金入りの運動音痴を補うためとはいえ、皆の5倍という事に落ち込むなのはと、それを慰める2人であった。

666飛燕:2007/04/29(日) 22:31:50 HOST:family.e-catv.ne.jp
=中等部グループ=

泰山 要。
彼女は中等部2年生、高等部の泰山 真は彼女の姉に当たる。
肉体派な姉とは正反対で、勤勉的で誰に対しても、規律に対しても、誠実に対応する真面目な性格。
冷淡な口調と周囲に流されぬ確固たる冷ややかなる意思は、中学生とは思えぬ程に大人びている。
こう述べると少々癖はあるが、ほぼまともな人間に見えるのだが、文学に長けてるだけにどうも口達者である事も記述しておかねば彼女という人間を誤解されかねない。
口達者といっても人を食ったような物言いをするタイプではなく、人を突き放すようなタイプである。
一例として上げるならば、授業中に余りに過ぎたるお喋りをしていた・・・それも周囲が迷惑と思うほどに大きな声で雑談をしていた生徒らが居た。
それらに対し、無論の事ながら要は注意した。こんな風に―――。

「先生、知ってます?五月って蝿が特に発生し易い時期ですのよ。だから五月蝿いって漢字には五月の蝿と書くのですよ。でも、幾ら蝿の羽音がうるさいからってそんな漢字を書かなくても宜しいとは思いません事?どうせ書くならば五月××(個人情報保護の為、喋っていた人間の名字は伏せ)いと書くべきだとは思いませんか。煩わしいくらいにやかましいんですもの」
「・・・あんた、ナメてn・・」
「おや、怒ったのですか?別に私は貴方を侮辱してるつもりは有りませんよ。ただ、鬱陶しいからそのピーチクパーチクと餌を待ってる雛鳥級に雑音しか出さない口を黙らせたいだけです。だから、私が優しく接している間に大人しく聞いて貰えますかしら・・・・口もまだ本調子では御座いませんし、それともまだ言って欲しいの?罵って欲しいの?もっともっと貴方がしてきたように口やかましく注意して欲しいのかしら、どうなの!?」

このやりとり、相手の返しが約2秒に対して要は前後の文を合計して6秒足らずで言い切る始末。
機関銃が如くの嫌味と皮肉のスパイスを肉厚に乗せた注意は相手を泣かせ黙らす程の素早さと剣幕であった程だ。


さてさて、そんな彼女が遠足なるもので遊園地という遊技場へと足を運んでみて、バスから降りて真っ先に目に飛び込んできたのは大きな人だかりであった。
性分のせいか、娯楽施設へ入る機会が殆ど無い彼女にとっては、未開の土地である。
そんな未開拓地に大きな人だかりが出来ると自然に足を運んでしまうのは、心理的作為を感じるがこの際そんなのは端折る。
そして、その人だかりの中心に飛びぬけて頭と背丈が出ている人間が居た。
更に付け加えるのなら、その人間の顔には見覚えがあったし、何より遠目ではあったが頭に何かが刺さってるように見える。
自分の歳が耄碌するほどに老いたとは思えぬし、あんなのを夢に見るほどに精神的に病むような出来事も最近は無かったはずだ。
ツカツカと無言で群集の中へと歩み寄り、中心で何やら困ったような顔をして右往左往してる人間を呼びつけた。
要「・・・・何ゆえに、そのように痛々しき出で立ちでいらっしゃるのかしら?藤堂先輩」

667飛燕:2007/04/29(日) 22:33:14 HOST:family.e-catv.ne.jp
声のする方へと振り向いたが背の高さの都合上、彼は周囲を見回し、ようやっと視線を此方へと落として気付いてくれた。
尚也「え?あれ、君は確か・・・・」
頬を掻きながら、何とか名前を思い出そうとしているらしいが、そんな時間を待つ程に自分は暇ではない。
要「1つ後輩の泰山 要です。覚えていらっしゃいますか?」
改めて自己紹介を済ませると、尚也は思い出したのが嬉しかったのか笑顔で応えたが、途中で疑問符を頭に浮かべた。
尚也「あ、これはどうも有難、う?・・・痛々しい出で立ちって何の事?」
そこへ、痛々しい出で立ちの人物を探していた級友が、尚也の声を聴きつけて現れた。
アラド「その声は尚也だな!・・んだよ、この人だかりは?お〜い、尚也。何して・・」
そこまで言って、目の前の光景を見て停止。
ゼオラ「ちょっと、アラド。ラトがまだ降りて来てな・・」
野次馬を押し退けて、輪の中に入っていった相方の腕を捕まえて、ふと目の前の人物の出で立ちを見て停止。

待て。
一先ず、落ち着こう。
はい、深呼吸深呼吸。
目の前にあるのは夢だ。
そう、きっと悪夢だ。
何を根拠に悪夢か、だって?
それは無論、目の前に白磁色の鉢と全長10m近い南洋植物学名「ヤシ」が、人の頭に突き刺さってるからだ。
ついでにだが、その刺さってる人間は頭からだくだくなみなみと出血してるが、全然その事に気付くどころか、皆が何でこんなにざわついて、畏怖の目で見るのかが分からないから教えてくれと、こっそり聞いてくる始末である。
こんなシュールな映像が現実のはずが無い。
あって良いはずがない。
つうか、痛々しいから視界に入ってくれないでくれ。
見てるこっちまで頭が痛く、貧血に見舞われるような錯覚に陥りかねん。
Dゾーンに入場する前に彼はデンジャラスゾーンにぶっちぎりで入ってる、色んな意味で。
ほら、こんなにもぽかぽかとした陽気な一日なんだ。
白昼夢くらい誰だって見・・・。

尚也「・・・・何で現実逃避してんの、2人共?」
遠い目であさっての方角を見ている2人を呆れた様子でツッコミを入れてみた。
さりとて、2人が返事を返す雰囲気は無さそうである。
要「痛覚の鈍そうな貴方が言える事ですかね?一度、神経科に行かれる事をお奨めしますよ」
尚也「良く人に言われるんだけど・・・・俺、そんなに無神経な事をしてたっけ?」
そう受け取るという事は少なくとも、彼には「嫌味」で言われているという事は理解していると見受けれる。
が、どうも意味を履き違えているらしい。
というか、思いっきり間違えてる。
要「・・もういいです。頭痛が酷くなってきましたわ・・」
尚也「頭痛持ちなら、保健委員を呼ぼうか?」
やっぱり、何処かズレてるのが彼の良さ、なのだろうか。
誰でも鈍い一面はあり、それが表面化するものだ。
ただ彼の場合は、それが肉体的痛覚を帯びた場合にのみ限り表面化するだけなのである。
余談ではあるが、良い子も悪い子も不注意で転んで頭に物を突き刺そうなんて真似はしないで欲しい。

668藍三郎:2007/05/05(土) 00:43:00 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

織兎「うわぁ〜〜〜♪」
 立ち並ぶアトラクションの数々に、
 オリキャラ学園高等部一年生・姫星織兎(ひめぼし・おりと)は目を輝かせる。

 背中まで伸ばした鮮やかな臙脂色の長髪に、真珠のような純白の肌。
 愛らしい顔立ちに潤んだ瞳、柔らかな体のライン。
 誰が見ても『美少女』と認める容姿の持ち主だ。
 しかし、何人だけが気づくだろう。
 輝くような美貌を持つこの人物が、実は『男性』であるなどと・・・


織兎「何から乗ろうかな〜〜?よぉーし!あれにしよ〜っと!」
 織兎は早速一つのアトラクションに目をつける。
 ばたばたと走るのに合わせて、白色のスカートが揺れる。
 『彼』は当然の如く女物の衣装を着用しており、それも実に似合っていた。
 この容姿に騙されて、熱烈な恋心を抱いた挙句、
 真実を知って血涙を流した男は山ほどいるとかいないとか・・・


刹夜「待て、織兎」
 そんな彼を、後ろから呼び止める声が一つ。
 織兎が後ろを振り返ると、そこには彼の同級生にしてお目付け役、
 流冬刹夜(るとう・せつや)が立っていた。
 
 すらりとした長身を、黒色のスーツで包んでいる。
 藍色の髪から覗く眼光からは、揺ぎ無き強い意志が感じ取れる。
 研ぎ澄まされた空気、一部の乱れも無い姿勢からも、只者ではない事が伺い知れた。
 
 刹夜は、名家の出身である織兎に付き従う従者であり、彼の幼馴染でもあった。
 幼少より主従関係を結んできた二人は、強い絆で結ばれており、
 主従でありながら、かけがえの無い親友同士であった。
刹夜「お前は今からアレに乗ろうというのだな?」
織兎「うん、そーだよ♪スリリングで楽しそーでしょ?」
 その指先には、曲がりくねったコースをジェットコースターが唸りをあげて走っていた。
 はしゃぐ織兎と対照的に、刹夜は黙って頭を振る。
刹夜「駄目だ。
 あんな危険な乗り物に、お前を乗せられるものか」
織兎「え〜〜〜!でもでも〜皆乗ってるよ〜?
 バラティエ先生が作ったんだし、安全だって!」
刹夜「それでも、危険な事には変わりない。
 万が一、事故でも起こって放り出されたらどうする?取り返しがつかん事になるぞ」
 流冬刹夜は、主である姫星織兎を、命を懸けて護る事を誓っている。
 それゆえ、わずかな危険にも過敏に反応し、それから遠ざけようとする。
 端から見れば、いささか過保護すぎるほどに・・・
 
 そんな刹夜に対して、織兎も不満を覚えぬはずが無かった。
 自分の身を案じてくれるのはわかるのだが、こうも反発されると遊園地を存分に楽しめない。
織兎「む〜〜〜!じゃあ、あれは?」
 今度は別方向のアトラクションを示す織兎。
 そこには、地上何百メートルもの高さから落下する絶叫マシン、
 フリーフォールが聳え立っていた。
刹夜「あれも駄目だ!あんな高いところから降りて・・・
 心臓がショックで止まるかもしれんのだぞ!!」
 と、あくまで織兎を絶叫マシンに乗せない刹夜。
織兎「もう!刹夜ってば心配しすぎ〜〜」
 膨れっ面になって怒る織兎。
刹夜「これも全部お前のためを思って・・・待て!織兎!」
 刹夜の呼びかけを無視して、織兎は一人走り出す。
織兎「いいもん!刹夜が許してくれなくたって、僕一人で遊んでくるもんね〜!」
刹夜「・・・・・・!!」
 織兎にそう告げられた後、刹夜の表情が目に見えて変わった。
 クールな仮面は崩れ、狼狽の色が顔に浮かぶ。

刹夜「わ、わかった!・・・それなら、俺も一緒に乗ろう」
織兎「え・・・?」
 織兎は立ち止まり、正面から刹夜と相対する。
刹夜「そこまでお前の決意が固いならば、もう止めはしない・・・
 何が起ころうとも・・・例え、嵐が吹き、大地が鳴動し、
 あのアトラクションが崩れ落ちようとも・・・必ずお前を護ってみせる」
 真面目な顔でそう継げる刹夜は、織兎のため身命を賭す覚悟を決めていた。
織兎「刹夜・・・・・・」
 彼の決意にじんと来たのか、黙って彼を見つめる織兎。

669藍三郎:2007/05/05(土) 00:43:56 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

 その時・・・・・・

朱桃「くぅぅぅぅぅ!!!萌え〜〜〜!!!」
 近くの草むらを突き破り、赤い髪の女がいきなり飛び出てきた。
刹夜「!!お前は・・・」
織兎「あ、モモちゃん♪」
 魔女みたいな衣装を着た、若い女性と二人は顔見知りだった。
 女は息を荒くして、
朱桃「はぁ・・はぁ・・・あまりの胸キュンシーンに感極まって出てきてしまったわ・・・
 あのまま行けば、キスシーンが見られるところだったのに・・・」
刹夜「するか」
 女の妄想をきっぱり否定する刹夜。

 彼女の名は恋風朱桃(こいかぜ・すもも)。
 オリキャラ学園高等部の三年生である。
 彼女はいわゆる『腐女子』であり、ボーイズラブを大いに愛する淑女である。
 そののめりこみは半端ではなく、
 現実世界でも美形の男の子同士の絡みを見ると、色々妄想してしまう性癖を持つ。
 織兎と刹夜とは昔馴染みで、彼ら二人は特にお気に入りである。

朱桃「で、今から二人は絶叫マシンに乗るのよね?
 むふふふ・・・いざとなって、怯える織兎きゅんの手を優しく握って、
 『俺がついている、だから怖がるな』・・・キャ〜〜〜〜!!!!」
刹夜「・・・・・・」
 彼女はこの手の妄想を、顔を合わせるたびに吐いている。
 織兎は姉のような存在として懐いているが、
 刹夜は好き勝手な妄想を垂れ流す彼女を、内心疎ましく思っていたりする。
朱桃「何かハプニングが起きないかしら?
 ラブなイベントは、アクシデントから発生するものだし・・・」
刹夜「・・・妙な真似をしてみろ。ただではすまさんぞ・・・」
 不穏な動きを起こす予感を覚えた刹夜は、しっかり釘を刺しておく。

織兎「ねーねー、モモちゃん。モモちゃんも一緒に回らない?」
朱桃「え?いいの?」
 意外な申し出に朱桃はきょとんとなる。
織兎「うん!皆で遊んだ方が楽しいし・・・刹夜もいいでしょ?」
 刹夜は最初渋い顔をしていたが、ゆっくりと頷く。
刹夜「そうだな・・・こそこそ後を付けられるよりはその方がマシか」
 どうせ断っても、密かに後を追ってくるのだ。
 それなら、まだ目の見える範囲にいた方が警戒しやすい。
織兎「やったぁ♪刹夜、」
朱桃「ええ、貴方達の行動、じっくり観察させてもらうわ。
 次の新作は、『織兎×刹夜、ドキドキ☆遊園地デート♪』で決まりね!」
 
 彼女は同人誌作家であり、「恋風すもも」というペンネームで同人誌を執筆していたりする。
 もちろんジャンルはBLものだ。
 その筋では伝説的な存在で『腐女王(スメル・クィーン)』の称号を持っている。
 美形が多いオリキャラ学園では、ネタに事欠く事が無い。
 彼女の本は約半数が実在の人物がモデルとなっており、
 学園の美形のほぼ全てが、彼女の妄想に使われていると言われる。
 その中でも、特に織兎と刹夜は、お気に入りと言う事もありネタにされやすかった。

刹夜「・・・・・・」
 返す言葉も無い刹夜。
 この女に何を言っても無駄だと言う事は、今までの付き合いで十分理解できた。
 あの歪んだ性癖を直す手段は無い・・・と、半ば諦めの境地だ。
 織兎のためならば、どんな危難や強敵が襲っても戦い抜く覚悟があるが、
 この女の相手だけは、やる気が無くなってしまうのを抑えられなかった・・・

670藍三郎:2007/05/06(日) 10:05:25 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

レナ「さぁ〜ってと、何から乗るかな・・・」
 オリ学高等部一年生、レナ・サラマンドラはバスから降りた後、
 ガイドを見ながら何に乗ろうか思案していた。
レナ「ま、やっぱり絶叫マシン系かな。
 どのぐらい凄いの作ったか、お手並み拝見、と・・・」
 そう呟いて、手近なジェットコースターに向かおうとすると・・・

???「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!」

レナ「この声は・・・!」
 遠くから、聞き覚えのある声が響いてくる。
 咄嗟に上を見上げると・・・
アリス「アリスちゃん、ダァァァァァァァイブ!!!」
 長い黒髪を翻し、ゴスロリ衣装が宙を舞う。
太陽が照りつける青空には、空高く飛ぶ黒薔院鴉凛栖の姿が。
レナ「!!」
 そのまま飛びついてくると思ったレナは、直ちに受け止めようと身構える。
アリス「と、見せかけて!!」
 アリスはレナの胸に飛び込む事なく、その直前で急転直下する。
 そして、彼女の足下に蹲り、
アリス「太もも、キャァァァァァァッチ!!!!」
レナ「!ひゃっ!?」
 会心の笑みを浮かべて、彼女の剥き出しの生足を掴むのだった。

アリス「むふふふふ・・・新技成功っと♪
 この触り心地・・・やっぱりたまんないにゃあ〜〜♪むにむに〜〜〜♪」
 両手で太ももを掴んでニ、三回揉むと、猫のように頬を摺り寄せる。
 上質の絹を触っているようで、実に心地よさそうだ。
レナ「ひっ・・ぁ・・ちょ・・・やめなさいってば!!!」
 むず痒い感触に耐え切れず、レナは思いっきり脚を振り上げる。
 アリスはこれまた猫のようにそれを察知し、蹴られる前に飛び上がる。
 そして、レナの上体にコアラのように抱きついた。
レナ「もう・・・あんたって子は・・・」
 近頃、とみにスキンスップが激しくなってきた気がする。
 悪意は無い(多分・・・)とわかっていても、さすがに辟易するのだが、
 力関係においてアリスの方が上である以上、逆らう事は敵わない。
 アリスは抱きついたまま、眩しいばかりの笑顔を向ける。
アリス「ねぇねぇレナっち〜〜♪あたしと一緒に回ろうよ〜〜〜」
レナ「え?あんたとぉ・・・?」
アリス「もちろん、嫌じゃないよね?」
 笑顔のままで確認するアリス。
 断ったらどうなるか、今更言うまでも無いようだ。
レナ「はぁ・・・まぁいいわ。とりあえず、降りてくれる?
 抱っこしたまま遊園地見物なんて、さすがに御免だからさ」
アリス「は〜〜い♪」
 了承が取れると、アリスは機嫌よくレナから離れた。

レナ「それで、あんたはどこへ行きたいの?」
アリス「ん〜〜、あれかな?」
 アリスは奥の方にある建物を指し示す。
 夜のような濃い青色で塗られたその屋敷の看板には・・・

『ミッドナイト・ホラーハウス』

 と、おどろおどろしい文字で、いかにも『らしい』ネーミングが記されていた。

レナ「・・・・・・お化け屋敷・・・?」
アリス「うん♪」
 にっこり笑って頷くアリス。それは確信犯の笑顔だ。
レナ「で、でもさ・・・遊園地で最初のアトラクションが、
いきなりお化け屋敷ってのは・・・ちょっと、ねぇ・・・」
アリス「別にいいじゃない♪まだあんまり人入ってないし」
 確かに、他の生徒は皆ジェットコースターなどの
目玉アトラクションに向かっており、お化け屋敷へ脚を運ぶ者は稀だった。
 よって空いている分、狙い目といえる。
アリス「それとも・・・もしかして、怖いの?」
 渋るレナに対し、口元に手を当てて、いたずらっぽい笑みを浮かべるアリス。
 アリスにそう言われ、レナは目に見えて狼狽する。
レナ「バ、馬鹿言ってんじゃないわよ!!
 いいわ。とっとと入ってとっとと終わらせましょう!」
アリス「そうだよね〜〜ああ、楽しみだなぁ♪
どんなグロいお化けが出てくるんだろ〜〜〜」
 期待感をいっぱいにしてレナの手を引っ張り、ホラーハウスへと向かうアリス。
 幽霊やゾンビが『トモダチ』というアリスにとっては、
 お化け屋敷など子供の遊び場も同然だろう。

 一方、『その手の物』が大の苦手であるレナは、
 重苦しい表情でアリスに連れて行かれるのだった・・・

671藍三郎:2007/05/07(月) 21:38:25 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

「霧氷先輩〜!一緒に回りましょう!」
「霧氷先輩!あのアトラクションが面白いんですよ〜!」
「ずるーい!先輩は、私と行くの〜!」
霧氷「ははは・・・まぁ、皆落ち着いて・・・」
 多くの女生徒達に囲まれ、霧氷は乾いた笑いを漏らす。
 オリキャラ学園美術部のアイドルであり、「王子様」でもある
 “彼女”・・・真澄霧氷(ますみ・きりこ)は、
 今日も今日とて彼女を慕う後輩達から熱烈なラブコールを受けていた。

(彼女の素性はオリキャラ学園課外授業編476〜480「二つの顔の王子様」参照)


 一方、そんな光景を見て、心中穏やかでない女性が一人。
瑪瑙「ちょっと、貴女方、おどきになってくださいませんこと?」
 オリキャラ学園美術部部長・彩蓮寺瑪瑙は、霧氷を取り囲む女生徒達を、
 部長の威厳・溢れ出る高貴さ・果ては実力行使で押し退けて、霧氷への道を開く。

霧氷「やや、おはようございます。部長」
瑪瑙「ええ、御機嫌よう。霧氷クン」
 今日の晴天のように曇りなき、朗らかな笑顔で挨拶をする霧氷に、やや心臓を高鳴るのを感じる。
 それでも平静を装い、あくまで優雅に挨拶を返す。
瑪瑙「ところで・・・霧氷クン。貴方に一つ言いたい事があります」
霧氷「え・・・何でしょうか?」
瑪瑙「私は、こういう『遊園地』のような、
 庶民の行楽施設はあまり行った経験が無いのです・・・
 で、ですから・・・今日は庶民たる貴女が、私をエスコートしなさい」
霧氷「はぁ・・・」
 気取った上からの物言いであるが、どこか恥ずかしげな語調だった。
霧氷「ところで、それは部長命令ですか?」
瑪瑙「!!・・・そうですっ!!
 大体、私のエスコートができるなんて、最大の栄誉ですのよ。
 喜んで受けていただきたいものですわね」
 後輩達から、「部長ずるーい」「職権濫用よ!」という声が上がったが、一睨みで黙らせる。
 それでも、やや気後れしたのか真珠色の長髪を払って、こう付け足す。
瑪瑙「ま、まぁ・・・貴女の都合もあるでしょうし、私も無理にとは申しませんけど・・・」
霧氷「そんな・・・僕は構いませんよ」
瑪瑙「え・・・・・・」
 あっさり了承の返事が出た事に、瑪瑙は思わず固まる。
霧氷「喜んで貴女をエスコートさせていただきます。瑪瑙さん」
 にっこりと微笑んで、瑪瑙の手を取る。
 瞬間、瑪瑙の心拍数が一気に跳ね上がった。
 その時の彩蓮寺瑪瑙の表情は、本人としてはあまり他人には見せたくないものだったろう。
 純白の肌に赤みが差し、目を見開いたまま唖然としていた。
瑪瑙「え、ええ・・・よろしくお願いいたしますわ」
 何とか体裁を保とうと、こちらも笑顔で笑い返す。
 内心では、思わず喜びで快哉を叫びそうだった。



 こうして、かねてからの望みだった、霧氷との遊園地散策が叶った瑪瑙。
 霧氷に連れられ、遊園地内を歩いていると・・・
霧氷「ねぇ・・・瑪瑙さん・・・」
瑪瑙「?何ですの・・・・きゃっ!!」
 先導していた霧氷が、いきなり肩に手を回して近くに引き寄せてきたのだ。
 瑪瑙の顔は一瞬で真っ赤になり、突然の行動に動揺を隠せない。
 どう言葉を発してよいやら困惑する中で、語りかけてきた声が疑問を氷解させた。
斬狐「やぁ、瑪瑙。よかったねぇ、“霧氷(ぼく)”とのデートが叶って」
瑪瑙「き、斬狐(きりこ)様・・・」
 霧氷とは違う、穏やかさよりも色気を伴う声で語りかけてくるのは、
 霧氷のもう一つの人格・・・真性のレズである真澄斬狐だった。
瑪瑙「い、一体何の用ですの?こんな時に・・・」
斬狐「いや、特に用事は無いんだ。ただふらっと出てきただけさ。
 よくあるだろう?夜中にふと目を覚ますこととか」
瑪瑙「はぁ・・・」
斬狐「知ってのとおり・・・私にとって、昼間は居心地が悪くてね・・・
 しばらく眠っているから、今日は一日、“霧氷(ぼく)”と楽しんでくるといいよ」
 霧氷と斬狐の人格は、偶発的に入れ替わるのではなく、『斬狐』の方が交代の主導権を握っている。
 霧氷の方はもう一つの人格の存在すら知らないのだから、当然だろう。
 斬狐はある程度任意で人格を変えて表に出てこられるが、昼間ではどうも活動しづらいらしい。
 吸血鬼のように、全く出られない事は無いらしいが、
 基本的に太陽の出ている間は、『霧氷』の時間だそうだ。

672藍三郎:2007/05/07(月) 21:42:39 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

斬狐「しかし、“霧氷(ぼく)”に手を握られただけで
 瑪瑙があそこまでかわいい顔を見せるとはね・・・
 これじゃあ、色々手を尽くして愉しませてあげてる私の立場が無いなぁ」
 『斬狐』は『霧氷』が表に出ている間も、
 眠っている時以外は心の内から外の様子を見て、知覚出来るらしい。
 つい先ほどのやり取りも、しっかり観察していたようだ。
瑪瑙「・・・お黙りっ!!」
 羞恥に頬を染め、思わず一喝する瑪瑙。
霧氷「うわっ!ど、どうしました瑪瑙さん?」
瑪瑙「あ・・・今度は、霧氷クン・・・」
 瑪瑙は自分が嵌められた事に気づいた。
 怒られる瞬間を見計らって引っ込むなんて、本当に意地の悪い裏人格だ。
 どうやら、ちょっとからかいたくなっただけで表に出てきたらしい。

霧氷「な、何か失礼な事でも・・・」
 いきなり怒られて、狼狽を隠せない霧氷。
瑪瑙「い、いいえ、貴女は関係ありませんわ。そう、貴女には・・・」
 そう・・・霧氷には全く罪は無い。悪いのは、あの・・・
霧氷「・・・何だか含みのある言い方なんですけど・・」
瑪瑙「!!もう気になさらないで!よいこと?」
霧氷「は、はい!」
 再度一喝された霧氷は、大人しく首を縦に振る。

瑪瑙「コホン。それより、速く参りましょう。一日は短いのですから。
 まずはどこへ連れていってくださるの?」
霧氷「そうですね。バスの中で色々お勧めを教えてもらったんですけど・・・」
瑪瑙「それは、後輩の子たちに?」
 やや目を細めて霧氷を見やる瑪瑙。
霧氷「そ、そうですけど・・・」
 バスの中では、やはりファンの子達に囲まれて、
 わくわくランドの目玉スポットを次から次へと聞かされたものだ。
 だが、そのお陰でエスコートの準備は万端である。
瑪瑙「ま・・・別に構いませんけど・・・」
 この程度で嫉妬していては始まらない。
 しかし、どこか拗ねた表情になるのは止められなかった。


霧氷「えっとですね。遊園地ってのは順番が大事でして、
 時間内に目玉のアトラクションを全部楽しむには、
 空いているところを効率よく回っていく必要があるんです。
 なるべく、待ち時間のロスを無くすようにしないと・・・」
 と、彼女らしい倹約的かつ計画的な意見を出す霧氷。
瑪瑙「あら?それは問題なくってよ?」
霧氷「?といいますと?」
瑪瑙「いざとなれば、並んでいる他の方々を買収して、
 順番を譲っていただければ済む事じゃありませんか」
 さすがは政財界の巨頭彩蓮寺家の令嬢。大金持ちにしかできない発想である。
霧氷「は、ははは・・・さすがは瑪瑙さん」
 これには、霧氷も乾いた笑いを漏らすしかない。
瑪瑙「ま・・・乗り物もいいですけれど、二人きりでのんびりする時間も・・・」
 後半は聞こえないよう小声で言う。
霧氷「え?何か仰いました?」
瑪瑙「!!何でもありませんっ!!」
 またしても爆発する彼女に、きょとんとする霧氷だった。


瑪瑙(ううう・・・)
 緊張と興奮を隠せない。
 彼女と二人きりでいるだけで、
 どんなアトラクションに乗ってもスリルも感じなくなる気がする。
 それでも・・・愛しい女(ひと)と一緒の時間を共有する事は、この上ない幸福だった。

 もっとも・・・
 あの“雌狐”があのまま大人しく引っ込んでいるとは考えにくい。
 水面下で何か悪知恵を働かせているのでは無いかと、一抹の不安を覚えるのだった・・・

673藍三郎:2007/05/12(土) 07:36:35 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

織兎「ひゅ〜〜ぅ。面白そうだなぁ〜〜〜早く乗りたいなぁ〜〜〜!」
 蒼天を駆けるジェットコースターを見上げ、感嘆の声を上げる織兎。
 現在、彼がいるアトラクションの名は『サンダーボルト・アクセラレイター』。
 遊園地の定番・ジェットコースターであり、
 稲妻をあしらったデザインのコースターが曲がりくねったコースを爆走するのだ。
 その速度は、まさに迸る雷の如し。
 並み居る遊園地の目玉コースターと比べても、そのスリルにおいて決してひけをとらない。

 織兎、刹夜、朱桃の三人は、
 このコースターに乗るべく、順番待ちの列に並んでいた。
 さすが遊園地の華だけあって最初から並ぶ人も多い。
織兎「次帰って来る頃には乗れるよね?」
刹夜「ああ・・・」
 後もう少しで順番が回ってくる。
 それまで、期待に胸を高鳴らせながら待っていたが・・・

朱桃「?ね、ねぇ、あれ見てよ・・・」
 朱桃は上空を指し示す。
 蔦のように入り組んだコースを疾走するジェットコースター。
 その先端に・・・おかしな物体が乗っているのが目に留まったのだ。
刹夜「・・・・・・何だと?」
 同じくコースターの異常に気づき、ざわつき出す群衆。
 それは、到底ありえない光景だった。


夢夜「わはははははははははは!!!!!
 気っ持ちいい―――――――――――っ!!!!!」

 地上にいる者達は、その正体に唖然となる。
 コースターに乗る者達も、一瞬スリルを忘れて驚愕した。
 
 時速何十キロと言う速度で爆走する
 ジェットコースターの最先端に、悠然と立つ男がいたのだ。
 男は、シートベルトはおろか命綱の一本もつけず、
 ただ二の足だけでコースターの頭に直立している。
夢夜「うんうん♪痛快かな痛快かな。わはははははは――――――!!!!」
 強風が男の顔に吹き付け、深緑色の長髪が後ろへと靡く。
 男は恐怖に竦むどころか、両手を広げて銀杏色の袖をはためかせ、実に愉快な表情をしている。
 いや、恐怖という問題以前に、曲がりくねったコースを走る
 コースターに二の足だけで乗っていれば、振り落とされるのがオチだ。
 それでも、彼の両足は吸い付くようにコースターに固定され、
 どんなに激しく揺れても完全にコースターの動きと同調し、小揺るぎもしない。
 こんな芸当、サーカスの一流芸人でも不可能だ。
 人間業とは思えぬ強靭な足腰に加え、信じがたいバランス感覚の持ち主なのだろう。

 居並ぶ群衆にとってはありえない光景であっても、
 彼・・・黄泉津夢夜にとっては、単なる遊びに過ぎない。
 こんな真似をしたのも、他人の視線を浴びて目立ちたいという意図ではなく、
 ただ、高速で突っ走るコースターに乗ったら気持ちよさそうだ・・・
 その程度の思いつきでしかなかった。

 蒼穹を駆け抜けるジェットコースター。
 唸りを上げて吹き荒ぶ風を全身に感じ、夢夜は満足そうな笑みを浮かべる。

 だが、ジェットコースターは決して起伏だけのコースではない。
 中にはぐるりと反り返ったり、ループするようなコースもある。
 その場合、当然コースターは逆さまになる。
 そうなってしまえば、夢夜でさえも、
 地面に真っ逆様になるのを避けられないように思えるが・・・

夢夜「よっと♪」
 そんな杞憂を嘲笑うかの如く、夢夜はコースターが反転した瞬間・・・
 足元を蹴って宙へと躍り上がった。
 そして、コースターが元に戻った瞬間を見計らい、即座に元の位置へと着地する。
 それは、超絶技巧を尽くした曲芸を見るかのようだった。

 やがて、単に乗っているのにも飽きてきたのか、
 コースターの先端で機敏な動作を始める。
 両足ではなく掌をついて、逆立ちしたまま乗ったり、
 片手だけで体を固定し、ブレイクダンスのような回転を披露してみせた。
夢夜「あははははははは!!!ジェットコースター、サイッコ―――――ッ!!!」
 独楽のように回りながら叫び夢夜。
 だが、彼の『楽しみ方』は常人には真似できないものであり、
 間違っても、ジェットコースター本来の『楽しみ方』ではない。

674藍三郎:2007/05/12(土) 07:37:19 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

織兎「ほえぇ・・・凄いなぁ・・・」
 周囲からも、同様の感嘆の声が聞こえる。
 ジェットコースターの下には、いつしか順番待ち以外にも多くのギャラリーが集まっていた。
 ショーか何かを見るように、群集たちは夢夜の人間離れした大技に注目する。
 刹夜もまた、腕を組んで夢夜の妙技に見入っていた。
 格闘者として、彼の常人離れした身体能力は驚嘆に値する。

織兎「でも、結構面白そうかも。ねぇ、刹夜・・・・」
刹夜「・・・絶対に駄目だ!!」
 話を聞くまでも無く、刹夜は禁止する。
 よからぬ考えを起こす前に、しっかり釘を刺しておく。
朱桃「良い子のみんなは真似しないよーに・・・って、できるわけないか」
 誰に向かって言ったのか、朱桃はぼそりと呟いた。


紫音「兄さん・・・・・・(汗」
 一方・・・地上では、紫色のポニーテールの少女が、
 心配するような、呆れたような視線で夢夜の奇行を見上げていた。
 彼女は黄泉津紫音。自分で言っている通り、黄泉津夢夜の妹である。
 兄の奇行は今に始まった事ではないが、家族としては心臓に悪い。
夢夜「お!わははははは!!しおーん!!見てるかーーー!!」
 地上にいる彼女に気づいたのか、夢夜は手を振ってくる。
 身体能力のみならず、視力も並外れているようだ。
紫音「は、ははは・・・」
 乾いた笑顔で、手を振り返す紫音。正直、ちょっと恥ずかしかった。

蒼鷹「あの馬鹿め。また下らん事をやっているようだな」
紫音「あ・・・蒼鷹先生」
 ふと通りがかったのか、葵蒼鷹はコースターを見上げて憮然とした顔つきをしている。
 黄泉津兄妹は、京都の学校からここオリキャラ学園へと転校してきたのだが、
 その時蒼鷹も同じ学校にいた。
 もっとも、兄・夢夜と蒼鷹とは、教師と生徒という枠を越えた昔からの『腐れ縁』らしいが・・・
蒼鷹「迷惑だ。今すぐ払い落としてやろう」
 懐から一枚の符を取り出す蒼鷹。
 平安時代より続く陰陽師の家系・葵一族の出身である彼は、符術の達人でもあるのだ。
紫音「や、やめてください!!」
 さすがに静止する紫音。それを聞いた蒼鷹は黙って符を仕舞う。
蒼鷹「・・・そうだな。
 あんな脳髄の欠落した三流道化師に関わるなど、時間の浪費でしかない」
 辛らつな言葉を吐いて、その場を去っていく。
紫音「ははは・・・」
 そう言われても仕方がないと思い、乾いた笑いを漏らす紫音だった。


夢夜「わはははははは〜〜♪」
 コースターの上では、
 相変わらず夢夜が奇声を上げながらアクロバティックなショーを披露していた・・・

675鳳来:2007/05/13(日) 22:57:10 HOST:menet70.rcn.ne.jp
一方・・・・
=Dゾーン・スタッフルーム=
ここは、狩人達が集う場所ーーーー数多の兵を向かい討たんと己の得物を準備する。
狩人達のの獲物は、Dゾーン参加者。
目的は、彼らの得た金貨とプレート。
吹雪「・・・・・どうやら、集まったようだな。」
この場に集まった面々を見てやる吹雪ーーーーそこにはそうそうたる面々が集まっていた。
グローブを嵌める男物のスーツを着た男装の麗人、銃の整備をする草臥れたスーツを来た壮年・・・
ざっと見ただけでも、只者では無い連中が集結している。
彼らが集められたのは、実力が劣るため死の危険がある者を場内から追い出すための措置として、PKとなってもらうため。
吹雪「では・・皆の者、行くぞ。」
狩りは始まったーーーー今、Dゾーンに戦いの幕があける。

676藍三郎:2007/05/14(月) 10:48:44 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

=ミッドナイト・ホラーハウス内部=

「VOHHHHHHHHHHHH!!!!!!」

レナ「ひぃ・・・・・・」
 頭を丸呑みにされそうな程に迫ってくる亡霊の顔面を前に、レナは思わず竦み上がる。
 例え・・・これが立体映像(ソリッドビジョン)による
 演出だと分かっていても・・・やはり恐いものは恐い。

 ミッドナイト・ホラーハウス・・・
 おどろおどろしく彩られた館の内部には、様々な仕掛けが施されている。
 凝りに凝った造型と、コンピューターグラフィックスを駆使した恐怖演出の数々は、
 館に立ち入る者たちをことごとくスリルと恐怖の渦へ落としていく。

 だが・・・

アリス「むぅ〜〜〜・・・つまんなーい!」
 いかにも彼女好みな、陰鬱で不気味な雰囲気に関わらず、
 アリスは大いに不満なようだった。
レナ「そ、そう?」
アリス「うん!こんなの、子供だましってのがバレバレよ!!
 リアリティが足りないのよリアリティが!!」
レナ(そりゃ、あんたには物足りないでしょうね・・・)
 何せ、正真正銘の死霊使い(ネクロマンサー)なのだ。
 本物の死霊や怨霊と四六時中一緒にいる彼女にとっては、
 ソリッドビジョンのお化けなど恐れるに値すまい。
 案外、彼女の住んでいる家はこの館のような感じなのかもしれない。
アリス「何より〜〜レナっちがあんまり怖がらないのが退屈〜〜〜
 せっかく、レナっちが泣き叫ぶ姿を見るの楽しみにしてたのに〜〜〜」
 頬を膨らませるアリス。
レナ(それがあたしを誘った目的かい!!)

 突っ込みつつも、正直自分でも不思議に思っていた。
 かつての自分ならば、泣き叫びはしないまでも、卒倒してもおかしく無かったのに。
 理由は何となく分かる。アリスと付き合い始めてから、
 ほぼ毎日のように死霊渦巻く恐怖体験を味合わされたお陰で、
 多少のホラー要素には耐性が出来つつあるのだ。
 それは、感謝すべき事なのだろうか・・・
レナ(いや、断じてそれは無い)
 と、心の中で切り捨てた。

677藍三郎:2007/05/14(月) 10:50:02 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

アリス「!!・・・・・・そうだぁ。いい事思いついちゃった〜〜♪」
 アリスの銀色の瞳が、妖しく輝く。
 ポンと手を叩くと、その顔に妖艶な微笑を浮かべる。
 レナは、瞬間途方も無く悪い予感を覚えた。
 その微笑みは、彼女が悪巧みをするサインだった。
アリス「こぁ〜〜〜んなつまらないお化け屋敷なら・・・あたしが盛り上げてあげる♪」
 そう言って、アリスは抱きかかえる人形『クロチルド』を持ち上げ、宙へと翳した。
レナ「ちょ、アリス、待ちなさ・・・・・・」
 アリスが何を企んでいるのか、レナは即座に察しがついた。
 無駄と思いつつも、制止しようとすると・・・

レナ「――――――――!!?」
 途端に、全身が凍りついたように固まった。
 全身が総毛立ち、血液まで凍てつくようなこの感触。
 機械的な演出などとは比較にならない、“真の恐怖”を目の当たりにした時のものだ。

クロチルド<カタカタカタカタ・・・>
 クロチルドの口が、騒がしく上下する。
 それと同時に、アリスの体から、白い霧が噴出する。
 いや、あれは霧ではない。不気味な声を発し、
 どことなく人の顔をしたソレは、アリスが使役する死霊達だ。

<ビョオオオォォォォォォォォォォ―――――――――――――――――>
 死霊達は、暗い室内を飛び回り、怨差の声を響かせる。
 そして・・・その声に誘われてか、さらなる怪異が大地より出没する。

 床板を割り、何体もの人影が土中より這い出てくる。
 それらは全て、ヒトとしての生を失った者だった。
 落ち窪んだ眼窩、剥がれ落ちた皮膚、腐りきった全身から放たれる酷い悪臭・・・
 彼らこそ、ブードゥー教における『動く死者』、ゾンビ達に相違なかった。

「「「「おおおぉ・・おおぉおおぉ・・・・・・」」」」
 生前の怨みか、ゾンビ達はおぞましい声を発しながら次々と現れる。
 泥を踏みような足音が鳴り、体を動かすたびに体の一部が崩れ落ちていく。
 いつしか、室内は亡者どもの大群で埋め尽くされていた。

 
レナ「あ、ああ、あああ・・・・・・・・・」
 渦巻く白い死霊、行進するゾンビの大群。
 顔中に汗が流れ、瞳孔は大きく開かれ、口は悲鳴も発せぬほどに固まっている。
この世ならざる異形の軍勢に、レナはただ恐怖に顔を凍りつかせるしかなかった。
アリス「うふ♪ようやく『いい顔』みせてくれたね、レナっち」
 亡者達の渦中にいるアリスは、戦慄する少女にウィンクを送る。
 ゾンビと死霊を従えるゴシックドレスの姿は、まさしく冥界の姫君と呼ぶにふさわしい。

アリス「さぁみんな!!パーティーの始まりだよっ!!!
 この暗き夜の館を、恐怖と絶叫で染め上げちゃお――――――――!!!」
 クロチルドを高く掲げて、高らかに宣言するアリス。

<ヒョオオオオオオオオオオオ―――――――――――!!!!!!>
「「「「「「「「おおおぉぉぉおぉぉおおおぉぉおぉおおぉ――――――――!!!!」」」」」」」」
 将軍に発破を掛けられたが如く、死霊や亡者達は声を上げて高揚する。


レナ「あ、あ、ああああああああああああ―――――――――――――――っ!!!!!!」

 彼女の正気の糸は、この瞬間ぷっつりと切れた。
 心が壊れたかのように顔を歪め、あらん限りの声で絶叫する。
 その声は、亡者達の叫びに混じり辺りに異常な協奏曲を奏でる。


 この時・・・
 ホラーハウスは、怨霊と亡者の集う、真の幽霊屋敷へと変貌を遂げたのだった。
 館に誘われた哀れな犠牲者達を巻き込んで、
 混沌と恐怖に踊りし死霊達の謝肉祭(カーニバル)が、今幕を開ける―――――

678藍三郎:2007/05/14(月) 15:31:28 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

 一方・・・

山本「おっ、なあツナ。次はここにしようぜ」
ツナ「え?・・って、お、お化け屋敷?(汗)なんでまた・・?」
 オリキャラ学園中等部三年生・ツナ、獄寺、山本の三人は、『ミッドナイト・ホラーハウス』の前を訪れていた。
 お化け屋敷を前に、思わずしり込みする気の弱そうな少年。
 彼、沢田綱吉は、その外見どおり勉強、スポーツ、
 何をやってもてんでダメな為周囲から『ダメツナ』というなあだ名で呼ばれている。
 だが、何人が知っているだろう。彼が、イタリア系マフィアの最大規模を誇る
 『ボンゴレ・ファミリー』の10代目ボスである事を。
 本人は断固として拒否しているが、これまでもボンゴレ絡みで様々な事件に巻き込まれており、
 見た目にそぐわぬ修羅場を潜り抜けていたりする。

山本「何でって・・・結構面白そうじゃんか♪」
 にかっ、といつもの笑顔を浮かべる山本武。
 彼はツナのクラスメートで無二の親友だ。野球部所属で、野球への情熱は並々ならぬものがある。
獄寺「・・けっ、くだらねー。
 どーせガキだましのがらくたばっかが出てくるだけだろうが?
 俺はんなもんにはいかねーぜ?」
 獄寺隼人は、馬鹿馬鹿しいといった風に吐き捨てる。
 伊日のハーフである彼は、ボンゴレ・ファミリーの現役マフィアで、
 無数のダイナマイトを操る事から「スモーキン・ボム」の異名を持っている。
 とある事件から、ツナを『ボンゴレ十代目』に相応しいと認め、彼の右腕を自称している。
 色々トラブルを引き起こす事もあれど、頼りになる仲間なのだが・・・
ツナ(獄寺くん・・・強がってても足震えてるの丸分かりなんだけど・・(汗))
 ツナはしっかりそれに気づいていた。最も、自分も他人の事は言えないが。

???「ツナには肝心な時以外での度胸が足りないからな。
 ここで物に動じないよう、慣らすのもいいかもな」
 と、彼らの元へと何者かの声が投げかけられる。
 見ると、ホラーハウスの看板の上に、黒い帽子を被った赤ん坊(?)が腰掛けていた。
ツナ「・・って、リボーン!?お前やっぱ着いてきてたのかよ!?(汗)」
山本「おっす、赤ん坊!」
リボーン「ちゃおッス」
 ツナの家庭教師・リボーンは、看板から飛び降りると、定位置である山本の肩に着地した。
 彼はマフィア界最強の赤ん坊『アルコバレーノ』の一人で、名うてのフリーの殺し屋(ヒットマン)だった。
 そんな彼だったが、ボンゴレ9代目の依頼を受けて来日。
 次期ボスであるツナの家庭教師となり、ツナを日々厳しく鍛えている。

679藍三郎:2007/05/14(月) 15:32:14 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

リボーン「この遊園地には色んなアトラクションがあるからな。ツナを鍛えるにはうってつけだぞ」
ツナ「余計なお世話だよ!(汗)・・つーか、今日ぐらいは休ませてくれって!!」
リボーン「『遊びの中に修行あり』って昔のえらい人も言っていたぞ」
ツナ「いや、それパクリだろ!?つーかそれ言った人って、ただのスケベな象じゃんか!!(汗)」
獄寺「さすが十代目!お見事な博識ぶりっす!」
 割とどうでもいい事なのに、涙を流して感動する獄寺。
リボーン「細かい事は気にするな。それとも『死闘の中に修行あり』の方がお望みか?」
ツナ「・・前者の方がいいです、はい(汗)」
 ツナはがっくりとうなだれる。
リボーン「もちろん・・・オレはオレで楽しむけどな」
 そう言うと、ボン太くんの着ぐるみを被るリボーン。
ツナ「って!自分はちゃっかりエンジョイする気まんまんじゃないかー!!」
山本「おっ、ボン太君じゃん。赤ん坊、もしかしてここのバイトでもやってんのか?」
リボーン「いんや、そこの売店で買ってきたんだぞ」
 手の銃で、向こうの売店を指し示す。
山本「そうなのか?いろんなもんが売ってんだなぁ〜・・」

リボーン「それじゃ、早速行くか。
 少しでも度胸をつけ、ボスとしての風格を養ってくるんだぞ」
ツナ「・・だから、マフィアのボスになんかならないって!!
 はぁ・・・でも、どうせ行かなきゃいけないんだろうなぁ・・・」
 この展開で、リボーンに逆らっても無駄だという事を、ツナは今までの経験から十分承知していた。
獄寺「じ、十代目!?何も十代目があんなぼろ屋敷なんぞに赴かれなくても・・!」
ツナ「・・いや、そうしないと、多分色々と後悔する目にあいそうな気がするし・・・」
獄寺「くっ・・、わ、わかりやした!この獄寺隼人!!
 十代目のためなら、たとえ業火だろうが渦潮だろうがおんぼろ屋敷だろうが、
 どこまでも十代目にお供します!!」
 己の覚悟を表明すると、大きく礼をする獄寺。
ツナ「い、いやいや、獄寺君!そんな大げさにしなくてもいいから!!(汗」

山本「うっし。んじゃ、さっそくいってみよーぜ。」
ツナ「分かったよ。・・はあ〜・・・」
獄寺「てめ、山本!十代目より先を歩くな!(怒」
 先頭に立って歩き出す山本。それに怒る獄寺。ため息を吐くツナ。
 こうして、三人と一人の赤ん坊は、ホラーハウスの門を潜った。


???「・・・・・・・・・・」
 この時、誰が気づいただろうか。
 近くの木の上に潜み、ツナ達の動きを監視している者がいる事に。
 痩せ細った体躯をした黒い影は、ツナ達がホラーハウスに入るや否や、樹上から音も無く姿を消す。

 その顔には・・・白い髑髏の仮面が張り付いていた。

680藍三郎:2007/05/14(月) 15:33:36 HOST:161.73.183.58.megaegg.ne.jp

=ホラーハウス内部=

骸「なるほど・・・沢田綱吉達がこの館に・・・」
 ホラーハウス内の柱に寄りかかり、六道骸は何者かに語りかけていた。
 その先には、一面の闇しかなく、人の姿は確認できない。
骸「クフフフフ・・・実に期待通りですね。では、手はず通り頼みますよ・・・」
 そう告げると、骸は柱から体を起こす。
 周囲では、立体映像のお化けが喧しく騒いでいるが、毛ほども気にする様子は無い。
 その時、彼の下へ近づいてくる足音が聞こえてきた。
バクラ「ほぉ、また何か企んでやがるのか?六道骸さんよぉ・・・」
 暗闇から、白髪の少年が姿を現す。
 獏良了・・・いや、その闇人格であるバクラは、骸に対して残忍そうな笑みを浮かべる。
骸「・・・貴方は?」
バクラ「ククッ、バクラとでも呼んでくれ。
 あんたの噂は色々聞いているぜ・・・『マフィア潰し』の六道骸ってな」
骸「ふぅ、何ともセンスの無い異名ですね。その分だと、どうせろくでもない噂なのでししょう」
 骸は諸手を上げて嘆息する。
バクラ「そうでもないぜ?あんたとは共感する部分が多い。
 特に、俺たちが持つ“特性”とかな・・・」
骸「なるほど、貴方も・・・・・・」
 バクラの正体を察したのか、骸は不敵な笑みで返す。
バクラ「ところで、お前の後ろにいる“連中”は何だ?
 やけにこっちに殺気を向けてくるがよぉ・・・」
骸「ほう、“彼ら”の気配に気づかれましたか」
バクラ「気配はほとんど感じねぇがな。だが、オレ様は闇の住人だ。
 いくら闇に溶け込もうが、昼間みてーにくっきりと見通せるのさ」
骸「――――ご安心を。彼らは僕の“従者”です。
 僕の命令が無い限りは、襲ってはきませんよ」
バクラ「そいつはよかったな・・・もし勝手に仕掛けたら・・・
 お前のしもべの数が、減っちまうところだ」
 バクラはとびきり残忍に顔を歪める。それに呼応して、闇の中の殺気がさらに上がった気がする。

バクラ「ま、前振りはこの辺にしといて・・・本題に入るぜ」
 バクラは、近くにある不気味な装飾の椅子に腰掛ける。
バクラ「いい事教えてやんぜ。
 オカルト研(うち)の小娘が、ここで面白ぇ騒ぎを起こしてやがるらしいのさ・・・」
骸「ほう・・・もしや、“黒薔院”のお嬢さんですか?」
バクラ「ああ。あの死霊使い(ネクロマンサー)の娘だ。
 どうやら・・・このホラーハウスを本物の亡霊屋敷にするらしい。
 さっき、何匹か亡者(ゾンビ)どもを見かけたぜ」
骸「それはそれは・・・先程から、濃い瘴気を感じるのはそのせいでしたか」
 実に楽しそうだ・・・とでもいう風に、骸はくぐもった笑みを零す。
骸「で・・・貴方はどう動くのですか?」
バクラ「決まってるだろ。オレ様も、元を辿れば死霊どもとは縁が深い・・・
 このパーティー、参加しない手はねぇよ。お前も参加するだろ?」
 そう言って、バクラは手にカードを扇状に広げた。
 不気味な悪魔・アンデッド系モンスターの描かれたデュエルモンスターズのカードだ。
 それらは紫色に発光し、絵柄が蠢いているように見える。
骸「そのために、僕に声をかけたのですね。僕も地獄には縁がある。
 この屋敷を、真の冥界へ変えるのも悪くない・・・
 というより、彼女がやらなければ僕が始めていましたよ」
 骸の右目が妖しく輝く。
 血のように赤く染まった瞳には、『六』の一字が刻まれている。
骸「クフフフフフフ・・・・・・・」
バクラ「ヒャハハハハハ・・・・・・・」
 少年の皮を被った二人の悪魔は、互いに向き合って嗤う。
 彼らの周囲を、黄泉へと誘う死霊の群れが取り巻いていく・・・

681勇希晶@NPC:2007/05/17(木) 17:56:37 HOST:22.suba423.attnet.ne.jp
=ミッドナイト・ホラーハウス=
アリスが本気になり、レナが絶叫をあげる少し前。
ひと組のグループが、この場所を訪れていた。
真「『ミッドナイト・ホラーハウス』ねぇ・・・」
士朗「・・・ホラーハウスって事はお化け屋敷か。」
イリヤ「お兄ちゃん、早く入ろう!」
真央「・・・・・・・・・・・・・・・」
比較的冷静な年長者二名と、期待に胸を躍らせている一名、そして士朗の腕を掴んで離さない約一名。
何があっても離すまいと、がっちり両腕で抱え込む様にホールドしている。
士朗「真央、大丈夫か? どうしても嫌なら、外で待っていてもらってもいいが・・・」
真央の恐がりをよく知っている士朗は、改めて確認をとる。
真央「う゛〜・・・・・・ごめん。」
少しの間だけ迷い、結局残るということを口にして腕を放した瞬間、
イリヤ「じゃあ、一緒にいこ、お兄ちゃん♪」
今まで真央がしがみついていた側の腕にイリヤが抱きついた。
士朗「そうだな。じゃあ真央、ここで」
真央「やっぱ行く!」
士朗の言葉を遮り、真央はイリヤからひったくる様に士朗の腕を奪い返した。
イリヤ「何するのよ。弱虫は弱虫らしく引っ込んでいたらいいじゃない。」
真央「よ、弱虫じゃないし!よく考えてみたら遊園地のお化け屋敷ぐらい恐くないものないじゃん!全部作り物だって分かってるんだし!」
何か危機の様なものを感じたのか、大声で叫ぶ真央。
イリヤ「ふ〜ん、それもそうね。全部作り物だって分かってるなら、弱虫でも大丈夫か。」
真央「だから弱虫じゃない!」
イリヤ「だったら、その腕を放したらどう?」
真央「そ、それはカンケーないだろっ!?」
そう強がる真央だったが、必死な感じで掴まっているので説得力はない。
真央「ほ、ほら、さっさと行くよお兄ちゃん!早く終わらせて次に行こう!」
士朗の腕をぐいぐいと引っ張っていく真央。士朗は溜息をつきつつも真央に従い、イリヤはそれを何か面白そうな表情で追い、真は微妙な表情で殿をつとめていた。


=ミッドナイト・ホラーハウス内部=
『GYWAOoooooooo!!』
真央「ひゃぁぁぁっ!?」

『GOWAaaaaaaa!!』
真央「きゃぁぁぁっ!?」

『NOWHOoooooooo!!』
真央「に゛ゃぁぁぁぁっ!?」


恐ろしく精巧な立体映像で作られたお化け達に出逢うたびに、真央は悲鳴を上げ締め付けを強くしていく。
士朗「・・・・・・大丈夫か?」
真央「だ、大丈夫!全然恐くない、恐くない!!」
そうは言っているものの、今までの反応などを見れば強がっているのは一目瞭然である。
真央(うぅ・・・恐いよぉ・・・恐すぎだよぅ・・・先生達、何でこういう事にばかり力入れるんだよぅ・・・)
実際、真央は途方もなく後悔していた。
イリヤへの対抗心からああは言ったものの、正直甘く見すぎていた。
まさかここまでリアルに出来ているとは思わなかったのだ。
現在の恐怖数値は、士朗やイリヤ達と一緒で、こうやって兄を身近に感じていられることで何とか失神せずに居られないくらいである。
もし一人で入ったならば、忽ちのうちに失神してしまっていただろう。
真「でも、本当にリアルだねぇ。」
イリヤ「本当ね。私達の貸し切りだって言うのが信じられないくらい凄いわ。」
一方、あまり恐怖を感じていない感じの二人。
片方はただ単純にこう言うのが平気であり、もう一人は完全に立体映像だと理解しているからこその態度だった。
士朗「真央。」
真央「ひゃいっ!?あ・・・・・・」
急に名前を呼ばれ、身を竦ませる真央の頭を士朗の手が撫でる。
士朗「大丈夫、俺がついてる。お前は何があっても俺が守り抜いてやるからな。」
優しい、それで居て確かな意思を感じる言葉。小さい頃から、いつも自分を守ってくれた最愛の兄の言葉。
真央「・・・・・・うん。頼りにしてるよ、お兄ちゃん。」
だからこそ、真央は感じている恐怖をやわらげる事が出来た。
・・・・・・・・・そう、アレに遭うまでは。

682鳳来:2007/06/05(火) 22:53:29 HOST:menet70.rcn.ne.jp
663の続き

サスケ「なぁ・・・・もう準備は出来たのか?」
なのは達の衣装の説明をとりあえず終りまで聞いていたサスケが、モエに話しかけるが・・・
モエ「いえいえvサスケ君にも来てもらいたい衣装があるんです。」
サスケ「はぁ!?いや、俺はこのままで・・・・」
身の危険を感じたのかすぐさま、拒否しようとするが・・・
はやて「ええやん、ええやん。うちらもこういう格好なんやしv着替えなら、うちも手伝って上げるから。」
サスケ「んな、何をいって・・・・!?」
憐「そうね。はやてちゃん、彼にこの衣装を着させてあげてね。」
サスケ「待てェ!!俺の意見を・・・・」
はやて「はいはいv話は後で聞いてあげるから。」
嫌がるサスケを強引に着せ替えルームへと引っ張りこむはやて。

=ここからは音声のみでお届けします=
サスケ「たくっ・・・ちょっと強引じゃねぇか・・・・」
はやて「ええから、ええから。さ、これに着替えてな。」
サスケ「あ、一人で脱げるから。良い・・・って、はやて、何、服を・・・」
はやて「へぇ〜サスケ君って、結構しっかりした体付きやな。」
サスケ「まあ。鍛えているから。んで、何気にズボンに手を掛けるなーーー!!!」
はやて「あ、ちょっと、動くと・・・・」
サスケ「脱げた、脱げたぁーーーー!!!」

数分後、少し顔を赤らめた笑顔のはやてと怪物の頭蓋骨の形をした仮面をかぶった某プリン大好き剣士のコスをしたサスケが何か大切なものを失った顔をしてでてきたのであった。

683鳳来:2007/06/24(日) 23:39:02 HOST:menet70.rcn.ne.jp
=Dゾーン入場門付近=
とりあえず、色々あったもののDゾーンへと足を踏み入れたなのは一行を待ち受けていたのは・・・
忍者コスのボン太君『やあ、こんにちはv命知らずの吹き溜まりDゾーンへ、ようこそv命知らずの挑戦者ども〜v』
そう書かれたカンペを片手に笑顔(?)を振りまく忍者コスしたボン太君だった。
サスケ「・・・・・何やってんだよ、佐助?」
忍者コスのボン太君『佐助?僕、ボン太君だから、難しいこと分からないなぁ?』
サスケ「いや・・・・ああ、もう良いや・・・・・」
すっかり役に入っている佐助との会話をすぐさま断念するサスケ・・・・実に手馴れている。
なのは「あははははは・・・・それで、どうしたの、佐助・・・」
忍者コスのボン太君『ボン太君です。』
なのは「えっと、ボン太君・・・」
忍者コスのボン太君『まずは、このDゾーン攻略の説明だよv』
そうカンペを掲げた忍者コスのボン太君が取り出したのは、Dゾーンについての説明だった。
直ルールの説明についてはBBSを参照(ぇ
忍者コスのボン太君『まあ、とりあえずは、金貨を集めないことには始まりません。』
フェイト「はぁ・・・・」
ヴィータ「へん!!あたし達にかかれば、どんなアトラクションだって、お茶の子さいさいだよ!!」
忍者コスのボン太君『うんうんvちょっと自信過剰の気もするけど、まずはこのアトラクションを頑張ってねv 』
ヴィータ「へぇ〜いったい、どんな難しいアトラクション・・・・え!?」
思わず間の抜けた驚き方をするヴィータ・・・・忍者コスのボン太君が指(?)を刺した先には・・・

<その1:感動間違い無しの名作劇場を泣かないで見る。>

なのは一同「「「ええぇえええ〜〜〜!!!!」」」

684清涼:2007/06/25(月) 23:42:33 HOST:usr177.g016.nabic.jp
=わくわくランド・湖付近=

サンセット「ん〜〜、遊園地は楽しーなー♪」
バケツほどの大きさの容器に入ったポップコーンを小脇に抱え、ぐいっと背伸びをするサンセット。
小腹が空いているのか、摘んだポップコーンを大きく開いた口に放り込む。
サンセット「美味しー♪ポップコーンはやっぱりキャラメル味だよね。」
次々と口に入れていきながら、手近にある座れそうな場所を探す。
しかし、ベンチやカフェテリアはどこも満席で座れる余裕はない。
出来れば立ち食いは避けたいので、どこかに場所はないかと辺りを見まわす。
サンセット「お、あったあった。」
見つけたのは煉瓦造りの花壇、腰を下ろすには丁度良いくらいの高さだ。
サンセット「よいしょっ、と。」
花壇の縁に座り、ポップコーンを脇に置く。
サンセット「ふぅ、結構遊んだなぁ。」
ひいふうみい、とこれまでに行ったアトラクションを数える。
数えた結果、その数十七。
まだ園内に入ってから1時間と経っていないのに、よくもまあ遊べたものだ。
だが、彼女の脅威的な身体能力を考慮すれば当然とも言える。
観覧車を飛び越え、ジェットコースターと併走して、遊んでいるのだから。
パンフレットを参考に、次は何処へ行くか考えながら、ポップコーンに手を伸ばす。
が、容器に手を入れた途端、異様な感触を察知した。
明かにポップコーンのそれではない大きさと、心地よい柔らかさ・・・
二、三回揉んでみると、ぐにぐにと変形するが、すぐに元の形に戻る。
弾力はけっこうあるようだ。
一体なんなのだろう、この謎の物体は。
ゆっくりと首を回し、その姿を捉える。
サンセット「なんじゃこりゃ。」
容器に入っていたのは、バレーボールほどはあるピンク色の球。
よく見れば、その頂点に赤い色のでっぱりが二つ付いている。
完全な真球ではないようだ。
サンセット「人形かなんかかな。」
ひとまず引き抜こうとして再び手を伸ばすが、その途端、謎の物体Xがもぞもぞと蠢いた。
びくりと反応して手を引っ込めるサンセット。
球体の触覚にも見える赤い部分がぱたぱたと元気よく動き、己が生物であることを示している。
よもや未確認生物だったとは。
いっそのこと珍獣博物館にしても差し支えないオリ学ではさして珍しくもないが、実際に目の前にするとやはり不安はある。
どうしたものかと悩んだ末、思い切って引っこ抜いてみる。
そして、初めて目にしたその物体は―――

くりくりとしたまん丸の目にとても大きな口。
体格に釣り合っているがとても小さい、おそらくは手であろう前肢。
いまだに往復運動を繰り返す、二足の赤い足(触覚と思っていたのはこれだったようだ)。
なんとも可愛らしい桜色の球体生物であった。

???「ポヨ?」
サンセット「ん?」
もぐもぐとポップコーンを咀嚼する物体Xのきょとんとした目と鳴き声に、サンセットもまた同じような反応で応える。

これがサンセット・クラウズと、謎の生物『カービィ』の邂逅でありました。

685鳳来:2007/08/02(木) 20:36:56 HOST:menet70.rcn.ne.jp
683話の続きです・・・・
そんな課題に対して、高等部の二人はーーーー
エレン「ごめんなさい。ここはパスします。あなた達で頑張って。」
アイオリア「すまねぇ・・・・俺はここまでみたいだ・・・」
あっさりギブアップしました。
なのは一同「「「いきなり、ギブアップ宣言!?」」」
ヴィータ「な、なんで、そんなに早く諦めるんだよ!!!年上なんだから、もう少しぐらい・・・」
エレン「そうね・・・・・けど、私達じゃ駄目な理由があるのよ。」
フェイト「その理由って、なんなんですか?」
深刻そうなエレンに深い事情があると、感じたフェイトが問いただす。
そして、エレンからの回答は・・・・・
エレン「・・・・・アイオリアはすごい泣き上戸なの。」
あまりにもあまりな回答に、ズル、ベターン!!とそんな吉本的驚き具合を見事にやっちゃたなのは達だった。
なのは「あ、あの、泣き上戸って・・・・・・」
エレン「甘く見ないで。何せ、蛍の墓を見た時は、目から大量の涙を流して、三日間続けて、泣きとおした、つわものよ。」
アイオリア「そういう訳で、俺達はここをパスするから。その代わり、他のエリアを攻略してくる。」
はやて「ま、まあ・・・・メダル集めんのには、効率良いかもしれへんけど・・・」
エレン「決まりね。じゃ、また、一時間後、ここで会いましょう。」
サスケ「了解。んじゃ、そっちは頼んだぜ。」
第一アトラクションへと足を運ぶなのは達を見送るアイオリアとエレン・・・なのは達が中に入ったのを確認すると・・・
アイオリア「さてっと・・・・じゃ、俺達も始めようか。」
エレン「ええ。あなた達も、出て来て良いわよ。」
背後を振り返る二人の前には・・・・・意志の強そうな太い眉、挑戦的な吊り目、輝くオレンジ色の髪と瞳をした少女と顔面(右の頬)に刺青を彫り、右耳に三連ピアス、左耳に携帯ストラップをつけた小柄な少年が立っていた。
アイオリア「こいつらが、例のPK連中ってとこか。」
エレン「そのようね。」
黄金の鎧に身を包んだアイオリアとナノマシンにより構築された兵器ARMSを手にするエレン。
すでに両者共に殺る気は充分・・・・さあ、始めよう。
・・・・・人外の者の戦を。

686SD:2007/08/25(土) 00:15:03 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
ヴェルン「……」

丁度、その頃であった。
メルディアナの元へ向かおうとしていたヴェルンは、ある違和感を感じた。
誰かに見られている……ずっと、つけられている感じがしていたのだ。
まさか、またもや利根川の残党だろうか。
いや……トラインが利根川の企業を買収して以来、手の者はいなくなった筈。

ヴェルン(……ん?
そういえば、あいつの姿を見てないような……まさか。)

ヴェルンは、誰につけられているのかに気づいた。
考えてみれば、バスを降りてから……あの男の姿を見ていない。
あの男は、この遊園地の事に関して、学園長と交渉すると言い張っていた。
そしてあろう事か、大企業の社長という立場でありながら、バスの運転手を引き受けた。
勿論その目的は、この遊園地の視察。
そんな男が、今自分を尾行している理由は……大体想像がつく。

ヴェルン「……トライン、出て来い。」
トライン「何だ、ばれていたのか……」

物陰から、ゆっくりとトラインが現れる。
その手にはいつの間に買ったのか、焼きトウモロコシが握られている。
ヴェルンは溜息をつき、呆れながらも彼に尋ねた。

ヴェルン「……一体、何のマネだ?」
トライン「いや、お前の事だから相方の所に行くんだろうと思ってな。
前も言ったが、お前が惚れた相手がどんな人なのか、知りたかったんだが……
どうも、俺が顔を出すとお邪魔じゃないかとな。」
ヴェルン「……お前、こっちの世界に来て本当に性格悪くなったな。」
トライン「素の性格に戻ったって言ってくれ。
……いいもんだな、こういうのも。」
ヴェルン「……ああ。」

今思えば、自分もこの男も、こちらに来て随分と変わったものだ。
これまでに自分達が出会ってきた者達が今の姿を見たら、なんと言うだろう。
以前までは、こんな風に話すなんてことは出来なかった……考えられなかった。
これはやっぱり、平和ボケしたというべきだろうか。

トライン「家庭的になったお前の姿を裕樹達に見せたら、どう反応するだろうな。」
ヴェルン「その言葉、そっくりそのまま返すぞ。
アウトサイダーの最高幹部の一人が、パンフレット片手で焼きトウモロコシをかじりながら、
遊園地を歩く姿なんて……L達が見たら、何って言われるか。」
トライン「はは……まあ、兎に角だ。
いい機会だし、お前の奥さんにこのまま挨拶しとくとするか。
色々と迷惑かけてるだろうけど、こいつの事を頼みますってな。」
ヴェルン「おいおい……かなわないな。」

687勇希晶:2007/08/29(水) 18:42:32 HOST:aa2007051639d2f97e0e.userreverse.dion.ne.jp
=フードコート=
セイバー「おぉ……」
オリキャラ学園の生徒が入場しきってから約二時間後。
ここ、わくわくランド内のフードコートでは、早くもお腹を空かせた生徒たちが思い思いの昼食をとっていた。
そんな中、オリキャラ学園高等部1−C所属のアルトリア=セイバー=バンディは、匂いたつ様な食べ物の薫りにその瞳をらんらんと輝かせていた。
セイバー「これは……困りましたね」
和洋中華に仏・印・越・濠・伯・西・独・土・露・埃・墨・泰・韓・伊・愛・希・西蔵……。
一体どこから集めてきたのかほぼ世界中の料理が集い、すべてが活気に包まれていた。
セイバー「一体どこから……」
ひたすらに悩むセイバー。世界各国の料理を余すことなく味わえる機会など、人生に一度あるかないかである。その人生に一度きりの好機を前に、悩むなというのは無理な相談であろう。
ましてや、(本人は否定しているが)セイバーは「その小さい体のどこに入るのか」といわれるほどの大食漢である。大げさな面もあるが、まさに死活問題といえよう。



―――結局。彼女が悩んだ末に導き出した結論は、
セイバー「……そうです。どうせならば全て食べてしまえばいいのです。」
だった。
一度決めたらなかなか曲げない信念の人でもあるセイバーは、有言実行とばかりに各テナントから一品ずつ料理を持ってきていた。
饂飩にボンゴレ、チキンカレー、ブイヤベース、シュラスコ、パエリア、シュニッツェル(独風子牛のカツレツ)、生春巻き、アイリッシュシチューにムサカ(希)、ボルシチ、ドネルケバブ、ワカモーレ(アボガドのペースト)、トムヤンクンetcetc・・・・・・・・・。
セイバーの前には、世界各国の料理が所狭しと並べられていた。セイバーは箸を取り、手を合わせる。
セイバー「いただきます」
まずは前菜からいこうと箸を伸ばしたとき、唐突に背後から声をかけられた。
???「あきれた。本当にそれ全部食べる気なの?」
セイバー「む、キャス・・・義姉上。それはどういう意味でしょうか」
振り返らずに背後の存在へ声を返すセイバー。
???「そのままの意味よ。これだけ大量の料理、一人では到底食べきれないでしょう」
セイバー「む・・・・・・」
勢いで買い漁ってしまったが、冷静に考えると到底少女一人、否人間一人が食べきれる量ではない。
???「まあ、どうせ貴女の事だから後先考えずに買いあさってしまったのでしょうけれど」
セイバー「ぐっ・・・・・・」
図星を突かれうめくセイバー。
???「まあ、私としてはこのまま貴女の好きに任せてもいいのだけど、さめたら美味しさが激減する料理もありますしね」
そういうと、背後にいた人物はセイバーの隣に座る。
セイバー「・・・・・・つまり、いちいち買うのが面倒だから私にたかりに来たというわけですか。メディア義姉様」
メディア「人聞きの悪いことをいわないで頂戴。私はただ妹の身を案じただけよ」
すでにきれいな手つきでフォークを操りボンゴレを口に運んでいるメディアだった。

688:2007/08/29(水) 18:43:06 HOST:aa2007051639d2f97e0e.userreverse.dion.ne.jp
数十分後。
ヴェルン「・・・やっぱりここにいたか」
立ち話もなんだからと、ひとまず座れるところを探してヴェルンがトラインとともにフードコートへとやってきた。
セイバー「ほうはは(義父様)?」
メディア「アルトリア、口に物を入れて話すのはやめなさいとあれほどいってるでしょう」
シュラスコをほおばったままのセイバーを、メディアが諭す。
セイバー「んぐ・・・・・・っ、義父様。どうしたのですか?」
ヴェルン「メルディアナを探してたんだが、見つけられなくてな」
メディア「生憎だけど、私もアルトリアも母様の居場所については知らないわ」
その答えに、心なしか落ち込むヴェルン。そのままその場を去ろうとしたが、トラインに呼び止められた。
トライン「なあ、ヴェルン。さっきこっちの子がお前のこと“父様”って呼んでなかったか?」
ヴェルン「ん? ・・・ああ、そういやお前は知らなかったんだっけ。俺の娘だよ」
ヴェルンは事も無げに言い放ったが、トラインは驚きのあまり手に持ったパンフレットを落とし、焼玉蜀黍も思わず取り落とすところだった。
トライン「おいおい、マジかよ?」
ヴェルン「冗談を言ってどうする。大体、そんなに驚くことか?」
トライン「いや、だってなぁ・・・。まったく、もう娘までいるとはなぁ。悪い冗談だぜ・・・(何気に手ぇ早いんだな、こいつ・・・)」
ヴェルン「何が言いたい?」
あさっての方向に目をやり、冷や汗を流すトラインとため息をつきつ区ヴェルン。
メディア「・・・ところで、ヴェルン。そちらの方は?」
ヴェルン「ああ、俺の友人だよ。トライン、」
トライン「ははぁ、なるほど。こいつがお前の惚れた相手か?」
にやりとした笑みを浮かべるとラインに一瞬、ヴェルンとメディアは呆然としたが、次の瞬間にはヴェルンはまたため息をつき、メディアはじろりとトラインのほうを睨んでいた。
ヴェルン「トライン、それこそ悪い冗談だ」
メディア「そうです。どうして私とヴェルンが夫婦になりますか。大体、年齢差があるでしょうに」
トライン「いや、そんなことはないだろ。見た感じ同い年くらいだし、案外お似合いなんじゃねぇか?」
ヴェルン「トライン・・・」
トライン「いやしかし、こんな美人の奥さん娶ったお前が羨ましいぜ。こっちはまだ一人身のままだってのによ。」
ヴェルン「トライン、悪ノリはそこまでにしろ」
トライン「あ〜あ、まさかヴェルンに“色々と”先を越されちまうとはな〜」
ヴェルン「トライン!」
トライン「まあ、そう怒るなよ。羨ましいのは本当だし」
そういって笑うトラインだったが、ふと、オーラのようなものを感じて笑みがとまる。
メディア「ふ、ふふふ・・・ふふふふふ・・・・・・。とっても愉快な方なんですね、トラインさんって」
にっこりと笑って見せるメディアだが、背負っている某奇妙な冒険に頻繁によく出てくるあの擬音が出るかというほどのオーラは逆の意味を雄弁に物語っていた。
メディア「転移(アポート)」
瞬間、トラインの姿はそこから消え去っていた。
ヴェルン「・・・メディア。トラインを一体どこへやった?」
メディア「天国へ送って差し上げましたわ。といっても、あの世ではないですが」
涼しい顔で告げるメディア。ヴェルンは首をひねるだけだったが、次の瞬間意味を理解した。
なぜなら、多くの女性の悲鳴が聞こえたからだ。
――余談だが、このときトラインは近くにあった、女子従業員用更衣室に放り込まれていたそうな。

689清涼(別PC):2007/09/01(土) 15:36:54 HOST:usr177.g016.nabic.jp
サンセット「う〜ん・・・」
今、サンセット・クラウズは柄にもなく悩んでいた。
その悩みの大元たるものは、彼女の両腕に抱えられているピンク色の球体。といっても、無機質なボールではなく、温かみを持った生物である。
一体、なに科のなに目に属する生物なのだろうか。
生物学の博士号を取った人間に今目の前にいる生物が何者か聞いたところで、芳しい返事は返ってくるまい。
サンセット「なんなんだろーね、一体」
しばらく黙り込んで考えていたが・・・
サンセット「ま、分かんないこと考えても仕方ないよね」
開き直り。ターン・トゥ・ベイ。
とりあえず、これからどうするか考えることにした。
サンセット「こいつをどうするか、なんだよね・・・」
こいつ、つまり自分が抱きかかえているピンクボールのこと。
まずは名前をつけるべきだろうか、今後もピンクボールで通すのは辛い。
サンセット「どんなのがいいかな?」
「ポヨ?」
唐突に声を掛けられ、口元に食べかすをつけたまま、サンセットに向き直る。
サンセット「名前だよ、な・ま・え。どんなのがいい?」
「ナ・マ・エ?」
きょとん、とした表情で聞き返すピンクボール。
本人に聞くのは流石に無理があったかな、と思ったが、意外にも返答が返ってきた。
「カービィ!」
サンセット「かーびぃ?」
聞きなれない響き、珍妙な名前だ。
しかし何故だろう。この生き物にはぴったりに思えた。
「カービィ、カービィ!」
他の案は通さないといわんばかりに、腕の中で暴れる。
サンセット「うわわわ、分かったよ。でもカービィかぁ、いい名前・・・かもね」
言っているうちに自身が持てなくなり、セリフに間を空けてしまったが、“カービィ”は気にしてないようだ。
サンセット「それじゃ折角だし、一緒に遊ぼうか!」
カービィ「ポヨ!」
こうして、見るも奇妙なコンビが成立した。

690清涼(別PC):2007/09/01(土) 15:37:47 HOST:usr177.g016.nabic.jp
サンセット「さてと。どこに行こっか?」
カービィ「ポヨ」
てくてく歩きながら、アトラクションを見回る一人と一匹。
この時間だとどこも行列が出きあがり、一時間待ち二時間待ちというのはザラだ。
なるべく混み合っていないアトラクションを選びたいが、そう都合よくは見つからない。
サンセット「どーしようかな・・・」
為す術なく立ち往生していると、頭の上に乗っていたカービィが短い手を伸ばして何かを指し示す。
カービィ「ポヨ、ポ〜ヨ」
サンセット「ん、何々・・・『わくわくランドヒーローショー』?」
大きい遊園地ならどこでもやっている、屋外で行うキャラクターショーだ。
もうすぐ開演する時間らしく、初等部の生徒がぞろぞろと入っていくがその人数はまばらで少ない。
サンセット「ちょっと見てこっか?」
カービィ「ポヨ!」
サンセット自身、特撮ヒーローには興味があったし、どうせならここで時間を潰そうと、軽い気持ちで続いて行った。

 *

『レディース・アンド・ジェントルメン・・・みんな、今日はわくわくランドヒーローショーに来てくれてありがとーだぜぃ!』
満席、というほどではないがそこそこ人の集まった会場に、アナウンスが流れ出した。
まだ幼さの残ったその声から察するに、初等部生徒が進行役を買っているのだろう。
『それじゃあ、みんなで俺たちのヒーローの名前を呼ぶぜぃ!せーの・・・』
『ふはははは!そうはいかんぞー!』
突然割り込んできた声に場が騒然となる中、ステージ上が大量のスモークに覆われる。
それが晴れた後には五つの人影、否、怪人が立っていた。
『わはははは!このショーは我々、ビッグ5(ファイブ)が乗っ取ったー!』
高笑いを上げながら、小さな子供にも分かるよう丁寧に説明する五人組。
どうやら、彼らがこのショーにおける悪役らしい。
『手始めに、ここにいる子供達をさらって洗脳してやるのだー!』
ステージから飛び降り、席に座っている子供達に襲い掛かるビッグ5。
もちろん襲う“フリ”だが、小さな子供を怯えさせるには充分だ。
『やめろービッグ5!そんなことは俺たちのヒーローが許さないぜぃ!』
『なにー、ヒーローだとー!?』
『みんなー!大きな声で名前を呼ぶんだぜぃ!』
アナウンスの声に、会場に居た子供達も気持ちを結束させる。
そして、合図と共に一斉にその名を叫んだ。

『カイバーマーン!』

『ワハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』
先のビッグ5の声よりも遥かに大きな高笑い。
それと共に、屋外会場の屋根の上から破裂音とスモークが立ち昇る。
そこにはコートを風にはためかせ、ひとつの人影が佇んでいた。
『うわあ、その声はまさかー!?』
『魂のデッキから稲妻ドロー!炎のカードが悪を討つ!デュエリストエンペラー・カイバーマン、参上!』
前口上を終えると、ビシッ、と決めポーズらしいものを取るヒーロー、否、カイバーマン。
「わー、カイバーマーン!」
「かっこいいー!」
ピンチに現れたヒーローに、子供達の歓声が上がる。
『また我々の邪魔をする気か、カイバーマン!』
『この世に悪のデュエリストが栄えたことはない、覚悟するがいいビッグ5!』
再びビシッ、という擬音が出そうな鋭さでビッグ5を指差すカイバーマン。
「とぅ!」と掛け声をつけて屋根から飛び降り、ステージに着地する。
『ええーい、やってしまえー!』
わらわらとカイバーマンに群がり、次々と襲い掛かる怪人たち。
しかしカイバーマンは巧みな体捌きでそれをかわし、手にしたジェラルミンケースで薙ぎ倒す。
演技云々抜きで痛そうな攻撃だ。
『ぐわわー!おのれ、こうなったら・・・融合合体ー!』
カイバーマンにあっさりやられた怪人達は一箇所に集合し、溶け合うように一つの形を成していく。
その姿は大きく膨れ上がり、五つの首を持った巨大な龍になった。
『大変だ!ビッグ5は攻撃力5000の超強力モンスター、ファイブ・ゴッド・ドラゴンになったぜぃ!』
親切にも、新たに現れた怪物を説明してくれるアナウンサー。

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)
レベル12 闇属性 ドラゴン族 
攻撃力5000 守備力5000
融合/効果:このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。ドラゴン族モンスター5体を融合素材として融合召喚する。このカードは地・水・炎・風・闇属性モンスターとの戦闘によっては破壊されない。(ダメージ計算は適用する)

691清涼(別PC):2007/09/01(土) 15:38:26 HOST:usr177.g016.nabic.jp
『こうなった以上、貴様に勝利はない!観念しろカイバーマン!』
『真のデュエリストはどんな状況でも諦めない!』
圧倒的な存在感と威圧感を発する五つ首の巨龍に睨まれてなお、カイバーマンは雄々しく、気高かった。
『行くぞビッグ5、いやF・G・D!出でよ、青眼の究極龍!カオス・ソルジャー!』
そう叫ぶや否や、カイバーマンの真正面に三つ首を持った純白の龍と、漆黒の鎧に身を包んだ戦士が現れる。
『二体のモンスターを融合し・・・究極竜騎士を召喚する!』
最強の戦士と最強の龍、その力が一つに束なり、全てを超越した究極のモンスターが現れた!
・・・見た目は、戦士が龍に跨っただけなのだけど。

究極竜騎士(マスター・オブ・ドラゴンナイト)
レベル12 光属性 ドラゴン族
攻撃力5000 守備力5000
「カオス・ソルジャー」+「青眼の究極竜」
融合/効果:このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードを除く自分のフィールド上のドラゴン族モンスター1体につき、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

『行け、究極龍騎士!“ギャラクシー・クラッシャー”!!』
究極龍の三つの口から放たれた閃光の息(ブレス)に、カオス・ソルジャーの剣閃が重なる。
正しく銀河すら砕くであろう破壊の奔流はF・G・Dを呑み込み、そして爆発。
立体映像とは思えない、迫力の爆炎と煙が辺りに満ちる。
『ぎゃあああああー!!』
断末魔の悲鳴をあげ、F・G・Dは消え去った。
我らがヒーローの勝利に、場は歓喜で湧き上がる。
『正義のデュエリストが勝利するのは必然!さらばだ、若きデュエリスト達よ!』
カイバーマンは子供達に微笑むと、どこからともなく現れた純白の龍に跨り、天高くへと昇っていく。
おそらくは両方とも立体映像による偽者で、本物はその影に隠れて退散したのだろう。
『平和はカイバーマンの手で守られたぜぃ!サンキュー、カイバーマン!』
「「ありがとーカイバーマン!」」
子供達の感謝の言葉を背に受け、カイバーマンは地平線の彼方へと去っていった。

 *

サンセット「やー、面白かったねー」
カービィ「ポヨ♪」
ショーも終わり、満足そうな表情で会場を後にする二人。
ベースとなっているカードゲームに関してはズブの素人なので完全には楽しめなかったが、あのはっきりとした勧善懲悪のシナリオは清々しかった。
特にカービィはああいったものが好みらしく、終始興奮した様子だった。
ショーが終わった今もはしゃいでいるカービィの手には、一枚のカードが握られている。それには主役であるカイバーマンのイラストが描かれていた。
このショーを見に来た人だけに配られるプロモーションカードらしい。

正義の味方 カイバーマン
レベル3 光属性 戦士族
攻撃力200 守備力700
効果:このカードを生け贄に捧げる事で、手札の「青眼の白龍」1体を特殊召喚する。

サンセット「次はどこに行こうかな・・・お、あれなんか面白そうだね」
視線の先にあるのは、見るからにおどろおどろしい洋館。お化け屋敷と呼ばれる類のアトラクションだ。
この手のものが得意というわけではないが、しかし、誰であれ一度は怖いもの見たさに入ったことがあるだろう。
入ったことがないと言うのであれば、それは将来的に入るということだ。
サンセット「よーし、それじゃあ行ってみよー!」
カービィ「ポヨー!」
そうして二人はお化け屋敷アトラクション「ミッドナイト・ホラーハウス」へと入っていく。
作り物ではない、本物の恐怖の館へ変わっているとも知らず。

692元ツカサ:2007/09/12(水) 14:05:54 HOST:i60-47-192-246.s02.a002.ap.plala.or.jp
685の続き

そんなわけで、アイオリアと一旦別れたなのは一行は早速Dゾーン第1のアトラクション『感動間違い無しの名作劇場を泣かないで見る』に入っていった。
中は映画館と同じような観客席があり、このアトラクションに挑戦する生徒も大勢いた。
しかし、皆が周りを見て気付いたことがある。
それは・・・
サスケ「このアトラクション、『見るだけ』なのになんで挑戦者のほとんどがコスプレしてるんだ?」
フェイト「さ、さあ・・・(汗」
右を見てもコスプレした生徒。
左を見てもコスプレした生徒。
正面見てもコスプレした生徒。
この映画館内では学生服を着ている生徒のほうが逆に目立っているようにも見えた。
なのは「これも部長さんの考え・・・なのかな?」
そして一同は思った
なのは一同(((((『あの部長さん』だからな〜・・・)))))
何か失礼にも思えるが、御刀根憐という人物がどんな人なのか知ってる人には、上記の様に納得してしまうだろう。
とその時、

 ピンポンパンポ〜ン♪

ナレーション「これよりDゾーン第1アトラクション『感動間違い無しの名作劇場を泣かないで見る』を開始します。挑戦者の皆様は席に着いてください。
       繰り返しお伝えします。これより・・・」

サスケ「始まるみたいだな」
なのは「なんか自信ないな〜・・・」
フェイト「『感動間違い無し』を『泣かないで見る』か・・・大丈夫かな?」
はやて「まあなんとかするしかないやん」
ヴィータ「あたしはこんなんじゃ泣かねぇからな」

そして挑戦者達は席に着き、しばらくすると会場は暗くなり、正面のスクリーンには映像が映し出された。

693元ツカサ:2007/09/12(水) 14:06:56 HOST:i60-47-192-246.s02.a002.ap.plala.or.jp
上映されたのは主にアニメであった。時たまドラマや映画も流していた。
その流れた映像のあらすじなどが紹介され、所々に解説付きの字幕も流れながらアニメは進んでいく。
そしてそのアニメ・ドラマ・映画の一番泣けるであろうシーンだけノーカットで上映さえていた。
しかし、個々人にとって『泣ける』というのは違ったりしてくる。例えば・・・


「それでも、あんたは俺の師匠だッ!」
「そうか・・・ならば・・・!」
「はい・・・っ!」
「流派・・・東方不敗は・・・!」
「王者の風よッ!」
「全新・・・!」
「系裂ッ!」
「「天破侠乱・・・!」」
「「見よ、東方は赤く燃えているぅぅぅぅッ!」」
「ぐう・・・お・・・」
「しぃぃぃぃぃぃしょおおおおおおおおッ!」

ある理由から師弟関係を終えた2人は戦い、最後は弟子に負けた師匠は弟子に教えられ、夕日に包まれて弟子の腕の中で息を引き取り、この世を去る場面であったり、


「助けてください!!助けてください!!」
瞳を閉じて〜君を願うよ〜♪

恋人が病で倒れて助けを求める彼氏の姿だったり、


「ク○ラが立った・・・○ララが立った!うわぁ〜〜〜ん(泣!!」

脚の不自由な友達が自ら立ち上がったことに喜び泣き叫ぶ場面だったり、


「お母さん(泣!!」
「マル○(泣!!」

母を訪ねて遠くの国で再会を果たした母子の場面だったり、


とにかく、『泣ける』というのは個人によって違ってくる。
そんな『感動間違い無しの名作』を見ていた挑戦者は次々を席を立ち、脱落していった。
はやて「・・・あ、危ないところやった・・・」
フェイト「・・・わ、私も・・・」
なのは「き、キツイよ〜」
サスケ「耐えるんだみんな・・・」
そしてなのは達は必死に涙と戦っていた。


ちなみにヴィータはと言うと、

ヴィータ「ゴ○ディが・・・ゴル○ィが〜(号泣!!」
勇者達と少年達の別れのシーンですでに泣いていたが、その前にゴ○ディーマ○グが壊れるシーンで溜まっていた涙が一気に流れてしまい、急いで外に出て号泣していた。

はやて「まさか『OVA勇者王』で泣くとは思わんかったわ」
サスケ「まあエピローグは人よって泣けるって人もいるからな」


ヴィータ、一時戦線離脱


そして最後となる映像が、日本では絶対的に有名な『泣けるアニメベスト1位』にランクインしているであろう作品の上映が始まった。
そのタイトルは、


『フランダ○スの犬』


挑戦者一同(やはり最後はコレか!!)

そして、あらすじが流れ、『フ○ンダースの犬』の『名場面』が一挙に上映された。


※Dゾーンは個人・団体での参加が可能。その中で団体においてはリタイヤした人数が多い少ないに関わらず、団体の最後の1人でもDゾーンをクリアすれば『団体の勝利』という事になり、リタイヤしたメンバーは復帰できるシステムとなっている。
 特に初等部生徒に関しては制限はない(吹雪教頭より)

694SD:2007/09/14(金) 00:02:58 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
トライン「はぁ、はぁ……なんて真似してくれたんだ、あいつは……!!」

同時刻。
辛うじて女性用更衣室から逃げ出したトラインは、肩で大きく息をしながら、少し離れた場所にある大木にもたれかかっていた。
確かに、ヴェルンをからかった自分に非はある……それは認めざるを得ない。
だが、だからといっていきなりこの仕打ちはないだろう。
仮にも大企業の総帥という立場の自分が、覗きなんかで逮捕されたら本当に洒落にならない。
憎い利根川もいない、平和な日常をやっと過ごすことが出来ているというのに……

トライン(……そういえば、利根川はフェイクの奴に始末されたんだったな。
あいつはやっぱり、最初から利根川を始末するために俺達についていたのか……)

利根川をこの世より抹消したのは、かつて共に戦った異界の魔道士。
彼が利根川を殺害したことに関しては、何も言うことはない……あれは死んで当然の相手である。
事実、この世界においてもあの男は悪事を働いていた。
ヴェルン達が止めなければ、自分が会社を買収して新たに体制を立て直さなければ、どうなっていたことだろうか。

トライン(……いや、考えてみれば俺も大馬鹿野郎だな。
あいつの口車に乗せられてしまったのは、紛れもない事実……同罪か。
……だが、罪は償えばいいだけの話だ。
あいつの会社を買収して、これまで利根川が起こしてきた件のケリを片っ端からつけていく。
無論、それで全てが清算できるかどうかは厳しいところだが……ん?)

その瞬間であった。
突然、目の前に眩い閃光が走った。
とっさにトラインは手で両目を覆い、光を遮る。
これも、遊園地のアトラクションの一つ……では流石にないだろう。
嫌な予感がしたトラインは、手提げ鞄の中から、愛用の改造スタンロッドを取り出した。
職業柄、色々な危険人物に狙われることが多いため、こうして護身用の武器は常時持ち歩いているのだが……
そして光が消えた時……思いもよらぬ人物が、彼の前に姿を現した。

ビット「っ……おい、クラウス。
ここがお前の言っていた……?」
マスター「遊園地の中……厄介な所に転移したな。」
クラウス「これは……」
トライン「……フェイク!?」
クラウス「え……?」

トラインの前に姿を現したのは、クラウス、マスター、ビットの三人。
しかしこの三人は、学園にいる三人ではない……何か様子が違う。
何より、クラウス……フェイク=プリテンダーに関しては、かつて共に戦った仲。
果たして、見間違えることがあろうか。

クラウス「トラインさん……!?」
トライン「……フェイク、こいつはどういうことだ?
何でお前が、この世界に……利根川を始末して、何も残ってないんじゃないのか!?」
クラウス「え……ちょ、ちょっと待ってください。
利根川を始末って……まさか……?」
ビット「……クラウス、お前まさか?」
クラウス「……すみません、マスターさん、ビットさん。
どうやら私達は、転移する世界を間違えたみたいです。」
トライン「間違えたって……え?
じゃあ、お前……」
マスター「……兎に角、一から説明すべきだろうな。
我々の話を聞いてもらえるかな……えっと、君は……」
トライン「……トライン=ペリロッドだ。
L以前の、雷の聖印の前持ち主といえば分かりやすいか?
ああ、お前たちの自己紹介はいい……戦場の覇者とその相棒となれば、アウトサイダーでも有名だったからな。」

695SD:2007/09/14(金) 00:04:15 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
それからしばらくした後。
クラウス達三人は、今回の件について全てをトラインに説明した。
異界より感じられた、あまりに禍々しく強大な波動。
それは、かつて戦った破壊の神にも等しい力であった。
再び、自分達の世界をも巻き込む大きな争いが起ころうとしている。
それを察知したクラウスは、マスターとビットの手を急遽借りることにし、その世界へと転移しようとしたのだ。
しかし……その次元転移に失敗し、この世界に転移してしまった。

クラウス「恐らく、利根川の残留思念に引き寄せられたのでしょうね。
私達が転移しようとした世界にも、あの男は存在していますから……」
トライン「……利根川の異常なまでの負の感情を取り込んで、神機は進化を遂げた。
その結果、ロードナイトやゲオルギアスの比じゃない最悪の神機、アザトースが誕生した。
己のみならず、周囲に存在するありとあらゆる生命から負の感情を取り込んで成長をし続ける……
話は全部、ヴェルンから聞いている。
お前はあれの再来を恐れて、利根川を始末したんだよな?」
クラウス「ええ……再起不能じゃ生ぬるいと判断しましたからね。
奴は、暴走という結果に終わったとはいえ……世界を滅ぼしかけた最悪の外道です。
……ヴェルンさんの事だから、そんな利根川でも殺そうとは思わなかったのでしょうが……」
マスター「……確かに私達も、極力殺生は避けて戦っている。
だが……生かしておいてはいけない、死なせなければ終われない悪もこの世にはいる。
酷な言い方かもしれないが……死すべき者も、世の中には存在する。
それは、どうしようもない事実だ。」
ビット「生かしておいてもどうしようもねぇ悪党には死刑判決が下される。
俺達がやってるのも、それと同じだ……最も、俺達は裁判官じゃねぇがな。
だが、死刑判決が明らかに下されるであろう馬鹿野郎の見分けは、簡単につけられるぜ?」
トライン「……確かにな。
あいつは……ヴェルンはこっちの世界に来て、素の性格に戻った。
その事は俺としても嬉しいんだけど……あいつは優しすぎるからな」
クラウス「……トラインさん、ヴェルンさんはあれからどうですか?」
トライン「ああ、一時は酷い落ち込み様だったみたいだぞ。
俺は直接見てないから、詳しい事は知らないが……今はもう大丈夫だ。
無事に説得させられたみたいだからな。」
マスター「説得……誰が彼を?
君以外に、彼の事情を知っている者がいるとは……」
トライン「……お前等、メル=ティアラ……メルディアナって知ってるよな?
俺は面識はないんだけど、異世界でヴェルンと色々あったっていう……」

696SD:2007/09/29(土) 22:22:07 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
クラウス「……それ、本当ですか?」
トライン「ああ……流石に、知り合いが四人もこっちに来てたのには驚いたか?」

一人はお前が焼き殺したけどな。
そう付け加えるトラインに、クラウスは苦笑せざるをえなかった。
しかし、まさか彼女がこの世界に来ているとは思わなかった。
この世界には、何かしらの力が働いているのではなかろうか。
流石に、そう思わざるをえない。

トライン「……この世界自体、滅茶苦茶だってのは認める。
俺達がいた世界以上に、色んな奴がいるしな。
魔法使いに人外の化物に、挙句の果てにはロボットだ。
……平和だから、まあいいんだけどな。」
ビット「そう考えると、利根川は最悪のイレギュラーだったってわけか。」
トライン「ああ……理想の世界、か。
この世に神様がいるのなら、俺をここに運んでくれたのには感謝しないとな。」
マスター「その神を、私達は倒してしまってるけどな。」
トライン「……そうだったな。」

合いも変わらず、無茶苦茶な連中ばかりである。
この世界も、本当に無茶苦茶だ。
だが……それでも、自分にとって最高である事に変わりは無い。
……だからこそ、救わなければならない。
自分の様な生活を遅れている者は、そうそういるわけではない。
異世界――それこそ、これからクラウス達が出向こうとしている世界には、危機が迫っている。
そんな者達を放っておけはしない。

トライン「フェイク、俺も……」
クラウス「いえ、それは駄目です。」
トライン「どうして……確かに、俺は雷の聖印を失った。
だが、それでも下手な奴よりかは戦える自信が……!!」
クラウス「あの世界には、神機が存在しているんです。
もう一人の貴方が……向こう側にはいます。」
トライン「!!」
クラウス「余計な混乱を招かない為にも、あなたは来ないほうがいいでしょう。
それに……この世界で、トラインさんにはやるべき事があるはずです。」

トラインは、己の役目……贖罪をまだ果していない。
利根川が犯した全ての過ちを、自らの手で片付ける。
そう心に決めたからこそ、利根川の企業を買収したのだ。
かつて、彼の口車に乗せられた己の罪を清算するためにも。

トライン「……分かった、我侭を言ってすまなかったな。」
クラウス「いえ……私達も、そろそろ向こうに行くべきでしょうね。
こっちの世界には、どうやら別の私達がいるみたいですし。」
ビット「え、マジかよ?」
マスター「だとしたら、誰かに見られると問題だな……」
クラウス「私もあの時は驚きましたよ。
利根川を始末しに来た時だから、二年前になりますかね……?」
トライン「二年前……?
ちょっと待て、利根川が死んだのはホンの数ヶ月前じゃないのか?」
ビット「何……どういうことだ?」
クラウス「……時間軸にズレが生じている?
確かに、多少のズレは仕方ないけど……いや、二年ともなると流石に……」
マスター「まさか、これから出向く世界の影響か?」
クラウス「ありえますね……解決を急いだ方がいいということか。
それじゃあトラインさん、そろそろ私は……」

その時だった。
すぐ近くから、誰かの足音が聞こえてきた。
真っ直ぐに……こちらに向かってきている。
まさか、気づかれてしまったか。
下手なものに見つかるのはまずい……早く転移した方がいいだろう。
すぐにクラウスは、術を発動させようとするが……その時だった。
四人の前に、その足音の人物が……意外な人物が、現れたのは。

メルディアナ「……クラウス?」
クラウス「メルディアナ……さん……?」
トライン(……メルディアナ。
じゃあ、こいつがヴェルンの……)

メルディアナ=バンディ。
この世界に流れ着いた、異邦人の一人であった。

697鳳来:2007/09/30(日) 17:33:36 HOST:menet70.rcn.ne.jp
サスケ「最後の最後でこれか・・・・・」
はやて「これは厳しいで・・・・」
なのは「うん・・・」
フェイト「そ、そうなの?」
紹介された作品を知り、息を呑む三人と、今回、初めてこれをみるフェイトは戸惑いを隠せ無い
<フランダOスの犬>
1975年1月5日から同年12月28日までにフジテレビ系列の「世界名作劇場」枠で放映されたテレビアニメシリーズの事である
その救われない物語から、本放送から30年以上を経た現在でも広く知られている。
特にラストシーンは悲劇の代表格として語られ、「なつかしのアニメ名場面特集」などの特番では定番シーンとなっている。
また、本放映時も、ストーリーが悲劇的になるにつれ、テレビ局に主人公ネロが助かるよう嘆願する手紙が殺到、最終回の視聴率はビデオリサーチ・関東地区調べで30.1%を記録。
ちなみに、これは「世界名作劇場」枠内アニメの視聴率の最高記録である。
故に、『感動間違い無しの名作劇場を泣かないで見る』のトリとして、また最終関門に相応しいものであるのは言うまでも無い。
直、作者の記憶がうろ覚えの為、爺さん死亡だけJOJO風に仕上げたことをご了承のほどを・・・

<場面1:お爺さん、死亡確認>
ベッドに横たわりもはや命つきようとする御爺さんとそれを見届けるネロとパトラッシュ。
御爺さん「もう、行っていいかのう・・・あばよ、ネロ・・・・(御臨終」
ネロ「爺さん、爺さん・・・・・爺さぁーーーーーーん!!!!」
安らかに永遠の眠りにつく爺さん、そして、その死に慟哭するネロとパトラッシュ・・・・

なのは「ご、ごめん・・・・皆、私・・・・(涙」
身近な人の死を体験した(別の世界で)なのは・・・・堪えきれず、ポロポロと涙を流す。
なのはーーーー一時戦線離脱

<ネロ、愛犬と共に散る>
空腹と寒さのなかでついに、大聖堂に飾られたルーベンスの絵画を見たネロとパトラッシュ。
だが、その幸福な時間は、死出の旅路への前触れだった・・・
ネロ「ああ・・・・・パトラッシュ。なんだか、疲れたよ・・・僕も眠くなってきた・・・」
一足先に眠りについたパトラッシュの後を追うように永遠の眠りに突くネロ・・・

フェイト「パトラッシュ・・・・ネロ・・・・・(落涙」
共に朽ち果てる主とその忠犬ーーーーフェイトの中に浮かんだのは、苦しい時も、悲しい時も自分を支えようとしてくれたパートーナー・・・
故に、この映像は、フェイトのツボに見事にヒット・・・その目から大粒の涙を流す。
フェイト、一時戦線離脱

<いざ、逝かん>
天に召されるネロとパトラッシューーーーその一人と一頭の魂は天使達によって運ばれていく。

はやて「ご、ごめんな、皆・・・・私、私・・・・(涙目」
どうやら、はやての泣きのツボに見事にヒット。
我慢していたものを一気に目から流していく・・・
はやて、一時戦線離脱。

スクリーンにENDの3文字が映し出された頃には、館内に残っていたのは3名。
まずは、物語のシーンを冷静に分析、悲劇的かつ猟奇的な展開を脳内で創造していたケンプファー。
次に、泣くどころか、逆に登場人物らを嘲り、その悲劇を大哂いで見ていたディート。
そして・・・・・
サスケ「それ、じゃ・・・・まずは一枚ってことでいいかな。」
猿飛サスケーーーーー金貨1枚、まずはGET!!!

698SD:2007/10/03(水) 23:58:29 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
その後。
サスケの突破により、なのは達は最初の関門を突破することができた。
涙を拭い、何とか体勢を整え、全員が外に出る。
すると……その瞬間だった。
感動も全て吹き飛んでしまいそうな、えげつない光景が目の前に広がっていた。

なのは「え……えぇぇっ!?」
ヴィータ「ちょ、何だよこれ!!」

映画館の外を一言で表すなら、そう……死屍累々。
気を失いぶっ倒れている者達だらけであった。
そして、その中央では……なのは達もよく知る二人の武術家が、立ち振る舞っていた。

零次「そら……よっ!!」

零次の正拳裏突きが、前方に立つ大柄な男の腹部を捉えた。
男は打たれた部位を押さえ、悶え苦しむ。
そして、その直後……ノーガードとなった即頭部に、全力の後ろ回し蹴りが叩き込まれた。
ここで男の意識は、闇の中へと消え去ってしまう。
ズシンと音を立てて、男は前のめりに倒れこんでいった。

零次「よっしゃ……俺の方が早かったな。」
充「あらら……じゃあ、さっさと追いつかないとね。」

充が対するは、己よりも遥かに背の高い男。
男は充に全力で右拳を叩き込みにかかろうとする……が。
その瞬間を狙い、充は相手の懐に飛び込んだ。
そのまま、右肩に掌を当てて強く押さえ込む。
パンチとは即ち、肩の回転運動から拳を繰り出す事。
つまり……打撃を繰り出す瞬間に肩を強く押さえ込んでやれば、攻撃は止められる。
最も、対する男にはその原理は分かっていない。
ただただ、何故攻撃が中断させられたのか、何故拳が動かないのかと不思議に思うしかなかった。
そして……そんな無防備な瞬間を充に見せるのは、自殺行為に等しい。

充「セイヤァッ!!」

充はそのまま肩を強く掴み、力を込めて一気に押していく。
それとほぼ同時に繰り出されたのは、全力の足払い。
男はバランスを崩し、そのまま充の押す力に従い背中から地面に落ちていく。
しかし、これだけでは充の攻撃は終わらない。
もう片方の手で、浮き上がった男の足を掴み……殆ど垂直な体勢にする。
当然、男の末路は決まっている……脳天から、強く地面に打ち付けられる。
流石に充も加減はしたのだろう、首の骨までは折れちゃいないが……男は完全に白目をむき、意識を失っている。

充「ふぅ……一丁あがりと。」
零次「相変わらず、えげつねぇ奴だな……お前からすりゃ、地面も立派な凶器か。」
充「そういうそっちは、全身凶器だろ?
空手家は、拳や蹴りは勿論、肘に膝に頭突きに……何でもありじゃん。」
零次「はは、違いねぇ……ん?」

ここで二人は、自分達の姿をじっと見ていたなのは達の存在に気づく。
戦いに夢中だった所為で、気づけなかった。
何やら、かなり呆然とした顔でこちらを見ている……どうも、驚かせてしまったようだ。

零次「あ〜……びっくりしたか?」
なのは「ま、まあ何ていうか……」
フェイト「先生達が、この人達を全員?」
充「いや、全員って訳じゃないよ。
半分は、先客が潰してくれてたらしいからね。」

倒れている者達の半分――アイオリアとエレン達が潰したであろう者達――を指差し、素直に答えた。
それでも、半分はこの二人が潰したというのであれば、大したものである。
流石は学園屈指の武術家教師二名。
考えてみれば、二人の戦う姿を見たのはこれが初めてだが……凄いの一言に尽きる。
自分達の様に魔力も無ければ、ルナ達の様に闘気も持っていない。
鍛えぬいた肉体と技のみ……純粋な人間業で、これだけの強さがあるのだ。

699SD:2007/10/03(水) 23:59:29 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
ヴィータ「で……先生達も、やっぱこうやってるってことは……」
充「ああ、このDゾーンの参加者だよ。
最初は、こんなふざけた事って思ってたけど……」
零次「俺達は生粋の武闘家だ。
闘いたいっていう本能は抑えきれねぇんだよ。」
サスケ「……まあ、納得というかなんというか。」
充「そういえば、初等部だけじゃここで入れないんじゃなかったの?
連れがいないと無理だって聞いてたけど……」
なのは「あ……そういえば、アイオリアさんとエレンさんどこいったんだろ?」
零次「……あの二人かよ、お前等の保護者。
そりゃ心強いこった……んじゃ、俺達はそろそろ行くぜ。
この辺の連中は殆どのしといたから、ここで待ってりゃ安全だ。」
充「僕達はもうちょっと奥に進むとするよ。」
フェイト「あ、はい……」
サスケ「先生、他にどんな人達が参加してるかって分かりますか?」
零次「いや……流石にそいつは分からねぇな。
俺達も、他の参加者に会ったのはお前達が初めてだし……」
はやて「じゃあ、裕樹さんや柳さんは一緒に来てへんの?」
充「まさか……あの二人なら、一緒に安全なところで遊んでるよ。
もしもここに来る様なことがあったら……柳に何かあったら、即効で裕樹君をぶちのめさないとね。」
零次「おいこら、俺の前で言う台詞じゃねぇだろそれ。」
なのは「にゃはは……裕樹さんも、凄く大変だね。」
はやて「そらそうよ……将来的には、充さんの義理の息子になるかもしれんのやし。
あの二人って、仲良いんで凄く有名やもんなぁ……」
充「……何?」
ヴィータ「え……先生、もしかして何も知らないの?」
零次「……それ、マジの話?
え、あいつ等ってそういう関係なのか?」
充「……零次。
これってさぁ……どういうこと……?」

充の顔つきが変わった。
何やら、凄まじい殺意も放出されている。
その矛先が向けられているのは、隣の相方と……その息子に間違いないだろう。
よもや自分達の子供達が、そんな関係にあったなどとは……油断していた。
こんな身近に、最大の敵がいようとは……

充「……零次のときも、そうだったよなぁ。
人の妹と知らぬ間に仲良くなっていて……今度は僕の娘ときた。
血筋かぁ、これは……」
零次「……あー、うん。
お前等、ちょっと離れとけ……これやべぇわ。
充が切れたら、俺でも手着けられねぇから。」
なのは「ええ!?」
ヴィータ「ちょっと待て……に、逃げるぞ!!」
充「零次ぃ!!
久々のマジ喧嘩いくぞぉ!!」
零次「だ〜!!
何でこんな流れになんだ畜生!!」

700SD:2007/10/04(木) 00:43:42 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
零次と充のマジ喧嘩という、おぞましい修羅場が勃発したその頃。
その原因となった肝心の子供達二人はというと……

柳「キャアアァァァァァァッ!!」
裕樹「うわっ……!?」

二人仲良く、ジェットコースターの頂点から落下中であった。
本来、ジェットコースターの落下時には手前のバーにしがみ付くもの。
しかしこの時……柳は、隣の裕樹にしがみ付いていた。
相当の高さから、相当のスピードでコースターは落ちていく。
流石に怖いと感じたのだろうか、柳の手が震えている。
すると裕樹は、そんな彼女の手にそっと己の手を重ね、彼女を安心させるように握り締めた。
不思議と、柳の中から恐怖が消える。
それどころか、妙な安心感が生まれてきた……その後、コースターは凄まじいカーブとループの連打を潜り抜け、無事ゴールに到着する。
二人とも、その手は繋ぎ合わせたまま……ゆっくりとコースターを降りる。
ちなみにこの時……コースターの最後尾から、口元を押さえて「吐きそう」と言いながら立ち去っていった人物が一人いた。
その正体は、このジェットコースターの作成に当たった鹿山先生。
試しに自分もと乗ってみたところ、この始末……何やってるんだお前は。

鹿山「いや、だって……調子に乗ってスピード上げすぎたら……うっ……!!」
タスク「うぉぃ!?
ちょっと待て、ここで吐くな!!
吐くなら向こうでやれ、ビジュアル的に最悪だから!!」
レオナ「トイレはすぐそこだから、もうちょっと我慢してください!!」
鹿山「だ、だって……もう……うっ……」
ビット「わ、馬鹿やめろ!!
くそっ……マスター、手貸せ!!」
マスター「分かってる!!」

もはや限界寸前であった鹿山。
そんな彼を、マスターとビットの二人が蹴り飛ばし……目の前にあったゴミ収集車に頭から突っ込ませる。
ゴミの山で犬神家状態となる鹿山。
こんな状態で、我慢しているものを開放すれば恐ろしい事になることこの上なし。
無論、そんな最悪な事態は避けねばならない……誰にも見せられるものではない。
そんな皆の意思を察したのか、車は遠くへと去っていく。

ビット「あ〜、危ねぇ……もうちょっとで最悪の展開だったぜ。」
マスター「ああ……ぞっとするな。」

最悪の事態を避けられ、皆がほっとする。
そして、そんな騒動があったにもかかわらず……
裕樹と柳の二人は、自分達の世界にいた。

裕樹「……ふぅ。
スピードもあったし、ちょっと怖かったねこれ……」
柳「ちょっとどころじゃなかったよぉ……物凄く怖かったもん。」
裕樹「柳、凄いしがみ付いてたもんね。」
柳「あ……迷惑、だった?」
裕樹「……ううん、僕は全然大丈夫だから。
それに、これに乗ろうかって言ったの僕だし……ごめんね。」
柳「そんなの、全然いいよ。
私も賛成してたんだし……ありがとう、裕ちゃん♪」
裕樹「どういたしまして。
それじゃあ、今度はあんまり激しくなさそうなのいこっか。
どこがいいかな……」
ビット「……すげぇな、あの二人。
この状況に気づかねぇってかおい……」

701SD:2007/10/04(木) 01:05:08 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
裕樹(柳……)
柳(裕ちゃん……)

ベンチに隣り合って座り、パンフレットを眺めながら今後どうするかを話している二人。
肩と肩が触れ合う、結構な至近距離だった。
この時互いの心中に合ったのは、相手への秘めた想い。
今日、柳に絶対に告白すると決めた裕樹。
自分達が両想いである事を偶然に知ってしまい、裕樹からの言葉を待つ柳。
先程の鹿山の騒動にも気づかないほどに、二人は相手の事ばかり考えていた。
気を抜けば、すぐにでも崩れてしまいそうになる。
愛する者への想いを、抑えるので精一杯……すぐにでも、抱きしめたくなる。
だが、二人はそれを理性で辛うじて抑え込んでいた。
誰よりも、目の前の相手が大切だから。
傷つけるような真似は、絶対にしたくないから。

裕樹(……分かってる。
言わなきゃ、何も始まらないって……でも……)
柳(裕ちゃん……頑張って。
私、待つから……裕ちゃんが勇気を出してくれるの。
折角、裕ちゃんが決めた事だもん……でも……)

柳は、裕樹の手を強く握り締めた。
自分達が両想いと分かっている今、告白すれば全てが叶うだろう。
だが……柳の優しさが、それを妨げていた。
裕樹の事を大切に想っているから……愛しているから。
だからこそ、彼の決心を壊すような真似は出来なかったのだ。
相手の事を想うが故に、結ばれない。
そんな辛い板ばさみの中に、柳はあった。
裕樹も、いざ踏み込めずに辛いのだろうが……辛いのは、柳も同じだった。
二人とも……相手を愛しているからこそ、傷つけたくなかったからこそ、踏み込めなかったのだった。

裕樹(柳……僕は……)
柳(裕ちゃん……私……)

702SD:2007/10/19(金) 00:17:55 HOST:usr211019191129.tcn.ne.jp
=Dゾーン=

充「……皆、離れてくれたか。
これで思う存分、ぶちのめせるな……」
零次「まあ……巻き込まねぇって保障はねぇもんな。」

そして、話は父親二人に戻る。
なのは達が離れ、場に残されたのは零次と充の二人。
充は完全に、零次をぶちのめすつもりでいる。
零次としては、あまり乗り気にはなれないが……避けられる状況ではない。
戦う以外に道はない……覚悟を決め、構えを取った。

零次「ったく……ちったぁ子離れしろよ、お前も。
柳の人生だ、柳の好きにさせてやるのが筋じゃねぇのか?」
充「お前のは放任主義っていうんだよ……自由すぎだ。
よくこんなんで、裕樹君も不良にならなかったもんだよ。
一年の中でも、かなりの優等生に入るし……」
零次「ああ、自慢の息子だよ。
……てか、そこまで褒めるんならよ、別にいいだろ?
どっかの馬鹿とくっつくよりかは、遥かにいいって思うんだが……」
充「……まあ、そりゃね。
確かに許せるは許せるけど……」
零次「だったら、いいじゃねぇか。
全部めでたくかいけ……!?」

説得に成功したと思い、零次が構えを説こうとした瞬間だった。
充が勢いよく地面を蹴り、零次に蹴りかかってきたのだ。
とっさに零次はしゃがんでそれを避け、そのまま脚払いをかける。
しかし充は、それを飛んでかわし……更にそのまま、ローリングソバットをしかけてきたのだ。
充の仕掛けるこれは、ただの飛び後ろ回し蹴りとは訳が違う。
命中したら最後……飛び付き腕十字なり三角締めなり、確実に何かしらの技に持っていかれる。
零次は大きく身を反らし、紙一重でその一撃を回避した。

充「……やっぱり、すっきりしない。
何かイライラするんだよなぁ……
そういう訳だから、本気で潰しにいく。」
零次「テメェ……上等だ。
もうこうなりゃ、容赦はなしだ……裕樹も柳もねぇ。
互いの家族の事は一切関係ねぇ!!
俺とお前、どっちが上でどっちが下か!!」
充「はっきり白黒つけるとしようか!!
お互い素手で、ぶっ倒れて意識とんだ奴の負け……以上!!」
零次「数年ぶりの喧嘩……派手にやってやらぁっ!!」

零次は勢いよく拳を突き出し、充の頬を狙う。
瞬間、充は突然零次に背を向けた。
そして、少しばかり身を屈めて回避し……零次の腕をしっかりと掴む。
そのまま勢いをつけ……全力で一本背負いを仕掛ける。

充「ハァァッ!!」
零次「うぉっ!!??」

零次は勢いよく、背中から地面に叩きつけられそうになる。
まともに受けたのでは、えらい事になる。
零次はとっさに両腕を動かし、何とか受身を取った。
ダメージは軽微、最悪の事態は回避する事が出来た……が。
充はここで動きを止めるなんて、そんな真似は決してしない。
軽く跳躍し、そのまま伸ばした足を零次の首求め掛け全力で落としてくる。
ギロチン―――寝てる相手に対してする攻撃では、充が扱える中でも最悪の一つ。
腕はつかまれたまま……このままギロチンを喰らえば、そこから腕十字への移行は確実。
そうなれば、充の勝ちは半ば確定する。

零次「冗談じゃ……ねぇっ!!」
充「っ!?」

零次はとっさに空いている方の腕で、落ちてくる充の脚の一点―――脹脛に拳を入れた。
脹脛は、筋肉によるガードがない、脚部最大のウィークポイント。
格闘家が一般的にローキックを多用するのには、ここを狙うという目的があることが多いからだ。
流石の充でも、この一撃には顔をしかめた。
拳が命中した影響で、ギロチンの軌道はずれ、零次の頭の上スレスレに落ちる。
それと同時に、手の掴みもゆるくなる……すぐに零次は手首を捻り、上手く拘束を抜け出した。
そのまま勢いよく起き上がり、充の胸元目掛けて拳を叩き込んだ。

充「ぐっ!?」
零次「うおおおおぉぉぉぉっ!!」

このまま畳み掛ける。
零次は充を圧倒すべく、拳の連打に出た。
一撃だけでも十分すぎる威力があるのは、身を以て経験している。
何発も耐え切れる筈がない……可能な限り、避けるしかない。
とっさに充は防御を固め、そして後方へと下がった。
何発かは流石に貰ってしまうが、直撃よりかはマシである。
充はそのままそれなりの間を置いて、態勢を立て直した。

零次「……腕、前より上がってんじゃねぇか。
あのタイミングで掴まれるなんざ、思ってもみなかったぜ。」
充「そっちこそ、よくまああれを避けきったね。
腕一本、確実にやったと思ったんだけど……」
零次「ははっ……いいじゃねぇか。
それでこそ……やりがいがあるぜ!!」
充「そいつはこっちの台詞だぁっ!!」

703鳳来:2007/10/20(土) 10:06:48 HOST:menet70.rcn.ne.jp
一方・・・・
=Dゾーン『風雲バラティエ城』の塔の天辺=
黒サガ「ふふふふ・・・・いるいる。命知らずの連中が、わんさか・・・」
塔の天辺から眼下に広がる景色を舌なめずりしつつ、品定めをする黒サガ。
ちなみに、黒サガもDゾーンのPKとして参戦ーーー降って涌いた借金を返すために。
目指すは、全参加者の完全制覇。
黒サガ「といっても・・・・俺自身だけでは、全てのプレイヤーを始末できない。故に・・・」
その先の言葉を発する直後ーーーー黒サガの体がなんか緑っぽく発光する。
手には最近、ネギの給料で購入した漫画、小説もりだくさんを抱えている。
黒サガ「なりきり能力、発動ーーーーーボヘミアン・ラプソディ!!!」
固有能力<なりきり能力>・・・・古今東西のあらゆる版権キャラに文字通りなりきることで、そのキャラの能力を使用できる能力である。
そして、今回は某奇妙な冒険の中から、あらゆるキャラクターを実体化するスタンドを持つキャラになりきっている。
呼び出されたのは、炎髪灼眼のツンデレや某悪魔ハンターなどいずれも実力派ぞろい。
黒サガ「集まったか・・・・・・んじゃ、後はよろしく。」
呼び出した者達に対し、笑顔で答える黒サガ。
そうあえて自らの手は汚さず、呼び出した連中に任せて、自分は園外で遊び呆けるつもりなのだ。
黒サガ「全て計画通り!!」
まぁ、そんなに上手くいくはずも無く・・・・・その数分後には呼び出した連中の壮絶な袋叩きにあい、塔に逆さづりされた汚い蓑虫が吊ってあった。
ただ、幸いなのはーーー呼び出した連中も遊び+腕試しついでに、プレイヤー狩りに出掛けてくれたことであろうか。
ちなみに、これははやて達がDゾーンに突入する数十分前の出来事。
すでに、侵食は始まっていた。

704鳳来:2007/11/24(土) 14:03:29 HOST:menet70.rcn.ne.jp
一方、零次と充の子煩悩なマダチ(まるで駄目な父親の略)のマジ喧嘩から逃げ出した初等部チームは・・・・・
フェイト「なのは・・・日本のアニメって、凄いだね」
なのは「そうだね。何回見ても、涙が出ちゃう・・・・」
はやて「うんうん、それ、分かるわ・・・」
感動アニメの凄さに感動するフェイトは未だ涙目で、同じく涙目のなのはに話しかける。
はやてもそれに相槌を打つ中・・・・
サスケ「さて、さっさとクリアしたから、他行こうぜ(平然」
GETした金貨をポケットに仕舞ったサスケだけは何事も無かったかのようだった。
ヴィータ「ひぐ・・、ぐずっ・・、て、てめぇ・・、何で泣かなかったんだよ・・?」
フOンダースを見る前に撃沈したヴィータが涙をボロボロ流しながら、平然としているサスケを睨み付ける。
サスケ「はっ?あれで、泣けっていう方が無理だよ。忍びってのは、泣かない様に訓練されてんだよ。んなことも、知らないのか。」
ヴィータ「なっ!?・・こ、この冷血男がぁ!!やっぱりてめーにははやてはやれねぇー!!」
なのは「ヴぃ、ヴィータちゃん、落ち着いてぇ〜!!」
まるで自分のことを子供扱いされたと感じたのか、ゴルディオンハンマーを装備し、サスケに襲い掛かろうとするヴィータと慌ててヴィータを止めようと、羽交い絞めするなのは。
とここで、ある事に気付いたはやてが激高するヴィータをなだめに掛かる。
はやて「・・まあまあ、落ち着きな、ヴィータ」
ヴィータ「はやて・・、でもこいつ!!」
はやて「無理してやせ我慢しとるサスケ君に、そないな事ゆーたらあかんよ・・」
フェイト「ふぇ・・・(泣目)?」
なのは「へ・・??」
苦笑するはやての目線の先には、なのはらに背を向けて、空を見上げるサスケの姿があった。
サスケ「・・・・・あ、雨が振ってきたな。」
はやて「ふふっ・・、そーいう所、私はかわええ思うよ、サスケ君♪」
背を向けたサスケに抱きつくはやて・・・・・
サスケ「何、言ってるんだよ・・・・・たく・・・・・」
フェイト「あ・・・・・・」
動体視力はすずか以上に良いので、フェイトには良く見えてしまった。
竜頭骨の仮面で顔を隠しながら、でも、仮面の隙間からは、雫が滴り落ちていた。
まるで、雨に当たっているかのように・・・・・・サスケは泣いていた。
はやて「・・サスケ君・・、やせ我慢はよくない思うんよ・・。・・泣きたい思た時には、いっぱい泣いた方がええ・・。・・私は・・、少なくとも、そう思うわ・・」
いつの間にか、抱き突きながら苦笑するはやての目にも涙が浮かんでいた。
サスケ「・・・・・忍びは泣かないもんさ。」
そう呟くサスケ・・・・忍びにとって、泣いたり笑ったりといった感情を出す事はしない・・・否、できない事だった。
けど・・・・
はやて「・・でも、いくらサスケ君が忍者さんでも・・、今は私らのクラスメートで、小学生の男の子やろ・・?」
ぎゅっ・・、と抱きつく力を強めるこの少女・・・・はやてには、自分の感情を偽れなかった。
サスケ「たく・・・・・・見るなよ。」
はやて「見んよ・・。見んから・・、しばらく、こーしててもええか・・?」
サスケ「好きにしろよ・・・・・・」
そう悪態を付くがーーー仮面から滴り落ちる雫の量はさっきよりも多かった。

705ゲロロ軍曹(別パソ):2007/12/23(日) 23:49:19 HOST:i219-167-180-93.s06.a033.ap.plala.or.jp
一方、その頃・・・
=フードコート=
新八と神楽の二人はある程度アトラクションを回った後、小腹がすいたのでこのフードコートへと立ち寄ってる最中であった・・。

神楽「お店がいっぱいアルな〜、酢昆布の屋台とかあるアルか新八?」
新八「酢昆布を屋台で売る猛者はそうそういないよ神楽ちゃん(ぁ」

きょろきょろと店を見回す神楽に、的確なツッコミを入れる新八。と、そんな彼らの眼前に、一つのクレープ屋が眼に入った・・。

新八「あ、クレープ屋さんだ。神楽ちゃん、食べていく?」
神楽「私の心はあんなものには屈しないネ!欧米流なんざクソ食らえアル!」
新八「その欧米に対する敵対意識はどこから沸いてくるのさ?」

?「をーい、てめーら買う気あるのかねーのかはっきりしやがれってんだよ、このヤロー」

・・と、目の前の店内からどっかで、というかいつも聞いたような声が・・。
その声が気になったのか、店内をのぞいてみると、見知った男がいる事に気付く新八たち・・。
そう、甘党大好き糖尿寸前教師こと、坂田銀時であった・・(を)

新八「あれ、先生じゃないですか。なんでこんなところに?学校クビになってクレープ屋に落ち着いたんですか?(ぉ」、てめーら買う気あるのかねーのかはっきりしやがれってんだよ、このヤロー」>と、店内から聞いたような声が・・
銀時「馬鹿かお前?馬鹿だろお前??いくら銀さんがマダオっぽいからって、そー簡単に首になってたまるかよ」

・・自分で自分をマダオって認めてるよ、をぃ・・。

神楽「じゃあ、クレープ屋の留守を狙ってクレープ泥棒に忍び込んだアルな!?お母さんそんな風に育てた覚えはありませんよ!(ぉ」
銀さん「何でおかん口調なんだよ?・・ったく、バイトだよ、バイト。今日限定で、このクレープ屋担当しろっつわれたんだよ」>だるそーに言う
新八「へぇ、先生にもそういうの任されるだけの人望あったんですね・・・(ぉ」

・・何気にヒデェ事をさらりという新八に、銀時は怒りの四つ角を出しながら拳をぼきぼきならす・・

銀時「・・てめえ、後で体育館裏にこいや。教師に対する態度っつーもんを分からせてやっぞ?あ??」

706ゲロロ軍曹(別パソ):2007/12/24(月) 00:00:09 HOST:i219-167-180-93.s06.a033.ap.plala.or.jp
神楽「でも、あんまりお客さん来てないみたいアル。作り方悪いんじゃないアルか?」

そう、神楽のいうように、この店の前にあるパラソル付きのテーブルには、ぶっちゃけあまり人が入ってるとはいえない状態であった・・。

銀時「馬鹿いうなってんだよ。俺ぁこれでもデザート作りはうまいほうだぜ?・・まっ、接客業なんざ苦手だからな、これでも上々のほうだよ」

そういってため息をつきながら、あまりお客が入ってないテーブルを見回す銀時だった・・。

神楽「ふ〜ん・・・」
新八「じゃあ、僕らは別のとこ行きますんで(ぇ」

そういって、その場を後にしようとする新八と神楽だったが・・。

銀時「(がしぃっ!)をぃ〜!?何でちょっとでも食べてみよっかな〜?・・的な展開にしようとしねーんだよぉ!?つーかお願い!安いんでいいから銀さんのクレープ食べてぇ〜〜!!」

二人の服の襟の部分つかみながら、泣き顔で叫ぶ銀時・・。・・つーか、てめーいい大人がそんな事して、恥ずかしくね?(汗)

神楽「しょーがないアルなー、じゃあ10枚ちょーだいアル」
銀時「毎度ありぃ〜。・・ちなみに何味にする?いっぱいあっぞ??」

即座に立ち直り、一応店に飾ってあった結構なバリエーションがあるメニュー板を見せる。
ちなみにその中には「宇治銀時味」とかいう意味不明な奴まで・・(大汗)。

神楽「酢昆布味はないアルか?」
新八「そんなイロモノメニュー誰も挑戦しないよ・・・」

そう言ってツッコミを行う新八だったが、目の前のダメ教師から衝撃的発言が・・。

銀時「をぃをぃ〜、おめお眼が高いなぁ。この店の裏メニュー「ゲテモノメニュー」のトップ5に入ってるぜ、それ(を」
新八「入ってんのかよ!どういうお客のニーズに答えたの!?」
銀時「しょーがねーだろ?!俺だって入れたくなかったよこんなもん!!上の奴らが「万が一の場合」だとか言って、無理やり入れさせたんだよ、こんちくしょー!!」>逆切れ〜
新八「万が一どころじゃねーよ!億とか兆とかの位だよ!(ぁ」
銀時「言うなよ!俺だってわかってんだよそんくらいぃ〜!!」
神楽「そんなことどうでもいいから、早く食べたいアル!」

二人の口論が飽きたのか、「早く早く!」という感情の篭った眼で銀時にクレープ作りをせかそうとする・・。

銀時「はいはい、わーったよ。ちなみに新八。おめーは・・、・・どーせイチゴとかカスタードとか、ふつーじみた奴だよな?」

そう言いながら、おもっくそ見下した眼で新八を見る銀時・・。さすがに新八もそんな彼に少し頭にきたらしく、即座に反論する・・。

新八「んだよぉ!わりーかよ普通で!むしろ堅実って言えよ!」
銀時「そーいう奴ほど、大人になったら上の奴に媚売りまくるんだよ。あ〜あっ、日本の今後はどーなるのやら・・」
新八「将来よりも現在の方が心配だよ」

何だか冷めた眼で銀さんを見ながら、至極まじめにツッコミを言う新八であった・・。

707鳳来:2008/01/20(日) 19:18:06 HOST:menet70.rcn.ne.jp
一方、なんだか鰻登りで恋愛フラグをおったて始める初等部二人だったがーーーー此処はオリキャラ学園の遊園地。
何時までも、そんなラブ状態が続くわけも無く・・・・・
サスケ「・・・!!!はやて、ちょっと我慢しろ!!」
はやて「へ、ぇえ?!!」
不意に感じたこの場に似つかわしくない殺気を感じ取ったサスケは、はやてを抱えて、その場から離れた瞬間。
二人がいた位置に、鬣のような無数のリボンが突き立てられた。
ヴィータ「な、なんだあ!!」
フェイト「もしかして・・・・プレイヤーキラーの人たちじゃ・・・」
フェイトの口にした疑問に答えるように、土煙の中から返答が聞こえてきた。
???「半分、正解であります。」
???「残念。」
現れたのは、奇妙な仮面を着けたメイド服姿の女性ーーーーそれに反応したのは、サスケに抱えられたはやてだった。
はやて「あ、あの人は・・・・・」
なのは「知ってるの、はやてちゃん!?」
はやて「間違いないで。あれは、<万条の仕手>の異名を持つフレイムヘイズーーーーヴィルヘルミナ・カルメル さんや!!」
ヴィルへルミナ「正解であります。」
ティアマトー『御名答』
仮面から現れたのは、人形のように端正な顔立ちで、その表情は鉄化面のように無表情だった。
はやて「で、でも・・・・なんで、小説のキャラクターがここにおるんや・・・・」
ヴィルへルミナ「あまり思い出したくないでありますが・・・・」

状況説明:703のことがらを説明(ぉ

なのは「く、黒サガさんの仕業だったの・・・・」
フェイト「人間離れしてる人だと思ってたけど・・・・」
ヴィルへルミナ「まったくでありますがーーーーしかし、腕試しにはちょうど良いであります。」
再び、戦闘態勢に入るヴィルへルミナ・・・・どうやら彼女なりにこの状況を楽しんでいるようだ。
ヴィルへルミナ「金貨、頂戴するであります。」

708ゲロロ軍曹(別パソ):2008/02/01(金) 23:35:34 HOST:i219-167-180-53.s06.a033.ap.plala.or.jp
サスケ「…ちっ。あの変態ヤロー、見かけたらただじゃすまさねーぞ・・・」
はやて「ま、まあまあサスケ君、落ち着いてーな。・・・にしても、こらまたいかにもピンチな状況やなぁ・・・」

黒サガに対してヤる気満々なサスケを落ち着かせながらも、はやては冷や汗をかきながらヴィルヘルミナを見る・・・。

なのは「は、はやてちゃん。あの人、やっぱり結構強いの・・・?」
はやて「そらまあな。一応小説ん中のヒロイン(?)の炎髪で灼眼な女の子のお世話役兼戦いのお師匠さんでもあるんや。とーぜん、実力は折り紙つきって奴やで・・・」
フェイト「そう、なんだ。・・・っていうか、はやて、やけに詳しいね・・・??」

目の前の敵対する相手についてやけに詳しい情報を知ってる学友に、思わず質問するフェイト。すると、質問されたはやてはやけに興奮した状態で返答してきた・・・。

はやて「当たり前やん!私、あの小説の大ファンなんやて!!特にあのヒロインのツンデレ具合が絶妙で、ヴィルヘルミナさんもめっちゃええ味のキャラなんやて!!」
フェイト「へ、へぇ〜・・・(な、何だか、はやてが燃えてる・・・(汗)」
なのは(い、いつものはやてちゃんじゃないよぉ〜・・・)
サスケ(・・・人間好きなモンの事だと、眼の色が変わるんだな・・・)
ヴィータ(はやて・・・、いつものはやてに戻ってよぉ・・・)

・・・とまあ、何だか瞳に炎が宿ってるような感じを出しながら四人に熱く語るはやて・・・。と、そんな時・・・

ヴィルヘルミナ「・・・いい加減、雑談を終了して頂きたいであります」
ティアマトー『戦闘、要求』

先ほどと同じく無表情ながらも・・・、何だか「いー加減話すのやめろやおらぁ!!」・・・的なオーラを出してなのは達に言い出すヴィルヘルミナ。

はやて「・・・しゃーないな。こっちはまだ獲物になれとらんけど・・・」
なのは「やるしか、ないよ・・・!」
フェイト「アリサたちを助けるためにも、負けられないから・・・!!」
ヴィータ「へっ!小説のキャラだか何だかしんねーけど・・・、相手に不足はねーぜ!!」
サスケ「しゃーねーな・・・、こーなっちまったら・・・」

そういって、彼女たちは己の武器を取り出して戦闘体制をとろうとした。だが・・・

「いや・・・、その必要はない」

突如どこからか声が聞こえ、いつの間にかはやて達とヴィルヘルミナの間にその声の主が姿を現す・・・。その人物とは・・・

はやて「ぶ・・、部長はん??」

そう、オリキャラ学園のコスプレ部部長である、御刀根 憐その人であった・・・。

709鳳来:2008/05/06(火) 21:37:31 HOST:menet70.rcn.ne.jp
なのは「部長さん・・・・どうして、ここに・・・」
憐「いや、吹雪教頭からプレイヤーキラーの大量発生の報告を受けてな。此処に来たわけだが・・・」
やれやれとため息をついて、ヴィルへルミナを見る憐。
憐「まったく、あいつの起こす騒動は、どうしてこう、斜め上をいくのかな・・・」
はやて「まあ、黒サガはんやからな・・・・」
憐「まあいい・・・・とりあえず、ここは私に任せて、君達は次のアトラクションに行きたまえ。」
ヴィルへルミナ「私がそれを許すとでも?」
憐「許すさ・・・・少なくとも、貴女は私と戦わざるをえない。」
不敵な笑みを浮かべ、<あらゆるキャラを演じる>能力を発動させる憐が演じるのは・・・
ヴィルへルミナ「なっ・・・!?」
憐「このキャラを、私が演じる限りわね。」
炎のように紅くたなびく髪、灼けるように紅い眼・・・そして、黒い宝石に金の輪を付けた左手中指にはめる大振りな指輪<コキュートス>。
憐が、演じるは<大戦>において当代最強の称号を得たフレイムヘイズにして、初代炎髪灼眼の討ち手マティルダ・サントメール だった。
ヴィルへルミナ「・・・・確かに、見過ごすわけにはいかないであります。そのふざけた猿マネを見たからには・・・」
ティアマトー『即時殲滅』
憐「猿マネかどうかわ・・・・戦ってから、判断して欲しいものね。ああ、それとあなた達。」
サスケ「ああ、分かってる・・・んじゃ、ここは任せておくから。」
なのは「部長さん、気を付けて・・・」
憐に促され、その場を後にするなのはら五人を見送ると、憐は目の前の敵に目を向ける。
憐「さて・・・・それじゃあ、始めようかしら。なんたって、闘えるってのは、幸せじゃない。」
その言葉を合図に炎の騎士や炎の獣で構成された軍勢・・・自在法<騎士団>を発動させ、同じく戦闘態勢に入ったヴィルへルミナに向かって行った

710名無しさん:2010/02/08(月) 17:17:17 HOST:i220-221-141-50.s05.a026.ap.plala.or.jp
腎臓ってさ。2つもあるのって、なんか、邪魔じゃない?」 陽介「売らんぞ!?何を恐ろしい事を、さらりと・・・って、銀魂のパクリですよね??


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