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【黒髪】ヴィンセント×ティファ【紅目】

145名無し@ガツーンといくわよ!:2008/09/01(月) 02:28:27
※背中越しのぬくもり


彼のことが最初は苦手に感じてた。

元タークス神羅とゆうことや、
長い黒髪の影に隠れた無表情な顔からはその思いが読み取れなかったし、
話かけても返ってくるのは沈黙や同意のうなずき、
こんな人は私の周りには一人もいなかったから……

ユフィとエアリスはすぐに打ち解けたのに、
私は気遣いながらもどこかよそよそしくてぎこちなかった。

客商売を長い間していたせいか人見知りはしないほうなのに、
どうしても彼に対しては構えてしまう、
どうしてなんだろう?

そう意識してから目の隅で彼のことを無意識に追うことが増えていった。

いつもどこか苦しそうな影を帯びた表情……

ここではなくどこか遠くを見つめているような瞳……

その瞳はどこかで見たことがあるような気がする。

遠い記憶の中で……


年は私とそれほど違わないはずなのに、老成しているかのような落ち着いた物腰、
しっかりしているように見えて妙に世間ずれしていたり、
知っていることと知らないことがすごくちぐはぐしている。
言動がちぐはぐした印象をあたえるクラウドとは、また別な感覚を受ける。
こんなこと気にしているの私だけなのかな?

ティファはフルフルと首を振り、自分の思いを振り払うかのようなしぐさをした。

「早く汲んで戻らなくちゃね……」

みんながお腹を空かせて待っているんだから。

シドが仲間になってからは、ほぼティファが食事当番になっていた。
ああみえてシドは味にうるさいし、ヴィンセントは食が細くてティファ以外の人間が
作ったものにはあまり手をつけようとしない、
以前ユフィが食事当番で夕食を作った時の騒動ときたら、
今思い出しても自然と笑みがこぼれてくる。
ひどい味だったけど、不思議と楽しい思い出になっている。

水を汲もうと川に近づきふと覗き込んだら、自分の顔が映っていた。

茶褐色の瞳、光の加減によっては赤茶色に見える。

パパはよく私に「ティファの瞳はママ似だね」ていってたっけ、

「パパ……」

私どうしたらいいんだろう、あれから一人ぼっちになってから沢山考えた、
考えても考えてもどうすることもできなくて、パパや村の人のことを思い出すと、
どうしても神羅を許すことができなくて、その結果沢山の人を傷つけ苦しめて、

命を奪った……

考えすぎて、何が正しくて間違っているのか、それすらもよくわからなくなる、
だけど、この星を壊そうとしている神羅はとめなきゃいけない、
そのことだけには迷いはない

「パパ、ママ……どうか見守っていてね。
 私が迷わないように、ちゃんと最後まで頑張れるように……」

ティファが水を汲んで立ち上がり戻ろうとした時だった。

背後から数匹のニブルウルフの群れが近づいているのに気がついたのは

「な……」

こんなに近づくまで気がつかなかったなんて、格闘家失格だわ。
すばやくファイティングポーズをとり攻撃に構える。
正面に3頭左右にもそれぞれ2頭……
すっかり囲まれている。

すぅ、呼吸を整え、正面のモンスターに向かう、
次々とステップを踏みながらニブルウルフの攻撃をかわして、
連続でローキックを腹部に数回きめると悲鳴を上げて後退するが、退く気配はない、
そうだよね、あなたたちだって生きるのに必死だよね。
でも、私もこんなところで死ねない。

左右を囲んでいるグループもじりじりと距離を縮めてきている。
みんなのいる海辺からは逆方向に追い込もうとしているのがわかる。
左のグループを突破して、なんとかもどらないと、
走りながら左に向かうと背後から襲い掛かってくるのを感じた。
それを無視して走り抜けると、どうやら合流したらしいニブルウフルがさらに追撃してくる、
正面のモンスターに気をとられていると、
背後の1頭が大きくジャンプして攻撃してきたのが見えたが、防御が間に合わない、
その時銃声が聞こえ、辺りに断末魔の叫びが響いた。
仲間がやられたのをみると、ニブルウルフたちは次々と逃げ去っていった。


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